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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
NETWORK SUCCESS STORY
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
天文学、物質科学、エネルギー科学、生命科学、およびその他の
自然科学に関する研究を行っている自然科学研究機構(NINS)
。
愛知県岡崎地区に拠点を置く3 つの研究機関では、幹線網 1 Gbps、
端末回線 1 Gbps のネットワークを共有していたが、利用者の多い
時間帯に遅延が生じるなど研究の成果に影響を与えていた。
そこで NINS では、近年の研究データボリュームの増大にも耐え
る新たなネットワークのバックボーンにブロケードの 100 Gbps
ソリューションを採用した。
100 GbE による
次世代超高密・広域ネットワーク
課 題
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構では、
愛知県岡崎地区において幹線網 1 Gbps、端末
回線 1 Gbps のネットワーク「ORION」を運用し
ていたが、多重度が高い幹線では、利用者の多い
時間帯には遅延が発生しがちで、研究の成果に影
響を与えていた。また、明大寺地区と山手地区の
二つのキャンパス間は 10 Gbps 回線にて接続し
ていたが、帯域幅の制約のためデータ転送に時間
がかかり、利用者が研究結果をすぐに確認できな
いという事象が発生していた。
導入製品
• Brocade MLXe シリーズ 100 GbE モジュール
ソリューション
集線技術に頼らずに 100 Gbps の広帯域を実現
する基幹ノード装置として、また 10 Gbps 幹線網
の集線用スイッチとして Brocade MLXe シリーズ
100 GbE モジュールを採用。コアネットワーク設
計をシンプルに保ちながら、ペタバイト級の大容量
データ転送を可能にする高速ネットワークを構築。
メリット
• 主要拠点間接続で 100 Gbps を実現、テラバ
イト、ペタバイト級大容量データのネットワーク
転送が現実のものになった
東海初! ペタバイト級大容量データ転送
を支えるバックボーンに 100 Gbps を採用。
高性能・低遅延なネットワークで
大規模な研究を支援
ペタバイト級のデータ転送が求められる
自然科学研究の最前線
学術研究は、研究者個々人の自由な発想が基
礎としながらも、周囲の研究者との日常的な討
論や共同研究が不可欠だ。大学共同利用機関
法人 自然科学研究機構は、まさにこれを実現
した組織で、国立天文台、核融合科学研究所、
基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科
学研究所の 5 研究所から構成されている。国
内外の大学や専門機関に所属するトップクラス
の研究者が同機構のスーパーコンピュータや装
置を活用して、重要な研究課題に関する先導
的研究を進めるとともに、未来の学問分野を
切り拓いている。
こうした自然科学研究の最前線では、近年デー
タボリュームの増大化が進んでいる。たとえ
ば分子科学研究所の計算科学研究センターで
は、数テラバイト級の計算結果データを扱う
研究グループが約 100 あり、生理学研究所の
バイオイメージング研究では、4 次元画像デー
タが 10 の数倍乗の分解能でペタバイト級の容
量になる。スーパーコンピュータの登場でこう
したデータも扱いやすくなったが、解析のため
に研究者が自席の端末へデータを転送する際
に実用に耐える性能が出ないといった課題が
生じていた。そこで同機構では専用ソフトウェ
アを開発して伝送を高速化する工夫を凝らして
いたが、実際には、ネットワーク転送が現実
的ではないとしてオフラインでのやりとりを余
儀なくされる場合もあり、研究の進行に大きな
影響を与えていた。
幹線の多重度高く、利用者に比例して
パフォーマンス低下
同機構では、基礎生物学研究所、生理学研究
所、分子科学研究所という 3 研究機関が愛知
県岡崎地区に集積しており、ORION と呼ばれ
る同一ネットワークを共有、岡崎情報ネットワー
ク管理室が開発・運用管理を行っている。旧
ORION は、2002 年に幹線網に 1 Gbps 回線
を、端末に 100 Mbps 回線を配布するところ
からスタート。その後、端末回線を 1 Gbps に
グレードアップしたが、幹線網は 1 Gbps に据
え置かれたため、
非常に多重度の高いネットワー
クとなり、利用者の多い時間帯には遅延が発生
しがちだった。これには ORION のネットワーク
としての特徴も関係した。というのは、このネッ
トワークはシンプルをポリシーとし、2 層構造で
スタティック・ルーティングを選択していたため、
幹線網に大量のデータが集中する傾向があった
からです。
• 幹線網が 10 Gbps となったことで多重度が下
がり、利用者の多い時間帯でもネットワーク遅
延が発生しにくくなった
• 故障時に瞬時に系が切り替わるため、回線の
可用性が向上した
• コアとしての機能を1つのシャーシで実現でき、
ネットワーク設計をシンプルに保てた
岡崎情報ネットワーク管理室
大野 人侍氏
分子科学研究所 計算科学研究センター
技術主任
内藤 茂樹氏
分子科学研究所 計算科学研究センター
技術職員
松尾 純一氏
NETWORK SUCCESS STORY
今回の導入は、システムインテグレータの提案を
競争入札で評価した結果ですが、Brocade の
100 GbE 製品に決定したのはうれしかったです
ね」と、Brocade MLXe シリーズ 100 GbE モ
ジュール選定の背景を語る。
自然科学研究機構の 100 GbE ネットワーク構成
N 10 GbE キャリア・トランク
(コールド・スタンバイ)
G. 8032
Brocade MLXe
Brocade MLXe
100 GbE アクティブ・リンク
キャンパス
キャンパス
キャンパス
一方、明大寺地区と山手地区の二つのキャン
パス間はそれぞれ 10 Gbps 回線にて接続して
いたが、帯域幅の制約のためデータ転送に時
間がかかり、利用者が研究結果をすぐに確認
できないという事象が発生していた。
そうした中、岡崎情報ネットワーク管理室では、
従来の構成を継承しつつ、自然科学研究の進化
を受け止められる次世代ネットワークを構築しよ
うと、2010 年より検討を開始。
「ORION2011」
と名づけられた新ネットワークの重点達成目標は
大きく3 点あった。
1 つめは、明大寺地区と山手地区間の幹線接続
について、リンク・アグリゲーション機能によるこ
となく回線 1 本で数 10 Gbps 以上の広帯域を
確保すること。
2つめは、
大容量データのネットワー
ク転送を必要とする拠点に対しては、情報コンセ
ントとは別に、光ファイバーを敷設して 10 Gbps
の専用回線を用意すること。3 つめは、これまで
1 Gbps にとどまっていた基幹網を 10 Gbps に
グレードアップしてネットワークの多重度を下げ
ること。これらの要件を詳細な仕様書にまとめ、
競争入札が行われた。
キャンパス
キャンパス
キャンパス
10 GbE
100 GbE
また、同 岡崎情報ネットワーク管理室 大野人
侍氏は、
「G.8032 イーサネット・リング・プロ
テクションを実装しており、故障時に瞬時に系
が切り替わることによって、ネットワークの可用
性が上げられることも評価しました。基幹ノー
ド装置としては、他に同等の性能と実績を持つ
製品は見当たらず、これ以外はちょっと選びに
くかったかなと思います。個人的には、コアとし
ての機能を 1 つのシャーシで実現できる点もよ
かったですね。シャーシが複数にわたると、結
局どこかでリンク・アグリゲーションを使うこと
になり、幹線利用するにはふさわしくないと思っ
ていました」と、補足する。
集線に頼らない広帯域化をめざし、
東海地方でトップクラスの高速ネットワーク
Brocade MLXe シリーズ 100 GbE
が実現
モジュールを導入
「ORION2011」は、2012 年3月本稼働を果
その結果、100 Gbps の広帯域を実現する基幹
たしました。同 分子科学研究所 計算科学研究
ノード装置として導入されたのが、ブロケードの
センター 技術職員 松尾純一氏は、
「あっけな
提供する Brocade MLXe シリーズ 100 GbE
いほどスムーズに移行でき、すべてが順調に動
モジュールだった。32 ポート・ワイヤレート
いています。幹線網が 10 Gbps となったことで
という圧倒的な 100 GbE ポート密度を誇る
多重度が下がり、利用者の多い時間帯でも遅
MLXe シリーズでは、リンク・アグリゲーション
延が発生しにくくなったと思います。新ネットワー
に頼ることなく広速帯域化を実現することがで
クになってからは、研究者からパフォーマンスに
きる。また、1 つのシステムで最大 256 ポート
関して問い合わせやクレームはまったく入ってい
の 10 GbE を収容でき、10 Gbps 幹線網の
ません」と、移行から今日の運用状況について
集線用スイッチとしての機能も果たすため、コア
語っている。
ネットワーク設計をシンプルに保つことが可能に
今回のプロジェクトにより、主要拠点間接続で
なる。大学共同利用機関法人 自然科学研究機
100 Gbps、幹線網で 10 Gbps が実現され
構 分子科学研究所 計算科学研究センター 技
術主任 内藤茂樹氏は、
「新ネットワークでは、 た。100 Gbps は東海地方の研究機関および
大学ではトップクラス、日本全体を見渡しても 3
研究者の皆さんがシステム間で大容量データを
本の指に入る高速ネットワークとなっている。本
スムーズにやりとりできる体制を整えるのが目標
格的な利用は秋の学会シーズンを控えた 2012
でした。拠点間接続は、とにかく 太い管 で
年の夏あたりからを想定しており、新ネットワー
できるかぎりの広帯域化を実現したいと考えま
クは理論値で 10 倍高速化された真価を発揮す
した。リンク・アグリゲーションと違って期待す
るときを静かに待っているという。
るパフォーマンスを確保できるからです。
ブロケー
ドからはファイバーチャネルや FCoE といった幅
今後、同 岡崎情報ネットワーク管理室では、研
広い観点で継続的に情報提供して頂きました。 究者の需要を見据えながら幹線網の 40 Gbps
当初、100 GbE 製品の紹介を受けたときは金
化を目指す計画であり、この領域においてもブ
額面で導入は難しいだろうと考えていました。
ロケード製品のさらなる進化に大きな期待が寄
せられている。
ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社
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