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第2章 地域包括ケア構築に向けた取り組み

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第2章 地域包括ケア構築に向けた取り組み
第2章 地域包括ケア構築に向けた取り組み(平成 23 年度活動報告)
1
取り組みの経緯とその狙い
【1】「高島平団地高齢者地域包括ケア検討委員会」の設置・運営
従来の行政主導型の取り組みではなく、団地住民やそこに関わりの深い事業者、ま
た学識経験者が中心となって官民協力型の取り組みを目指すために、5 月に「板橋区
高島平団地高齢者地域包括ケア検討委員会設置要領」を制定し、その後、おとしより
保健福祉センターが事務局となって「高島平団地高齢者地域包括ケア検討委員会」を
7 月に設置した。
【高島平団地高齢者地域包括ケア検討会
所属1
所属2
福祉系
委員一覧】
氏名(敬称略)
和気
康太
学識経験者 住宅・まちづくり系 中島
明子
医師
備考
明治学院大学社会学部社会福祉学科教授
(板橋区介護保険事業計画委員会副委員長)
和洋女子大学総合生活研究科教授
(板橋区住宅対策審議会副委員長)
板橋区医師会副会長、長沢医院院長
長澤
義久
戸田
敏之
高島平二丁目団地自治会会長
大谷
三郎
高島平三丁目自治会厚生部長
今津
紘一
廣瀬
カズ子
塩本
順子
公募委員
北野
智美
公募委員
田畑
文子
小澤
徹
高島平介護センター所長
保村
恭子
高島平ロイヤル訪問看護ステーション所長
中野
友博
板橋区社会福祉協議会総務課主査
國仲
伸浩
柴崎
啓一
細井
榮一
(板橋区地域ケア運営協議会副会長)
町会・自治会
地域住民
民生委員
区民
地域包括支援セン
ター
介護・福祉 居宅介護支援事業
所
事業者
訪問看護事業所
社会福祉協議会
住宅事業者 UR都市機構
板橋区
健康生きがい部長
-9-
民生・児童委員
(高島平地区民生・児童委員協議会書記)
民生・児童委員
(高島平地区民生・児童委員協議会児童部会長)
高島平おとしより相談センター(地域包括支援
センター)センター長
東日本賃貸住宅本部住まいサポート業務部
団
地マネージャー
東日本賃貸住宅本部住まいサポート業務部
トック活用計画チーム チームリーダー
板橋区健康生きがい部長
ス
区民代表は広報紙等により公募を行ない、2 名の高島平団地在住者が区民代表とし
て委員に選任された。
また、高島平団地内の町会・自治会として、
「高島平二丁目団地自治会」
「高島平三
丁目自治会」からもそれぞれ 1 名ずつが委員として参加していただいた。民生委員も
「高島平地区民生・児童委員協議会」より二丁目、三丁目それぞれの民生委員が 1 名
ずつ参加していただいた。
介護保険関係事業所として「高島平おとしより相談センター(地域包括支援センタ
ー)」
「高島平介護センター」より各1名、訪問看護事業所として「高島平ロイヤル訪
問看護ステーション」より 1 名参加していただいた。
地域福祉の推進を図る機関として「板橋区社会福祉協議会」より1名、高島平団地
の所有者・管理者として「UR都市機構」より 2 名が参加し、板橋区も健康生きがい
部長が行政委員として参加した。
7 月 6 日に委員が一堂に会して、「第 1 回高島平団地高齢者地域包括ケア検討委員
会」が高島平区民館にて行なわれた。その際に、平成 23 年度スケジュールが事務局
より提示され、了承された。
【検討委員会の様子】
- 10 -
【2】 平成 23 年度の主な取り組み内容について
検討
一次調査
二次調査
三次調査
ワークショップ
委員会
6月
7月
グ
集計・分析
第1回
結果報告
調査票作成
配布・回収
ヒアリング
参加募集
9月
集計・分析
まとめ
開催
第2回
11 月
12 月
策定
訪問調査・
8月
10 月
タウンミーティン ビジョン
参加募集
第3回
開催
1月
意見集約・
骨子作成
原案作成
2月
第4回
調整
3月
第5回
策定
本事業の特徴として、介護保険事業計画策定のために平成 22 年度に実施した「介
護保険ニーズ調査結果の活用(一次調査・高島平生活圏域分を独自集計したもの)」
に加え、高島平団地在住の方を対象とした「生活実態調査(二次調査)」、高島平団地
在住のひとり暮らし又は高齢者のみ世帯の方への「高齢者訪問調査(三次調査)」お
よび団地地域周辺の官公庁等や商業施設への「関係機関聞き取り調査(三次調査)」
など、多角的な視点からニーズを把握するための各種調査を実施した点が挙げられる。
また、区民参加型のワークショップや、各種調査結果報告や委員の意見に対して住
民の方から意見を聴く場としてのタウンミーティングを実施することにより、高島平
団地に在住している方々の生の声を聞く機会をもうけ、住民参加の視点による地域包
括ケア施策への反映を目的として実施した。
各種調査等で集計分析した結果を、第 2 回以降の検討委員会で委員からさまざまな
意見や提案をいただき、それらを集約した上で検討すべき課題や今後の方向性を探り、
年度末には最終報告として地域包括ケアのあるべき姿と具体的な施策ビジョンを報
告する。
- 11 -
2
取り組みの結果とそこから見えてきた課題点
【一次調査】介護保険ニーズ調査(高島平二丁目・三丁目部分抜粋)
目
的
平成 24~26 年度を計画期間とする、第5期板橋区介護保険事業計画の策定に
先立ち、介護保険サービスを利用する高齢者及びその介護者の介護実態、介護意
識、支援ニーズ等を把握し、計画策定に資する基礎資料を収集する。
また、今回調査では、厚生労働省の示す「日常生活圏域ニーズ調査」の考え方
に基づき、65 歳以上の要支援、要介護認定を受けていない高齢者、及び要支援
1,2、要介護1,2の認定を受けている高齢者についても、別途調査を実施し
た。
対象者
○65 歳以上の要支援、要介護認定を受けていない高齢者、
及び要支援1,2、要介護1,2の認定を受けている高齢者・・・・・7,500 名
○区内在住の要介護3~5の介護保険居宅サービス利用者及び介護者
・・・・・1,500 名
調査時期
平成 22 年 12 月
調査方法
郵送配布・郵送回収による
回収状況
○65 歳以上の要支援、要介護認定を受けていない高齢者、及び要支援1,2、
要介護1,2の認定を受けている高齢者
・・・4,329 票(うち高島平地区 343 票)、有効回収率 57.7%。
○区内在住の要介護3~5の介護保険居宅サービス利用者及び介護者
・・・・840 票 (うち高島平地区 52 票)、有効回収率 56.0%。
- 12 -
●調査結果概要
板橋区における今後の高齢者施策のあり方を検討するための視点を整理する。なお、介護保険
事業計画の第5期計画期間を通じて、「地域包括ケア」の推進が求められていることから、各設
問の結果から得られる課題・方向性をとりまとめた。
医療、介護
~重度者は、在宅でのケアがより重要。介護者への負担も高く、施設入所ニーズも高い ~
○ 受療状況は要介護3~5でかなり異なっており、要介護5では通院よりも往診を受ける割合
が高い。
問16 現在の診療状況(2L.A)
現在の受療状況(高島平居住者:要介護3~5)
LAYER1: *地域包括支援センター エリア区分 0016:高島平
要介護3 n=17
要介護5 n=23
(%)
0
10
20
30
要介護4 n=9
40
50
60
70
80
90
100
94.1
55.6
通院している
30.4
11.8
44.4
往診を受けている
73.9
入院している
5.9
0.0
4.3
0.0
11.1
いずれも行っていない
0.0
無回答
0.0
0.0
0.0
(n は回答者数、以下同じ。)
○
要介護者自身の症状では、認知症診断を受けた要介護者で「物忘れ、記憶力低下」「尿便失
禁」「妄想」などの症状が、診断を受けていない要介護者に比べて明らかに多くみられる。
○
在宅の要介護3~5のうち、「福祉用具貸与」「訪問看護」「認知症対応型通所介護」の満足
度(「満足」と回答した割合。以下、同じ)が 65%以上と高い結果であった。
○
ケアマネジャーの応対については、「連絡の取りやすさ」、「要望への迅速な対応」、「ケアプ
ランの十分な説明」などの満足度が高い一方、「サービス事業者のちがいを十分説明してくれ
る」「区やその他の団体を説明してくれる、他のサービス事業者を選べる、勧めてくれる」な
ど、利用者のサービスの選択に関する事項については、満足度がやや低い。
○
在宅の要介護3~5の介護サービス利用者のうちの約2割は、特別養護老人ホーム等施設入
所を申し込んでおり、その理由は、介護家族の身体的・精神的負担が最も多い(約5割)。
- 13 -
予防・生活支援
~
介護予防の啓発がますます重要に
~
○
本調査では、介護予防必要者把握のための基本チェックリストを用いて、元気高齢者の中の
潜在的な介護予防必要者層の把握を行った結果、約4割が介護予防を必要とする状態にある。
運動器の機能向上とともに、口腔ケアを必要としている高齢者も2割みられる。
*介護予防分布(M.A)
TOTAL n=1,336
高島平 n=111
(%)
0
10
20
介護予防分布(介護予防の必要な高齢者の割合)
(Total は、区全域)
30
40
50
60
70
38.1
38.7
介護予防必要者 計
25.1
21.6
運動器
2.5
3.6
栄養
21.6
24.3
口腔
全体 暮らしぶり含む
10.8
12.6
61.9
61.3
介護予防必要者以外
○
外出行動について、介護予防の必要な高齢者については、外出するよりも家で過ごすほうが
好き、とする回答が目立っている。
【二次調査】高島平団地在住者の生活実態調査
目
的
対象者
高島平団地に在住している方の生活実態、生活自立度等について把握し、区の
施策ビジョンを策定するための基礎資料を得ることを目的として実施した。なお、
今後の中長期に渡る施策の参考とするために 55 歳以上の方を調査対象とする。
高島平団地(2・3丁目)在住の 55 歳以上の方(要支援・要介護者含む)
・・・・・1,500 名
調査時期
平成 23 年8月
調査方法
郵送配布・郵送回収による
回収状況
有効回収数・・・・718 票、有効回収率
- 14 -
47.9%
●
調査結果からいえること
1
回答者の属性
~ 回答者の7割が 20 年以上団地に居住し、2丁目居住者の6割は一人暮らし ~
○ 回答者の性別・年齢分布
・回答者の性別構成をみると、男性が3割、女性が6割の構成となっている。
・回答者の平均年齢は 70.3 歳。女性で後期高齢者(75 歳以上)の割合が3割を超えている。
○ 団地内居住の実態(定住年数、団地内転居の有無 等)
・回答者の7割が高島平2丁目に居住している。
・平均居住期間は 24.4 年で、「20 年~30 年未満」が4割、「30 年以上」が3割みられる。
・回答者中の団地内転居経験者は2割で、現在高島平3丁目に居住している者の4割が「団地内
で転居した」としている。
・世帯構成は、5割が一人暮らし。2割強(26.2%)が夫婦のみ世帯。高島平2丁目居住者の6
割は一人暮らしで回答者全体よりもやや多い。
世帯構成
*問4 世帯構成
(Total は、高島平2、3丁目及び無回答を含む。)
一人暮らし
夫婦のみ世帯
その他世帯
無回答
(%)
TOTAL
53.2
高島平2丁目
高島平3丁目
26.2
64.0
30.0
17.5
22.0
35.0
31.8
11.3
3.1
2.7
3.2
サンプル数
718
486
220
・入居後の同居人数の推移は、入居時には「一人暮らし」が約2割(17.1%)だったのに対し、
現在では「一人暮らし」は5割(53.2%)と増えている。
・日中一人になる割合は、夫婦のみ世帯で3割、その他の世帯(夫婦以外の親族等との同居)が
4割と夫婦のみ世帯をやや上回っている。
- 15 -
2
日常生活の状況
~
インターネットや携帯メール利用が急速に普及している。~
~
夫婦世帯で「親族との行き来」が多い。
~
○ 新聞購読、インターネット・携帯電話活用
・回答者世帯の7割が新聞を購読しており、一人暮らし世帯では6割で他世帯よりも低い。
・回答者世帯の4割がインターネット利用が可能としており、ネット環境の普及が進んでいるこ
とがわかる。また、約6割の回答者の世帯で携帯電話のメール利用可能(一人暮らし世帯でも
約5割が利用可能)としている。
○
親族との関係(行き来)
・夫婦のみ世帯の6割は、「月1回」「年数回」にわたって親族との行き来をしている。
別居親族との行き来(別居親族のいる回答者のみ)
問7② 別居親族との行き来頻度【別居親族あり】
(Total は、世帯形態無回答を含む。)
週
1
~
毎
日
月
1
回
年
数
回
年
1
回
数
年
に
1
回
2
回
行
き
来
は
な
い
無
回
答
(%)
TOTAL
5.5
16.8
25.1
一人暮らし
6.1
16.5
23.9
夫婦のみ世帯
4.3
17.4
30.8
8.9 5.3 4.13.6
28.3
31.1
9.4
34.2
6.1 4.7 5.1
7.5 3.1 0.6
サンプル数
585
297
161
1.9
その他世帯
6.4
16.4
19.1
31.8
8.2
7.3 6.4 4.5
110
○ 就労状況
・男性の約3割が「正社員・正規職員」もしくは「契約・派遣社員」。女性では、前期高齢者(65
歳~74 歳)の2割が「正社員・正規職員」。
○ 健康状況、健康のために気をつけていること
・健康状況は、
「とても健康」16%、
「概ね健康」59%、
「あまり健康でない」19%、
「健康でない」
7%の構成となっている。「とても」「概ね」合わせて約4人中 3 人(約 75%)が「健康であ
る」としている。
- 16 -
3
介護・医療について
~
男性は女性に比べて介護の経験が少なく、将来の在宅介護に不安
~
○ 介護経験、認定状況、受診状況
・回答者のうち今まで介護をした経験は、女性は3~4割に対し、男性は1割台と低い。
家族・親族の介護をした経験の有無(複数回答)
問12 家族・親族の介護経験について(複数回答)
(性別・年齢別)
男性55~59歳 n=22
女性55~59歳 n=41
無回答 n=15
(%)
0
10
男性60~64歳 n=56
女性60~64歳 n=93
20
30
13.6
16.1
17.0
40
男性65歳以上 n=153
女性65歳以上 n=338
50
男性
36.6
かつて介護したことがある
28.0
43.5
女性
33.3
4.5
5.4
3.9
7.3
6.5
3.6
現在、介護している
男性
女性
0.0
・回答者中、要支援・要介護認定を受けている割合は8%。(参考:平成 22 年 10 月1日現在、
高島平地区の要支援・要介護認定率は 11.5%で、区内圏域(おとしより相談センター圏域)
中最も低い。)
・受診状況については、回答者の6割以上が「通院している」と回答。男女とも後期高齢者の5%
が往診を受けている。
- 17 -
4 住まいについて ~ 今の住まいにいつまでも住み続けたい、との意向が非常に高い ~
○ 住まい、周辺環境の評価(魅力、不満)
・魅力点は「交通の便がよい」「買い物に便利」「緑が多い」「病院や公共施設に行きやすい」が
上位(約6割以上)。
・不満点は「家賃や維持費が高い」が 65 歳未満、前期高齢者で5割前後。
「居住スペースが狭い」
が 65 歳未満で約3割みられる。
○ バリアフリー(改修状況等)
・介護保険によるバリアフリー改修、または自費によるバリアフリー改修を実施している方はと
もに約5%。
・今後の改修意向は介護保険によるものが 16%。
○ 今後の居住意向(継続、転居 等)
・回答者の7割が「可能なかぎり今の住まいで生活したい」とし、後期高齢者では8割前後にの
ぼる。広いところへの転居意向は、男女ともに 65 歳未満、前期高齢者で 15%前後。
・希望する転居先は、
「集合住宅(分譲・賃貸マンション)」が最も多い(賃貸区分居住者の4割
が回答)。最も希望する転居先は、「東京都内」が約3割で最も多い。
今後の居住意向
問18 今後の居住意向状況
(Total は、性、年齢無回答含む。)
可能な限り今 今の住まいを もっと間取り( もっと広い住ま 無回答
の住まいで生 改修して住み 部屋数等)の いに転居した
活したい
続けたい
少ない住まい い
に転居したい
(%)
TOTAL
男性55~64歳
71.9
62.8
男性65~74歳
女性65~74歳
12.8
72.6
男性75歳以上
女性55~64歳
9.7 1.8 12.5
6.4
15.4
12.1
61.9
15.7
71.5
3.0
7.5
4.0
718
2.6
78
6.3
95
3.4
3.4
1.7
58
6.3
14.7
0.0
79.3
サンプル数
17.2
2.2
134
4.3
186
7.2 4.6 5.3
152
15.1
1.6
女性75歳以上
82.9
0.0
無回答
66.7
6.7
0.0
- 18 -
26.7
0.0
15
5
外出、生きがい、日中の活動状況、近隣との交流
~
身近な外出先は「スーパーマーケット」。
~
男性に比べ女性のほうが付き合い、交流は活発かつ親密な様子がうかがえる。
~
~
○ 外出先、外出頻度、テレビ視聴
・スーパーマーケットには、「週3日以上」が約7割に対し、小売店・商店街は「週3日以上」
が3割と低い。医療機関は、後期高齢者の4割が「月2回以上」通っている。
問19 外出頻度
外出の頻度(外出先別)
月
2
~
週
1
~
週
3
~
ほ
ぼ
毎
日
4
日
程
度
2
日
程
度
3
回
程
度
月
1
回
以
下
ほ
と
ん
ど
な
い
無
回
答
(%)
スーパーマーケット
43.5
小売店、商店街
17.0
コンビニエンスストア
金融機関、郵便局
5.0 5.6
14.6
14.1
21.4
15.7
11.6
0.8
24.4
19.2
10.7
15.5
2.8
5.3 3.9
1.0
6.7
8.2
21.3
37.7
32.0
サンプル数
718
21.3
718
22.8
718
5.6
9.6
718
2.6
デパート
1.9
12.4
0.1
0.3
余暇(散歩、運動、映画鑑賞、
観劇、展覧会など)
28.8
16.9
6.3
医療機関(病院、診療所)
0.8
14.1
38.0
16.2
19.5
14.8
46.4
718
18.4
13.0
13.5
18.8
11.7
6.1
718
718
2.1
○ 生きがい
・生きがいを感じるのは、
「友人との食事、雑談しているとき」が前期高齢者の5割強(56・0%)、
「テレビを見たりラジオを聴いているとき」は後期高齢者の5割強(56.6%)みられる。
- 19 -
○
現在の付き合い、交流について(団地内・外)
・近隣との付き合いは、
「あいさつ程度」が最も多いが、一人暮らし世帯では「(となり近所との
付き合いが)ほとんどない」が 23%みられる。
・近隣との付き合いは、男性に比べ女性のほうが頻繁かつ深く、女性後期高齢者では「互いの家
を行き来」が 15%、「いただき物や旅行のお土産のおすそ分け」が 33%みられる。
・普段の付き合いは「団地内・外の人それぞれでの付き合いがある」が5割みられる。
問22① 普段のとなり近所との付き合い方
ふだんのとなり近所との付き合い方(複数回答)
一人暮らし n=382
その他世帯 n=126
(%)
0
10
夫婦のみ世帯 n=188
20
30
40
50
60
9.2
お互いの家を行き来している
6.4
4.0
21.2
23.9
いただき物や旅行のお土産をお
すそ分けする
29.4
45.8
あいさつ程度
ほとんどない
無回答
11.7
11.1
57.4
54.8
22.8
1.0
0.5
0.8
問22② となり近所と付き合いをしない理由(複数回答)【近所付き合い
となり近所と付き合いをしない理由(複数回答)
なし】
一人暮らし n=87
(%)
0
10
20
30
40
普段つきあう機会がないから
35.6
あまりかかわりをもちたくないか
ら
31.0
気の合う人・話の合う人が近く
にいないから
20.7
仕事や家事などで忙しく時間が
ないから
13.8
その他
8.0
引っ越してきて間もないから
6.9
同世代の人が近くにいないから
4.6
特に理由はない
4.6
2.3
無回答
0.0
- 20 -
60
51.7
ご近所と知り合うきっかけがな
いから
わからない
50
6
地域生活について
~
地域とのつながり意識は、理想と現実のギャップがみられ、助け合いなどへの参加意識は
半数程度にとどまる。一方、後期高齢者になると災害時における支援ニーズは高い。 ~
○ 地域とのつながりについて
・地域とのつながりについて、
「とても」
「どちらかといえば」を合わせて「(つながりが)必要」
とする割合が8割みられるのに対し、居住地域でのつながりについては、
「とても」
「少し」を
合わせて「(つながりを)感じる」とする割合が4割にとどまっている。
「つながりがとても必
要」とする人(30.4%)のうち、「住んでいる地域においてつながりをとても感じる」のは2
割である。
問23 地域のつながりの必要性について
地域のつながりの必要性について
とても必要 どちらかと言どちらかと言必要ないと わからない その他
だと思う
えば、必要 えば、必要 思う
だと思う
ないと思う
無回答
(%)
サンプル数
TOTAL
30.4
3.6 8.4
1.8
1.8 0.4
718
あまり感じな 全く感じない わからない
い
無回答
53.6
問23-1 居住地域のつながりについて
住んでいる地域のつながりについて
とても感じる 少し感じる
(%)
サンプル数
TOTAL
9.3
とても必要だと思う
34.7
33.7
22.0
36.2
8.2
26.1
718
11.1
7.8
2.9
218
6.0
1.8
どちらかと言えば、必要だと思う
4.9
40.5
どちらかと言えば、必要ないと思
う
7.7
必要ないと思う
7.7
38.2
53.8
4.7
30.8
7.7
0.0
15.4
53.8
23.1
0.0
わからない
15.0
28.3
15.0
0.0
- 21 -
40.0
9.9
1.8
385
26
0.0
0.0
1.7
13
60
○ 地域生活における考え方(参加意識、助け合い意識、等)
・
「助け合い」、
「活動への協力」、
「祭り等への参加」、
「自分の生活の優先」の4項目のうち、
「自
分の生活の優先」以外の3つの項目では、
「(取組が必要とする考え方に)どちらかといえばそ
う思う」が4~5割みられる。
○ 災害時の対応について
・災害時に頼れる人は、後期高齢者では「となり近所の人」「民生委員・児童委員」がともに2
割みられる。災害時に声かけ等を事前に依頼している人も同様の回答となっている。
災害時に頼れる人(複数回答)
問26 災害時に頼れる人(複数回答)
(回答者の年齢区分別)
55~64歳 n=212
75歳以上 n=212
(%)
0
10
65~74歳 n=282
20
30
40
50
46.7
37.9
その他の家族・親族
24.5
21.2
29.4
配偶者
23.6
14.2
となり近所の人
18.9
22.6
1.4
8.2
民生委員・児童委員
2.4
1.4
2.4
10.8
13.1
11.3
頼れる人はいない
無回答
22.6
2.4
1.1
3.3
- 22 -
37.3
33.7
友人・知人
その他
40.1
30.1
子ども
38.7
40.6
7
日常生活における不安について
~ 一人暮らし高齢者で、緊急時に外部とのコミュニケーションが絶たれることへの不安感が高い。 ~
○ 不安に思うこと
・「室内で倒れ、そのままになる」については、「不安が強くある」「不安がある」を合わせた、
「不安がある」割合は、一人暮らし世帯で約7割みられる。
○ 相談先
・後期高齢者では相談先が多岐にわたる傾向があり、「民生委員・児童委員」「近所の人」「ヘル
パー(訪問介護事業所の介護職員)」「ケアマネジャー」がそれぞれ1割みられる。
日常生活上の不安について(「室内で倒れ、そのままになる」)
問27 日常生活の不安点について 室内で倒れ、そのままになる
(Total は、世帯形態無回答を含む。)
(不安が)強く (不安が)ある (不安は)あま (不安は)ない 無回答
ある
りない
(%)
TOTAL
17.4
一人暮らし
夫婦のみ世帯
その他世帯
35.5
25.1
9.6
6.3
24.4
43.2
26.6
23.8
31.9
32.5
- 23 -
9.6
718
0.2
5.2 8.6
382
0.7
8.5
188
-0.4
13.1
17.8
23.4
22.2
サンプル数/平均
15.1
126
-0.5
8
団地・周辺地域における満足度、居住地への愛着度
~
回答者の7割が住まい・地域に愛着を感じ、高齢な住民ほど高い。~
○ 「交通の便利さ」
「買い物の便利さ」
「移動のしやすさ」
「公共交通機関の便利さ」
「公園・緑
地・自然」において、「満足」が5割前後。
○ 居住地への愛着度は、65 歳以上で「とても(愛着を)感じる」割合が4割前後みられ、
55~64 歳の回答割合(27.4%)を上回っている。
居住地に対する愛着度
問35 居住地に対する愛着度
(Total は、年齢無回答を含む。)
とても感じる 少し感じる
あまり感じな 全く感じない わからない
い
無回答
(%)
TOTAL
35.9
42.2
3.5
10.7
7.0
0.7
55~64歳
65~74歳
27.4
52.4
38.3
40.4
2.8
2.4
1.4
13.7
3.5
11.0
0.4
75歳以上
41.5
34.4
3.8
7.5
0.5
6.4
12.3
サンプル数
718
212
282
212
【三次調査】高齢者訪問調査及び関係機関聞き取り調査
目
的
対象者
高島平団地高齢者の生活実態を実際に訪問して把握することにより、二次調査と
合わせて団地高齢者のニーズをより深く把握する。(高齢者訪問調査)
また、団地在住者が生活の活動拠点とする官公庁や商業関係者等から、団地高齢
者との関わりや課題点、団地高齢者への啓発内容などについて聞き取り調査を実施
する。(関係機関聞き取り調査)
【高齢者訪問調査】
高島平団地在住で 65 歳以上の一人暮らし及び高齢者のみ世帯・・・12 名(8世帯)
【関係機関聞き取り調査】
高島平団地周辺の官公庁や商業施設、UR都市機構高島平担当部署・・・・5機関
調査時期
平成 23 年8月~9月
調査方法
対面調査による
- 24 -
●
調査結果からいえること
高齢者訪問調査
~
室内環境では段差・高さへの不便さの指摘が多く、フラットな移動が可能になるような改良
が求められている。~
~
ひとり暮らし高齢者は、いざという時の孤独感や不安感を強く抱えている。~
○回答者の属性
8世帯 12 名を、①高島平二丁目もしくは三丁目②低層階または高層階③一人暮らしもしくは
高齢夫婦のみ世帯の3項目で区分けをして、区職員が訪問して対面式聞き取り調査を実施。
○団地の居住年数
ほとんどの方が 40 年ほど前(現居住棟の入居開始当初)から居住している。
○住居スペースで不便と思う箇所
・多い意見としては「室内の段差が気になる」「浴槽の高さが厳しい」というものであった。
また、「トイレが狭い」「防音効果が薄い」等の意見も見られた。
・高齢者向け優良賃貸住宅に住む高齢夫婦からは「(設置済みの)緊急通報システムの使い方が
わからない」という意見があった。
○日常生活全般で困っていること
・多い意見としては「買い物が大変」というものだった。また、一人暮らしの方で「自分が急に
倒れた時に誰にも気付かれないのではないかと心配」という意見があった。一人暮らしの方は
皆、面談の際に同じような意見を持っていた。
関係機関聞き取り調査
~ 防犯や救急対応、コミュニケーションなど、日常生活上での様々なニーズへの対応が常に
求められている。~
○回答機関
警視庁高島平警察署、東京消防庁志村消防署、郵政事業株式会社板橋西支店、東武ストアー高
島平店、UR都市機構東京北住宅管理センター
○各機関の高齢者との関わりについて
・【高島平警察署】昨年度の振り込め詐欺件数が管内で 30 件、うち団地内で 12 件発生した。
・【志村消防署】救急搬送全体の約4割強が高齢者である。また、昨年度の高島平地区管内での
救急搬送件数が 2,804 件、うち団地内が 1,100 件であった。
・【郵政事業株式会社板橋西支店】戸別配達の際に高齢者に理解してもらえるよう、ゆっくりと
大きな声でなるべく時間をかけて対応するよう心掛けている。
・【東武ストアー高島平店】他の店舗と比較して、高齢者の顧客同士の情報伝達やコミュニケー
ションが活発な印象がある。団地内商業施設として高齢者にやさしいまちづくりを目指す。
・【UR都市機構東京北住宅管理センター】団地住民の直接の窓口ということで、高齢者とより
密接に関わっている。契約更新等の書類関係のやりとりに関して、高齢者自身が苦労している
ケースが多いと思われる。
- 25 -
【ワークショップ】
目
的
参加者
開催時期
高島平団地在住者が「住みなれたまちでおとしよりが安心して暮らすために自
分たちに何ができるか」をテーマとして、グループミーティング形式により高齢
者施策の観点からみた高島平団地の特徴や課題整理、提案の発表を行なった。実
際に団地在住者の意見や提案を把握することにより、今後のビジョン策定に反映
させることを目的とする。
高島平団地在住者 18 名(公募による)
平成 23 年 9 月 29 日(木)
●ワークショップの概要
○スケジュール
3班に分かれてグループミーティング形式により実施した。前半は地域の課題や特徴を洗い
出してそれぞれの意見を集約し、後半はその中から意見を選択した上で、その解決方法等につ
いての提案を話し合い、発表した。
○主な意見と提案内容
(とりまとめイメージ)
~ 「サロン活動等を通じて高齢者と他世代とのコミュニケーションを図り、地域でのつながり
をつくる」 ~
・1班では「高齢者について」というテーマのもとに、世代を超えた関わりやコミュニケーシ
ョンの場を設けるといった提案があった。
・2班では、
「つながり」というテーマのもとに、声かけの必要性についての啓発や、災害時
の環境整備、交流できる活動の場を設けるといった提案があった。
・3班では「地域交流について」というテーマのもとに、サロンやサークル活動の実施、高齢者
が集まれる場所づくり、複合型施設の設置といった提案があった。
ワークショップの様子
- 26 -
【タウンミーティング】
目
的
参加者
開催時期
地域包括ケア検討委員会の検討状況、及び今後のビジョン策定に関し、地元区
民の方々より幅広く意見をいただく主旨から第3回検討委員会(平成 23 年 12 月
22 日)の閉会後に開催した。
高島平団地在住者等 16 名、地域包括ケア検討委員会委員
平成 23 年 12 月 22 日(木)
<寄せられた主な意見>(順不同)
○ 地域シニア講座。
「広報いたばし」に記事掲載したらかなり反響があり、定員オーバーとな
った。アンケートで講座等を年に何度も開催したらというご意見もいただいた。
○ 見守り活動の一環:団地内にキーボックスの設置・運営。緊急連絡総体の問題として、ある
いは地域での関係性をどうとらえるかということにも繋がるのでは。
○ 男性は、(地域での催しに)出てこない。対応策が必要。かつて結構いい職場に勤めていた
人たちが住んでいる。サラリーマンの管理職をやっていたような人たちが集団の中に入るのが
苦手なのではないか。
○ (若い世代から見て)地域活動は高齢者的になることが多い。高齢の方も困っているし、若
い方でも子育ての悩み、年齢を重ねるにつれて課題があり、高齢の方のほうが知識がある事を
若い人が教えてもらったり、異文化交流、語学などキャリアアップにつながること、就職活動
のアドバイス、など若い人の成長の助けや学びになると楽しい、
(人が)集まるのではないか。
○ 拠点を作っても高島平の中だけで自己完結しているかも知れない。外との交流が必要、大学
はひとつの例。開かれた高島平団地にしていくことが必要。
○ (家に閉じこもっていて何もしていないような人たちが)圧倒的に中高年の男性が多い。そ
ういう人たちがわくわくして出て来れる様な、男の料理教室をうちの大学は開催しているので。
大きいテーマではないか。
○ 団地の中に外食をするところは少ない。気分転換に交流しながら食事する。気軽に行ける場
も無い。場の提供だけでなく、働ける世代の方が沢山いるので、共同運営できるようなカフェ
等をオープンし、仕事を通してのつながりみたいなものを提供していただければしたいという
人もいるのではないか。仕事にはいろいろなプロセスがあるので、各々の得意分野を発揮し、
地域の人が参画できる企画ができれば。
○ 空き店舗活用をぜひ。1 階だからバリアフリーである。空き店舗を板橋区が借り上げていた
だく。
○ コミュニティビジネスだけでなく、最近はソーシャルビジネスもある。お金ではなくて社会
価値、生きがいや楽しみを価値として認めていこうというもので、大事ではないか。行政の生
きがいづくりは、ばらばらに活動されていると思うが、集約されていくといい町になる。
○ 3月11日の日、見守りネットの方の家を回ってみたら、ほとんどの家庭でガスが止まって
いるが、どうやって回復させるのかがわからず、前の家に聞きに行けばいいのに、寒いのに一
晩ガマンした人もいた。近所づきあいがなかなか進まないことを感じた。特に年配者は自分が
元気で働けるうちは自分で努力しようと思うが、その考え方を変えることが必要。
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