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新潟県
EV・PHVタウン
普及推進マスタープラン
平成22年3月
新潟県
Ⅰ.マスタープランの趣旨
1
計画の主旨と位置づけ
新潟県は、平成 20 年度末に経済産業省の EV・PHV タウンに選定され、平成 21 年
6 月に具体的行動計画である「EV・PHV 普及推進アクションプラン」を制定し、この実
現を通じて電気自動車等の普及推進に努めてきたところである。
平成 21 年度においては、EV 等の導入促進及び充電インフラ整備を特に重点的に
推進してきたところであるが、平成 22 年度から EV 等が一般販売に移行するに当たり、
より一層の推進を図る必要が生じている。
このため、平成 21 年度において策定・実施した「新潟県 EV・PHV 普及推進アクショ
ンプラン」(以下、「アクションプラン」という。)の成果等を評価し、平成 22 年度以降の
推進方策等に関し「新潟県 EV・PHV 普及推進マスタープラン」(以下、「マスタープラ
ン」という。) として取りまとめる。
2
計画の目的
平成 21 年度に取りまとめ、実施してきた本県のアクションプランは、実施初年度で
あるとともに、EV 等の販売台数が限定的であったことから、先行的取組として一定の
知見は得られたものの、今後一般販売に移行するに当たっては一層の活動強化が必
要となる。
このため、平成 22 年度以降の活動強化を図るため、アクションプランにおける個別
推進事項の実績を精査・評価し、新たにマスタープランを策定し、効果の高い取組等
について再度着目し、これらの活動を強化するとともに、今後必要となる新たな取り組
みを定めることにより、より一層の推進を図るものである。
3
計画期間
平成 22 年度~平成 25 年度
1
Ⅱ
アクションプラン(平成 21 年 8 月策定)の概要
1
普及目標
電気自動車等
充電インフラ
CO2 削減効果
2015 年
軽自動車の保有台数の
概ね 30km 四方に1台程度
0.3%程度(2,000 台程度)
(合計 15 台程度)
2020 年
乗用車の保有台数の
概ね 30km 四方に3台程度
2%程度(35,000 台程度)
(合計 45 台程度)
52,000t-CO2
2050 年
乗用車の保有台数の
概ね 10km 四方に4台程度
40%程度(540,000 台程度)
(合計 500 台程度)
700,000t-CO2
2
2,000t-CO2
取組内容
(1)初期需要の創出
【取組方針】
EV 等の生産台数が限られていることを踏まえ、当面は自治体による
EV 等の率先導入や企業等の所有車としての導入を働きかけるとともに、
自動車関連税制優遇などの行政側の取組に加え、金融機関のマイカーロ
ーン金利減免など民間の取組を併行して行うことにより、EV 等の初期
需要を喚起していく。
また、多数の県民が EV 等に触れる機会の拡大に向け、自動車メーカ
ー、ディーラーと協働して展示会等の開催に努めるほか、モデル地域に
おけるタクシーやレンタカーへの EV 等導入を重点的に働きかける。
さらに、県が実施する協議会(新潟県電気自動車普及協議会)に「EV
等普及推進ワーキンググループ」を設置し、推進に関し具体的かつ詳細
な検討を行う。
【取組項目】
取組項目
実施事項
(a)地方自治体への ・県及びモデル地域市町村は、公用車への EV 等導入に率先して取り組
公用車の導入
む。
・県は、他市町村へも導入を働きかける。
(b) 自 動 車 取 得 税 、
・県は、EV 等の自動車取得税及び自動車税の軽減を図るとともに、減税
自動車税、軽自
に関する情報を収集し市町村に提供する。
動車税の減免
・市町村は、EV 等の軽自動車税軽減を検討する。
(c)EV 等購入補助
・モデル地域市町村は、EV 等購入に関する補助事業の実施を図る。
2
・県は、県内の金融機関に対し EV 等に関する情報提供を行うほか、EV
(d)マイカーローンの 等購入に関するマイカーローン金利の軽減検討を促進する。
金利減免
・市町村は、モデル地域において、信用金庫等に対し金利の軽減を働き
かける。
・市町村は、地域協議会と連携の上、タクシー事業者等が率先して EV 等
の導入に努めるよう働きかける。
(e)EV タクシーの導
・県及び市町村は、EV タクシー導入について、車両の規格等の課題の対
入
応、専用乗降場所の確保や急速充電器の設置など、必要な支援を行
う。
(f)レンタカー・カーリ ・市町村は、地域協議会と連携の上、レンタカー・カーリース事業者等が率
ースへの EV 等 先して EV 等の導入に努めるよう働きかけるとともに、EV 等カーシェアリ
導入
ングシステムの構築を検討する。
(g)地元企業への導
・市町村は、地元企業への EV 等の導入を積極的に働きかける。
入促進
(h)地域単位の普及
・モデル地域市町村は、EV 等普及促進協議会を設立・設置し、地域に密
促進協議会の設
着した普及活動を行う。
立・設置
(2)充電インフラの整備
【取組方針】
EV 等の航続距離が制限されることから、その利便性向上に向け、公的施
設への急速充電器設置のほか、地元商店街など民間企業の協力によって充
電インフラの面的整備を早期に実現し、EV 等の導入・利用に必要な充電イ
ンフラを整備する。
また、充電施設の配置場所が明確な地図などを作成し、住民が EV 等を
使いやすくなるような情報発信に努める。
さらに、充電インフラの面的かつ効果的な整備に向け、県協議会に「充
電インフラ整備ワーキンググループ」を設置し、推進に関し具体的かつ詳
細な検討を行う。
【取組項目】
取組項目
実施内容
(a) 公的施設への急 ・新潟県及びモデル地域市町村は、率先して公的施設へ急速充電器を設
速充電器の設置
置する。
・市町村及び地域の企業等は、EV 等の利用者が、街中の事業者等の既
存電源から手軽に充電できるよう、地域毎に充電ネットワークの構築(緊
(b) 充 電 ネ ッ ト ワ 急充電協力事業所の組織化)に努める。なお、構築に当たっては、太陽
光発電などをはじめとする新エネルギーの活用も検討する。
ークの構築
・また、ユーザーが充電可能であることが容易に把握できるよう統一表示を
実施するほか、カーナビゲーションシステムでの統一表示や地図等への
充電可能か所の掲載などを検討する。
3
(c) EV レスキュー
EV ・ 急 速 充 電
器の製作
(d) 商 業 施 設 等 へ
の充電設備設置
(e) 「街中充電ネッ
トワーク」の構
築
・モデル地域の製造業者などが、自動車メーカー・電力会社と連携・協力
し、立ち往生している電池切れの EV に自らのバッテリー残量を分け与
え救出する EV レスキューEV の製作に取り組むとともに、急速充電器の
製造等に関するノウハウ等の取得に努め、本県における迅速かつ柔軟
な充電インフラ整備を図る。
・県及びモデル地域市町村は、幹線道路周辺の商業施設や宿泊施設、駐
車場などへの急速充電を主体とした充電施設設置を働きかける。
・ニーズが高いと思われるショッピングモールなどの大規模商業施設やホ
テル、コンビニエンスストア等と連携し、早期の設置に向けた検討を開始
する。
・県及びモデル地域市町村は、地域住民と連携して、EV等の電力不足な
どの緊急時に、民家等が電力等の供与に協力する「街中充電ネットワー
ク」などの構築を働きかける。
(3)普及啓発
【取組方針】
県及び市町村は、EV 等の普及推進に寄与した者の表彰などを実施する
とともに、県民が EV 等に接触する機会の拡充のため、メーカー・ディー
ラー等と協働した展示会などの開催や県民への情報発信に努める。
また、市町村が主催する地域協議会は、タクシーやレンタカー、カーリ
ース事業者などの民間企業に対し、EV 等の導入を働きかけるとともに、
充電ネットワークの構築など過剰な負担とならず、かつビジネス的にもメ
リットがあり得る部分を担うことにより、EV等の効果的な普及啓発を図
る。
【取組項目】
取組項目
実施内容
(a) 普及協力表彰の
・県及び市町村は、EV 等の普及に尽力し実績のある企業などを表彰す
実施
る。
(b) EV 等の試乗会・
・県及び市町村は、メーカーやディーラーと連携して、EV 等の試乗会・展
展示会の実施
示会を開催する。
(c) 環境教育の実施
・県・市町村及び教育機関は、EV 等や自然エネルギーに関する教育を、
企業と連携するなどして実施する。
・市町村及び地域の企業等は、EV 等の利用者が、街中の事業者等の既
存電源から手軽に充電できるよう、地域毎に充電ネットワークの構築(緊
急充電協力事業所の組織化)に努める。なお、構築に当たっては、太陽
光発電などをはじめとする新エネルギーの活用も検討する。
(e) レンタカー・カー ・市町村は、地域協議会と連携の上、レンタカー・カーリース事業者等が率
リースへの EV 等 先して EV 等の導入に努めるよう働きかけるとともに、EV 等カーシェアリ
の導入【再掲】
ングシステムの構築を検討する。
(d) 充電ネットワーク
の構築【再掲】
4
(f) インターネット等 ・県及び市町村は、協議会活動や企業のEV導入の成果などについて、イ
を 活 用 し た 普 及 ンターネットをはじめ様々な手段を通じて、EV等の活用方法等をはじめ
啓発情報の発信
とする普及啓発情報を発信する。
(f) その他の普及啓 ・県及び市町村は、駐車場における充電設備と連動した EV 等の専用ス
発 手 法 の 検 討 ・ ペースの設置や、EV等のバス専用レーン等の通行を検討するなど、普
実施
及啓発に努める。
(4)効果評価
【取組方針】
県は、国及び他の EV タウン構想策定県等と連携し、温暖な地域等での
展開との比較検討を行い、降雪・寒冷地域である本県での EV・充電器の展
開に係る課題を把握し、対策を講じる。
【取組項目】
取組項目
実施内容
(a) CO2 排出量削減
・県は、CO2 排出量削減について評価し、情報提供に努める。
に関する評価
(b) 寒冷地における ・県は、本県における EV 等の利活用に関するデータ収集に努めるととも
電 気 自 動 車 の エ ネ に、国及びメーカーと連携し、温暖地域との比較を行うことにより、降雪・寒
ルギー効率、経済性 冷地域における特殊事情等の把握に努める。また、これらの特殊事情等の
に関する評価
解消策を検討する。
(5)その他
【取組方針】
EV 等の普及推進を、地域の新たな産業創出・既存産業の活性化につなげ
るため、EV 等の寒冷地対策に関する種々の研究開発を行い、寒冷地に適合
した EV 等の必要機能を実証する。
【取組項目】
取組項目
実施内容
(a) 産学連携による ・産学連携により、各種競争的資金の活用も視野に、EV 等の寒冷地対策
EV 関連研究開 機器や農業用 EV、二次電池の再利用・転用などの研究開発、実証実
発等
験を行う。
・県及びモデル地域市町村並びに企業は、県内教育機関等と連携し、県
(b) コ ン バ ー ト 電 気 内企業の電気自動車の基本的機構などの知識や技術の習得に向け、コ
自動車製作講座 ンバート電気自動車(市販自動車を改造した電気自動車)の製作講座を
の開設
開催するとともに、この実施を通じ、EV 等の理解・普及促進に努めるとと
もに、EV 等の関連産業発展の資とする。
(c) EV 等関連商談 ・県及びモデル地域市町村は、EV 関連メーカー等と連携し、県内企業と
会
の商談会を行う。
5
・モデル地域の製造業者などが、自動車メーカー・電力会社と連携・協力
し、EV レスキューEV の製作に取り組むとともに、急速充電器の製造等
に関するノウハウ等の取得に努め、本県における迅速かつ柔軟な充電イ
ンフラ整備を図る。
・県及びモデル地域市町村は、EV タウン構想を活かした首都圏での企業
(e) 関連企業の誘致
訪問、広告媒体等によるPR、セミナーの開催や EV 関連企業等との交
活動
流会などを通じて、EV 関連の企業誘致活動を実施する。
(d) EV レ ス キ ュ ー
EV・急速充電器
の製作【再掲】
Ⅲ
成果と課題
1 初期需要創出
(1)地方自治体の公用車導入
ア 実績及び課題
平成 21 年度における公用車でのEV等の導入は新潟市2台、柏崎市3
台、佐渡市 1 台、新潟県 6 台の 4 団体 12 台となった。これは全県におけ
る EV・PHV 導入全台数 34 台の 35%を占め、地方自治体での導入は、当
初想定を上回って進展している。
さらに、平成 22 年度以降においては継続販売を行うメーカーの生産台
数の拡大と EV 市場に新規参入するメーカーがあることから、供給不足の
解消が見込まれる。
また、EV 等を導入した市町村は、上記4市に限られていることから、
県内市町村に広く呼びかけ、より一層の導入推進を図る必要がある。
【EV 等の導入実績】
単位:台
市町村名
EV
新潟市
1
柏崎市
3
糸魚川市
佐渡市
1
新潟県
6
計
11
(資料:新潟県調査)
PHV
1
1
地方自治体
導入計
2
3
0
1
6
12
民間導入
全計
3
15
1
3
0
22
5
18
1
4
6
34
イ 今後の方向性
・モデル地域以外の市町村への公用車導入を推進
・モデル地域を拡大し、モデル地域での公用車EV等率先導入を推進
(2)自動車取得税、自動車税、軽自動車税の軽減
ア 実績及び課題
県では、「新潟県電気自動車等の普及の促進に関する条例」を平成 21
年 9 月 29 日に制定し、平成 25 年度までのアクションプランの期間内にお
ける新車導入に際しての自動車取得税、自動車税の軽減措置を講じた。柏
6
崎市においても、県と同様に条例を制定し、軽自動車税の負担を軽減して
いる。また、佐渡市においても検討を継続している。
モデル地域以外の市町村における軽自動車税の軽減措置は未実施である
ことから、他地域においても同様の措置を講じることで EV 等の導入意欲
の拡大が期待できる。
【新潟県電気自動車等の普及の促進に関する条例の概要】
内
施
容
行
日
関連税軽減措
置 の 内 容
電気自動車の普及促進に向けた県の責務、施策の基本方針、電気自動車等
関連税の特例措置などを既定
平成 21 年9月 29 日。(適用期限平成 26 年3月 31 日)
○対象自動車 EV・PHV の新規登録車(中古車は対象外)
○税目・税額 自動車税、自動車取得税 EV は全額免除、PHV は半額免除
○免除等期間 平成 21 年度~25 年度(早期購入ほど減税メリット大)
イ 今後の方向性
・軽自動車税の軽減措置の実施推進
(3)EV等購入補助
ア 実績及び課題
佐渡市では既存の補助スキームを改正し、EV の購入補助を拡充した。
柏崎市においても新たに補助制度を構築して EV 等の導入促進を図ってい
るところである。
しかし、EV 等の車両価格は、現状ではガソリン車と比較して2倍程度
の水準にあり、国の補助制度を活用しても需要者の負担は依然として大き
い。また、メーカー等の情報によれば、購入価格は 150~200 万円を想定
する者が多く、現状の価格では購買に踏み切れないことが示唆されている。
EV 等の導入促進を図るためには、需用者負担を現状よりもさらに引き下
げる必要があると考えられる。
【補助制度の概要】
市町村名
国
柏 崎 市
佐 渡 市
概要
・ベースとなる車両との価格差との1/2を補助
・EV1台について 30 万円補助
・PHV1 台について 10 万円補助(いずれも国補助の上乗せ)
・EV1台について 35 万円補助(国補助の上乗せ)
・PHV は制度を検討中
イ 今後の方向性
・EV等販売メーカー・ディーラーと連携した試乗会等での普及啓発の推
進
・市町村段階における購入補助制度の実施推進
・EV等導入者に対するインセンティブ付与(クーポン添付など)
7
(4)マイカーローンの金利減免
ア 実績及び課題
金融機関で実施しているマイカーローン等でのEV等導入に際しての金
利優遇措置等を調査した。結果、ほとんどの金融機関でEV等を含むエコ
カーを対象とし金利優遇措置を実施している。また、県内金融機関及び業
界団体に文書により金利優遇策の創設・拡充の検討を依頼したところであ
る。
イ
今後の方向性
・ 金融機関における金利優遇措置の実施を推進
・ EV等を対象としたより一層の優遇措置の創設推進
(5)EV等タクシー・レンタカーの導入
ア 実績及び課題
柏崎市においては、平成 21 年7月に、全国初となる EV タクシーの導
入・運用開始が行われた。また柏崎市では PHV タクシーも全国初で運用
を開始するとともに、EV レンタカーも東日本初の取組を実践している。
一方で、県内においてタクシー・レンタカーの保有台数が最多と思われ
る新潟市をはじめ、柏崎以外の地域では EV タクシーの導入はなされてお
らず、これらの地域での導入と早期の運用開始が必要である。
イ 今後の方向性
・ 新潟市、佐渡市等を中心としたEV等タクシー・レンタカーの導入促進
・ 先行している柏崎市での情報収集と他地域への波及に向けた啓発活動の
実施
・ 未導入事業者を対象としたアンケートの実施
・ メーカー・ディーラーと連携した県内企業のEV等導入意向の把握
【トピックス:全国初のEVタクシー】
柏崎タクシー(株)では、CO2 の排出を抑制したグリーン経営を目指し、平成
21 年7月 24 日から i-MiEV による EV タクシーの運行を開始した。
EV タクシー導入の最大のメリットは運行コストの削減である。タクシーに使
用した際の電力使用量を計算すると、1kWh 当たり約 6 キロメートル走行でき、
これを電気料金に換算すると、10 キロメートル当たり走行するのに 32 円であ
る。ガソリン車と比較すると約1/4の燃料費となり、深夜電力を用いるとさら
にこの半額程度となる。タクシーの場合は通常 LPG を用いており、LPG との比
較でも約 70%程度と、圧倒的に安い費用で運行が可能である。
柏崎タクシーでは、EV に続き PHV でも全国初のタクシー運行を開始してい
る。
EV・PHV タクシーの導入以来、マスコミの試乗や乗車希望者も多く、単なる
経済的な面にとどまらず、その意義は大きい。
柏崎タクシーが導入した EV・PHV タクシー
8
(6)地元企業への導入促進
ア 実績及び課題
企業での導入台数は 22 台であり、モデル地域における企業の導入が大
多数を占める。モデル地域外企業の導入は極めて少ない。
イ
今後の方向性
・企業への導入促進の働きかけ
(7)地域単位での普及促進協議会の設立
ア 実績及び課題
柏崎市では、EV等を核とした地域産業振興を目的に、「EV 研究会」
が設立された。また、佐渡市においても「電気自動車等普及促進協議会」
が設立されている。両者とも多様な推進手法を検討・実施し、EV等普及
に努めている。
一方、モデル地域以外の市町村においても、EV 等の導入を行った自治
体・企業があることから、重点的に推進するモデル地域の拡大及び対象地
域における導入促進の働きかけ強化が望まれる。
イ 今後の方向性
・重点的に推進するモデル地域の拡大(燕市、新潟市等)
9
新潟県における電気自動車等普及状況(H21 年度末)
佐渡市内
6台
新潟市内
佐渡市 公用車 EV1 台
JA 佐渡、JA 羽茂 EV 各 1 台
東北電力 PHV1 台
新潟県 公用車 EV2 台
新潟市 公用車 2 台
(EV,PHV 各 1 台)
三菱自販 EV1 台
ローソン(株) EV1 台
東北電力 PHV1 台
新潟県 公用車 EV2 台
柏崎市内
糸魚川市内
7台
20台
柏崎市 公用車 EV3 台
企業等 EV13 台、PHV1 台
東北電力 PHV1 台
新潟県 公用車 EV2 台
1台
企業 EV1 台
県全体で 34 台が導入済
10
2
充電インフラ整備
(1)公的施設への急速充電器の設置
ア 実績及び課題
県は充電設備の補助制度を平成 21 年度に創設し、急速充電器等の設置
を推進した。柏崎市では本事業を活用して市役所駐車場に急速充電器を設
置した。また、佐渡市では、市庁舎の既存電源を EV 等の充電用に開放し、
島内全域での充電環境を整備している。
一方、道の駅等交通拠点における整備は実施されておらず、今後、これ
ら交通拠点等での整備が望まれる。
また、現状では、急速充電器の設置は多額の費用を要することや、全国
的にも収益に結びつくビジネスモデルの構築が検討されている途上である
ことなどから、積極的な充電設備の導入に踏み出しにくい状況がある。
【新潟県電気自動車等環境整備促進事業の概要】
補助対象者
補助対象経費
補助率
概
要
地方公共団体、法人格を有する民間団体又は個人事業者
不特定多数の者への充電サービスを行うために設置する、急速・中
速・倍速充電器の購入費及びその設置に係る工事費
1/2以内または 500 万円のいずれか低い額
イ 今後の方向性
・補助制度の活用等を通じた充電設備の設置支援
・PA、SA 等をはじめとする交通拠点への整備推進
(2)充電ネットワークの構築
ア 実績及び課題
EV 等の充電に利用可能な充電設備を明示するために、県は東京電力の
統一マークを使用している。
柏崎市においては、経済産業省の委託事業(平成 21 年度電気自動車等
普及環境整備実証事業)と連携した充電ネットワークづくりが進められて
おり、EVセンターにおいてリアルタイムでの充電器の利用状況の把握や
利用データの蓄積が図られるとともに、携帯電話等を活用した充電器の空
き情報等の提供が可能となっている。
【統一表示マーク】
11
イ 今後の方向性
・インターネットを活用した充電器情報の発信
・携帯電話、カーナビ等を活用した充電器情報の提供を拡大
・柏崎市における委託事業の成果の他地区への展開
【トピックス:「平成 21 年度電気自動車等普及環境整備実証事業」の取組】
資源エネルギー庁が行う「平成 21 年度電気自動車等普及環境整備実証事業」
を、柏崎市内の(株)サイカワと(有)品田商会が受託し、委託事業を実施している。
事業は、電気自動車の普及に必要な充電インフラ等の整備をどのように進めて
いくかを実証する趣旨で実施されている。
柏崎市内に設置した約 10 か所の急速・倍速充電器を電話回線で結び、EV セ
ンターに充電に関する情報が収集される。このデータを分析し、どのような頻度
で充電が必要なのか、充電設備の間隔はどの程度が望ましいのか等について検討
している。
このデータを活用し、充電量から CO2 排出削減量に換算したものをエコポイ
ントとして付与し、市内のショッピングセンターで活用できる金券と交換するこ
とで、EV 使用者に対するインセンティブ付与を同時に実現している。
エコポイントはショッピングセ
ンターで金券として活用可能
走行距離に応じてエコ
ポイントを付与
ショッピングセンターの充電設備と EV センター
(GS に設置)が双方向に通信
充電データを EV センターのサーバに蓄積
(3)EVレスキューEV、急速充電器の開発
ア 実績及び課題
電池切れとなった EV の救助に活用できる EV レスキューEV(通称:
「助っ人EV」)として 2 台が製作された。また、「助っ人 EV」への搭
載用の充電器として、コンパクトな車載充電器が完成している。
しかし、「助っ人 EV」、車載充電器とも開発には高額を要しており、
実用化に向けては今後のコストダウンが必要である。
12
イ 今後の方向性
・本県で開発された技術の全国的拡大の推進
【トピックス:「助っ人 EV」開発の取組】
柏崎では、経済産業省の「平成 20 年度低炭素社会に向けた技術シーズ・社会
システム実証モデル事業」を活用して、「助っ人 EV」の制作に取り組んだ。
電気自動車は、ガソリン車に比べて航続距離が短いことがネックとなってい
る。このため充電インフラの整備が望まれるが、急速充電器の価格が高いことな
どから現状では十分に整備されているとは言えず、EV の安定運用に支障を来し
ている。
「助っ人 EV」は、電池切れを起こした EV に自らの電池から緊急に電力を分
け与えることのできる車両であり、移動式の急速充電器として機能する。「助っ
人 EV」の開発により、近隣に急速充電器がない場合でも、数キロから数十キロ
程度は移動できる電力を緊急に、かつ数分~数十分程度で充電できる。EV 自体
が緊急用の電池として機能するため、緊急充電用の電池を新たに用意する必要が
無く、かつ自走可能な車両でもあることから、低コストでの運用が可能となって
いる。
「助っ人 EV」の開発は、地元企業の他、充電器メーカーや自動車メーカー等
の多大な協力を得て進められ、現地で実証的に運用されている。
EV 搭載型充電器
助っ人 EV による急速充電風景
急速充電可能
通常の EV
助っ人 EV
(4)商業用施設等への急速充電器の設置
ア 実績及び課題
県電気自動車等環境整備促進事業(p11 参照)を活用して、県内のシ
ョッピングセンター、ガソリンスタンド、自動車販売店舗で急速充電器が
設置された。また、柏崎市においては、経産省委託事業(p12 参照)と
併せ、補助によりショッピングセンターでも1基が設置されているほか、
タクシー事業者での倍速充電器の設置が行われている。
急速充電器については、充電まで一定の時間を要することや単なる充電
のみでなく他の収益機会の拡大に結びつくビジネスモデルが現状では求め
られることから、大規模商業施設等と連携した設置推進が今後も必要であ
13
る。
イ 今後の方向性
・補助制度の活用等を通じた充電設備の設置支援
・商業施設等への設置推進
(5)街中充電ネットワークの構築
ア 実績及び課題
商店街等において、商店や工場などが自身の保有する電源設備を EV 等
の充電に開放可能な者を「街中充電ネットワーク参加者」に位置づけ、参
加を明確にするサイン(ステッカー)を 1,000 枚作成し、市町村を通じて
配布した。
今後、これらを組織化し、充電施設として機能するよう情報提供が必要
である。
イ 今後の方向性
・地域単位での街中充電ネットワークへの参加推進
・インターネットを活用した充電器情報の発信を充実
・カーナビゲーションシステム事業者と連携した充電か所の表示推進
【トピックス:街中充電ネットワークの取組】
急速・倍速充電器の設置を推進するため、県は充電設備の設置を補助する事業
を創設したが、充電器の設置には倍速でも 100 万円程度の投資が必要であると
ともに、投資額を回収しうるビジネスモデルの構築が検討されている途上でもあ
ることから、充電器の設置には一定の負担を伴っているのが現状である。
投資を伴わない充電インフラ整備の手段として、本県では「街中充電ネットワ
ーク」と称し、既存の商店街等で必要があれば既存のコンセントから電力を提供
する、ボランティア的サービスを構築した。
ネットワーク参加者は店頭に共通のステッ
カーを貼り出し、EV 使用者の求めに応じ
て電力を提供することとしている。
街中充電ネットワークへの参加は 1,000
を目標とし、モデル地域である柏崎市、刈
羽村、佐渡市で重点的取組を開始したと
ころであり、今後は全県への波及を図る。
14
新潟県における充電設備等の普及状況(H21 年度末)
新潟市
急速 2 基
倍速 1 基
佐渡市
倍速 10 基
柏崎市
急速 4 基
倍速 9 基
急速充電
上記の他、街中充電ネットワークによる充電
ポイント 1,000 か所の整備を推進
15
倍速充電
【トピックス:佐渡市における市庁舎への充電施設整備】
佐渡市では、市庁舎等を活用した充電ポイントの整備を進めている。既存の
200V や 100V の電源を改修し、充電ポイントとして活用できる共通サインを
掲示し、安心してEV等を運用できる環境整備を推進している。
現状では佐渡市内にある EV は5台のみであり、活用頻度は低いが、今後EV
等の普及推進に大きく寄与することが期待されている。
佐渡市における充電設備マップ
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3 普及啓発
(1)インターネット等を活用した普及啓発情報の発信
ア 実績及び課題
県は、EV等導入に関する県民の意識醸成に向け、インターネット上に
EV等関係情報のポータルとなるサイトを開設し、情報提供に努めている。
本サイトでは、EV等に関する基本的情報や充電器の設置状況、関連す
るイベント等の開催に係る情報をはじめ、新技術の開発動向などの情報発
信に努めている。
イ 今後の方向性
・サイト掲載情報の充実
【にいがた EV・PHV タウンポータルサイトトップページ(イメージ)】
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(2)EV等の試乗・展示会の実施
ア 実績及び課題
県が実施する各種イベントにおいて、EV等に関する理解促進・導入意
欲の拡大を図るためEV等の展示・試乗の場を提供した。平成 21 年 10 月
に三条市地場産センターで開催された「青少年のための科学の祭典」にお
いてイベントと併催した試乗会では、学童及びその保護者等の計 40 組が
試乗した。また、平成 21 年 12 月 16 日にハイブ長岡で開催した「新エネ
ルギーフォーラム 2009」及び平成 22 年3月 17 日にホテル日航新潟で開
催した経済懇話会でも同様の取組を行った。
試乗者のアンケート結果は、EV等に関し好意的であり、価格の問題が
解決されれば購入したいとの意向が見られる。
イ 今後の方向性
・企業が主体となって行う展示・試乗会情報を収集し、情報提供を強化
・EV等ラリー等イベント開催時における試乗機会の拡大(柏崎市内を想
定)
・他県等と連携した広域連携の取組強化
(3)環境教育の実施
ア 実績及び課題
上記と同様に、県が実施するイベント等において、学童・生徒に対する
情報提供機会を設けた。
イ 今後の方向性
・県公用車等を活用した試乗機会の拡大
・次世代エネルギーパークと連携したEV等情報の発信強化
・各種フォーラム、イベント等を通じた情報発信
4 効果・評価
(1)CO2排出削減量評価
ア 実績及び課題
EV の CO2 排出量削減効果として、1 台当たり年間約 1t の排出抑制が図
られると推定され、導入台数に応じCO2排出量は削減される。また、充
電に際しては深夜電力を活用することによりの一層の削減効果が見込まれ
ている。
イ 今後の方向性
・EV等の環境優位性についての情報発信の促進
(2)寒冷地におけるEV等のエネルギー効率の評価
ア 実績及び評価
寒冷地においては、暖房に用いるエネルギーが多量であることからEV
等の航続距離が短くなることが指摘されており、長距離での安定運用には
不安との声があげられている。
1日当たりの走行距離及び充電実態を把握するため、経済産業省委託事
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業(p12 参照)等を活用し、柏崎市をはじめとする取組が全国各地で進
行中であり、今後データ収集と分析がなされる予定である。これらの事業
者等と連携し、寒冷地におけるエネルギー効率の評価を行うことが必要で
ある。
イ 今後の方向性
・上記取組と連携したデータの収集と分析
・非降雪地域とのデータ比較と電費比較
5 その他
(1)産学連携によるEV等関連開発研究の実施
ア 実績及び課題
EV は低回転域からトルクが高く、ガソリンエンジンとは異なるトルク
特性を示すため、降雪時などスリップしやすい路面においては発進困難と
なることが予想されたことから、平成 21 年度において、県内企業、県内
大学及び県工業技術総合研究所が連携して「アンチスリップEV」の開発
に取り組んできた。現在開発を完了し、実用試験に移行する予定である。
イ 今後の方向性
・多様な気象条件下における走行実験の実施、走行データの集積・分析
【トピックス:アンチスリップ EV の開発】
電動モーターは内燃機関と異なり、低回転域から高トルクを発生する特性が
あり、このため EV は極めてスムースな発進が可能となっているが、一方でスリ
ップしやすい雪道などにおいては、発進が困難となってしまうデメリットも有し
ている。
この解決に向け、県内事業者及び県工業技術総合研究所において、高度にモー
ターを制御することにより車輪の空転を防止する「アンチスリップ EV」の技術
開発に取り組んだ。
軽トラックをベースに開発された車両は、高効率モーター制御により、スリッ
プしやすい路面においても車輪の空転を極力少なく発進できるものとなったほ
か、電力の有効活用もなされるものとなった。
この技術を活用し、今後は積雪地域におけるシティコミューターや、農作業用
コミューター等への発展を検討していく。
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(2)コンバート電気自動車製作講座の開設
ア 実績及び課題
ガソリン車等を改造して EV 化するコンバート EV の製作は、県内の民
間事業者による先駆的事例が複数例見られるが、いずれもバッテリーの積
載量に限界があることから、走行距離が市販 EV よりもさらに短いものと
なっている。
本県は農業県であり、農村部において軽トラック等の保有率が他県に比
べ高い状況となっている。軽トラックは近隣での貨物輸送が主な用途であ
ることから、EV で問題視されがちな航続距離が短いことが問題にならな
いと想定される。
イ 今後の方向性
・各種フォーラム、イベントにおけるコンバート EV の取組の紹介
(3)関連企業の誘致
ア 実績及び課題
柏崎市にリチウムイオン電池工場の進出が決定し、平成 23 年春からの
稼働を予定している。
今後とも、これら先進的なEV等関連産業の一層の誘致が必要である。
イ 今後の方向性
・関連企業の誘致を推進
20
Ⅳ
1
今後、重点的に取り組む事柄(課題別整理)
EV等の普及推進
課題
施策の方向性
具体的内容
補助制度の充実
国補助制度の活用
Ⅲ-1-(3)
補助制度創設の
働きかけ
Ⅲ-1-(3)
充電設備の設置支援
Ⅲ-1-(1)
街中充電
ネットワークの充実
Ⅲ-1-(5)
電池性能の向上
試乗会の重点実施
Ⅲ-3-(2)
試乗機会の拡大
EV サミット等
イベントの開催
Ⅲ-3-(2)
見聞機会の拡大
タクシー・レンタカ
ーの導入推進
Ⅲ-1-(5)
EV のメリット訴求
広域連携の実施
Ⅲ-3-(2)
税優遇措置の実施
Ⅲ-1-(2)
EV の価格が高い
メーカーによる
低価格化
EV の航続距離が短い
EV に触れる機会が
少ない
EV を購入する
メリットがない
2
充電インフラ整備の
推進
EV 導入の
インセンティブ付与
商業者等と連携した
クーポン制度等導入
Ⅴ-1
充電インフラ整備
課題
施策の方向性
充電設備設置を推進
SA、PA 等の交通拠
点への整備を推進
Ⅲ-2-(1)
充電設備補助を実施
充電設備の設置支援
Ⅲ-2-(1)
適正配置を検討
充電インフラ WG で
の検討強化
充電設備が少ない
充電設備が特定地域
に集中
充電設備が高価
具体的内容
不足する地点を補完
Ⅲ-2
街中充電
ネットワークの充実
Ⅲ-2-(5)
助っ人 EV の活用
助っ人 EV の活用強化
Ⅲ-2-(3)
充電設備補助を実施
充電設備の設置支援
Ⅲ-2-(1)
21
3
その他
課題
施策の方向性
具体的内容
既存部品メーカーへ
の情報提供を強化
EV 部品等の開発情報
の収集と製品化推進
生産拠点の誘致
誘致活動の強化
Ⅲ-5-(3)
コンバート EV の
振興
事業者情報の収集
事業者との連携強化
Ⅲ-5-(2)
EV を活用した
他産業への波及
エコツーリズム等と
の連携強化
EV タクシー・レンタ
カーの拡大
Ⅲ-1-(5)
観光地等での EV 活用
場面の拡大
Ⅲ-1-(5)
EV 関連産業の
一層の振興が必要
22
Ⅲ-3
Ⅴ
今後取り組むべき課題
1 EV等導入・運用へのインセンティブ付与
(1)現状と課題
現状におけるEV等の価格は同グレードのガソリン車等と比較して 2 倍
程度、またはそれ以上の価格水準にある。ガソリン車と EV との比較では、
走行に要する費用でみた場合電力が1/4程度の費用で済むこと、走行中
に CO2 を全く排出しないことなどのメリットがあるが、導入意欲を大きく
増進させる状況にはない。
このため、EV等の導入を促進する一方策として、導入した際の新たな
インセンティブ・メリットの付与を検討することが必要である。
(2)実施に向けて検討する事項
他地域で実施されている下記のような取組について、本県での実施につ
いて検討を進める。
・駐車場等でのEV等専用スペースの確保
・駐車場等でのEV等料金の無料化または割引
・商業者と連携したEV等割引の検討
2 スマートグリッド構想と連動したEV等の新たな活用
(1)現状と課題
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、エネルギーセキュリティや
CO2 の排出削減を目指す上で重要なエネルギー源であるが、これらの再生
可能エネルギーは制御が困難で、かつ出力が不安定であるため、大量導入
された場合には、地域的な電圧変動や周波数が不安定になるといったリス
クも存在する。
このため、現在、情報通信技術を活用して効率的に電力の需給バランス
をとり、安定供給を実現するための電力送電網である「スマートグリッ
ド」が検討されている。
本県においても、次年度以降スマートグリッド研究会を設置し、今後の
あり方等について検討することとしているが、スマートグリッドにおける
蓄電池の整備の手段として、EV等の活用が注目されており、不要な電力
を一時的にEV等(ビークル)に蓄え、必要なときにEV等から系統(グリ
ッド)に対し供給する、V2Gと呼ばれる手法が検討されている。
(2)具体的実施事項
・スマートグリッド研究会におけるV2Gの検討
・他県及び海外事例の収集と情報共有
23
3 EV等の走行及び充電データの集積
(1)現状と課題
現状でのEV等普及台数は極めて限られたものであり、個別データの集
積は可能であるが、今後の普及に伴う台数が増加する局面においては、走
行や充電履歴、電力使用など各種データの収集は困難と予想される。特に
今後、電池の残価設定などが行われる場合、電池の疲弊度を測定するため
にこれらのデータは極めて重要なものとなるほか、寒冷地である本県での
EV等の運用等にあたって、他の温暖な地域との比較を行うことにより、
降雪・寒冷地での特殊事情を把握し、これらの解決策を検討することが必
要となる。
(2)具体的実施事項
・EV等運用に係る詳細データの把握に向けた IT 事業者等との連携強化
・本県における特殊事情の把握と解決策の検討
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