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キスギゼミ「ナスの百科全書」 原産地はインドとその周辺。そこから東回りと西 回りで世界中へ伝播。ギリシャ・ローマではナスは知られず、インド では古くから栽培され、サンスクリット語にナスを表す言葉は33もあ るそう。中国には雲南経由かな、紀元前5世紀には伝播。日本には中国 経由で8世紀に、平安中期の延長年間(923~30年)には栽培されたと の説あり。源順(『和名抄』(931~938)によれば、「茄子、一名は紫 瓜子、和名に奈須比」とあり。 日本で米なすと呼ばれる大きなまん丸のなすは、原産地の インドからアラビア、スペインという西回りでなすがアメリカにたどり ついた後の、アメリカ種Blackbeauty を日本で改良した日米混血。だか ら米なすなのかな。米の意味は未確認。そもそもヨーロッパにナスが紹 介されたのはアラビア経由で13世紀になってからのことで、ムーア人が ヨーロッパ侵入の際にスペイン経由で 南欧に持ち込んだ。16世紀のスペイ ンではナスが apple of loveと呼 ばれたそうで、そのスペイン人 が新大陸アメリカにナスを持 ち込んだ。イギリスでも同 じように呼ばれたそう。 トマトが同じように呼ばれ たのはトマトのレシピで紹介 済み。 かんたん キスギ副学長’ S イェイイェイレシピ ④-1 読んで教養が身に付き、 作って食べれば栄養 が身に付く! 新 夏 号 Cooked by Shin Kisugi より深くは、各レシピ引用の参考文献の他、 ●“Egg Plants” 【http://www.innvista.com/health/foods/vegetables/eggplant.htm】 ●“The History of Eggplants” 【http://www.bigsiteofamazingfacts.com/the-history-of-eggplants】 安心 野菜 新 産 直市場 さんちょくいちば ナス料理編 横浜国立大学 副学長 來生 新 (著) 親の意見とナスビの花は千に一つのむだもない① “シン”式調理法4-1:ナスと豚挽き肉の油炒め ~なすは油との相性が良いので、まず、中華風で豚ひき肉との油炒め。麻婆なす風にも簡単に転換できる便利な料理~ 大蒜、生姜、長ネギの微塵切りを用意して、なすはへたを 1 取って縦半分に切ってから、それを3等分か4等分、細長 く切っておく。色を奇麗に仕上げたければ、切る前に所どころ 皮を剥いておく。気にしなければ皮は剥かなくともよい。 手間暇かけるつもりなら、油をたっぷり150度くらいに熱し て、なすを油通ししておく。 手間をかけないなら、豚ひき肉を炒めるための油を熱する、 うんと熱く。 微塵切りの香味野菜を入れて、手早く油に香りを映して、 2 ひき肉を入れて炒め、塩、コショウ少々、醤油と砂糖(甜 麺醤=テンメンジャンでも可)、酒を適宜用い、自分の好みの 味をつける。 それを別にし、中華鍋を洗い、油を再度うんと熱くし、強 3 火でなすを炒めて、それに炒めたひき肉を混ぜ、水を入れ て煮込み、鶏ガラスープの素、醤油、砂糖、酒(あれば)、 味を調整して、とろみ付けで水溶きの片栗粉を入れて、はい 出来上がり。 今回は夏野菜の代表選手、「なす」の料理。 なすには色々な形があり、長卵、卵、丸、長、大長、 大きなまん丸、小丸と言ったところが代表的なところ。 ナスビの紫系の紺色は、ナスニンとヒアシンというアン トシアン色素の効果だそう。それを現す色彩名詞で「茄 子紺」があり、「紫紺」と同旨。われわれは、なすの色は この茄子紺一色と思いがち。しかし世界的に見ると緑あり、 白あり、赤っぽいのありと多様。形も色も多様というのは 何となく人間に似ている。英語名は形と「色」からeggplant。 と書くと、何で「色」が卵色かと思うでしょう。どっこい、 ものの本によれば、欧米に伝えられたナスの種類は白いナ スだったそうで、中世のヨーロッパ人、本当に木に卵が成 るように見えて驚いたでしょうね。 新 ★ 本気のワンポイントアドバイス~麻婆なす風~ 事前に油通しをした場合には、ひき肉を炒めた鍋に水を入 れてそこにナスを入れて、軽く煮込む。後は同じ。辛いの が好きな人は、香味野菜を炒めるときに豆板醤を好みで入 れる。麻婆なす風。重慶風にしたければ、さらにそれに中 華山椒のしびれる味を加える。唐辛子と山椒、辛と麻の刺 激の強烈なミックスは、土用のころ向き。舌が痺れながら 汗をダクダク流すのもまた一興。 土用のなすからの連想で、突然正月。「初夢や一富士二鷹三なすび」は日本人なら誰でも知っている言葉。でもなぜ突然 調理の合間の独り言 「なすび」が第三位で浮上するのか。考え出すと夜も寝られなくなり、初夢どころの騒ぎではなくなる。来年、良い初夢を 見ることができるように教養講座。この歌は「ナス」に「成す」をかけて新年のめでたさを祝ったという説と、江戸時代には、商品農業の走りで、東 海地方の暖冬地でナスの促成栽培がすでに始められており、夏の野菜が初春には得がたい貴重なものとして珍重さたところから、貴重な物の比喩とい う説がある。「夢よりも貰う吉事や初なすび」(蕪村)。 新 ナス料理編 かんたん キスギ副学長’ S イェイイェイレシピ ④-1