Comments
Description
Transcript
カナダのバイオテクノロジー
カナダのバイオテクノロジー Biotechnology in Canada 2002年6月 Biotechnology in Canada Canada カナダのバイオテクノロジー産業は急速に成長しています バイオテクノロジー産業収益(単位:10億ドル) カナダのバイオテクノロジー企業の研究 開発投資は、1999年に7億700万ドル に上りました。 1997年から1999年の数値は、カナダの バイオテクノロジー・セクターの著しい拡 大を示しています。 ¾企業数27%増加: 282社から358社 ¾収益55%増加: 8億1300万ドルから19億ドル 6 5 4 3 2 1 0 1997年 1999年 2002年 バイオテクノロジー産業研究開発費(単位:100万ドル) 1600 ¾研究開発費29%増加: 4億9400万ドルから8億2700万ドル 1200 2002年の予測: 800 ¾収益157%増加Æ48.8億ドル ¾研究開発費79%増加Æ14.8億ドル 400 0 1997年 Biotechnology in Canada 出所:カナダ統計局 1999年 2002年 Canada カナダのバイオテクノロジー産業は、他の先進国 企業数 1999年 にも引けを取りません 1400 カナダは企業数で米国に続き第2位 です。(1999年は358社。2001年に は400社以上になっている。) 収益額では、カナダは米国と英国に 続く第3位です。 100万・ USドル カナダは、従業員一人あたりの研究 開発費集中度では第1位です。 1200 1000 800 600 400 200 0 カナダ 米国 英国 ドイツ フランス 収益1999年 25000 22300 20000 15000 10000 出所: カナダ統計局1999年バイオテクノロジー利用・開発調査 アーンスト&ヤング第7回年次欧州生命科学報告書(2000年) 5000 1665 891 568 英国 カナダ フランス ドイツ 0 米国 Biotechnology in Canada 1980 Canada カナダのバイオテクノロジー産業はいくつかの 都市に集中しています カナダのバイオテクノロジー・クラスター ¾ ヘルスケア モントリオール、トロント、バンクーバー、 ケベックシティ、ハリファックス ロンドン、エドモントン ¾ 農業 グエルフ、サスカトゥーン ¾ 環境 モントリオール、トロント、バンクーバー ¾ 水産養殖 ハリファックス、セント・ジョンズ ¾ 産業プロセス バンクーバー Biotechnology in Canada ウェブサイト: http://strategis.ic.gc.ca/bioclusters Canada カナダにおける注目のバイオテクノロジー群の例 ¾ トロント 110社以上のバイオテクノロジー企業と先端の研究病院および研究所 腫瘍学、 心臓血管疾患、中枢神経系障害、遺伝子療法、自己免疫疾患、 組織再生の各分野の研究 トロント大学とその関連研究施設群は、北米で第4の規模の医療研究開発 コミュニティーを構成 ¾ モントリオール 145社以上のヘルス関連バイオテクノロジー企業 大手多国籍製薬会社(例:メルク・フロスト、シェーリング、アベンティス・ファーマ、 ファイザー、 ワイス・アイエスト、ブリストルマイヤーズ・スクイブ、アボット)の子会 社、カナダ国家研究会議バイオテクノロジー研究所、3つの大学の研究センター 分子生物学、遺伝学、免疫学、神経科学、生命倫理の各分野の研究 ¾ バンクーバー 約70社以上のバイオテクノロジー企業 70%以上の企業がヘルス関連研究に焦点 Biotechnology in Canada Canada カナダはこれまで生命科学の分野で多くの躍進を遂げてき ました。 ・糖尿病 バンティングとベストによるインシュリンの発見 アルバータ大学における糖尿病患者への膵島細胞移植 (エドモントン・プロトコル) オンタリオ州ハミルトン市にあるマクマスター大学サリム・ユスフ教授が率いた タイプ2(インスリン非依存型)糖尿病予防のための薬品ラミプリルとロシグリタ ゾンの試験を行う国際研究 ・HIV/エイズ モントリオールのマクギル大学における、ベルナー・ロベー博士のグループに よる3TCの発見 ・嚢胞性繊維症 トロント小児病院のラップチー・ツイ博士による異常遺伝子の発見 Biotechnology in Canada Canada 生命科学分野におけるカナダの画期的実績(続き) ・人間の免疫システム トロントのタク・マク博士によるT細胞レセプターの発見 ・アルツハイマー マクギル大学のジュード・ポアリエ博士による、アルツハイマーとたんぱく質ア ポリポプロテインEとの関係の発見 トロント大学のピーター・セント・ジョージ・ヒスロップ博士による、マウスのアルツ ハイマー免疫化(予防と免疫療法)の成功 ・ガン ブリティッシュ・コロンビア大学ジュリア・レビー博士による光線力学抗ガン剤の 共同発見 カルガリー大学パトリック・リー博士による、ガン治療法としてのレオウイルス開 発 ・角膜損傷治療 オタワ大学メイ・グリフィス博士による人口角膜の生成 Biotechnology in Canada Canada 日加企業の最近の提携事例 ・モントリオールのセラテクノロジーズ社と堺化学工業(株)はセラテクノロジーズ社 のThGRFペプチドの日本国内開発・販売のライセンス契約を締結。ThGRFペプチ ドは大腿骨頚部骨折の予後の改善効果が期待されるもので、同契約はセラテクノ ロジーズ社の成長ホルモン放出因子誘導体のライセンス契約としては第一号と なった。(2002年2月) ・宝酒造(株)のバイオ事業部門が、ブリティッシュ・コロンビア州にあるIDバイオメ ディカル社からサイクルプローブ法(拡散配列検出技術)を全世界で使用・製造・販 売できる非独占的な権利を取得。(2002年1月) ・三共株式会社の米国子会社 三共ファルマインクは、カナダのMDSファーマサー ビス社と革新的な戦略パートナーシップ契約を締結。これによりMDS社は、同社の 協力により完成間近となっている、ニュージャージー州所在の三共グループ専用の 臨床薬理試験施設を運営することとなる。(2002年1月) Biotechnology in Canada Canada カナダのバイオテクノロジー産業は急速に成熟度 を高めています カナダの358のコア・バイオテクノロジー企業 の内訳* ? ? ? ? ? ? ? 42%: 25% : 10% : 8% : 5% : 5% : 4% : ヘルスケア 農業 環境 食品加工 バイオインフォーマティクス 天然資源 水産養殖 ヘルスケア 農業 環境 食品加工 バイオインフォー マティクス 天然資源 水産養殖 1997年から1999年の間に76社のバイオ テクノロジー企業が新規参入* ゲノム・カナダが確認したカナダのゲノミクス 関連企業は54社 * 出所:カナダ統計局1999年バイオテクノロジー利用・開発調査 Biotechnology in Canada Canada ・・・開発中/発売中の医療バイオ製品は645種 160 140 138 120 製品数 100 80 66 60 55 51 43 40 35 34 27 20 24 24 20 18 17 17 12 12 10 9 9 8 6 3 中 ガ 枢 ン 神 経 感 系 染 症 心 臓 血 ゲ 管 ノミ ク ス 皮 診 膚 断 学 筋 骨 血 格 免 液/ 疫 腎 学 臓 H ・移 プ IV/A 植 ロ テ IDS 代 オミ 謝 ク /糖 ス 尿 病 内 生殖 分 泌 呼 学 吸 ドラ 胃 器 系 ッ グ 腸/ デ 肝 リ 臓 バ 画 リ 像 ー 診 眼 断 科 学 炎 症 肝 炎 0 療法/疾病分野 (2001年1月1日現在) Biotechnology in Canada 出所:カナダ保健研究所、カナダ産業省、 ゲノム・カナダのための調査 Canada 治療/技術分野における 主要なカナダのバイオ産業 治療分野: ガン 中枢神経系 感染症 心臓血管 HIV・エイズ 技術分野: ゲノミクス プロテオミクス バイオインフォ マティクス 抗体免疫療法 遺伝子療法 ワクチン Biotechnology in Canada Canada 重要な療法分野で開発段階の進んだ製品を 持つカナダ企業が多数存在します ガン(癌) フェーズ Ⅱ: 28種類 – AEterna Laboratories (2), AnorMed, Axcan Pharma, Shire BioChem (3), Biomira (4), BIOSTAR, DUSA Pharmaceuticals, GLYCODesign (2), Inex Pharmaceutical (4), Lorus Therapeutics (2),QLT Inc., Resolution Pharmaceuticals, Stressgen Biotechnologies, YM Biosciences (3), Methylgene フェーズ Ⅲ: 9種類 – AEterna Laboratories (2), Axcan Pharma, Biomira, Inex Pharmaceuticals (3), Paladin Labs, Viventia Biotech 認 可: 1種類 – Lorus Therapeutics (VirulizinTM –メラノーマ) Biotechnology in Canada Canada 重要な療法分野で開発段階の進んだ製品を 持つカナダ企業が多数存在します(続き) 心臓血管 フェーズ Ⅱ: 4種類 – Axcan Pharma, ConjuChem, CryoCath Technologies, Forbes Medi-Tech フェーズ Ⅲ: 2種類 – Hemosol, IBEX Technologies 中枢神経系 フェーズ Ⅱ: 6種類 – Angiotech Pharmaceuticals, Shire BioChem, Neurochem, Cardiome Pharmaceuticals, RTP Pharma, Vaxis Therapeutics フェーズ Ⅲ: 2種類 – Paladin Labs (2) Biotechnology in Canada Canada カナダ連邦政府によるバイオ産業支援策(1) カナダ保険研究所 (CIHR) 設立: 2000年6月 年間予算: 5億6200万ドル (2002-03) 13主要研究分野に対する政府資金援助 (例) 循環器系、呼吸器系 癌 (ガン) 遺伝子学 健康的加齢 神経科学、精神健康、嗜癖 筋・骨格健康、関節炎 栄養、代謝、糖尿病 感染症、免疫 Biotechnology in Canada Canada カナダ連邦政府によるバイオ産業支援策(2) ゲノム・カナダ 全国にゲノム科学センター 5ヶ所開設 連邦政府支援金3.0億ドルに加え、州政府などパートナーからの 拠出合わせ6億2000万ドルの資金調達 2001年4月に22分野にわたるゲノミクス研究プロジェクト に対する資金供与承認 (例) - 微生物環境ゲノミクス - ガン・ゲノミクス - モデル有機体としての線虫 - 科学技術プラットフォーム - モデル有機体の機能ゲノミクスとプロテオミクス - プロテオミクス技術 2002年3月ゲノム全分野にわたる大規模研究プロジェクトに 対し、投資額に対応して同額を支給(最高1億6500万ドル)す るプロジェクトの詳細を発表 Biotechnology in Canada Canada カナダ連邦政府によるバイオ産業支援策(3) センター・オブ・エクセレンスのネットワーク 8優先分野の研究開発ネットワークを創設、事業化を支援 *カナダ細菌性疾患ネットワーク *カナダ遺伝子疾患ネットワーク *センター・オブ・エクセレンスの蛋白質工学ネットワーク *保険証明応用・連関ネットワーク (HEALNET) *カナダ関節炎ネットワーク *カナダ卒中ネットワーク *カナダ・ワクチン・ガン免疫療法・慢性ウィルス性疾患ネットワーク *幹細胞ネットワーク ウェブサイト:www.nce.gc.ca Biotechnology in Canada Canada カナダ連邦政府によるバイオ産業支援策(4) カナダ革新基金 大学及び病院における研究開発インフラの整備…31.5億ドルの予算 www.cihr.ca カナダ・リサーチ・チェアー 2004-05年度までに2000の研究講座を設立…9億ドルの投資 www.innovation.ca テクノロジー・パートナーシップ・カナダ バイオテクノロジーを含む革新的技術を有する企業に投資 http://tpc.ic.gc.ca バイオテクノロジー製品とプロセスの規制 2000年度連邦政府予算に3年間にわたる9000万ドルの資金を追加 カナダ国家研究会議 5つのバイオテクノロジー研究所に加えナノテクノロジー研究所を整備中 www.nrc.ca Biotechnology in Canada Canada 経済的利点 ¾ 米国よりも安いビジネス・コスト 医療バイオ研究開発において、米国よりも28%のコスト優位性 「競争の選択肢:北米・欧州・日本の事業費用の比較」KPMG、2002年 http://www.competitivealternatives.com ¾カナダに設立される日本企業の子会社は、その他の利点も 活用できます。 科学研究実験開発(SR&ED)税控除によって、税引き後の研究開 発支出は100ドルから80ドルに削減されます。さらに、州毎に異なる、 州税控除も受けられます。 (カナダ関税歳入庁ウェブサイト: http://www.ccra-adrc.gc.ca) カナダ保健研究所(CIHR)とのパートナーシップによって、医療分野 の臨床試験の資金を共同負担することが可能です。 Biotechnology in Canada Canada さらに、社会的・人口構成上の利点も あります 患者人口の多くがカナダの14の主要都市に集中していま す。 患者人口は多民族から成り、英仏系人口が多数を占める 地域が所々に存在します。 公共のヘルスケア制度によって、研究のための患者募集、 追跡調査が容易で、臨床基準は全国で統一されています。 倫理審査委員会の全国倫理審査基準。 臨床試験のための規制環境は合理化されています。 Biotechnology in Canada Canada カナダに立地することにより、バイオテクノロジー 分野の企業には優れた機会がもたらされます 高学歴保持者* 世界で最大かつ最も豊かな北米市場へ のアクセス 1位 2位 3位 9位 指数 政府研究専門家およびセンター・オブ・ エクセレンスと共同で行う新製品の商品 化と、輻合性のある技術分野における セクター横断的な研究の可能性 世界ランキング 15位 20位 30位 ドイ ツ イ タ リ ア 国 英 フ ラ ン ス 国 米 本 日 卓越した科学基盤と第一級のビジネス 環境。さらに、それらを補完する、財政・ 財務上優遇策とその他施策 カ ナ ダ 優れた技能労働力: G7諸国中で第1位 * 「世界競争力年鑑」、2001年 支援策に熱心なカナダ政府 外国企業とのパートナーシップ形成や共 同事業が可能な、十分に成熟した多数 のカナダ企業 Biotechnology in Canada Canada カナダで開催予定のバイオ関連コンベンション/ トレードショー BIO 2002 (2002年6月9∼13日) トロント http://www.bio2002.org/ Crossroad of Biotechnology 2002 (2002年9月30日∼10月1日) モントリオール http://www.bri.nrc.ca/crossroad ABIC 2002 (Agricultural Biotechnology International Conference) BioFuture 2002 (2002年11月21∼22日) バンクーバー http://www.biofuture.org Biocontact 2002 (2002年10月2∼4日) ケベックシティ http://www.biocontact.qc.ca (2002年9月15‐18日) サスカツーン http://www.abic.net Biotechnology in Canada Canada カナダのバイオテクノロジー カナダのバイオテクノロジー For further information ….. http://www.canadanet.or.jp/ http://www.dfait-maeci.gc.ca/ni-ka/ http://strategis.ic.gc.ca/bio Biotechnology in Canada Canada