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特 区 は 宝 の 山

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特 区 は 宝 の 山
特
区
‐
は
宝
の
特区成果事例集
山
‐
平成17年3月
内閣官房構造改革特区推進室
目次
Ⅰ
代表的特区(日本地図上の位置)
Ⅱ
代表的特区の成果例(全20例)
1
地域活性化のための総合的特区
福岡県北九州市(北九州市国際物流特区)
3
農業、教育分野の株式会社参入特区
(農業)
香川県内海町(小豆島・内海町オリーブ振興特区)
7
新潟県上越市・十日町市・川西町・中里村・松代町・松之山町
(越後里山活性化特区)
神奈川県相模原市(相模原市新都市農業創出特区)
9
13
(教育)
東京都千代田区(キャリア教育推進特区)
15
観光、国際交流特区
岩手県遠野市(日本のふるさと再生特区)
19
北海道稚内市(国際交流特区)
21
産業再生特区
三重県・四日市市・四日市港管理組合(技術集積活用型産業再生特区)
23
兵庫県姫路市(環境・リサイクル経済特区)
25
青森県(環境・エネルギー産業創造特区)
27
産学連携特区
北海道函館市(マリン・フロンティア科学技術研修特区)
31
愛知県・豊橋市・蒲郡市・田原市・御津町(国際自動車特区)
35
兵庫県神戸市(先端医療産業特区)
37
山形県(超精密技術集積特区)
39
多様な教育を実現する特区
群馬県太田市(太田外国語教育特区)
41
徳島県海部町(海部町ふるさと教育制度特区)
43
まちづくり、地域福祉推進特区
愛媛県松山市(松山市観て歩いて暮せるまちづくり交通特区)
45
熊本県・宇土市・三角町・不知火町・城南町・富合町・松橋町・小川町・豊野町・
中央町・砥用町(福祉コミュニティ特区)
47
幼保一体化推進特区
北海道東川町(北海道東川町幼保一元化特区)
49
岐阜県瑞浪市(幼児教保育特区)
51
国際交流特区(稚内市)
マリン・フロンティア化学技術研究特区(函館市)
北海道東川町幼保一
元化特区(東川町)
環境・エネルギー産業創造特区
(八戸市を含む 17 市町村)
越後里山活性化特区(上越市を含む 5 市町)
先端医療産業特区(神戸市)
日本のふるさと再生特区(遠野市)
太田市外国語教育特区(太田市)
-1小豆島・内海町オリーブ
環境・リサイクル経済特区(姫路市)
幼児教保育特区(瑞浪市)
超精密技術集積特区(山形市を含む 7 市町)
振興特区(内海町)
北九州市国際物流
特区(北九州市)
福祉コミュニティ特区
(宇土市を含む 10 市町)
松山市観て歩いて暮
教員制度特区
らせるまちづくり交
(海部町)
通特区(松山市)
国際自動車
海部町ふるさと
キャリア教育推進特区(千代田区)
特区(豊橋市
を含む 4 市町)
技術集積活用型産業
再生特区
(四日市市を含む 3 市町)
相模原市新都市農業創出特区(相模原市)
-2-
北九州市国際物流特区
都道府県名:
福岡県
北九州市
申請主体名:
北九州市
区域の範囲:
北九州市の全域
特区の概要:
アジアに近いという地理的優位性、充実した社会基盤等の北九
州市の特色や響灘地区の大水深港湾の整備等の既存プロジェ
クトに規制緩和を加え、北九州市のポテンシャルを顕在化する
ことで、産業の集積、港湾の国際競争力の強化を目指し、地域
経済の活性化を行う。
適用される規制 ・外国人研究者の受入れ促進
の特例措置:
・外国人の入国、在留申請の優先処理
・臨時開庁手数料の軽減
・税関の執務時間外における通関体制の整備
・電力の特定供給事業の許可対象の拡大
・埋立地の用途変更手続の柔軟化
・学校設置会社による学校設置
・校地・校舎の自己所有を要しない大学等設置
・運動場に係る要件の弾力化による大学設置
・空地にかかる要件の弾力化による大学設置
・特定埋立地の所有権移転制限期間の短縮(10年→5年)
-3-
[立地環境の創出による、アジアを睨んだ物流拠点・産業集積の推進]
北九州市国際物流特区(福岡県 北九州市)
背
景
○北九州市は海外とりわけアジアとの交通・貿易の要衝の地として、また鉄鋼・化学
を中心とした、かつての四大工業地帯の一つとして発展した都市
○近年は、経済のグローバル化や産業構造の国際的な調整の進む中、厳しい経済状況
○このため、PFI 事業を導入した「ひびきコンテナターミナル」や「新北九州空港」
を始めとする、大規模物流基盤の整備や産業集積に向けた様々な事業を推進
特区のポイント
○通関体制強化等による貿易促進
○安価な電力の供給
○産学連携の促進
○ビジネス人材の育成
○埋立地の土地利用の柔軟化
(北九州市独自の規制緩和など)
○特区推進条例の制定(北九州市構造改革特別区域計画の推進及び市の規制の特例措
置に関する条例)
・市の推進体制の整備
・活性化重点区域の指定
・北九州市臨港地区内の分区における構築物の規制に関する条例の特例
・北九州市活性化施策評価委員会の設置
○北九州市による補助金の新設(北九州市国際物流特区企業集積特別助成金)
・補助率:投資額の5%(本市分譲産業用地購入の場合:10%)
・補助額:最大10億円を限度
効
果
○北九州市国際物流特区構想を平成14年4月に策定して以来、国の規制緩和に加
え、市独自の規制緩和や助成措置さらに市の特区に取り組む姿勢などにより、12
社の立地表明があり、総投資額約509億円、雇用者数約750名が予定されてい
る。
○通関の執務時間外対応においては、港湾利用者のサービス向上が図られ、平成15
年度の申告件数が前年同時期に比べ、28.5%増加している。
○電力の特定供給においては、平成15年7月に東田コジェネ株式会社が設立され、
-4-
平成16年3月に「東田天然ガスコジェネ発電所」の建設が着工された。平成17
年2月1日に電力の供給を開始した。
○産学関連では、大学発のベンチャー企業である「(有)ペプチドサポート」が平成
15年9月18日に設立され、国の試験研究施設等(∼H16.3.31)を使用し、バイ
オチップの開発・製造等を行っている。
○北九州市東部にあるマリノクロス新門司では、埋立地に関する規制緩和により、
「ト
ヨタ輸送」による自動車物流センターの立地が促進された。平成16年11月に操
業を開始した。
○本市が独自に制定した「特区推進条例(略)」を活用し、生食用トマトを栽培するた
めの大規模ハイテク温室の建設が決定(平成 17 年 1 月公表)
【マスコミの取り上げ等】(平成14年度以降)
・取材関係 60件(テレビ、雑誌、ラジオ等)
・講演関係 66件
・行政・企業等視察 46件
今後の予定等
○進出企業:製造業、流通業、リサイクル業等35件を目標に。(平成15年度∼平
成24年度)
規制の特例措置
・臨時開庁手数料の軽減による貿易の促進事業(H15.4.21∼)
・税関の執務時間外における通関体制の整備による貿易の促進事業(H15.4.21∼)
・資本関係等によらない密接な関係による電力の特定供給事業(H15.4.21∼)
・外国人研究者受入れ促進事業(H16.6.21∼)
・特定事業等に係る外国人の入国・在留諸申請優先処理事業(H16.6.21∼)
・公有水面埋立地の用途変更等の柔軟化事業(H15.11.28∼)
・国の試験研究施設の使用手続きの迅速化事業(H15.4.21∼H16.3.31 削除)
・国の試験研究施設の使用の容易化事業(H15.4.21∼H16.3.31 削除)
・国有施設等の廉価使用の拡大による研究交流促進事業(H15.4.21∼H16.3.31 削除)
・学校設置会社による学校設置(特区 7 次申請 変更申請中)
・校地・校舎の自己所有を要しない大学等設置(特区 7 次申請 変更申請中)
・運動場に係る要件の弾力化による大学設置(特区 7 次申請 変更申請中)
・空地にかかる要件の弾力化による大学設置(特区 7 次申請 変更申請中)
・特定埋立地の所有権移転制限期間の短縮(10 年→5 年)(特区 7 次申請
-5-
変更申請中)
-6-
うちのみ
小豆島・内海町オリーブ振興特区
都道府県名:
香川県
申請主体名:
内海町
区域の範囲:
内海町の全域
特区の概要:
内海町
農業の担い手不足、地場産業の停滞するなかで、小豆島の貴重
な地域資源であるオリーブを、加工サイドの企業自らが町内の
遊休農地で栽培に取り組み、小豆島産オリーブの実、葉等の原
材料の確保と遊休農地の有効活用で町の活性化を図る。
適用される規制 ・農地貸し付け方式による株式会社等の農業経営への参入の容
の特例措置:
認
【オリーブの花】
【オリーブ栽培地】
-7-
[オリーブを核として「農業・食品産業・観光業」の活性化]
小豆島・内海町オリーブ振興特区(香川県内海町)
背
景
○小豆島の特産物であるオリーブを核としてのまちづくりを展開。
○一方、過疎化・担い手の高齢化による農業離れが顕著で栽培者の確保が困難。
特区のポイント
○
株式会社が一定の条件で農地を借り受けることを容認する特区を活用し、町の施
策に賛同する地元企業自らが、地域資源であるオリーブの栽培に取り組み、小豆島
産オリーブの果実・葉等の原材料を確保し、加工する。
○
これにより、遊休農地を有効活用するとともに、オリーブによる官民一体となっ
たまちづくりを促進する。
効
果
○ 企業3社の農業参入により2.8ヘクタールの遊休農地の解消が図れた。
○ テレビ、新聞、雑誌等で「オリーブ特区」として取り上げられ、視察、取材を通
して小豆島をPR。
○特区の営農地は十分に維持管理され、地域の模範となっている。
【マスコミのとりあげ】
・テレビ報道 約17件、新聞全国紙 約12件、地方紙 約35件
・雑誌 約15件、講演依頼 3件
・視察 約30回
今後の予定等
○株式会社による農業生産活動面積: 6ha 栽培本数:6千本(平成20年度)
( 町全体生産活動面積:20ha 栽培面積:2万本 )
○小豆島産オリーブを使った新しい加工商品の開発、オリーブによる景観形成や環境
美化、収穫・搾油等の体験学習を取り入れたグリーンツーリズムの導入を予定。
○総合的経済効果として、平成20年に、農業で1億円、加工業で2億円、観光業で
1億円を見込む。
規制の特例措置
・農地貸し付け方式による株式会社等の農業経営への参入の容認
-8-
越後里山活性化特区
都道府県名:
新潟県
申請主体名:
新潟県上越市、十日町市、川西町、
中里村、松代町、松之山町
区域の範囲:
新潟県上越市の一部(旧安塚町、
旧浦川原村、旧大島村、旧牧村の
全域)、十日町市、川西町、中里
村、松代町、松之山町の全域
特区の概要:
恵まれた自然環境と農村景観、伝統文化を含めた資源を活か
した、「農を中心に据えた地域環境を保全・活用する産業連携」
に取り組むことによって、農地の遊休化防止と国土の保全、複
合循環型産業の育成、体験交流型観光の育成と拡大、新たな雇
用の確保と新規定住を促進し、自然環境の保全と豊かな田舎の
形成の実現を目指す。
適用される規制 ・ 農家民宿の簡易な消防用施設等の容認
の特例措置:
・ 農家民宿等における濁酒の製造免許の要件緩和
・ 農地貸し付け方式による株式会社等の農業経営への参入の
容認
・ 市民農園の開設者の範囲の拡大
・ 農業生産法人による農家民宿の経営容認
・ 農地取得後の農地の下限面積要件緩和
・ 過疎地における NPO 等による空き家情報の提供
-9-
[農を中心に据えた地域資源を保全・活用する地域活性化特区]
越後里山活性化特区(上越市、十日町市、川西町、中里村、松代町、松之山町)
背
景
○過疎化・高齢化の急速な進展と担い手不足による農地の耕作放棄と遊休化の拡大
は、地域の存続が危ぶまれるほど深刻な状況
○公共事業の減少に伴い景気の低迷と雇用の悪化が進み地域産業の活力も低下
○近年地域では体験交流型観光による地域活性化を図り成果を上げている。
○中山間地域の6市町村が連携して、農村活性化特区を活用した中山間地域活性化の
モデル版を構築する。
特区のポイント
○ リース方式による農業特区を活用して、地元の建設会社等の法人が農業経営を開
始し新たな担い手となることによる農地の遊休化防止と国土の保全を図る。
○ 雪国という自然環境や天水田から生産される米とブナ林から湧水する良質な水を
活用した「どぶろく」の製造、タニシやイワナなどの淡水魚と豊富な山菜資源な
どを活用した食品産業など、地域の環境と資源を活用した複合型産業の育成。
○ 市民農園を活用した都市交流、地域の廃校や古民家を活用した農家民宿の開業、
新たな地域の魅力「どぶろく」を活用した誘客など、従来の小中高生の総合学習
や体験型修学旅行とは異なる家族や大人をターゲットにした新たな「体験交流型
ふるさと観光」の推進による新たなグリーン・ツーリズム産業の育成と拡大。
○ 建設会社の農業経営による新規雇用や「どぶろく」を製造する杜氏の雇用及び市
民農園や農家民宿を活用した都市交流の推進による新規就農者と新規定住者の確
保など、新たな雇用の確保と新規定住の促進。
○小規模農地の取得と空き家情報の提供による新規就農と新規定住の促進
○農業生産法人の農業体験宿泊施設の運営による体験交流人口と新規就農の拡大
効
果
○ 農業特区については、現在3件の地元企業が参入している。農地の遊休化減少の
一助となるとともに、農地周辺の山林保全も始まり、地域の高齢者雇用につなが
っている。また、参入企業と地元食品会社を中心とする異業種交流も見えてきて
いる。
○ 市民農園特区については、1件の参入があり3,386㎡の農園を貸付けている。
- 10 -
○ 「どぶろく」特区については、3名が参入した。製造量も4,200リットルと
なり、計画を大きく超えている。
【マスコミのとりあげ】
・テレビ報道 9件
・ 農業特区関係:テレビ東京「おしえてアグリ」農水省監修 平成16年9月放
映
・ どぶろく関係:テレビ朝日「ニュースステーション」平成16年3月26日放
映
・ 特区全般:NHK「おはよう日本」平成16年5月9日放映
・新聞全国紙 読売新聞、日経新聞、日本農業新聞、日刊スポーツなど
・地方紙 多数 新潟日報など
・雑誌 3件 ニューズウィーク日本版、日経BP社「日経エコロジー」、現代農業
今後の予定等
○ リース方式による農業特区は、今後2社の参入が予定されている。
○ 市民農園特区は、目標の平成19年度までに171区画を新たに開設し都市住民
に貸付けて都市交流の促進を図る。
○ どぶろく特区は、更に1名が製造免許を申請中である。
○ 農家民宿特区は、平成15年度時点19宿泊施設を平成17年度までに30施設
に拡大し年間1万3,260人の誘客を図る。
規制の特例措置
・ 農家民宿の簡易な消防用施設等の容認(407)
・ 特定農業者による濁酒の製造(707)
・ 株式会社等の農業経営への参入容認(1001)
・ 市民農園の開設者の範囲の拡大(1002)
・ 農業生産法人の行う関連事業の拡大(1005)
・ 農地取得下限面積要件の弾力化による農地の利用増進(1006)
・ 地域活性化のための空き家情報提供等の推奨(1215)
- 11 -
- 12 -
相模原市新都市農業創出特区
都道府県名:
神奈川県
相模原市
申請主体名:
相模原市
区域の範囲:
相模原市の区域のうち農業振興
地域
特区の概要:
都市化の進行等に伴い遊休農地が拡大する中、「地産・地発・
地工・地消」をコンセプトにした農業の創出を実現するため、
農業分野以外からの法人及び市民の農業への参入を促し、農地
利用の拡大を図るとともに、地域ポテンシャルを活かした民間
活力による農業の創出と雇用機会の拡大を図り、もって「新都
市農業」の実現を目指す。
適用される規制 ・農地貸し付け方式による株式会社等の農業経営への参入の容
の特例措置:
認
・農地取得後の農地の下限面積要件緩和
- 13 -
[地産・地発・地工・地消による新たな農業展開]
相模原市新都市農業創出特区(神奈川県相模原市)
背
景
○遊休化・荒廃化した未利用農地が増大する中、62万の人口の大消費地や多くの販
路の存在など本市の地域ポテンシャルを活かした都市農業の展開が求められてい
る。
特区のポイント
○農地の権利取得に係る規制の特例措置により法人や個人の農業参入を促進するこ
とにより、未利用農地の有効活用を図るとともに、地域ポテンシャルを活かした新
たな都市農業(従来の地産地消に加え、地元で技術開発し、加工する)の展開を図
るもの。
○本件特区を起爆剤とした、より総合的な地域再生計画が昨年6月21日に認定され
た。
効
果
○一昨年5月の法人((有)オーストリッチヒル)の参入により、現在約1ha の未利用
農地の有効活用が果たされた。
○同法人が生産・販売するダチョウ肉が市内外飲食店の固定メニューの食材として利
用されるようになっており、地域の活性化につながっている。
○農協と企業との理解の進展や、市内職員の間の意識改革など、関係者・組織が活性
化。(新都市農業推進に係る特区・地域再生担当部局を設け、昨年 1 月に人員を増
強。)
【マスコミのとりあげ】
・テレビ報道 6件(日本テレビ「ご存知ですか」、フジテレビ「FNN スピークス」、
テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」他、NHK、TB
Sテレビ、TV神奈川)
・ラジオ報道 1件
・新聞全国紙 9件、地方紙 5件
(読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞、日本農業新聞、神奈川新聞、
産経新聞、全国農業新聞、相模経済新聞)
今後の予定等
○ 参入法人(有)オーストリッチヒルについては、更に借用農地を増やし事業拡大す
る予定。他の法人及び個人の参入については、現在調整を進めているものも含め
引き続き促進する。
規制の特例措置
・農地貸し付け方式による株式会社等の農業経営への参入の容認
・農地取得後の農地の下限面積要件緩和
- 14 -
キャリア教育推進特区
都道府県名:
東京都
申請主体名:
千代田区
区域の範囲:
東京都千代田区の全域
特区の概要:
多くの教育、産業、行政機関が集積する地域特性のある千代
田区においては、実社会に通用する専門的で高度な職業能力を
育成する「キャリア教育」に対する特段のニーズが存在してい
る。千代田区において株式会社が大学や大学院の設置主体とな
ることを認めることにより、株式会社が持つ専門人材の育成実
績やノウハウを活かし、高い専門性をもった人材の輩出、地元
企業との連携の充実など、地域経済・産業の活性化を図る。
また、高等教育機関の多様化を図るとともに、区立中等教育
学校との教育内容での連携など、区民の「キャリア教育」の推
進を図る。
千代田区
適用される規制 ・学校設置会社による学校設置
の特例措置:
・校地・校舎の自己所有を要しない大学等設置
・大学設置における校地面積基準の引き下げ
・運動場に係る要件の弾力化による大学設置
・空地に係る要件の弾力化による大学設置
- 15 -
[株式会社による大学・専門職大学院の設置]
キャリア教育推進特区(東京都千代田区)
背
景
○ 千代田区には、ビジネスの中心地があり、IT産業も集積している一方、即戦力
としての人材が不足している状況であり、これまでの学校教育と実社会を結びつけ
るキャリア教育の推進が求められている。
○ 千代田区には、幼稚園から大学・大学院まで各種の学校のほか、専修学校や各種
学校、ビジネススクール、教育関係の協会など様々な教育機関の集積があり、特に
大学・大学院については11校がキャンパスを構えている。
○ 千代田区は、教育、産業、行政機関などの高度な集積という好条件があるほか、
即戦力として実社会に通用する人材を養成し、実績をあげている民間教育機関が多
数あり、キャリア教育の実践・推進に最適な地域特性を有している。
○ また、千代田区は、平成18年4月の開校を目指して、キャリア教育を重視した
中等教育学校の設立準備をすすめており、その卒業生が進学する高度なキャリア教
育機関を充実する必要性がある。
特区のポイント
○ 教育の多様化とキャリア教育の推進
・地域職業人の実学ニーズに応える教育機関の開設により、教育の多様化を図る。
・株式会社により設置される大学・大学院は、本区におけるキャリア教育の推進役と
なる。
○ 地域経済・産業の活性化
・高い専門性をもった人材が輩出され、即戦力の地域経済の担い手となる。
・地域における雇用及び消費の拡大、教員・学生等との地元企業との連携の充実など
により、地域経済や産業が活性化される。
効
果
○ 学校設置による社会的効果
(1)地域の高等教育が多様化することにより、既存の大学等との新たな協力・連
携や競い合いが生まれ、本区の文教地区をさらに活性化することができる。
(2)株式会社による大学・専門職大学院が設置され、実務専門教育が実施される
ことにより、高度なキャリア教育を受け、実社会で即戦力となる人材が育成
され、地元企業に即戦力として就業する。さらに、高度な能力を持つ学内の
研究者や教授陣が地域社会と交流し、地元企業におけるIT技術や経営面で
のアドバイザーや地域コミュニティの活性化におけるコーディネーターと
- 16 -
いった牽引的な役割を果たすことにより、人材交流や産学連携の活性化が図
れる。
(3)実社会に直結する実務専門教育を、大学・専門職大学院が実施することによ
り、今後の日本経済成長を牽引する知的財産サービス産業を国の重要な産業
として位置付けることが期待できる。
○ 学校設置による経済的効果
(1)本特区設置大学・大学院の学生は高度・専門職業能力を有することとなり公
認会計士、司法書士、行政書士、弁理士、税理士等の専門資格取得数の増加
やITやデジタルコンテンツの専門家の増加も見込まれる。また、このよう
な高度人材教育を受けた卒業生達によって、IT産業の集積地であり、ビジ
ネスの中心地である千代田区において、起業家として、また、即戦力の新規
雇用者として活躍することが期待できる。
(2)新たに学生人数の増加が見込まれ、また、学生増加による直接の効果として、
学校周辺の商圏の活性化や書籍・文具等の必要品の消耗が増えることによる
消費の増加が見込まれる。
(3)学校設置に伴い、学校スタッフの増員が行われることにより雇用の創出につ
ながり、また、学校設置の初期には設備の増強等の需要が見込まれ、この結
果として特別区域において工事による資金投下が見込まれる。
【マスコミのとりあげ】
・新聞全国紙 44 件 地方紙 19 件
今後の予定等
○ 東京 LEC 東京リーガルマインド大学(4 年制大学)
① 総合キャリア学部 総合キャリア学科 平成 16 年 4 月開校
② 会計学研究科 会計専門職専攻(専門職大学院)平成 17 年 4 月開校予定
○ デジタルハリウッド大学院大学(専門職大学院)
① デジタルコンテンツ研究科 デジタルコンテンツ専攻 平成 16 年 4 月開校
② デジタルコミュニケーション学部 デジタルコンテンツ科(4 年生大学)
平成 17 年 4 月開校予定
○ ビジネス・ブレークスルー大学院大学(専門職大学院/通信制)
平成 17 年 4 月開校予定
規制の特例措置
・
・
・
・
・
学校設置会社による学校設置
校地・校舎の自己所有を要しない大学等設置
大学設置における校地面積基準の引き下げ
運動場に係る要件の弾力化による大学設置
空地に係る要件の弾力化による大学設置
- 17 -
- 18 -
日本のふるさと再生特区
都道府県名:
岩手県
遠野市
申請主体名:
遠野市
区域の範囲:
遠野市の全域
特区の概要:
遠野市では、「遠野物語の里」を形成するゆかしい歴史・文
化や自然環境等を大切にしながら、「日本のふるさと」として
のまちづくりを進めてきた。こうして育まれてきた地域資源や
多彩な人材等を活用し、「ぬくもり」と「もてなし」の心でつ
くる遠野ツーリズムを推進することで、都市との交流の拡大に
資するものである。また、生活の質の向上に資する産業振興に
つながるよう、農林業を中心に、地域住民が「おもしろさ」と
「やる気」を感じる地域に根ざした新たな起業を促進すること
で、地域の活性化を図るものである。
適用される規
・農家民宿における簡易な消防用設備等の容認
制の特例措置: ・農家民宿等における濁酒の製造容認
・農地貸し付け方式による株式会社等の農業経営への参入の容
認
・農地取得後の農地の下限面積要件緩和
- 19 -
[どぶろく等、地域に根ざした文化による地域活性化]
日本のふるさとの再生特区(岩手県遠野市)
背
景
○「遠野物語の里」を形成する、ゆかしい歴史・文化、自然環境を大切にした「日本
のふるさと」としてのまちづくりを展開(遠野ふるさと村、伝承園、ふれあい交流
センター等の交流拠点を整備。地元住民と都市住民との交流によるグリーン・ツー
リズムを推進)
○一方、高齢化が進行し、農林業が停滞。日本の原風景の維持が困難。(農業従事者
の高齢者割合53%(平成12年農業センサスより))
特区のポイント
○地域の資源、人材等を生かした「ぬくもり」と「もてなし」の心でつくる遠野ツー
リズムの推進を図る。
○どぶろくをはじめ、地域の食文化の復活や農産物加工・販売など地域に根ざした新
たな起業化を促進(地域住民が「やる気」と「おもしろさ」を感じる地域に根ざし
た起業の促進)
。
効
果
(注:遠野市の計画による)
○テレビ、新聞等で『どぶろく特区』として大きく取り上げられ、観光客が急増
・日帰客 平成14年 150万人 → 平成16年 162万人
・宿泊客 平成14年
57千人 → 平成16年
68千人
(観光客の増加に伴う経済波及効果・・・およそ2億2千万円)
○平成16年3月から農家民宿においてどぶろくを製造開始
・どぶろく製造場・・・市内に3箇所(平成17年2月時点)
○平成16年4月から地元建設業者が50aの農地でほうれんそう栽培を開始
・企業等の新規就農・・・3社(平成17年2月時点)
【マスコミのとりあげ】
テレビ報道 70件 新聞 150件(地方紙含む) 雑誌 20件
今後の予定等
・ 農家民宿等における濁酒製造:10件(平成19年度)
・ 株式会社等による農業生産活動件数:10社、40名の新規雇用(平成19年度)
規制の特例措置
・
・
・
・
農家民宿における簡易な消防用設備等の容認
農家民宿等における濁酒の製造容認
農地貸付け方式による株式会社等の農業経営への参入の容認
農地の権利取得後の下限面積要件の緩和
- 20 -
国際交流特区
都道府県名:
稚内市
北海道
申請主体名:
稚内市
区域の範囲:
稚内市の全域
特区の概要:
稚内市は、ロシア連邦サハリン州に最も近い都市として、活ガ
ニをはじめとする水産物などの輸入に加え、サハリン大陸棚石
油・天然ガス開発事業に係る支援基地としての機能強化や国際
フェリーターミナル整備及び日ロ定期航路の運航維持など国
際交通網の充実を図りながら、日ロ友好最先端都市にふさわし
い海に開かれた賑わいある国際交流都市の形成をめざす。
適用される規
・数次短期滞在査証の発給手続きの簡素化
制の特例措置: ・臨時開庁手数料の軽減
・税関の執務時間外における通関体制の整備
国際交流都市の形成
サハリンプロジェクト支援基地の形成
国際交通網の充実・物流の効率化
- 21 -
[海に開かれた賑わいある国際交流都市の形成]
国際交流特区(北海道稚内市)
背
景
○ロシア連邦サハリン州が 43 ㎞の至近に位置し、これまでの活ガニなど水産物の輸
入に加え、サハリン州内における石油・天然ガス開発やインフラ整備の進展に伴い
稚内港を拠点とする「もの」や「人」の大きな流れが期待されている。
特区のポイント
○税関の臨時開庁手数料の軽減や執務時間外の通関体制の整備により、稚内港におけ
る貿易の円滑化、効率化を図る。
○数次査証発給手続きの簡素化によりサハリン州からの人の往来を促進する。
効
果
○平成 15 年外国貿易総額は開港(昭和 23 年)以来の最高額を記録。
(総額 214 億 76
百万円)
【マスコミのとりあげ】
・ニューヨークタイムズ(H16.3)ほか全国紙及び地方紙多数
・テレビ報道 3 件 (H16.6 NHK北スペ 21 世紀北海道の課題)
・月刊誌ISM(H16.1)、機関誌「港湾荷役」
(H16.3 月)、季刊誌「hoppoken」
(H16.4
月)ほか
・市議会議員の視察(H16.4∼8) 2 件
今後の予定等
○定期航路の運航期間の拡大(16 年度∼)
○ストックヤードの整備(15∼18 年度)
・・・道州制北海道モデル事業(H16、17)
○国内国際フェリーターミナルの整備(供用開始 20 年)
・・・道州制北海道モデル関連事業
○都市再生プロジェクトによる交流拠点整備ほか
→稚内港の港湾機能充実
規制の特例措置
・臨時開庁手数料の軽減
・税関の執務時間外における通関体制の整備
・数次短期滞在査証の発給手続きの簡素化
- 22 -
技術集積活用型産業再生特区
都道府県名:
三重県
四日市市、川越町
申請主体名:
三重県、
四日市市、
四日市港管理組合
区域の範囲:
四日市市及び川越町の全域
特区の概要:
三重県北部臨海地域の石油精製・石油化学産業は大きな構造転
換が求められているが、今まで蓄積してきた技術、人材、イン
フラ等の集積や近接する電気・電子・自動車産業などが存在す
る強みを活かし、高付加価値型や次世代産業への展開を加速
し、国際競争力のある産業集積地としての再生を果たす。
適用される規制 ・石油コンビナート施設のレイアウト規制の緩和
の特例措置:
・臨時開庁手数料の軽減
・税関の執務時間外における通関体制の整備
・家庭用燃料電池の一般用電気工作物へ位置付け等
−三重県技術集積活用型産業再生特区−
四日市臨海部工業地帯・四日市港
四日市臨海部工業地帯
物流の高度化
【規制改革】
・指定道路における高
さ制限の緩和
新素材
松下電工
味の素
JSR
原材料
(全国・二次提案)
大日本インキ化学工業
東ソー
中部電力
協和油化
コスモ石油
日本板硝子
三菱ガス化学
四日市港
輸出
三菱化学
石原産業 三菱マテリアルポリシリコン
昭和四日市石油 日本アエロジル
四日市市臨海部工業地帯再生プログラム検討会
(H13.5発足)
○企業14社、県、市、 四日市港管理組合、商
連携強化
新素材
工会議所が一丸となって検討
連携による新たな産業の展開
三重県北部に広がる
次世代産業の集積
北勢地域経
済振興会議
電気・電子(半導体)関連産業
・電気事業法等の規制緩和(特区)
新素材提供
次世代ディスプレイ(次世代液晶・
有機EL等)関連産業の展開
○各主体が責任を持って独自の取
組みを展開
液晶関連産業
共同開発研究
9社
再資源化要請
技術・土地等
資源の提供
78社
従来型の基礎素材産業から
高付加価値素材産業への脱皮
【規制改革】
研究シーズ提供
10社
自動車関連産業
燃料電池の研究開発拠点化
○各主体が責任を持って独自の取
組みを展開 環境産業の展開
○各主体が責任を持って独自の取
組みを展開
【規制改革】
・リサイクルの推進に向けた再生利
用認定制度等の拡充(特区)
《ファインケミカル・医薬品・バイオ等への展開》
○各主体が責任を持って独自の取組みを展開
【規制改革】
○石油コンビナート法レイアウト規制の適正化
セットバック・特定通路・高さ規制(特区)
施設の混在規制500㎡(全国)
・製造現場における派遣労働者の容認(全国)
・公有水面埋立法の用途変更手続の簡素化(特区)
・水先料金の軽減(全国)
○税関の臨時開庁手数料の軽減(特区)
○税関の時間外における通関体制整備(特区)
メディカル関連産業
2003/4/18
53社
研究ニーズ
バイオ・医薬品の研究開発拠点化
○各主体が責任を持って独自の取
組みを展開
研究シーズ
- 23 -
[国際競争力のある産業集積地としての再生に向けて]
技術集積活用型産業再生特区(三重県・四日市市・四日市港管理組合)
背
景
○
本県北部の臨海部工業地帯は、施設の老朽化や国内外の厳しい地域間競争等によっ
て地域の活力が低下しつつあり、大きな構造転換を余儀なくされている。そこで、国
際競争力のある産業集積地として再生するために、特区における規制の特例措置を活
用しながら様々な取り組みを行うことで構造転換を図り、こうした状況からの脱却を
図る必要がある。
特区のポイント
○
「石油コンビナート等災害防止法」のレイアウト規制について、消防活動用空地
の設置等の代替措置による現行規制と同水準の安全確保を条件に、セットバックエ
リアの不要化や特定通路の幅員最小化等の特例措置により施設の更新を可能にする。
○ 物流の拠点である四日市港の利便性の向上を図るため、税関の臨時開庁手数料の軽
減と、税関の 24 時間・365 日フルオープン化を行う。
○ 次世代産業として注目され、本県の産業特性を活かすことができる「燃料電池」を、
電気事業法上の一般用電気工作物と位置づけ、保安規程の届出と電気主任技術者の選
任を不要とし、実証試験の容易化を通じた県内企業等との共同研究を促進すること
で、燃料電池の研究開発拠点化・関連産業の集積を図る。
効
果
○ 「石油コンビナート等災害防止法」の規制適用事業場が特例措置の適用を受け、施
設を更新した。
○ 四日市港の臨時開庁申請件数が大幅に増加。
○ 特区における規制の特例措置を活用した家庭用燃料電池の実証試験がスタート
し、燃料電池メーカーと地元企業や公設研究機関との共同研究を実施している。
【マスコミのとりあげ】
・テレビ 7∼8件
・新聞掲載 全国紙 約20件:地方紙 約60件
今後の予定等
○
5年間で約750億円の設備投資を見込む。その経済波及効果は約300億円、雇
用創出効果は約1,800人と試算。
○
これらの設備が稼動すると年間出荷額が約400億円増加すると見込まれ、その経
済波及効果は約100億円、雇用創出効果は約300人と試算。
規制の特例措置
・ 石油コンビナート施設のレイアウト規制の緩和
・ 臨時開庁手数料の軽減
・ 税関の執務時間外における通関体制の整備
・ 家庭用燃料電池の一般用電気工作物へ位置付け等
- 24 -
環境・リサイクル経済特区
都道府県名:
兵庫県
姫 路 市
申請主体名:
姫路市
区域の範囲:
姫路市広畑区富士町の全域
特区の概要:
鉄鋼業における廃タイヤのリサイクル利用など技術蓄積を生
かした環境・リサイクル分野への事業シフトの促進、環境・リ
サイクル産業の集積による雇用の創出など、循環型社会の構築
に向けた広域リサイクル拠点の創出、環境産業の集積を図る。
適用される規制 ・再生利用認定制度対象品目の拡大(廃ゴムタイヤ等)
の特例措置:
- 25 -
[既存の生産施設・技術蓄積を生かして産業を再生]
環境・リサイクル経済特区(兵庫県姫路市)
背 景
○ 臨海部に所在する基礎素材型産業には、長年培われてきた経営・生産技術集積が
あり、鉄鋼業における廃タイヤ等のリサイクル利用なども進められている。
特区のポイント
○ 鉄鋼業における廃タイヤ等のリサイクル利用など、技術蓄積を生かした環境・リ
サイクル分野への事業シフトを促進させ、先導的な広域リサイクル拠点として整備
し、臨海部の産業を再生する。
○ 環境・リサイクル産業等の集積・事業展開による、雇用機会の創出と地域の活性
化を図る。
効 果
平成15年11月5日に再生利用の認定を受け、平成16年1月より廃棄物とし
て廃タイヤを受け入れ、冷鉄源溶解設備(SMP)において製鉄原料として利用し
ている。
○ 特区内へは既に2社(総投資額約57億円)の企業が進出している。現在、その
うちの1社が増設工事中である。また、それ以外にも2社の進出が内定している。
○ 上記の進出済みの1社による世界初の廃タイヤガス化リサイクル工場が、平成
16年7月に操業を開始。
○ 地域にふさわしい環境・リサイクル産業の集積を図るため、産官学で構成される
「広畑臨海産業団地環境ビジネス推進会議」を平成15年5月に設立し、調査・研
究を進めるとともに、平成16年3月24日、約100名の参加を得て市内におい
て立地セミナーを開催した。
○ 平成15年7月14日に鴻池国務大臣、平成16年3月21日に竹中経済財政・
金融担当大臣、平成15年10月28日に内閣官房構造改革特区推進室参事官、平
成15年7月31日に関西学院大学総合政策学部教授及び学生(30名)、平成16
年8月5日に(財)中国産業活性化センター委員等(13名)の視察を受けた。
【マスコミのとりあげ】
テレビ報道 1 件(テレビ神奈川)
新聞掲載 全国紙 5 件(16 年 6 月 27 日・8 月 14 日・10 月 22 日に日刊工業、16 年
1 月 12 日に日本経済新聞に掲載)
地方紙 9 件
雑誌掲載 10 件(環境ビジネス 16 年 7 月号、ひょうご経済 16 年 7 月号、日経エコ
ロジー16 年 8 月号、環境管理 16 年 12 月号、港湾 16 年 10 月号・11 月
号、地方議会人 16 年 12 月号、21 世紀政策研究所ホームページ 等)
講演会での講演 2 件(16 年 2 月 3 日に大阪湾ベイエリア開発推進機構、2 月 9 日に
岐阜県庁で講演)
今後の予定等
・企業立地セミナーの開催(17年3月24日:ビジネス推進会議事業)
・姫路港(広畑地区)への多目的クレーンの設置(16年度:県事業)
・企業誘致推進員(首都圏、近畿圏)による企業誘致の実施(17年度:市事業)
規制の特例措置
・再生利用認定制度対象品目の拡大(廃ゴムタイヤ等)
○
- 26 -
環境・エネルギー産業創造特区
都道府県名:
青森県
八戸市他
申請主体名:
青森県
区域の範囲:
八戸市、十和田市、三沢市及びむ
つ市並びに青森県東津軽郡平内
町、上北郡野辺地町、七戸町、百
石町、六戸町、横浜町、上北町、
東北町、天間林村、下田町及び六
ヶ所村並びに下北郡川内町、大畑
町、東通村及び脇野沢村並びに三
戸郡南郷村の全域
特区の概要:
国際的なエネルギー開発・供給拠点が形成されつつあり、あ
おもりエコタウンプランによるゼロエミッション技術の確立
を目指す先進的な取り組みを展開している本地域のポテンシ
ャルを最大限に活かし、環境・エネルギー分野における幅広い
実証やノウハウの蓄積を図り、新たなビジネスや新産業の創出
を促進することにより、地域の経済活性化や雇用の創出を図る
とともに、エネルギー最適利用モデルや温室効果ガス排出削減
モデルの先進地域として、世界に貢献する「環境・エネルギー
産業フロンティアの形成」を実現する。
適用される規制 ・電力の特定供給事業の許可対象の拡大
の特例措置:
・特定埋立地の所有権移転制限期間の短縮(10年→5年)
ホテル
自営線
コージェネ
民宿
自営線
組合
観光地域
十和田湖地域コージェネレーション電力供給事業
- 27 -
八戸港ポートアイランド
[環境・エネルギー産業フロンティアの形成へ向けて]
環境・エネルギー産業創造特区(青森県)
背
景
○
青森県は、むつ小川原地域周辺において、核燃料サイクル施設や原子力発電所、
我が国最大級の風力発電所等が立地するなど、我が国のエネルギー政策を支える重
要な役割を果たしてきた。また、八戸地域では、これまで蓄積してきたリサイクル
技術・インフラを活用し、全国でも稀なゼロエミッションシステムの構築を目指し
てきた。
特区のポイント
○ 従来、親会社−子会社など資本関係などがある場合に限定されていた電力の供給
形態をこうした密接な関係がない場合でも供給可能とする。
○ これにより、分散型電源普及のための実証研究やコジェネレーション設備の共同
利用、バイオマス発電など新エネルギーの導入促進や事業活動に伴うエネルギーコ
ストの削減などが期待される。
○ 埋立地の所有権移転等の制限期間が短縮されることにより、全国でも稀なゼロエ
ミッションシステムを核とした、新たな資源リサイクル産業の立地促進を図る。
効
○
果
青森県と八戸市が民間事業者と共同で申請したNEDOの「新エネルギー等地
域集中実証研究」が採択となり、一部の設備は16年3月から稼働を始めたほか、
施設整備が進められており、17年秋には本格稼働する予定である。
○
コジェネレーション設備の共同利用事業は、17年2月、十和田湖畔で規制緩
和を活用した電力の特定供給が開始された。
○
その他地域の資源を生かしたバイオマスエネルギーの活用は、特区計画に記載
されている横浜町及び六ヶ所村のプロジェクトについて、経済産業省のバイオマ
ス等未活用エネルギー事業調査補助金の交付を受け事業化調査が進められるな
ど、着実に推進されている。
【マスコミのとりあげ】
・テレビ報道 4 件(読売テレビ「ウェークアップ!」(15 年 4 月 19 日)、青森テレ
ビ「森の雫」(16 年 12 月 5 日)、青森朝日放送「メッセージ」(16
年 12 月 11 日)、NHK青森放送局「青森ニュースTODAY」
(17
年 2 月 3 日))
・新聞全国紙 4 件(日本経済新聞「青森経済特集」
(15 年 11 月 25 日)、日刊工業新
聞「環境リポート」
(15 年 7 月 24 日付け)、電気新聞「特区を往く」
(15 年 12 月 3 日∼5 日)、環境新聞「最適分散型エネルギー供給シ
ステム構築へ」(16 年 11 月 10 日))
- 28 -
・新聞地方紙
3 件(東奥日報「始動!県の環境・エネルギー特区」
(16 年 1 月 1 日)、
東奥日報(15 年 7 月 10 日)、デーリー東北(16 年 3 月 22 日))
・雑誌
2 件(日経エコロジー「構造改革特区の生かし方」(15 年 10 月号)、
Cabi ネット「地域密着型の新しいエネルギーシステムを構築」(17
年 2 月 15 日号))
規制の特例措置
・電力の特定供給事業の許可対象の拡大
・特定埋立地の所有権移転制限期間の短縮(10年→5年)
- 29 -
- 30 -
マリン・フロンティア科学技術研究特区
都道府県名:
北海道
函館市
申請主体名:
函館市
区域の範囲:
函館市の全域
特区の概要:
太平洋、津軽海峡、日本海という性質の異なる三つの海に囲ま
れた函館市において、北海道大学大学院水産科学研究科などの
水産・海洋に関する学術・研究機関や水産業をはじめとする独
特な産業が集積している地域の特性を活かした「函館国際水
産・海洋都市構想」を推進するため、科学技術研究に関わる規
制の特例を導入し、研究環境の向上や産学官連携の強化を促
し、国際的な水産・海洋に関する学術・研究都市の形成を図る。
適用される規
・外国人研究者受入れ促進
制の特例措置: ・外国人の入国、在留申請の優先処理
地域と学術・研究機関の連携イメージ
- 31 -
[マリンサイエンスで世界をリードする
はこだて ]
マリン・フロンティア科学技術研究特区(北海道函館市)
背
景
○
函館は太平洋と日本海を結ぶ津軽海峡に面し,北海道大学大学院水産科学研究科
をはじめとする多くの学術・研究機関や独特の水産・海洋関連産業が集積している。
このような地域の特性・優位性を活用する函館の新たなまちづくり構想として「函
館国際水産・海洋都市構想」を策定し,産学官が一体となって取り組んでいる。
特区のポイント
○ 科学技術研究に関わる規制の特例措置を導入することにより,研究環境の向上や
産学官連携の強化を促し,マリンサイエンスやバイオインフォマティクス分野の進
展はもとより,IT と水産・海洋分野の研究構築など,国際的な水産・海洋に関する
学術・研究都市の形成をめざす「函館国際水産・海洋都市構想」を推進する。
効
果
○ マリン・フロンティア科学技術研究特区は,より範囲の広い「函館国際水産・海
洋都市構想」を推進するための重要な一手段。特区の推進によって,構想の実現
に向けて企業,研究機関,自治体,市民等の連携・意識向上の好循環が発生した。
○ 構想に賛同した民間株式会社が,研究施設「アルガテック kyowa 海藻技術研究所」
を市内に開設し(15 年 6 月。民間研究所進出第一号),北大との共同研究を開始。
○ 特区申請の影響もあり,文部科学省所管の「都市エリア産学官連携事業」が採択
され(15 年 8 月),地元の主要水産物であるコンブやイカに関する大規模な産学官
共同研究が進行中。これらの研究開発成果を活用するため,地元企業が共同出資
会社を設立し,既に健康補助食品や化粧品などの商品を製造し,販売されている。
○ 北大水産学部が取り組む研究プログラム「海洋生命統御による食糧生産の革新」
が21世紀COEに認定された。
○ 特区の対象施設である北大水産学部マリンフロンティア研究棟が稼動開始(16 年
5 月)し,地元企業2社が同棟で研究活動を開始している。
○ 公立はこだて未来大学に共同研究センターが,さらに,函館工業高等専門学校に
地域共同テクノセンターが整備され,地域の産学共同研究体制が強化された。
○ 函館市では産学官連携促進補助制度を創設し,地域企業が大学等と行う共同研究
等を支援している。16 年度は,これまで7件が事業に指定されている。
- 32 -
○ 函館のファーストフードチェーン店「ラッキー・ピエロ」が,
「特区認定記念ハン
バーガー」を商品化し,販売開始(15 年 3 月)。観光客や市民の間で話題沸騰中。
○ 16 年 3 月に,金子一義大臣が構想の進捗状況や特区関連施設等を実地視察すると
ともに,市内で開催した「地域再生タウンミーティング」で市民に広く地域再生・
構造改革の必要性をPRし,市民・関係者の意欲向上に大きな影響を与えた。
(函館国際水産・海洋都市構想の推進は 16 年 6 月に地域再生計画に認定。)
○ 「国際水産・海洋総合研究センター」の整備に向け,その検討のため地域再生計
画の支援施策を活用し,国や北海道大学,北海道などを構成員とする特定地域プ
ロジェクトチームを設置し,16 年 10 月に第1回会議を開催した。
○ 構想推進協議会によるHPを開設した。http://www.marine-hakodate.jp
【マスコミのとりあげ】
・新 聞 北海道新聞,函館新聞,水産経済新聞,読売新聞,日経新聞,朝日新聞な
ど87件。
・その他 地元ラジオや専門誌,情報誌等での紹介多数あり。
(都市エリア産学官連携促進事業で研究が進められているガゴメコンブ
は,TBS系列のテレビ番組「スパスパ人間学(毎週木曜日 PM6:55∼
7:54)」などで健康への効果などが紹介され,人気が沸騰している。
)
今後の予定等
○ 平成 22 年を目途に,新規起業7社,産業創出 487 億円/年,雇用創出延べ 1800 人
以上,特許出願 12 件を見込む(特区と「都市エリア産学官連携促進事業」との相
乗効果。うち特区分は,起業 2 社,産業 80 億円/年,雇用 300 人,特許 6 件)
。
○ 旧函館ドック跡地を函館国際水産・海洋都市構想の研究開発拠点として位置付け,
その中核的な施設として「国際水産・海洋総合研究センター」を整備する。
○ 函館の代表的な歴史的建造物である旧函館西警察署庁舎を「
(仮称)函館臨海研究
所」として再整備する。(19 年 4 月供用開始予定)
○ 平成 17 年度に新設される北大マリンサイエンス創成研究棟に,函館市が地域の産
学官連携拠点となる「(仮称)産学官交流プラザ」を合築する。
○ 構想実現に向け,推進機構を設立する。
○ 将来的には,イタリアのナポリ臨海実験所やアメリカのウッズホール海洋研究所
のような,研究と観光が融合した国際的な水産・海洋都市の実現を目指す。
規制の特例措置
・ 外国人研究者受入れ促進
・ 外国人の入国,在留申請の優先処理
- 33 -
- 34 -
国際自動車特区
都道府県名:
愛知県
豊橋市を含む
4市町
申請主体名:
愛知県、豊橋市、蒲郡市、田原市、
御津町
区域の範囲:
豊橋市、蒲郡市及び田原市並びに
愛知県宝飯郡御津町の全域
特区の概要:
わが国の輸入自動車の約 50%を占め、内外の主要自動車企業
が集積する三河港地域において、自動車流通機能を高めると共
に、自動車関連技術の研究開発を促進することにより、国際ビ
ジネス拠点や産学連携の研究拠点等が複合する国際自動車産
業都市の実現を目指す。
適用される規
・外国人研究者受入れ促進
制の特例措置: ・外国人の入国、在留申請の優先処理
・自動車の回送運行時における仮ナンバー表示の柔軟化
御津町
豊橋市
蒲郡市
田原市
【世界を代表する日本一の自動車港湾三河港の全景】
- 35 -
【全国の約 50%を占める自動車輸入港】
[国際自動車産業都市を目指す三河港地域]
国際自動車特区(愛知県、豊橋市、蒲郡市、田原市、御津町)
背
景
○ 三河港は、全国の約 50%を占めるわが国第 1 位の自動車輸入と自動車輸出入台数
年間 100 万台、自動車貿易額 2 兆 4 千億円を越える、ドイツのブレーマーハーフ
ェン港等と並ぶ世界有数の自動車港湾。
○ 三河港地域は、国内企業(トヨタ自動車、スズキ、三菱自動車、デンソー、アイ
シン・エイダブリュ等)及び外資系企業(フォルクスワーゲン、ダイムラー・ク
ライスラー、ゼネラル・モーターズ、ピー・エー・ジーインポート、デーナ等)
の生産・輸出・輸入の拠点が集積するわが国唯一の国際的・複合的な自動車関連
産業クラスターを形成。
○ 豊橋技術科学大学等による地域と結びつく産学官連携を推進する研究拠点地域
特区のポイント
○ 豊橋技術科学大学等における外国人研究者の受入れ促進と在留申請の優先処理を
実施することにより産学連携を推進する。
○ 三河港において、自動車運送船から陸揚げされた自動車の駐車場、自動車整備工
場その他関係施設への回送又は自動車運送船に積み込むための自動車の回送時に
仮ナンバーの表示を簡略化することにより物流の効率化を図る。
効
果
○ 三河港が構造改革特区の認定を受けたことについて、自動車企業の関連で、中国
やドイツにおいても認知されつつある。
○ 年間1万7千時間の回送運行に要する時間の短縮が見込まれる。
○ 産学共同研究が平成 22 年には約 250 件(平成 15 年度比で 5 倍)と見込まれる。
○ 外国人研究者の受入れの増加が見込まれる。〔33 人(H15 年)→45 人(H22 年)〕
【マスコミのとりあげ】
・テレビ報道 5件 新聞全国紙 15件、地方紙 65件 雑誌 3件
規制の特例措置
・外国人研究者受入れ促進
・外国人の入国、在留申請の優先処理
・自動車の回送運行時における仮ナンバー表示の柔軟化
- 36 -
先端医療産業特区
都道府県名:
兵庫県
神戸市
申請主体名:
神戸市
区域の範囲:
神戸市の区域の一部(ポートアイ
ランド及び神戸大学)
特区の概要:
産学連携によるトランスレーショナルリサーチを推進し、ラ
イフサイエンスに関する研究機関及び教育機関の集積等を促
進することにより、神戸医療産業都市構想を加速するととも
に、大阪北部の彩都構想や播磨科学公園都市などとの連携によ
り、関西全体でのライフサイエンス分野のスーパークラスター
の形成を図り、日本経済の構造改革や国際競争力の向上を目指
す。
適用される規制 ・外国人研究者受入れ促進
の特例措置:
・外国人の入国、在留申請の優先処理
PI2期南駅(仮称)
神戸国際ビジネスセンター
神戸空港(建設中)
先端医療センター
発生・再生科学
総合研究センター
キメックセンタービル
神戸臨床研究
情報センター
神戸バイオメディカル
創造センター
PI2期北駅(仮称)
神戸バイオテクノロジー
研究・人材育成センター
- 37 -
至 三宮
H16.5月現在
(北側より臨む)
[神戸医療産業都市構想の推進]
先端医療産業特区(兵庫県神戸市)
背
景
○神戸市では、ポートアイランド第 2 期を中心に、高度・先進医療の研究・開発拠点
を整備し、医療関連産業やライフサイエンスの研究・教育機関の集積を図り、①震
災からの経済復興と雇用の確保、②最新最先端の医療技術の提供による市民福祉の
向上、③アジア諸国などの医療水準向上への貢献、を目指す神戸医療産業都市構想
を推進している。
特区のポイント
○産学連携のもと、高度医療技術の研究開発拠点を整備し、医療関連産業の集積によ
る神戸経済の活性化、市民福祉の向上、国際貢献を目指す「神戸医療産業都市構想」
を加速させるとともに、大阪北部の彩都構想や播磨科学公園都市などとの連携によ
り、関西全体のライフサイエンス(生命科学)分野のスーパークラスター(研究・
開発から事業化、産業化までを行う研究・教育機関や産業の広域的な集積)の形成
を図る。
効
果
○ 先端医療振興財団、理化学研究所、神戸大学等への優秀な外国人研究者の受入れ
が促進された(23 件)。
○これら研究者と交流ができること等が魅力となり、大学発ベンチャー企業はじめ企
業の進出に拍車がかかった(33 社→73 社)
。
○再生医療等先端分野の研究が評価され、国内外の医療関係者や企業関係者等の視察
が多かった(約 240 団体、約 3,300 人)
。
【マスコミのとりあげ】
新聞全国紙 5 件、地方紙 1 件
今後の予定等
・ 進出企業による外国人研究者の受入れ
規制の特例措置
・ 外国人研究者受入れ促進
・ 外国人の入国、在留申請の優先処理
- 38 -
超精密技術集積特区
都道府県名:
山形県
山形市を含む 7 市町
申請主体名:
山形県
区域の範囲:
山形市、米沢市、寒河江市、上山
市、天童市及び東根市並びに山形
県東置賜郡高畠町の全域
特区の概要:
精密加工分野において高いレベルの技術を有する企業の集積
と、全国的にも高い技術水準の研究シーズを有する国立大学の
存在等を活かし、「超精密加工テクノロジー」と「有機エレク
トロニクス」分野で核となる先導的なプロジェクトを実施する
ことにより、「超精密技術」領域における産業の育成と集積を
図る。
適用される規制 ・国立大学教員等の勤務時間内兼業の容認
の特例措置:
・外国人研究者受入れ促進
・外国人の入国、在留申請の優先処理
・国の試験研究施設の使用手続きの迅速化、使用の容易化
・保税蔵置場設置基準の弾力化
・国有施設等の廉価使用の拡大
規制の特例を
活用し融合
山形大学の「超精密技術」の集積
◇ポスト液晶として高い市場性・成長性
が期待される有機エレクトロニクス
技術
◇オプト技術を活用した画像処理技術
◇分子レベルの材料制御による機能性
材料
etc
産業界の「超精密技術」の集積
◇ものづくりを支える精密加工技術の
集積(精密金型、切削等)
◇医療用診断装置や電子顕微鏡等、高度
な技術を要する完成品の組立て技術
の集積
◇半導体やマイクロセンサー等での層
の厚い企業群 etc
当面取組むプロジェクト
有機エレクトロニクスバレープロジェクト
超精密加工テクノロジープロジェクト
DVD 用青色レーザ読取レンズの製品化
ナノ金型の製品化、高精細加工技術 etc
次世代薄型照明の開発、有機半導体の開発
有機 EL 製造装置の開発
etc
今般認定された項目に加え、産業界の実需を反映した特例を追加提案
「超精密技術」領域での新産業の創出と集積
- 39 -
[新たな産業の創造による地域経済の活性化]
超精密技術集積区(山形県)
背
景
○生産の空洞化等、地方経済を取り巻く環境が一段と厳しくなりつつある中、地方が
自立的な発展を遂げていくためには、新しい産業基盤の創出が急務となっている。
○精密加工の分野で高い技術レベルを有する企業の集積と、全国的にも優れた研究シ
ーズを有する山形大学の技術を融合し、「超精密技術」領域における産業の創造と
育成を図る。
特区のポイント
○ナノオーダーの加工技術の確立を目指す「超精密加工テクノロジープロジェクト」
と、次世代のディスプレーデバイスとして高い市場性・成長性が期待される有機E
L技術を核にした「有機エレクトロニクスバレープロジェクト」の2つの先導的な
プロジェクトに取組んでいる。
○このプロジェクトでは、産業競争力の向上と、新たな産業発展のための基盤づくり
を目指しており、規制の特例の活用によりその実現の促進を図る。
効
果
○マスコミ等に取り上げられ、2つのプロジェクトのプレゼンス向上に寄与。
○規制の特例の活用により国際物流の面の円滑化が図られ、地域企業の生産性が飛躍
的に向上。
【マスコミのとりあげ】
・テレビ報道 8件、新聞全国紙 40件、地方紙 20件、雑誌 5件 ほか
今後の予定等
○ 国際物流面のメリットを積極的にPRし、地域企業のSCM推進を支援。
○ 産業用地への誘導業種の拡充等の支援措置を盛り込んだ『
「超精密技術」関連産業
集積計画』が第 1 次地域再生計画として認定
規制の特例措置
・外国人研究者受入れ促進
・外国人の入国、在留申請の優先処理
・保税蔵置場設置基準の弾力化
- 40 -
太田外国語教育特区
都道府県名:
群馬県
太田市
申請主体名:
太田市
区域の範囲:
太田市の全域
特区の概要:
市と民間が協力して小中高一貫教育を実施する学校を設立し、
検定教科書の英語版等を用いて、国語等を除いた大半の授業を
外国人教員が英語で行うなど、子供たちが生きた英語や世界に
通用する感性・国際感覚を身につけられる教育環境を構築す
る。
適用される規制 ・特区研究開発学校の設置
の特例措置:
(教育課程の弾力化)
- 41 -
[小学校からの生きた英語を身につけ、一人ひとりの能力に応じた教育]
太田外国語教育特区(群馬県太田市)
背
景
○富士重工等、自動車や電機を中心とした製造業で、外国法人を設置している企業が
多く立地し、多くの外国人が在住
特区のポイント
○ 小学校から国語と社会の一部教科以外を全て英語で授業を実施する小中高一貫校
を開校(各学級に外国人教師を配置)
。
○ 小中高一貫校により生徒一人ひとりの能力や可能性に応じた教育、生きた英語を
身につける教育を実施。
効
果
○
平成17年から本格的開校予定。「ぐんま国際アカデミー」として、初等部をま
ず開校し、その後中等部、高等部も開校予定。
○
平成17年4月入学予定の児童約170名が、プレスクールで事前英語教育を
受けている。驚くべきスピードで英語力を身に付けている。
○ 第2期生を募集したところ定員150人を大きく上回る応募。他県からの応募も
多く、全国的に注目されていることを実感する。
○ 全国から取材・視察希望も殺到し、対応しきれない程である。
【マスコミのとりあげ】
・テレビ報道 約40件
・新聞全国紙 約90件、地方紙 約30件
規制の特例措置
・特区研究開発学校の設置(教育課程の弾力化)
- 42 -
海部町ふるさと教員制度特区
都道府県名:
徳島県
海部町
申請主体名:
海部町
区域の範囲:
徳島県海部郡海部町の全域
∼ 1
1 ∼
特区の概要:
海部町では、従来より、「ふるさと教員制度」と呼ぶ、地域社
会と密接に結ばれた教員を助教員として学校現場に配置し、体
験的学習を中心とした特色ある教育を行ってきているが、特区
の特例により、現行制度では実施できない学級担任や教科担任
を可能とすることにより、今まで以上に地域に根ざした教育の
展開を目指す。
適用される規制 ・市町村負担教職員任用の容認
の特例措置:
【しめ縄作りの様子】
【大敷き網体験の様子】
- 43 -
[地域の特色を生かした、特色ある教育活動]
海部町ふるさと教員制度特区(徳島県海部町)
背
景
○本町では、平成6年度より「ふるさと教員制度」の施行に伴い、「ふるさと教員」
による「ふるさと学習(地域教材を活用した体験学習)」を小学校現場において展
開してきた。しかし、助教員として派遣されている身分では、県費負担教員とのテ
ィーム・ティーチングによる授業展開しかできないため、「ふるさと教員」が目指
す目標に達することは困難であった。
特区のポイント
○「ふるさと教員」が、教科担任あるいは学級担任を持つことにより、今まで以上に
地域の特色を生かした特色ある教育の展開を目指す。
効
果
○ふるさと教員2名による地域教材を十分活用した授業が展開されたことにより、今
まで生かし切れていなかった地域の人材や教材を子供たちの学習の場で展開する
ことができた。
【マスコミのとりあげ】
・テレビ報道8件
・新聞全国紙4件、地方紙10件、雑誌6件、視察11件、講演依頼6件
今後の予定等
○学級担任・教科担任を持つことにより、地域の特色を生かした、特色ある教育活動
の推進。
○町に愛着と誇りを持ち、ふるさとを愛する心を持つ児童の育成。
規制の特例措置
・市町村負担教職員任用の容認
- 44 -
松山市観て歩いて暮せるまちづくり交通特区
都道府県名:
愛媛県
松山市
申請主体名: 松山市
区域の範囲: 松山市の区域の一部(中心
市街地、道後地区及び三津
地区)
特区の概要:
『坂の上の雲』を軸とした21世紀のまちづくりを進める本
市では、中心市街地等において総合的なまちづくりを行うため
に、交通規制を含めた総合的なまちづくりの計画を立て、回遊
性を高める交通体系を実現するとともに、環境に配慮した人に
やさしい交通体系の実現を目指す。
適用される規
・地域参加型のまちづくり計画に基づく交通規制の実施
制の特例措置:
自動車・歩行者が錯綜した道路
まちづくり協議会の開催
- 45 -
[市民参加の総合的まちづくり計画]
松山市観て歩いて暮せるまちづくり交通特区(愛媛県松山市)
背
景
○松山市では『坂の上の雲』を軸とした 21 世紀のまちづくりを進めている。これは、
市民が自覚をもってまちづくりを進め、多くの人に地域文化の魅力を感じてもらう物
語性のある都市観光の振興を目指して行こうとするものである。
特区のポイント
○市民がまちづくりに参加する意識が高揚する。
○来訪者や観光客の人数や滞在時間が増加するし、それに伴いまちの活性化を図る
ことができる。
○インフラのコスト縮減と環境にやさしいまちづくりを図ることができる。
効
果
○総合的まちづくりの中に交通規制を取り入れることにより、市民や観光客が安心して
ゆっくりと回遊できるため、滞在時間や来街者が増え商業観光産業の活性化
をは
かることができる。
○小説や歴史の舞台をゾーニングすることにより、物語性のある観光都市を作り上げ
る。さらに NHK スペシャル大河ドラマの放映をも契機として観光客の増加を図る。
(平成 15 年 500 万人→平成 19 年 600 万人)
○関連事業の交通結節点事業やレンタサイクル事業を進めることにより、公共交通や
レンタサイクルの利用が進み平成20年には二酸化炭素や NOX の1%が削減される。
【マスコミのとりあげ】
・テレビ報道 6 件(平成 15 年 11 月 21 日南海放送、愛媛朝日テレビ、同月 28 日南
海放送、テレビ愛媛、愛媛朝日テレビ、平成 17 年 2 月 22 日愛媛朝日)
・新聞全国紙 3 件(平成 15 年 11 月 22 日産経、読売、朝日)
地方紙 4 件(平成 15 年 11 月 22 日、29 日愛媛、平成 17 年 2 月 24 日愛媛、
同年 3 月 11 日愛媛)
・別途テレビ番組 土曜フォーラムくらしとみち(NHK)
・各種雑誌
2 件(平成 16 年 4 月 21 日号 CITY&Life、2004No.2 調査研究情報
誌ECPR、平成 17 年 2 月特区を活用した地域活性化ガイドブック)
・その他
1 件(平成 16 年 6 月 1 日、日本経済新聞取材)
今後の予定等
○市民参加の協議会を各地区 2 回開催。今後 2 回程度開催予定。
○個別検討会 3∼5 回程度開催予定
規制の特例措置
・地域参加型のまちづくり計画に基づく交通規制の実施
- 46 -
福祉コミュニティ特区
都道府県名:
熊本県
宇土市を含
む 5 市町
申請主体名:
熊本県、宇土市、宇城市、城南町、
富合町、美里町
区域の範囲:
宇土市、宇城市、並びに下益城郡
城南町、富合町、及び美里町の全
域
特区の概要:
障害児・者、高齢者、その家族など誰もが、少ないコストで、
身近な地域でより多くの福祉サービスを受けられるような地
域を目指し、指定通所介護事業所等における知的障害者及び障
害児の受入事業を実施するとともに、障害児・者及び要介護高
齢者等移動制約者に対する低廉な移送サービスを実施するこ
とにより、地域福祉の充実等を図り、もって当該地域の活性化
を図る。
適用される規制 ・指定介護事業所等における障害児等のデイサービスの容認
の特例措置:
・NPOボランティア輸送によるセダン車の使用
「夏休みの障害児預かり事業」を視察する潮谷知事(中央)
- 47 -
[誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられる地域づくりを目指して]
福祉コミュニティ特区(熊本県宇城地域)
背
景
○当該地域は、県立肢体不自由児施設「こども総合療育センター」等を有する、心身
障害者福祉の拠点となる福祉エリア「希望の里」を有している。
○一方、住み慣れた居住地域内での必要な福祉サービスを求める声があるが、
① 過疎地域を中心に、福祉施設等の整備が十分ではない、
② 現行制度では、高齢者、障害者、障害児等サービスの受け手ごとに縦割りの制
度となっており、相互利用ができない、
③ 障害児(者)等の移動制約者に対する外出支援策が不足している
という状況がある。
特区のポイント
○
高齢者、障害者、障害児等サービスの受益者ごとに縦割りサービスが組み立てら
れている現行制度の規制を緩和するとともに、新たな輸送手段を創設する。
これにより、福祉サービスが相互に活用され、総合的なサービス提供が可能とな
る。諸施設の開放及びその利用促進により、障害や世代を超えた交流や相互理解
が促進され、誰もが住み慣れた地域で暮らし続けるという地域福祉の推進に寄与
する。
効
果
○特区の導入により、地域内に事業所がなかったために遠方に出向いて障害児に対す
るデイサービスを受けていたのが近くの事業所(地域内に 20 箇所程度)の利用が
可能となるなどの利便性の向上が図られるとともに、障害児や高齢者等の介護にあ
たる者の経済的・身体的・精神的負担の軽減等が図られている。
○自立歩行が困難だった障害児が、高齢者向けのデイサービス事業所を利用する中
で、自立歩行がほぼ可能になったケースや、障害児の送迎の負担が軽減し、新たに
就労が可能となった保護者も出てくるなど、当初は想定していなかった効果も出て
いる。
【マスコミのとりあげ】
・テレビ報道15件(NHK、熊本放送、テレビ熊本、熊本県民テレビ、ほか)
・新聞全国紙16件(朝日、読売、毎日、日経)
・
地方紙15件(熊本日日、西日本)
今後の予定等
規制の特例措置
・ 指定通所介護事業所等における障害児等のデイサービスの容認
・ セダン型等の一般の車両を使用した有償運送可能化
- 48 -
北海道東川町幼保一元化特区
都道府県名:
北海道
東川町
申請主体名:
東川町
区域の範囲:
北海道上川郡東川町の全域
特区の概要:
多様な保育ニ−ズに応えるため、幼保合築施設を平成 14 年
12 月に開園した。幼保合築施設では、保育の実施に係る事務
を教育委員会に委任し、施設で完結型の事務処理体制を確立す
ることが利用者にとって最も望ましく、利用者の利便性の向上
と行政の効率化につながるものである。更に、同年齢の幼稚園
児と保育所児を定員の枠内で相互に乗り入れて合同活動を進
めることにより、幼保の分け隔てのない一貫した幼児教育・保
育を実現する。
適用される規
・幼稚園児と保育園児の合同活動
制の特例措置: ・保育事務の教育委員会への委任
- 49 -
[幼保の分け隔てのない一貫した、幼児教育]
北海道東川町幼保一元化特区(北海道東川町)
背
景
○乳幼児をとりまく養育環境は、核家族化がより一層進む中、一方では女性の社会参
画の促進や雇用機会の拡大などにより、共稼ぎ家庭が増加傾向にあり、幼児教育・
保育ニーズの多様化が必要であった。
特区のポイント
○H14年12月に開園した幼保合築施設において、同年齢の幼稚園児と保育所児を
定員の枠内で相互に乗り入れて合同活動を進めることにより、幼保の分け隔てのな
い一貫した幼児教育・保育の実現
○保育の実施に係る事務を教育委員会へ委任し、施設で完結型の事務処理を実施
効
果
○3歳以上児の同一カリキュラムによる合同保育と同レベル同内容の教育を行うこ
とができる。
○園行事の一本化(運動会・遠足・お遊戯会)
【マスコミのとりあげ】
・NHK 日本放送協会 「北海道スペシャル」特別番組
・テレビ神奈川
構造改革特区
放送
ニッポン早わかり「地域活性の起爆剤∼構造改革特区」 放送
・社団法人 時事画報社 Cabi ネット
「幼保一元化特区」 掲載
先進的な取り組みして全国から視察が多く一昨年度は 55 件で昨年度も 22 件
・新聞地方紙7件
今後の予定等
○保護者と園との関係強化、地域社会(地域住民、小・中・高校、児童福祉関係機関
等)との連携を深め、幼児教育・保育の充実を図る。
規制の特例措置
・幼稚園児と保育所児の合同活動
・保育事務の教育委員会への委任
- 50 -
幼児教保育特区
都道府県名:
岐阜県
瑞浪市
申請主体名:
瑞浪市
区域の範囲:
瑞浪市の全域
特区の概要:
適用される規制
の特例措置:
市立幼稚園3施設及び市立保育所7施設のそれぞれにおいて一部
保育室を共有化し、当該地区内の保育所又は幼稚園の分園とし、幼
稚園児及び保育所児の合同活動を実施する。また、当該特区計画を
実施していくにあたって、幼稚園施設内の保育所分園の保育所児に
対して、市立給食センターから配膳を行う。これらにより、住民の
ニーズに合った平等な保育サービスの提供を図る。
・幼稚園児と保育所児等の合同活動
・公立保育所における給食の外部搬入
・幼稚園と保育所の保育室の共用
・幼稚園の基準面積算定方法の弾力化
- 51 -
[幼稚園・保育所の一体化による少子化社会への対応]
幼児教保育特区(岐阜県瑞浪市)
背
景
○保育所は市内全域に設置されているが、幼稚園は一部地域のみの設置となってお
り、地域間で平等なサービスが提供されていない状況であった。一方で施設の観点
から見ると、市周辺部では人口減少傾向にあり、新たな施設整備が難しい状況であ
った。
特区のポイント
少子化により空き教室の出た幼稚園や保育所で、空き教室に幼稚園には保育所を、保
育所には幼稚園を設置し、幼稚園児と保育所児の合同活動を実施する。合わせて、幼
稚園施設に設置した保育所に学校給食センターから給食を配食する。
効
果
○ 幼稚園や保育所の既存施設を有効に活用できる。
○ 地区における幼児の年齢間での交流活動の機会の増加、地域に根ざした子育てを
実施できる。
(H21年度までに市内の3∼5歳児すべて(1000人前後)の合同
教育の実施が目標)
○保護者のライフスタイルに応じたサービスを提供できる。
【マスコミのとりあげ】
・新聞地方紙(岐阜新聞、中日新聞)に認定記事と変更認定記事掲載
・全国からの視察 23団体から24回(H17年3月末)
今後の予定等
○
今後改築する保育所は、幼稚園との共用化施設とし、人口減少地域においては施
設の統廃合を段階的に行う。
○
保育所単体の施設を幼稚園との共用化施設とし、3歳児からの幼稚園児を受け入
れ態勢を整える。
規制の特例措置
・
幼稚園児と保育所児等の合同活動
・
公立保育所における給食の外部搬入
・
幼稚園と保育所の保育室の共用
・
幼稚園の基準面積算定方法の弾力化
- 52 -
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