Comments
Description
Transcript
「アクセス埼玉」4月号(2014年4月1日発行)
精密金属板金メーカー I Tを駆使し金型・切削レス加工で世界に挑む INTERVIEW INT IN NTER TE T ERVIE ER RVIE RV VIEW EW 株式会社井口一世 インタビュー 【所 在 地】 所沢市所沢新町2553-3 【代 表 者】 代表取締役 井口一世 【事業内容】 精密金属板金加工など 【資 本 金】 9, 500万円 【従業員数】 32名 【T E L】 04-2990-5400 【U R L】 http://www.iguchi.ne.jp/ 近代的なオフィスは、工場 エリアも含めすべて白を基 調とし、ユニフォームも白。 製造業でありながら、社員 の7割以上が女性です。 ▼ 研究開発をメインとした所沢事業所には、 看板はありません。 モノトーンの社屋が看板代わりです。 ▲ ドイツトルンプ社製の最新 鋭レーザープレスマシン。 ICTとの融合で、安定した製 品を高品質で製造し、完全 自 動 化 に よ る 24 時 間 稼 働 も可能。 す。 でき、業績も順調に推移していま 競合他社との差異化を図ることが 高精度の加工を実現したことで、 かかりました。しかし、低コスト、 の加工に行き着くまで一〇年ほど その技術の延長上にある切削レス レス加工の開発に着手し、さらに な方法ですが、会社設立後、金型 たことです。この業界では常識外 で超高精度の板金加工を可能にし 井口 当社の特徴は一言でいえば、 「金型レス加工」「切削レス加工」 ◉会社の概要を教えてください。 話をうかがいました。 で世界に挑む同社の井口社長にお 精密金属板金メーカーとして、 ITを駆使し金型・切削レス加工 能になり、従来の製造コストの半 工時間を大幅に短縮することが可 う工程自体をなくしたことで、加 きました。さらに、切削するとい 加工によりこの無駄をなくしてい の高い板金加工、つまり切削レス ます。そこで、切削をせずに精度 い材料が無駄になるといわれてい 加工していくわけですが、六割近 井口 通常、切削加工では、さま ざまな形状の金属材料を切削して きるとお聞きしましたが。 でのコストが半分以下まで削減で してしまったわけです。 思い切って会社名も自分の名前に 名称にしたい、そんな思いもあり、 一度聞いただけで頭に残るような 称にはしたくなかった。ですから、 ◉会社名は「株式会社井口一世」 分以下に抑えることができるよう ◉当社の加工技術により、いまま と社長ご自身の名前ですね。 「○○金属株式会社」とか「株式 あ り ま し た。 会 社 名 に つ い て も い会社にしたいという強い思いが 常識や一般的な常識にとらわれな においても、完成品メーカーにと ちろん、大量生産前の市場評価時 技術は、試作機製造の段階ではも わずに部品を製造する当社の加工 また、金型の製造には多額のコ ストを必要としますが、金型を使 になったわけです。 会社○○精工」といったようなど って、低コストで製品が製造でき、 井口 二〇〇一年に当社を設立し ましたが、設立当初から、過去の こかで聞いたことのあるような名 10 2014. 05 ファーストインプレッションを 重視した、シンプルなデザイン の会社パンフレット。 金型レス、切削レス 製品サンプル やり遂げる能力などを重視して採 む能力や与えられたミッションを 際は、問題解決のポイントをつか まう。ですから、社員を採用する 工方法から避けるようになってし いけない」など、自ら革新的な加 い」 「 こ う し た こ と は、 や っ て は 識があると「こんなことはできな 考えています。生半可な経験や知 工の経験や知識がない方がよいと の社員を採用する時でも、金属加 常識にとらわれない経営を目指 している当社にとって、製造現場 でしょう。 高い状況になっているということ 用していった結果、女性の割合が 井口 女性社員を増やそうという 意図は特になく、当社の基準で採 従業員の七割以上が女性だとか。 ◉高い技術力を維持している中で、 います。 でしていただく案件も増えてきて はなく、設計段階から当社を指名 では、他社との見積もり合わせで このため、大手メーカーとの取引 大きな魅力となっているようです。 りのシンクタンク」を目指してま らなる技術革新により「ものづく 「ものづくり」「IT」 今後も、 「知財戦略」をキーワードに、さ しはじめています。 る上で重要な知的財産戦略も着手 などのブラックボックス化を考え えています。このため、ノウハウ 法で工場を展開していきたいと考 づくりをフランチャイズによる方 当社が培ったITを駆使したもの くまで、日本のここ所沢を拠点に、 ことは考えていません。当社はあ 井口 昨今、中小企業でも工場の 海外進出が多くなっているようで を目指すとか。 ◉フランチャイズ展開で海外市場 製造業というよりIT企業に近い させてきました。そういう面では、 より、高い加工技術を維持、向上 したプログラムで駆使することに 企業内のビックデータを自ら作成 までの膨大な加工データ、いわば 高度な加工技術は必要ですが、今 けですから、いわゆる職人技的な いります。 すが、当社自らが海外で生産する 存在なのかもしれませんね。 用しています。 当然、ものづくりをしているわ 2014. 05 11 ▲ INTERVIEW 産業交流展特別展ブース ▲ 受賞歴 JAPAN Venture Awards 2013 経済産業大臣賞/平成24 年度 「東京都経営革新優秀賞」最優 秀賞受賞など