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The 15th Workshop on JAXA Astrodynamics and Flight

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The 15th Workshop on JAXA Astrodynamics and Flight
The 15th Workshop on JAXA
Astrodynamics and Flight Mechanics
Jul 25 – Jul 26, 2005
ISAS/JAXA
Japan
PROGRAM
005
Institute of Space and Astronautical Science (ISAS)/
Japan Aerospace Exploration Agency(JAXA)
W
elcome to the 15th Workshop on JAXA
Astrodynamics and Flight Mechanics
Contents
-----------------------------------------------------Map
Session Schedule
Session Detail
平成 17 年度 アストロダイナミクスシンポジウム 講演概要集
(15th. Workshop on Astrodynamics and Flight Mechanics)
日時:平成17年
7月25日(月) 10:00∼17:45
7月26日(火) 10:00∼17:15
会場:宇宙科学研究本部 本館 2階大会議場 (A/B 会場)、1 階入札室 (C 会場)
7月26日(火)
7月25日(月)
10:00
∼
12:00
A 会場
B 会場
C 会場
軌道−1
ラグランジュ点
利用
*川口淳一郎
(JAXA)
ソーラーセイル
の運動
*平木講儒
(九工大)
非ホロノミック
姿勢運動
*大塚敏之
(大阪大)
A 会場
10:00
∼
12:00
軌道−4
弾道軌道
*中谷一郎
(JAXA)
B 会場
柔軟構造物と利用
*木田隆
(電通大)
C 会場
航法−1
軌道推定と応用
*鈴木秀人
(JAXA)
12:00
~12:45
昼 食
12:00
~12:45
昼 食
12:45
∼
13:30
<A 会場> ビデオ上映
「はやぶさ」
12:45
∼
13:30
「はやぶさ」運用室 Guided Tour
13:30
∼
15:00
軌道−2
惑星間軌道(1)
*土屋和雄
(京大)
15:00
~15:15
15:15
∼
17:45
18:00
∼
19:00
姿勢運動−1
*泉田啓
(金沢大)
ロボティクス、
移動体−1
*米本浩一
(九大)
姿勢運動−2:
実験
*狼嘉彰
(慶応大)
航法−2
ミッション応用
*山口功
(JAXA)
15:00
~15:15
休 憩
軌道−3
編隊飛行
*上野誠也
(横国大)
13:30
∼
15:00
ロボティクス、
移動体−2
*西田信一郎
(JAXA)
15:15
∼
17:15
テザー1
*外本伸冶
(九工大)
誘導、ミッション
検討−1
*松永三郎
(東工大)
休 憩
軌道−5
惑星間軌道(2)
石井信明
(JAXA)
テザー2
*藤井裕矩
(科技大)
誘導、ミッション
検討−2
*中島俊
(JAXA)
懇親会(ハーベスト) 会費 ¥1000(TBC)
* 印は座長(司会者)
* マイクロバス運行時刻
朝(淵野辺駅発)
:8:25 8:50 9:15 9:40 10:05 夕(相模原キャンパス発)
:16:30 17:00 17:30 18:00 18:30 19:00 19:30 20:00 20:30
守衛所でバッジを借用してバスでお帰りの場合には、杉田にご返却ください。
注・・1講演30分(質疑応答含む)
各講演の開始時間は、前講演が早く終了してもプログラム通りとしますので、発表時間が短くなりすぎないようにご注意く
ださい。但し、随時質疑が行えるよう、5分ほどのマージンをみていただければ幸いです。
第 1 日目 7月25日(月) 受付開始時間9:30
A 会場
10:00
~
B 会場
「太陽-地球系L2 点周りのリサジュ基準軌 「二重波折りパターンをなす二次元展開
「バックステッピング法による宇宙ロボ
道の設計」
ソーラーセイル膜面のスピン展開制御実
ットの姿勢制御」
○歌島昌由(JAXA)
験」
○橋本智昭(科技大・院)、藤井裕矩(科
○古谷寛(東工大)、井上陽介(東工大・ 技大)
10:30
院)
A−1
10:30
~
11:00
B−1
~
11:30
11:30
~
「ソーラーセイルの準静的大型膜面展開
「マニフォールドを利用した宇宙ロボッ
る一考察 」
実験」
トの姿勢制御に関するいくつかの検討」
○森本睦子(総研大・院)
、山川宏、上杉
○森治(JAXA)
、中納知樹、多羅尾康太(東 ○外本伸治(九大・工)
邦憲(JAXA)
大・工・院)
、佐伯孝尚、津田雄一、川口
淳一郎(JAXA)
「L2 点周りの小円ハロー軌道設計」
「改良多粒子系モデルによるソーラーセ
「初期角運動量を持つ非軸対称 2ホイー
イル膜の挙動解析」
ル衛星の3軸制御の数値最適解」
郎(JAXA)
○津田雄一、森治(JAXA)
○遠藤達也(JAXA)
A−3
B−3
「LEO-L2 点への輸送軌道最適化」
「Solar Sail Navigation with the
「コーニング効果および動力学効果を踏
Generalized Sail Model」
まえた終端姿勢制御」
川勝康弘、川口淳一郎(JAXA)
○Leonel Rios-Reyes、Daniel J. Scheeres
○森治(JAXA)
、南川幸毅(東海大・元院)
、
(The University of Michigan)
川口淳一郎(JAXA)
12:00
13:30
~
<ビデオ上映>
ASTRO−E2 または「はやぶさ」
C−4
B−4
昼
~12:45
13:30
C−3
○相田彩夏(東大・工・院)
、松本道弘、
A−4
~
C−2
B−2
○多羅尾康太(東大・工・院)
、川口淳一
12:00
12:45
C−1
「低推力推進を利用した周期軌道に関す
A−2
11:00
C 会場
食
−
―
「ソーラーフォトンスラスタの軌道ダイ
「回転表現に関する一考察」
「大型スペースデブリに対する画像情報
ナミクス」
○長谷川律雄(長谷川技術士事務所)
に基づく運動推定」
○照井冬人、上村平八郎、西田信一郎
○山川宏(JAXA)
14:00
(JAXA)
A−5
B−5
C−5
A 会場
14:00
~
14:30
14:30
~
B 会場
C 会場
「ラグランジュ点を利用した惑星間移行
「スピン型ソーラーセイルの姿勢安定解
「タンブリング衛星の角運動量制御」
の予備考察」
析」
○吉河章二(三菱電機)
、山田克彦(名大)
○中宮賢樹(総研大・院)
、山川宏(JAXA) ○中納知樹(東大・工・院)
、森治(JAXA)
A−6
B−6
「太陽−地球L2点からの地球脱出軌道に
「バイオニクスの画像センサーへの応用
「ターゲット捕獲時における宇宙ロボッ
関する研究」
−Ⅲ」
トの角運動量分配制御」
○松本道弘、川口淳一郎(JAXA)
15:00
○輿石肇、中正夫(AIDS)、黒崎裕久
○大木智久、Dimitrov Dimitar
(JAXA)、岩田芳隆(富士通 FIP)、内
Nikolaev(東北大・工・院)、吉田和哉(東
山明彦(早大・理工)
北大・工)
A−7
B−7
15:00
休
~15:15
15:15
~
15:45
「異なる弾道係数を持つフォーメーショ
「スピン衛星におけるスピン軸方向変更
「ターゲット捕獲時におけるフリーフラ
ンフライト衛星の円軌道における相対
制御の実験報告」
イング宇宙ロボットの手先インピーダン
運動解析の一手」
○佐伯孝尚(JAXA)
ス制御」
○中西洋喜、吉田和哉(東北大・工)
○山元透(JAXA)
「ゴム気球を用いた小型パラフォイルの
○山田克彦(名大・工)
、吉河章二、島岳
CMG システムの設計と試作」
飛行実験」
也(三菱電機)
○尾曲邦之、臼田武史(東工大・院)
、松
○平木講儒(九工大・工)、水田義之、斉
永三郎(東工大)
藤悠介(九工大・工・院)、井上昌信(九
16:15
工大・工)
A−9
16:15
C−8
B−8
「宇宙機の相対位置変更の制御について」 「20kg 級超小型衛星の迅速姿勢制御用
~
C−7
憩
A−8
15:45
C−6
C−9
B−9
「複数近接宇宙機の区分線形2次制御」
「流体ホイールの基礎研究」
「真空環境において月面模擬地形を利用
○梅原広明(NICT)
○栃本昌孝(慶応大・院)
、岩倉淳(東海
した探査ローバ走行実験」
大・院)
○飯塚浩二郎(総研大)、金森洋史(清水
~
16:45
建設)、久保田孝(JAXA)
A−10
C−10
B−10
「編隊飛行における情報伝達構造と群の
「超小型衛星用把持引込型ドッキング機
「月・惑星探査ローバに向けた昆虫型ロボ
16:45
制御性に関する研究」
構の把持制御」
ットに関する研究」
~
○佐伯孝尚(JAXA)
○宇井恭一(JAXA)
、松永三郎(東工大) ○泉田啓(金沢大)
、木村昌宏、伏見匡洋
17:15
(金沢大・院)
、久保田孝(JAXA)
A−11
17:15
C−11
B−11
「編隊飛行制御と交通量制御」
「曲げ剛性を伴うスピン型ソーラーセイ
「人工衛星の捕捉および結合時の安定化
○川口淳一郎(JAXA)
ル膜の動的展開について」
非線形制御」
、木田
○中谷幸司、森治、津田雄一、佐伯孝尚、 ○伊藤玲、池田裕一(電通大・院)
∼
17:45
隆、長塩知之(電通大)
山本高行(JAXA)
A−11´
B−11´
18:00
~
19:00
懇 親 会(ハーベスト)会費 ¥1,000(TBC)
C−11´
第2日目 7月26日(火) 受付開始時間9:30
A 会場
10:00
~
10:30
B 会場
C 会場
「Nonlinear Mapping of Gaussian State
「Application of Ballistic Capture
「距離画像を用いた柔構造の振動パラメ
Trajectory for Jovian Outpost
タ同定アルゴリズムの性能評価地上実験」 Uncertainties」
Establishment」
○巳谷真司、上野浩史、稲場一幸、小田光 ○Ryan S. Park, Daniel J. Scheeres(The
○Ridanto Eko Poetro、Hiroshi
茂(JAXA)
、Matthew D. Lichter、Steven
Hirayama、Tetsuo Yasaka(Kyushu
Dubowsky(MIT)
University of Michigan)
University)
10:30
○石井信明、山川宏(JAXA)
○西田信一郎、平林久(JAXA)
、吉川恒夫 の高精度軌道決定」
~
(立命館大)
○高須知二、笠井晶二(笠井デザインオフ
ィス)
A−13
~
11:30
「搬送波位相観測値を使用した GPS 衛星
「大型宇宙電波望遠鏡の軌道上組立」
11:00
11:00
C−12
B−12
A−12
「金星探査機 PLANET-C 軌道計画」
C−13
B−13
「Orbit Design and Simulation for
「Conception of solar sail satellites for
「レーザと GPS による低軌道衛星の ppb
ASTROD I」
the detection of exoplanets」
精度軌道決定」
○Xia Yan(Purple Mountain
○Adam SAGLAM(University of Liège,
○大坪俊通、久保岡俊宏、後藤忠広(NICT)
Observatory, Chinese Academy of
LPAP)
Sciences), Tang Chien -Jen
(Department of Physics, Tsing Hua
University), Ni Wei-Tou (Purple
Mountain Observatory, Chinese
Academy of Sciences), Li Guang-Yu
(Purple Mountain Observatory, Chinese
Academy of Sciences)
11:30
「多様体補正による効率的な軌道積分」
「柔軟大型衛星の数値シミュレータとモ
「差分電波観測による軌道推定」
福島登志夫(国立天文台)
ジュール型の太陽発電衛星の提案」
○市川勉(JAXA)
~
○泉田啓(金沢大)
、上野大記(金沢大・
12:00
院)
、久司一博、久保田伸幸(川崎重工業)
A−15
12:00
B−15
昼
~12:45
12:45
C−15
食
「はやぶさ」運用室 Guided Tour
~13:30
13:30
C−14
B−14
A−14
「小惑星探査機の位置同定の自律化」
「クローラマスを利用したテザー衛星シ
「A Basic Study on the Optimal
○肥後さやか(東大・工・院)
ステムの運動解析」
Trajectory Control of a Dive and Ascent
○太田匡則(首都大・院)
、中西勝哉、佐
Satellite」
~
藤大輔(科技大・院)
、藤井裕矩(科技大) ○Tianshuang Fu, F. Imado ( Shinshu
14:00
University)
A−16
B−16
C−16
A 会場
B 会場
「小惑星到着直前の「はやぶさ」軌道決
14:00
~
14:30
定精度解析」
C 会場
「折りたたみテープテザー展開装置の地
「再突入宇宙機の横方向制御−エルロン
上実験」
逆効きロールとヨーRCS ロール」
○大西隆史(富士通)
、吉川真、加藤隆二、 ○渡部武夫(科技大・院)
、藤井裕矩(科
市川勉(JAXA)
技大)
、草谷大郎(首都大)
、菊池龍明(科
技大)
B−17
A−17
~
15:00
C−17
「高精度軌道決定に向けた HAYABUSA
「非常に長い宇宙テザーの力学と制御」
「空力上昇径路におけるリアルタイム誘
の VLBI 観測―状況報告―」
○渡辺愛(科技大・院)
、藤井裕矩(科技
導法の提案」
、石川隆司(JAXA)
○関戸衛、市川隆一、近藤哲朗、竹内央、 大)
14:30
○米本浩一(九工大・工)
○山本高行(JAXA)
小山泰弘、川合栄治(情報通信研究機構)
、
吉川真、望月奈々子、加藤隆二、市川勉、
村田泰宏、平林久(JAXA)
、大西隆史(富
士通)
、田村良明、劉慶会、菊池冬彦(国
立天文台)
、藤沢健太(山口大)
、高羽浩(岐
阜大)
、高島和宏(国土地理院)
A−18
15:00
休
~15:15
15:15
~
憩
「惑星間太陽同期軌道の摂動解析」
「デブリ除去に用いる導電性テザーの詳
「小天体フライバイ時の光学自律誘導航
○西牧修平、黒嶋慶子(東大・工・院)
、
細数値シミュレーション」
法に関する研究」
佐伯 孝尚、川口淳一郎(JAXA)
○河本聡美、大川恭志、西田信一郎
(JAXA) ○多羅尾康太(東大・工・院)
、森治、川
15:45
勝康弘、川口淳一郎(JAXA)
A−19
15:45
~
C−18
B−18
C−19
B−19
「最小燃料探査軌道を与える小惑星軌道
「電流の切り替えによるエレクトロダイ
「モンテカルロシミュレーションによる
の離心率特性」
ナミックテザーシステムの姿勢制御」
月面精密着陸の成立性評価」
○上野誠也、小林孝也、古賀心太郎(横国 ○武市昇(JAXA)
○濵田吉郎、二宮哲次郎、片山保宏、四宮
大)
康雄、松本甲太郎、山本昌幸、澤井秀次郎
16:15
(JAXA)
、上野誠也(横国大)
、林健太郎
(MSS)
A−20
16:15
~
「テザー制御型スピンフォーメーション
の検討状況」
フライングの隊列展開に関する地上実験」 Nano-JASMINE における、高精度姿勢安
○川勝康弘、山川宏、安部正真(JAXA)
○中谷幸司(JAXA)
、居相政史、松永三郎 定に関する研究」
○小野雅裕(東大・工・院)
(東工大)
A−21
~
「超小型赤外線位置天文衛星
「次期小惑星探査ミッションの軌道計画
16:45
16:45
C−20
B−20
C−21
B−21
「小型探査機インタセプタによる小惑星
「多粒子モデルを用いた非対称Yo-Yo の動 「SCOPE における編隊飛行のための測距
フライバイ探査のミッション解析」
力学解析」
○川勝康弘、森治(JAXA)
○岩倉淳(東海大・院)
、森治、中谷幸司、 ○津田雄一、戸田智朗、市川勉、斎藤義文
17:15
システムと軌道設計」
(JAXA)
石井信明(JAXA)
A−22
B−22
C−22
【 A 会場 】Conference Room A
A−1
「Design of Reference gLissajous Trajectories around the L2 Point in the Sun-Earth
System」
*M. Utashima (JAXA)
Since both halo and Lissajous orbits around L2 point in the Sun-Earth system are unstable, orbital
maintenance maneuvers at several month intervals are necessary. If an attitude subsystem does not
cause large disturbances, however, the orbits can be maintained with a yearly V of about 1 m/s based on
orbit determination errors and maneuver errors. In order to perform orbital maintenance, a reference
trajectory with zero V must be designed in advance under a precise model of perturbations. In Europe
and the United States, a zero V reference trajectory is designed by numerically obtaining a solution with
the matching conditions of positions and velocities between half-period orbits from an initial trajectory
derived by a third- or higher-order analytical solution. The method above has a problem in that
higher-order analytical solutions are required. This paper presents a new method for the design of zero
V reference Lissajous trajectories in which the Sequential Quadratic Programming (SQP) method is
applied and the higher-order analytical solutions are not necessary.
「太陽-地球系 L2 点周りのリサジュ基準軌道の設計」
○歌島昌由(JAXA)
リサジュ軌道やハロー軌道は不安定なために数ヶ月間隔の軌道保持制御が必須であり、正確な摂動モデルの
下で ∆V ゼロの基準軌道を前もって設計しておき、
それに追従する様に保持制御が行なわれている。
欧米では、
3 次以上の高次解析解を初期値として基準軌道が作成されているが、本論文では、線型解だけを使用してリサ
ジュ基準軌道を作成する新しい方法を述べる。
A−2
「Low-Thrust Periodic Orbits in the Restricted Three-Body Problem」
*M. Morimoto (The Graduate University for Advanced Studies), H. Yamakawa, K. Uesugi
(JAXA)
Lagrange points in the restricted three-body problem are the equilibrium points by the gravity of the
two primary bodies and centrifugal force in the rotating frame. Many studies for Lagrange points have
been investigated in the past. This study is focused on the periodic orbit around non-equiriblium point
in the rotating frame utilizing continuous low thrust propulsion.
「低推力推進を利用した周期軌道に関する一考察 」
○森本睦子(総研大・院)
、山川宏、上杉邦憲(JAXA)
宇宙機が、太陽および地球からの重力のみ影響を受けると仮定した時の探査機の運動は、三体問題と呼ばれ
る。探査機の質量をゼロとし,太陽と地球がその共中心を円運動で回転すと仮定した制限3体問題における
探査機の運動について考察する。太陽を中心とし、春分点方向を軸に固定する慣性座標系と違って、三体問
題は、太陽と地球を固定した回転座標系で表現される。三体問題下では、二天体の重力と、回転座標系によ
る遠心力の釣り合い点(ラグランジュ点)が存在し、その点における周回軌道は、これまでに数多く研究され
ている。また、ソーラーセイルを用いた、周回軌道に間する研究もなされている。本研究では、この回転座
標系において、任意の点で宇宙機を周期的に周回させる事を考える。釣り合い点以外の場所で探査機を周回
させるために、低推力推進を利用する。連続的に任意の推力加速度を探査機に与えれると仮定した時の探査
機の運動方程式を導出し、特質のある周期軌道を構築する。
A−3
「Design of Small Circular Halo Orbit around L2」
*K. Tarao (The University of Tokyo), J. Kawaguchi (JAXA)
The Sun-Earth L2 libration point is conceived the best point for the astronomy, since it maintains not only
constant distance from Sun and Earth but geometry with them. This paper describes a new control
method for realizing small circular Halo orbits around the L2 point. First, a control law is mathematically
obtained from linear equations of motion in restricted three body problem. And next, the station keeping
strategy is verified using real ephemeris. Required thrust for the strategy is small, and it’s realized even
by solar sail.
「L2 点周りの小円ハロー軌道設計」
○多羅尾康太(東大・工・院)
、川口淳一郎(JAXA)
太陽―月・地球系におけるラグランジュ点の中で、L2点は太陽と地球との距離がほぼ一定で、太陽、地球と
の幾何学的関係が保たれ、またダウンリンク通信が太陽の影響を受けない点で L1 点よりも有利である。そ
のためL2点周辺の軌道は、赤外線天文衛星や外惑星探査のための起・終点としての宇宙港の軌道として利
用が考えられている。本論文では、新しい制御法により L2 点回りに小さな円形の Halo 軌道が作れることを
示す。まず初めに、円制限三体問題における線形化された方程式から理論的に制御則を導く。その後、実軌
道要素を用いて軌道制御方法を検証する。軌道制御に必要な推力は十分小さく、ソーラーセイルでも可能で
あり、大変実用的な制御方法である。
A−4
「Optimization of Trajectories between the Earth to the L2 Point」
*S. Aida (The University of Tokyo), M. Matsumoto, Y. Kawakatsu, J. Kawaguchi (JAXA)
Optimization of trajectories from the earth to the sun-earth L2 point is discussed, supposing their
applications to missions around L2, such as deep-space ports and infrared astronomical satellites. The
problem of compromising between short transit times and small ⊿V, which is proportional to the amount
of fuel consumption, is considered in detail. Transfers are studied in some cases, free-fall trajectories,
multi-impulse trajectories using chemical thrust, and trajectories using a lunar swing-by. We discuss each
case from the perspective of transit times, ⊿V, and Isp.
「LEO-L2 点への輸送軌道最適化」
○相田彩夏(東大・工・院)
、松本道弘、川勝康弘、川口淳一郎(JAXA)
L2 点周りにおける深宇宙港、赤外線天文衛星などのミッションを想定し、LEO−L2 点間の輸送軌道の最適
化を行った。本研究では、まず化学推進を用いた輸送について⊿V 最小のための軌道投入角と投入速度の最
適化を検討する。次に、化学推進での検討結果を元にして Isp の高い電気推進を利用した輸送軌道を検討す
る。各輸送の場合について⊿V・飛行時間・推進系の Isp などの点から輸送軌道を評価し、更に化学推進と電
気推進による輸送を比較する。
A−5
「Orbital Dynamics of Solar Photon Thrusters」
*H. Yamakawa (JAXA)
The idea of utilizing large sheets of reflecting material for a spacecraft, which uses positively the radiation
pressure from the sun, has been in the literature since the days of the early space pioneers. This solar
sailing concept has long been considered for a diverse range of future mission applications, and recent
advances in the light material made this concept realistic. This conventional flat solar sail suffers from a
loss of efficiency due to the cosine squared reduction in solar radiation pressure force magnitude as the
Sun aspect angle increases. When it comes to the transverse component of force tangent to the solar sail
orbit, only 38 % of the available solar radiation pressure force is of use when the sail orientation is
optimized. However, by separating the functions of collecting and directing the solar radiation, significant
performance improvements over conventional flat solar sails are possible. This concept is called solar
photon thruster, which was proposed in the Soviet literature and reinvented by R. L. Forward in 1989.
This paper focuses on the orbital dynamics of solar photon thrusters by comparing with the conventional
flat solar sails.
「ソーラーフォトンスラスタの軌道ダイナミクス」
○山川宏(JAXA)
大きな膜面で太陽光を反射して推進力を得る考え方については宇宙開発の黎明期より提案されていた。この
ソーラーセイルのコンセプトは近年の軽量な材料の登場によって具体化しつつある。平面型のソーラーセイ
ルの問題点の1つとして、法線方向の太陽に対する角度の余弦の二乗に比例して推進力の大きさが低減する
ことが挙げられる。この短所を解決すべく、集光機能と反射機能を独立に制御するソーラーフォトンスラス
タの概念が旧ソ連の科学者によって提案され、1989 年には Forward によって再提案された。本論文は、こ
のソーラーフォトンスラスタを搭載した探査機の軌道ダイナミクスについて考察したものである。
A−6
「Preliminary Analysis of Interplanetary Transfer Trajectory Using Libration Points」
*K. Nakamiya (The Graduate University for Advanced Studies), H. Yamakawa (JAXA)
This study presents an approach to obtain a low energy interplanetary transfer trajectory for the
spacecraft using the libration points, where solar gravity, planetary gravity and centrifugal force in the
Sun-planet system are balanced in the restricted three-body problem (R3BP). Firstly the libration point of
the Sun-Departure (Arrival) planet system is set as the departure (arrival) point of the spacecraft. Then,
the relation between the departure (arrival) velocity and the movable region of the spacecraft (i.e. the
maximum and the minimum heliocentric distance) is searched by numerical calculation, changing the
departure (arrival) velocity and mass ratio of the primary bodies. Then a low energy interplanetary
transfer based on these results is suggested. Finally, the effectiveness of this approach is discussed and
compared with the previous works.
「グランジュ点を利用した惑星間移行の予備考察」
○中宮賢樹(総研大・院)
、山川宏(JAXA)
本研究の目的は、太陽系の惑星間に生じている重力場の力学的特性を生かして、より少ないエネルギー(搭
載燃料)での宇宙探査機の惑星間移行を可能にすることである。以前から、惑星間移行に必要なエネルギー
(搭載燃料)を低減化するために、太陽−惑星系の重力と遠心力が釣り合うラグランジュ点が注目されてき
た。それは太陽と惑星の直線上にある惑星近辺のラグランジュ点(L1、L2)を積極的に利用することにより、
わずかなエネルギー(速度)の付加で、太陽系の内外惑星への移行が容易となるからである。よって過去の
研究でも、19世紀から天体力学の分野で研究され続けている太陽−惑星−宇宙探査機系のダイナミクス(3
体問題)に基づいて、ラグランジュ点近傍の周回軌道に関連した軌道群(多様体)を利用した惑星間移行手
法などが提案されている。本研究では、惑星間移行の際のさらなるエネルギーの低減化を図るために、まず、
宇宙探査機の出発(到着)点を太陽−地球(到着惑星)系のラグランジュ点として、その時の出発(到着)
速度と探査機が移動可能な領域(太陽から宇宙探査機までの最大距離と最小距離)の関係を調査する。そし
てこの特性を活用して、より効率的な宇宙探査機の惑星間移行手法を提案し、本手法の有効性を他の手法と
比較しながら考察する。
A−7
「Orbital maneuvers from the Sun-Earth L2 point」
*M. Matsumoto, J. Kawaguchi (JAXA)
In this paper, we consider orbital maneuvers from the Sun-Earth L2 point. As the first step, impulsive
maneuvers from the L2 point are examined, and using these results, low-thrust maneuvers are designed.
「太陽−地球 L2 点からの地球脱出軌道に関する研究」
○松本道弘、川口淳一郎(JAXA)
本講演では、太陽−地球系L2点を深宇宙港として想定し、低推力推進機関を搭載した宇宙機によるL2点を発
着地とした深宇宙往還システムを考え、その脱出軌道を論ずる。本研究ではまず、L2点からのインパルス飛
行を想定し、円制限3体問題下における脱出軌道について考察を行い、その特性をまとめた。さらに、インパ
ルス飛行の結果を基に低推力脱出軌道の検討を行った。
A−8
「Practical Analytic Solution of Relative Motion between Formation Flying Satellites with
Different Ballistic Coefficients in Near-Circular Reference Orbit」
*T. Yamamoto (JAXA)
Formation flying of multiple satellites is an evolving technology with many possible applications, such as
long baseline interferometry, synthetic aperture radar, simultaneous measurement of magnetic field at
different points, and so on. To achieve these formation flying missions, precise control of relative motion
between multiple satellites is required. And the equation describing the relative motion is needed. So the
study of the orbit dynamics for the formation flying has become active recently. Hill's equation is suitable
for the analysis of the rendezvous problem. Because it needs relatively short-term operation and there are
frequent thrust firings. However, the equation can not be accurate for long-term orbit maintenance such
as formation flying missions. Because it assumes the Earth is spherically symmetric. Actually, several
external forces cause perturbation to the orbit of each satellite which comprises the formation. The
analytic solution for the relative motion of the formation flying satellites which considers the main secular
perturbations and difference of the ballistic coefficients is proposed in this paper. The solution is practical
and useful for the mission analysis and design of formation flying missions in the near-circular orbit.
「異なる弾道係数を持つフォーメーションフライト衛星の円軌道における相対運動解析の一
手」
○山元 透(JAXA)
衛星群のフォーメーションフライトは多様なミッションに適用可能な技術であり、近年注目を浴びている。
円軌道に近い軌道におけるランデブーの問題には Hill 方程式の Clohessy-Wiltshire 解が有効であるが、フォ
ーメーションフライトミッションにおいて長期間相対的な位置を保持し続ける場合には空気抵抗や重力によ
る摂動力の差の寄与が大きく、不十分である。本講演では、2 衛星の弾道係数の差と、重力による摂動力の差
を考慮した、長期間の相対運動解析のための実際的手法を提案する。
A−9
「Control of Relative Position Change in Formation Flying」
*K. Yamada (Nagoya University), S. Yoshikawa, T. Shima (Mitsubishi Electric Co.)
This paper proposes the basic method for constructing a formation flying. It proposes a trajectory design
of minimum-fuel consumption for spacecraft relative position change. Numerical studies of the formation
construction are executed in order to verify the trajectory control.
「宇宙機の相対位置変更の制御について」
○山田克彦(名大・工)
、吉河章二、島岳也(三菱電機)
フォーメーションフライトでは,複数の宇宙機がミッションの目的に応じてフォーメーションの形態を動的
に変更することが必要である.宇宙機がフォーメーションの形態を変更するときの,消費推薬量を準最適化
する軌道変更則について検討し,数値シミュレーションとの比較を行う.
A−10
「Piecewise Linear-Quadratic Control for Clustering Spacecraft」
*H. Umehara (NICT)
The onboard control system by multiple spacecraft requires (A) near-miss avoidance, (B) fuel-cost
minimization, and (C) computation reduction. Formulating the potential-function guidance [1] and the
penalty-function guidance [2] overcame the respective two requirements: (A) and (C), and (A) and (B).
However, all the three requirements are still unsolved. The linear dynamical system with a piecewise
quadratic penalty function is therefore defined for reducing iterative computation load. By referring the
dynamical behavior, we will consider the guidance design into the global optimum state.
「複数近接宇宙機の区分線形2次制御」
○梅原広明(NICT)
筆者は複数の人工衛星が地球周回円軌道の一部を囲む有界領域を航行するための軌道誘導則を検討してきた。
ここで要求されることは、(A) ニアミス回避、(B) 燃費低減、(C) 計算負荷軽減、である。[1]ではポテンシャ
ル関数誘導法を構築した。
人工衛星間が仮想的な斥力相互作用をするかのような連続推力を与えることで、
(A)
および(C) を解決させた。しかし、斥力相互作用のための制御燃料を多く必要とした。[2]ではペナルティ関
数誘導法を導入し、状態変数に共役な変数空間で衛星間に相互作用を働かせるような最適制御則を与えた。
これによって、(A) および (B) を解決させた。しかし、反復計算量が多く必要となった。事前に最適軌道を
設計する場合には問題とはならないが、衛星がオンボードで自ら制御則を決める場合には、計算負荷の軽減
は重要な課題となる。(A) (B) (C) を同時に解決させるためには、ペナルティ関数からポテンシャル関数へと
橋渡しをする研究が必要である。そこで、本稿では、複数機軌道制御を単純化させた線形系に、ニアミス回
避・燃費低減を模した区分線形2次制御を加えた力学系を考えた。局所最適解の存在条件をまとめ、少ない
反復計算で大域最適解に誘導する方策を考察する。
A−11
「Study on Formation Flight Control and Information Propagation Structur」
*T. Saiki (JAXA)
In formation flight missions, the feedback control with the relative information between the members is
effective in order to keep the formation strictly and to avoid the collisions. In such formation maintenance
control, the local control law (control gain, etc.) of each spacecraft and the information propagation
structure of the formation determine the behavior of the formation. In this study, the information
propagation structure of the formation is focused on and how the information propagation structure
influences the behavior of the formation is investigated. And the method for constructing the information
propagation structure is shown.
「編隊飛行における情報伝達構造と群の制御性に関する研究」
○佐伯孝尚(JAXA)
各宇宙機が相対情報を利用した制御を行って群の形状を維持する場合には,各宇宙機のローカルな制御則と
ともに,各宇宙機がどの宇宙機の相対情報をどの程度利用するかという相対情報の取得関係が,群の挙動及
び制御性を決定する.本研究では,この相対情報の取得関係を情報伝達構造と呼び,情報伝達構造が群の制
御性に与える影響を定量的に評価する.また,制御性に優れる群の構築法を提案する.
A−12
「Application of Ballistic Capture Trajectory for Jovian Outpost Establishment」
*Ridanto Eko Poetro, Hiroshi Hirayama, Tetsuo Yasaka(Kyushu University)
Future exploration and exploitation of Jovian system is expected. Establishment of an outpost in Jovian
system will ensure maximum benefit of the exploration with capability for extending the exploration to
outer solar system and beyond. Outpost base around Callisto is tentatively selected to avoid the Jupiter’s
main radiation belt. Since multiple missions required for the outpost establishment, the establishment
trajectories must be optimized. Multiple gravity assists or low thrust propulsion is expected to be
employed for the Jupiter en route trajectory. Braking using galilean satellites prior to Jupiter insertion,
followed by multiple galilean satellites resonance hopping for step by step apojove reduction are assumed
to be taken as Callisto en route trajectory. This approach already save much
V compare to a direct
trajectory scenario, but still leave a quite big V for final orbit insertion. Final approach to Callisto along
a trajectory on the weak stability boundary of Callisto with respect to Jupiter is examined. Numerical
study of Callisto ballistic capture linked to an arriving joviocentric trajectory, with and without other
galilean satellites effect, is performed for construction of an optimum final insertion maneuver.
A−13
「Orbital Characteristics of Venus Explorer PLANET-C」
*N.Ishii, H. Yamakawa (JAXA)
In this paper, orbital properties and characteristics of Earth to Venus transfer orbits are summarized for
the purpose of ensuring launch opportunities of Venus exploring mission, PLANET-C.
From the
viewpoint of backup scenario, identically designed spacecraft was assumed to be launched by the same
configuration of M-V vehicle. Total amount of velocity correction to Venus capture as well as required
weight of propulsion fuel was also evaluated.
「金星探査機 PLANET-C 軌道計画」
○石井信明、山川宏(JAXA)
金星探査機(PLANET-C)の打上げウィンドウの確保およびバックアップウィンドウの確保を目的として、
2010 年打上げおよびそれ以降の金星会合軌道の特徴について述べる。同一設計の探査機を同一仕様の打上げ
ロケットで打ち上げる事を条件に打上げ方式の検討を行い、金星周回軌道投入までに必要とされる速度制御
量および搭載燃料重量の推算を行った。
A−14
「Orbit Design and Simulation for ASTROD I」
*Xia Yan(Purple Mountain Observatory, Chinese Academy of Sciences),
Tang Chien -Jen(Department of Physics, Tsing Hua University),
Ni Wei –Tou(Purple Mountain Observatory, Chinese Academy of Sciences),
Li Guang – Yu(Purple Mountain Observatory, Chinese Academy of Sciences)
As a first step of ASTROD (Astrodynamical Space Test of Relativity using Optical Devices), ASTROD I is
to have one spacecraft launched to a solar orbit to range optically with ground stations to test the
experimental schemes for ASTROD and to meet important scientific goals. These scientific goals include
an improvement in measuring solar-system parameters, a better precision in solar-system dynamics,
improved tests of relativistic gravity and the fundamental laws of spacetime, and a slightly better
sensitivity for detecting gravitational waves as compared to Doppler tracking of spacecraft using radio
waves. This paper presents the orbit design and orbit simulation for ASTROD I. The spacecraft is
designed to enter the solar orbit from a low earth-orbit and to encounter Venus twice to receive
gravity-assistance for achieving shorter periods for making the relativistic Shapiro time delay sooner.
Five-hundred sets of the orbit data were simulated using a simple noise model and fitted with 23
parameters of relativistic parameters, celestial-body masses, solar quadrupole parameter, and spacecraft
initial position and velocity parameters. From these simulations and fittings, the uncertainty of the
relativistic parameters gama and beta are estimated to be about 10 . The uncertainties of the masses
of celestial bodies including the 3 big asteroids can be improved considerably.
A−15
「EFFICIENT ORBIT INTEGRATION BY MANIFOLD CORRECTION METHOD」
*T. Fukushima(National Astronomical Observatory of Japan)
The manifold correction method (Nacozy 1971, Murrison 1989)or the projection method (Hairer et al.
2002) is a meta-method tointegrate a dynamical system with some conserved quantities. Atevery
integration step, it modifies the integrated solution so as to lie on a manifold defined by the quantities,
which is assumed to contain the true solution. We extended the method to be applicable to a more
general case where the quantities are no longer constant (Fukushima
2003a,b,c,2004a,b,c,d,e,f,2005a,b,c,d). To do this, we follow the time development of the quantities and
use a sort of coordinate transformation to maintain the consistency between the integrated variables
and the quantities. Typical methods of correction are certain geometric transformation such as a scaling,
a rotation, or a general linear transformation. The simplest example is the single scaling method for the
gravitational two-body problem under perturbations. The method adopts the Kepler energy, K = T - U,
as the quasi-conserved quantity, which is a constant when unperturbed. We numerically integrate the
equation of motion together with that of K The correction is to apply a single spatial scaling to the
position, x, and the velocity, v, as (x, v) -> (sx, sv ), at every integration step. We determine the scale
factor, s, by solving an associated cubic equation. by Newton method starting from a trivial initial guess,
s_0=1. Thus integrated solution show a linear error growth w.r.t. time. The applicability of the
manifold correction method is independent on the
kind of integrators or on the nature of perturbations.
Also it is applicable to perturbed harmonic oscillators. As an example, we also applied the method to
the two-body problems regularized by the Kustaanheimo-Stiefel (KS) transformation.
「多様体補正による効率的な軌道積分」
○福島登志夫(国立天文台)
多様体補正とはメタ数値積分法の一つである。天体の軌道運動を数値シミュレーションする場合、天体の位
置・速度など軌道運動を記述するのに必要最小限な独立成分の時間発展を追跡するのが通例であるが、多様
体補正法では、二体問題の場合の保存量であるエネルギー積分や角運動量ベクトルなど位置速度の関数の時
間発展も併せて追跡する。数値積分が完璧であれば、これら非独立な諸量と位置・速度の関係式は保存され
るはずであるが、実際は、そうならない。多様体補正法では、この違いが実行した数値積分の誤差を表現し
ていると考え、違いが無くなるように位置・速度をスケール変換や回転等のゲージ変換により積分ステップ
ごとに補正する。補正後の数値解は、真の解を含む(等エネルギー面などの)多様体上に載ると想定するの
で、多様体補正と呼ぶ。2年ほど前に二体問題のエネルギー積分を非独立量として単一スケール変換で補正
する単スケール法により、3次元摂動二体問題の数値積分誤差が劇的に減少することを報告した(Fukushima
2003a)が、その後、ラプラス積分、軌道角運動量ベクトルなど二体問題の保存量を次々と追加し、また、ゲ
ージ変換も双対スケール変換、3次元回転など複雑化することにより、軌道積分の精度向上に努めてきた
(Fukushima 2003b,c,2004a)。しかし、巧妙な変数変換を行うことにより、計算法の性能を低下させることな
く計算量が低減可能であることに気づき、今度は速度の省略や位置ベクトルの平面化など、簡易化を次々に
施すことにより、非常にシンプルかつ高性能な手法である軌道経度法に到達した(Fukushima 2004b,c,d,e)。
さらに、HALCA など離心率が大きい軌道の場合には KS 変換の後に、変換後の摂動調和振動子問題に対し
多様体補正を施すことにより、同様の劇的な精度向上を達成することができた(Fukushima 2004f,2005a,b,c)。
A−16
「Autonomous Localization System of Planetary Lander」
*S. Higo (The University of Tokyo)
Recently, the investigation of asteroids is attracted because it will clarify the origin and the formative
process of our solar system. To get the knowledge of internal aspects of asteroids, in-site observation by
landers and rovers is most promising. Precise localization of rover over asteroid surface is required for its
navigation. Most asteroids are very small that positioning methods on Earth, Moon and Mars are not
appropriate. In this paper, a new positioning method is proposed using Range measurement between the
rover and the orbiter. Formalization and simulation analysis are also conducted which shows the
efficiency of the proposed model.
「小惑星探査機の位置同定の自律化」
○肥後さやか(東大・工・院)
我々の太陽系の起源の謎を解き明かすとされる小惑星は、今探査が始まったばかりである。小惑星探査機の
位置同定は、直径数百メートルという小ささゆえ、地上や月面や火星上の位置同定手法を利用するのが難し
い。今発表では、小惑星上の探査機について、現実的な搭載機器の制約(重さ、制度)を考慮して、適当と
思われる位置同定手法を提案する。周回衛星は電波を送受信するのみ、探査機は反射するだけで、探査機位
置が経度成分は1メートル以内に、緯度成分は2メートル以内に同定できるという試算を示す。
A−17
「HAYABUSA Orbit Determination Analysis just before the Rendezvous with Itokawa」
*T. Ohnishi (Fujitsu Co Ltd) M. Yoshikawa, T. Kato, T. Ichikawa (JAXA)
Hayabusa will have an operation gap for two weeks before arrival to Itokawa because of conjunction.
Orbit determination will be performed using radiometric data on coasting period both before and after the
conjunction, but observed data noise will increase around the conjunction because of influence by solar
plasma, so we have to take it into account on our orbit determination analysis. We evaluate the amount of
Doppler noise for Nozomi conjunction, and adopt it to Hayabusa by considering difference of bands the
spacecrafts use.
「小惑星到着直前の「はやぶさ」軌道決定精度解析」
○大西 隆史(富士通)吉川 真、加藤 隆二、市川 勉(JAXA)
「はやぶさ」の軌道では小惑星到着の直前に合運用期間が存在する。合前後では太陽プラズマの影響によっ
てドップラーのノイズレベルが増大する。著者らは「のぞみ」における合運用の経験から、
「はやぶさ」合運
用でのドップラーノイズの予測値を求め、軌道決定解析を行なった。また、合運用明けには光学観測データ
を併用した軌道決定も予定されている。これに関する検討状況についても報告する。
A−18
「Status Report on VLBI application for Space Navigation for HAYABUSA」
*M. Sekido, R. Ichikawa, T. Kondo, H. Takeuchi, Y. Koyama, E. Kawai (National Institute
of Information and Communications Technology) M. Yoshikawa, N. Mochizuki, T. Kato T.
Ichikawa Y. Murata, H. Hirabayashi (JAXA), T. Ohnish (Fujitsu Co Ltd), Y. Tamura, Q.
LIU, F. Kikuchi (NAOJ) K. Fujisawa (Yamaguchi University), H. Takaba (Gifu University),
K. Takashima (Geographical Survey Institute)
Joint use of very long baseline interferometry, which has high angular resolution, with conventional rand
and range rate observation is expected to enhance the accuracy of orbit determination of spacecraft in the
deep space. For the purpose to support the orbit determination of spacecraft HAYABUSA, Japanese
research institutes working with VLBI: ISAS/JAXA, NICT, NAOJ, GSI, and universities: Yamaguchi and
Gufu, are collaborating on VLBI application for orbit determination. Measurement precision of group
delay observable depends on signal bandwidth and signal to noise ratio. We have performed several VLBI
observations to examined preferable signal types (telemetry and range signal) and cases of using different
types of antenna on the spacecraft (HGA and MGA), so far. At the end of May 2005, switching VLBI
observations for HAYABUSA and nearby quasor were performed by participation of domestic VLBI
stations: Usuda 64m(ISAS), Kashima 34m(NICT), Tsukuba 32m(GSI), Mizusawa 20m(NAOJ),
Chichijima 10m (GSI), Aira 10m(GSI), and Shintotsukawa 3.8m (GSI). The observations were almost
successful and observed data are now under the correlation processing. HAYABUSA is going into the final
stage to approach to the asteroid “ITOKAWA” in this summer. We are planning to organize some VLBI
sessions in this season and wish to demonstrate the effectiveness of the VLBI observation on spacecraft
navigation. Current status of our research will be reported in this presentation
「高精度軌道決定に向けた HAYABUSA の VLBI 観測―状況報告―」
○関戸衛、市川隆一、近藤哲朗、竹内央、小山泰弘、川合栄治(情報通信研究機構)
、吉川真、
望月奈々子、加藤隆二、市川勉、村田泰宏、平林久(JAXA)
、大西隆史(富士通)
、田村良明、
劉慶会、菊池冬彦(国立天文台)
、藤沢健太(山口大学)
、高羽浩(岐阜大学)
、高島和宏(国
土地理院)
高い分解能の角度計測機能を持つ超長基線電波干渉計(VLBI)技術を、従来使われているレンジ&レンジレ
ート観測と併用することにより深宇宙探査機の軌道決定精度を飛躍的に向上させることが見込まれている。
我々は小惑星探査機 HAYABUSA の軌道決定を支援すべく、VLBI 関連研究機関である ISAS/JAXA,NICT、
国立天文台、国土地理院と VLBI 観測施設を持つ大学(岐阜大、山口大)が協力して VLBI を飛翔体の軌道
決定に応用する研究を行っている。VLBI の観測量である群遅延量は信号の帯域幅と信号対雑音比(SNR)
に依存するが、これまでの試験観測により、テレメトリ信号より帯域幅の広いレンジ信号、MGA よりも HGA
でより高い遅延計測精度が得られることを確認した。 2005 年 5 月には、近傍のクエーサとの本格的相対
VLBI 観測を、臼田64m(ISAS)
、鹿島34m(NICT)
、水沢20m(天文台)
、つくば 32m、父島10m、
姶良10m、新十津川3.8m(国土地理院)のアンテナ群で実施した。それぞれの基線でクエーサ、
HAYABUSA ともにほぼ良好な相関が得られており、現在、本土の観測局データの相関処理を進めながら遠
隔地のデータの輸送を待っているところである。今後、HAYABUSA「イトカワ」接近に向けて、6 月末及び
7 月末のレンジ計測にあわせた VLBI 観測を計画しており、VLBI 観測の軌道決定への有効性を示していきた
い。本講演では、観測及び解析の進捗状況について報告する。
A−19
「Perturbation Analysis of Sun-Synchronous Orbit between Planets」
*S. Nishimaki, K. Kuroshima (The University of Tokyo), T. Saiki, J. Kawaguchi (JAXA)
The Cart Wheel orbit is a kind of sun-synchronous orbit around the Earth for astronomy satellites.
Considering the disturbance of the Earth gravity, the period of the in-plane motion and out-of plane
motion vary and trajectory becomes Lissajous. In this study, a transition of the orbit is analytically shown.
「惑星間太陽同期軌道の摂動解析」
○西牧修平、黒嶋慶子(東大・工・院)
、佐伯 孝尚、川口淳一郎(JAXA)
2 つの宇宙機を Cart-Wheel 軌道と呼ばれるものに投入すると,回転座標系(Hill の座標系)からみた 2 機の宇
宙機の相対軌道は,周期が軌道運動の周期と等しい円軌道となる.また,相対運動の軌道面は回転系におい
て変化しない.このような軌道を,太陽中心系の惑星間に拡大し利用することで,探査機を地球を周回する
擬似太陽同期軌道に投入することが可能となる.地球重力がない場合には,このような惑星間太陽同期軌道
は保持されるが,実際は,宇宙機の軌道は地球の重力の影響をうけ変化する.本研究は,地球による摂動力
に注目し,宇宙機の軌道の変化の様子を解析的に見積もることを目的とする.
A−20
「Eccentricity of an Asteroid’s Orbit for the Minimum Fuel Exploration」
*S. Ueno, T. Kobayashi, S. Koga (Yokohama Nat. University)
Exploration to asteroid in the solar system has been focused by space scientists because asteroids have
different features from large planets. The target asteroid is usually not specified. Calculation of trajectory
to asteroid is also interest problem for space engineers because it is necessary to select target asteroid and
to design trajectory simultaneously. The purpose of this paper is to provide the technical information for
the selection of a target from many asteroids.To simplify the problem, the following assumptions are used
in this paper. The target asteroid’s orbit is elliptic in the earth’s orbital plane. The explorer is under
influence of only the gravitational acceleration of the sun. Impulse approximation adopts the calculation
in this paper. The minimum fuel trajectories are selected to minimize the summation of ∆Vs at the
departure from the earth and at the arrival to the asteroid.Orbital energy is given as a function of
semi-major axis, thus the relation between eccentricity and ∆V are shown numerically. The results show
that ‘critical eccentricity’ is a significant parameter. Critical eccentricity, eCR, is defined as an eccentricity
when the elliptic orbit tangents the circular orbit. When the eccentricity is less than the critical
eccentricity, two orbits do not across each other. The other hand, the eccentricity is larger than eCR, there
are two cross points on each orbits.The total ∆V also depends on the relative position of the earth and the
target asteroid at the departure time of explorer. The minimum ∆V at the best departure time can be
calculated for given eccentricity. While the eccentricity is less than eCR, the value of minimum ∆V does not
depend on eccentricity largely. The other hand, in the region of eccentricity is larger than eCR, the value of
minimum ∆V is increasing as the eccentricity is increasing. Thus it can be said that the better candidates
for searching are asteroids whose eccentricities are less than eCR. However, the value of minimum ∆V
changes depending on the departure time in the case of small eccentricity. It means that large additional
∆V is necessary when the departure time is delayed by some reason. Finally, it is concluded that the best
candidate is an asteroid whose eccentricity is eCR.
「最小燃料探査軌道を与える小惑星軌道の離心率特性」
○上野誠也、小林孝也、古賀心太郎(横浜国大院)
小惑星探査は科学ミッションとして近年注目されている。数多く存在している小惑星の中から目標とする小
惑星を選択するには、軌道設計結果を参考に最小燃料軌道で到達できる小惑星を選択することが多い。本発
表は、最小燃料の基準で選択される小惑星の軌道要素の特徴を示すものである。小惑星軌道は地球軌道と同
一平面内に存在し、インパルス近似を用いた最小 V 問題を扱う。目標小惑星軌道の軌道長半径が同一であれ
ば、最終のエネルギは同一である。しかし、離心率や初期条件により必要な V 量が異なるので、本発表では
離心率に注目して傾向を調べた。その結果、出発する地球軌道と接する小惑星軌道を与える離心率を境に、
最小 V 量や初期条件の依存性が異なる傾向が示されたので報告する。
A−21
「Trajectory Analysis of Post-Hayabusa Asteroid Explorer Mission」
*Y. Kawakatsu, H. Yamakawa, M. Abe (JAXA)
Reported in this paper is the status of the trajectory analysis of the asteroid explorer mission now under
study in JAXA/ISAS. In the previous symposium, we have reported the results of the preliminary
analysis to select the candidates of the target asteroids and the exploration sequence. The global search of
the targets and sequences in the space of the combinations of the ballistic trajectories and planetary
swing-bys successfully made clear the mission candidates suited our objective. Following the preliminary
analysis, the more detailed trajectory analysis is performed assuming the usage of electric propulsion,
and the results of which are reported in this paper.
「次期小惑星探査ミッションの軌道計画の検討状況」
○川勝康弘、山川宏、安部正真(JAXA)
本発表では、次期小惑星探査ミッションの検討の中で進めている軌道計画の検討状況を報告する。昨年度の
シンポジウムでは、対象天体と探査シーケンスを絞り込むための予備検討として、弾道飛行とスウィングバ
イを組み合わせた探査シーケンスの検討結果を報告した。今回は、その結果を元に選定したミッション候補
に対し、電気推進を主推進として地球スウィングバイを組み合わせた E-∆VEGA の使用を想定した軌道計画
を検討したので、その結果を報告する。
A−22
「Mission Analysis of Asteroid Flyby Exploration by Miniature Asteroid Interceptors」
*Y. Kawakatsu, O.Mori (JAXA)
Reported in this paper is the result of the mission analysis of asteroid flyby missions using miniature
asteroid interceptors. Two types of mission concept are considered. The first is a mission concept with an
interceptor boosted from GTO (geostationary transfer orbit) by small solid rocket motor (assuming the
piggy back launch of geostationary satellite). The second is a mission concept with four interceptors
loaded on a mother carrier spacecraft, launched together and released on orbit to target four different
asteroids. The results of the trajectory analysis and operation sequence investigation are reported in the
paper.
「小型探査機インタセプタによる小惑星フライバイ探査のミッション解析」
○川勝康弘、森治(JAXA)
本発表では、
「インタセプタ」という呼称で現在構想中の 10kg 級の超小型探査機を用いた、小惑星フライバ
イミッションのミッション解析結果を報告する。今回は(1)静止衛星打上時に小型固体モータを装着した
インタセプタを相乗りさせるミッション、
(2)小型打上機体により複数のインタセプタを同時に打ち上げる
ミッション、の2つのミッション形態を想定し、軌道計画、運用シナリオ等を検討した結果を報告する。
【 B 会場 】 Conference Room B
B−1
「Tether Controlled Deployment Characteristics of Rotationally Skew Fold Membrane for
Spinning Solar Sail」
*H. Furuya, Y. Inoue (Tokyo Institute of Technology)
The dynamic properties of the rotationally skew fold membrane are experimentally examined for
spinning deployment. Also, the deployment control mechanism with tether is proposed to avoid the
quick deployment. Finally, the deployment characteristics of uncontrolled and controlled deployment of
the rotationally skew fold membrane are discussed.
「二重波折りパターンをなす二次元展開ソーラーセイル膜面のスピン展開制御実験」
○古谷寛(東工大・総理工)、井上陽介(東工大・院)
スピン展開型ソーラーセイル膜面の折り畳みとして,著者らは二次元同期展開を行う回転二重波折りパター
ンを提案してきた.本発表では,展開実験によって展開動特性を明らかにするとともに,テザーで制御され
た展開を行うための展開機構の提案,ならびに展開制御実験について述べる.
B−2
「Static Deployment Experiment of Large Membrane for Solar Sail Spacecraft」
*O. Mori (JAXA), T. Nakano, K. Tarao (The University of Tokyo), T. Saiki, Y. Tsuda, J.
Kawaguchi (JAXA)
This paper shows the deployment of large membrane for solar sail spacecraft. The static deployment is
proposed with due consideration of the dynamic deployment of relatively small membrane using spinning
table and S-310 sounding rocket. In May 2005, we performed the experiment using a balloon to deploy
the membrane of 20m diameter statically. The detail results of the experiment are reported in this paper.
We also propose the experiment on the ice rink in order to demonstrate the deployment of larger
membrane.
「ソーラーセイルの準静的大型膜面展開実験」
○森治(JAXA)
、中納知樹、多羅尾康太(東大・院)
、佐伯孝尚、津田雄一、川口淳一郎(JAXA)
本研究では,ソーラーセイルの大型膜面の展開実証を行う.昨年までに行ったスピンテーブル・S310 ロケッ
トを用いた比較的小型な膜面の動的展開実験の結果を踏まえ,準静的な大型膜面の展開方法を提案する.そ
して,今年 5 月に行った大気球を用いた直径 20m 膜面の展開実験の詳細を報告する.また,より大型な膜面
を地上で実証するために,スケートリンクを用いた展開実験を提案し,その実現性について検討する.
B−3
「Dynamics Analysis of Solar Sail Membrane Using Improved Multi-Particle」
*Y. Tsuda, O. Mori (JAXA)
The improved multi-particle model, a fast yet rationally accurate computational method for solving the
dynamis of a thin flexible structure, is applied to the solar sail spacecraft planned in ISAS/JAXA. Some
numerical results and the comparison with the rocket and spin table experiments are shown in the
presentation.
「改良多粒子系モデルによるソーラーセイル膜の挙動解析」
○津田雄一、森治(JAXA)
著者らが提案している改良多粒子系モデルは,従来の薄膜のダイナミクスの高速計算法である多粒子系モデ
ルを拡張し,任意形状の膜を取り扱えるようにしたものであり,これにより膜のさまざまな力学的特性を,
簡易な計算で合理的に導き出すことができる.本稿は,本計算手法をソーラーセイル探査機への搭載を想定
したセイルに適用し,その各種計算結果を紹介するとともに,スピンテーブルや S310 観測ロケットを用いた
実験の結果と比較考察するものである.
B−4
「Solar Sail Navigation with the Generalized Sail Model」
*Leonel Rios-Reyes、Daniel J. Scheeres(The University of Michigan)
Solar sail navigation requires an accurate model of the sail propulsion unit. The propulsion model
must include parameters accounting for deviations from an ideal sail, such as curvature and wrinkles,
and parameters that can be redefined based on in-flight data. In this paper a generalized sail model is
presented for describing the force and moment acting on a solar sail of arbitrary constant shape and
optical parameters. The force is described using at most 19 independent coefficients while the moment
requires a maximum of 36 coefficients. These coefficients are independent of the sail attitude and are
only a function of the sail geometry. Thus, the generalized sail model is an analytic formalism for the
force and moment acting on a solar sail. Next, applications of the generalized sail model are presented.
Computations of the force and moment coefficients are presented for a number of different sail geometries.
Forces and moments are computed for this geometries and compared with and ideal sail. Partial
derivatives of the generalized sail model with respect to each of the force and moment parameters are
derived. Additionally, classical results for a guidance law to optimally orienting the sail to produce a
maximum increase in orbital energy and maximum propulsive force are presented based on the
generalized sail model and compared with the results obtained for and ideal sail. Finally, an estimation
technique is developed for the generalized sail model force coefficients based on in-flight data or ground
test data. Both a simplified method, for sail shapes with symmetries, and a general method, for arbitrary
sail geometries, is developed. The accuracy of the estimation is dependent on the sail attitude at which
the measurements are taken. Several sail orientations are studied to find those attitudes that allow
better estimation of the force coefficients.
B−5
「A Study on Rotation Representations」
*R. Hasegawa (Hasegawa Engineering Office)
Rotation can be expressed by various models, which are called as rotation representations. There have
been many investigations concerning the method for their calculation. Direction cosine matrix is
considered the standard model for rotation. So, each rotation representation can be connected with
direction cosine matrix. This presentation shows general method deriving equations for rotation
representations using direction cosine matrix.
「回転表現に関する一考察」
○長谷川律雄(長谷川技術士事務所)
回転は剛体の運動を表す物理量で、並進運動における位置に対応する。回転を表すために種々の数学モデル
が用いられている。これらのモデルを回転表現とよぶ。回転運動の計算には、回転表現毎に異なった計算式
が必要であり、多くの研究がされてきた。しかし、それらの研究は個別の回転表現に関するものであり、一
般的な方法に関するものはほとんどなかった。ここでは、回転表現の標準的な数学モデルである回転群(方
向余弦行列)を用いて、回転の性質を表す 3 個の式を示し、その式から任意の回転表現に関する式を導く一
般的な方法について述べる。
B−6
「Stability of Spinning Solar Sail-craft containing A Huge Membran」
*T. Nakanoh (The University of Tokyo), O. Mori, K. Junichiro (JAXA)
One of the technological difficulties to realize the spinning solar sail is how to design it to maintain the
stability while those huge membranes unfurl being deformed and oscillating. In this paper, an analysis is
presented about the dynamics so that the characteristic parameters are identified as for the stability of
those spinning solar sails. Some numerical simulations on multi-particle model of membranes are
conducted in order to validate the result from the analytical investigation.
「スピン型ソーラーセイルの姿勢安定解析」
○中納知樹(東大・工・院)
、森治(JAXA)
現在、JAXA 宇宙科学研究本部では惑星間飛行に向けてスピン型ソーラーセイルの開発が行われている。膜
面はマストやチューブ等の部材を用いず、遠心力によってのみ形状を維持する。このような巨大膜面は微小
振動を起こし、システムを不安定化する可能性を持つ。本研究の目的は、探査機本体のスピン安定性を損な
うことのない膜面設計を容易に行うことである。設計のためには、安定性を判別するための指標の獲得が望
まれる。一般にスピン剛体の安定性は慣性モーメント比の大小によって決定される。柔軟構造物を伴った剛
体においても、振動がどのように安定性に寄与するかを知り、安定性を支配するパラメータを獲得したい。
これを踏まえて,本論文では,まず膜面を連続体として捉え、本体姿勢が安定となる指標を解析的に求める。
次に膜面を質点とバネ・ダンパからなる多粒子モデルとみなし、数値シミュレーションによって姿勢安定性
を確認する。計算結果と解析から求められた指標とを比較することで、妥当性を検証する。
B−7
「Application of Bionics to Imaging Sensor-Ⅲ」
*H. Koshiishi, M. Naka (AIDS), H. Kurosaki (JAXA), Y. Iwata (Fujitsu FIP), A. Uchiyama
(Waseda University)
This is the 3rd presentation of “Application of Bionics to Imaging Sensor”. The special resolution of
imaging sensor for space exploration and earth observation deteriorates by the observing motion of space
ship or satellite. The object of this study is an improvement of the deteriorated special resolution by
lateral connection mechanism based on living thing’s compound eyes.
「バイオニクスの画像センサーへの応用−Ⅲ」
○輿石肇(AIDS)、中正夫(AIDS)、黒崎裕久(JAXA)、岩田芳隆(富士通 FIP)、内山
明彦(早大・理工)
この研究は生物の複眼の動きをヒントにした、画像センサの素子間の側結合による空間分解能特性の変化・
改善に関するもので、既に“バイオニクスの画像センサーへの応用−Ⅰ及びⅡ”でその原理と数値例を示し
た。しかし、宇宙探査機や地球観測衛星搭載の画像センサーでは観測飛行による空間分解能の劣化が生じる。
今回はその飛行運動による性能の劣化と、それを画像素子間の側結合によってどの様に改善し得るかについ
て述べる。
B−8
「Report of the Spin Axis Control Experiment」
*T. Saiki (JAXA)
For the attitude control of the spinning small satellite such as the sub-payload, the rhum line control and
active nutation control are effective, because the logic and devices are simple. In this report, the results of
the spin axis control experiments with the motion table simulator are shown.
「スピン衛星におけるスピン軸方向変更制御の実験報告」
○佐伯孝尚(JAXA)
M-V7 号機のサブペイロードを想定した,小型衛星用のスピン軸変更制御実験の結果報告を行う.制御系はス
ラスタと簡単なセンサから構成され非常に単純なため,小型衛星には有効である.本報告では,スピン軸変
更の為のラムライン制御とアクティブニューテーション制御のモーションテーブル実験の結果を示す.
B−9
「Design and Functional Model of CMG System for Agile Attitude Maneuver of 20kg-Class
Microsatellite」
*K. Omagari, T. Usuda, S. Matunaga (Tokyo Institute of Technology)
For the agile maneuver missions of micro-satellites, Control Moment Gyros (CMGs) will meet the
necessary requirements because a small gimbal torque input produces a large torque output. However,
CMG has some difficulties in designing and control algorithm. Here, a simplified method to calculate
appropriate output torque for 20kg class astronomy satellite is introduced and experimentally evaluated
using a test model of pyramid cluster of 4CMGs and a 3-DOF attitude dynamics simulator.
「20kg 級超小型衛星の迅速姿勢制御用 CMG システムの設計と試作」
○尾曲邦之、臼田武史(東工大・院)
、松永三郎(東工大)
小型衛星が持つ迅速姿勢制御の可能性をさらに強化するための姿勢制御装置として,コントロールモーメン
トジャイロ(CMG)を採用し,小型化に関する定量的な検討,および駆動則の設計を行った.20kg 級超小
型衛星による突発的な天文現象観測ミッションへの応用を目指し,ピラミッド型 CMG クラスタの試験モデ
ルを開発し,三次元姿勢動力学シミュレータを用いて地上実験を行った.
B−10
「Experimental and numerical study of Fluid Wheel」
*M. Tochimoto (Keio University), A. Iwakura (Tokai University)
In this paper, a new equipment which can be used to control artificial satellites' attitude is investigated.
Fluid Wheel is what drives liquid using Lorentz force and generates angular momentum. It doesn't need
mechanical drive members, so problems mentioned above don't occur to it. Present artificial satellites
have at least four reaction wheels, but if it is usable, only one Fluid Wheel is enough because liquid
packed in a spherical container can rotate around arbitrary axes. One dimensional model is treated in our
study. Mercury is packed in a cylindrical container and driven by Lorentz force around the meridional
axis. The aim to study one dimensional model is to know whether it can work as much as reaction wheels.
「流体ホイールの基礎研究」
○栃本昌孝(慶応大・院)
、岩倉淳(東海大・院)
現在人工衛星の姿勢制御はリアクションホイールにより行われているが、長期使用の結果ベアリングが磨耗
することでホイールの使用不能となってしまう。これを解決するのが流体ホイールで、液体金属を電磁力に
より回転させてトルクを生み出し、その反作用を利用して姿勢制御を行う。球殻に液体金属を充填し任意の
軸周りに回転させれば、姿勢制御を1つのホイールで行うことができ、重量の削減にもつながる。本研究で
は、水銀を円筒容器に充填した1次元モデルを取り扱う。このモデルを用いて、限られた電力と液体金属の
質量の下、最大限の性能を発揮させるための方法を数値解析と実験により見出す。
B−11
「Grasping Control of Grasping/Guiding-type Docking Mechanism for Nano-Satellite」
K. Ui (JAXA), S. Matsunaga (Tokyo Institute of Technology)
Our laboratory researches a grasping/guiding type docking mechanism to dock and release a
nano-satellite repeatedly. A grasping function of the docking mechanism has a large grasping space to
permit control errors of a nano-satellite, grasps it into the space to fix relative position and attitude. This
paper discusses feasibility of the grasping function including practical mechanisms and control
algorithms through microgravity experiments.
「超小型衛星用把持引込型ドッキング機構の把持制御」
○宇井恭一(JAXA)
、松永三郎(東工大)
超小型衛星を繰り返し回収・結合・放出する機能を持つ把持引込型ドッキング技術に関連し,試作した機能
実証モデルを対象とした把持制御則を提案して,把持機能実証実験を行った.具体的には,ドッキング機構
が有する把持空間内で制御誤差を有する超小型衛星を確実に把持することを目的として,把持機能を最小限
の構成で実現するための機構・制御システムを構築し,微小重力実験によって衛星に対する制御精度要求を
抽出し,その妥当性を評価した.
B−12
「Ground Evaluation Experiment on Vibration Estimation Algorithm of Flexible Space
Structures using Image Sensors」
*S. Mitani, H. Ueno, K. Inaba, M. Oda (JAXA), Matthew D. Lichter, Steven
Dubowsky(MIT)
Future space missions are expected to use robotic systems to assemble, inspect, and maintain large space
structures automatically in orbit. For effective planning and control, robots must know the deformations
and motions of the structures with which they interact. This paper presents a method for estimating the
shape, motion, and dynamic model parameters of a vibrating space structure using asynchronous
raster-scanning range imagers. We mounted a flexible panel which emulates the motion of the large
space structure on an air table. Then experiments were conducted using the representative structure and
asynchronous raster-scanning range imagers to evaluate the performance of the estimation algorithm.
「距離画像を用いた柔構造の振動パラメタ同定アルゴリズムの性能評価地上実験」
○巳谷真司、上野浩史、稲場一幸、小田光茂(JAXA)、Matthew D. Lichter、Steven
Dubowsky(MIT)
将来、ロボットが自律的に軌道上での大型柔軟宇宙構造物の組立や不具合検知、修理を行うことが期待され
る。その際に計画立案や制御を効率よく行うためにはロボット自身と相互作用する構造物の変形や動きを知
る必要がある。本稿は非同期ラスタスキャン方式のレンジイメージャを用いて振動するモードシェイプ既知
の宇宙構造物の形状や動き、モデルパラメタ等を推定する方法を述べる。本手法は近似的なモードシェイプ
が既知であると仮定し、その情報と振動モデルを利用し、モーダル係数やモーダル周波数、ダンピング係数
等を推定することができる。筆者らは宇宙空間での柔軟構造物の低周波部分の動きを模擬できるシステムを
空気浮上式定盤の上に構築し、本手法の有効性を実験により検証した。
B−13
「On-orbit Assembly of a Large Space Radio Telescope」
*S. Nishida (JAXA), H. Hirabayashi, (Rtsumeikan University), T. Yshikawa (JAXA)
In Earth orbit, astronomical observations are possible free from any absorption or disturbances by the
Earth's atmosphere. Therefore, some large space telescopes and large space radio telescopes are planned
for the future. We discuss the design of a radio telescope reflector which can be assembled in orbit, with its
networks and connecting mechanisms suitable for robot tasks. The characteristics of the new robot arm
mechanisms and their suitability for onboard assembly tasks were confirmed by testing using a two
dimensional ground test arm. The test results are also described in this paper.
「大型宇宙電波望遠鏡の軌道上組立」
○西田信一郎、平林久(JAXA)
、吉川恒夫(立命館大学)
100GHz以上の短い波長の電波天文観測に対応した宇宙電波望遠鏡の軌道上組立の検討を進めている。熱
歪みなどによる軌道上での鏡面誤差にも対処できるようにソリッドな鏡面パネルの連結による軌道上組立を
想定して検討を進めている。軌道上での構造物組立作業においては、組立途中の構造物上をロボットが伝い
歩きにより移動して広い作業領域を確保して組立を行うことが効率的である。そこで、宇宙ロボットによる
組立に適した連結式反射鏡ハードウエア構成と、それに対応した宇宙ロボットによる組立作業の制御方式に
つき検討した結果および部分試作・試験結果につき、報告する。
B−14
Conception of solar sail satellites for the detection of exoplanets
○Adam SAGLAM(University of Liège, LPAP)
To observe a celestial body far away with a good angular resolution, it is necessary to build telescopes with
large diameters. Due to the atmospheric turbulence, increasing the diameter of the primary mirror above
a certain limit does not improve the angular resolution. That's why adaptative optics methods are
developped in order to compensate for the effect of atmospheric turbulence. Another possibility is to put a
giant telescope in space, far from atmospheric turbulence. However, the maximum load that a rocket can
transport as well as available space leads to the conclusion that it is not feasible nowadays. The power of
interferometry reveals itself here: several small mirrors distributed at various locations in space behave
like a huge telescope whose diameter is equal to the largest distance between the two most distant small
mirrors, under the condition that all these mirrors must be cophased. In this article, the use of photonic
propulsion is described for the cophasing and making of a very-long baseline telescope.
B−15
「Modular SPS Concept using A Numerical Simulator for Large Flexible Satellites」
*K. Senda, T. Uwano (Kanazawa University), K. Hisaji, N. Kubota (Kawasaki Heavy
Industries)
This study is concerned with a numerical simulator of dynamics for large space structures, which is
necessary to discuss their system feasibility, guidance and control methods, and styles of architecture.
Using the simulator, this study proposes a modular solar power satellites (SPS).
「柔軟大型衛星の数値シミュレータとモジュール型の太陽発電衛星の提案」
○泉田啓(金沢大)
、上野大記(金沢大・院)
、久司一博、久保田伸幸(川崎重工業)
まず,軌道上の太陽発電衛生のダイナミックスを解くために,数値シミュレータを開発している.シミュレ
ータでは,系の構造柔軟性をバネで接続された多剛体により近似し,ニュートン・オイラー法に基づき定式
を行なっている.また,重力傾斜,太陽輻射,空気抵抗などの効果を考慮して,軌道運動,姿勢運動,構造
柔軟性を同時に解いている.次に,発電部をモジュール化し,テザーにより連結する太陽発電衛星をシステ
ムコンセプトを提案する.本システムは,建築時及び建築後の軌道運用において,重力傾斜安定を保ち,系
が安定であるという特徴を有す.当初,衛星の前後方向に非対称な設計を行ったが,太陽輻射トルクにより
姿勢の安定性が損なわれることが明らかになり,対称な設計に変更した.結果的に,開発したシミュレータ
を用いた設計の必要性が明らかになった.
B−16
「Dynamic analysis of tethered satellite system equipped with a crawler mass」
* M. Ohta, (Tokyo Metropolitan University), K. Nakanishi, H. Fujii, D. Sato (Tokyo
Metropolitan Institute of Technology)
Tethered satellite system equipped with a crawler mass is studied in this paper. The tether system has
such many advantages characteristics as the light weight, very long structure, and autonomous
construction. However, tether systems operate in crucial environment of exposition with the
micrometeoroid and orbital debris (M/OD), atomic oxygen (AO), and radiation in Earth orbit. The tether
system is able to be completed if it is free from any such failure as severance. The crawler system is
expected to play an important role in the course of the maintenance of the tether system. The crawler
system is also applicable to perform tethered satellite formation, and attitude orientation by momentum
exchange. In the past research, tether flexibility was not considered in the analysis of the crawler
system, and the movement of crawler system is not simulated completely. The purposes of the present
study are to construct a simulator to treat flexible tether system with a crawler mass, and to analyze
dynamics of the tether system with the crawler mass, and thus to analyze the system more precisely.
The equations of motion are formulated for the tether system equipped with the crawler mass by using
the Kane’s method and the method to include the constraints. It is difficult to match the crawler mass
motion with the tether satellite system in the course of dealing with dynamics equation. Therefore two
cases are treated by dividing the cases, 1) when the crawler mass move on a constituent part of tether,
and 2) when the crawler mass moves on a section of tether, and the dynamics equations are derived
with taking these two cases into consideration. The dynamics equations are analyzed numerically, and
a simulator of tether satellite system with the crawler mass is obtained as the result. Comparison of the
resulting system with the conventional model, motion becomes sensitive to some conditions. As the
results, it is shown that it is able to estimate motion correctly when the crawler mass reaches to the end
of tether and then motion of the crawler mass is affected by the inertia of mass of tether at the position
close to the center of mass of tether.
「クローラマスを利用したテザー衛星システムの運動解析」
○太田匡則(首都大・院)、中西勝哉、佐藤大輔(科技大・院)、藤井裕矩(科技大)
本研究ではテザーシステムにクローラーを適用したモデルについて考察する。テザーシステム利用による利
点としては自立的構造であることによる軽量化、低コスト化等、多くの利点が挙げられる。しかし、テザー
は宇宙空間で苛酷な環境にさらされ、軌道上のデブリによる切断の危険性がある。そこで、テザー上を動く
クローラーを用いることによりテザーの点検・保守を行うミッションが提案されている。また、その他のクロ
ーラーの利用例としてクローラー技術を利用したフォーメーションフライト、姿勢変更等も考えられる。ク
ローラーに関する従来の研究ではテザーシステムの柔軟性が考慮されておらず、運動を完全に模擬している
とは言い難い。そこで、本研究では柔軟なテザーモデルを構築し、その上をクローラーが移動するシミュレ
ータの構築とそのシミュレータによる運動解析を主な目的とし、従来のクローラーシステムとの比較により
本シミュレータの優位性を示す。運動方程式導出においては Kane の方法を用いてクローラーを含むテザー
システムとして定式化する。運動方程式の導出にあたり、テザー衛星システムの挙動にあわせて導出するの
は困難である。そこでクローラーがテザーの部分要素を移動する場合と、テザーの節を移動する場合に分け
て、この二つの場合を考慮して運動方程式を導出した。この運動方程式を用いて数値解析を行い、その成果
としてクローラーマスを含むテザー衛星のシミュレータを得た。これと従来のモデルを比較した結果、両者
の運動に差異があることが見受けられた。また、条件によってはこのような結果にはならない場合もあるこ
とがわかった。以上のことから、次の二つのことがわかった。一つ目は、クローラマスが両端に近いとき運
動のより正確な推定が可能となったこと。二つ目は、重心付近でのクローラマスの運動特性はテザーの質量
が影響することである。
B−17
「On-ground experiment of foldaway tape-tether deployment」
*T. Watanabe, H. Fujii (Tokyo Metropolitan Institute of Technology), T. Kusagawa, T.
Kikuchi (Tokyo Metropolitan University)
A sounding rocket experiment is proposed as a space science experiment for observation of e-layer density
by using a tape tether system. The bare electrodynamic tape tether is employed as the observation
mechanism in the project. In the mission, the tape tether system is required to finish deployment for
enough length in a limited short time in the initial ballistic flight phase. The bare electrodynamic tape
tether is stored in the box with the foldaway storage method, which is a new concept of tether deployment
schemes. Although there still remains some further testing of the tape material, this foldaway method is
expected to be free from serious trouble in the rapid development. Moreover, the bare tape tether is
expected to have high durability for the debris, and has good performance of electro conductive
characteristic. Several on ground fundamental experiments have been preparing to prove the new
technology. The present paper introduces some experiments and demonstrations concerning to the
deployment system, of the tape tether in the Tokyo Metropolitan University (TMU)/ Tokyo Metropolitan
Institute of Technology (TMIT). A Small Spacecraft Simulator (SSS) is developed to simulate the
dynamics of space craft. The SSS decreases friction in floating by gas on the flat bed (2m*3m) which is the
facility of TMU / TMIT. The SSS achieves a great decrease in size by adopting the liquid gas and the air
bearing compared with the previous model. To prove the tape tether technology, the SSS system is
employed to study experimentally on the separation of the system and deployment of the bare tape tether
of the foldaway type. The length of deployed bare tether is measured optically, and the bare tape tether is
tuned to stop safely at the objective length. A tower type test facility has been developed in order to
install the bare tape tether vertically and to simulate the dynamics on the orbit by the employment of the
two rollers. The bare tape tether is deployed from lower position to vertically higher position by driving of
the two rollers device. This tower type test facility is designed to fit to the tape tether deployment system
of real size. In the present paper, the basic performance of the facility will be presented. In addition,
30[m] class tape tether deployment demonstration is tested by a small model rocket experiment. The
small model rocket is a twin stage water rocket system, and equipped with the downsized deployment
system with the model tape tether made of paper.
「折りたたみテープテザー展開装置の地上実験」
○渡部武夫(科技大・院)、藤井裕矩(科技大)、草谷大郎(首都大)、菊池龍明(科技大)
現在、欧州および米国との国際共同プロジェクトとして、観測用小型弾道ロケットとエレクトロダイナミッ
クテザーを組み合わせたシステムをもちいた理学実験の準備が進められている。この実験計画では、テープ
状のベアテザーが用いられる予定であり、弾道飛行の序盤に迅速かつ安全にテープテザーを展開する必要が
ある。本発表では、テープテザーの展開機構に関して、タワー型の展開実験装置を用いた展開実験やガス浮
上により二次元の無重量状態を模擬する小型宇宙機シミュレータを用いた展開実験などの概要等を紹介する。
B−18
「Dynamics and Control of Very Long Space Tether System」
*A. Watanabe, H. Fujii (Tokyo Metropolitan Institute of Technology), T. Ishikawa (JAXA)
Space tether system is a system that deploys a thin and long tether from space vehicle on orbit, and
utilizes the centrifugal force and gravity inclination in order to produce tension force so that the tether
system could be constructed. A two satellites system connected by long tether can utilize the force field un
order to obtain kinetic energy for attitude control and/or propulsion. A system that deploys very long
tether from a vehicle on geosynchronous orbit to the earth could become the so-called space elevator
suggested by Clark et al.. The tension increases by the self-weight as the length of tether increases, and it
becomes finally a serious restriction for both design and construction for such a long tether system. In
this paper, the concept of the breaking length is applied as a parameter to evaluate structural strength of
very long tether. The breaking length is defined as a division of the material strength by the material
density and is the material property which indicates the maximum length of the tether extended under
1G gravity with uniform cross section. Some existing materials are evaluated and selected, and are
applied to estimate the maximum achievable length of tether. Tether with taper cross section is studied
in order to design the tether system longer than the breaking length. Tension caused by the self-weight of
tether has the maximum stress value at the position on the orbit. Taper cross section of tether makes it
possible to ease these stress inclination hazards and to increase tether length longer than the breaking
length. The optimum taper sections are proposed by both numeric and mathematical analysis. Finally,
the dynamics of the tether with tapered cross section is studied on its lateral vibration motion. The wave
absorption control is applied to the dynamics of the tether and excellent attenuation of wave transmission
on tether is demonstrated by numerical analysis.
「非常に長い宇宙テザーの力学と制御」
○渡辺愛(科技大・院)
、藤井裕矩(科技大)
、石川隆司(JAXA)
本研究は、非常に長い宇宙テザーシステムの動特性と制御について検討したものである。宇宙テザーでは、
一般に重力及び遠心力によって張力が発生しており、テザー長が増大するにつれて強度設計上の重大な制約
となる。本研究ではテザーの強度を表すパラメータとして破壊長の概念を用い、テーパ断面を最適化してよ
り長いテザーを設計する方策を提案する。さらに、断面設計結果を適用したテザーシステムの動特性及び制
御について数値シミュレーションにより検証した結果を示す。
B−19
「Precise Numerical Simulations of Electrodynamic Tethers for Debris Removal」
*S. Kawamoto, S. Ohkawa, S. Nishida (JAXA)
For some aspects of mission analysis such as available electric currents, orbital changes and tether
stability, numerical simulations are performed taking into account tether flexibility, temperature and
changes in geomagnetic field and plasma, and so on.
「デブリ除去に用いる導電性テザーの詳細数値シミュレーション」
○河本聡美、大川恭志、西田信一郎(JAXA)
デブリ除去に必要とされる高効率推進系として、導電性テザーの適用について検討している。本稿ではテザ
ーのダイナミクスや軌道変換能力の評価のための詳細数値シミュレーションについて報告する。テザーは試
作・試験結果を反映させて多数質点モデルでモデル化し、プラズマ密度や地磁場、テザー温度の変動等も考
慮する。
B−20
「Libration Control of an Electrodynamic Tethered System through Electric Current
Switching」
*N. Takeichi (JAXA)
An electrodynamic tethered system (EDT) is a highly efficient orbital transfer system, which employs the
Lorenz force generated between the current of tether and the geomagnetic field. Despite of its advantage,
the libration of an EDT is inherently orbitally unstable during its descent phase. The dynamic
characteristics of an EDT depend on the state of the electric current of the tether. Therefore, it is possible
to control the libration by turning on/off the electric current of the tether. In this paper, a current
switching law for the libration control will be presented, and numerical simulations show that the
amplitude of libration is successfully limited within a certain bound.
「電流の切り替えによるエレクトロダイナミックテザーシステムの姿勢制御」
○武市昇(JAXA)
エレクトロダイナミックテザーシステムとは、導電性のテザーに電流を流し地球 磁場との間にローレンツ力
を発生させることにより軌道変換を行うシステムである。燃料を消費しない非常に高効率な軌道変換システ
ムであるのでデブリ除去の用途などへの適用が期待されているが、軌道降下時にはその姿勢運動が不安定と
なることが避けられないことが知られている。本研究では、通電と非通電との切り替えによりエレクトロダ
イナミックテザーシステムの動的挙動の性質を変化させることが出来ることを利用し、単純な切り替え則に
より姿勢運動をある一定の範囲内に収めることが出来ることを示す。
B−21
「Ground Experiment on Formation Deployment of Spinning Tethered Formation Flying」
*K. Nakaya (JAXA), M. Iai, S. Matsunaga (Tokyo Institute of Technology)
The spinning tethered formation flying that is treated in this study consists of three spacecraft connected
by tension-controlled tethers each other, and rotates around the center of mass of the system. This type of
formation flying has been growing because it is able to reduce fuel consumption as well as precisely
control relative position and attitude. We conducted ground experiments on formation deployment of the
system using two-dimensional micro-gravity simulators. In this presentation, the results of the
experiments are discussed.
「テザー制御型スピンフォーメーションフライングの隊列展開に関する地上実験」
○中谷幸司(JAXA)
、居相政史、松永三郎(東工大・理工)
本発表で扱うテザー制御型スピンフォーメーションフライングは,3 機の宇宙機が張力制御可能なテザーで環
状に結合され,系の質量中心周りにスピンしているシステムである.このタイプのフォーメーションフライ
ングは高精度の隊列維持を少ない燃料で実現できるため注目されている.このシステムの基礎的研究として
隊列の半径を拡大する隊列展開に着目し地上実験を行った.本発表ではこの地上実験結果を報告する.
B−22
「The motion analysis of unbalanced YoYo using multiparticle model」
*A. Iwakura (Tokai University), O. Mori, K. Nakaya, N. Ishii (JAXA)
In this paper, the motion analysis of unbalanced YoYo using multiparticle model is presented. In the
S-310-35 rocket experiment, main purpose of which is to observe auroral phenomena at Andoys, Norway,
the unbalanced YoYo is applied. This YoYo, at first, reduced the spin rate of main body as usual YoYo
despinner, then it gives tumbling moment to the main body as a Yo tumbler. The unbalanced YoYo has
different length of wires so as to give same degrees of nutation angle to the main body. The dynamics of
unbalanced YoYo is analyzed by numerical simulation using multiparticle model. The effect of unbalanced
YoYo on the nutation of the main body is investigated by comparing the numerical simulation results with
the S-310-35 rocket experiment data.
「多粒子モデルを用いた非対称 Yo-Yo の動力学解析」
○岩倉淳(東海大・院)
、森治、中谷幸司、石井信明(JAXA)
ロケット打ち上げの最終段階、もしくは切り離しの段階ではペイロード部あるいは 1 段目と 2 段目を切り離
すとき、残留推力によりモータ部とペイロード部が衝突する可能性がある。この衝突を避けるために通常、
タンブルモータやヨータンブラーによってモータ姿勢を十分大きく変化させる。S‐310‐35 号機によるオ
ーロラ観測実験では、モータ部にも観測装置(サブペイロード)が搭載され、メインペイロード部をモータ
部から切り離した上で、メインとサブの同時観測を行う。この為、分離後のモータ部の姿勢傾斜を最小限に
したいという要望があり、スピンダウン用に搭載されているヨーヨーワイヤーの長さを非対称にした。ヨー
ヨーを非対称にすることにより微妙なタンブリングを発生させ、ロケット本体にニューテーションを発生さ
せることによってペイロード部とモータ部の衝突を回避することができる。本稿では多粒子モデルを用いた
数値シミュレーションによってこの運動を解析し、実験結果と比較することで非対称ヨーヨーの有効性を示
す。また、ワイヤーの長さが同じ場合でも、ワイヤー先端のおもりの質量誤差やワイヤーがロケットから切
り離される角度の違い等が姿勢に及ぼす影響についても明らかにする。
【 C 会場 】Conference Room C
C−1
「Attitude Control of Space Robot using Backstepping」
*T. Hashimoto, H. Fujii (Tokyo Metropolitan Institute of Technology)
Several control methods for the nonholonomic systems have been proposed over the past years.
Backstepping is the one of the control methods, and can be expected to be useful for the wide class of
system because this method can be applied to the system of which the state space is decomposed by
relative degree. The effectiveness of this method is confirmed by applying to the attitude control problem
of the space robot. Furthermore the control design properties and future issue will be discussed.
「バックステッピング法による宇宙ロボットの姿勢制御」
○橋本智昭(科技大・院)、藤井裕矩(科技大)
非ホロノミックなシステムに対する制御則は数多く提案されており、その中の1つとして Backstepping 法が
挙げられる。Backstepping 法は相対次数に基づく状態空間の分割が可能であれば、適用可能であるため、広
いクラスのシステムに適用が期待できる。本発表では宇宙ロボットの姿勢制御に Backstepping 法を応用し、
その有効性を確認する。さらに Backstepping 法の特徴及び今後の課題について考察したい。
C−2
「Considerations on Attitude Control of Space Robot Using Manifolds」
*S. Hokamoto (Kyushu University)
This paper shows some considerations on a problem of reconfiguration of space robots. Since the
conservation of the angular momentum for the system forms a nonholonomic constraint, very few
number of state feedback control laws are proposed. In this study, first relation between invariant
manifolds based on the line integration and its feedback law is discussed. Then for a 3-dimensional space
robot known as a non-Caplygin system, a state feedback control law using Lyapunov method is applied
without approximation.
「マニフォールドを利用した宇宙ロボットの姿勢制御に関するいくつかの検討」
○外本伸治(九大・工)
宇宙ロボットの姿勢制御問題について考える.宇宙ロボットは,角運動量保存則が非ホロノミック拘束式と
なることが広く知られており,その姿勢制御のために多くの研究がなされているが,状態フィードバック制
御則を導出した研究は少ない.ランジャンらの提案した線積分により不変マニフォールドを構成する方法は,
数少ない状態フィードバック制御に関する研究の代表例である.ここでは,彼らの研究を基にマニフォール
ドの設計法および挙動についていくつかの検討したことを述べる.
C−3
「Optimization of three axis control of two wheel satellite with initial angular momentum」
*T. Endo (JAXA)
Authors have been discussing the energy minimum control low about the satellite maneuver with only
two reaction wheel. The maneuver is limited around the axis where the wheel doesn't exist and these
have been being examined. This paper discuss about the energy minimum control low of satellite having
initial angular momentum. That is included the baiasmormentam satellite. The satellite’s moment of
inertia is axisymmetric. The attitude stability of satellite on three-axis pointing control is discussed from
the point of angular momentum preservation rule. Moreover, a numerical solution is compared with the
Nutation cycle. If possible, a simple optimal algorithm for onboard conmputer is discussed through the
comparison with a current result.
「初期角運動量を持つ非軸対称 2ホイール衛星の3軸制御の数値最適解」
○遠藤達也(JAXA)
筆者らはこれまでに,2ホイール衛星の姿勢変更について,エネルギ最小制御則を議論してきた.これらは,
姿勢変更をホイールの存在しない軸周りの姿勢変更に限定して検討を行ってきた.本論では,3軸の慣性モ
ーメント比が 2 軸対称,1 軸非対称の初期角運動量を持つ衛星(バイアスモーメンタム衛星を含む)の 3 軸姿
勢制御について角運動量保存の観点から安定化可能な姿勢について議論する.また,数値最適解をニューテー
ション周期と比較し紹介する.可能であれば,これまでの結果との比較を通じて簡易なオンボード擬似最適制
御則の議論を行う.
C−4
「Attitude Control of Multibody Using Coning Effect」
*O. Mori (JAXA), K. Minamikawa (Tokai University), J. Kawaguchi (JAXA)
Using the nonholonomic system, the number of state quantity which can be controlled, could be more
than that of inputs. So, the cost of spacecraft could be small. This paper presents a new attitude control
method using the coning effect. The coning effect is that even the motion around an axis with no angular
momentum results in the residual rotation when it resumes the original orientation. First, an attitude
control law of three axes using two wheels is proposed. This is the finit-state control for desired attitude at
desired time. It can also be used when one wheel is out of order. Next, the attitude control law using
2-DOF-arm is considered. The multibody dynamics including the coning effect is analyzed.
「コーニング効果および動力学効果を踏まえた終端姿勢制御」
○森治(JAXA)
、南川幸毅(東海大)
、川口淳一郎(JAXA)
非ホロノミックなシステムを用いると,入力としての状態量より多くの状態量を制御できる.これを積極的
に用いると,機器を少なくすることができ,宇宙機のコストを下げることになる.また,一部の制御機器が
故障した場合にも対応することができる.本論文では非ホロノミックな運動として,コーニング効果を用い
た新しい姿勢制御則を提案する.コーニング効果とはある軸まわりに角運動量がゼロであっても,その軸が
もとの方向に戻ってきたときに,結果的にその軸まわりに回転を生じる現象のことである.まず,単体の宇
宙機が 2 つのホイールを用いて 3 軸姿勢制御を行うことを考える.終端制御によって,目標時間に目標姿勢
を満たすことを示す.次に,2 自由度のアームを動かすことで 3 軸制御を実現することを考える.コーニング
効果だけでなく動力学効果も踏まえた複雑な運動を明らかにし,新たな姿勢制御則を提案する.
C−5
「Motion Estimation of a Large Space Debris Object Using Image Data」
*F. Terui, H. Kamimura, S. Nishida (JAXA)
An algorithm for estimating motion (relative attitude and relative position) of a large space debris object
such as failed satellite is developed. This algorithm is expected to be used by a debris removal system
which would perform various operations such as observation, investigation, capture, repair, refuel and
de-orbit. The algorithm is a combination of stereo vision and 3D model matching such as ICP(Iteratice
Closed Point) algorithm and uses time series of images to increase reliability of measurement. For the
evaluation of the algorthm simulating the on-orbit optical environment, a visual simulator is prepared for
terrestrial experimnt and the motion of the miniature satellite model is estimated usig images given by
this simulator.
「大型スペースデブリに対する画像情報に基づく運動推定」
○照井冬人、上村平八郎、西田信一郎(JAXA)
宇宙ロボットなどが故障衛星等の大型スペースデブリを捕捉するようなミッションの際に必要となる要素技
術の一つとして、姿勢運動を行う非協力の対象の運動を画像から計測する手法を提案する。エリア・ベース
ト・ステレオ・ビジョンと、
点群間の3Dモデルマッチングの手法の一つであるICP (Iterarive Closest Point)
アルゴリズムの組み合わせによって、時系列画像から対象の姿勢運動を推定する手法を提案し、地上実験装
置より得られた画像を用いた解析を行った結果を示す。
C−6
「Angular Momentum Control of Tumbling Spacecraft」
*S. Yoshikawa (Mitsubishi Electric Co.), K. Yamada (Nagoya University)
We discuss the problem of damping the angular momentum of tumbling spacecraft by applying external
torques and study the dynamical characteristics of the closed system in details when impulsive control
torques are repeatedly applied.
「タンブリング衛星の角運動量制御」
○吉河章二(三菱電機)
、山田克彦(名大・工)
タンブリング状態にある故障衛星に外力を加えることでその角運動量を減衰させる問題おいて,特に繰り返
しインパルスを入力とする場合の制御上の特徴について検討する
C−7
「Distributed Angular Momentum Control of Space Robot for Capturing a Tumbling
Target」
*T. Oki, Dimitrov Dimitar Nikolaev, K. Yoshida (Tohoku University)
A new control strategy for the capture of a tumbling satellite by a space robot is presented. We utilize the
so called Distributed Momentum Control(DMC) that manages the momentum in the system in a way
that no angular momentum is transferred to the base body of the chaser satellite. We extend this idea to a
damped DMC that accomodates the angular momentum from the target in the system of reaction wheels.
Furthermore we discuss the application of the damped DMC to a dual-arm space robot.
「ターゲット捕獲時における宇宙ロボットの角運動量分配制御」
○大木智久、Dimitrov Dimitar Nikolaev(東北大・工・院)
、吉田和哉(東北大・工)
宇宙空間でフリーフライングロボットが回転しているターゲットを捕獲する際,ロボットのベース姿勢を安
定に保つためにターゲットを含めた系全体の角運動量を分配する制御法について考察する.当研究室では,
Distributed Momentum Control(DMC)と呼ぶ方法を既に提案している.この方法は,捕獲後にロボット
のアームを積極的に動作させる事によりターゲットの角運動量を一旦アームに吸収し,捕獲直後のベースの
姿勢変動を抑えるものである.しかし,この方法では,アームが他の部分と接触してしまう危険性がある.
本発表では,この問題点を解決するための新たな手法を提案し,さらにこれらの角運動量分配に関する手法
が,単腕ロボットの場合だけでなく,双腕ロボットにおいても有効である事を示す.
C−8
「Impedance control for the free flying space robot in the target capture」
*H. Nakanishi, K. Yoshida (Tohoku University)
In this presentation, an impedance control method for space robots is proposed. The end tip of the
manipulator is controlled like a mass-damper-spring system fixed on the inertial coordinates in spite of
the reactive motion of the base. In order to verify the proposed method, numerical dynamics simulations
are carried out and the characteristics and limitation of the control are investigated. In addition, The
application of the control for orbital serbivice is discussed.
「ターゲット捕獲時におけるフリーフライング宇宙ロボットの手先インピーダンス制御」
○中西洋喜、吉田和哉(東北大・工)
宇宙空間において,ターゲットを捕獲する場合,初期接触でターゲットを弾き飛ばさないことが必須である.
手先インピーダンス制御を用いて手先の見かけの慣性特性をコントロールすることによって接触力を減少さ
せることが可能だが,フリーフライングロボットの場合,ロボットのベース自身が運動するため,従来の手
先インピーダンス制御では,慣性系に対して,手先インピーダンス特性を自由に特性を選択することが困難
である.本発表では,フリーフライングロボットのベースの運動や,接触に伴う運動量の増減を考慮し,慣
性座標系に対する手先インピーダンス制御の定式化を行い,動力学シミュレーションによってその妥当性の
検討を行う.さらに,手先インピーダンス特性がターゲット捕獲の前後において,ロボット・ターゲット両
者に与える影響についての考察を行う.
C−9
「Preliminary Flight Experiment of a small-size Parafoil from a Balloon」
*K. Hiraki, Y. Mizuta, Y. Saito, M. Inoue (Kyushu Institute of Technology)
For the purpose of accumlating flight-test data with emphasis on the lateral-directional stability of a
parafoil, a free-flight experiment of the parafoil with 3m span is planned from a small balloon filled with
helium gas. The establishment of the repeatable test procedures is the target for the moment.
「ゴム気球を用いた小型パラフォイルの飛行実験」
○平木講儒(九工大・工)、水田義之、斉藤悠介(九工大・工・院)、井上昌信(九工大・工)
飛行方向を制御可能なパラフォイルの横風に対する応答性および自然風下での操舵性能の定量的把握を目的
として、スパンが 3m のパラフォイルを用いて、スレッド試験、建物屋上からの投下実験を継続的に実施し、
データの蓄積を図っている。飛行環境をより実際に近づけるには、より高い高度からの飛行が必須であり、
それを目指して現在ゴム気球を利用した実験方法を検討している。繰り返し実験が可能な試験方法の確立が
当面の目標である。
C−10
「Wheeled Rover Experiment by using Lunar Simulant Terrain in Vaccum Environment」
*K. Iizuka (The Graduate University for Advanced Studies), H. Kanamori (SHIMIZU
Corporation), T. Kubota (JAXA)
Future lunar or planetary exploration missions will require wheeled mobile robots to traverse on very
rough terrain with limited human supervision. This paper investigates the kinetic behavior of a lunar or
planetary rover in the vacuum environment. Some experiments are performed for a 1/6 scale rover in the
vacuous chamber. This paper presents the vaccum test results and studies the running behavior of the
rover.
「真空環境において月面模擬地形を利用した探査ローバ走行実験」
○飯塚浩二郎(総研大)、金森洋史(清水建設)、久保田孝(JAXA)
宇宙探査がもたらすものとして、太陽系の起源を解き明かすための手がかり、宇宙資 源の発掘・利用、人類
の活動範囲の拡大、探査を行うためになされる科学技術の発展などさまざまなものが考えられる。月や惑星
表面においては、今後ますますローバによる移動探査が主流となっていくと考えられる。月や惑星表面はク
レータや崖などの地殻が露出しているため科学的関心が高い。そこで本研究は月面を走行する探査ローバを
対象している。月面においては、レゴリスと呼ばれる細かい砂で覆われているため、車輪と砂の関係を明ら
かにすることにより探査ローバの走行を可能とする。また、月においては地上と違い大気が存在していない。
そこで、月の環境に近づけるために真空環境をつくり、探査ローバの走行実験を行う。真空環境は真空チャ
ンバを用いて実現させ、1/6 の探査ローバを用いて真空のおける走行状態を観察する。
C−11
「Insect-like Rover for Space Expploration」
*K. Senda, M. Kimura, K. Fushimi ( Kanazawa University), T. Kubota (JAXA)
This study is about an insect-like rover with six legs for space exploration. We discuss an experimental
setup for research that is currently under development. Most discussions are focused on its mechanism
design.
「月・惑星探査ローバに向けた昆虫型ロボットに関する研究」
○泉田啓(金沢大)
、木村昌宏、伏見匡洋(金沢大・院)
、久保田孝(JAXA)
本研究では,小型の月・惑星探査ローバを目指して,6本脚を有する昆虫型ロボットについて検討している.
現在,研究のプラットフォームとして実験モデルの設計・開発を進めているが,その内容を中心に発表する.
脚型ローバの場合,脚の最も根元に位置する腰関節で発生すべき関節トルクが大きくなり,クリティカルな
設計パラメータとなる.この関節トルクの制約を満足しつつ,姿勢安定性を確保しつつ荒地踏破性も実現す
る設計がどのようなものになるかを示す.また,検討結果に基づいて構築した,数値シミュレーションおよ
び実験モデルについて述べる.
C−12
「Nonlinear Mapping of Gaussian State Uncertainties」
*Ryan S. Park, Daniel J. Scheeres(The University of Michigan)
This paper presents the nonlinear propagation of spacecraft trajectory uncertainties via solutions of the
Fokker-Planck equation. We first derive an analytic expression of a nonlinear trajectory solution by
incorporating the higher order Taylor series that describes the localized nonlinear motion, and by solving
for the higher order state solution as functions of initial conditions while utilizing the nonlinearity index
to define the region of convergence for the systems. We then solve the Fokker-Planck equation for a
deterministic system with a Gaussian boundary condition and discuss how the propagated phase volume
and Gaussian statistics characterize the spacecraft orbit uncertainties. The phase volume approach
presents the integral invariance of the probability density function, and thus, the probability of the initial
confidence region remains the same as it is mapped over time. The statistical method shows that the
propagated trajectory uncertainties remain no longer Gaussian in general; however, we can still
approximate the first two moments (mean and covariance matrix) to define the true confidence region of
the nonlinear system. We utilize the higher order Taylor series solutions to approximate the true
nonlinear trajectory statistics and compare with the conventional linear theory and Monte-Carlo
simulations to explain its significance. The result shows that the nonlinear solution provides a superior
result than the linear solution when the system is under a strong nonlinearity or mapped over a long time
span. Moreover, the higher order Taylor series approach becomes essentially the same as the Monte-Carlo
result when sufficiently high order Taylor series is considered. The twobody and Hill three-body problems
are chosen as examples and realistic initial uncertainty models are considered.
C−13
「Precise Orbit Determination of GPS Satellites using Carrier Phase Measurements」
*T. Takasu, S. Kasai (Kasai Design Office)
For the precise positioning with GPS, it is necessary to provide accurate satellite orbit and clock. We
have developed a software package to determine high precision GPS satellite orbit and clock. In the
software, using undifferenced carrier phase measurements, satellite orbit and clock are estimated by
Extended Kalman Filter (EKF). For the improvement of the orbit and clock accuracy, backward filter and
iterated filter can be added to the conventional 1-pass forward filter. In the measurement model,
geometric distance is computed by light-timeiteration synchronized to GPS Time, corrected by the
receiver clock bias. Ionospheric delay is eliminated by the liner combination of two frequency carrier
phase measurements. Tropospheric delay is estimated as ZTD (Zenith Total Delay) and horizontal
gradient parameters using tropospheric mapping function. Receiver clock, Earth Rotation Parameters
and phase bias are estimated simultaneously. Additionally, the measurement model contains precise
measurement corrections such as antenna phase center offsets, phase-windup effect, relativistic effects
and station displacements by earth tides. Site displacements include solid earth tides, ocean loading and
polar tides models, computed according to IERS conventions. The satellite orbit model incorporates
geopotential of JGM-3, gravity correction by earth tides, third body of sun/moon, eclipse by earth/moon,
relativistic effects and various GPS-specific SRP (Solar Radiation Pressure) models. Quality control and
outliers' detection are done using prefit and postfit residuals. Abnormal satellites and stations are
excluded by statistical check of the residuals. For the test, using world-wide 40 IGS (International GPS
Service) stations' observation data, 29 GPS satellites' orbit and clock were estimated. A priori satellite
position and clock bias are obtained from GPS broadcast ephemerides. Initial tropospheric delay
parameters are acquired by the standard atmosphere model. Station positions are fixed to the estimated
values by PPP (Precise Point Positioning) with previous week's IGS final orbit/clock. Compared with IGS
final orbit/clock, estimated satellite position 3D RMS error was 6.0 cm. Clock bias RMS error was 0.15
nsec.
「搬送波位相観測値を使用した GPS 衛星の高精度軌道決定」
○高須知二、笠井晶二(笠井デザインオフィス)
GPS による精密測位のためには高精度の GPS 衛星軌道・時計推定値が必要となる。我々は GPS 衛星軌道・
時計を高精度に決定するためのプログラムパッケージを開発した。このソフトウェアではゼロ差の搬送波位
相観測値を使用し拡張カルマンフィルタ(EKF)により GPS 衛星軌道・時計を決定する。決定精度を改善する
ため通常の 1 パス forward フィルタに加えて backward フィルタ及び iteration を適用することもできる。観
測モデルでは受信機時計誤差を補正し GPS 時刻系に同期した光路差方程式を解いて幾何距離を算出する。電
離層遅延は二周波搬送波位相観測値の線形結合により除去する。対流圏遅延はマッピング関数を使って天頂
全遅延(ZTD)及び水平勾配パラメータとして推定する。衛星位置・速度、時計に加え、受信機時計、地球回転
パラメータ及び搬送波位相バイアスについてもパラメータとして推定する。観測モデルにはアンテナ位相中
心オフセット、phase-windup 効果、相対論効果及び地球潮汐による局位置変動の精密補正も含んでいる。衛
星運動モデルには JGM-3 地球重力モデル、地球潮汐による重力補正、月・太陽重力、地球・月による食、相
対論効果及び GPS 衛星独自の精密太陽輻射圧(SRP)モデルを含む。品質管理のため prefit 及び postfit 残差に
よるアウトライア検出を行う他、残差の統計値チェックにより異常衛星・観測局を識別し除外することもで
きる。試験のため全世界の IGS (International GPS Service) 観測局 40 局の観測データを使い、GPS 29 衛
星の軌道・時計を決定した。衛星軌道・時計の初期値は放送暦を、対流圏遅延の初期値は標準大気モデルを
使用した。
観測局位置は前週の IGS 最終暦を使って精密単独測位 (PPP) 法により決定した座標に固定した。
IGS 最終暦と比較した衛星位置の 3D RMS 誤差は 6.0cm、同じく時計バイアスの RMS 誤差は 0.15ns であ
った。
C−14
「ppb-precision orbit determination of LEOs from laser ranging and GPS tracking」
*T. Otsubo, T. Kubooka, T. Goto (NICT)
A number of low earth orbiters carry a laser reflector array and/or a GPS tracking system to obtain high
precision orbit. The tracking precision is currently a few cm to sub cm. We have developed the analysis
software 'concerto' whose physical models match or excel the measurement precision. The software is
used to derive the motion of a satellite, the coordinates of tracking stations, Earth rotation, and other
geophysical phenomena.
「レーザと GPS による低軌道衛星の ppb 精度軌道決定」
○大坪俊通、久保岡俊宏、後藤忠広(NICT)
高精度な軌道を得るために,レーザ反射鏡や GPS 受信機を搭載する低軌道衛星(代表的なものとして,
LAGEOS・AJISAI・CHAMP など)の数が増えてきている.計測精度は,数 cm から,条件がよいときで
1 cm 以下を達成している.この高い精度を活かすには,それに見合った精度で,衛星の運動力学や地球回転・
局位置変動など,数多くの最新物理モデルを組み込む必要がある.NICT で開発中の軌道決定ソフトウェア
'concerto' の紹介,これまでに得られた地球物理学的成果,さらに今後の展望について報告する.
C−15
「Orbit estimation by using differenced radiometric data types」
*T. Ichikawa (JAXA)
An approximate orbital elements ( state vector ) analytic model for Earth-based range measurements is
presented and is used to derive a representative analytic approximation for differenced Doppler
measurements. The analytical models are tasked to investigate the ability of these data types to estimate
spacecraft geocentric angular motion, the station’s clock and frequency offsets, and signal-path calibration
errors over a period of a few days, in the presence of systematic station location and transmission media
calibration errors. Sensitivity analysis suggest that a few delay calibration errors are the dominant
systematic error source in most of the tracking scenarios investigated; as expected, the differenced
Doppler data were found to be much more sensitive to some calibration errors than difference d range. In
this paper, it is described sensitibity analysis for orbit estimation by the analytical model.
「差分電波観測による軌道推定」
○市川勉(JAXA)
地上局と探査機のレンジ・ドップラー観測即ち電波情報による軌道推定において、解析モデルを用い差分ド
ップラー及びレンジの観測モデルまで展開し地上局のシステム的特性及び電波屈折の影響等が推定にどのよ
うに関係するか感度解析の検討を行ったので本講演で報告する。
C−16
「A Basic Study on the Optimal Trajectory Control of a Dive and Ascent Satellite」
*Tianshuang Fu, F. Imado ( Shinshu University)
In 1970’s some Atmosphere Explorers were launched, which fly into very low altitude, for studying the
global structure and ionosphere and so on of the earth. Nearly at the same time, for the same purpose
the National Aerospace Laboratory (current Japan Aerospace
xploration Agency) did the preliminary
study on Dive and Ascent Satellite (DAS). The study of DAS was not conducted after that. As many
natural disasters happened every year on earth, it seems to be useful to consider the use of a DAS again,
in order to observe the area of the disasters in detail, and investigate the mechanism of them. In this
paper we assumed the earth as a rotating ellipsoid, used the geocentric-equatorial inertial coordinate
system, the orbit reference coordinate system, and the vehicle fixed coordinate system. Three thrust
components xo f , yo f , and zo f are selected as control variables, which means that, if the vehicle is
controlled to direct along with these three axes, then xo f , yo f , and zo f are considered as thrust forces
of thrusters fixed to the vehicle body three axes. As the orbital altitudes are rather low, atmospheric
drag is greater than the other disturbance forces, therefore we only considered the atmospheric drag as
the disturbance force. As the purpose of DAS is to observe a particular place closely, so let the place be
under the perigee of the trajectory, we dive the satellite from its original orbit to observe the area, and
after finishing the mission, we ascend it back to its original altitude. The optimal trajectory control
problems are reduced to nonlinear two-point boundary value problems. In this paper we solved them by
using the steepest ascent method (a first order gradient method) for minimum fuel consumption. First,
the calculation was conducted for a coplanar orbit transfer between altitude 300km and 100km in
equatorial plane. The result showed that, we required xo f negative maximum value at near apogee,
when we ascended it back to the circular orbit of altitude 300km, we required xo f positive maximum
value at near perigee and near apogee. In this case, the fuel consumption rate was 4.16%. This means
that if 34.6% of the vehicle’s mass is fuel, we can do the same control 10 times. For comparison, we also
conducted the optimal calculation without considering atmospheric drag case. In that case, we did not
require xo f positive maximum value at near perigee. Next, we obtained the result of altitude transfer
between 300km and 100 km, simultaneous inclination transfer from 0degree to 2degree. From the
result, we knew that yo f operates for a long time, which was employed to change orbital inclination.
The fuel consumption was 3.07 times that of only conducting altitude transfer. Finally, we obtained
optimal trajectories of orbit transfers between 300km and 100km with orbital inclination of 55 and 98
degree.
C−17
「Lateral and Directional Control of Winged Reentry Vehicles – Aileron Adverse Roll and
Yaw RCS Roll」
*K. Yonemoto (Kyushu Institute of Technology)
Since the vertical tail and rudder become ineffective at high angle of attack flight of winged reentry
vehicles, the rolling motion is hardly controlled by conventional aileron use. Roll control by adverse
aileron or side slip induced roll by yaw RCS utilizing wing dihedral effect, the latter method of which was
employed by HYFLEX or Space Shuttle Orbiter, has been long discussed. An analytical interpretation is
again given for understanding the roll control using HOPE-X aerodynamic characteristics.
「再突入宇宙機の横方向制御−エルロン逆効きロールとヨーRCS ロール」
○米本浩一(九工大・工)
再突入宇宙機の超音速高迎角飛行時には,方向安定を保つための尾翼やラダーの効きは殆ど期待できないた
め,エルロン操舵による順方向のロール制御はできない.エルロンの逆効きをそのまま利用したロールや,
HYFLEX や Space Shuttle が採用したように,ヨーRCS により横滑りを発生させ主翼の上反角効果でロー
ルする方法がある.HOPE-X の空力特性を例に,ロール制御の飛行力学的な解釈について考察する.
C−18
「Proposal of Real-Time Guidance Method on the Aerodynamic Ascent Path」
*T. Yamamoto (JAXA)
This paper shows the new guidance method on the aerodynamic ascent path. This method can be
described by using only four parameters. In the case that the path constraints like maximum dynamic
pressure are considered, we can apply this method by dividing the flight path into several phases. And
guidance parameters are easily determined by simple forward integration of equations of motion.
「空力上昇径路におけるリアルタイム誘導法の提案」
○山本高行(JAXA)
将来型宇宙輸送機が大気中を上昇飛行する際の誘導法についてわずか 4 つの パラメータを用いて表現でき
る手法を提案する.空気吸い込み式推進機関には最大作動動圧が存在するため,上昇径路には動圧拘束が存
在するが,提案する誘導法を区間に分けて適用することで,準最適な飛行経路を飛翔することができること
を示し,また前進積分による単純なパラメータ更新法により,リアルタイムでの誘導計算が可能であること
を示す.
C−19
「Analysis of Autonomous Optical Guidance and Navigation strategy during flyby」
*K. Tarao (The University of Tokyo), O. Mori, Y. Kawakatsu, J. Kawaguchi (JAXA)
Institute of Space and Astronautical Science (ISAS) of Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA) is
currently planning the missions that the small probe ‘intercepter’ flybys near-Earth objects. In general, it
is impossible to determine the relative orbit during fly-by only with optical information. And usually the
optical navigation needs combined with the radio navigation that should provide the relative velocity
vector information. This paper first discusses the new integrated guidance and navigation strategy,
provided the relative velocity vector between the probe and the object is obtained. And next, paper
describes the concept of experiment to verify this strategy.
「小天体フライバイ時の光学自律誘導航法に関する研究」
○多羅尾康太(東大・工・院)
、森治、川勝康弘、川口淳一郎(JAXA)
ISAS/JAXA では、きわめて小型の惑星探査機「インターセプタ」で地球に接近する小天体をフライバイする
ミッションを計画している。ISAS が打ち上げた、
「のぞみ」には、高速でのフォボス、デイモスとのフライ
バイ時に近接撮像を可能にするべく、独自の特殊な代数フィルタを搭載していた。しかし「のぞみ」では積
極的により近接点を通過させるための軌道操作を行うこと、つまり誘導は計画されなかった。一般に光学観
測のみの情報では、弾道飛行においては、フライバイ時に相対軌道決定を行うことは不可能で地上観測によ
って、目的天体との間の相対速度ベクトルの情報を取得しておくことが前提となっている。本論文では、こ
の相対速度ベクトルの先見情報を利用できるとして、フライバイ時の統合型の誘導、航法手法を議論し、ま
たこれを実証する地上実験の概要を示す。
C−20
「Feasibility Study for Precise Lunar Landing via Monte Carlo Simulation」
*Y. Hamada, T. Ninomiya, Y. Katayama, Y. Shinomiya, K. Matsumoto, M. Yamamoto, S.
Sawai (JAXA), S. Ueno (Yokohama National University), K. Hayashi (MSS)
This paper is concerned with a guidance and control system of an unmanned spacecraft for lunar landing.
The spacecraft is required to land precisely at a site where there are scientifically important features with
low fuel consumption. This paper describes the desired guidance and control system and demonstrates
the feasibility of the mission using Monte Carlo simulation.
「モンテカルロシミュレーションによる月面精密着陸の成立性評価」
○濵田吉郎、二宮哲次郎、片山保宏、四宮康雄、松本甲太郎、山本昌幸、澤井秀次郎(JAXA)
、
上野誠也(横国大)
、林健太郎(MSS)
近年,月は科学・工学の両観点から,再び重要な探査目標と認識されてきた.米国は月面有人探査を含む新
たな宇宙政策を表明しており,日本を含む各国も月探査計画を実施または検討中である.今後の月探査計画
では,無人機による月面の目標地点への正確かつ安全な着陸技術が課題の一つと考えられている.本稿では
以前提案されていた SELENE-B(月軟着陸実験計画)の着陸機構成を基に,精密着陸の成立性を,モンテカル
ロシミュレーションによって検討する.
C−21
「Analysis of High-frequency Oscillations on Infrared Astrometric Nano-class Satellite,
"Nano-JASMINE"」
*M. Ono (The University of Tokyo)
This study is about modeling and simulation of flexible nano-class satellite, and highly stable design of
the satellite against outer disturbances.
「超小型赤外線位置天文衛星 Nano-JASMINE における、高精度姿勢安定に関する研究」
○小野雅裕(東大・工・院)
Nano-JASMINE は、東京大学中須賀研究室および国立天文台が計画している超小型赤外線位置天文観測衛
星である。衛星のスピンに同期させて CCD を TDI モードで駆動し、星像を得るという方法をとるため、衛
星には高度な姿勢安定性が要求される。柔軟性を考慮した衛星のモデル化およびシミュレーションと、そこ
から得られた、外乱トルクに対して高い安定性が得られる超小型衛星のデザインを紹介する。
C−22
「Ranging System and Orbit Design of SCOPE Formation Flying Mission」
*Y. Tsuda, T. Toda, T. Ichikawa, Y. Saito (JAXA)
ISAS/JAXA is currently planning the next generation magnetosphere observation mission called
“SCOPE”(cross-Scale Coupling in Plasma universE). SCOPE aims at observing the Earth’s magnetotail
with 5 satellites flying in formation. This paper discusses the orbit design and intersatellite ranging
system to be applied to the SCOPE mission.
「SCOPE における編隊飛行のための測距システムと軌道設計」
○津田雄一、戸田智朗、市川勉、斎藤義文(JAXA)
JAXA 宇宙科学研究本部が 2010 年代の実現を目指して検討中の地球磁気圏観測衛星「SCOPE」は,5 機の
衛星が編隊飛行をしながら電磁場の同時観測を行うミッションである.SCOPE では複数衛星間で観測データ
の相関処理を行うために,非常に高い時刻同期精度と相対位置決定精度が要求される.本稿では,SCOPE で
現在検討中の相対軌道決定・時刻同期手法およびそれを実現するハードウェアの開発状況について紹介する
とともに,フォーメーションフライトのための相対軌道の設計手法について言及する.
<講演追加>
A−11´
「編隊飛行制御と交通量制御」
○川口淳一郎(JAXA)
編隊飛行において、先行機との相対位置制御を行う群では、一般に遅れが後方へ発散しながら伝播していく。
これは、車両の交通における渋滞の発生現象と共通する問題である。いいかえれば、車列の安定化制御とは、
分散制御による編隊制御そのものである。本講演では、車両の交通量制御に関して渋滞を回避する制御
論理について述べ、宇宙機の編隊飛行にそれを応用する例について議論する。
「Foramation Flight and Intelligent Traffic System」
*Jun'ichiro Kawaguchi (JAXA)
In the formation flight systems, when relative position control to fore-runner, in general, propagates some
delay backward with divergent behavior. This is well known as traffic jam phenomena, and in other
words, the problem we face everyday represents the formation control via decentralized scheme. This
study shows how the jam problems are circumvented and presents the applications to the spacecraft
formation flight systems.
B−11´
「曲げ剛性を伴うスピン型ソーラーセイル膜の動的展開について」
○中谷幸司、森治、津田雄一、佐伯孝尚、山本高行(JAXA)
スピン型ソーラーセイル膜面として 4 枚のペタルから構成される正方形膜を想定し,これを遠心力によって
動的に展開する場合について検討する.まず,数値シミュレーションモデルとして曲げ剛性を考慮した膜の
多粒子モデル考える.次にシミュレーション結果から展開の進展具合にアンバランスが発生した場合に,曲
げ剛性の影響で展開が完了しない場合があることを示し,これを回避する手法について考察する.また,軌
道上での膜面展開実証のために現在設計を進めている M-V 搭載サブペイロードについて言及する.
「Dynamic Deployment of Solar Sail Membrane with Bending Stiffness」
*K. Nakaya, O. Mori, Y. Tsuda, T. Saiki, T. Yamamoto, J. Kawaguchi (JAXA)
In this paper, dynamic deployment of a square solar sail membrane attached to a spinning spacecraft is
discussed. The membrane is suggested to consist of four petals. A multi-particle model in consideration
with membrane bending stiffness is explained. Then, numerical simulations indicate that effect of
membrane bending stiffness obstructs the deployment when there is unbalanced progress of the
deployment on each petal. The strategy for restraining the incomplete deployment is also explained.
Moreover, current status of development of a M-V sub-payload designed for demonstrating membrane
deployment in orbit is referred.
C−11´
「人工衛星の捕捉および結合時の安定化非線形制御」
○伊藤玲、池田裕一(電通大・院)
、木田隆、長塩知之(電通大)
将来の宇宙インフラストラクチャ構想において、衛星への燃料補給や故障衛星を回収するミッションが考え
られている。それらを遂行するためにはターゲットに対し、チェイサーの接近、結合、捕捉が必要になるが、
宇宙機の運動は回転と並進が干渉した非線形システムで表され、それを考慮した制御系を設計する必要があ
る。そこで非線形系の受動性を利用した捕捉および結合前後の安定化制御器の条件を導き、その有効性を数
値シミュレーションにより確認する。
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