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「だいち」(ALOS) - JAXA 第一宇宙技術部門 サテライトナビゲーター
第4回JAXA人工衛星セミナー#JAXA東京事務所, Sep. 29, 2009 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の概要と PRISM, AVNIR-2の画像解析 - 緊急観測:観測から画像公開までのプロセス(その1) - 田殿 武雄 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 地球観測研究 地球観測研究センター タ (EORC) EORC Earth Observation Research Center Bird’s eye view of Yokohama using PRISM DSM with ortho-rectified, pan-sharpened image by PRISM and AVNIR-2 on Jan. 17, 2008 Outline 地球観測衛星情報の利用 9 人工衛星によるリモ 人工衛星によるリモートセンシング トセンシング (Remote Sensing) 9 JAXA地球観測研究センター(EORC)の役割 9 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の概要と状況 9 高分解能光学センサデータ(画像)の高次解析 緊急観測対応の概要 9 災害緊急観測の対応とデ 災害緊急観測の対応とデータ・作業の流れ タ 作業の流れ 9 災害観測, 解析事例 まとめ:ALOS後継機について EORC Earth Observation Research Center Pan-sharpened image of TKSC using PRISM (Mar. 27, 2006) and AVNIR-2 (Mar. 25) 衛星情報の利用:リモートセンシングとは 宇宙を飛ぶ 計測器 ↑ 地球全体(グローバル)を計測可能 球 体(グ )を計測可能 同じ時間間隔で計測可能 同じ精度で計測可能 9 遠く離れたところから, 対象物に手を触れずにそれが {何か? どういう状態か?} を {{電磁波, 音波, 振動}} を使って計測する技術 9 地球観測:{人工衛星, スペースシャトル, 航空機等} プラットフォーム(platform) EORC Earth Observation Research Center に搭載された センサ (sensor)で計測 → 分光(スペクトル)特性を利用 衛星情報の利用:人工衛星の特徴 通信衛星 例えば,災害監視を目的とした場合 • 広域性 観測衛星 -高い位置から広範囲が見渡せる • 同報性 -高い位置から多数の人に同時に伝達 できる • 対災害性 -地表から離れている -メンテナンスフリーで数年に亘って宇 メンテナンスフリ で数年に亘って宇 宙空間に滞在 EORC Earth Observation Research Center JAXAにおける衛星データ処理:EORCの役割 地球観測衛星 一次処理を行う 「だいち」では 海外機関とも 協力 利用者 国・自治体、大学、 研究機関 民間 研究機関、民間、 一般ユーザなど データ デ 中継衛星 センサ感度の校正 提供 鳩山局 海外局 など 地図に合わせる 反映 処理 高次処理を行う 受信 様々な情報に変換 観測データ を受信する 保存 データを利用 者に届ける 校正検証 利用研究 処理の精度向上と 処理手法の研究開 発を行う (C) METI/JAXA, analyzed by JAXA 観測データ を保存する 2008年末で644TB 約900万シーン 国内外の機関・ 研究者との協力 EORC Earth Observation Research Center EORC/ALOS解析研究プロジェクトの業務内容 地球観測センター(EOC) ALOSデータ受信 レベル0データ:一次処理 レベル1データ:標準成果物 デ カタログ情報 PALSARレベル0:オンライン 約400-600GB/日 地球観測研究センター(EORC) 地球観測研究センタ (EORC) 校正結果のフィードバック ・処理アルゴリズム更新 ・ソフトウェア更新 ・パラメータテーブル更新 データ提供 ・関係機関 ・共同研究機関など 成果公表 ・Web ・学会等 オンラインもしくは媒体 300MB×200シーン=約60GB/日 PRISMレベル1 AVNIR-2レベル1 PALSARレベル1 校正:標準成果物の精度向上と維持管理 ・PALSAR ・PRISM ・AVNIR-2 緊急観測対応:自然災害発生時 高次研究成果物作成・検証 ・PALSAR:正斜投影(オルソ補正)画像, 数値標高モデル(DEM) ・PRISM:数値地表モデル(DSM), オルソ補正画像 ・AVNIR-2:オルソ補正画像 試作研究成果物作成・検証 ・PALSAR全世界森林図:パス処理, ブラウズ(全数), オルソ補正, モザイク ・PALSAR地殻変動図 ・AVNIR-2土地被覆分類図, アルベド図 他 EORC Earth Observation Research Center 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の概要 Advanced Land Observing Satellite (ALOS) 2006年1月24日打上げ 高度約700kmから3つの センサーで地表を観測 地図作成, 地 作成 土地利用観測, 土地利 観測 災害状況把握, 資源探査 等に利用 PRISM 衛星の進行方向に沿って 3方向を同時観測=数値 標高データ(DEM)の計測 ( ) 2.5mの分解能で地上の 建物などを観測可能 PRISM(パンクロマティック立体視センサ) (パ ク ク立体視 ) AVNIR-2(高性能可視近赤外放射計2型) PALSAR(フェーズドアレイ方式Lバンド 合成開口レーダ) AVNIR−2 10mの分解能で地上を カラー観測 左右44度の首振り機能 を持ち,災害発生時に は2日以内に観測できる PALSAR 地上が曇りや雨の天候時 また夜であっても電波レー ダによって観測可能 EORC Earth Observation Research Center 「だいち」(ALOS) 主要緒元 打上日 軌道 回帰時間 飛行高度 軌道傾斜角 回帰日数 周回数 周回時間 経度方向再現性 データ収集 衛星ヨーステア 衛星姿勢誤差 衛星重量 発生電力 2006年1月24日 午前10:33 (日本標準時) 太陽同期準回帰 Sun-synchronous 午前10:30 +/ +/- 15分 691.65 km @赤道上 98.16 度 46日 (サブサイクル: (サブサイクル 2日) 14 + 27/46 周/日, 671 周/回帰 98.7分 (北極から南極) +/-2.5 km @赤道上 240 Mbps (データ中継衛星DRTS「こだま」経由) + 240Mbps p 固体データレコーダ ((HSSR)) + 120Mbps 直接送信 (X-band) Off / On 2.0e-4 2.0e 4 度 (地上2.5m, 決定精度) 0.1 度 (制御精度) 4,000 Kg @打上時 7 KW @末期 EORC Earth Observation Research Center 「だいち」(ALOS) 外観 「だいち」実物 (打上前試験, 筑波宇宙センター) プリズム (PRISM) アブニールツー(AVNIR-2) EORC Earth Observation Research Center 「だいち」(ALOS) 運用スケジュール 平成17年度 平成19年度 (H23/1/24) 成果報告会 (仮 仮称) (5/29) (12/1) 平成22年度 (6/4) 観 第6回 観測運用 調整会議 運用フ フェーズ 定常段階(∼ H21 年1月24日) 定常段階( 定常 常段階終了 第5回 観測運用 観 調 調整会議 (11/26) 第4回 観測運用 観 調 調整会議 (6/1) 第3回 観測運用 観 調整会議 初期校正検証完 完了 (11/28) 平成21年度 (H21/1/24) ミッション期間(打上げ後 3年以上 5年目標) 初期段階 平成20年度 (3/29) 第2回 観測運用 観 調整会議 (10/23 ) 校正 正検証成果報 報告会 第1回 観測運用 観 調整 整会議 (5/15) 初期機能確認終 終了 マイルスト トーン (1/24) 打 上 げ 平成18年度 3年 年 5年 後期利用段階 クリティカル運用期間 (1/24 ∼1/28) 初期機能確認運用 初期校正検証運用 (未校正データ配布 ) 定常観測運用 後期観測運用 (校正済データ配布) *「観測運用調整会議」はALOSパワーユーザと呼ばれる省庁関係機関(経産省, 国土地理院, 環境省, 農水省, 海上保安庁)お よびデータの一般配布業者で構成され,基本観測計画を議論・策定する会議. EORC Earth Observation Research Center PRISM, AVNIR-2の観測状況 全取得シーン数累計 (2006.5.16∼ 2009.8.13) PRISM AVNIR-2 PALSAR 図-1 PRISM日本域 晴天のシーン数 & 達成率 (2006.5.16∼2009.8.13) 雲量0%∼2% 日本域 東南アジア域 169万 図-2 996 (90%) 12259 (71%) 77万 図-3 344 (91%) 2956 (65%) 131万 図-4 雲量20%以下 日本域 東南アジア域 1093 16196 (99%) (94%) 図-1 図 376 (99%) 4316 (95%) PALSAR 陸域カバ 陸域カバー状況 状況 (シ (シーン数&達成率) ン数&達成率) 日本陸域 東南アジア陸域 図-2 PRISM全世界 377 (100%) 4527 (100%) 図-3 AVNIR-2全世界 図-4 PALSAR全世界 EORC Earth Observation Research Center PRISM, AVNIR-2校正(精度評価)結果 2009年7月1日現在 成果物 標準成果物 レベル1B2 PRISM 幾何精度 絶対精度 直下視 X方向 5.6m Y方向 5.3m AVNIR-2 距離 ((RMS)) 7.8m 5,499 GCPs, 586シーンにおける評価 4.9m 前方視 6.1m 7.8m 1,771 GCPs, 225シーンにおける評価 5.0m 後方視 7.1m 8.7m 幾何精度 絶対精度 X方向 Y方向 距離 (RMS) ポインティング0度 71.1m 7.5m 71.9m ポインティング+/-41.5度 60.9m 96.6m 114.2m 1,035 GCP, 54シーンにおける評価 相対精度(1σ) 3 3.4m 4m 7 7.7m 7m 8 5m 8.5m 4,839 GCPs, 525シーンにおける評価 相対精度(1σ) 3方向視共通 1.4m 1.8m 輝度(放射量)精度 (RMS) 絶対精度: AVNIR-2相当 相対精度: 0.4% (1DN)以下 高次成果物 DSM, ORI 2.4m DSM 高さ精度 輝度(放射量)精度 (RMS) 絶対精度: 3.2% (Band 1-3), 7.3% (Band 4) 相対精度: 0.4% (1DN)以下 ORI水平精度 Bias 1σ RMS 様々な土地被覆 -1.70m 4.92m 5.21m 森林域以外 -0.88m 0 88m 3.39m 3 39m 3 3.57m 57m DSM/ORI水平精度 1.34m (1σ, GCPあり) 2.50m (RMS, GCPなし) 7.40m (1σ, GCPあり) 8.16m (RMS, GCPなし) RMS (Root Mean Square (Error)) 二乗平均平方根(誤差):真値からの誤差量 1σ (Standard Deviation, STDEV) 標準偏差:平均値からの誤差量 *ALOS校正結果の最新情報は, http://www.eorc.jaxa.jp/hatoyama/satellite/data_tekyo_setsumei/alos_hyouka.html (日本語) Earth Observation Research Center EORC 「だいち」画像例:PRISM PRISM(プリズム)直下視画像 (2.5m解像度, (2 5m解像度 白黒, 白黒 35x35km, 35x35km 直下視) 2008年5月22日観測 ALPSMW123842890 EORC Earth Observation Research Center 「だいち」画像例:AVNIR-2 バンド1 バンド2 バンド3 バンド4 トゥルーカラー合成 (R,G,B=バンド3,2,1) EORC Earth Observation Research Center フォールスカラー合成 (R,G,B=バンド4,3,2) PRISM+AVNIR-2=パンシャープン画像 パンシャープン画像 (2.5m解像度, (2 5m解像度 疑似カラ 疑似カラー, 35x35km) 2008年5月22日観測 EORC Earth Observation Research Center AVNIR-2による土地被覆分類 カテゴリー 1 裸地, 砂地 Bare surface 2 水体 Water 3 都市 Urban 4 水田 Paddy 5 畑地 Crop 6 落葉樹 Deciduous forest AVNIR-2トゥルーカラー合成画像 AVNIR 2トゥルーカラー合成画像 2008年5月22日観測 (R,G,B=バンド3,2,1) 7 常緑樹 Evergreen forest AVNIR-2による土地被覆分類図 8 雪氷 Snow and ice 9 その他 other EORC Earth Observation Research Center 2方向から観測された画像 衛星の進行方向 後方視 直下視 標高が高い場合、後方視側は 遠くに倒れこんで写る EORC Earth Observation Research and Application Center 「だいち」(ALOS)搭載PRISMの立体視画像 PRISM(プリズム)直下視画像 PRISM(プリズム)後方視画像 ((2.5m解像度, 解像度, 白黒, 35x35km,, 直下視) 2008年5月22日観測 ALPSMW123842890 ALPSMB123842945 EORC Earth Observation Research Center PRISMによる地形情報抽出 衛星進行 行方向 後方視 直下視 前方視 標高によって観測される位置にずれが生ずる. ず ず これを合成すると… EORC Earth Observation Research Center PRISM:数値地表モデル(DSM) PRISM(プリズム)直下/後方視画像から 作成した数値地表モデル(DSM) (10m解像度), 解像度 2008年5月22日観測 観 EORC Earth Observation Research Center PRISM:数値地表モデル(DSM) PRISM(プリズム)直下/後方視画像から 作成した数値地表モデル(DSM) Earth Observation Research Center EORC (10m解像度), 2008年5月22日観測 PRISM/DSM+パンシャープン画像=カラー鳥瞰図 EORC PRISM/DSMとパンシャープン画像を Earth Observation Research Center 重ねた鳥瞰図, 2008年5月22日観測 地図作成・更新:PRISMで計測できる地形 数値地表モデル (Digital Surface Model, DSM) 数値標高モデル (Digital Elevation Model, DEM) 地面(地盤高) 楕円体高 標高 ジオイド高 ジオイド(重力場の高さ) 準拠楕円体 ディジタルでの「高さ」の表現:高さを白黒の濃淡で表す 9 数値標高モデル(Digital Elevation Model Model, DEM):地盤高を格納, DEM):地盤高を格納 地形図と 地形図と一致 致 9 数値地表モデル(Digital Surface Model, DSM):樹木や構造物の上端の高さを格納 「高さ」の定義: 9 標高:海の平均水面が0m, 標高:海の平均水面が0m 潮汐の影響を含まない, 潮汐の影響を含まない 地形図 9 楕円体高:地球の準拠楕円体からの高さ, 標高+ジオイド高 EORC Earth Observation Research Center 精度検証:PRISM数値地表モデル(DSM) 参照用DSMサイト (茨城県筑波山) 900m 0m Height Scale 参照用DSM ((セスナ206搭載Lidar)) +30m PRISM 3方向視観測によるDSM (35×35km) 0m -30m Height Scale PRISM DSM − Lidar DSM (8x8km) PRISM DSM (8x8km) EORC Earth Observation Research Center 精度検証:PRISM数値地表モデル(DSM) Site Terrain Mountainous Mt.Tsukuba & Flat Terrain Mountain top *) Mountain side *) Mountain valley *) Mountain ridge *) Paddy Paddy & Trees Village PRISM DSM − Lidar 統計値(フルシ 統計値(フルシーン) ン) GCP Points Bias [m] SD [m] RMSE [m] Max [m] 42 1287801 -1.70 4.92 5.21 PRISM DSM − Lidar 統計値(土地被覆別) Points Bias [m] SD [m] RMSE [m] Max 10000 -1.64 5.50 5.73 10000 -2.59 6.49 6.99 10000 -2 2.85 85 6 02 6.02 6 66 6.66 10000 -2.65 5.98 6.54 10000 -0.09 2.68 2.68 10000 -2.15 4.37 4.87 10000 -0 0.39 39 3 12 3.12 3 14 3.14 [m] 31 24 20 22 15 15 10 32 Min [m] -73 Min [m] -38 -37 -31 31 -55 -17 -32 -22 22 標高差ヒストグラム(8x8km) *) 山岳地域は全て森林を含む 8.0 RMSE Bias 7.0 6.0 解析・検証結果 - 高さ精度(フルシーン):4.92m (1σ), 5.21m (RMS) - 森林域を除く: 3.57m (RMS) •森林域はマイナスのバイアス誤差を含む •森林の境界部分は相関係数が森林域の外側で高 くなるため,高さ(標高)は低めに算出されてしまう =面積相関法の限界 5.0 meters 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 -1.0 -2.0 -3.0 3.0 Mountain Mountain Mountain Mountain top side valley ridge Paddy Paddy & Trees Village 土地被覆別の誤差分布 (青:RMSE, 紫:バイアス) EORC Earth Observation Research Center ●地図作成 ●土地利用 国土地理院と連携して、ALOSデータの地図利用を 推進。国土地理院においては、地形図の迅速な修正 にALOSデータを本格的に利用。 また、国土地理院は、ALOSを用いてケニアの地図 を試行的に作成したり、PCGIAP(アジア太平洋GIS 基盤常置委員会)等の場を活用するなど 海外での 基盤常置委員会)等の場を活用するなど、海外での ALOSデータ地図利用も今後推進していく予定。 ・環境省と連携して、植生把 握への利用を推進。 ・農水省と連携して、耕地把 握への利用を推進。 ・海上保安庁と連携して、海 氷把握への利用を推進 氷把握への利用を推進。 ・岩手大学と連携して、 産廃監視への利用を 推進。 国土地理院で、現在、 JICA研修生4名(バングラ ディッシュ、ブータン、モザン ビーク、ルワンダ)がALOS 地図利用を研修中。 ALOSデータから 作成された硫黄 島地形図©国 土地理院 ●災害把握 ●資源探査 国内防災機関 と連携して、防災 活動へのALOS データの利用を推 進。 経済産業省/ERSDACにおいては、ALOSデータの 資源探査への利用を推進。 オイルスリック 輪島市輪島崎町付近 18年8月10日 土砂崩れ 発生 19年3月28日 海底から油が滲み 出す場所(推定) メキシコ湾北部 ルイジアナ州沖 での実証実験地域 EORC Earth Observation Research Center 「だいち」による災害緊急観測 ∼観測から公開まで 「だいち」(ALOS) 「こだま」(DRTS, データ中継衛星) 被災地域 DRTS鳩山局 EOC (地球観測センター, (地球観測センタ 埼玉県比企郡鳩山町) 直接受信・鳩山局 DRTS筑波局 緊急観測要求 データ受信・記録, カタログ化, 標準処理 高次処理・解析研究 外部機関 レベル0データ オンライン伝送 標準処理ソフトウェア EORC (地球観測研究センター, (地球観測研究センタ つくば) (200Mbps) ・小型衛星試験棟サーバー室 高速ファイルサーバ(ディスク計100TB) 処理装置52台 (CPU4コア, メモリ8~16GB) ・管理棟運用室 運用室端末, 解析設備 レベル1データ レベル1デ タ パラメータ入力, マスク処理等 高次処理ソフトウェア 高次プロダクト 解析担当者 結果チェック, 図の作成・公開 PRISM/AVNIR-2 高次プロダクトの例 e四川省地震被災地の鳥瞰図 (パンシャープン画像, PRISM/DEM使用) EORC 岩手・宮城地震被災地(AVNIR-2)f Earth Observation Research Center 「だいち」による災害緊急観測とデータ提供実績 平成21年7月31日現在 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 総計 緊急観測件数 1 38 48 55 17 159 国内 0 10 6 10 4 30 海外 1 28 42 45 13 129 センチネルアジア 0 14 17 17 2 50 国際災害チャ タ 国際災害チャータ 1 13 28 31 5 78 提供システム(海外災害) 国内 海外災害 災害種類 対応 件数 主な災害例 主なデータ提出先 災害種別 地震 5 •能登半島地震(H19/3) •中越沖地震(H19/7) •岩手宮城内陸地震(H20/6) 警察庁、国土地理院、林 野庁、防衛省唐 国別対応(主要国) 洪水(78)、地震(17)、火山(11)、森林火災(5)、油 流出(9)、ハリケーン(5)、土砂崩れ(1)、その他(5) 流 ( )、 リ ( )、 砂崩 ( )、そ 他( ) 国名 件数 内訳 火山 8 •浅間山噴火(H21/2) •桜島噴火(H21/4) 桜島噴火(H21/4) 気象庁(火山予知連)等 海難事故 5 •福岡沖流木(H18/7) •宮城沖オイル流出(H19.4) 海上保安庁、自治体等 米国 9 洪水(4)、森林火災(1)、 ハリケーン(1)、竜巻(1) 気象 (洪水等) 11 •岐阜県西濃洪水(H20/9) •中国・九州北部豪雨(H21/7) 中国 九州北部豪雨(H21/7) 内閣府、自治体、国土交 通省等 ベトナム 8 洪水(7)、油流出(1) タイ 7 洪水(7) 山火事 1 •釜石市山火事(H20/4) JAXA チリ 5 洪水(1)、火山(3)、油流出(1) 合計 30 中国 4 洪水(1)、地震(3) バングラディシュ 4 洪水(4) オーストラリア 4 洪水(2)、森林火災(1)、油流出(1) インドネシア その他の国、地域 計 18 洪水(8) 火山(11) 地震(6) 洪水(8)、火山(11)、地震(6) 70 (47の国・地域) EORC 129 Earth Observation Research Center 災害における衛星観測データの利用 衛星観測の特長を活かした「夜間・悪天候時の観測」、「広域の観 測」、「繰り返しの観測」により得られた情報を防災活動に提供する。 航空機やヘリコプタ等による情報収集を補い、防災活動に貢献 予防・減災/事前準備 災害発生! 災害応急対応 復旧・復興 防災活動のサイクル 衛星が提供できる が提供 情報 左記に基づく 基づ 対応活動 火山 地すべり危険地 火山・地すべり危険地 域モニタ、地形図修正 情報など 【広域、繰り返し】 防災計画の策定、ハ ザードマップの更新 家屋被害、道路・鉄道 被害、火災・浸水など の状況 【夜間・悪天候、広域】 救助活動・避難ルー ト・救助隊集結・ヘリ 発着場所確保、交通 規制 復興進捗状況、火山変 化、土地利用状況など 、 用 【広域、繰り返し】 二次災害の防止、復 旧・復興対応の検討 EORC Earth Observation Research Center データ利用例:災害状況把握(国内地震) 平成20 平成 20年 年6月 岩手・宮城内陸地震への対応 岩手 宮城内陸地震 の対応 JAXAは地震発生後、 災害発生前の衛星地形図を2時間半で内閣府に配信。そ の後、内閣官房、防衛省、警察庁等へも配布し、各機関において現地の地理情 機 報把握、総合判断等に活用された。 地震発生翌日から、上記機関並びに自治体(岩手県、宮城県)等に発災後の現 地を撮像したAVNIR-2画像やこれに基づく衛星地形図の提供を開始し 被災地 地を撮像したAVNIR-2画像やこれに基づく衛星地形図の提供を開始し、被災地 の位置、規模の把握に使用された。 EORC Earth Observation Research Center データ利用例:政府防災訓練(内閣府等) EORC 政府防災訓練( 2007年9月1日)にて利用 Earth Observation Research Center 世界の災害も観測 四川大地震 ミャンマーサイクロン ハリケーン グスタフ カリフォルニア山火事 EORC Earth Observation Research Center 33 データ利用例:大雨にともなう土砂災害(九州・中国地方) Image comparison in same area: Jun. 14, 09 (before) – Jul. 30, 09 (after) Emergency observations by PRISM and AVNIR AVNIR-2 2 on July 30, 2009 - Third times by AVNIR-2 (July 23, 27, and 30), and the first time by PRISM (July 30, 2009) - Image comparison between before and after disaster, disaster and many land slides could be identified as shown in red colors - 3D view was generated combining PRISM DSM with panEarth Observation Research Center sharpened image EORC データ利用例:ブータン・ヒマラヤ氷河湖決壊洪水(GLOF) PRISM/AVNIR-2パンシャープン画像とPRISM/DSMによるブータン・ルナナ地方の氷河湖の鳥瞰図 - 高山氷河の融解にともなう氷河湖形成:地球温暖化の影響か? - ブータン, ネパールなどヒマラヤ地方が顕著 - 氷河湖決壊洪水(GLOF)が深刻な問題となっている → PRISM DSMを用いた氷河湖モニタリングはJICA/JST「地球規模課題対応国際科学技術協力事業」 Earth Observation Research Center (科学技術外交)で採択,研究実施中 EORC 「だいち」後継機:ALOS-2 陸域観測技術衛星2号 (ALOS-2) 運用軌道 種類 太陽同期準回帰軌道 高度 約630km LST 12:00(正午) 降交軌道 5年 設計寿命 進行方向 地球方向 時期 平成24∼25年度頃 ロケット H-2A 質量 2トン級 パドル 2翼パネル 打上 衛星 ミッションデータ伝送 直接伝送およびデータ中継衛星経由 びデ 観測センサ 合成開口レーダ(SAR) SAR周波数 Lバンド(1 2GHz帯) Lバンド(1.2GHz帯) 主な 観測モード 観測モ ド ALOS-2軌道上概観図 高分解能 分解能:1∼3m、観測幅:25km 基本観測 分解能:3m、観測幅:50km 広域観測 分解能:100m、観測幅:350km 地殻変動、火山モニタ、地表の変化抽出 主な利用用途 海 海氷、河川、森林、耕地などのモニタ等 森林 耕地など タ等 EORC Earth Observation Research Center 「だいち」後継機:ALOS-3 陸域観測技術衛星3号 (ALOS-3) 運用軌道 種類 太陽同期準回帰軌道 高度 約620km LST 13 30(正午) 降交軌道 13:30(正午) 5年 設計寿命 時期 平成25∼26年度頃想定 ロケット H-2A 質量 2トン級 パドル 2翼パネル 打上 衛星 ALOS-3軌道上概観図 ミッションデータ伝送 直接伝送およびデータ中継衛星経由 観測センサ 光学センサ 観測性能 パンクロ 分解能0.8m, 観測幅50km マルチ 分解能5.0m, 観測幅90km ハイパー 分解能30m, 観測幅30km 地殻変動 火山モニタ 地表の変化抽出 地殻変動、火山モニタ、地表の変化抽出 主な利用用途 海氷、河川、森林、耕地などのモニタ等 EORC Earth Observation Research Center まとめ 本発表では,陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による災害緊急観測対応を 本発表では 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による災害緊急観測対応を 中心に,「だいち」の概要および状況,衛星データの高次処理について紹介した. 1) 日本における宇宙開発は,国家戦略として決定された宇宙基本計画に 日本における宇宙開発は 国家戦略として決定された宇宙基本計画に 沿って進められる.これまでの技術開発主体から利用ニーズ主体になる 2) 安全・安心で豊かな社会を実現するために,国家基幹技術の一つとして 人工衛星による地球観測の重要性は高まる 3) 「だいち」はこの先駆けと言え,着実な精度管理が基礎となる 4) 災害監視においても重要な役割 5) ALOS-2, ALOS-3の時代には利用用途が確実に広まる 「だいち」詳細は, ¾ JAXA/EORC : 最新画像,観測計画,技術情報等 p j jp http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/index.htm EORC Earth Observation Research Center