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「現代日本人のライフスタイル 2004」調査結果の要約

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「現代日本人のライフスタイル 2004」調査結果の要約
「現代日本人のライフスタイル 2004」調査結果の要約
<調査の概要>
「現代日本人のライフスタイル 2004」調査では、結婚や子育て、就労意識や老
後の生活など多角的な視点から、日本人のライフスタイルの現状を探った。
調査は 2004 年 12 月 10 日(金)から 12 日(日)の 3 日間、全国の 16 歳以上の
男女 3,600 人(住民基本台帳から層化無作為二段抽出)を対象に個人面接法で
実施し、51.1%にあたる 1,838 人から有効回答を得た。今回と同様のテーマを
扱った調査を 94 年にも実施している。質問文の一部はそのときと同じものを用
いたので、10 年間の意識の変化を比較することができる。
1.
男女ともに若者の7割以上が「必ずしも結婚しなくてもよい」
結婚に対して《するのが当然》か《しなくてもよい》か、どちらの考えに近い
か聞いたところ、
《しなくてもよい》は 10 年間で 50%から 55%にやや増加した。
特に若年層(16~29 歳)では、男性は 58%から 72%に増加した。若年層では
男女ともに7割以上が結婚は《しなくてもよい》と考えていることがわかった
(図1、図2)。
図1 結婚観について(男性年層別)
図2 結婚観について (女性年層別)
%
%
100
100
90
80
90
81
80
72
70
70
75
60
58
41
40
30
20
73
69
78
60
60
50
79
63
50
54
50
48
35
40
33
20
20
21
17
10
40
30
10
0
19
23
27
15
0
16~29歳
30~59歳
1994年:結婚は《するのが当然》
2004年:結婚は《するのが当然》
16~29歳
60歳以上
1994年:結婚は《しなくてもよい》
2004年:結婚は《しなくてもよい》
30~59歳
1994年:結婚は《するのが当然》
2004年:結婚は《するのが当然》
60歳以上
1994年:結婚は《しなくてもよい》
2004年:結婚は《しなくてもよい》
2. 結婚のプラス面は「子どもや家族を持てること」、
マイナス面は「自由がなくなること」
結婚することにどのようなプラスの面があると思うか、選択肢から3つまで
選んでもらった(図3)。最も多かったのは「子どもや家族を持てる」(64%)、
次いで「心のよりどころが得られる」
(50%)、
「夫婦で互いに高めあい、人間と
1
して成長できる」
(41%)と続いた。家庭を築き、そこで得られる経験を肯定的
に捉えていることが読みとれる。
一方、結婚することにどのようなマイナス面があるか、3つまで選んでもら
った(図4)。特に多かった回答は「自由に使える時間が少なくなる」(48%)、
「自分の思い通りの気ままな生活ができなくなる」
(42%)だった。時間や生活
面で自由がなくなることが結婚のマイナス面と考えられている。
図4 結婚のマイナス面(3つまで複数回答)
図3 結婚のプラス面(3つまで複数回答)
子どもや家族を持てる
64
心のよりどころが得られる
自分の思い通りの
気ままな生活ができなくなる
50
夫婦で互いに高めあい、
人間として成長できる
41
好きな人と一緒に生活できる
42
29
自由に使えるお金が少なくなる
37
社会的信用が得られる
48 %
自由に使える時間が少なくなる
%
家事・育児の負担が増える
25
29
19
家族扶養の責任がある
経済的に安定する
16
老後の面倒をみてもらえる
11
親から独立できる
3.
異性との交際が自由にできない
6
親や周囲の期待にこたえられる
18
自分の親や家族と疎遠になる
8
家事の負担が減り、
生活の上で便利になる
特にプラスの面はない
親せきや地域の人との
付き合いが増える
結婚することで
恋愛関係が続かなくなる
5
2
5
4
3
特にマイナスの面はない
18
結婚相手の条件の第1位は、「性格・価値観があうこと」
結婚相手の理想の条件を3つまで選んでもらったところ、男性回答の第1位
は「性格・価値観があうこと」(59%)、第2位は「家事・育児に対する能力や
姿勢があること」
(44%)、第3位は「自分の仕事に対する理解があること」
(36%)
だった。一方、女性回答の第1位は「性格・価値観があうこと」(66%)、第2
位は「人間として尊敬できること」(54%)、第3位は「勤務する会社や収入が
安定していること」(36%)だった。日本社会の現状として、「男は仕事、女は
家庭」という性役割分担の意識が残っていることが読みとれる(図5)。
図5 理想の結婚相手の条件(3つまで複数回答)
59 %
66
性格・価値観があう
家事・育児に対する能力や姿勢がある
自分の仕事に対する理解がある
収入が高い
身長や容姿が好みである
学歴が高い
44
18
21
3
12
9
2
1
2
6
勤務する会社や収入が安定
36
4
4
きちんとした家柄である
自分と年齢がつりあう
8
男性回答
10
17
目標や夢がある
女性回答
21
27
人間として尊敬できる
10
10
自分を束縛しない
家庭第一である
特に重視することはない
36
2
1
26
15
2
54
4.
9割の人が「子どもを持つことで得られるものは大きい」
子どもを持つことで得られることと負担とでは、どちらが大きいか聞いたと
ころ、「得られるもののほうが大きい」が 63%、「どちらかというと得られるも
ののほうが大きい」が 27%で、およそ9割の人が「得られるものは大きい」と
答えている(図6)。
図6 子どもをもつ評価
わからない、無回答
4%
負担が大きい
2%
どちらかというと
負担が大きい
5%
どちらかというと
得られるものが大きい
27%
5.
得られるものが大きい
63%
理想の就職先の条件、第1位は人間関係のよい職場
理想の就職先の条件を3つまで選んでもらった結果、最も割合が高かったの
は「職場の雰囲気がよいこと」
(48%)で、
「仕事の内容が面白そうであること」
(40%)、
「給料が高いこと」
(37%)、
「自分の専門性が発揮できること」
(37%)
などが続いた(図7)。
図7 理想の就職先の条件(3つまで複数回答)
48%
職場の雰囲気がよいこと
40
仕事の内容が面白そうであること
給料が高いこと
37
自分の専門性が発揮できること
37
22
知識や技能を身につけることができること
21
会社の業務内容に将来性があること
16
正規の従業員として採用されること
社会に対する貢献度が高いこと
14
会社が倒産する可能性が少ないこと
14
とくにない
5
3
6.
男性の育児休業や“主夫”への抵抗感は年層によって大きな差
「男性の育児休業」、「男性の家事専念」、「女性の上司」について、抵抗感があ
るかどうかを男性にたずねた。この中で「抵抗がある」と答えた人が多かった
のは「男性の家事専念」で 64%を占めた。また、全ての質問で若い人ほど「抵
抗感はない」と答える人が多く、特に家事専念では若年層(16~29 歳)では「抵
抗はない」が 52%と半数を上回ったのに対し、中年層(30~59 歳)では 59%、
高年層(60 歳以上)では 82%の人が「抵抗がある」と回答している(図8)。
図8 男性の家事専念に対する抵抗
すこし抵抗がある
まったく抵抗はない
あまり抵抗はない
かなり抵抗がある
男性全体
7.
53
29
10
30
30
29
30~59歳
22
21
21
16~29歳
60歳以上
28
36%
29
10
22
9
5
サラリーマンの業績評価、成果主義肯定が全体で半数を超える
サラリーマンの業績評価における最近の成果主義の導入について、どのよう
に考えているのか質問をした。「成果主義」をのぞましいと考える人(「どちらか
というと」を含む)の割合が 54%を占め、半数を超えた。これに対して、「年功
主義」をのぞましいと考える人の割合は 39%にとどまった(図9)。
図9 成果主義か年功主義か
わからない、無回答
7%
年功主義
16%
成果主義
30%
どちらかといえば、
年功主義
どちらかといえば、
23%
成果主義
24%
4
8.
雇用に関する不安感が強い男性
雇用に対する不安感について3つの質問をした。
「不安を感じる」
(「ときどき
感じる」を含む)の割合は、
「収入減少の可能性」では男性 69%、女性 58%(図
10)。
「会社の倒産の可能性」では男性 33%、女性 20%(図 11)
。
「リストラされ
る可能性」では男性 37%、女性 31%を占めた(図 12)
。全ての質問で男性が女
性を上回り、男性のほうが自分自身の雇用状況に対して不安感を抱いているこ
とがわかった。
図10 収入減少の可能性
あまり感じない
感じる
質問対象者全体
男性
女性
ときどき感じる
感じない
34 %
30
23
38
31
21
29
29
11
8
25
14
図11 会社の倒産の可能性
図12 リストラされる可能性
感じる
ときどき感じる
感じる
質問対象者
全体
男性
あまり感じない
21
7%
8
女性
9.
35
25
5
34
15
33
感じない
質問対象者
全体
34
男性
29
41
女性
11%
11
ときどき感じる
23
26
11
20
あまり感じない
34
34
34
国民全体の 7 割が、老後の暮らしに不安感
老後の暮らしにどの程度の不安を感じているかを聞いたところ、「非常に不安
がある」が 20%、「少し不安がある」が 51%を占め、不安を感じていると答えた
人の割合は、両者を合わせて 71%に上った(図 13)。
5
感じない
29
26
31
図13 老後の生活に対する不安
わからない、無回答
3%
まったく
不安がない
5%
非常に
不安がある
20%
あまり
不安がない
21%
少し不安がある
51%
10.
幸福感を感じるための条件は、心をなごませる家族
人びとが幸福感を感じるためには何が重要なのだろうか。様々な幸福の条件
をあげて、1番目に重要だと思われるもの、2番目に重要だと思われるものを、
それぞれ答えてもらった。最も多く選ばれたものは、「心をなごませる家族」で、
1番目が 46%、2番目が 22%となり、両者を合わせて 68%を占めた。次に多
く選ばれたものは「経済的な余裕」で、1番目(32%)と2番目(22%)を合わ
せて 54%となっている(図 14)。
図14 幸福感を得るための条件
1番目
2番目
46%
心をなごませる家族 32
経済的な余裕 9
やりがいのある仕事 余裕のある時間 5
充実した趣味 4
快適な住居 3
22
22
15
16
13
7
社会的地位 2
その他 1
なお、この「現代日本人のライフスタイル 2004」調査ついては、『放送研究と
調査』(日本放送出版協会)の 2005 年5月号に結果分析の報告を掲載。
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