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2 本県の現状
本県の「いま」 2 本県の現状 第1章 (1)本県の「いま」 人口減少 ここをチェック 急激な人口減少に直面 第2章 死亡数が出生数を上回る自然減と転出者数が転入者数を上回る社会減が同時に進行 若年女性の減少が少子化に拍車 高齢化の進行 ■人口の推移 本県の人口は2000(平成12)年9月に月別でのピークを迎え、その後減少に転じ、近年では年間5千人 以上の減少を記録しています。 現状のままで推移した場合、2040(平成52)年の総人口は約66万6千人になると推計されています。 第3章 年齢を3区分に分けた場合の人口の推移を見ても、特に年少人口(15歳未満)、生産年齢人口(15~ 64歳)の減少が著しく、高齢者人口の増加が顕著です。 ①人口の推移 (万人) 総人口 100 年少人口 生産年齢人口 高齢者人口 2000年9月:895,646人 90 第4章 80 2010年:863,075人 70 60 50 1920年:583,453人 2040年(推計) :666,155人 40 30 附属資料 20 10 0 1920 1935 1950 1965 1980 1995 2010 2025 2040 2055 2060(年) 出典:①総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2013年3月推計)」 17 第2章 時代の潮流と本県の現状 ■人口動向分析 本県の人口は、自然減と社会減が同時に進行しています。 ②人口の自然増減数・社会増減数の推移 増減(人) 6,000 総増減数 自然増減数 4,000 社会増減数 増減(人) 6,000 総増減数 2,000 自然増減数 4,000 社会増減数 0 1985 1990 1995 2000 2005 2010 -4,000 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2,000 2014(年) -2,000 −2,564人 0 2014(年) −3,692人 -2,000 -6,000 −2,564人 −6,256人 −3,692人 -4,000 -8,000 -6,000 −6,256人 -8,000 死亡数が増加傾向にある一方、出生数は減少傾向にあり、2004(平成16)年には死亡数が出生数を (人) 上回りました。 12,000 1985年 ③出生数・死亡数の推移 2014年 死亡:9,755人 出生:9,843人 10,000 (人) 12,000 8,000 1985年 10,000 2014年 死亡:9,755人 出生:9,843人 6,000 2014年 出生:6,063人 8,000 1985年 死亡:6,213人 4,000 6,000 2,000 1985年 死亡:6,213人 出生 死亡 2014年 出生:6,063人 4,000 0 2,000 0 1985 1988 出生 1991 死亡 1994 1997 2000 2003 2006 2009 2012 2014(年) 1985 1988 1991 1994 1997 2000 2003 2006 2009 2012 2014(年) 出典:②厚生労働省「人口動態統計」、総務省「住民基本台帳人口移動報告」、③厚生労働省「人口動態統計」 18 本県の「いま」 晩婚化や出生率の低下などにより、自然減が今後も進行することが見込まれます。 第1章 ④初婚年齢の推移 (歳) 32 (歳) 夫 32 夫 30 30 (歳) 28 32 28 26 30 26 31.1歳 妻 29.3歳 27.5歳 29.3歳 31.1歳 27.5歳 夫 25歳 27.5歳 25歳 1975 1975 1980 1980 妻 1985 1985 1990 1995 2000 2005 2010 29.3歳 2014(年) 1990 1995 2000 2005 2010 2014(年) 1990 1995 2000 2005 2010 第2章 24 28 24 31.1歳 妻 2014(年) 26 ⑤合計特殊出生率の推移 2.0 2.0 24 1.5 25歳 1.98 1975 1.98 1980 1985 1.43 1.5 1.0 2.0 1.0 0.0 1.0 0.0 1.98 第3章 0.5 1.5 0.5 1.43 1.43 1975 1975 1980 1980 1985 1985 1990 1990 1995 1995 2000 2005 2000 2005 2010 2010 2014(年) 2014(年) 0.5 転入 ・転出の状況を見ますと、いわゆるITバブル崩壊後2001(平成13)年から一貫して県外への転出 0.0 (人) 1975 1980 1985 1990 1995 が超過している状況が続いていることがわかります。 2000 2005 2010 2014(年) 20,000 (人) 20,000 2014年 転出 :14,593 人 2014 年 18,000 (人) 16,000 転出:14,593人 20,000 16,000 14,000 18,000 14,000 転入 転入 12,000 16,000 12,000 10,000 14,000 1985 10,000 転出 2014年 転出:14,593人 転入:12,029人 転出 転入:12,029人 1990 1990 転入 1995 1995 転出 2000 2000 2005 2005 12,000 10,000 2010 2010 2014(年) 2014(年) 附属資料 1985 第4章 ⑥転入数・転出数の推移 18,000 転入:12,029人 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2014(年) 出典:④⑤厚生労働省「人口動態統計」、⑥総務省「住民基本台帳人口移動報告」 19 第2章 時代の潮流と本県の現状 年齢別では、20歳代で大きく転出超過となっており、東京圏への転出が目立ちます。 ⑦年齢別人口移動の状況(2013年) (人) 500 (人) 500 0 0 -500 -500 20歳代合計 −2,405人 -1,000 20歳代合計 −2,405人 -1,000 -1,500 転入者数−転出者数 -1,500 29 25 34 30 39 35 44 40 49 45 54 50 59 55 64 60 69 65 74 70 79 75 84 80 89 85 90 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84 89 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳∼ 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳以上 歳以上 24 20 ∼ 19 15 ∼ 14 10 ∼ 90 ∼ 85 ∼ 転入者数−転出者数 60 65 70 75 80 ∼ 55 ∼ 50 ∼ 45 ∼ 40 ∼ 35 ∼ 30 ∼ 25 ∼ 20 ∼ 15 ∼ 10 ∼ 歳∼9 歳 5∼95 -2,000 0∼40 歳∼4 歳 -2,000 進学や就職を契機に東京圏へ転出する傾向が強く、本県産業を担う人材が定着していません。 (人) ⑧地域別人口移動の状況 (2013年) 200 (人) 200 -200 -200 -600 -600 -1,000 -1,000 九州 九州 四国 四国 中国 中国 転入者数−転出者数 関西 関西 中部 中部 20 神奈川神奈川 千葉 千葉 埼玉 埼玉 出典:⑦⑧総務省「住民基本台帳人口移動報告」 東京都東京都 東京都 −1,253人 北関東北関東 東北 東北 -1,400 北海道北海道 -1,400 転入者数−転出者数 東京都 −1,253人 本県の「いま」 ■人口構造の変化 100年前の本県の人口は60万人弱でしたが、当時と比べて高齢者人口(65歳以上)の比率は大幅に 第1章 上昇するとともに、20~30歳代の若年女性の減少が少子化傾向に拍車をかけています。人口の年 齢構成の変化が与える甚大な影響が危惧されます。 ⑨人口ピラミッドの変化 (歳) 100∼ (歳) 95∼99 100∼ 90∼94 95∼99 85∼89 90∼94 80∼84 85∼89 第2章 75∼79 80∼84 70∼74 75∼79 65∼69 70∼74 60∼64 65∼69 55∼59 60∼64 50∼54 55∼59 45∼49 50∼54 40∼44 45∼49 若年女性(20∼39歳):28.5% 若年女性(20∼39歳):28.5% 35∼39 40∼44 30∼34 35∼39 25∼29 30∼34 20∼24 25∼29 第3章 15∼19 20∼24 10∼14 15∼19 5∼9 10∼14 0∼4 5∼9 男 男 0∼4 1965年 1965年 女 女 (歳) 100∼ (歳) 95∼99 100∼ 90∼94 95∼99 第4章 85∼89 90∼94 80∼84 85∼89 75∼79 80∼84 70∼74 75∼79 65∼69 70∼74 60∼64 65∼69 55∼59 60∼64 50∼54 55∼59 45∼49 50∼54 40∼44 45∼49 35∼39 40∼44 30∼34 35∼39 15∼19 20∼24 10∼14 15∼19 男 男 5∼9 10∼14 0∼4 5∼9 0∼4 2010年 2010年 附属資料 25∼29 30∼34 20∼24 25∼29 若年女性(20∼39歳):21.4% 女 若年女性(20∼39歳):21.4% 女 出典:⑨総務省「国勢調査」 21 第2章 時代の潮流と本県の現状 ■県民の意識 県民にアンケートを行った結果、人口確保策として行政が取り組むべき施策には「県内企業の発展 による雇用の場の確保」 、 「子育てしやすい環境づくり」を多くの人が挙げました。 結婚に関して、 1年以内に結婚する場合の最大の障害を未婚者に尋ねたところ、 「結婚資金」、 「将 来の生活資金」など経済的事由を挙げた人が半数を超えました。 県外の大学等に在籍あるいは既に卒業している25歳以下の山梨県出身者のうち、半数の人が県内 に戻って就職・進学する希望があります。また、Uターンを希望しない人の半数が「就職先がない」 ことを理由に挙げています。 ⑩県民の意識 a 行政が取り組むべき人口確保策(未婚者) 1位 県内企業の発展による雇用の場の確保 45.1% 2位 子育てしやすい環境づくり 44.8% 3位 中心市街地の活性化 26.9% b 行政が取り組むべき人口確保策(既婚者) 1位 子育てしやすい環境づくり 55.0% 2位 県内企業の発展による雇用の場の確保 44.2% 3位 大学・企業等の誘致 26.8% c 1年以内に結婚する場合の最大の障害 1位 結婚資金 29.8% 2位 将来の生活資金 24.3% 3位 学校や学業上の問題 11.5% d 山梨県内での就職・進学の希望(県外の学校在籍・卒業の本県出身者) 希望する 50.7% 希望しない 21.1% 希望しない理由(複数回答) 1位 山梨県内に希望する就職先がないから 52.1% 2位 やりたいことが山梨県内ではできないから 41.7% 3位 山梨県外に希望する就職先があるから 山梨県内で生活する魅力がないから 視野や知識を広げたいから 22.9% (同率) 【調査概要】 ■a,b,c「山梨県結婚・出産・子育て等に関する県民アンケート調査」:山梨県に在住する18歳以上35歳未満の未婚男女及び50 歳未満の夫婦(対象:妻)各約3,000人を無作為抽出し、2015年5月1日~15日の期間に郵送により回答を依頼した。 ■d「学校卒業後の進路等に関するアンケート調査」:山梨県外の大学、短期大学及び専門学校に在籍あるいは既に卒業してい る25歳以下の山梨県出身者を対象に、2015年6月15日~29日の期間にWebアンケートを行い、227人から回答を得た。 出典:⑩a,b,c「山梨県結婚・出産・子育て等に関する県民アンケート調査」 (2015年5月実施) d「学校卒業後の進路等に関するアンケート調査」 (2015年6月実施) 22 本県の「いま」 産 業 第1章 ここをチェック 機械電子産業を中心とした産業構造 製造業の企業撤退等による事業所数の減少 本県の特色ある地場産業も出荷額が減少 農林業において生産品目等の構成が変化1次産業 農林業の担い手の減少 18% 3次産業 49% 1次産業 18% 3次産業 2次産業 33% ■産業構造の変化 第2章 49%年 1980 観光客は増加傾向にあるものの、日帰り客が多く圏域間で偏在 1980年 2次産業 33% 中央自動車道全線開通前と現在の本県の産業構造を比較すると、就業者割合では第1次産業が低 下する一方、第3次産業が大きく上昇していることがわかります。 ①産業別就業者割合の変化 1次産業 7% 1次産業 7% 第3章 1次産業 18% 3次産業 49% 2010年 1980年 2次産業 33% 3次産業 62% 2次産業 29% 2010年 2次産業 29% 3次産業 62% (分類不能 2%) (分類不能 2%) 第4章 また、生産額等では、農産物の生産額は縮小し、製造品の出荷額は倍以上に増加しました。 1次産業 7% ②産業別生産額(出荷額・販売額)の変化 農業生産額 2010年 8,142億円 1兆104億円 902億円 2兆2,159億円 902億円 2兆2,159億円 附属資料 3次産業 62% 1,157億円 製造品出荷額 年間商品販売額 2次産業 農業生産額 製造品出荷額 年間商品販売額 29% 1,157億円 % (分類不能 8,142 億円 2 ) 1兆5,697億円 1兆104億円 1979年 2011年 1979年 1兆5,697億円 2011年 出典:①総務省「国勢調査」、②「作物統計調査」、経済産業省「工業統計調査」 「商業統計調査」、総務省「経済センサス」 農業生産額 製造品出荷額 年間商品販売額 902億円 23 第2章 時代の潮流と本県の現状 ■製造業 本県では、機械電子産業が製造業の中心となっており、製造品出荷額等全体に占める割合は 1979(昭和54)年の46%から2011(平成23)年には66%にまで拡大しています。 ③産業別製造品出荷額等の割合の変化 2011年 1979年 機械電子産業 46% 食料 繊維 木材 家具 紙製品 印刷 化学 石油・プラ ゴム 皮革 窯業 鉄鋼 非鉄 金属 機械 電子 電機・情通 輸送用 機械電子産業 66% その他 機械電子産業:製造業の中分類別のうち、はん用機械器具、生産用機械器具、業務用機械器具、電子部品・デバイス・電 子回路、電気機械器具、情報通信機械器具及び輸送用機械器具の製造業を合計したもの ただし、景気後退や経済のグローバル化の影響を受け、近年、企業の撤退等により事業所数の減 少が続いています。 ④製造業事業所数の推移 6,000 5,640事業所 5,448事業所 5,500 4,964事業所 5,000 4,500 4,000 2006年 2009年 出典:③経済産業省「工業統計調査」、総務省「経済センサス」 ④総務省「事業所・企業統計調査」 「経済センサス」 24 1.09 2012年 4,964事業所 5,000 本県の「いま」 4,500 4,000 有効求人倍率は2009(平成21)年度を境に上昇していますが、 全国平均に比べて回復の速度は緩や 2006年 2012年 2009年 かです。 第1章 ⑤有効求人倍率の推移 1.09 1.00 0.93 第2章 0.50 全国 0.00 2005 2006 山梨 2007 0.43 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014(年度) 第3章 第4章 附属資料 出典:⑤厚生労働省山梨労働局「山梨県の労働市場の動き」 25 第2章 時代の潮流と本県の現状 ■地場産業 県内の地場産業に目を向けると、ワインを含む果実酒の出荷額は、ここ数年150億円前後で推移して いますが、貴金属・ジュエリーの出荷額は10年間で200億円ほど減少しました。 主に富士北麓地域で盛んな織物の生産額は2002(平成14)年の130億円から2010(平成22)年には 70億円に落ち込みましたが、その後持ち直しています。 ⑥地場産品出荷額(生産額)の推移 (百億円) 6 529億円 貴金属・ジュエリー出荷額 5 果実酒出荷額 織物生産額 (百億円) 4 6 529億円 313億円 貴金属・ジュエリー出荷額 3 5 2 4 1 3 0 2 1 果実酒出荷額 織物生産額 190億円 149億円 313億円 130億円 2002 81億円 70億円 190億円 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 (年) 2012 149 2013 億円 130億円 ■農林業 81億円 70億円 0 主要農産物の生産額は、1978(昭和53)年に1,300億円を超えましたが、現在は900億円前後で推移し 14 ています。1960年代後半以降果実の生産が大幅に増加するとともに、1980年代に蚕繭の生産が減 米・麦等 2002 (百億円) 12 10 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年) 1978年: 1,312億円 少し、作物別の構成が大きく変化しました。 果実 野菜 ⑦主要農産物生産額の推移 特産農作物 2013年: 910億円 (百億円) 14 8 畜産物 米 ・麦等 1978年: 1,312億円 蚕繭 果実 12 6 その他 野菜 特産農作物 10 4 2013年: 910億円 1965 4 蚕繭 その他 1976 1987 1998 2009 2013(年) 1976 1987 1998 2009 2013(年) 2 0 1965 出典:⑥経済産業省「工業統計調査」、山梨県富士工業技術センター「織物生産概況」、⑦山梨県農政部資料より 26 花き 畜産物 8 2 6 0 花き 本県の「いま」 現在、果実の生産額が最も多く、特に全国第1位の収穫量を誇るぶどう、もも、すももに、さくらんぼ を加えた果実の生産額が大勢を占めています。 第1章 ⑧果実生産額の推移 (億円) ぶどう 500 もも さくらんぼ すもも 400 ぶどう: 272億円 その他 (億円) 300 500 第2章 ぶどう もも さくらんぼ 200 400 すもも ぶどう: もも: 272億円 160億円 その他 100 300 さくらんぼ: 33億円 0 200 1988年 1965年 すもも: 26億円 第3章 2013年 もも: 160億円 100 木材の生産量は、2000年代初頭まで減少が続き、現在では木材チッ プ等の需要に支えられ回復傾 さくらんぼ: 33億円 生産量 蓄積量 すもも: (千万 m ) (十万 m ) 向にあるものの、 1960年代に比べ少ない状況です。一方、県内の森林は、順次、建築材としての利用 26億円 3 0 1965年 合板用 が可能となる伐採期を迎えており、 森林蓄積量が年々増加しています。 3 生産:63万m1965 1988年 年 木材チップ 6 3 7 2013年 6 パルプ用 2013年 蓄積:6,987万m3 ⑨用途別木材生産量・森林蓄積量の推移 製材用 5 生産量 (十万 m3) 4 7 合板用 木材チップ 6 3 パルプ用 2013 年 2013 年 3 蓄積生産 :6,987 :15万m 万m3 製材用 5 2 4 1 蓄積量 (千万 m3) 森林蓄積 1965年 生産:63万m3 1965年 蓄積:2,156万m3 その他用 森林蓄積 6 3 5 2 4 1 3 0 3 0 1965 1973 1981 1989 1997 2005 2 2013 年 (年) 2013 生産:15万m3 2 1965年 蓄積:2,156万m3 附属資料 1 5 第4章 4 その他用 1 0 0 1965 1973 1981 1989 1997 2005 2013(年) 出典:⑧山梨県農政部資料より、⑨「山梨県林業統計書」 27 第2章 時代の潮流と本県の現状 農林業とも担い手不足の問題は深刻で、農家では2000(平成12)年に対して2010(平成22)年は86% となり、林業経営体数は2005(平成17)年からの5年間で67%となっています。 ⑩農家戸数の推移 42,741戸 42,741戸 (戸) (戸) 40,000 40,000 39,721戸 39,721戸 16,261戸 16,261戸 36,805戸 36,805戸 17,192戸 17,192戸 30,000 30,000 16,762戸 16,762戸 20,000 20,000 26,480戸 26,480戸 10,000 10,000 0 0 22,529戸 22,529戸 2000年 2000年 20,043戸 20,043戸 2005年 2005年 2010年 2010年 ⑪林業経営体数の推移 1,200 1,200 1,082 1,082 1,000 1,000 800 800 726 726 600 600 400 400 200 200 0 0 2005年 2005年 林業経営体:所有する森林で林業を行う者及び、委託又は立木を購入して林業を行う者 ※2000年は「農林業センサス」において林業経営体数の調査を行っていない。 出典:⑩⑪農林水産省「農林業センサス」 28 2010年 2010年 自給的農家 自給的農家 販売農家 販売農家 本県の「いま」 農業就業人口のうち、65歳以上の占める割合は、2010(平成22)年には約67%となり、高齢化が進行 しています。 第1章 ⑫農業就業人口と65歳以上の割合の推移 (万人) 6 5 65歳未満 65歳以上 47,694人 (万人) 6 4 65歳未満 65歳以上 33,271人 47,694人 3 第2章 5 40,883人 40,883人 4 33,271人 2 3 1 65歳以上 55% 65歳以上 60% 65歳以上 2000年 55% 65歳以上 2005年 60% 65歳以上 67% 2 0 2010 年 65 歳以上 67% 第3章 1 また、耕作放棄地の面積は、近年減少傾向が見られますが、全耕作面積の2割を占め、依然として 0 (ha) 2000年 高い水準にあります。 2005年 4,000 2010年 ⑬耕作放棄地面積の推移 3,118ha (ha) 3,000 4,000 2,641ha 第4章 3,118ha 2,000 3,000 2,641ha 1,000 2,000 0 1,000 2000年 2005年 2010年 1995年 2000年 2005年 2010年 附属資料 0 1995年 出典:⑫⑬農林水産省「農林業センサス」 29 第2章 時代の潮流と本県の現状 ■観光 観光客数は、東日本大震災の発生した2011(平成23)年度を除いて増加傾向にあり、中でも、訪日外 国人宿泊者数の伸びが大きくこの5年間で倍以上になりました。 ⑭観光客の推移 (宿泊客・日帰り客:万人) 3,000 2, 569万人 外国人:41万人 (宿泊客・日帰り客:万人) 3,000 2,000 2, 569万人 外国人:41万人 3, 002万人 外国人:94万人 (外国人宿泊客:万人) 3, 002万人 外国人:94万人 (外国人宿泊客:万人) 宿泊客 日帰り客 訪日外国人宿泊者数 宿泊客 100 100 日帰り客 訪日外国人宿泊者数 50 2,000 1,000 50 1,000 0 2010 2011 2012 2013 2014 (年) 0 0 0 2010 日帰り客の比率が全観光客の70%台後半と高く、 2011 2012 2013 2014 (年)東部圏 全体としてみると、 また、圏域別では富士・ 域への観光客が4割を超えており、特定圏域への集中が続いています。 ⑮圏域別観光客割合 峡中 15% 峡中 15% 富士・東部 46% 2014年 峡東 19% 富士・東部 46% 2014年 峡東 19% 峡南 7% 峡北 13% 峡南 7% 峡北 13% 出典:⑭⑮「山梨県観光入込客統計調査報告書」 30 本県の「いま」 県民生活 第1章 ここをチェック 子育てしながら仕事を続けられる環境の整備が不十分 教育を巡る問題の多様化・複雑化 子どもの体力の低下 急激な高齢化の進行と認知症高齢者の増加 健康寿命は全国上位 第2章 全国と比べ医師数が不足、地域や診療科間でも偏在 人口減少による様々な負の影響が顕在 ■子育て、教育 県の実施したアンケートによると、出産前後1年以内に離職した母親の割合は半数近くにのぼり、多 くの母親が働き続けやすい環境があれば就労を継続していたと答えています。 ①出産前後の母親の離職割合 第3章 無回答 働いて いなかった 離職した 46% 継続的に 働いていた Q.何があれば離職しなかったか (%) 保育サービスが利用できる環境 2 25 保育・職場環境両方 26 家族の理解 第4章 働き続けやすい職場環境 5 いずれにしてもやめた 32 その他 10 家庭内においても家事・子育ての分担は妻に大幅に偏る結果となっています。 ②6歳未満の子どもを持つ世帯の家事・育児時間 共働き世帯 専業主婦世帯 平日 休日 妻 6:38 9:43 夫 1:42 4:44 妻 7:08 6:41 夫 0:56 2:35 附属資料 2010年調査 出典:①②「やまなし子ども・子育て支援プラン」 31 第2章 時代の潮流と本県の現状 教育については、1960(昭和35)年に約19.4万人であった小中高の児童生徒総数は、2014(平成26)年 には約9.5万人と半数以下にまで減少するなど、学校教育を取りまく環境が大きく変化するととも に、いじめや不登校が全国平均を上回る状況が見られるなど、教育に関する問題は多様化・複雑化 しています。 ③児童生徒数の推移 (千人) 200 194,548人 小学校 中学校 高等学校 150 95, 018人 100 50 0 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 ④いじめ・不登校の状況 2013年 調査 小中高いじめ認知 (千人当たり) 小中不登校 (千人当たり) 山梨県 22.4 件 12.4 人 全国 13.4 件 11.7 人 子どもの体力・運動能力は全国に比べて低い傾向にあります。 ⑤子どもの体力・運動能力調査の状況 全国 山梨 小学校男子 53.91点 52.88点(41位) 小学校女子 55.01点 54.07点(37位) 中学校男子 41.63点 41.47点(28位) 中学校女子 48.55点 48.09点(27位) 出典:③文部科学省「学校基本調査」 ④文部科学省「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」 (2013年度) ⑤文部科学省「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」 (2014年度) 32 2005 2010 2014(年) 本県の「いま」 ■高齢化と家族構成 高齢者の人口は年々増加し、35年前には10%程度であった高齢化率(全人口に占める65歳以上人 第1章 口の割合)はいまや25%を超え、2030(平成42)年度には34%と推計されています。介護サービスに 対する一層の需要拡大が見込まれ、高齢者を取り巻く状況はより厳しくなっていくと考えられます。 ⑥高齢者人口等の推移 (万人) (%) 30 45 65歳以上人口 25 25万人 23万人 割合 (34%) 16万人 (万人) 15 30 965歳以上人口 万人 割合 10 25 5 20 23万人 15 (34%) 1979 (27%) 2015 1997 9万人 45 25万人 2030 30 (年度) (18%) 0 15 第3章 5 (18%) 16万人 10 (%) (27%) (11%) 0 15 30 第2章 20 (11%) (人) 特に認知症の問題は深刻で、 認知症高齢者の数は2008(平成20)年と比べても1万人以上増加しま 0 30,000 1979 した。 1997 2015 2030 (年度) 25, 543人 0 25,000 ⑦認知症高齢者数の推移 20,000 (人) 30,000 15,000 第4章 25,000 10,000 25, 543人 13,979人 20,000 5,000 15,000 0 10,000 2008 13,979人 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015(年) 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015(年) 5,000 附属資料 0 出典:⑥「高齢者福祉基礎調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2013年3月推計)」 ⑦「高齢者福祉基礎調査」 33 第2章 時代の潮流と本県の現状 また、1960(昭和35)年に4.76人であった1世帯当たりの人員が2010(平成22)年には2.58人に減少し、 1人世帯の割合は4%から27.5%に上昇しています。 ⑧世帯別人員・1人世帯率の推移 (人) 5 (%) 1世帯当たり人員 4.76人 30 1人世帯率 27.5% 4 25 20 3 2.58人 15 2 10 1 5 4.0% 0 1960 1970 1980 1990 2000 2010 (年) 0 ■健康と医療 健康な状態で、制限なく日常生活が送れる期間(健康寿命)は、男女とも大きく全国平均を上回り、 47都道府県の中でも上位に位置します。ただし、健康寿命と平均寿命との間に差(不健康な期間) が存在しています。 ⑨健康寿命(2010年) 日常生活に制限のない期間 平均寿命 全国男性 70.42年 79.64年 山梨男性 71.20年(5位) 79.58年 全国女性 73.62年 86.39年 山梨女性 74.47年(12位) 86.63年 出典:⑧総務省「国勢調査」 ⑨橋本修二ほか「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」 34 本県の「いま」 死因の内訳は、悪性新生物(がん)が最も多く、心疾患、脳血管疾患と続きます。 また、本県は、自殺による死亡率が住所地別、発生地別のいずれも全国と比較して高い状況にあり 第1章 ますが、老衰による死亡率についても同様に全国上位となっています。 ⑩県民の死因(2013年) 悪性新生物 心疾患 (高血圧性を除く) 悪性新生物: 26.4% 脳血管疾患 肺炎 老衰 不慮の事故 自殺:2.1% 自殺 第2章 その他 老衰:8.1% 1970年代以降、医療制度が見直され、医師や医療機関の数が増加するなど医療環境が充実し、本 県においても医師数、病院・診療所数が増加しました。 しかしながら、人口10万人当たりの医療施設従事医師数は全国平均を10人程下回っています。ま た、二次医療圏(保健所所管区域)別に見ると、医師の7割、医療機関の6割が中北医療圏に集中 しており、特に分娩が可能な医療機関は甲府市を中心とする中北医療圏に集中しています。 第3章 ⑪医療機関(病院・診療所)数の推移 富士・東部: 19.9% 富士・東部: 19.9% 富士・東部: 22.0% 富士・東部: 22.0% 中北:52.4% 中北:52.4% 峡南: 7.5% 峡南: 7.5% 峡東: 12.8% 峡東: 12.8% 2012年 742施設 2012年 742施設 中北:59.7% 中北:59.7% 中北医療圏 二次医療圏 峡東医療圏 中北医療圏 峡南医療圏 峡東医療圏 富士・東部医療圏 峡南医療圏 富士・東部医療圏 第4章 峡南: 11.4% 峡南: 11.4% 峡東: 14.2% 峡東: 14.2% 1966年 492施設 1966年 492施設 二次医療圏 ⑫医師数の推移 峡東: 13.7% 峡東: 13.7% 富士・東部: 13.5% 富士・東部: 13.5% 2012年 1,909人 2012年 1,909人 附属資料 富士・東部: 19.2% 富士・東部: 19.2% 1966年 峡南: 8.9% 676人 1966年 峡南: 8.9% 676人 峡東: 中北:58.7% 13.2% 峡東: 中北:58.7% 13.2% 峡南: 3.4% 峡南: 3.4% 中北:69.5% 中北:69.5% 出典:⑩厚生労働省「人口動態統計」 (2013年) ⑪⑫厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」 35 全国 226.5人 676人 8.9% 峡東: 13.2% 1,909人 13.7% 中北:58.7% 中北:69.5% 第2章 時代の潮流と本県の現状 ⑬人口10万人当たり医療施設従事医師数 全国 226.5人 山梨県全体 216人 中北 272.7人 峡東 182人 峡南 110.6人 富士・東部 130.7人 ⑭分娩可能施設数 二次医療圏 中 北 峡 東 峡 南 富士・東部 病院 5 0 0 2 診療所 6 2 0 0 ■暮らしを取り巻く環境 人口減少が進行しますと、地域経済が縮小したり、コミュニティの活力が失われたりしかねません。 現時点でも、地域の商店街の多くでシャッター街化が進行しているほか、空き家率が全国ワースト1 位を記録するなど、人口減少が様々な面で負の影響を及ぼしています。 ⑮商店数・年間商品販売額の推移 (千軒) (百億円) 15 120 商店数 年間商品販売額 100 10 80 60 40 5 20 0 1982 1985 1988 1991 1994 1997 1999 2002 2004 2007 2011(年) 0 ⑯空き家率の状況 順 位 1998年 2013年 1位 長野県 山梨県 2位 山梨県 長野県 和歌山県 和歌山県 5,000 4位 兵庫県 高知県 5位 高知県 徳島県 (世帯) 6,000 3位 4,000 2015年:5,311世帯 3,000 1993年 :1,494世帯 出典:⑬⑭厚生労働省 「医師・歯科医師・薬剤師調査」 2,000 ⑮経済産業省「商業統計調査」、⑯総務省「住宅・土地統計調査」 1,000 36 0 1993 1998 2003 2008 2013 2015(年3月末) 60 40 5 本県の「いま」 0 1982 1985 1988 1991 1994 1997 1999 2002 2004 2007 20 2011(年) 0 貧困問題も深刻化しています。生活保護を受けている世帯はバブル経済が崩壊した1990年代以 降、増加の一途を辿り、2015(平成27)年3月末には5,311世帯を数えました。 第1章 ⑰生活保護世帯数の推移 (世帯) 6,000 2015年:5,311世帯 5,000 4,000 3,000 1993年:1,494世帯 2,000 第2章 1,000 0 1993 1998 2003 2008 2013 2015(年3月末) (件) (%) 12,000 100 1万件以上あった刑法犯の認知件数は、 現在は7千件以下に減少し、重要犯罪の検挙率も向上して 刑法犯認知件数 10,683件 います。 一方、オレオレ詐欺をはじめとする電話詐欺 重要犯罪検挙率 (特殊詐欺)の被害が増加しています。 10,000 ⑱犯罪統計 8,000 6,528件 (件) 刑法犯認知件数 10,683件 重要犯罪検挙率 10,000 4,000 8,000 2,000 6,000 0 4,000 (%) 100 50 第3章 12,000 6,000 6,528件 50 0 2005 2008 2011 2014(年) 2005 2008 2011 2014(年) 2,000 0 第4章 0 ⑲電話詐欺(特殊詐欺)の状況 (百万円) (件) 300 90 被害額 250 75 認知件数 200 60 (百万円) (件) 150 300 被害額 100 250 30 75 認知件数 50 200 0 150 15 60 2010 2011 2012 2013 2014 100 出典:⑰山梨県福祉保健部資料より (各年度末の被保護世帯数) 50 2010 2011 0 45 (年) 30 ⑱警察庁「犯罪統計」、⑲山梨県警察本部資料より 0 附属資料 45 90 15 2012 2013 2014 (年) 0 37