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江古田三丁目地区 まちづくりガイドライン

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江古田三丁目地区 まちづくりガイドライン
江古田三丁目地区
まちづくりガイドライン
平成 26 年 11 月
独立行政法人都市再生機構東日本都市再生本部
はじめに
江古田三丁目地区は、従前は国家公務員宿舎として利用されていた中野区北部に位置す
る約 4.4ha の土地です。
現在は、都市機構が新たなまちづくりのための基盤整備工事を進めているところであり、
今後、民間事業者を公募により選定し、平成 27 年度から民間事業者による住宅等の建物整
備を行っていく予定としております。
当地区は、都心に近接した立地にありながら、隣接する江古田の森公園と連続する豊か
な自然環境を有しており、「都市の利便性」と「豊かな自然環境」を兼ね備えた地区です。
この地区での新たなまちづくりにおいては、こうした地区特性を活かした良好な子育て環
境を有するファミリー向け住宅をメインに、多様な世帯向けの住宅供給や施設整備等を行
うこととしております。
都市機構では、今後、民間事業者に当地区での開発に参加していただくにあたり、都市
機構が考える江古田三丁目地区でのまちづくりの考え方を共有していただくため、この「ま
ちづくりガイドライン」を策定しました。
当地区の開発は複数の街区から成っているとともに、各街区では各種サービス機能等が
併設され、多くの民間事業者の方が当地区のまちづくりに参加されることになると考えて
います。
都市機構では、ここに記載した目指すまちの将来像、まちづくりの考え方等が全ての民
間事業者の皆様に共有され、同じ目標に向かい、一体的で統一感のあるまちづくりが実現
されるとともに、それぞれの取り組みが相乗効果的に連携し、より高質なまちづくりへと
発展することを期待しています。
-1-
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
目
次
第1章.
「まちづくりガイドライン」について
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
1.地区の現状
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
2.上位計画等
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
第2章.江古田三丁目地区の現状と課題
3.まちづくりにおける視点と課題
第3章.まちづくりのコンセプト
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.江古田三丁目地区のまちづくりにおけるコンセプトとテーマ
11
・・
12
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
26
第4章.まちの骨格と各街区の土地利用
2.土地利用
11
・・・
2.4つのテーマごとのまちの将来像=まちづくりの取り組み内容
1.まちの骨格
9
3.その他の事項に関する制限等
第5章.まちづくり協議会
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
28
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
32
-2-
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
第1章.「まちづくりガイドライン」について
このまちづくりガイドラインは、都市機構と複数の民間事業者が協働して進める江古田
三丁目地区でのまちづくりにおいて、都市機構が検討したまちづくりの考え方を民間事業
者にお示しするとともに、各民間事業者間においても、地区全体のまちづくりの目標を共
有していただき、それをベースに各街区での事業に取り組んでいただきたいと考え、策定
したものです。
今後、実施されます事業者公募への参加を検討される民間事業者の皆様には、事業計画
の検討を行う際に、当該ガイドラインを参考にしていただければと思います。
また、江古田三丁目地区でのまちづくりにおいては、都市機構と公募により決定した複
数の民間事業者による「まちづくり協議会」を設置します。
「まちづくり協議会」においては、同じ地区でまちづくりを進める民間事業者間で必要
となるデザインや工事等の調整を行うとともに、完成後のまちの運営等に関しても、都市
機構と各民間事業者がそれぞれの得意分野でのノウハウやアイディア等を持ち寄り、より
良いまちづくりに取り組んでいきたいと考えています(※32 頁「第5章.まちづくり協議
会」参照)。
「まちづくり協議会」での検討の過程においては、この「まちづくりガイドライン」に
記載されているまちづくりの考え方が更に深まることとなり、目指すまちづくりの取り組
みも多様な内容に広がっていくことが期待されます。そうした場合には、この「まちづく
りガイドライン」に新たな事柄を書き加え、バーションアップしたいと考えています。
なお、「まちづくりガイドライン」はまちづくりの考え方を民間事業者にお示しすること
を目的に策定しており、建物や屋外の整備に係るルール等についての記載がありますが、
民間事業者公募における計画条件を完全に網羅しているものではありません。
公募に際しては、必ず募集要領の計画条件書等をご確認ください。
-3-
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
第2章.江古田三丁目地区の現状と課題
1.地区の現状
(1)グリーンアイランド
■航空写真(東側より)
地区に隣接する「江古田の
森公園」及びその周辺に位置
する一団の自然環境は、緑地
の減少が続いている東京にお
いて、希少な緑地であり、そ
の存在感は、航空写真を見
ても顕著です。
(2)多様な自然
「江古田の森公園」内には、
多目的広場、樹林広場、健康
遊具、学習室、芝生広場、ビオトープ池等があり、また、江古田川沿いには周辺の公共公
益施設や公園を結ぶ散策路が整備されています。
公園一帯には中野区内で最大規模の樹林地が残されており、都会では数少なくなったタ
カやハヤブサの飛来も見られます。その他にも、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類、クモ類
等の貴重な生物の生息や生育も確認されています。
地区内にはクヌギ、コナラ、アカマツ、ケヤキなど、樹高 10m以上の樹木が数多く生育
する樹林地があり、先人が暮らしの中で育んできた懐かしい里山の四季折々に変化する風
景が残っています。
■地区内の保存樹木
■江古田の森公園
-4-
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
(3)歴史・文化
地区は江古田川沿いに位置する台地に
なっており、古代から中世までの幅広い
年代の遺跡が発見されるなど、歴史的文
化財が眠る場所であり、また、地区南側
の主幹道路 8 号(現、江古田三丁目商栄
会(商店街)
)は、江戸時代に練馬大根な
どの野菜を江戸市中に運ぶ「すずしろの
道」として利用されていた歴史ある通り
です。
■埋蔵文化財調査の様子
地区の南側に隣接する「氷川神社」では、毎年 10 月の江古田氷川神社祭礼が行われ、獅
子舞が奉納されます。この江古田の獅子舞は中野区指定無形民俗文化財にも指定されてい
ます。
■江古田獅子舞(氷川神社)
■氷川神社
また、同じく南側に位置する「東福寺」
は、江戸時代に三代将軍家光が鷹狩りの
際に休息し、八代将軍吉宗は御善処とし
て利用したと言われています。
■東福寺
-5-
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
(4)都心に近接する立地
地区は、徒歩約 10 分に位置する「新江古田」駅から都営大江戸線で「新宿」駅まで約 15
分と、都心に近接した立地にあります。
また、西武池袋線の「江古田」駅からは「池袋」駅まで約 7 分、地区南側の関東バス「合
同住宅前」からバスを利用すればJR線「中野」駅まで約 22 分と、都心のあらゆる方面に
アクセスができる立地でもあります。
(5)避難場所(広域避難場所)の指定
地区を含む江古田の森公園一帯は、区北部の避難場所(広域避難場所)に指定されてい
ます。
■避難場所(広域避難場所)指定範囲(赤破線)
-6-
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
2.上位計画等
(1)中野区都市計画マスタープラン(H21.4)
中野区の都市計画マスタープランの地区別構想においては、区の北東部地域のまちづ
くり方針として、
「災害に強く、安全で安心して暮らせる住環境づくり」、
「交流拠点・生
活拠点の整備と商店街の魅力づくり」、「大規模跡地の有効活用」、「みどり豊かなまちづ
くり」が掲げられています。
また、当方針の「大規模跡地の有効活用」においては、江古田三丁目地区について、
「広域避難場所である江古田の森公園周辺地区の国家公務員宿舎跡地の整備にあたって
は、十分な避難路や、周辺に存在する豊富な緑と調和した環境を確保し、良好な集合住
宅などの供給をすすめるよう誘導します。」と記載されています。
■都市計画マスタープランより(中野区・練馬区の合せ図)
-7-
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
(2)第3次中野区住宅マスタープラン(H21.3)
①基本理念等
住宅マスタープランにおける基本理念は、「多様な世代が安心して快適に暮らせる
活力と魅力にみちたまち・中野」であり、その設定の考え方として以下のことが記載
されています。
・ファミリー世帯が住み続けられ、単身者、高齢者等を含む様々な世帯とのバランス
がとれたまちをめざします。
・住宅の耐震性や居住水準などが向上し、安全な住宅で快適な暮らしを実現すること
をめざします。
・様々な世帯が暮らすことによりコミュニティが活性化し、賑わいあふれるまちの実
現を目指します。
②住宅施策の基本目標と施策の展開
住宅マスタープランの 5 つの基本目標の一つには「多様な世代が暮らせるまち-バラ
ンスのとれた世帯構成―」が掲げられており、
「多様な世代の区民が住み続けられ、良好
な地域コミュニティが形成されることにより、活力のあるまちにしていくことが必要と
なっています。」と記載されています。
また、この基本目標を達成するための施策展開として「ファミリー向け住宅供給の促
進」が掲げられています。
■ファミリー向け住宅供給の促進
・ファミリー向け住宅の誘導
・子育て環境等への配慮
・公民連携による良質な住宅の整備誘導
・優良な中古住宅の流通促進
・移住住み替え制度の普及
【中野区の人口・世帯の特徴】
(第3次中野区住宅マスタープランより一部抜粋)
①人口は横ばいでも世帯数は増加
国政調査等によれば昭和 20~30 年代に急激に増加した人口は昭和 46 年にピークに
達し、その後減少し始め、平成 10 年まで減少傾向が続きました。そうした中で世帯
数は増加を続けています。
世帯人員別の一般世帯の割合を見ると、単身世帯が 57%を占め、夫婦のみ、夫婦と
子ども、ひとり親と子供からなる核家族が約 37%を占めています。
-8-
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
平成 19 年の住民基本台帳人口の年齢構成では 20 歳代、30 歳代は総人口の 37.6%
を占め、23 区平均の 33%を大きく上まわり、19 歳以下の年齢層は 12%と 23 区平均
の 15%を下回っています。
②若い単身者の転入が多く家族世帯は転出が超過
単身世帯の転入世帯数から転出世帯数をひいた世帯数の推移を見ると、20 歳代は平
均で毎年約 3,200 世帯が転入超過となっています。30 歳代以降は転出世帯が転入世帯
を上回っています。
夫婦 2 人世帯の転入・転出世帯の推移をみると全体として転出超過となっています
が、特に 30 歳代で区外への転出が大きくなっています。18 歳以下の子どもを含む 2
人以上の世帯でもこの傾向が見られ、30 歳代で区外への転出が大きくなっています。
③年少人口は減少し高齢者人口は着実に増加
0 歳から 14 歳の総人口に占める年少人口の比率を住民基本台帳人口で 23 区と比較
すると、渋谷区、豊島区、新宿区に次いで 4 番目に低くなっています。
平成 18 年の中野区の合計特殊出生率は 0.77 と全国の 1.32、東京都の 1.02 を大き
く下回っており、少子化の傾向に歯止めがかかっていません。こうした状況のなかで、
30 歳代の夫婦 2 人世帯や 18 歳以下の子どもを含む 2 人以上の世帯の転出超過が続い
ています。
一方、総人口に占める 65 歳以下の高齢者人口比率はここ 10 年で 3 ポイント増加し
高齢化は着実に進行しています。
3.まちづくりにおける視点と課題
(1)地区の特性
①地域資産である自然環境を有する地区
地区の東側には、都市機構が移管公園(1,313 ㎡)と公共的緑地(1,313 ㎡)を整備しま
す。
また、移管公園、公共的緑地の他、宅地内にも多くの保存樹木が残されており、これに
ついては地区の開発後も継続して保全に努めていくことになります。
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
地区の緑は北側に位置する江古田の森公園と連続し、一団の自然環境を形成しています。
都心部において希少な地域資産とも言える豊かな自然環境を有する地区として、これら
の緑をどのように維持、拡充、活用していくのかは、当地区のまちづくりにおける重要な
テーマと認識されます。
②地域に貢献する避難場所(広域避難場所)としての役割
地区は周辺とともに避難場所(広域避難場所)に指定されており、地域防災への貢献は、
当地区の担う役割として考えていくべきテーマとして認識されます。
③区北部の医療・介護サービスの拠点
地区の周辺には医療・介護のサービスが集積しており、こうした施設が近隣に立地して
いることは、健康における安心を提供する充実したサービス機能を、地区の特徴として捉
えることができます。
また、中野区からの要請に基づき、区北部に不足する小児初期救急診療機能をB街区に
誘致することになっています。これは、地域医療の機能拡充に貢献するとともに、子育て
ファミリー世帯に訴求するメニューとなるものと考えています。
(2)中野区の状況
①多世代と子育て
地域コミュニティが継続的な活力を得るためには、多様な世代・世帯により構成される
コミュニティの形成が重要であり、多様な世帯が住み慣れた地域において、ライフステー
ジに併せた住み替えをしながら住み続けることが可能となるまちづくりを目指します。
特に中野区の場合、20 代が多く居住しているにもかかわらず、30 代になると区外に転出
しており、これは、結婚や子育て期を向えた 30 代の若年ファミリー世帯が、新たなライフ
ステージにふさわしい住宅を求めた際に近隣で適当な住宅を見つけることが困難なため、
区外に住宅を求めて転出していると考えられます。
区においては、こうした若年ファミリー世帯が当地区を住み続ける場所として選択する、
また選択が可能な、まちづくりを行うことを目指します。
こうした若年ファミリー世帯に訴求するまちづくりとして、具体的には子育て環境の整
備と多様な住宅供給に取り組んでいきます。
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
第3章.まちづ
づくりのコンセプト
1.江古田三丁目地区のま
まちづくりに
におけるコン
ンセプトとテ
テーマ
■コンセプト
「多世代
代により育ま
まれる持続
続可能な地域
域をつくる
る」
江古
古田三丁目地
地区でのまち
ちづくりでは
は、多世代に
によるコミュ
ュニティ形成
成を目指します。
これ
れから子育て
てを始める若
若年ファミリ
リー世帯から
ら、高齢期を
を安心して過
過ごしたいと
と望む
高齢者
者までが、この地区に愛
愛着をもって
て住み続けら
られるよう、多様な住宅
宅供給とサー
ービス
機能の
の誘導を行い
います。
た、地区での
のまちづくり
りでは持続性
性も重要なテ
テーマとして
て設定されま
ます。
また
まちのスタート時点におい
いて理想的な
なまちづくり
りを目指すと
と同時に、こ
このコミュニ
ニティ
続性を有し、
、将来に渡っ
ってこれを維
維持し、更な
なる活性化へ
へと展開する
る仕組みづく
くりに
が持続
取り組
組みます。
区のまちづく
くりは、地域
域のためのま
まちづくりで
でもあります
す。地区の中
中だけ
更に
に、この地区
を見るのではなく
く、広く地域
域に目を向け
けてまちづく
くりの検討に
に取り組んで
でいきます。
上のような考
考え方に基づ
づき、上記の
のコンセプト
トを設定して
ています。
以上
また
た、このコン
ンセプトに基
基づき実現す
するまちの将
将来像とその
の取り組みを
を検討するた
ため、
以下の
の4つのテー
ーマを設定し
しています。
つのテーマ
■4つ
コンセ
セプト:多
多世代によ り育まれる
る持続可能な地域をつ
つくる
4
4つのテーマ
緑
健康
スポーツ
多世代
子育て
防災
具体的な
なまちの将来
来像=まちづ
づくりの取り
り組み内容
- 11 -
江古田三丁目地
地区まちづくりガイドラ
ライン 平成 26 年 11
1 月
2.4つのテーマごとのまちの将来像=まちづくりの取り組み内容
(1)テーマ:緑
地区を特徴付け、地域の資産でもある緑については、これを「保全」するとともに、新
たな緑化による「拡充」
、暮らしの中での「活用」といった視点で取り組みを進めます。
地区内にも多くの緑が公共的緑地や
保存樹木として残されますが、地区に
完結することなく、地区北側の「江古
田の森公園」と連続する一団の自然環
境としてこれを捉え、緑の保全、拡充を
考えていきます。
また、生活の周辺環境として、緑はそれだけで
優れた価値ですが、これを更に暮らしの身近なも
のとするため、緑の維持管理への住民参加や、公
共的緑地を活用したイベント開催といった、取り
組みにも発展させていきたいと考えています。
また、一団の自然環境はまちの熱を冷却する機能としても着目されます。夏季等に江古
田の森公園の涼しい空気を活用することが出来れば、低炭素の観点からも有効と考えます。
(2)テーマ:防災
地区を含む江古田の森公園とその周辺は、地域の避難場所(広域避難場所)に指定され
ています。こうした地域における役割についても更に積極的に努めていきたいと思います。
都市機構が整備する地区を南北に縦断する新設の道路は、災害時に地区南側のエリアに
住まわれる方々が避難場所(広域避難場所)に移動する際の避難ルートとしての役割もあ
ります。
また、一時避難してきた人達の受け入れや、災害時に活動するためのスペースの確保に
努めるとともに、災害時に求められる各種機能の導入、平時からの組織的な防災活動等に
ついても検討していきます。
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
災害初期の自立性の確保としては、コージェネレーションや燃料電池の採用や太陽光発
電の導入等、電源多重化の取り組みも有効であり、こうした取り組みは低炭素の取り組み
としても評価されるものと考えています。
(3)テーマ:多世代・子育て
第3次中野区住宅マスタープランの基本理念である「多様な世代が安心して快適に暮ら
せる活力と魅力にみちたまち・中野」におけるモデル地区となることを目指します。
中野区において、30 歳代が区外に流出している状況は、コミュニティを支える世代の不
在へとつながる地域の課題と言えます。地域コミュニティ力は、子育て環境としても、高
齢者が安心して住まう環境としても、また、防災の備えといった観点からも、重要な地域
の価値向上になると考えます。
区内に 20 歳代が大量に転入しているにも係らず 30 歳代が流出しているのは、都心への
近接性や利便性といった立地は評価されている一方で、結婚や子育て期といったライフス
テージに対応した住宅や環境が十分に用意されていないためと考えます。
地区においては、ファミリー世帯をメインターゲットに想定していますが、特に、これ
から子育てを始める若い夫婦や子育て初期の世帯が中野区を子育ての場所として選択でき
るよう、若年ファミリー世帯向けの住宅供給を行うことにより、30 歳代世帯の区外への流
出を抑制することを目指します。
また、医療サービスや保育サービス、子どもの居場所づくり、子育て中の親への支援サ
ービス等、様々な子育てに関連するサービスの整備や、安心して子育てが出来る地域づく
り、地区の豊かな緑を活かした子供を育てるにふさわしい屋外環境の整備等、子育て世帯
に訴求する取り組みを検討していきます。
子育て環境の整備については、地区内に導入される各種の子育て支援機能の連携につい
ても期待しています。例えば医療と保育の連携等、各サービスが連携することでより利便
性の高いサービスが実現できないか、まちづくり協議会等の場等で検討していきたいと考
えています。
多様な世代による地域コミュニティ形成という観点から、高齢者が安心して住み続けら
れる環境の整備にも取り組みます。
- 13 -
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
周辺地域には医療、介護のサービスが集積しており、この地域は高齢者にとっても安心
して住みやすい場所という特性を有しており、子育てを終えた高齢者世帯が、安心して高
齢期を過ごすことができる住宅供給を目指します。
特に、ファミリー世帯の親世帯との近居を誘導できれば、親世帯の見守りと同時に、子
育ての観点からも多くのメリットがあると考えています。
多様な住宅供給は、多様な世帯によるコミュニティ形成というメリットと同時に、一つ
の世帯がライフステージに合せて住宅を選択しながら住み慣れた地域に住み続けられると
いうメリットにもなります。また、こうして生まれる地域における世帯の循環が、コミュ
ニティに持続力を与えるものと考えます。
また、地区が開発されれば数百世帯の新しい生活がスタートします。コミュニティが自
然発生的に醸成するのを待つばかりでなく、これを誘導する仕掛けを予め用意しておくこ
とも期待されます。
コミュニティの醸成、活性化を誘導する仕掛けとして、当地区ではエリアマネジメント
を実施する体制の立ち上げを目指します。
地域に向けた情報発信、地域活動の企画・誘導、地域を繋いでいく仲介者といった役割
を担うエリアマネージンメント組織を構築することで、賑わいのある風景、親しみが感じ
られるコミュニティ、安心感のある暮らしといったことが実現され、将来に渡り維持され
ていくことを期待します。また、他のカテゴリーである「緑」や「防災」、「健康・スポー
ツ」といったテーマにおいても、エリアマネジメントの取り組みが有効に働くことを期待
します。
エリアマネジメントの具体的な進め方については、A街区及びC街区の事業者からの提
案いただくとともに、この提案をベースに、まちづくり協議会で議論、検討を進めたいと
考えています。
また、エリアマネジメントにより誘導される地域活動等の拠点となり、地域の人々が集
う場所ともなる、「地域リビング」の整備をC街区で進めます。
地域リビングは様々な活動をするためのフリースペースであるとともに、地域の情報が
集まる場所であり、また、散歩の途中に休憩をする、小さなお子さんを連れたお母さん達
が集まる等、誰もが気軽に時間を過ごせるような地域で共有しているリビング空間となる
ことをイメージしています。
この地域リビングの運用については、エリアマネジメントを実施する者が管理、運営し
ていくことを想定しています。
- 14 -
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
(4)テーマ:健康・スポーツ
都市機構では中野区からの要請に基づき、B街区に小児初期救急診療と病児・病後児保
育機能を地区に誘致します。
地域医療の機能拡充とともに、子育てにおける安心を高めるものとして、ファミリー世
帯をメインターゲットとする当地区における子育て環境の向上に寄与することが期待され
ます。
また、医療施設においては、病気や怪我の時にだけ利用する施設という位置付けにとど
まらず、日常的に健康に関する情報発信を行うなど、地域との医療連携的な取り組みも期
待されます。
更に、江古田の森公園と連続する緑に重ねるように整備される歩行者ネットワークにお
いては、自然環境の中での歩きのある暮らしとして、散歩やジョギングといったシーンが
地区内に見られるまちづくりを目指し、地区から健康的なライフスタイルイメージが発信
されることを期待します。
以上の4つのテーマにおけるまちの将来像、まちづくりの取り組みとして検討する内容
等をまとめると以下のようになります。
■各テーマと想定される取り組み
テーマ
緑
着眼点
想定される取り組み
・緑の保全
・既存樹木等の保全
・緑の拡充
・屋外空間の緑化
・緑の活用
・緑の維持管理への住民参加や
緑地の活用によるイベント開催等
・防災における地域への貢献
・災害時におけるスペースの確保
・防災への備え
・防災設備の設置
・多様な世帯が住まうまち
・多様な住宅供給
多世代
・地域コミュニティ形成
・地域コミュニティ形成のための
子育て
・ファミリー世帯に子供を育てる
防災
場所として選択されるまち
・医療サービスの拡充による安心
健康
・健康的な暮しへの誘導
・電源多重化
ソフト面からの取り組み
・子育て支援機能の誘致
・小児初期救急診療、病児・病後児
保育機能の誘致
スポーツ
・医療連携(地域に向け健康教室等)
・歩行者ネットワーク形成
※一部に各街区の事業者に対し、公募条件として付される事項を含みます
- 15 -
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
第4章.まちの骨格と各街区の土地利用
このガイドラインの第2章でまとめた地区の現状、区の上位計画、まちづくりの視点と
課題といった事項や、そこから導き出された第3章のまちづくりのコンセプトとテーマか
ら、まちの骨格と土地利用の考え方を以下のように整理しています。
1.まちの骨格
江古田三丁目地区の周辺は、北側に江古田の森公園と東京警察病院看護専門学校、西側
に医療・介護系施設、南側に寺社及び商店街が立地しています。
また、当地区を含む、江古田の森公園の緑と江古田川に囲まれたエリアは、東京都が指
定する避難場所(広域避難場所)に指定されています。
こうした地区周辺との関係を踏まえ、まちの骨格として「緑のリング」、「歩行者ネット
ワーク」、「広場状空地」を設定しています。
■まちの骨格図
- 16 -
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
なお、まちの骨格については、以下に記載する整備イメージを踏まえた計画条件が各街
区の募集要領の計画条件書に定められていますので、これを遵守してください。
また、計画条件として定められていない事項についても、以下の整備イメージを踏まえ
た計画、整備を行うよう努めてください。
(1)緑のリング
江古田三丁目地区においては、地区が従前より豊かな自然環境を有していたことから、
「東京都における自然と保護の回復に関する条例」に基づく「自然環境保全計画書」を都
市機構が策定しています。地区で事業を行うにあたっては、当計画書に記載された内容の
実現に努めてください。
自然環境保全計画書にも記載されているとおり、地区内には多くの樹木が残されていま
すが、当地区においては、これらの樹木を保全しつつ、更なる緑化による緑の拡充に努め、
江古田の森公園と連続する「緑のリング」の形成を目指します。
地区と江古田の森公園が一つの大きな緑の塊となるような景観を形成することで自然環
境の豊かさを周辺に表出し、地区の価値向上を目指します。
なお各街区の敷地沿いには、緑化と併せて建物壁面後退が設定されています。詳細は 28
頁の「3.その他事項に関する制限等」の「(1)壁面後退」を参照してください。
■緑のリングの各部分の位置図
- 17 -
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
■緑のリングの整備について
■A部分の断面
①緑のリングのA部分【C街区】
敷地内の保存樹木に加え、更なる緑化
隣
地
境
界
に努め、北側に隣接する「江古田の森公
園」内の保存樹木が連続する概ね幅 10m
の緑地帯を敷地内に整備します。
緑のリング
(W 10m)
緑地帯の中には公共的緑地からプロム
ナードへと通り抜けが可能な、概ね幅員
2mの歩行者通路を設け、常時、地域に
開放します。
また、緑のリングのA部分の整備にあっ
ては、自然環境保全計画書に記載される
注目すべき希少動植物に適した生育環境を
確保するとともに、北側に隣接する江古田
の森公園内の保存樹木の生育環境への影響
に配慮していきます。
歩行者通路(W 2m)
C街区
隣接地
②緑のリングのB部分【C街区】
この部分は自然環境保全計画書に記載の
ある「公共的緑地」に該当するものであり、
都市機構が整備してC街区の開発事業者に
引き渡します。公共的緑地はC街区の敷
地の一部であり、将来に渡って公共的緑地
としてC街区を開発する民間事業者が維持
管理することとし、また、建物竣工後は常
■歩行者通路イメージ
時、地域に開放します。
なお、緑のリングのA部分及びB部分については、これらを合わせて公共的緑地等
として、都市機構と中野区にてこの維持管理等に係る覚書の締結しており、C街区の
土地引渡しと同時に、当覚書における都市機構の地位をC街区の民間事業者に継承し
ます。
③緑のリングのC部分【C街区】
保存樹木の保全に努めつつ、寺社の緑と一体となる緑地を形成します。
- 18 -
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
道
路
境
界
道
路
境
界
④緑のリングのD部分【A街区】
■D部分の断面
緑のリング
(W 5.5m)
敷地境界から 5.5mの範囲で高木を中心
とした緑化を行い、地区西側からの景観と
して、江古田の森公園へと連続する緑の帯
を形成します。
⑤緑のリングのE部分【A街区・B街区】
A及びB街区の敷地境界沿いに低中高木
▽35.0
▽34.3
から成る緑地及び緑地帯を形成し、緑のリ
ング形成とともに、A街区側からの視線に
歩道
(2.5m)
対するB街区側のバックヤード、駐車場等
車道
(7m)
歩道
(2.5m)
道路(12m)
の修景を図ります。
A街区
隣
地
境
界
A街区側においては、敷地境界沿いに 10
本以上の高木を連続的に配置します。
■E部分の断面
緑のリング
(W 8m)
B街区側においては、A街区との敷地境
界から 4mの範囲に低中木による植栽帯を
4m
4m
設け、A街区側からの視線に対する修景に
努めます。
⑥その他の緑化部分【B街区】
B街区の南側道路は、都市機構が 3mの
▽39.4
道路拡幅(歩道拡幅)を行います。
▽38.5
B街区の南側は商店街へと連続する沿道と
して、歩道側からの施設の視認性に配慮し、
A街区
低木による幅 1mの植栽帯を設けます。
B街区
道
路
境
界
道
路
境
界
また、B街区の西側には地域の記憶と
なっている桜の木が残されています。
この桜の木に並べて敷地境界沿いに新
たな花木を配置し、花を楽しむ一画を形
成、敷地南西角の「はなの広場」(※25 頁
「(3)広場状空地」参照)に繋げます。
車道
(8.3m)
道路
歩道 緑地帯
(3m) (1m)
B街区
■B街区南側敷地境界の断面
- 19 -
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
(2)歩行者ネットワーク
江古田三丁目地区でのまちづくりのテーマの一つには「健康・スポーツ」が掲げられて
います。このテーマでの取り組みの一つして「歩きのある暮らし」に取り組みます。
高齢期における健康の維持・増進のためのウォーキングや、昨今、愛好家が増えている
ジョギング等に着目し、地域の中に緑と一体となった歩行者ネットワークを形成すること
で、自然環境に包まれた中での「歩きのある暮らし」を実現し、健康的なライフスタイル
イメージが喚起されるまちづくりを目指します。
地区の中央を南北に貫通する「プロムナード」は、歩行者に優しい歩道及び歩道状の敷
地内空地を備えた通りであると同時に、沿道に広場状空地やコミュニティ施設等を配置す
ることで、人の動きや賑わいの感じられる、地区の顔となる通りとすることを目指します。
なお、プロムナードは、災害時における地区南側の市街地から避難場所(広域避難場所)
への避難通路としての役割も担っています。
また、地区の中にはプロムナードと併せて緑のリングのA部分に歩行者専用通路を整備
することにより、江古田の森公園と地区内を周回する歩行者ネットワークを形成します。
■歩行者ネットワーク図
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
■プロムナードの整備について
プロムナード内の、幅員 9mの区道(車道 6m+東側歩道 3m)は、都市機構が整備を行
い、平成 27 年 4 月に供用開始を予定しています。また、プロムナード内の歩道状の敷地内
空地部分は、A街区及びB街区の各民間事業者が整備及び将来に渡る維持管理を行い、建
物竣工後は常時、地域に開放していただきます。
歩道状の敷地内空地部分の整備仕様、デザイン(街路樹の配置や平板舗装の色、模様等)
等については、原則、プロムナード内の歩道(区道)と統一することとします。
区道内の歩道に
街路樹(UR 整備)
■プロムナード平面図イメージ
広場状空地
「森の入口広場」
(50 ㎡以上)
【A断面】
A街区の地区北側から
敷地中央のユリノキの区間
歩道状の敷地内空地内と脇に
2 列の高木を列植
保存樹木
(エノキ)
A街区
歩行者通路
(C街区北側)
保存樹木
(ユリノキ:2 本)
広場状空地
「ゆりのき広場」
(600 ㎡以上)
各種
施設等
歩道状の敷地内空地に
高木列植
保存樹木
(ムクノキ)
各種
施設等
C街区
【B断面】
A街区の敷地中央のユリノキから
B街区との敷地境界の区間
C街区のプロムナードに面する部分
B 街区
歩道状の敷地内空地内と脇に
2 列の高木を列植
【C断面】
B街区のプロムナードに
面する部分
広場状空地
「まちの入口広場」
(50 ㎡以上)
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
歩道状の敷地内空地には、通行に障害となる看板、ベンチ、オブジェ等の設置は禁止し
ますが、敷地内空地沿いに、散歩の途中に腰を下ろすことができるベンチ等が、適宜配置
されることが望ましいと考えます。
なお、プロムナードの沿道部分に残る保存樹木については存置し、街路樹として活用し
てください。
なお、歩道状の敷地内空地については、都市機構と中野区にてこの維持管理等に
係る覚書の締結しており、A街区及びB街区のそれぞれの土地引渡しと同時に、当
覚書における都市機構の地位をA街区及びB街区の民間事業者に継承します。
①プロムナードのA断面【A街区:地区北側から敷地中央のユリノキの区間】
道路境界から主たる建物壁面までの距離を 8m以上と
します。
壁面後退部分の内、道路境界から 3mの範囲を一般に
公開される歩道状の敷地内空地として整備し、また、歩
道状の敷地内空地から敷地側に低木による植栽帯 2mを
設けてください。
プロムナード側からの視線に対するA街区住宅のプラ
イバシー保護、また、A街区立体駐車場等の修景等を意
図し、歩道状の敷地内空地には概ね 5mの樹高を有する
ヤマボウシを主要木として列植し、また、2mの植栽帯に
もこれに並行して高木(樹種指定なし)を列植してくだ
さい。
■ヤマボウシ
②プロムナードのC断面【B街区:プロムナードに面する部分】
道路境界から主たる建物壁面までの距離を 8m以上とします。
壁面後退部分の内、道路境界から 3mの範囲を一般に公開される歩道状の敷地内空地
として整備し、また、歩道状の敷地内空地から敷地側に低木による植栽帯 2mを設けて
ください。
プロムナード側からの視線に対するB街区の修景として歩道状の敷地内空地には概
ね 5mの樹高を有するヤマボウシを主要木として列植し、また、植栽帯にもこれに並行
して高木(樹種指定なし)を列植してください。
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
道
路
境
界
道
路
境
界
■プロム
ムナードの緑化
/A断
断面・C断面(共
共通)
植栽
栽帯 歩道状空
空地 車道
(2 m) (3m))
(6m)
A街区・B
B街区
歩道
(3m)
道路
路(9m)
■プロムナ
ナードの壁面後
後退
/A断面
面・C断面(共
共通)
敷地中央のユ
ユリノキから
らB街区との
の敷地境界の区間
③プロムナードのB断面【A街区:敷
/C街区:プ
/
プロムナード
ドに面する部
部分】
は、道路境界
界から主たる
る建物壁面ま
までの距離を
を 8m以上とし
退部分
し、壁面後退
A街区側は
に
には道路境界
界から幅員 3mの歩道状
3
状の敷地内空
空地を設けてください。ま
また、歩道状
状の敷
地
地内空地には
は、概ね 5m
mの樹高を有
有するヤマボ
ボウシを主要
要木として列
列植してください。
は、区道から
ら主たる建物
物壁面までの
の距離を 5m以上として ください。
C街区側は
- 23 -
江古田三丁目地
地区まちづくりガイドラ
ライン 平成 26 年 11
1 月
B断面区間の
の壁面後退に
においては、建物 1 階部
部分について
てのみ、A街
街区で
ただし、B
は
は敷地境界か
から4m以上
上、C街区で
では敷地境界
界から 1m以上とします。
。
これは、プ
プロムナードB断面区間
間において、建物1階部
部分のコミュ
ュニティ施設
設等の
各
各種施設が、
、道路及び歩
歩道状の敷地
地内空地近く
くまで張り出
出して配置さ れることにより、
通
通りから街区
区内の人の動
動きが感じら
られるように
にすることを
を意図するか
からです。
人の活動が
が、街路樹の
の樹間を通じ
じてプロムナ
ナードに表出
出し、賑わい
いの感じられ
れる空
間
間を目指しま
ます。
道
路
境
界
歩道状空地
歩
地
(3m)
A街区
区
道
路
境
界
車道
(6m)
道路((9m)
■プロムナ
ナードのB断面/
/緑化
歩道
(3m)
C街
街区
■プロムナー ドのB断面/壁
壁面後退
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江古田三丁目地
地区まちづくりガイドラ
ライン 平成 26 年 11
1 月
(3)
)広場状空地
地
地区の中央や道
道路の交差点
点部分には、
、道行く人が
が立ち止まり
り、憩い、会
会話し、賑わ
わう場
空地を設けま
ます。
となる、広場状空
(50 ㎡以上)
A
A街区
ユリ
リノキの広場
(600 ㎡以上)
(600 ㎡以
以上)
(50 ㎡以上)
(50 ㎡以
以上)
■広場位
位置図
街区中央には
は、地区のシ
シンボルとも 言える樹高約
約 20mのユリノキが 2 本
本立っていま
ます。
A街
このユ
ユリノキの周
周囲には、日常的にはコ
コミュニティ
ィ活動の拠点
点となり、災
災害時には災
災害活
動の拠
拠点となるこ
ことを想定し
した「ゆりの
のき広場」を
を整備します
す。
地区のあらゆる
る場所から眺
眺めることが
ができるユリ
リノキが、人
人が集うため
めの目印とな
なるこ
期待します。
。
とを期
要な道路の交
交差点部にお
おいては、A
A街区のプロムナードの北端部分に「森の入口広
広場」、
主要
B街区
区のプロムナ
ナード南端部
部分に「まち
ちの入口広場
場」、B街区の敷地南西角 に「はなの広
広場」
を整備
備します。
お、これらの
の広場状空地
地は、常時、
、一般に開放
放します。ま
また、広場状
状空地内に植
植栽、
なお
ベンチ
チ等を設ける
ることは任意
意としますが
が、歩行者の
の安全等に留
留意してくだ
ださい。
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江古田三丁目地
地区まちづくりガイドラ
ライン 平成 26 年 11
1 月
■広場状空地の整備について
①ゆりのき広場【A街区】
A街区のプロムナード沿いのほぼ中央に位置する 2 本のユリノキの足元には、
「ゆり
のき広場」として、20m×20mの正方形を包含する計 600 ㎡以上の広場状空地を整備
します。
また、ユリノキの広場を中心にして周りにはコミュニティ施設等が配置され、広場
状空地と施設が一体となって賑わいを表出することが期待されます。
②森の入口広場【A街区】/まちの入口広場【B街区】/はなの広場【B街区】
主要な道路の交差点部となるA街区及びB街区の敷地角においては、A街区のプロ
ムナードの北端部分に「森の入口広場」、B街区のプロムナード南端部分に「まちの入
口広場」、B街区の敷地南西角に「はなの広場」として、歩道及び歩道状の敷地内空地
に接し、それぞれ 5m×5mの正方形を包含する計 50 ㎡以上の広場状空地を整備します。
■各種広場状空地の整備イメージ
2.土地利用
江古田三丁目地区内の宅地はA、B、Cの 3 つの街区に分けられており、各街区はそれ
ぞれの役割に基づき土地利用することとなります。
各街区の土地利用については、以下に記載する整備イメージを踏まえた計画条件が各街
区の募集要領の計画条件書に定められていますので、これを遵守してください。
- 26 -
江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
また、計画条件として定められていない事項についても、以下の整備イメージを踏まえ
た計画、整備を行うよう努めてください。
(1)A街区とC街区
江古田三丁目地区が「多様な世帯が住むまち」、「持続性のあるコミュニティ」といった
ことを意図し、A街区及びC街区においては、若年ファミリー世帯から高齢者まで、多様
な世帯を対象とした多様な住宅供給を目指します。
A街区にはファミリー世帯向けの分譲住宅、C街区には多様な世帯向けの賃貸住宅の整
備が想定されています。
特に、C街区の賃貸住宅においては、これから子育て期を迎える世帯、あるいは子育て
初期にある若年ファミリー世帯や、逆に子育てを終え、今後は夫婦二人に相応しいサイズ
の住宅に移り住み、安心して充実した高齢期を過ごしたいと考えている世帯等、多様な世
帯の多様な住まい方に対応した住宅供給が期待されます。
また、当地区では、ファミリー世帯がここを子育ての場所として選択してもらえるよう、
魅力的な子育て環境の提供をめざし、住宅整備と併せて、各種子育て支援機能の誘致を目
指します。
共働き世帯のための保育機能や、先進的なプログラムを提供する稽古事や学習塾、子ど
も達を安心して遊ばせることができるキッズスペースや広場等の誘致が期待されます。
更に、エリアマネジメント取り組みの一環として、地域活動の拠点となる地域リビング
も併せて整備します。
こうした子育て支援機能や地域リビングについては、A、C街区の両方に利便を供する
ものとし、整備の位置はC街区を想定します(ただし、広場の整備位置は街区を問わない)。
A街区においては、敷地のほぼ中央、プロムナード沿いに「ゆりのき広場」を整備し、
日常的にはコミュニティ活動の拠点となるとともに、江古田三丁目地区が避難場所(広域
避難場所)に指定されていることを踏まえ、災害時にはこの広場が災害活動の拠点として
機能することを想定します。
また、C街区には多くの保存樹木が立地し、敷地の東側にはC街区の敷地の一部として
「公共的緑地」が整備され、当地区の民間事業者はこれを適正に管理し、かつ、常時一般
に公開することが条件として付されます。
こうした豊かな自然環境を適切に維持管理していくとともに、管理に係る住民参加の仕
掛けづくり等、地区の優れた特性である自然環境が地域コミュニティ形成に活用されるこ
とを期待します。
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
(2)B街区
ファミリー世帯に子育てにおける安心の提供を目指し、小児初期救急診療と病児・病後
児保育等を含む医療施設を整備する街区です。
小児初期救急診療及び病児・病後児保育機能については、中野区から都市機構に要請が
あり、当地区での整備を進めるものです。
また、この医療施設においては、病気や怪我をした時にだけ訪れる場所というだけでな
く、日常的に子育てや健康に関する情報発信を行う機能となることを期待しています。
3.その他の事項に関する制限等
(1)壁面後退
各街区においては、それぞれ敷地周辺との関係や景観形成の観点から、敷地境界線から
建物の主たる壁面までの距離(壁面後退)について、設定された数値以上の距離を設けて
いただきます。
ここでいう「建物の主たる壁面」とは、建築面積を算出する際の建物外形線のことをい
い、庇、出窓、樋、案内表示等の看板は適用除外します。
■壁面後退位置図
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
■壁面後退の各部断面図
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
なお、B街区の北側についてはA街区の住宅との見合いに配慮し、壁面後退を建物高さ
によって段階的に設けることとし、高さT.P.+50m未満の部分では北側敷地境界から 16
m以上の壁面後退、高さT.P.+50m以上の部分では北側敷地境界から 21m以上の壁面後
退を設定しています。
また、北側壁面に開口部を設ける場合で、北側敷地境界からの距離が 21m未満となる部
分については、開口部の窓ガラスを不透明とすることが条件として付されます。
(2)建物外観の色彩
建物外観の色彩については、地区周辺の建物の色彩と穏やかに調和し、緑が美しく映え
る色彩として、暖色系のアースカラーを採用し、建物外観の基調色の色相、明度、彩度に
ついては、以下の数値の範囲内とします。
■基調色の設定
色相:7.5YR ~ 2.5Y
明度:5 以上
彩度:3 以下
※色の指定はマンセル表色系によります。
ただし、建物の外観にポイント的に配される色については、この限りではありません。
(3)駐車場、駐輪場、屋外設備機器等の修景
駐車場、駐輪場、屋外設備機器等については、植栽の配置や修景ウォール等の設置によ
り、歩行者等の視線に対して修景するよう努めてください。
(4)塀、柵等
広場状空地(A街区及びB街区)や歩道状の敷地内空地(A街区及びB街区)
、歩行者通
路(C街区)の中にセキュリティーラインを設けることは出来ません。
また、敷地境界等に塀、柵等を設ける場合は、原則、透視可能なフェンスとしてくださ
い。やむをえず、塀等に見通しの効かないコンクリートやレンガブロック等の素材を使用
する場合は、設置場所前面の地面から高さ 0.6m以下の範囲としてください。
更に、塀、柵等は可能な限り植栽等により修景してください。
(5)看板、幟(のぼり)、旗等の設置について
建物、施設、店舗等の名称、称号等を表示する目的で屋外に直接露出して設置される看
板等の設置高さについては、設置場所前面の地面から 6m以下の範囲としてください。また、
広場の周囲 3mの範囲には看板等の設置は出来ません。
なお、幟、旗及びこれに類する物の設置については、地上部以外では不可とします。
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
(6)防災に係る取り組み
地区内に住まわれる方々のための防災とともに、当地区を含む周辺地域が避難場所(広
域避難広場)に指定されていることを踏まえ、地域への貢献としての防災の取り組みが期
待されます。
また、コージェネレーションや燃料電池、非常用発電機、太陽光パネル等といった電源
多重化についても、防災の観点から期待される取り組みです。
(7)風環境について
地区周辺の風環境への影響について配慮に努めてください。
また、江古田の森公園の自然環境により冷却された空気の活用は熱環境の改善や低炭素
の取り組みとしての効果が期待できます。こうした観点からの屋外計画や建物計画上の配
慮等も期待されます。
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
第5章.まちづくり協議会
江古田三丁目地区でのまちづくりを進めるにあたっては、都市機構と公募により選定さ
れた民間事業者により構成される「まちづくり協議会」を設置し、当該協議会で各種計画
事項等の調整、連携による取り組みの検討等を議論しながら進めることとします。
当該協議会は計画や工事等の調整の場であると同時に、このまちづくりガイドラインに
記載のあるまちの将来像を踏まえ、事業者相互に協力して実施することでより良いまちづ
くりを目指した議論の場です。
よって、以下にまちづくり協議会のテーマを記載しておりますが、議論の過程で生まれ
るアイディア等により新たなテーマを設定され、より広い取り組みへの展開することが期
待されます。
特に、エリアマネジメントの取り組みついては、A街区とC街区の事業者公募における
総合評価にて提案された内容をベースにまちづくり協議会で議論を行い、より具体的で当
地区での取り組みとして有効な内容へと検討を深めたいと考えています。
まちづくり協議会がエリアマネジメントの立ち上げ期をバックアップし、建物竣工後 1
年頃を目途に、自立した運営が可能な体制に育てることを目指します。
■まちづくり協議会の概要
1.事務局:都市機構(予定)
2.参加メンバー
①都市機構・A街区事業者・B街区事業者・C街区事業者
②その他、①の全メンバーが当協議会への参加を認めた者
3.協議会設置期間等
設置期間:平成 27 年 4 月 から 全街区の建物竣工の 1 年後 まで
※開催頻度等は、協議内容や検討作業等に応じ、適宜設定
4.テーマ(※現在の想定)
①建物や屋外に関するデザイン等に関する事項
②工事実施上の調整に関する事項
③PR等の情報発信に関する事項
④まちの持続的な運営体制に関する事項(エリアマネジメント)
⑤協議会の設置期間
⑥その他必要な事項
なお、公募により選定された江古田三丁目地区でのまちづくりに参加いただく民間事業
者においては、募集条件により当該協議会への参加が義務付けられます。
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江古田三丁目地区まちづくりガイドライン 平成 26 年 11 月
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