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ダウンロード - 国立民族学博物館

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ダウンロード - 国立民族学博物館
研究活動
機関研究・特別研究
人類の文化資源に関するフォーラム型情報ミュージアムの構築
機関研究は、
個人でおこなうのがむずかしい規模の大きな課題、
周辺諸分野にまたがる学際的な課題、
ひろく人文社会科学に共通する重要な基礎的課題
開館以来約40年にわたり世界の民族と文化、
社会を研究し、
多様な有形・無形の民族資料とそれらに関連する情報を集積してきました。併せて本館では、
について、
本館の組織をあげて取り組む研究です。そこでは、
文化人類学・民族学の研究センターとしての特性を生かし、
また文化人類学・民族学に対す
国内外の複数の研究機関、
大学、
博物館、
現地社会と連携しながら民族資料と関連情報について国際共同研究を推進しています。 私たちは、
それらの
る社会的要請にこたえるため、
従来の研究分野を基礎にしながら、
先進的な課題をとりあげた各種プロジェクトが組織されています。 機関研究は、
本館の
資料と関連情報を
「人類の文化資源」
として同時代の人々と共有し、
かつ後世に伝えたいと考えています。この実現のため、
グローバルな共同利用デジタ
研究戦略を具体的に実現し、
その成果を社会に還元するための重要な役割を負っているとともに、
これらの研究プロジェクトを通じて、
文化人類学・民族学
ル・データバンクとして「フォーラム型情報ミュージアム」
を創出し、
人類の文化資源に関する情報の発信、
交換、
生成、
共有化を図る予定です。このミュージ
および広く関連諸分野の発展に寄与し、
さらには人文社会科学の再編や新しい分野の創出に貢献することが期待されます。
アムによって、
研究者コミュニティのみならず、
文化資源を作り出した現地社会との双方向的な交流も実現したいと考えます。2年目となる平成27年度は、
台
湾原住民や北米北方先住民に関する2件のプロジェクトが加わり、
合わせて6件のプロジェクトを実施しました。
法人第二期の中期目標期間の機関研究は、
国際性と機関間連携を重視した重点型の国際共同研究として位置づけられることになりました。平成21年度
の後半から
「包摂と自律の人間学」、
「マテリアリティの人間学」の2 つの領域を設定し、
研究プロジェクトを立ち上げました。前者は人と人の関係に、
後者は
人とモノの関係に研究の焦点をあて、
あらたな人間観を創出することをめざします。そして、
錯綜する現在的課題をターゲットにして新たな人文・社会科学を
展開していくために、
関連諸分野との協力による創成的な研究を進めます。平成27年度の研究は、
以下のとおりです。
なお、
法人第三期の中期目標期間の初年度となる平成28年度からは、
機関研究の枠組みを発展・改組し、
新たに特別研究として大学共同利用機
関としての本館の特徴を活かした研究を推進します。
代表者※
プロジェクト名
区分
期間※※
伊藤敦規
北米先住民製民族誌資料の文化人類学的ドキュメンテーションと共有
開発型
平成26年6月〜平成30年3月
野林厚志
台湾および周辺島嶼生態環境における物質文化の生態学的適応
開発型
平成27年4月~平成31年3月
強化型
平成26年6月〜平成28年3月
朝倉敏夫
1. 包摂と自律の人間学 領域代表:鈴木七美
※平成27年度については実施プロジェクトなし。
2. マテリアリティの人間学 領域代表:寺田吉孝
プロジェクトリーダー
プロジェクト名
菊澤律子
手話言語と音声言語の比較に基づく新しい言語観の創生
飯田 卓
文化遺産の人類学―グローバル・システムにおけるコミュニティとマテリアリティ
「朝鮮半島の文化」に関するフォーラム型情報ミュージアムの基盤構築
福岡正太
徳之島の民俗芸能に関するフォーラム型情報ミュージアムの構築
強化型
平成26年6月〜平成28年3月
林 勲男
民博所蔵「ジョージ・ブラウン・コレクション」の総合的データベースの構築
強化型
平成26年6月〜平成28年3月
岸上伸啓
北米北方先住民の文化資源に関するデータベースの構築に関する研究
―民博コレクションを中心に
強化型
平成28年1月~平成29年12月
※平成27年度実施分
※※開発型は4年以内、
強化型は2年以内
平成27年度に実施された機関研究関連のシンポジウム・研究フォーラム
※開催場所の表記がないものは本館で実施。外国語表記のあるものは国際研究集会。
国際シンポジウム
「文化遺産レジームを考える―レギーナ・ベンディクス教授を迎えて」
“International Symposium on Signed and Spoken Language Linguistics”
“Thinking about Cultural Heritage Regimes; a Discussion with Prof. Regina Bendix”
実施日
研究代表者
平成27年9月20日~21日
菊澤律子
国際シンポジウム「手話言語と音声言語に関するシンポジウム」
みんぱくセミナー
実施日
研究代表者
平成27年10月13日
飯田 卓
国際フォーラム「文化遺産レジームを考える ―レギーナ・ベンディクス教
授を迎えて」
国際シンポジウム
「通訳学☆最前線」
「無形文化遺産の継承における
「オーセンティックな変更・変容」」
“Interpretation Studies: Current Trends and Issues”
“Authentic Change in the Transmission of Intangible Cultural Heritage”
実施日
研究代表者
平成28年1月9日
菊澤律子
みんぱくセミナー「通訳学☆最前線」
10
国際フォーラム
「手話言語と音声言語に関するシンポジウム」
国立民族学博物館 要覧 2016
実施日
研究代表者
平成28年3月11日~13日
飯田 卓
国際シンポジウム「無形文化遺産の継承における「オーセンティックな変
更・変容」」
国立民族学博物館 要覧 2016
11
共同研究
文化人類学・民族学および関連分野の特定のテーマについて館内外の専門家が共同でおこなう研究です。
【若手】
平成27年度は、
館外より国立大学177名、
公立大学19名、
私立大学144名、
民間機関など55名の専門家とともに研究をおこないました
(平成28年
研究代表者
3月現在)
。
研究期間
館内
国立大学 公立大学 私立大学 民間機関など 計
課題1:文化人類学・民族学および関連諸分野を含む幅広い研究
平成27年度 共同研究課題
○ 石森大知
○印は館外による実施課題
【一般】
研究代表者
共同研究員数
研究課題
浜田明範
共同研究員数
研究課題
研究期間
館内
国立大学 公立大学 私立大学 民間機関など 計
○ 吉田ゆか子
課題1:文化人類学・民族学および関連諸分野を含む幅広い研究
宗教の開発実践と公共性に関する人類学的研究
平成25年10月1日
~平成28年3月31日
1
2
0
9
0
12
再分配を通じた集団の生成に関する比較民族史的研究―手続きと
多層性に注目して
平成25年10月1日
~平成28年3月31日
1
4
0
4
2
11
演じる人・モノ・身体―芸能研究とマテリアリティの人類学の交差点
平成26年10月1日
~平成29年3月31日
2
6
0
2
2
12
4
3
0
3
3
13
課題2:本館の所蔵する資料
(標本資料,
文献資料,
映像音響資料等)
に関する研究
○ 小野林太郎 アジア・オセアニアにおける海域ネットワーク社会の人類史的研究―資源利用と
物質文化の時空間比較
平成24年10月1日
~平成28年3月31日
2
5
1
5
3
16
○ 土佐桂子
平成24年10月1日
~平成28年3月31日
平成25年10月1日
~平成28年3月31日
平成25年10月1日
~平成29年3月31日
平成25年10月1日
~平成29年3月31日
1
6
2
4
1
14
計
8
15
0
18
7
48
1
3
0
6
1
11
合計
75
177
19
144
55
470
4
7
0
0
0
11
4
9
0
5
3
21
平成25年10月1日
~平成29年3月31日
1
7
1
3
1
13
1
7
3
4
1
16
2
5
1
2
1
11
1
5
1
8
0
15
開催日
研究会名
場所
3
5
1
5
3
17
平成27年6月13日
(土)
聖地の政治経済学―ユーラシア地域大国における比較研究
東北大学川内南キャンパス文学部棟大会議室
2
7
1
3
平成27年11月7日
(土)
~11月8日
(日) 医療者向け医療人類学教育の検討―保健医療福祉専門職との協働
国立民族学博物館 第4セミナー室
平成28年1月24日
(日)
医療者向け医療人類学教育の検討―保健医療福祉専門職との協働
中部大学 春日井キャンパス50号館3階会議室
平成28年2月6日
(土)
~2月7日
(日)
放射線影響をめぐる
「当事者性」に関する学際的研究
国立民族学博物館
6日:第6セミナー室 7日:第4セミナー室
平成28年2月21日
(日)
宇宙開発に関する文化人類学からの接近
国立民族学博物館 第7セミナー室
「統制」
と公共性の人類学的研究―ミャンマーにおけるモノ・情報・コミュニティ
川瀬 慈
映像民族誌のナラティブの革新
杉本良男
聖地の政治経済学―ユーラシア地域大国における比較研究
○ 窪田幸子
表象のポリティックス―グローバル世界における先住民/少数者を焦点に
○ 杉島敬志
エージェンシーの定立と作用―コミュニケーションから構想する次世代人類学
の展望
上羽陽子
現代「手芸」文化に関する研究
齋藤 晃
近世カトリックの世界宣教と文化順応
平成25年10月1日
~平成29年3月31日
平成25年10月1日
~平成29年3月31日
平成25年10月1日
~平成29年3月31日
平成26年10月1日
~平成30年3月31日
平成26年10月1日
~平成30年3月31日
0
13
森 明子
家族と社会の境界面の編成に関する人類学的研究―保育と介護の制度化/
脱制度化を中心に
平成26年10月1日
~平成30年3月31日
2
10
0
5
1
18
○ 太田好信
・人種を再考する
政治的分類―被支配者の視点からエスニシティ
3
8
0
5
0
16
○ 鏡味治也
生活用品から見たライフスタイルの近代化とその国別差異の研究
5
7
0
1
0
13
○ 川田牧人
呪術的実践=知の現代的位相―他の諸実践=知との関係性に着目して
4
6
0
5
0
15
○ 長谷川 清
資源化される
「歴史」―中国南部諸民族の分析から
平成26年10月1日
~平成30年3月31日
平成26年10月1日
~平成29年3月31日
平成26年10月1日
~平成30年3月31日
平成26年10月1日
~平成30年3月31日
平成27年10月1日
~平成31年3月31日
平成27年10月1日
~平成31年3月31日
平成27年10月1日
~平成31年3月31日
平成27年10月1日
~平成31年3月31日
平成27年10月1日
~平成31年3月31日
平成27年10月1日
~平成31年3月31日
平成27年10月1日
~平成31年3月31日
平成27年10月1日
~平成31年3月31日
平成27年10月1日
~平成31年3月31日
4
7
0
6
0
17
2
7
1
1
1
12
3
2
1
8
3
17
3
8
1
5
2
19
4
7
1
1
5
18
2
5
0
2
2
11
1
3
1
4
4
13
3
4
1
6
1
15
1
7
1
3
1
13
1
7
0
5
0
13
○ 長谷千代子 宗教人類学の再創造―滲出する宗教性と現代世界
○ 福岡まどか
グローバル化
東南アジアのポピュラーカルチャー―アイデンティティ、国家、
○ 吉江貴文
近代ヒスパニック世界における文書ネットワーク・システムの成立と展開
松尾瑞穂
グローバル化時代のサブスタンスの社会的布置に関する比較研究
山中由里子 驚異と怪異―想像界の比較研究
丹羽典生
応援の人類学―政治・スポーツ・ファン文化からみた利他性の比較民族誌
○ ERTL, John 考古学の民族誌―考古学的知識の多様な形成・利用・変成過程の研究
○ 岡田浩樹
宇宙開発に関する文化人類学からの接近
○ 中原聖乃
放射線影響をめぐる
「当事者性」に関する学際的研究
○ 飯田淳子
医療者向け医療人類学教育の検討―保健医療福祉専門職との協働
○ 齋藤 剛
個−世界論―中東から広がる移動と遭遇のダイナミズム
○ 市野澤潤平 確率的事象と不確実性の人類学―「リスク社会」化に抗する世界像の描出
○ 呉屋淳子
高等教育機関を対象にした博物館資料の活用に関する研究
平成27年10月1日
~平成30年3月31日
共同研究会の公開
平成16年度より共同研究会の一部が、
一般向けに公開されております。平成27年度実績は以下のとおりです。
課題 2:本館の所蔵する資料(標本資料,文献資料,映像音響資料等)に関する研究
齋藤玲子
明治から終戦までの北海道・樺太・千島における人類学・民族学研究と収集活
動―国立民族学博物館所蔵のアイヌ、
ウイルタ、
ニヴフ資料の再検討
平成 24 年 10月1日
~平成 28 年 3月31日
2
4
0
4
2
12
伊藤敦規
米国本土先住民の民族誌資料を用いるソースコミュニティとの協働関係構築に
関する研究
平成 25 年 10月1日
~平成 29 年 3月31日
2
1
0
8
2
13
○ 是澤博昭
モノにみる近代日本の子どもの文化と社会の総合的研究―国立民族学博物
館所蔵多田コレクションを中心に
平成 26 年 10月1日
~平成 30 年 3月31日
2
0
0
6
6
14
チベット仏教古派及びポン教の護符に関する記述研究
平成 27 年 10月1日
~平成 31年 3月31日
1
3
1
6
4
15
67
162
19
126
48
422
長野泰彦
計
12
国立民族学博物館 要覧 2016
国立民族学博物館 要覧 2016
13
各個研究
館長
須藤健一
外来研究員 平成27年度
平成28年度各個研究課題
先端人類科学研究部
伝統的航海術における呪術・宗教的世界に関する人類学的研究
民族社会研究部
研究者を受け入れました。
飯泉菜穂子
学術手話通訳者養成の実践とカリキュラムの検討および検証
飯田 卓
文化遺産の人類学に関する理論的研究
卯田宗平
鵜飼文化の比較研究
菊澤律子
オーストロネシア諸語の比較形態統語論的研究―動詞の形態法の
発達史を探る―
けて特別共同利用研究員として受け入れています。特別共同利用研究員は、
各々の特定の研究課題に応じて、
本館の指導教員から研究指導
を受け、
本館の諸施設を利用し研究を遂行するとともに、
本館に設置されている、
総合研究大学院大学文化科学研究科
(地域文化学専攻・比較
た。
特別共同利用研究員 平成27年度
本館は、
大学共同利用機関として全国の国公私立大学の博士後期課程に在籍する学生を、
当該学生の所属する大学院研究科からの委託を受
印東道子
島嶼環境への人類の移動と適応
宇田川妙子
公共性と親密性の再検討と再編
齋藤 晃
植民地期アンデスにおける副王トレドの総集住化の総合的研究
太田心平
韓国・朝鮮における社会文化の統合性と多様性
相良啓子
日本手話と台湾手話における歴史変化の解明:歴史社会言語学の
方法論の確立に向けて
韓敏
中国の社会と文化の再構築に関する人類学的研究
關 雄二
古代アンデスにおける権力生成過程の研究
松尾瑞穂
インドにおけるサブスタンスとつながりに関する研究
丸川雄三
連想情報学に基づく文化財情報発信に関する研究
受託事業 平成27年度
三尾 稔
インド西部における宗教と文化の変容に関する人類学的研究
研究代表者
委託者
研究課題
菊澤律子
日本財団
手話言語学に関する講義の実施および
シンポジウム・セミナーの開催
河合洋尚
台湾文化部
台湾文化光点計画事業―台湾の客家
小長谷有紀(併)モンゴルにおける社会主義的近代化
佐藤浩司
東南アジア木造建築史の再構築
園田直子
大型民族資料を対象とした環境に「やさしい」殺虫処理法の使
い分け③
塚田誠之
中国南部・広西におけるチワン族の歴史の資源化に関する研究
平井京之介
水俣病被害者支援運動の人類学的研究
MATTHEWS,
Peter J.
辺境少数民族地帯での植物利用及び伝統知の遺存と地域発
展活動や国際経済の影響評価
野生サトイモの研究プロジェクト
アジア・太平洋地域におけるカジノキ(Broussonetia papyrifera)
の自然・文化史
研究戦略センター
樫永真佐夫
第8回世界考古学会(京都、
平成28年8月28日―9月2日)
アート
・ア
ンド・アーケオロジー 共同主催者
三島禎子
アフリカ商業民の財の形成と継承に関する文化人類学的研究
横山葊子
東アジアにおける文化と社会の動態に関する人類学的研究
吉岡 乾
北パキスタン諸言語の記述言語学的研究
民族文化研究部
池谷和信
狩猟採集民の移動と定住に関する人類学的研究
齋藤玲子
アイヌ文化の継承と社会的背景の研究
笹原亮二
日本の祭と民俗芸能における装飾性の諸相
新免光比呂
ルーマニアの社会主義体制下での知識人について
鈴木 紀
国際開発のための実践人類学
竹沢尚一郎
アフリカ史研究
被災のコミュニティ研究
出口正之
廣瀬浩二郎
公益法人その他の組織とフィランソロピーの総合的研究
「バリア・フリー」に関する人類学的研究
寺田吉孝
音楽・芸能の伝承における映像音響メディアの活用
藤本透子
中央アジアにおける移動と宗教動態に関する人類学的研究
森 明子
人類学的比較の再考
山中由里子
中東およびヨーロッパにおける驚異譚の比較文学的研究
国立民族学博物館 要覧 2016
文化学専攻)
の教育プログラムに一部参加することができます。平成27年度は、
国立大学より2名公立大学より4名私立大学より3名受け入れまし
研究費(千円)
ベトナムにおける黒タイ文字と文書
河合洋尚
20,300
3,875 ※
(※H27年1月受入)
計2件 24,175
東南アジアにおけるボクシングの文化人類学
中国客家地域の都市景観形成にまつわる人類学的研究
環太平洋における客家の移動、
文化再生、
景観形成にまつわる越
境民族誌
フォーラム型情報ミュージアム
「ジョージ・ブラウン・コレクション」
14
本館では、
国内外の研究者を外来研究員として受け入れています。平成27年度は、
13の国・地域からの23人の外国籍の研究者を含む、
107人の
中国の人類学的研究をめぐるレビューと再検討
岸上伸啓
カナダ東部地域および極北地域における諸先住民文化の変化と
菅瀬晶子
東地中海アラブ諸国における宗教的アイデンティティの表象
鈴木七美
多世代共生「エイジ・フレンドリー・コミュニティ」
とコモンズ
西尾哲夫
アラブ世界の言語社会的位相と文学伝統の変容
丹羽典生
応援の人類学:政治・スポーツ・ファン文化からみた利他性の諸相
南 真木人
ネパール社会の30年間の変化に関する研究Ⅱ―バトゥレチョール村
とガンダルバ・カーストを事例に
現状に関する人類学的研究
寄附金 平成27年度
寄附金の名称
研究代表者
寄附者
受入額(千円)
椿原敦子外来研究員助成金
椿原敦子
椿原敦子
130
山本文子外来研究員助成金
山本文子
山本文子
130
順益台湾原住民博物館研究賛助金
野林厚志
順益台湾原住民博物館
菊澤律子准教授研究助成金
菊澤律子
(株)エデュケーショナル・デザイン
2015年特別展「韓日食博」に係る助成金
朝倉敏夫
公益財団法人 日韓文化交流基金
KOREA FOUNDATION 特別展助成金
企画課
韓国国際交流財団
2,800
744
462
3,649
計6件 7,915
文化資源研究センター
伊藤敦規
日本国内博物館等所蔵アメリカ先住民資料の協働管理に向けた
調査研究
上羽陽子
現代インドの手工芸文化に関する民族芸術学的研究
川瀬 慈
コミュニケーションを媒介し生成する民族誌映画の研究
寺村裕史
墳墓からみたインダス文明期の社会景観
野林厚志
台湾原住民族の工芸生産と文化表象に関わる人類学的研究
信田敏宏
協力行動に関する人類学的研究
林 勲男
災害と記憶
日髙真吾
日本列島における地域文化の再発見とその表象システムの構築
福岡正太
映像音響メディアが伝統的音楽芸能に与える影響に関する研究
山本泰則
標本資料名と資料情報に関する研究
吉田憲司
文化の創造・継承と表象に関する博物館人類学的研究
国立民族学博物館 要覧 2016
15
科学研究費助成事業
科学研究費助成事業は、
我が国の学術を振興するため、
人文・社会科学から自然科学まであらゆる分野における優れた独創的・先駆的な研究
を格段に発展させることを目的とする研究助成費で、大学などの研究者または研究者グループが自発的に計画する基礎的研究のうち、学術研
究の動向に即して特に重要なものを取り上げ、
研究費の助成をするものです。
研究代表者
研究課題
継続
新学術領域研究
鈴木 紀
植民地時代から現代の中南米の先住民文化
新規
新学術領域研究
吉田憲司
地域研究に関する学術写真・動画資料情報の統合と高度化
※国際共同研究
加速基金
伊藤敦規
伊藤敦規
日本国内の民族学博物館資料を用いた知の共有と継承に関する文化人類学的研究
6,760
継続
若手研究(A)
吉岡 乾
北パキスタン諸言語の記述言語学的研究
2,600
新規
若手研究(A)
末森 薫
中国甘粛仏教石窟壁画の制作技法に関する多面的研究
2,730
12,090
若手研究(B)
鈴木博之
言語多様性の記述を通して見る中国雲南省チベット語の方言形成の研究
780
継続
若手研究(B)
川瀬 慈
アフリカの無形文化保護における民族誌映画の活用
390
5,720
継続
若手研究(B)
太田心平
博物館展示の再編過程の国際比較による
「真正な文化」の生成メカニズムの解明
910
26,000
継続
若手研究(B)
岡本尚子
31,720
継続
若手研究(B)
森田剛光
滞日ネパール人の生活実践と労働動態の研究
継続
若手研究(B)
黒田賢治
現代イランにおける東洋的身体技法の実践とイスラーム的転回をめぐる人類学的研究
910
継続
若手研究(B)
金田純平
笑い話に注目した日本語ナラティブの「型」
と
「技」の地域比較
780
継続
若手研究(B)
中村真里絵
世界文化遺産バンチェン遺跡と地域社会: 住民の生活史の視点から
継続
若手研究(B)
戸田美佳子
アフリカ障害者の生活基盤に関する地域研究
1,430
14,690
日本国内の民族学博物館資料を用いた知の共有と継承に関する文化人類学的研究
(国際共同研究強化)
計1件
14,690
1,170
『千一夜物語』仏語訳者マルドリュス再考―<遺贈コレクション>の分析を中心に
1,170
910
継続
基盤研究(A)
西尾哲夫
アラブ世界の都市部中流層文化とアラビアンナイト―エジプト系伝承形成の謎を解く
9,360
新規
若手研究(B)
松尾瑞穂
現代インドにおける遺伝子の社会的布置に関する人類学的研究
1,560
継続
基盤研究(A)
池谷和信
熱帯の牧畜における生産と流通に関する政治生態学的研究
7,800
新規
若手研究(B)
登 久希子
社会をつくる芸術:「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」の人類学的研究
1,170
継続
基盤研究(A)
須藤健一
ネットワーク型博物館学の創成
8,450
継続
基盤研究(A)
吉田憲司
アフリカにおける文化遺産の継承と集団のアイデンティティ形成に関する人類学的研究
7,150
継続
基盤研究(A)
齋藤 晃
アンデスにおける植民地的近代―副王トレドの総集住化の総合的研究
計11件
継続
挑戦的萌芽研究
出口正之
法・会計・文化融合型の公共政策国際比較研究 チャリティ制度を事例に
1,820
新規
挑戦的萌芽研究
相良啓子
日本手話と台湾手話の歴史変化の解明: 歴史社会言語学の方法論の確立に向けて
1,300
基盤研究(A)
塚田誠之
中国周縁部における歴史の資源化に関する人類学的研究
9,100
継続
基盤研究(A)
岸上伸啓
グローバル化時代の捕鯨文化に関する人類学的研究―伝統継承と反捕鯨運動の相克
6,760
新規
基盤研究(A)
長野泰彦
チベット
・ビルマ語族の繋聯言語の記述とその古態析出に関する国際共同調査研究
10,660
新規
基盤研究(A)
關 雄二
アンデス文明における権力生成と社会的記憶の構築
11,440
計2 件
継続
研究活動スタート支援
八木百合子
モノを通してみる現代ペルーにおける聖人信仰の形成と発展に関する人類学的研究
81,250
1,040
継続
研究成果公開促進費
久保正敏
梅棹忠夫資料のデジタルアーカイブズ
5,100
継続
研究成果公開促進費
高橋晴子
服装・身装文化デジタルアーカイプ
5,500
基盤研究(B)
丸川雄三
ミュージアムと研究機関の協働による制作者情報の統合
2,860
継続
基盤研究(B)
寺村裕史
墳墓からみたインダス文明期の社会景観
4,030
継続
基盤研究(B)
野林厚志
台湾原住民族の分類とアイデンティティの可変性に関する人類学的研究
3,250
継続
基盤研究(B)
鈴木七美
多世代共生「エイジ・フレンドリー・コミュニティ」構想と実践の国際共同研究
3,510
継続
基盤研究(B)
園田直子
セルロース系ナノファイバーの紙資料保存への応用
継続
特別研究員奨励費
松田有紀子
花街の担い手コミュニティの日常的実践に関する歴史人類学的研究
4,420
継続
基盤研究(B)
日髙真吾
東日本大震災で被災した民俗文化財の保存および活用に関する基礎研究
継続
特別研究員奨励費
松平勇二
ショナ音楽文化と憑依儀礼の政治・宗教人類学的研究
5,720
継続
基盤研究(B)
大森康宏 映像人類学とアーカイブズ実践―活用と保存の新展開
新規
特別研究員奨励費
安念真衣子
ネパールにおける教育の市場化と生活世界の変容―貧困層の親族・移動・暴力に着目して
3,380
継続
基盤研究(B)
森 明子
ポスト福祉国家時代のケア・ネットワーク編成に関する人類学的研究
5,330
新規
基盤研究(B)
南 真木人
2015年ネパール地震後の社会再編に関する災害民族誌的研究
6,240
計2 件
780
1,300
1,170
計3 件
※国際共同研究加速基金は平成28年度~30年度配分額
10,600
3,250
総計52 件 218,210
38,740
継続
基盤研究(C)
丹羽典生
トランスナショナルな社会運動と政治参加の人類学:オセアニア大国の移民を事例に
1,300
継続
基盤研究(C)
金谷美和
インド災害後のローカル文化再編におけるコミュニティ資源としての「手工芸」の意義
1,300
継続
基盤研究(C)
上羽陽子
現代インドにおける染織技術の戦略的継承法に関する民族芸術学的研究
継続
基盤研究(C)
宇田川妙子
現代イタリア社会におけるローカリティに関する文化人類学的研究
1,170
継続
基盤研究(C)
菅瀬晶子
ガリラヤ地方とレバノンのキリスト教徒によるアラブ・ナショナリズムの再考
1,560
継続
基盤研究(C)
笹原亮二
本州とその周辺の島々及び多島海的海域における民俗芸能の研究
新規
基盤研究(C)
卯田宗平
ポスト家畜化時代の鵜飼文化とリバランス論―新たな人・動物関係論の構築と展開
新規
基盤研究(C)
藤本透子
カザフスタンにおける伝統医療とイスラームの人類学的研究
新規
基盤研究(C)
竹村嘉晃
スリランカ系タミル人によるインド舞踊の発展と再々構築化に関する全体関連的研究
780
910
1,040
780
1,690
計9件
国立民族学博物館 要覧 2016
3,120
1,040
計1件
継続
計9件
11,180
10,530
継続
計9件
16
研究課題
継続
配分額(千円)
計2件
継続
研究代表者
若手研究(A)
計3 件
平成28年度採択課題
研究種目
配分額(千円)
研究種目
継続
10,530
国立民族学博物館 要覧 2016
17
研究成果の公開
※開催場所の表記がないものは、本館で開催。外国語表記があるものは、国際研究集会。
本館では、
館長リーダーシップ経費「研究成果公開プログラム」
をはじめ、
シンポジウムや研究フォーラム、
国際研究集会への派遣など、
研究成果
の公開を積極的に支援しています。その他の外部資金等を含め、平成27年度は下記のような成果公開を実施しました。なお、機関研究関連
については、
10~11頁に掲載しています。
先端的な研究活動を取りあげ、
その成果を社会に積極的に還元するとともに、
文化人類学・民族学を通じての異文化理解と、
広く本館が学術研
究機関であることの認識を一般市民に深めてもらうことを目的として、
東京と大阪において学術講演会を実施しています。
みんぱく公開講演会
育児の人類学、
介護の民俗学―
フィールドワークによる再発見
ワールドアートの最前線―
アイヌの文様とエチオピアの響き
平成27年11月13日
平成28年3月25日
講師
司会
参加総数
共催
講師
司会
参加総数
共催
六車由実、
信田敏宏、
鈴木七美
丹羽典生
366名
日本経済新聞社
佐々木史郎、
川瀬 慈、
上羽陽子
南 真木人
271名
毎日新聞社
シンポジウム・ワークショップ等
国際ワークショップ
「資料熟覧―資料熟覧のための
ソースコミュニティ招聘プロセスと
人類学的ドキュメンテーションの検討」
“Collection Review and Source
Communities: Practical Issues
for Anthropological Documentation”
平成27年4月16日~17日
代表者
経費
伊藤敦規
人類の文化資源に関するフォーラム型
情報ミュージアムの構築
国際シンポジウム
「生物医療はアフリカに何を
作り出しているのか」
“How Biomedicines Shape Life,
Sociality and Landscape in Africa? ”
平成27年9月26日~27日
代表者
経費
浜田明範、
松尾瑞穂
館長リーダーシップ経費研究成果
公開プログラム
公開フォーラム
「世界の博物館2015」
“Museums in the World 2015”
平成27年11月3日
代表者
経費
園田直子
JICA課題別研修
「博物館とコミュニティ開発」
平成27年度
館内の出版物
国立民族学博物館研究報告
論文
大規模災害時における文化財レスキュー事業に関する一考察―東日本
大震災の活動から振り返る 日髙真吾
メディアをめぐる公共圏の検討―ベナンの視聴者参加番組の事例をとお
して 田中正隆
Special Issue
Introduction
Japan in Global Circulation: Transnational Migration and
Multicultural Politics Blai Guarné and Shinji Yamashita
Transnational Families in a Global Circulation Context:
The Case of Cross-border Marriages between Japanese Women
and Pakistani Migrants Masako Kudo
Micro-politics of Identity in a Multicultural Japan: The Use of
Western Colonial Heritages among Japanese Filipino Children
(JFC) Taichi Uchio
Transnational Labor Migration in Japan: The Case of Korean
Nightclub Hostesses in Osaka Haeng-ja Chung
A Ruptured Circuit: The Economic Crisis and the Breakdown of
the Dekassegui Migration System Koji Sasaki
Commentary
Japan in Global Circulation: Transnational Migration and
Multicultural Politics Glenda S. Roberts
40巻2号 論文
かたちを変えていく歌詞―チベット難民社会におけるチベタン・ポップの
作詞実践を事例に 山本達也
研究ノート
Reinterpretation of the Ramayana in Indonesia: A Consideration
of the Comic Works of R. A. Kosasih Madoka Fukuoka
特集
マダム・ブラヴァツキーのチベット
序論 杉本良男
入口としてのカルムィク草原―19世紀前半のカルムィク人とその信仰に関
する知識と記憶 井上岳彦
ブッダの世界の小さな花―エレーナ・ガンの
『ウトバーラ』が描くカルムィク
仏教の世界 高橋沙奈美
不可視の「チベット」,
可視の「チベット」―欧米と日本におけるチベット
・イ
メージ 高本康子
闇戦争と隠秘主義―マダム・ブラヴァツキーと不可視の聖地チベット 杉本良男
40巻3号 論文
オーストラリア・アジア系専門職移民の文化・社会参加戦略―ある作家の
自叙伝と文化・社会活動に注目して 石井由香
書評論文
壮族の「民族英雄」儂智高に関する研究の動向と問題点 塚田誠之
研究ノート
赤子と母のいのちを守るための江戸時代の民間療法 沢山美果子
The Role of Meals in the Well-being of American and Japanese
Elderly: Meal Programs at Senior Centers and Senior Dayservice Centers Mariko Fujita-Sano
40巻4号 論文
博物館におけるLED照明の現状―2015年夏 国立民族学博物館展
示場での実験データから 園田直子・日髙真吾・末森 薫・奥村泰之・河村友佳子・橋本沙知・
和髙智美
「アーティスト」
として生きていく―ナイジェリアの都市イレ・イフェにおける
「アート」のあり方 緒方しらべ
研究ノート
イスラエル・ガリラヤ地方のアラブ人市民にみられる豚肉食の現在―キリ
スト教徒とムスリム,
ユダヤ教徒の相互的影響 菅瀬晶子
40巻1号
学術講演会
みんぱく公開講演会
研究成果の出版
公開シンポジウム
「ユニバーサル・
ミュージアム論の
新展開―
展示・教育から観光・まちづくりまで」
“A New Development in the Concept
of“Universal Museum”
:
From Exhibition and Education to
Tourism and Town Planning”
平成27年11月28日~29日
代表者
経費
廣瀬浩二郎
館長リーダーシップ経費研究成果公開
プログラム
国際ワークショップ
「フォーラム型情報ミュージアムの
システム構築―
オンライン協働環境構築に向けた
理念と技術的側面の検討」
“System Architecture for
the Info-Forum Museum:
Philosophy and Technique”
平成28年2月11日~12日
代表者
経費
伊藤敦規
人類の文化資源に関するフォーラム型
情報ミュージアムの構築
Senri Ethnological Studies (SES)
no. 91
no. 92
18
国立民族学博物館 要覧 2016
Senri Ethnological Reports (SER)
130 号 梅棹忠夫の内モンゴル調査を検証する 娜仁格日勒編著
131号 カナダ先住民芸術の歴史的展開と現代的課題―国立民族学博物館所蔵
のイヌイットおよび北西海岸先住民の版画コレクションをとおして
齋藤玲子編
132 号 環北太平洋地域の先住民文化 岸上伸啓編
133 号 An Audiovisual Exploration of Philippine Music: The Historical
Contribution of Robert Garfias, edited by Terada Yoshitaka
134 号 国立民族学博物館所蔵 鍋沢元蔵ノートの研究 中川 裕・遠藤志保編
135 号 Культура народов Сибири и Дальнего Востока в музейных коллекциях
России и Японии: методы сбора, учета, хранения и экспозиции, под ред. Шагланова Ольга А., Сасаки Cиро
136 号 中国地域の文化遺産―人類学の視点から 河合洋尚・飯田 卓編
民博通信
評論・展望 新たなサブスタンスとつながりの再配置―インドの生殖医療のフィールドから
松尾瑞穂
150号 評論・展望 帰納的アプローチと演繹的アプローチの統合―アンデス考古学からの視点
関 雄二
151号 評論・展望 世界の屋根の言語事情・研究事情―系統を越えた言語接触の現場
吉岡 乾
152号 評論・展望 ミュージアムの中の古代アメリカ文明 鈴木 紀
149号
国立民族学博物館研究年報 2014
研究年報は、本館の研究部の年次活動を総覧的に広報する
ために発行され、
研究戦略センターが編集責任を負っています。
研究活動にとどまらず、展示や社会連携など教員がかかわる
すべての年次活動を網羅的に示し、
広報し、
自己点検・評価書
に添付する資料としての役割も加わるようになっています。
国立民族学博物館論集(館外出版)
4 号 ポスト社会主義以後のスラヴ・ユーラシア世界―比較民族誌的研究 佐々木史郎・ 渡邊日日編 館外での出版物
国内外の出版社から刊行を制度的に奨励しており、2015年度は以下のものが出版
されました。
現代アジアの宗教―社会主義を経た地域を読む 藤本透子編 春風社
ミュージアムと負の記憶―戦争・公害・疾病・災害:人類の負の記憶をどう展示するか
竹沢尚一郎編著 東信堂
<驚異>の文化史―中東とヨーロッパを中心に 山中由里子編 名古屋大学出版会
仕事の人類学―労働中心主義の向こうへ
中谷文美・ 宇田川妙子編 世界思想社
景観人類学―身体・政治・マテリアリティ 河合洋尚編 時潮社
<紛争>の比較民族誌―グローバル化におけるオセアニアの暴力・民族対立・政治的
混乱 丹羽典生編 春風社
民族文化資源とポリティクス―中国南部地域の分析から
塚田誠之編 風響社
Social Movements and the Production of Knowledge: Body,
Practice, and Society in East Asia, edited by Kyonosuke Hirai
Northeast Asian Borders:History, Politics, and Local Societies,
edited by Yuki Konagaya and Olga Shaglanova
国立民族学博物館 要覧 2016
19
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