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様々な協会に入る情報を踏まえ 診察をを受ける前

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様々な協会に入る情報を踏まえ 診察をを受ける前
「脳 脊 髄 液 減 少 症 」の診 断 を正 しく受 けるには?ということで NPO の中 井 さんに質 問 させ
てください。
インタビュー
Q.「脳 脊 髄 液 減 少 症 」の認 知 が相 当 高 まっております。
一 体 どのくらい認 知 度 があがっているのでしょうか?
A.「これだけ」という具 体 的 に示 す指 数 がありません。目 安 があるとすれば、治 療 施 設 の
数 がそれにあたるかもしれません。現 在 、20 の県 の公 式 ホームページで「脳 脊 髄 液
減 少 症 」の治 療 病 院 を公 開 しています。プラス2県 が年 内 公 開 予 定 となっています。
Q.なるほど。この「脳 脊 髄 液 減 少 症 」の運 動 を開 始 したころとは、ずいぶん環 境 が変 わっ
てきたように思 います。ところで、これだけ治 療 を行 える病 院 が増 えたにもかかわらず、
病 院 により医 師 の意 見 が違 うのは、なぜでしょうか? また、どういう視 点 から、病 院
選 びをすれば、よろしいのでしょうか?
A.実 はそういう問 い合 わせが、協 会 に増 えてきています。
まず、どの診 断 基 準 をポイントに治 療 しておられるかというのが問 題 です。
つぎに、医 師 の治 療 実 績 も影 響 してくるでしょう。医 師 の治 療 実 績 50 例 以 上 と、治
療 医 師 で 作 る 脳 脊 髄 液 減 少 症 研 究 会 作 成 の「脳 脊 髄 液 減 少 症 ガイ ドライ ン 200
7」を 診 断 基 準 としていることが、ポイントになると思 い ます。県 の公 式 ホームページで
公 開 されている病 院 であっても、実 際 に診 察 に行 かないと「正 しい診 断 」が受 けられる
かどうか、わからないと思 います。
Q.実 は、私 の知 り合 いが、近 所 の脳 神 経 外 科 医 や整 形 外 科 医 にこの「脳 脊 髄 液 減 少
症 」の話 をしたら、『そんな病 気 はありえない、いんちきだよ』と言 われたそうです。どう
してでしょうか?
A.これは本 当 に難 しい話 ですね。また、悲 しい現 実 です。
ある病 院 のお話 を通 して説 明 します。
その病 院 には、整 形 外 科 医 と脳 外 科 医 の二 人 の医 師 がおられて、脊 椎 外 来 を専 門
に仕 事 をされておられる総 合 病 院 です。お一 人 は「脳 脊 髄 液 減 少 症 」の
治 療 実 績 が、すでに 100 症 例 あります。もう一 人 の医 師 は治 療 実 績 がありません。
しかし、その二 人 の先 生 は同 じ病 院 内 で診 察 されています。片 方 の先 生 の患 者 にも
当 然 接 する機 会 があります。私 は、その治 療 実 績 のない医 師 にお会 いし、直 接 ご意
見 を伺 いました。
「どうですか、脳 脊 髄 液 減 少 症 の治 療 実 績 は?」
『70%の方 に効 果 があるようですね。』
「すごいですね。でも先 生 は治 療 されないのですか?」
『う~む。まちがいなくこの病 気 はあるけれど、まだまだ解 明 されていない部 分 が多 す
ぎます。』
この医 師 の見 解 を皆 さんは、どう思 われますか?
7割 に改 善 がみられ、それを目 のあたりにしてい ても、治 療 に踏 み切 ることができない。
これは他 の病 院 でも見 受 けられます。特 に整 形 外 科 では、「脳 脊 髄 減 少 症 」より低 髄
液 圧 症 候 群 のイメージが強 く、硬 膜 という膜 が裂 けて髄 液 が漏 れるなんて、どうしても
考 えられないというのがあるようです。
解 剖 学 的 に、神 経 根 の末 端 、たとえ ば 、シャツでい う と袖 の部 分 が弱 い とさ れていま
す。どうもそこから髄 液 が漏 れるみたいです。医 師 は『明 らかにその部 分 が科 学 的 に
立 証 されないと、診 察 に踏 み切 れない』と言 われます。私 はそれも一 理 あると思 うので
す。また、ブラッドパッチ治 療 は、すぐに効 果 が表 れない場 合 あります。治 療 効 果 が表
れるのに、数 ヶ月 や年 単 位 を要 するケース、それまでに病 状 が一 時 的 に悪 化 したよう
に見 える場 合 もあります。治 療 経 験 の少 ない医 師 にとっては、大 変 戸 惑 うことが多 く、
また忍 耐 力 の必 要 な治 療 であることも事 実 です。なかなか治 療 を行 う医 師 が増 えない
理 由 の1つと考 えられます。それと「脳 脊 髄 液 減 少 症 」の診 察 をされている医 師 は、本
来 の仕 事 以 外 にも「診 断 書 や雑 務 で、多 忙 きわまりない状 態 」が続 き、治 療 に専 念 で
きないことで、症 例 数 が増 えない方 もいます。患 者 さんの中 には、診 察 時 の医 師 の何
気 ない言 葉 に「むっ」とくることがあるかもしれません。しかし、そこは「いろいろな事 情 」
を察 していただきたいと思 います。
次 に脳 神 経 外 科 に目 を向 けると、今 でも「そんな病 気 にだまされるな」と診 断 に来 た
患 者 さんに怒 鳴 る医 者 がいると聞 きました。患 者 さんを怒 鳴 ること自 体 、おかしいと
思 います。全 国 には 7,000 人 に近 い脳 外 科 医 がいると聞 きます。中 には、残 念 なが
ら、認 識 不 足 の医 師 もいるという事 でしょう。
それと、先 の整 形 外 科 と同 じく、「脳 脊 髄 液 減 少 症 =低 髄 液 圧 症 候 群 」と、いまだに
認 識 している方 がいます。
(図 表 示 )
診断基準(国際頭痛分類第2版)
7.23 特 発 性 低 髄 液 圧 性 頭 痛
A 頭 部 全 体 お よ び ・ ま た は 鈍 い 頭 痛 で 座 位 ま た は 立 位 を と る と 15 分 以 内 に 増 幅
し以下の少なくとも1項目を有し、かつ D を満たす
1.項部硬直2.耳鳴3.聴力低下4.光過敏5.悪心
B 少なくとも以下の1項目を満たす
1 . 低 髄 液 圧 の 証 拠 を MRI で 認 め る ( 硬 膜 の 増 強 な ど )
2 . 髄 液 漏 出 の 証 拠 を 通 常 の 脊 髄 造 影 、 CT 脊 髄 造 影 、 ま た RI 脳 槽 造 影 で 認 め る
3.座位髄液初圧は60ミリ水柱未満
C 硬膜穿刺その他髄液漏の原因となる既往がない
D 硬膜外血液パッチ(ブラッドパッチ)後
72時間以内に頭痛が消滅する
また、世 界 的 にも国 際 頭 痛 分 類 第 2版 の診 断 基 準 があるので、どうしても、それが
正 しいと思 ってしまうのも、現 時 点 ではしかたがないかもしれません。
Q.国 際 頭 痛 分 類 学 会 に記 載 されている「髄 液 漏 れに伴 う頭 痛 」と、いま話 題 になってい
る「脳 脊 髄 液 減 少 症 」は異 なるのでしょうか?
A.あくまで素 人 考 えですが、違 う病 態 だと思 います。
Q.どう違 うのでしょうか?
A.まず、はじめに説 明 が長 くなることをお許 しください。また、一 患 者 としてお話 をさせて
いただきます。
「低 髄 液 圧 症 候 群 」は、国 際 頭 痛 分 類 第 2版 の診 断 基 準 では、横 になっている状 態
から起 き上 がると“15 分 以 内 に頭 痛 が増 悪 する”病 状 と書 かれています。
これは、急 性 の髄 液 漏 れ患 者 さんが当 てはまるかもしれません。歩 いて病 院 を受 診
することはかなり困 難 。起 き上 がると髄 液 は急 激 に漏 れ、髄 液 圧 も下 がり、立 っていら
れないような症 状 に襲 われていると考 えられます。
造 影 脳 MRIでは、“び漫 性 硬 膜 肥 厚 ” という所 見 をみとめる場 合 が多 く、比 較 的 診
断 は容 易 なようです。ただし、この分 類 では硬 膜 外 血 液 パッチ(ブラッドパッチ)によっ
て、数 日 以 内 に改 善 する頭 痛 と書 かれており、これをすべて満 たすのは、かなり稀 な
病 状 のようです。
次 に、「脳 脊 髄 液 減 少 症 」の患 者 さんは、慢 性 期 の方 が多 いのが特 徴 です。
確 かに初 期 症 状 には「低 髄 液 圧 症 候 群 」のような症 状 がある場 合 もありますが、慢 性
の経 過 で“起 立 性 頭 痛 ”は“ゆっくり”(数 時 間 程 度 で)出 現 することが多 くなります。
ただし、中 には、起 きていても寝 ていても痛 いという体 位 には関 係 しない頭 痛 を訴 え
る方 もいます。また、症 状 も多 彩 になっています。いわゆる“不 定 愁 訴 ”です。体 内 で
は髄 液 減 少 に伴 う代 償 性 変 化 が起 こり、なおかつその状 態 が慢 性 化 していると考 え
られます。そのためか髄 液 圧 は多 くが正 常 圧 を示 します。
多 くの患 者 さんは、頭 痛 、ふらつき、全 身 倦 怠 感 、自 律 神 経 症 状 、記 憶 力 ・思 考 力
低 下 など様 々な症 状 で大 変 苦 しんでいます。
しかし、“15 分 以 内 に増 悪 する起 立 性 頭 痛 ”、“造 影 MRIの硬 膜 肥 厚 所 見 ”、“低 髄
液 圧 ”を診 断 の重 要 ポイントとする国 際 頭 痛 分 類 学 会 の診 断 基 準 にはあてはまりま
せん。これが、今 まで多 くの患 者 さんが見 過 ごされてきた要 因 と思 われます。
Q.なるほど。医 師 が『髄 液 が漏 れていたらあなたのように立 っていられませんよ、だから
あなたは脳 脊 髄 液 圧 症 候 群 ではない』と患 者 に言 うのも無 理 がないのですね。
特 に「脳 脊 髄 液 減 少 症 ガイドライン2007」を重 用 視 するのは何 故 ですか?
A.「脳 脊 髄 液 減 少 症 ガイドライン2007」は、確 かに完 全 ではないかもしれません。
そういう意 見 をよく研 究 会 に所 属 されている医 師 からも聞 きます。本 を読 みますと、1
年 ごとに更 新 されると記 述 があります。実 は、この脳 脊 髄 液 減 少 症 研 究 会 に所 属 され
ている医 師 は、とても優 秀 な方 ばかりです。皆 さん、第 一 線 で活 躍 されています。そう
いう方 達 が、『さらに完 成 度 の高 いものを追 求 しなければいけませんね』と言 われてお
ります。
現 状 、患 者 の立 場 から言 いますと、「検 査 画 像 でグレーゾーン。逆 に異 常 が無 いとい
う ケース の場 合 でも 、『脳 脊 髄 液 減 少 症 ガイドライ ン 2007』に記 載 する症 状 を訴 える
場 合 」があります。そういう方 でも硬 膜 外 腔 生 理 食 塩 水 パッチやブラッドパッチ治 療 を
して改 善 される方 が比 較 的 多 いのです。この事 実 は、症 例 数 50 例 を超 える医 師 なら
ば、皆 さん知 っていると思 います。しかし、公 式 な論 文 や研 究 での発 表 はありません。
そこには科 学 的 に立 証 される証 拠 がないからです 。反 対 されるのがわかっているので
す。
「脳 脊 髄 液 減 少 症 ガイドライン 2007」に、硬 膜 外 腔 生 理 食 塩 水 注 入 試 験 という項 目
がありますが、とても重 要 と思 うのです。ただし何 度 も言 いますが、そのよくなる根 拠 が
科 学 的 に証 明 されにくいということなのです。
今 の医 学 はやはりエビデンス(証 拠 )に伴 う治 療 を重 用 視 します。交 通 事 故 や労 働 災
害 保 険 などの後 遺 症 判 断 もそうです。やはりエビデンスを重 用 視 します。そこの部 分
が解 明 されていないために反 対 派 の医 師 から攻 められ、混 乱 がおこっているのが現
状 です。
しかも医 師 が、「脳 脊 髄 液 減 少 症 ガイドライン 2007」を理 解 し、そういう症 例 もあるのだ
なと経 験 し 認 識 していなけ れば、『はい。画 像 ではグレー のよう です 。異 常 ない ので、
あなたは「脳 脊 髄 液 減 少 症 」ではありません』と簡 単 に言 われてしまうでしょう。
逆 に、「脳 脊 髄 液 減 少 症 ガイドライン 2007」を理 解 していれば、たとえば、『私 の病 院
ではできませんが、症 例 数 の多 い病 院 に行 く事 をお進 めします。一 度 、生 理 食 塩 水
パッチ試 験 なども考 慮 されてはいかがでしょう』と発 言 できます。このフォローが重 要 か
と思 います。
特 に小 児 の例 は、画 像 に出 ない事 も多 々あるようです。これは、脳 脊 髄 液 の循 環 、
生 産 などが早 いためと言 われております。特 に専 門 医 の診 察 が必 要 になると思 いま
す。
Q.生 理 食 塩 水 を注 入 することで改 善 する事 を、プラセボ効 果 として「精 神 的 な影 響 」と
考 える医 師 もおりますが?
A.科 学 的 に言 えば、プラセボ効 果 も否 定 はできないと思 います。しかし、それまで、どの
ような治 療 を受 けてもほとんど効 果 のなかった(プラセボ効 果 もなかった)方 が、一 過
性 でも明 らかに症 状 が軽 減 するのであれば、生 理 食 塩 水 パッチ試 験 を受 けたすべて
の方 が“プラセボ効 果 ”を感 じているというのは、無 理 があると思 います。科 学 的 でな
いと思 います。また、このテストは繰 り返 し行 うことも可 能 で、効 果 の再 現 性 があればよ
り確 かな治 療 になりうるかもしれません。
「脳 脊 髄 液 減 少 症 ガイドライン 2007」を考 慮 し、治 療 をされる医 師 が増 えれば、統 計
学 的 にも 、そう い っ た症 例 がある こ とを 経 験 する 医 師 が増 え ざる を 得 ない と思 う ので
す。
「脳 脊 髄 液 減 少 症 」に反 対 されている医 師 に共 通 していることは、症 例 数 がないか、
極 端 に少 ないということです。反 対 のための反 対 をされているのではないかと、患 者 と
して思 います。
患 者 さんは、常 によくなることを第 一 に考 えていることを忘 れないでいただきたい。
Q.低 髄 液 圧 症 候 群 から「脳 脊 髄 液 減 少 症 」という病 態 名 に変 わりました。
新 しい病 態 ということを普 及 させなければならないということでしょうか?
A.そうだと思 います。つまり、この「脳 脊 髄 液 減 少 症 ガイドライン 2007」の診 断 基 準 で、
50 例 を経 験 すれば、間 違 いなく新 しい疾 患 だと多 くの医 師 が感 じるはずだと思 いま
す。そうなれば、自 然 と「本 来 のこの病 態 の本 質 を探 ろう」という機 運 が高 まるはずで
す。それを多 くの患 者 さんが期 待 しているのではないでしょうか。
何 らかの衝 撃 で髄 液 が漏 れるということは間 違 いなくあると確 信 します。
ただし、健 常 者 でも漏 れていて日 常 生 活 に支 障 のない方 もいます。個 人 個 人 によって
これ以 上 、髄 液 の量 が減 少 すれば症 状 が発 生 するという「ボーダーライン」があるのだ
そうです。なぜ減 少 するのか。漏 れを止 める以 外 に、髄 液 減 少 のメカニズム、脳 の位 置
の問 題 、そのための研 究 をしなければ本 質 は見 えてこないと思 います。
どちらにせよ、相 当 数 の患 者 さんがいらっしゃる。
Q.厚 生 労 働 省 の公 的 研 究 班 が昨 年 2007年 4月 発 足 しました。期 待 することは?
A.まず、研 究 班 発 足 が、患 者 さんをどれだけ勇 気 づけたか。感 謝 しています。と、同 時
に、多 いに期 待 しております。
研 究 班 に所 属 されている医 師 は、ほとんど治 療 実 績 の無 い方 が多 いと聞 いております。
ここは、「脳 脊 髄 液 減 少 症 」の治 療 実 績 が多 い方 を研 究 班 に参 加 させていただきたく
思 います。もしくは定 期 的 に意 見 交 換 をしていただければと感 じます。
また、損 害 保 険 会 社 と密 接 に連 携 を取 っている医 師 が研 究 班 に所 属 されているようで
す。
以 前 、「 企 業 と利 益 関 係 のある 医 師 は、公 的 研 究 班 に所 属 でき ない のが、世 界 の公
的 研 究 班 の常 識 」 と伺 い まし た。実 際 に所 属 し ている のであれば 、参 加 を 辞 退 し てい
ただきたいと思 います。
この研 究 班 は、3年 計 画 とお聞 きしています。
2009 年 に診 断 基 準 作 成 、さらに「脳 脊 髄 液 減 少 症 」の本 質 をえぐる研 究 に入 いること
を念 願 します。
文 責 NPO 法 人 脳 脊 髄 液 減 少 症 患 者 ・家 族 支 援 協 会
2008/10/02
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