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第2章 目指すべき環境目標

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第2章 目指すべき環境目標
第2章
目指すべき
目指すべき環境目標
すべき環境目標
2-1 望ましい環境像
環境保全及び創造に関する施策の実施・展開等は一人ひとりの取り組みが大切です。そのためには、
みんなが共通した目標を理解し、目標達成に向け同じ方向を向いていかなければならず、また将来の佐
賀市の望ましい環境イメージを明らかにする必要があります。
これまで環境保全等の中心的なシンボルとして、
「トンボ」を掲げ、
「トンボ王国・さが」を実現する
ため、平成元年度にはトンボ王国の拠点として、神野公園に「トンボ池」を整備、平成 13 年度には環
境省のレッドデータブック絶滅危惧Ⅰ類に選定されている「ベッコウトンボ」の県内最後の生息地であ
る久保泉町の白石原湿原の整備を行いました。また、平成2年度からはトンボ写真コンクール、平成3
年度からはトンボ教室を実施して「トンボ王国・さが」を内外にアピールしてきました。
本市は山、川、海といった豊かな自然環境に恵まれ、また古くからの歴史や文化が今日まで引き継が
れている快適な生活環境を有しています。このような個性豊かな本市の自然環境を表している代表的な
シンボルとして、今後も「トンボ」を掲げ、現在の良好な環境を守り育て、これらの良さを損なわず、
次の世代へつなぎ、将来にわたり「トンボ」が大空を飛び交う自然との共生の情景をつくり続けていく
ため、望ましい環境像(環境将来像)として「守
守り、育み、未来につなぐ
未来につなぐトンボ
につなぐトンボ飛
トンボ飛び交うまち さが」
さが
と設定します。
望ましい環境像
ましい環境像(
環境像(環境将来像)
環境将来像)
守り、育み、未来につなぐ
未来につなぐトンボ
につなぐトンボ飛
トンボ飛び交うまち さが
2-2 計画の期間
本計画の期間は、2007年度(平成19年度)から、本市総合計画の目標年次と同じ2014年度(平成26年
度)までとします。
なお、本市の環境や社会状況の変化に応じた計画の進行管理と、計画内容の見直しを適時行っていき
ます。
2007 年度
(平成 19 年度)
望ましい環境像の達成
必要に応じて計画の見直し
2014 年度
(平成 26 年度)
-11-
2-3 計画の基本目標
(1)7つの基本目標
本市の環境基本計画の基本理念、及び国の第三次環境基本計画に基づき、望ましい環境像を実現する
ために、次の7つの基本目標を設定します。
7 環境配慮行動の
環境配慮行動の評価
計画の基本目標
1 地球温暖化の
地球温暖化の防止
2 循環型社会の
循環型社会の構築
6 化学物質などへの
化学物質などへの対応
などへの対応
5 生活環境の
生活環境の向上
3 環境教育の
環境教育の推進
4 水とみどりのまちづくり
なお、これらの7つの基本目標と、国の第三次環境基本計画の重点分野政策プログラムとの対応は次
のとおりです。
基本目標
重点分野
政策プログラム
①地球温暖化問題に対する取組
②物質循環の確保と循環型社会
の構築のための取組
③都市における良好な大気環境
の確保に関する取組
④環境保全上健全な水循環の確
保に向けた取組
⑤化学物質の環境リスクの低減
に向けた取組
⑥生物多様性の保全のための取
組
⑦市場において環境の価値が積
極的に評価される仕組みづくり
⑧環境保全の人づくり・地域づ
くりの推進
⑨長期的な視野を持った科学技
術、環境情報、政策手法等の基盤
の整備
⑩国際的枠組みやルールの形成
等の国際的取組の推進
1 地球温
暖化の防止
2 循環型
社会の構築
3 環境教
育の推進
4 水とみ
どりのまち
づくり
5 生活環
境の向上
6 化学物
質などへの
対応
7 環境配
慮行動の評
価
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
国レベルでの取り組み事項であるため、市の環境基本計画では直接的に取り扱わない。
-12-
また、佐賀県環境基本計画の施策の展開方向との対応は、次のとおりです。
基本目標
佐賀県
施策の展開方向
①地球環境保全対策の推進
1 地球温
暖化の防止
2 循環型
社会の構築
3 環境教
育の推進
4 水とみ
どりのまち
づくり
5 生活環
境の向上
6 化学物
質などへの
対応
○
○
7 環境配
慮行動の評
価
○
②生活環境保全対策の推進
○
③自然環境の保全と活用
○
④文化的環境の保全と創出
○
⑤環境保全を前提に行動する人
づくり
○
⑥共通的基盤的施策の推進
○
○
1 地球温暖化の
地球温暖化の防止
地球温暖化は世界共通の問題であるとともに、将来の世代にも深刻な影響を及ぼす問題で
す。市民一人ひとり、あるいは地域や事業者が環境負荷を減らすことができる取り組みを積
極的に推進し、地球温暖化防止への貢献を目指します。
2 循環型社会の
循環型社会の構築
日々の生活、社会経済活動に伴って環境へ負荷を与えていることを理解し、また地球規
模の環境にも配慮しつつ、身近なところから資源の循環的利用を進めることにより天然資
源の消費を抑制します。また、世界に通じる環境標準語になりつつある「もったいない」
の理念を広く市民に浸透を図り、環境負荷ができる限り低減された循環型社会の構築を目
指します。
3 環境教育の
環境教育の推進
環境保全の第一段階は「人づくり」であると考えます。これは環境をよくも悪くもする
主な要因に人が介在するためです。この「人づくり」のために啓発や環境学習の支援を推
進し、市民が環境保全等の共通の認識をもち、深い理解と自発的な実行力を身につけ、市
民一人ひとりが環境保全等に意識的に積極的に関わることを目指します。
-13-
4 水とみどりのまちづくり
本市の自然は、山の緑、広がる田園と網の目のような水路やクリーク、そして干満の差
が大きい有明海といった豊かで多様な自然があり、多くの生物が生息・生育しています。
自然と調和した適正な都市整備、市街化の抑制を進めながら、山から海までの自然や、自
然と生物が連携・共生するまちを目指します。
5 生活環境の
生活環境の向上
日常生活を豊かで快適に過ごすためには、身の回りの生活環境が充実していなければなり
ません。空気が美味しく、身近な緑や水などの自然を感じ、安心・安全で衛生的な生活環境
を守り、育てていくことを目指します。
6 化学物質などへの
化学物質などへの対応
などへの対応
都市化の進展に伴い、これまで大気汚染や水質汚濁などの公害型の環境問題が見られて
きましたが、今日の課題としてはアスベスト、環境ホルモン、ダイオキシン類などの化学
物質による健康被害への不安が顕在化しており、これらに対応した安心・安全な環境づく
りを目指します。
7 環境配慮行動の
環境配慮行動の評価
事業者の社会経済活動における環境配慮への取り組み姿勢や実践成果などを評価し、経済
的なインセンティブの付与や、実践能力の向上支援などにより、事業者が環境配慮行動につ
いてより一層活発に取り組むことができる環境づくりを目指します。
-14-
(2)数値目標
7 つの基本目標の実現を目指していく際、その目標の達成度を表す指標として、次の数値目標を設定
します。7 つの基本目標はそれぞれが独立したものでなく、相互に関連しあうものであるため、その目
標値は各種の施策等の取り組みが相互に連携・誘発することによる結果であることを理解したうえで、
基本目標の達成度を評価する必要があります。
なお、本市の第一次佐賀市総合計画に示されている「目指す成果の目標値」やその他関連計画で定め
られた目標値を踏まえたものとします。したがいまして、各計画の見直しに伴い目標値の設定が変更さ
れることもあり、その場合は本環境基本計画の数値目標も見直すものとします。
数値目標
ごみ排出量(1 人/日)
2006 年
2014 年
1,100 g/(人・日) 1,000 g/(人・日)
リサイクル率
16%
24%
佐賀市学校版環境ISO認
31 校
54 校
定取得の小中学校数
エコプラザ利用者数
市全体の緑被率
備考
市内ごみ搬入量/収集人口
<第一次佐賀市総合計画より>
(資源化量+集団回収量)/(ごみ処理
量+集団回収量)
(%)
<第一次佐賀市総合計画より>
佐賀市学校版環境ISOを認定取得し
た市立小中学校数
(全ての小中学校)
32,114 人
35,000 人
80.3%
80.4%
施設見学、環境学習講座等の年間入場・
参加者数
<佐賀市みどりの基本計画(H19.3)
より>
(2016 年)
都市公園の面積
7.4 ㎡/人
(都市計画人口 1 人当り)
河川の水質(BOD値)
下水道普及率
環境マネジメントシステム
9.3 ㎡/人
<佐賀市みどりの基本計画(H19.3)
より>
(2016 年)
5.48 ㎎/ℓ
4.00 ㎎/ℓ
77.8%
93.5%
56 事業所
135 事業所
(EMS)取得の事業者数
-15-
<第一次佐賀市総合計画より>
(公共下水道・農業集落排水・浄化槽処
理人口)/市域人口(%)
<第一次佐賀市総合計画より>
<第一次佐賀市総合計画より>
2-4 計画の体系
本市の望ましい環境像を実現するための 7 つの基本目標に基づき、次のように環境項目とその目標、
及び施策の方向を設定する。
基本目標
基本目標1
地球温暖化
の防止
環境項目とその目標
地球温暖化防止対策
〔目標〕一人ひとりの行動の積み重ねによって
地球温暖化を防止する
省エネルギー・新エネルギー対策
〔目標〕エネルギーを有効活用する
基本目標2
循環型社会
の構築
基本目標3
環境教育の
推進
基本目標4
水とみどり
のまちづく
り
基本目標5
生活環境の
向上
基本目標6
化学物質な
どへの対応
基本目標7
環境配慮行
動の評価
3Rの推進啓発
〔目標〕一人ひとりの取組によってごみの排出
抑制に努める
適正なごみ処理
〔目標〕ごみ循環のシステムづくり
環境学習の場・機会の提供の充実と啓発の推進
〔目標〕環境について知り、理解し、考えて行
動するきっかけをつくる
環境学習の体系的な推進
〔目標〕教育の場面に対応した環境学習を展開
する
正しい認識に基づいた環境活動の推進
〔目標〕市民との協働化を図る情報の提供・活
動支援により環境保全等の活動を推進する
清らかな水辺の確保
〔目標〕親水環境を皆で創造し育成する
施策の方向
・市民・事業者の地球温暖化防止行動の推進
・市役所自身の地球温暖化防止率先行動の推進
・公共交通機関の利用促進
・交通渋滞の緩和
・省エネルギー行動の市民・事業所への普及
・新エネルギーの導入
・市内への新エネルギーの導入普及啓発
・家庭系ごみの減量
・事業系ごみの減量
・ごみの減量の啓発推進
・グリーン購入の推進
・効率的な処理施設の運用
・収集体制の適正化
・環境学習の機会の提供
・環境学習の場の活用
・幼児期における環境学習の推進
・学校教育における環境学習の推進
・生涯学習としての環境学習の推進
・環境に関する情報の提供
・市民の環境保全活動の支援
・水辺空間の整備
・河川等の機能保全
・環境用水による水質浄化
豊かなみどりの確保
・緑地の保全と創造
〔目標〕次世代のためのみどりの環境を守り・ ・緑化活動の普及啓発
育てる
・公共施設の緑化推進
生物多様性の確保
・希少種等の保全
〔目標〕永続的な生物環境の保全、及び保全的 ・自然観光資源の保全と活用
活用をすすめる
自然環境と調和した都市づくり
・みどりや水と共存する都市景観の形成
〔目標〕歴史・文化を守り・景観を創造する
・歴史や文化に根ざした環境の保全
身近な生活環境の保全
・身近な生活環境への影響対策
〔目標〕身の回りの良好な生活環境を自らの手 ・公害に関する指導、相談
でつくる
・清掃活動の支援、推進
生活排水の対策
・下水道の整備
〔目標〕水質の改善・回復をすすめる
・合併浄化槽の普及
・農業集落排水の適正管理
・し尿処理体制の整備
地域環境の保全
・監視測定の実施
〔目標〕きれいな空気や水、良好な生活環境を
守る
化学物質に起因した問題への対応
・化学物質に関する情報収集、提供
〔目標〕化学物質問題へ対応した安心できる社 ・公共施設の化学物質への対応
会を構築する
環境配慮行動の評価
〔目標〕環境配慮行動を適正に評価する
・環境配慮行動、環境情報の共有化、コミュニケーション
の促進
・市による環境優良企業の優遇、環境優良市民の表彰
-16-
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