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北里大学大学院感染制御科学府
Kitasato University Graduate School of Infection Control Sciences 2011 北里大学大学院感染制御科学府 感染制御科学専攻修士課程 博士後期課程(博士) お問い合わせ先 変動する感染症に対処するために 〒108-8641 東京都港区白金5丁目9番1号 TEL 03-5791-6334 FAX 03-5791-6335 e-mail [email protected] 北里大学入学センター 〒252-0374 神奈川県相模原市南区 北里1丁目15番1号 TEL 042-778-9760 FAX 042-778-9761 URL http://www.kitasato-u.ac.jp/lisci/index.html Graduate School of Infection Control Sciences History 1914 年 北里柴三郎、北里研究所創立 1918 年 北里研究所、社団法人として認可 1962 年 北里研究所、創立 50 周年記念事業として学校法人北里学園を創立し北里大学を設置 1972 年 北里研究所、東洋医学総合研究所を開設 1991 年 北里研究所、研究部抗生物質グループを生物機能研究所として改組 1993 年 北里研究所、研究部を基礎研究所に改称 2000 年 3 月 北里研究所と北里学園が共同で「北里大学付置研究所・大学院学府設置準備協議会」を設置 学府長メッセージ 変動する感染症に対処するために 感染症は古く紀元前の時代から人々を苦しめてきました。エジプトのピラミッドから 発掘されたミイラには天然痘の跡が残っています。その壁画には小児麻痺の成人が 描かれています。我が国でも、仏教伝来と共に天然痘が伝播しヒトの交流により文化、 文明、新たな知識と共に感染症が伝播してきました。多くの微生物、ウイルス、真菌 2000 年 7 月 同協議会を「北里生命科学研究所・大学院学府開設準備室」に改組 等の病原微生物が発見されたのは 19 世紀になってからです。そして感染症の病態が 2001 年 4 月 北里大学付置研究所として北里生命科学研究所を開設(初代所長 大村 智 博士) 分子生物学的に解明されたのは最近になってからです。感染症とのたたかいでヒトが 北里研究所基礎研究所・生物機能研究所・東洋医学総合研究所より、 北里大学北里生命科学研究所に研究員と研究機器を移籍・移管 開設準備室を「北里大学大学院感染制御科学府開設準備室」に改組 2002 年 4 月 北里大学北里生命科学研究所を研究部として北里大学大学院感染制御科学府 感染制御科学専攻修士課程をその教育部として開設 2002 年 9 月 北里大学北里生命科学研究所棟( I 号館)完成 2004 年 4 月 北里大学大学院感染制御科学府感染制御科学専攻博士後期課程を開設 2007 年 3 月 北里大学大学院感染制御科学府より最初の博士号取得者が誕生 勝利し撲滅できた疾患は天然痘だけです。AIDS、SARS などの新興感染症以外にも 古くから人々を苦しめてきた多くの感染症は未だに撲滅には至っていません。 北里生命科学研究所は、1914 年に北里柴三郎先生が設立された北里研究所に 由来し、一貫して感染症の基礎研究を続けてきております。基礎研究から得られた 知識を社会に還元するために抗感染症薬、ワクチンの開発、抗ガン剤等の開発を行って 北里生命科学研究所長 大学院感染制御科学府長 中山 哲夫 きました。抗菌剤、ワクチンでヒトが感染症に介入することで耐性菌の出現等の問題が新たに生じ感染症は時代によってその 2008 年 4 月 (社)北里研究所と(学)北里学園が統合し、(学)北里研究所が発足 状況が変化してきます。変動する感染症に対処するためにはその時代に沿った考え方をしなければなりません。感染症対策に 2009 年 4 月 基礎研究所を改組し、北里生命科学研究所と統合 は病原性発揮のメカニズムの解析、流行疫学調査、診断薬の開発、治療薬の創製、予防薬としてのワクチン開発を戦略的に 2011 年 4 月 生物製剤研究所を廃止( 第一三共株式会社との合弁会社「北里第一三共ワクチン株式会社」を設立) 進めて行くことが必要になります。研究者として科学的な知識だけではなく社会状況の判断、世界の情勢、知識の普及、教育 など広い視野を持つことが求められてきます。 大学院感染制御学府はそれぞれの関連テーマの研究だけでなく感染症・創薬に特化した大学院教育を行う感染制御免疫学 履修コースと創薬科学履修コースにわかれています。研究スタッフと共に研究を推進しながら幅広い専門分野の知識と世界の 最先端の技術を習得するだけでなく、常にその応用を念頭に置いた問題解決型の研究姿勢と広い視野をもった人材の育成を 目標としています。 Contents ■ 学府長メッセージ・・・・・・ 2 ■ 北里大学大学院感染制御科学府・・・・・・ 3- 4 ■ 感染制御の課題と感染制御科学府の果たす役割・・・・・・ 5 ■ 北里生命科学研究所の組織 /北里大学大学院感染制御科学府の概要・・・・・・ 6 ■ コース紹介・・・・・・ 7-8 ■ 大学院感染制御科学府感染制御科学専攻の授業科目、科目担当者・・・・・・ 9-10 ■ 21 世紀 COE プログラムの成果・・・・・・ 11 ■ 北里大学感染制御研究機構/抗感染症薬の発見による国際貢献 ・・・・・・ 12 ■ 研究室紹介・・・・・・ 13 -15 ■ 学生支援等・・・・・・ 16 そのためには 1)What? 何が起きているのか? 2)Why? 何故そうなのか? 3)How? どうすればよいのか をいつも考え、知的好奇心を持ち続けること。 What? Why? And How? を Key Words として研究開発、人材の育成を目標とします。 大学院感染制御科学府アドミッションポリシー 〈理念〉 感染制御科学府は、感染制御と創薬及び関連課題についての研究を推進し、本分野に特化した学際的で高度先端 的な教育を行うことで、この分野の幅広い知識と技術を備えた人材を育成することを理念としています。 〈基本方針〉 感染制御科学府は、感染制御と創薬に関する学際的かつ高度先端的な教育を実施し、実践的な研究能力、問題発 見能力及び問題解決能力を有する高度専門研究者・技術者の育成を目的としていることから、入学者の受け入れに おいては、生命科学に関心を持ち、物事を科学的な視点で捉えるとともに、自力で課題を解決できる能力、応用力 を持つ入学者の選抜を行うことを基本方針とします。 ■ キャンパス紹介・・・・・・ 17-18 01 02 Graduate School of Infection Control Sciences 北里大学大学院感染制御科学府 設置課程 研究組織と教育組織を分離した新たな大学院組織 感染制御科学府感染制御科学専攻 従来の大学における学部から大学院研究科までの縦型 究内容の進展に合わせてプロジェクト研究課題を柔軟に組 ◆ 修士課程定員 18 名 の教育研究組織は、専門の深化には向いていますが、感 み立てられるようにしました。 ◆ 博士後期課程定員 4 名 染制御に関する学問領域に必要な学際的な研究や、高度 また、「教育部」としての大学院感染制御科学府では、 カリキュラム 先端技術を駆使する教育・研究には不向きです。 既存の大学院研究科や国内外の学術研究機関とネットワー そこで、「研究部」と「教育部」を分離した横型の組織 ク的に連携することで学際性・流動性を図り、問題解決型 をつくり、「研究部」としての北里生命科学研究所では研 の教育を行います。 1. 感染制御・免疫学履修コース 主科目:ワクチン学、分子ウイルス学、分子細菌学、病原細菌学、感染症学 研究組織と教育組織を分離した新たな大学院組織 2. 創薬科学履修コース 主科目:微生物創薬科学、生物有機化学、和漢薬利用科学、細胞機能制御科学、微生物機能科学 ネットワーク型教育 大学院学生は専攻する分野の主科目、輪講、特別研究を通じた研究指導を受けますが、他分野の主科目も 学部に基礎を置く 従来型の大学院研究科 独立した新たな大学院教育組織 大学院研究科 教 育 研究 教育 履修します。 大学院感染制御科学府 ネットワーク型 教育 また、副科目や関連科目として本学の他研究科の授業科目も履修できるなど、様々な専門分野の知見を得る ことによって総合的視点での問題発見能力、問題解決能力を身に付けることができます。 教育 研究 教育 研究 さらに、北里生命科学研究所のプロジェクト研究に参加し、研究の最前線を経験することによって実践的 研究科 A 研究科 B 研究能力を育成します。 学 部 研究成果 教育 研究 研究科 C 研究 教育 教育 国内外の 大学院 研 究 研究 北里生命科学研究所 国内外の 学術研究機関 問題解決型指向・学際性・組織流動性 . 北里生命科学研究所と大学院学府の相対的分立 縦型・専門の深化 ◆ 広く国内外に向けて情報を発信します。 ◆ 北里知的資産センター(技術移転機関)を通じ、研究成果を知的資産として社会に還元します。 薬学部 大学院 獣医学系研究科 薬学研究科 感染制御科学府 水産学研究科 看護学研究科 理学研究科 医療系研究科 獣医学部 医学部 海洋生命科学部 看護学部 理学部 医療衛生学部 一般教育部 北里生命科学研究所 ︿附属施設﹀ 北里大学病院 北里大学東病院 北里研究所メディカルセンター病院 北里研究所病院 東洋医学総合研究所 大学図書館 臨床薬理研究所 履修し、教員免許状を取得しようとする方)が、大学院感染制御科学府修士課程の「教科に関する科目」24 情報基盤センター すでに中学校又は高等学校教諭一種免許状を有する方(又は学部の教職課程の「教職に関する科目」を並行 入学センター 中学校教諭専修免許状(理科)・高等学校教諭専修免許状(理科) 看護キャリア開発・研究センター 教員免許 高等教育開発センター ◆ 博士後期課程への進学(修士課程のみ) 三陸研修所 ◆ 生命科学分野の大学、短期大学、専門学校等の教員 八雲総合実習所 ◆ 国際的な保健衛生機関の専門職 感染制御研究機構 ◆ 行政機関の専門職 知的資産センター ◆ 基礎医学、医療保健系、生物化学等、生命科学分野の学術研究機関の研究者、技術者 就職センター ◆ 医療機関等の技術者、研究者 北里大学 ◆ 医薬品、バイオ、化学、食品等の製造業の技術者、研究者 北里大学保健衛生専門学院 研究者としての活躍が期待されます。 北里大学看護専門学校 修士課程・博士後期課程修了者には、感染制御と創薬に関する高度専門技術者、 北里柴三郎記念室 感染制御科学府修了者の進路 学校法人 北里研究所 単位(最低修得単位数)を修得し修士課程を修了すると、教科「理科」の専修免許状を取得することができます。 03 04 Graduate School of Infection Control Sciences 感染制御の課題と感染制御科学府の果たす役割 北里生命科学研究所の組織 北里生命科学研究所 感 染症をめぐる社会状況 新しい感染制御対策の模索 1.パンデミックインフルエンザ等の新しい病原体 人間と人間社会に脅威をもたらす新興・再興 によ る感染症(新興感染症)の出現 感 染 症 の 出 現 や 付 随 する重 要 疾 病 の 発 症 に 2.か つて存 在した 感 染 症 や、発 生 が 特 定 の 対する対策は、その診断、予防、治療の方法を 地 域に限られてい た 感 染 症 の 発 生 頻 度 や 向上させることが急務とされている。そのために、 発生地域の拡大(再興感染症) 行政機関、教育機関、学術研究機関、医療機関 3.劇症型 A 群β溶血性連鎖球菌感染症に代表 が相互に協力して解決すべき課題は次の 3 点に される古典的な感染症の病像の増悪化 要約できる。 4.高齢化、慢性疾患による易感染者の増加に 1.ヒトや病原体のゲノムの解析等の結果に基 よる日和見感染など病院感染対策 づく、感染と発症機作の分子基盤の解析と 5.国際交流の拡大にともなう輸入感染症の増加 宿主側の免疫機構の解明 (感染症の国際化) 2.生命科学の新しい概念と技術に支えられた 6.MRSA、VRE に代表される化学療法薬に対する 感染症の臨床的診断法とその改良と開発及び 多剤耐性菌の出現 治療薬の創製、予防薬の開発 7.感染制御に関わる分野の人材(研究者、 3.基礎分野または臨床と基礎の両分野にまた 専門技術者など)の不足 がる幅 広 い 知 識を有 する感 染 制 御 分 野 の 8.新規概念に基づくワクチン開発のニーズが増加 研究者や技術者の養成 Kitasato Institute for Life Sciences, Kitasato University 感染制御・免疫学部門 ■ ウイルス感染制御学研究室Ⅰ Laboratory of Viral InfectionⅠ ■ ウイルス感染制御学研究室 Ⅱ Laboratory of Viral Infection Ⅱ ■ 細菌感染制御学研究室 Laboratory of Bacterial Infection ■ 免疫機能制御学研究室 Laboratory of Immunoregulation ■ 病原微生物分子疫学研究室 Laboratory of Molecular Epidemiology for Infectious Agents ■ 感染症学研究室 Laboratory of Infectious Diseases 名 在 問題解決型 指向 学際性 生物活性 物質探索 組織流動性 プロジェクト 研究 サーベイランス ネットワーク型 教育 特別研究部門 ■ 天然物創薬推進プロジェクト Drug Discovery project from natural products ■ 抗菌薬の適正使用に関する 臨床評価プロジェクト Clinical Evaluation Project on Appropriate Use of Antibiotics 評価委員会 Evaluation Committee 研究推進センター Department of Research Project Studies 称 北里大学大学院感染制御科学府感染制御科学専攻 地 東京都港区白金五丁目 9 番 1 号 北里大学白金キャンパス 程 修士課程 博士後期課程 定 員 18 名 4名 収 容 定 員 36 名 12 名 修 業 年 限 2年 3年 開 教 位 設 育 時 分 期 野 大学院感染制御科学府の 5 つの特徴 修了要件単位 感染制御科学府の果たす役割 教 育:■ 病原微生物の病原性発現機構と感染症の成因機構の解明 ■ 感染症の診断・予防・治療の標的分子の解明 ■ 先端工学を応用した診断・予防・治療方法の確立(新しい概念のワクチン、抗感染症薬の開発) ■ 微生物・植物由来生物活性物質の探索(化学療法薬、和漢薬) ■ 和漢薬の作用機構の解明 ■ 感染制御に関わる調査研究 Research Committee 学 学 生体機能 賦活 ■ 微生物制御工学研究室 Laboratory of Microbial Engineering ■ 生物有機化学研究室 Laboratory of Bioorganic Chemistry ■ 和漢薬物学研究室 Laboratory of Biochemical Pharmacology for Phytomedicines ■ 生物機能研究室 Laboratory of Biological Functions ■ 微生物機能研究室 Laboratory of Microbial Functions 研究委員会 入 課 感染制御 Department of Drug Discovery Sciences Subcommittees Committee for Managing Research Promotion Centers 事務室 Administrative Office ■ 熱帯病評価センター Tropical Disease Research Center ■ 微生物資源センター Microbial Resource Center ■ 抗感染症薬研究センター Research Center for Anti-infectious Drugs ■ 実験動物センター Experimental Animal Center 北里大学大学院感染制御科学府の概要 所 研究・教育の 4 つのキーワード 創薬科学部門 Department of Infection Control and Immunology 専門委員会 運営会議 教 員 組 織 修士(感染制御科学) 博士(感染制御科学) または修士(生命科学) または博士(生命科学) 2002(平成 14)年 4 月 2004(平成 16)年 4 月 ■感染制御・免疫学履修コース ■感染制御・免疫学履修コース ワクチン学Ⅰ ワクチン学Ⅱ 分子ウイルス学Ⅰ 分子ウイルス学Ⅱ 分子細菌学Ⅰ 分子細菌学Ⅱ 病原細菌学Ⅰ 病原細菌学Ⅱ 感染症学Ⅰ 感染症学Ⅱ ■創薬科学履修コース ■創薬科学履修コース 微生物創薬科学Ⅰ* 微生物創薬科学Ⅱ* 生物有機化学Ⅰ 生物有機化学Ⅱ 和漢薬利用科学Ⅰ 和漢薬利用科学Ⅱ 細胞機能制御科学Ⅰ 細胞機能制御科学Ⅱ 微生物機能科学Ⅰ 微生物機能科学Ⅱ 30 単位以上 14 単位以上 (前期課程と合わせて 44 単位以上) 教授 10 名 教授 10 名 准教授 3 名 准教授 3 名 講師 6 名 講師 6 名 助教 5 名(特任含む) 助教 4 名(特任含む) 助手 1 名 助手 1 名 ・専任教員計 25 名 ・専任教員計 25 名 兼担教員 6 名 兼任教員 2 名 ・合計 33 名 ・合計 25 名 950,000 円 人材養成:■ 感染制御と創薬及び関連分野に係る研究者、教育者、高度専門技術者、医療技術者等の養成 学 費 入 学 金:200,000 円 授 業 料:650,000 円 施設設備費:100,000 円 05 ※教育分野の主科目の * は、相模原キャンパスの対応する施設に研究室が置かれています。 06 Graduate School of Infection Control Sciences コース紹介 感染制御・免疫学履修コース Course for Infection Control and Immunology 1 病原微生物やウイルスの病原因子の病原性発現機構の解明、ヒトならびに病原体のゲノム解析に基づいた 創薬科学履修コース Course for Drug Discovery Sciences 1 微生物由来及び和漢薬等植物由来の感染症及び関連疾病に対する治療薬の探索、作用機序の解明を基盤 感染症など重要疾病の診断・治療・予防法の開拓技術の確立 とする新技術の開発とその応用 2 病原微生物やウイルスの病原因子の構造と機能、宿主細胞との相互作用、免疫応答に対する分子基盤の解析 2 放線菌などの有用微生物や難培養微生物のゲノム解読による新機能生物活性物質の探索 3 生物活性物質をリード化合物とした有機合成化学による医薬品の開発 ワクチン学 指導教授 中山 哲夫 病原細菌学 指導教授 髙橋 孝 微生物創薬科学 指導教授 池田 治生 和漢薬利用科学 指導教授 山田 陽城 ■修士課程:ワクチン学Ⅰ ◆修士課程:病原細菌学Ⅰ ◆修士課程:微生物創薬科学Ⅰ ◆修士課程:和漢薬利用科学Ⅰ 感染症に関して、治療医学から予防医学への転換が求められている。予防医学の なかでワクチンの果たしてきた役割は大きなものがあるが,我が国では正当に評 価されていない。感染症の potential risk とワクチンの効果を正確に理解し,ワク チンに関する臨床ウイルス学、分子生物学、免疫学について総説し、各論として 現行ワクチンの有効性、副反応、問題点について講義する。現行ワクチン以外に も新規概念によるワクチンの開発、製造に関する周辺領域についても講義する。 医療が高度に発達した 21世紀においては、臓器移植、あるいは抗がん剤強化 療法など、免疫力の低下した易感染状態において行われる医療の成功が最大の 焦点となっている。そのためには、日和見感染菌と呼ばれる本来病原性の低い 菌も含めた細菌による発症を未然に防止する感染制御 ( infection control ) が 極めて重要な課題である。そのための基礎となる臨床細菌学の全般について、 細菌とヒトとの関係を考えさせるテーマを提示しながら、問題解決型の講義を行う。 ◆博士後期課程:ワクチン学Ⅱ ◆博士後期課程:病原細菌学Ⅱ 天然医薬品としての微生物代謝産物の重要性を解説し、生物活性物質を生産する 微生物の多様性、ならびにそれらの微生物を真正細菌と比較し、分類学的、生理 学的および遺伝学な特徴を理解させる。また微生物における生物活性物質の生成 過程を分子レベルで理解させるため、生物活性物質の生合成に関しての生化学的 ならびに有機化学的な反応機構および生合成遺伝子群の構成、発現調節機構に関 しても解説する。さらに生物活性物質の生合成遺伝子の発現調節に関する遺伝子 レベルでの理解を深めるため微生物遺伝学ならびに生物情報学の基礎を解説する。 感染症に関して、治療医学から予防医学へと転換がもとめられている。ワクチン が予防医学に果たした役割は大きなものがあるが、我が国では正当に評価されて いない。ワクチンを受けないで自然感染したときの合併症の頻度とワクチンの効 果と副反応をバランス良く理解させる。又、ワクチンの効果、弱毒のメカニズム 等を免疫学的、分子生物学的基盤から理解を深めるようにする。現行のワクチン のみならず新規ワクチンの開発、製造に関する理解を深めるために広く臨床ウイ ルス学の分野も解説する。 ペニシリンの発見に始まる抗菌薬の開発は人類にとって脅威であった感染症を制 圧するかに思われたが、抗菌薬の使用量増大とともに「再興感染症」として病原 細菌の耐性化が世界的な問題となっていることを先ず理解させる。また、医療の 進歩による免疫学的に易感染状態にある患者の増加や高齢化がそれに拍車を かけていること、どのような感染症が惹起されているか等、その病態も含めて 講義する。これらの耐性菌に対して効力を有する抗菌薬の開発には、感染症患者 から分離される細菌を幅広く収集し、遺伝子学的レベルで解析を行い、正確な 分子疫学情報を蓄積していくことが必要であることを理解させる。 分子ウイルス学 指導教授 森川 裕子 感染症学 指導教授 髙橋 孝 生物有機化学 指導教授 砂塚 敏明 細胞機能制御科学 指導教授 塩見 和朗 天然医薬品としての微生物代謝産物の重要性、生物活性物質を生産する微生物の 多様性および生物活性物質の生成過程の分子基盤を総合的に理解できる能力を 養う。さらに生物活性物質の生合成遺伝子および生成に関与する発現制御遺伝子 に関しての生物情報学的な解説を行い、微生物代謝産物を対象とした生化学的か つ分子遺伝学的な研究課題を設定できる能力を養成する。 ◆博士後期課程:和漢薬利用科学Ⅱ 感染症や免疫系、神経系を介した重要疾病に対する漢方薬の薬効の作用機序と、 和漢薬を含む天然薬物資源を新しい概念の創薬へ利用していくために、必要な 最新の情報と他の研究者の考え方を最新の論文を通じ理解させる。これらを各 自の研究の中で整理させることにより個別の研究課題から,何が明らかであり、 何が未解決な問題点であるかを明確化させ、その問題点解決のための研究の 方法論とその開発法を個別に習得させることにより、独創的な視点からの問題 解決能力を養わせる。 ◆修士課程:分子ウイルス学Ⅰ ◆修士課程:感染症学Ⅰ ◆修士課程:生物有機化学Ⅰ ◆修士課程:細胞機能制御科学Ⅰ ヒトウイルス感染症における現象を分子機構として解説する。すなわち、ウイルス 複製の分子機構、ウイルス病原性発現の分子機作、ウイルスの進化論と耐性 ウイルスの出現機構、ウイルスを用いたバイオテクノロジーや遺伝子治療、ワク チンや抗ウイルス剤の分子設計などについて解説する。これらの内容を、個々の ウイルスのみに特化した専門知識としてではなく、多くのウイルスに共通するウイ ルス感染症分子論として理解させる。 21 世紀となり新興感染症(SARS・新型インフルエンザ 等 )が社会の話題となって いる。一方で、高齢者や小児における侵襲性レンサ球菌感染症といった再興感染 症が診療上問題となっている。感染症学では感染症新法制定に関する経緯を紹介 するとともに、各種感染症の診断方法・治療に関して講義する。また、感染症の 治療に欠くことの出来ない抗菌療法・抗ウイルス療法・抗真菌療法についての 講義も行う。感染伝播の予防としては、医療関連感染対策に関して述べる。 創薬研究において、天然物科学と有機合成化学の連携が重要であることを解説す る。微生物由来の生物活性物質や医薬品(特に抗感染症薬)の合成化学と作用 機作について具体例を示すとともに新たな合成法や不斉合成反応並びに合成法の 新しい手法の開発を示し、医薬品の創製におけるそれらの重要性を解説する。 微生物の生産する抗生物質に代表される生物活性物質は、医薬品開発の素材とし てのみならず細胞の有する未知機能を解析する機能分子としても利用されてきた。 本講義では、広く細胞生物学の基礎知識を習得することを目的とする。特にこの ような生物活性物質を利用して解明されてきた細胞機能やその制御機構の中か ら、細菌や寄生虫などの感染機構、細胞に必須な成分の代謝調節機構、細胞内 物質輸送機構、エネルギー変換機構、情報伝達機構などを抽出し、解説する。 ◆博士後期課程:分子ウイルス学Ⅱ ◆博士後期課程:感染症学Ⅱ 創薬研究における微生物由来の天然物と有機合成化学の連携の重要性について 総合的に理解できる能力を養う。さらに興味ある生物活性物質や抗感染症薬の 全合成研究、半合成研究を対象とした研究課題を設定できる能力を養成する。 「学問領域横断型のウイルス感染症分子論」を基本として、主要なヒトウイルス 感染症(エイズ、インフルエンザ、エマージングウイルスなど)について、 そ の複製機構、個体内あるいは個体間伝播と変異進化機構、感染病態の発現機 構と宿主細胞応答、種間障壁機構など、多局面における最先端の分子ウイルス 学を講義する。これらウイルスに対するワクチンや抗ウイルス剤の創製、ウイルス 工学を駆使した遺伝子治療などの最新の知見を講義する。 今また、新興・再興感染症として高病原性鳥インフルエンザや肺炎球菌感染症が 社会の話題となる一方で、薬害として注目を集めているウイルス性肝炎や H I V 感染症も忘れてはなるまい。このように、各々の時代背景を反映させながら 感染症は成立しているものである。それ故、各自の専門性を重要視しながらも、 本講義ではその社会ニーズに合わせた形式で感染症学の総論・各論を展開して いく。加えて、平成 22 年の診療報酬改正にて加算が認められた院内感染対策に 関しても指導する。 ◆博士後期課程:生物有機化学Ⅱ ◆博士後期課程:細胞機能制御科学Ⅱ 生物活性物質を利用して解明されてきた細胞機能やその制御機構の中から、細菌 や寄生虫の感染機構、細胞に必須な成分の代謝調節機構、細胞内物質輸送機構、 エネルギー変換機構、情報伝達機構などを抽出し、解説する。本講義では、 細胞生物学のより専門的な知識を習得することを目的とする。 分子細菌学 指導教授 阿部 章夫 微生物機能科学 指導教授 高橋 洋子 ◆修士課程:分子細菌学Ⅰ ◆修士課程:微生物機能科学Ⅰ 細菌の感染現象を宿主側因子も含めて分子生物学的な視点から包活的に解説 する。すなわち、病原細菌のゲノム解析、細菌の宿主細胞への付着と増殖、宿主 細胞への侵入、病原因子と宿主側因子の相互作用,病原因子の宿主細胞への 移行システムとその高次構造等について分子レベルでの理解を深める。特に、 ヒトならびに病原細菌のゲノム解析で明らかにされた膨大な遺伝情報が感染現象 の分子生物学的理解にどのように貢献しているかについても、ポストゲノム戦略 という新たな領域の観点から講義する。 人類は微生物の多様な機能の恩恵を受けて生活している。本講義では、微生物と 人類との関わりを応用の視点から概説し、特に、細菌、放線菌、糸状菌 ( 菌類 ) を中心に生物活性物質生産菌としての有用性について講義する。また、これら 微生物の生産する二次代謝産物、特に抗生物質の種類や作用機序について広く 学ぶとともに、新たな医薬品探索の方法論を学ぶ。 ◆博士後期課程:分子細菌学Ⅱ 微生物と人類との関わりを応用の視点から概説し、特に、細菌、放線菌、糸状菌 ( 菌類 ) を中心に生物活性物質生産菌としての有用性について講義する。また、 これら微生物の生産する二次代謝産物、特に抗生物質の種類や作用機序について 広く学ぶとともに、新たな医薬品探索の方法論を学ぶ。 細菌が宿主に定着・侵入する過程において、宿主細胞骨格の再編成を積極的に 誘導することが知られている。これにより細菌は定着の足場を確保し、また、マク ロファージによる貪食作用から回避する。しかしながらこのような感染成立の一連 の流れは、細菌側の病原因子のみでは成立せず、病原因子と宿主側因子の相互 作用により、宿主シグナル伝達経路がかく乱されることで惹起されることが明らか になっている。分子細菌学の講義においては,感染に関わる宿主側因子について 焦点を当て,感染が宿主応答のどのようなかく乱によって惹起されるのかについ て、分子細胞生物学的に理解する能力を養うことを目的として講義を展開する。 07 ◆博士後期課程:微生物創薬科学Ⅱ 感染症や免疫系および神経系が関与した重要疾病の治療と予防に対する和漢薬 の有効性について、その作用機序と特色を理解させる。そのために、和漢薬の臨 床応用の実際と、免疫系、神経系、内分泌系などの生体システムに対する薬理作用、 生化学的な作用機序、薬理活性成分とその作用や多成分系での複合作用について、 学際的視点から最新の基礎研究の成果を総合的に解説する。さらに和漢薬の薬 効評価系を応用し、天然薬物資源を利用した新しい概念の創薬についても考察 することにより、専門的知識の習得とその応用力の育成を図る。 ◆博士後期課程:微生物機能科学Ⅱ 08 Graduate School of Infection Control Sciences 大学院感染制御科学府感染制御科学専攻の 授業科目、科目担当者 修士課程 博士後期課程 区 分 履 修 コース 主 科 目 感染制御・ ワクチン学Ⅰ 中山 哲夫 免疫学 病原細菌学Ⅰ 生方 公子、松井 英則 分子ウイルス学Ⅰ (副科目B) 創薬科学 副科目A 関連科目 共 通 共 通 区 分 履 修 コース 主 科 目 感染制御・ ワクチン学Ⅱ 中山 哲夫 免疫学 分子ウイルス学Ⅱ 森川 裕子 森川 裕子 分子細菌学Ⅱ 阿部 章夫 分子細菌学Ⅰ 阿部 章夫 病原細菌学Ⅱ 生方 公子 感染症学Ⅰ 髙橋 孝 感染症学Ⅱ 髙橋 孝 生物有機化学Ⅰ 砂塚 敏明、廣瀬 友靖 微生物創薬科学Ⅱ 池田 治生 和漢薬利用科学Ⅰ 山田 陽城、清原 寛章、永井 隆之、矢部 武士 和漢薬利用科学Ⅱ 山田 陽城 微生物機能科学Ⅰ 高橋 洋子 細胞機能制御科学Ⅱ 塩見 和朗 微生物創薬科学Ⅰ 池田 治生 生物有機化学Ⅱ 砂塚 敏明 細胞機能制御科学Ⅰ 塩見 和朗 微生物機能科学Ⅱ 高橋 洋子 機能性分子科学 阿部 章夫、森川 裕子、清原 寛章、渡邉 峰雄、松井 英則、永井 隆之、矢部 武士 関連科目 共 通 サンエンス・コミュニケーション(英語) Andy Crump、山田 陽城 薬理学 田辺 光男 輪 講 感染制御・ ワクチン学輪講Ⅱ 中山 哲夫、渡邉 峰雄 生物分子設計学 志鷹 真由子 免疫学 分子ウイルス学輪講Ⅱ 森川 裕子、百瀬 文隆 医薬品化学 牧野 一石 分子細菌学輪講Ⅱ 阿部 章夫、桑江 朝臣 微生物学 岡田 信彦 病原細菌学輪講Ⅱ 髙橋 孝、松井 英則 微生物薬品化学 供田 洋 感染症学輪講Ⅱ 髙橋 孝 免疫機能制御科学 渡邉 峰雄 微生物創薬科学輪講Ⅱ 池田 治生 化学療法学 生方 公子 和漢薬利用科学輪講Ⅱ 山田 陽城、清原 寛章、永井 隆之、矢部 武士 生化学 服部 成介 細胞機能制御科学輪講Ⅱ 塩見 和朗 分子薬理学 石井 邦雄 生物有機化学輪講Ⅱ 砂塚 敏明、廣瀬 友靖 生命薬化学 長瀬 博 微生物機能科学輪講Ⅱ 高橋 洋子、増間 碌郎 創薬物理化学 広野 修一 感染制御・ ワクチン学特別研究Ⅱ 中山 哲夫、渡邉 峰雄 臨床統計学入門Ⅰ 竹内 正弘 免疫学 分子ウイルス学特別研究Ⅱ 森川 裕子、百瀬 文隆 臨床統計学入門Ⅱ 竹内 正弘 分子細菌学特別研究Ⅱ 阿部 章夫、桑江 朝臣 病原細菌学特別研究Ⅱ 髙橋 孝、松井 英則 感染症学特別研究Ⅱ 髙橋 孝 微生物創薬科学特別研究Ⅱ 池田 治生 和漢薬利用科学特別研究Ⅱ 山田 陽城、清原 寛章、永井 隆之、矢部 武士 細胞機能制御科学特別研究Ⅱ 塩見 和朗 山田 陽城、阿部 章夫、池田 治生、塩見 和朗、渡邉 峰雄 生物有機化学特別研究Ⅱ 砂塚 敏明、廣瀬 友靖 微生物機能科学特別研究Ⅱ 高橋 洋子、増間 碌郎 中山 哲夫、山田 陽城、森川 裕子、池田 治生、高橋 洋子、阿部 章夫、砂塚 敏明、 授 業 科 目 知的財産論 国際保健学 特別演習 共 通 基本技術講座 担 当 教 員 創薬科学 創薬科学 特別研究 (未定) 中山 哲夫、山田 陽城 《オムニバス》清原 寛章、渡邉 峰雄、廣瀬 友靖、百瀬 文隆、矢部 武士、松井 英則 創薬科学 増間 碌郎、桑江 朝臣、永井 隆之、森 美穂子、小松 護 特別講義 輪 講 共 通 《オムニバス》中山 哲夫、生方 公子、砂塚 敏明、高橋 洋子、森川 裕子、髙橋 孝、 感染制御・ ワクチン学輪講Ⅰ 中山 哲夫、渡邉 峰雄 免疫学 分子ウイルス学輪講Ⅰ 森川 裕子、百瀬 文隆 分子細菌学輪講Ⅰ 阿部 章夫、桑江 朝臣 病原細菌学輪講Ⅰ 髙橋 孝、松井 英則 感染症学輪講Ⅰ 髙橋 孝 微生物創薬科学輪講Ⅰ 池田 治生 生物有機化学輪講Ⅰ 砂塚 敏明、廣瀬 友靖 和漢薬利用科学輪講Ⅰ 山田 陽城、清原 寛章、永井 隆之、矢部 武士 細胞機能制御科学輪講Ⅰ 塩見 和朗 微生物機能科学輪講Ⅰ 高橋 洋子、増間 碌郎 感染制御・ ワクチン学特別研究Ⅰ 中山 哲夫、渡邉 峰雄 免疫学 分子ウイルス学特別研究Ⅰ 森川 裕子、百瀬 文隆 分子細菌学特別研究Ⅰ 阿部 章夫、桑江 朝臣 病原細菌学特別研究Ⅰ 髙橋 孝、松井 英則 感染症学特別研究Ⅰ 髙橋 孝 微生物創薬科学特別研究Ⅰ 池田 治生 生物有機化学特別研究Ⅰ 砂塚 敏明、廣瀬 友靖 和漢薬利用科学特別研究Ⅰ 山田 陽城、清原 寛章、永井 隆之、矢部 武士 細胞機能制御科学特別研究Ⅰ 塩見 和朗 微生物機能科学特別研究Ⅰ 高橋 洋子、増間 碌郎 創薬科学 特別研究 感染制御科学特別講義 創薬科学 授 業 科 目 特別講義 共 通 特別講義Ⅱ 特別演習 共 通 感染制御科学特別演習Ⅱ 担 当 教 員 髙橋 孝、生方 公子、塩見 和朗、渡邉 峰雄 中山 哲夫、髙橋 孝 学府授業の特長 ■修士課程 大学院生は専攻する分野の主科目、輪講、特別研究を通じた研究指導を受けます。 また、修士課程入学直後には基本技術講座で特別研究を行なう上で基礎となる 実験・技術についての演習を行ないます。 さらに主科目の教授のオムニバスによる感染症とその発症の分子メカニズム、 感染制御のための創薬などの最新の知見についての感染制御科学特別講義を受けます。 副科目や関連科目として本学の他研究科の授業科目も履修するなど、様々な専門分野の知見を得ることによって 総合的視点での問題発見能力、問題解決能力を身に付けることができます。 ■博士後期課程 外部講師による最新のトピックについてのセミナーを通じた特別講義、英語による論文作成や プレゼンテーションについてのサイエンスコミュニケーションの講義を受けることができます。 09 10 Graduate School of Infection Control Sciences 21 世紀 COE プログラムの成果 天然素材による抗感染症薬の創製と基盤研究 世界最高水準の研究・教育拠点を形成するため文部科学 省が推進した 21 世紀 COE プログラムに北里生命科学研究 所(生命研)と大学院感染制御科学府(学府)を拠点とした、 「天然素材による抗感染症薬の創製と基盤研究」(拠点リー ダー:大村 智教授)の拠点プログラムが独創的な視点か ら感染制御とその創薬領域で世界をリードするものとして平 成 14 年度に選定され、5 年間のプログラムを実施しました。 本プログラムでは生命研・学府の創薬研究グループを中核 ① 抗感染症活性のある新規化合物の発見 創薬研究グループは多様性に富んだ新属、新種を含む微生物素 材を独自に開発し、これに和漢薬等植物素材を加えることで、創 薬のための天然素材ライブラリをさらに充実させました。 さらに基盤研究グループとの連携により新たに見出された創薬の ための標的などを基に構築した独創的な評価系を用い、これらの 天然素材から抗感染症薬候補物質の探索を行いました。その結果、 構造多様性のある新規化合物 20 種類 65 成分を創薬候補化合物 として発見しました(表 1) ② 感染症関連の基盤研究 基盤研究としては腸管病原性大腸菌等の新規Ⅲ型分泌装置に係る 評価系を開発し、創薬研究グループと連携して細菌Ⅲ型装置阻害 剤 Guadinomine を発見しました。またサーベイランスの成果から 迅速診断法の開発や弱毒麻疹ワクチン株を利用したキメラウイル スワクチンの開発等の成果がありました。この他、呼吸器感染症 の分子疫学、Bordetella 属細菌の新規Ⅲ型分泌装置同定と機能解 析、和漢薬による粘膜免疫系調節作用と気道炎症動物モデルのプ ロテオーム解析、ゲノム情報からのシミュレーションによるタンパ クの立体構造解析、抗感染症薬候補物質の動物実験モデルの開 発などを行いました。 北里大学感染制御研究機構 (分野:生命科学 平成 14 年度∼ 18 年度採択) にして、本学の薬学研究科、医療系研究科、基礎生命科学 研究科や北里研究所の研究者と有機的に連携し、病原体の 病原性の分子基盤に関する基盤研究グループと病態動物モ デルと病態評価系の確立のための病因・病態グループの 3 グループを組織し、これらグループ間の共同研究体制の中で ワクチン開発を含む抗感染症薬の創製とその基盤研究に特 化した研究教育拠点の形成(図 1)を行い、以下の成果を 得ることができました。 府を開設し、本プログラム実施期間内に博士後期課程を完成させ ました。その特色ある教育として、実験技術修得のための基本技術 講座、招聘演者による国際シンポジウム、セミナー等を特別講義と したグローバルな視点からの教育、外国人教員による英語による 学術論文作成についての講義、生命研プロジェクト研究への大学 院学生の参画等を通じ、問題解決能力を習得させる教育を実施し ました。 ⑤ 感染制御研究機構の開設 本 COE プログラムを通じ形成された本学研究科や北里研究所、 海外研究ネットワークとの連携による共同研究体制を基に、感染 制御に関する世界最高水準の研究・教育拠点として感染制御研究 機構を本学に構築しました。(図 1 参照) [表1] ③ 発表論文と受賞等 本プログラムの研究成果は、660 報あまりの学術論文として公表さ れました。また、これらの成果を通じ、本プログラムの事業推進担 当者が国際学会賞 2 件、海外アカデミー会員 4 件、国内学会賞等 6 件の受賞や授与を受けました。 生物活性 化合物 抗 細 菌 Nosokomycin Lariatin Guadinomine Cyslabdan [他 6化合物26種縁体] 抗 真 菌 Citridone 抗Candida [他 5化合物14種縁体] 抗寄生虫 殺 虫 感染制御に特化した教育を行う大学院として大学院感染制御科学 (2)感染症に対するワクチンを含む抗感染症薬の開発 (3)感染症に関する人材育成プログラムの策定及び実地 (4)産学連携や海外ネットワーク、学外大学学術研究機関 との共同研究の推進 (5)感染症とその制御等の講演会・シンポジウムの 開催による啓蒙活動 (6)その他研究機構の目的達成のために必要な事項 本研究機構では現在、研究部門においてはワクチン開発プロ ジェクトと創薬開発プロジェクトが活発に推進されています。 ワクチン開発プロジェクトにおいては、学内公募による新規ワク チンの開発研究を産学連携のもと推進しています。また創薬 開発プロジェトにおいては、北里大学の保有する天然物ライブラ リーの創薬研究への全学的な利用のため、有用微生物株等の 微生物情報や代謝産物を中心としたデータベースの構築を 行っています。学府大学院生は機構におけるプロジェクト研究 にも参画することで、実学研究を学ぶ機会も与えられています。 教育部門 教育部門においては、医療における感染管理や感染対策に 関する最新の教育と情報提供を目的に「病院感染制御担当者 育成講習会」等を公開で開催し、将来の感染症、感染対策を 担う医療スタッフや大学院生の育成について学内外の感染 制御関連資格のためのプログラムと連携して実施しています。 学 府 大 学 院 生もこれら講 習 会を通じ当 該 分 野 の 学 内 外 の トップクラスの専門家の講義を受けることができます。 Actinohivin Biflavonoide 主な活性 抗MRSA 抗結核 細菌Ⅲ型分泌装置阻害 イミペネム抗MRSA活性増強 抗HIV 抗インフルエンザウイルス 抗マラリア Borrelidin 殺虫 Verticilide 殺虫 Pyripyropene [他 5化合物13種縁体] 大学院感染制御科学府は以上の 21 世紀 COE プログラムの成果を教育・研究のさらなる充実のために反映させています。 北里大学感染制御研究機構 [図1] (1)感染症の予防、治療法に関する研究 研究部門 本プログラムを通じ発見された主な抗感染症薬(候補)化合物 抗ウイルス ④ 教育活動の成果 大学院感染制御科学府(学府)と北里生命科学研究所 (生命研)を拠点として展開した北里大学 21 世紀 COE プロ グラム「天然素材による抗感染症薬の創製とその基盤研究」 (平成 13 年−18 年度実施)の成果(P.11 参照)をもとに 北 里 大 学 は 生 命 研・学 府、薬 学 研 究 科、医 療 系 研 究 科、 理学研究科等本学研究科及び生物製剤研究所等北里研究所 /北里大学関連部門との緊密な連携のもと感染制御に関する 世界最高水準の研究・教育拠点として、北里大学感染制御 研究機構を平成 19 年度より開設しました。 生命研は学府とともに学内横断型の本研究機構の中核的な 役割を担い、本研究機構を通じ以下の感染症の制圧に関する 研究・教育を推進することで社会への貢献を目指します。 抗感染症薬の発見による国際貢献 北里生命科学研究所初代所長・北里大学名誉教授:大村智 博士は微生物が創る化合物を 360 種余り発見し、その中の 17 種がヒトや動物用の医薬品として、また生命現象を解明する生 化学研究用の重要な薬として実用化されています。フィラリアな ど線虫類用抗生物質を作り出す放線菌(図 1)を静岡県川奈の 土壌から分離し、この物質を改良したものがイベルメクチンで あり、動物向け駆虫薬として、また人間向けの疥癬の薬として 世界中で使われています。また、イベルメクチンは患者の 2 割 が失明するといわれる熱帯病のオンコセルカ症の特効薬として 使われており、北里研究所と米国の製薬会社メルク社の無償提 供により WHO を通じアフリカや中南米の患者の治療、および 感染防止に使用されて います。現 在 のところ 耐性をもった線虫は発 見されてい な い た め、 劇的な効果を挙げてい ま す。本 剤 は 年 間 に 7,000 万人以上の人に 投与され、感染(失明) 【図 1】 エバーメクチンを生産する放線菌 の危険性が高い開発途上国の河川流域の発展に貢献しています。 なお、WHO は本剤を用いて 2010 年までにオンコセルカ症を根 絶する、という目標を立てています。 Research Organization of Infection Contorol Science, Kitasato University 北里生命科学研究所 大学院感染制御科学府 Kitasato Institute for Life Science Graduate School of Infection Control Sciences 創 薬 研 究グ ル ープ Drug Discovery Research Group 基盤研究グループ 病因・病態解析グループ Basic Research Group Group of Etiology and Disease Condition Analysis 薬学研究科 Graduate School of Pharmaceutical Sciences 医療系研究科 基礎生命科学研究科 Graduate School of Fundamental Life Sciences 北里研究所スクリプス研究所 Graduate School of Medical Sciences The Kitasato Institute Scripps Institute 世界最高水準の研究・教育 Research and Education at World’s Highest Level 抗感染症薬創製 Discovery of Aniti-infectious Drugs 国際貢献 International Contributions 11 人材養成 Education of Research Scientists 北里生命科学研究所棟前の像はエーバーメクチン発見 25 周年を 記念して、ブルキナファソに建てられている像を現地の芸術家が 再現して作成したものでオンコセルカ症の大人を杖で引いて歩く 子供の像です。 アフリカ視察中の大村博士、オンコセルカ症の恐怖から解き放た れた純粋な瞳の子供たちに囲まれて。 12 Graduate School of Infection Control Sciences 研究室紹介 感染制御・免疫学部門 Department of Infection Control and Immunology 厚生労働科学研究費・特別研究 研究室 ウイルス感染制御学研究室Ⅰ スタッフ 教 授 :中山 哲夫 研究内容 ■ ワクチン評価に関する研究と分子疫学調査 研究室 スタッフ 研究内容 病原微生物分子疫学研究室 特任教授 :生方 公子 ■ 重症型のレンサ球菌・肺炎球菌感染症に対するサーベイランスの 1. 2. 3. 4. Reverse genetics法による新規ワクチンの開発 Respiratory syncytial virus(RSV)、インフルエンザの免疫応答 麻疹ワクチンAIK-C 株の弱毒メカニズム 麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、エンテロウイルス、 RS ウイルスの分子疫学 5. 麻疹、ムンプス、風疹の血清疫学調査 6. ウイルス感染症の迅速診断法 ウイルス感染制御学研究室Ⅱ 細菌感染制御学研究室 教 授 :森川 裕子 講 師 :百瀬 文隆 教 授 :阿部 章夫 講 師 :桑江 朝臣 准 教 授 :渡邉 峰雄 1. ヒト免疫不全ウイルスとインフルエンザウイルスの 複製制御に関する宿主因子と宿主分子機構 2. ヒト免疫不全ウイルスとインフルエンザウイルスの 粒子形成・成熟機構 3. ヒト免疫不全ウイルスの感染病態と伝播の分子基盤 4. 抗HIV薬(NNRTI)の作用機序と薬剤耐性 5. 抗HIV薬創薬とワクチンの分子設計 ■ グラム陰性菌のⅢ型分泌装置ならびにエフェクターの 機能に関する研究 ■ 病原微生物感染に対する宿主応答の解析とその臨床への応用 1. 2. 3. 4. 5. 感染症学研究室 教 助 13 授 :髙橋 孝 講 師 :松井 英則 手 :吉田 春乃 1. 2. 3. 4. 5. 発症例の背景因子の解析 分離菌の分子疫学解析 迅速診断法の確立や最適な治療法の解析 菌の病原性について明らかにすること 医療関係者あるいは一般の方々への啓発活動 ■ ウイルス複製の分子機構とその制御に関する研究 1. Ⅲ型分泌装置によって宿主細胞内に移行する エフェクターの機能解析 2. Ⅲ型分泌装置の機能解析 3. エフェクターと宿主側因子の相互作用解析 4. エフェクター特異的シャペロンの機能解析 5. 未知エフェクターの同定と機能解析 6. エフェクターの in vivo での機能解析 免疫機能制御学研究室 構築と病因の解析、その診断・治療に関する研究 百日咳の再興機序の解析とそのワクチンへの応用 ワクチン非応答性百日咳に有効なワクチンの開発 百日咳の新規診断法の開発 結核の新規診断法の開発 Mycobacterium ulceranceに対する免疫応答の研究 創薬科学部門 Department of Drug Discovery Sciences 研究室 微生物制御工学研究室 生物有機化学研究室 スタッフ 教 授 :池田 治生 助 教 :小松 護 教 授 :砂塚 敏明 准 教 授 :廣瀬 友靖 助 教 :菅原 章公 教 授 :山田 陽城 ■ 市中および院内の重症感染症に関する基礎および臨床研究 1. 呼吸器感染症におけるウイルスと病原細菌との 病態関連性の解明 2. 侵襲性レンサ球菌感染症の播種性病態生理の解明に関する研究 3. 菌血症における原因菌同定に関する迅速遺伝子診断法の開発 4. インフルエンザを含む気道 ウイルス感染症に対する 新たな治療戦略 5. 肥満・糖尿病等の代謝異常(メタボリックシンドローム)と 重症感染症発症との関連性の解析 6. 効果的な医療関連感染管理に繋がるエビデンス作成 和漢薬物学研究室 准 教 授 :清原 寛章 講 師 :永井 隆之 講 師 :矢部 武士 研究内容 ■ 遺伝子情報を基盤とした創薬のための基礎・応用研究 1. 2. 3. 4. 有用微生物のゲノム解析およびゲノム情報の機能解析 遺伝子情報を利用した物質生産への応用 放線菌の2次代謝における遺伝子制御の網羅的解析 放線菌のシトクロムP450の発現調節解析及び 物質変換への応用 5. ゲノム情報による2次代謝産物の構造予測に関する基礎的研究 6. 放線菌染色体の再構成ならびに新たなゲノム改変法の確立 ■ 感染症及び重要疾患に対する創薬研究 1. 天然物由来の抗感染症薬(病原微生物、結核、マラリア、 寄生虫を含む)の合成研究と創薬研究 2. マクロライドの有する新作用の解明と合成研究 3. 天然物由来の有用生物活性物質をリードとする 創薬のための合成研究 4. 微生物由来の生物活性天然物の探索研究 5. 生体・細胞機能解析のための非天然型生物活性物質の開発 ■ 感染症及び免疫・神経系疾患に対する和漢薬の薬効機序の解析と応用 1. 漢方薬の薬理作用、薬効成分、作用機序の総合的な解析 1)粘膜免疫系やアレルギー疾患等に対する漢方薬の薬効解析 2)和漢薬の感染予防効果の解明 3)中枢神経系に対する基盤研究と漢方薬の薬効解析 2. 和漢薬由来の抗感染症薬(インフルエンザウイルス、 マラリア、トリパノソーマ等)の探索研究 3. 和漢薬の薬効成分としての多糖の構造と薬理活性 及び活性制御機構の生化学的解析 4. 漢方薬評価系を用いた和漢薬由来医薬品素材の探索 14 Graduate School of Infection Control Sciences 学生支援等 創薬科学部門 各種制度 Department of Drug Discovery Sciences ●TA・RA 制度 研究室 生物機能研究室 スタッフ 教 授 :塩見 和朗 助 教 :森 美穂子 研究内容 1. 新しい抗生物質の探索研究 (ウイルス、 薬剤耐性菌、 結核、 病原真菌、 寄生虫などを対象とする) 2. 微生物由来生物活性物質(制癌薬や昆虫生長制御物質など) の探索研究 3. 抗生物質や生物活性物質の構造決定と生合成の研究 4. 抗生物質や生物活性物質の細胞内標的分子の研究 制御科学府博士後期課程大学院生が採用され、日本学術 Assistant) 及び RA(Research Assistant) 制度を設けています。 振興会より研究奨励金が支給されています。 教 授 :高橋 洋子 また、財団法人日本科学協会「笹川科学研究助成」に 北里大学大学院ティーチング・アシスタント (TA) 制度は、 2 名の感染制御科学府博士後期課程大学院生の研究が採択 北里大学大学院の教育研究の充実振興及び学部教育の されています。 充実並びに後継者の育成を図るため,本学大学院に 在籍する学生を教育の補助を行なう TA として採用し、 必要な助成を行なう制度です。 (2)リサーチ・アシスタント (RA) 制度 リサーチ・アシスタント(RA) 制度は、北里大学におけ 微生物機能研究室 日本学術振興会「特別研究員」としてこれまで 3 名の感染 本学では、博士後期課程の大学院生のために、TA(Teaching (1)ティーチング・アシスタント(TA)制度 ■ 微生物由来創薬素材の探索と応用 その他の助成について ■ 創薬のための新しい微生物資源の開拓 る研究活動の効果的推進、研究体制の充実及び若手 1. 特殊環境からの未知微生物や難培養性微生物の分離 2. 有用微生物の形態と遺伝子を用いた系統解析 3. 放線菌のゲノム解析による形態分化と二次代謝産物生産の 関連性の解明 4. 新規生物活性物質生産を目指した培養条件の検討と代謝産物解析 5. 亜熱帯地域の土壌や植物からの菌類の分離及びその分類 6. 未利用菌類からの生物活性物質の探索 研究の研究遂行能力を育成するため、本学大学院博士 課程に在籍する学生を研究の補助を行なう R A として 採用し、必要な助成を行なう制度です。 就職について ■ 修士課程 【修了20名】 進学先 北里大学大学院 感染制御科学府 博士後期課程 大阪大学大学院 医学系研究科 博士課程 就職先 製薬メーカー (研究、生産技術) 大塚製薬株式会社 キッセイ薬品工業株式会社 明治乳業株式会社 デンカ生研株式会社 東京化成工業株式会社 株式会社IHI検査計測 株式会社メディネット 株式会社陽進堂 医療・バイオ関連職 (研究、研究開発) WDBエウレカ株式会社 治験関連職 (モニター、コーディネーター) シミック株式会社 博士後期課程在籍者は学部の T A 及び R A への応募資格が あります。いずれも対象が大学院生であることを考慮し、業務 内容が研究活動に支障のないよう十分な配慮がされています。 本学では、この制度を通じて大学院生が学業に専念できる よう経済的に支援しています。 研究推進センター Research Promotion Centers ●長期履修制度 大学、病院、研究機関、企業等に在籍したまま博士後期 課程に入学又は在学する社会人を対象とした、標準修業 調剤関連職 医療法人社団 緑成会 横浜総合病院 総合メディカル株式会社 株式会社スズケン 3 年で課程を修了することができず、修学継続を希望した 製薬関連職 日本ジェネリック株式会社 場合は、延長した年数分の学費納付が在学必須要件となる その他 アクサ生命保険株式会社 株式会社ワークスアプリケーションズ 株式会社博報堂 年限 3 年間分の学費納付をもって最長 5 年間まで在学できる 制度です。本制度の目的は、現行制度では標準修業年限の 研究室 熱帯病評価センター 微生物資源センター スタッフ 部 講 長 :乙黒 一彦 師 :増間 碌郎 研究内容 1. 2. 3. 4. 天然素材からの抗トリパノソーマ物質の探索研究 微生物由来の抗マラリア物質の探索研究 植物素材、海洋生物由来の抗マラリア物質の探索研究 微生物由来活性物質誘導体の抗マラリア活性評価研究 ■ 微生物資源の収集・保存と利用 1. 有用微生物の収集・保存 2. 微生物の培養 3. 微生物の菌学 抗感染症薬研究センター 室 長 :花木 秀明 1. 2. 3. 4. 5. 多剤耐性菌の耐性メカニズムの解明 難治性感染症に対する治療法の確立 北里大学病院と北里研究所病院内の院内感染対策 安価で簡便な迅速診断法の開発 三学会(化学療法学会、感染症学会、臨床微生物学会) 合同による抗菌薬感受性サーベイランスの実施拠点 ため、その経済的負担の軽減とより計画的・体系的な学位 取得を可能とするため、教育・研究活動の年限の継続を 図ることを目的としています。 ■ 博士後期課程【修了5名】 奨学金制度 製薬メーカー (研究、生産技術) 就職先 ●奨学金の主な種類 大鵬薬品工業株式会社 医学・薬学等研究開発関連職 独立行政法人 日本学生支援機構奨学金 コロラド州立大学 北里生命科学研究所 北里大学給付奨学金制度 北里大学貸与奨学金制度 ●奨学金の種類と募集時期 大学院修士課程および博士後期課程の大学院生は第一種 奨学金( 無利子貸与 )、第二種奨学金( 有利子貸与 )に [ 修士課程修了者の進路 ] 未定(1人)5% 進学(2人)10% 企業研究所等(17人)8 5% 応募することができます。 定期採用( 原則 4 月募集 )、緊急・応急採用( 随時募集 ) 実験動物センター 教 授 :山田 陽城 1. 実験動物を用いた感染モデルの構築と利用 2. 各種病態モデルの作出と薬効評価への応用 があります。 選考、貸与月額については大学の奨学金担当窓口に相談 してください。 15 (2010年度実績) 16 Graduate School of Infection Control Sciences キャンパス紹介 白金キャンパスを中心として、相模原キャンパスにおいても教育 ・ 研究を展開しています。 生物活性物質合成 プロジェクト CAMPUS MAP 北里大学白金キャンパス 微生物制御工学研究室 室 研究 北里大学相模原キャンパス Ⅰ号館(北里生命科学研究所・大学院感染制御科学府棟) 薬学部 1号館 BF 特別 実験 動物 EV S号館に北里生命科学研究所・大学院感染制御科学府の研究室等があります。 北里生命科学研究所・大学院感染制御科学府 室 特別 室 研究 室 守衛 EV 室 カー ロッ ンス トラ エン 屋上 学 室 制御 実験 感染 ルス 室Ⅱ 庫室 御学 ウイ 研究 冷凍 ・ 制 室 感染 低温 室 動室 ルス 室Ⅰ 泳 教授 室 ウイ 研究 電気 菌室 機械 室 無 談話 暗室 室 教授 WC EV 室 会議 刷室 印 室 ー 事務 就職 ーナ コ ー ンタ 価セ 倉庫 勤 非常 師室 講 倉庫 応 接 室 学 部 長 室 役 員 室 CAMPUS MAP ミ ー テ ィ ン グ 室 S号館 1F 病評 熱帯 北里大学総合体育館 4F 場 駐輪 室 実験 洗 Ⅰ号館 北里生命科学研究所 大学院感染制御科学府 薬学部コンベンションホール 室 機能 研究 免疫 御学 制 居室 室 教授 3F 症学 生物 室) 感染 原微 学研究 (病 子疫 授室 ) 分 教 学 物 症 生 究室 室 感染 原微 学研 教授 居室 (病 子疫 分 教員 室 化学 機器 有機 共有 生物 究室 研 室 ー ナ セミ 室 講義 室 講義 WC EV : 三菱東京UFJ銀行 キャッシュディスペンサー : 公衆電話 駐輪場 : ポスト :ファミリーマート ②L2号館 A3 乗車 ④ 学生ホール ①L1号館 降車 :スクールバス・バス停 看護キャリア開発 研究センター(2F) 北里ライフショップ(1F) バイク 置場 北里柴三郎 博士像 駐輪場 M5 北里研究所病院 室 教授 授室 教 室 機械 室 WC 談話 2F ⑧A1∼3号館 東洋医学総合研究所 臨床薬理研究所 薬学部3号館 駐輪場 ⑦S号館 ③北里大学 総合体育館 薬学部1号館/部室棟 北里生命科学研究所 大学院感染制御科学府 宿舎棟 A2 A1 駐車場 室 員居 室 職 ー室 実験 ナ 室 進 職員 セミ ナー 薬推 学 セミ 物創 クト 制御 室 天然 ロジェ 感染 カー プ ロッ 室 細菌 究室 室 庫 研 凍 機械 室 ・冷 室 談話 冷蔵 験 実 低温 屋上 WC EV 浄室 駐輪場 屋上 駐輪場 ゴミ集積場 バーベキュー場 駐輪場 M7 M4 職員宿舎 ⑥N号館 職員宿舎 ⑤M1∼7号館 教職員駐車場 北里本館 M3 駐輪場 M1 M6 M2 薬学部コンベンションホール 1F ル ホー 室 へ 号館 部1 路 薬学 絡通 連 事務 室 応接 の 工事中 エントランス EV 薬学部2号館 オオヌマ 居室 教員 能 物機 微生研究室 実 EV 室 処理 培養 JOMO EV センチュリー薬局 BF マリーサイクル 薬学部1号館 ACCESS FOR SIROGANE CAMPUS 都バス JR 渋谷駅より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・JR 田町駅行(田87 系統)20 分 JR 恵比寿駅より 小川フェニックス JR 田町駅行(田87 系統)10 分 ACCESS FOR SAGAMIHARA CAMPUS 白金キャンパス … 東京都港区白金 5丁目 9 番 1 号 JR渋谷 地下鉄 日比谷線広尾駅下車 徒歩10 分、天現寺歩道橋経由 南北線、三田線白金高輪駅下車 徒歩10 分 国道 広尾駅 広尾 プラザ 天現寺 歩道橋 :都バス(田 87 系統) 三菱東京UFJ銀行 ザ・ニュー サンノー 相模原 貯水地 都立 広尾病院 慶応 幼稚舎 東京メトロ南北線 都営三田線 白金高輪駅 北里研究所 北里大学 JR 田町 16 鵜 野 森 北里 大学 北 里 大 学 北里大学 東病院 高麻 校溝 台 国立相 ■小田急線相模大野駅より 1 番乗車 至 八王子 号線 相模原ゴルフ場 至 東京 明治通り JR恵比寿 相模原キャンパス … 神奈川県相模原市南区 北里1丁目 15番1 号 東京メトロ日比谷線 至 新宿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ JR 田町駅より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・JR 渋谷駅行(田87 系統)10 分 マクド ナルド 不二家 レストラン Ⅰ号館 居室 教員 機能 生物 スリーエフ 室 培養 リア クテ 菌バ 放線 WC EV 菌培 糸状 ング ティ ミー ーム ル への 号館 部1 路 薬学 絡通 連 餃子天添 養室 室 教授 験室 カフェレストラン BF 物資 微生 室 機械 ー ンタ 源セ 室 研究 室 電顕 冷室 夢 庵 室 調整 地 ・培 洗浄 R室 NM WC 室 居 教員 味覚の 時間 ング ティ ミー ーム ル 薬学部コンベンションホール 学 薬物 和漢 室 教授 室 研究 至 新宿 相模 女子大 相模原駅南口行(約 25 分) 町田 団 地 入 口 大 沼 北里大学病院行 / 北里大学経由 ■スクールバス運行 至 横浜 相模大野駅 北里大学相模原キャンパスと 小田急線「相模大野駅」間 至 横浜 模原病 院 桜田 通り 北里研究所前 17 小田急相模原駅 至 小田原 至 藤沢 18