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成果報告 (1632kbyte)

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成果報告 (1632kbyte)
平成23年度 新製品開発支援補助金(製品等開発事業) 採択事業
廃棄瓦リサイクル時に発生する副産物を使用した、
家庭向け高機能簡易舗装材の開発
発表者 株式会社エコシステム 高田実
■製品開発の背景
当社では大量に発生する廃棄瓦を中間処理(破砕機で破砕処理)し、様々な粒度の骨材製品を作って
きました。しかし、その際に一番細かい砂状のもの【瓦砂】が余剰に出る傾向にあり、価値の低い資材と
して出荷している状態でした。
【瓦砂】を誰でも簡単に扱う事ができる舗装材にする事が出来れば、保水性
に優れ、見た目にも優しい、しかも環境に優しい商品が出来るのではないか?という思いからこの事業は
スタートしました。
■製品開発の内容
瓦砂を用いた誰でも簡単に扱うことのできる高機能簡易舗装材ということで、以下の試験が必要である
と考え、調査及び施工、検証を実施しました。
⑴ 配合試験
⑵ 試験施工
⑶ 環境分析(溶出試験、含有量試験)
⑷ 強度試験
⑸ すべり抵抗値試験
⑹ 凍結融解試験
⑺ 空隙率&電子顕微鏡撮影
⑻ 連続温度測定試験
⑼ サーモグラフィー試験
⑽ CO2抑制効果検証
配合試験において「瓦砂利用高機能簡易舗装材」の候補を選定し、それぞれの強度試験を実施しました。
その中で適度な強度を持つものをアムスラー試験機で所定の強度があることを確認。そして製品の安全性
を確認するために、環境分析を実施し、有害な重金属類が基準値をオーバーしていないかを確認しました。
併せて凍結融解試験や空隙率、電子顕微鏡写真を撮影し、製品の物性を確認しました。これら試験により
この製品の安全性や環境対応性が十分にある事の裏付けを取る事ができました。
以上の机上試験と同じくして試験施工を実施し、現場による暴露試験、連続温度測定試験、サーモ
グラフィー試験を実施し、より確固たるデータを取得しました。
散水後の温度変化グラフ
①
②
③
④
散水後の路面温度は圧倒的に
瓦砂簡易舗装材が低くなる。
一目瞭然でアスファルトよりも温度が
低い事がわかる。
①:アスファルト ②:コンクリート
③:瓦砂簡易舗装1 ④:瓦砂簡易舗装2
■製品の特徴
「瓦砂利用高機能簡易舗装材」は以下の特徴をもっています。
⑴ 誰でも簡単に扱える(簡単に施工できる)
⑵ 防草効果がある
⑶ 多孔質であり保水性に優れる → 路面温度低減、夏場のヒートアイランド低減につながる
⑷ 瓦の優しく温かみを感じる色合いが出せる
⑸ 吸水性があるので、水溜りが出来にくい
■今後の展開
「瓦砂利用高機能簡易舗装材」を特に雑草で困っているところを中心に販売展開をしていきたいと思っ
ております。また、当社の工場にて大量生産可能ですので、能美市を始めとした南加賀エリアにおいて、
材料販売、材料&施工のセット販売を行っていく予定です。
一方で、
「瓦砂利用高機能簡易舗装材」の展開において以下の課題があります。
⑴ 瓦砂を絶乾状態(水分が無い状態)にしなくてはいけない
⑵ 被災地への応用
⑴ 絶乾状態にすることで、袋詰め商品を作る事が可能となります。そうすることで広域販売が可能となり、
遠方でもこの製品を使用する事が出来るようになります。雑草に困っている所は全国各地に所在し、
またヒートアイランド対策で効果を発揮する商品なので、そのような対策が必要なエリアに提供する事
が今後は重要であると考えています。
ちなみに、瓦はその保水性の高さから、常に骨材の内部では保水しています。本製品はセメントを
固化剤の一部に使用していることから、瓦砂が完全に乾ききった状態でないと袋内部でセメントと
反応し、不良品となってしまいます。だから乾燥工程が必要であると考えています。今後はこの課題を
克服し、広域で良さを知ってもらう働きかけをしていきたいと思います。
⑵ 被災地は現在がれき処理が復興の妨げになっていると聞きます。この技術ががれき処理に少しでも
役立てればと考えています。瓦はセ シ ウムやストロンチウムをそれほど吸着しないという特性があるので、現地
でリサイクル可能な瓦を使用して、効果的な使い方が出来るように、有効活用していけるように何らか
の取り組みを考えていく必要があると思っています。
企業名 株式会社エコシステム
代表者 代表取締役社長 高田 典英
住 所 石川県能美市寺井町ロ50番地
電 話 0761-58-6900 MAIL [email protected]
FAX 0761-58-6906 URL http://eco-system.ne.jp/
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