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Untitled - 一般社団法人 全日本建設技術協会

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Untitled - 一般社団法人 全日本建設技術協会
北陸地方整備局の
品質確保に向けた取り組みについて
北陸地方整備局 企画部
技術管理課長 山岸 達也
公共工事品質確保技術者更新講習
目
次
1.総合評価落札方式の取り組み
2.品質確保・生産性向上に向けた取り組み
1
1.総合評価落札方式の取り組み
公共工事品質確保技術者更新講習
1)総合評価方式(施工体制確認型)の概要
公共工事の品質確保の促進に関する法律の概要
目的
平成17年4月1日施行
公共工事の品質確保に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにすると
ともに、品質確保の促進に関する基本的事項を定めることにより、公共工事の
品質確保の促進を図り、国民の福祉の向上及び国民経済の健全な発展に寄与
基本理念(第3条)
① 経済性に配慮しつつ価格及び品質が総合的に優れた内容の契約
② 公共工事の品質は適切な技術又は工夫により確保
③ 調査及び設計の品質確保
発注者の責務(第6条)
① 発注関係事務を適切に実施
② 職員の配置その他の体制の整備
受注者の責務(第7条)
① 契約された公共工事を適正に実施
② 必要な技術的能力の向上に努める
基本方針(第8条)
① 公共工事の品質確保の促進の意義に関する事項
② 公共工事の品質確保の促進のための施策に関する基本的な方針
①
②
③
④
⑤
⑥
関係行政機関の協力体制(第10条)
競争参加者の技術的能力の審査(第11条)
競争参加者の技術提案(第12条)
技術提案の改善(第13条)
高度な技術等を含む技術提案を求めた場合の予定価格(第14条)
発注関係事務を適切に実施することができる者の活用(第15条)
3
1)総合評価方式(施工体制確認型)の概要
総合評価方式のポイント
• 「価格」 と 「価格以外の要素」 とを
総合的に評価して落札者を決定する方式
○『公共工事の品質確保
の促進に関する法律』
平成17年4月
品質
安全性
省資源
価 格
価 格
ライフサイ
クルコスト
環境
性能
価格競争
○『入札談合の再発防止
対策について』
平成17年7月
総合評価
4
1)総合評価方式(施工体制確認型)の概要
総合評価方式の意義
技術的能力を有する者が施工することにより、工事品
質の確保・向上が図られる。
・工事目的物の性能の向上
・長寿命化・維持修繕費の縮減・施工不良の未然防止等による総合的な
コスト縮減 等
民間企業が技術力競争を行うことによりモティベーショ
ンの向上が図られ、技術と経営に優れた健全な建設業が
育成される。
価格だけによらない競争が行われることにより、談合が
行われにくい環境が整備される。
5
1)総合評価方式(施工体制確認型)の概要
「価格競争」 と 「総合評価方式」
価格以外の要素の評価
価格競争
落札
A社
B社
C社
低
総合評価方式
低
A社
低
高
入札価格
「価格以外の要素(技術力)」を
加えた総合的な評価による競争
「価格」のみで競争
最も安い
入札価格を
提案した業者
B社
C社
高
入札価格
落札
高
最も高い
評価値を
提案した業者
= 落札業者
A社
= 落札業者
B社
6
1)総合評価方式(施工体制確認型)の概要
加算方式と除算方式の特徴
加算方式
除算方式
概 念
評価値=価格評価点+技術評価点
評価値=A×(1-入札率)+B×得点率
入札率=
入札価格
予定価格
得点率=
得点
加算点満点
価格のみの競争では品質不良や施工不良といったリスク
が懸念される場合に、施工の確実性を実現する技術力を
評価することでこれらリスクを低減し、工事品質を確保す
る観点から、価格に技術力を加味する指標。
算 定 式 の特 性
評
価
値
評
価
値
(高)
入札率
(低)
評価値=
技術評価点
標準点+加算点
=
入札価格
入札価格
評価値=
100+加算点満点×得点率
予定価格×入札率
VFM(Value for Money)の考え方によるものであり、技術
提案により工事品質のより一層の向上を図る観点から、
価格あたりの工事品質を表す指標。
評
価
値
評
価
値
(低)
得点率
(高)
(高)
入札率
(低)
(低)
得点率
(高)
得点率、入札率の項が独立しており、それぞれに対して
評価値が一次的に変化する。
得点率を上げても評価値は一次的にしか増加しない一
方で、入札率を下げると評価値は累加的に増加する。
工事の難易度、規模等に応じて価格と技術の配点を適
切に設定することにより、品質向上(得点率の向上)と施
工コスト縮減(入札率の低下)のバランスがとれた応札が
期待できる。
得点率を上げるよりも入札率を下げる方が高い評価値を
得やすいため、競争参加者は品質向上(得点率の向上)
よりも、施工コストを下げる技術開発またはダンピングに
よる応札(入札率の低下)を行う傾向が強くなる。
7
1)総合評価方式(施工体制確認型)の概要
施工体制確認型総合評価落札方式
施工体制評価点
施工体制
30点満点
品質確保の実効性
15点/5点/0点
ヒアリング及
び資料により
審査
施工体制確保
の確実性
15点/5点/0点
低入札の場合は追加資料を求めて審査
(提出後の修正、再提出は不可)
8
1)総合評価方式(施工体制確認型)の概要
施工体制確認型総合評価落札方式
施工体制の審査(低入札者)
施工体制の確保
契約内容の履行
統計上、履行されない
おそれがある
施工体制ヒアリングに用いる資料
・明細書、単価表
・資材購入先、労務者の確保・配置計画
・建設副産物の搬出先、過積載防止の確認
・品質確保体制
・安全衛生管理体制 ・・・ 等
9
2)北陸地整における総合評価実施状況
○平成24年度の総合評価実施率は97.6%であり、それ以外は、災害復旧で緊急を要
するもの、競争参加者なしにより、指名競争に移行したものである
総合評価実施件数
対 象
総発注件
数(A)
簡易型
高度技術
提案型
標準型
総合評価
実施合計
(B)
実施率
(B)/(A)
H18年度
1,147
1,032
41
1
1,074
93.6%
H19年度
1,022
926
50
1
977
95.6%
H20年度
1,000
532
420
2
954
95.4%
H21年度
1,109
640
433
1
1,074
96.8%
H22年度
897
534
336
0
870
97.0%
H23年度
918
549
350
1
900
98.0%
H24年度
789
554
215
1
770
97.6%
※総発注件数は、随意契約は除く
※港湾空港関係を含む
10
※平成24年10月から試行した二極化による施工能力評価型は簡易型、技術提案評価型は標準型に含む
2)北陸地整における総合評価実施状況
○平成24年度の低入札者との契約は789件のうち3件で、その割合は0.4%と低い水準にあ
り、施工体制確認型による低入札防止が、品質確保の観点で寄与した。(H23:2件)
北陸地方整備局 年度別低入札件数
120
10.0%
9.4%
108/1147
9.0%
100
8.0%
7.0%
6.0%
低入札率
低入札件数
80
5.5%
60
5.0%
56/1012
4.1%
44/1199
40/966
3.7%
4.0%
40
3.0%
30/1336
2.2%
2.0%
14/1022
1.4%
7/1000 4/1109
1.0%
3/897 2/918
0.7%
3/789
0.4%
0.3%
0.4%
0.2%
20 14/1619 17/1358
1.3%
0.9%
低入札件数
※工事件数は随意契約を除く。 (建設及び港湾空港)
24年度
23年度
22年度
21年度
20年度
19年度
18年度
17年度
16年度
15年度
14年度
13年度
0.0%
12年度
0
低入札率(低入札工事件数/全工事件数)
11
3)北陸地整の入札・契約の運用
入札契約等実施方針 〔北陸地整〕
WTO対象金額H24年度5.8億円
発注金額
5.8億円
総合評価落札方式
(実施イメージ)
入札方式
施工体制
確認型
一般競争入札
(政府調達協定対象)
技術提案評価型
【本官】
一般競争入札
3億円
施工能力評価型
【分任官】
一般競争入札
予定価格が
1千万円超過
(H19.4~)
※原則、全ての工事を対象に一般競争を適用。
災害復旧工事等で、緊急に発注しなければならない場合は除く。
12
3)北陸地整の入札・契約の運用
総合評価落札方式のタイプ 〔北陸地整〕
1.技術提案評価型(AⅠ.AⅡ.AⅢ)
・総合評価対象で技術提案を評価する。部分的な設計変更や高度な施工技術等
にかかる提案を求めるAⅢ型を設定。
2.技術提案評価型
S型(WTO)
・段階選抜では「企業の能力等」「技術者の能力等」を評価のみとし、総合評
価では技術提案(2テーマ)を求める。
3.技術提案評価型
S型(WTO以外)
・「企業の能力等」「技術者の能力等」と技術提案(1テーマ)を求める。
4.施工能力評価型(Ⅰ型.Ⅱ型)
・「企業の能力等」「技術者の施工能力等」を評価する(Ⅱ型)。これに施
工計画を求める(Ⅰ型)
13
3)北陸地整の入札・契約の運用
加算点の配分 〔北陸地整〕
※着色部は北陸での運用
施工能力評価型
評価項目
施工計画、技術提案
企業の施工能力等
同種工事の施工実績
工事成績
工事成績優秀企業
優良工事表彰
優良工事における下請負表彰
安全管理優良請負者表彰
新技術に対する取り組み
地域精通度・地域貢献度
地域精通度
地域貢献度
配置予定技術者の施工能力等
同種工事の施工経験と立場
工事成績
優良工事技術者表彰等
継続教育(CPD)の取り組み状況
加算点合計
Ⅱ型
Ⅰ型
-
20点
5
5
1
2
1
1
1
(4点)
1
3
20点
8
8
3
1
40点
10点
20点
5
5
1
2
1
1
1
(4点)
1
3
20点
8
8
3
1
50点
技術提案評価型
S型
(WTO以外)
30点
15点
5
5
1
2
1
1
S型
(WTO)
50点
15点
9
6
15点
6
6
3
15点
9
6
20点
8
8
4
50点※
70点※
60点
注)地域精通度・地域貢献度は、企業の施工能力等の中で評価。
A型
70点
20点
9
6
1
2
1
1
※総合評価の加算点
14
3)北陸地整の入札・契約の運用
品質確保のためのペナルティ 〔北陸地整運用〕
~低入札工事の実績に基づく競争からの排除~
低入札工事の工事成績が60点未満の者には、成績
評定通知後1年間、全ての工事の入札参加を認めな
い。
(ペ ナ ル テ ィ な し )
65点
64点
総 合 評 価 (- 5 点 )
60点
59点
(ペ ナ ル テ ィな し )
入札参加不可
1年 後
2年 後 工 事 成 績 通 知 後 の 経 過 年 数
15
3)北陸地整の入札・契約の運用
低入札価格調査基準価格の見直
低入札価格調査基準価格:
調査基準価格とは、予算決算及び会計令第85条において、「当該契約の内容に適合した履行がされないことと
なるおそれがあると認められる場合の基準」として、この価格を下回った場合には調査を行うこととしている価格の
こと(履行可能性が認められない場合には、欠格)
低入札調査基準価格の見直し経過
H20.4~H21.3
【範囲】
予定価格の2/3~8.5/10
【計算式】
直接工事費×0.95
共通仮設費×0.90
額
H23.4~
H21.4~H23.3
合計
現場管理費×0.60
×1.05
一般管理費等×0.30
今回(H25.5.16~)
【見直し後の範囲】
【見直し後の範囲】
予定価格の7.0/10~9.0/
10
予定価格の7.0/10~9.0/
10
【見直し後の計算式】
【見直し後の計算式】
直接工事費×0.95
共通仮設費×0.90
額
【見直し後の範囲】
予定価格の7.0/10~9.0/10
【見直し後の計算式】
・直接工事費×0.95
直接工事費×0.95
合計
現場管理費×0.70
×1.05
一般管理費等×0.30
共通仮設費×0.90
計額
合
現場管理費×0.80
×1.05
一般管理費等×0.30
・共通仮設費×0.90
合計
額
・現場管理費×0.80
×1.05
・一般管理費等×0.55
○H25年5月16日以降に入札公告を行う工事
を対象に、低入札調査基準価格の一般管
理費等の算入率を0.3から0.55へ引き上
げる。
低入札価格調査基準価格は、工事の品質確保を図る観点から最新のデータに基づき順次見直しが行
われ、地方公共団体等も低入札調査基準価格や最低制限価格の見直しを実施。
16
4)試行継続の取り組み
地元企業活用審査型総合評価方式(試行)
元請け企業と併せて地元1次下請け企業の活用を評価することで、地元企業の
健全な育成及び受注機会の確保を目的に平成22年度から実施しています。
入札参加資格
要件を満たさなけ
れば入札に参加
できない
地域要件
一定の地域内※1に本店または支店、営業所※2が あるか
※1 十分な競争環境の確保に配慮して区域を設定
(地整管内、各県出先機関管内等を設定)
※2 支店・営業所の場合は営業拠点としての実態を厳格に確認(疑
義があれば建設業許可部局に通報)
総合評価方式
の評価項目
地域精通度
地域要件の徹底(県内本店要件、名ばかり営業書の排除)
総合評価方式の
技術点として
加点評価
地域貢献度
地域活動への積極的参加(元請)
北陸特有の「除雪」実績を優位に評価
「地元企業活用審査型総合評価方式」
(一般土木Bランク工事で試行)
当該県内に本店を置く建設業の許可を有する企業の1次下請け総額の1次下請
け合計金額に対する比率(地元企業活用率)により評価
地元企業活用率(%)=(地元1次下請け合計金額)/(一次下請け合計金額)
地元企業活用率 90%以上:5点 、 90%未満70%以上:3点 、 70%未満:0点
17
4)試行継続の取り組み
インターネットを利用した技術資料作成説明会(試行)
工事の一般競争入札(総合評価方式)において、技術資料の品質向上、受発注
者の入札手続きの円滑・効率化を図るため、インターネットを利用した技術資料作
成説明会を平成23年度から実施しています。
18
5)透明性の向上
技術提案等の採否に関する詳細通知
技術提案における評価過程の透明性をより一
層向上させる観点から、入札参加者に対する
技術提案等の採否に関する詳細な通知、評
価結果に関する問い合わせ及び面談を、平成
22年度から本官工事(標準Ⅰ型、Ⅱ型)で、ま
た、平成23年度からは分任官工事(標準Ⅰ
型)も加え、実施しています。
(通知の内容)
競争参加通知書に「○」「-」「×」を記載
第2回入札時VE審査委員会
競争参加資格確認通知書及び
技術提案等の採否に関する通知
3日間(土日・祝日を除く)
採否に関する通知に対する問い合わせ
5日間(土日・祝日を除く)
問い合わせに対する企業への回答
落札者決定
7日間(土日・祝日を除く)
「○」 : 加算点の付与の対象とする
「-」 : 加算点の付与の対象としない
「×」 : 実施不可
面談希望者の受け付け
落札決定より概ね10日以内
問い合わせ窓口からの面談による説明
技術提案の評価内容に関する問い合わせ窓口
企画部 技術開発調整官
技術提案等の採否に関する詳細な通知フロー
19
6)工事における総合評価方式の改善
H24.2.28「総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」資料抜粋
20
6)工事における総合評価方式の改善
21
H24.2.28「総合評価方式の活用・改善等による品質
確保に関する懇談会」資料
6)工事における総合評価方式の改善
総合評価落札方式のタイプ選定フロー
YES
技術提案評価型
(AⅠ型)
YES
技術提案を求めて
評価する必要がある
(技術提案評価型適用工事、
WTO対象工事)
NO
通常の構造・工法では
工期等の制約条件を満足した工
事が実施できない
NO 予備(基本)設計の実施
YES
技術提案評価型
(AⅡ型)
想定される有力
な構造形式や工法が複数存在する
ため、発注者としてあらかじめ一つ
の構造・工法に絞り込まず、幅広く技
術提案を求め、最適案を選定する
必要がある
工事難易度
Ⅱ以上の工事である。
または、工事難易度Ⅰの
本官工事である。
または、工事難易度Ⅰの
分任官工事で施工計画を
求めて企業の施工能力を
評価する必要がある
詳細(実施)設計の実施
NO 標準案の決定
技術提案評価型
(AⅢ型)
YES
標準技術に
よる標準案に対し、部分的に設計の
変更を含む工事目的物に対する提
案を求める、あるいは高度な施工技
術や特殊な施工方法の活用により、
品質の向上、コスト縮減、工期短縮
等を特に求める
必要がある
YES
NO
YES
技術提案評価型
(S型)
NO
施工能力評価型
(Ⅰ型)
施工能力評価型
(Ⅱ型)
WTO対象工事である、または、
技術的難易度評価の小項目に
A評価がある
NO
22
6)工事における総合評価方式の改善
・技術評価点の加算点の評価項目は、①技術提案、②企業の能力等、③技術者の能力等とし、加算
点合計及びその内訳は、「配点割合」の通りとする。
・このうち、②企業の能力等と③技術者の能力等の配点割合は同じとする。
・地域精通度・貢献度等については、②企業の能力等の中で評価し、配点は10点を上限とする。
<配点割合>
施工能力評価型 施工計画※
(10)
総合評価対象 40(50)
技術者の能力等
20
企業の能力等※
20
※施工計画は、Ⅰ型においてのみ提出を求め点数評価する。
※「地域精通度・貢献度等」の評価は「企業の能力等」の中で設定する。
技術提案評価型
(S型)
技術提案
30
総合評価対象 60
段階選抜対象 30
企業の能力等 技術者の能力等
15
15
※「地域精通度・貢献度等」の評価は設定しない。
技術提案評価型
(S型)WTO
総合評価対象 50
技術提案
50
段階選抜対象 30
企業の能力等 技術者の能力等
15
15
※企業能力等及び技術者の能力等は段階選抜での評価のみに利用し、総合評価では評価しない。
※「地域精通度・貢献度等」の評価は設定しない。
技術提案評価型
(A型)
総合評価対象 70(50)
技術提案
70(50)
段階選抜対象 40/60
簡易な技術提案※
企業の能力等 技術者の能力等
20
20
20
※簡易な技術提案は段階選抜で必要に応じて評価する。
※施工体制確認型でない場合は、( )内の点数とする。
23
6)工事における総合評価方式の改善
北陸地方整備局における総合評価方式の改善方針
平成24年2月28日に本省で開催された「総合評価方式の活用・改善等による品質確保
に関する懇談会」において示された案を受け、次の方針でH24下半期より試行を実施
している。
総合評価落札方式の適用について、『施工能力評価型』、『技術提案評価型』
に二極化
① 施工能力評価型を適用することにより評価を大幅に簡素化し、受発注者双
方の事務手続きの負担の軽減を図る。
② 技術提案評価型の工事を適切に実施することにより、民間技術力の積極的
な活用を図り、より一層の工事の品質確保に努める。
③ 併せて、WTO案件など相当数の競争参加者が見込まれる工事において、
段階選抜方式を適用(二封筒事後審査方式との比較検証を考慮)し、受発
注者双方の事務手続きの負担の軽減を図る。
24
7)北陸ブロックにおける実施状況
北陸ブロック発注者協議会
【 平成20年10月設立 】
北陸ブロック発注者協議会
北陸ブロック発注者協議会 幹事会
県部会(新潟、富山、石川)
ブロック協議会の活動内容
○参画機関が導入している入札、契約、監督・検査の制度等、公共工事の品質確保の促進に関する施策の情報の共有
○具体的には、下記の項目について連絡調整を図る
・ 総合評価方式の導入・拡大に向けた各種支援方策
・ 地方公共団体における予定価格等の事後公表への移行の促進
・ 地方公共団体における予定価格や低入札調査基準価格などの適切な見直しの促進
・ 格付けや入札参加資格、工事成績評定の設定手法 等
■ 協議会及び幹事会 構成員
会長
副会長
構成員
北陸地方整備局長
北陸農政局 整備部長
ブロック機関の関係機関6省庁の関係部長等
新潟県
富山県
石川県
福井県
新潟市
土木、農林水産、農地 各部長
土木、農林水産 各部長
土木、農林水産 各部長
農林水産部長
財務、都市政策 各部長
長岡市、上越市、新発田市、柏崎市、阿賀野市、湯沢町、
富山市、高岡市、南砺市、黒部市、金沢市、小松市、野々
市市 の副市町長
東日本高速、中日本高速、鉄道機構の部長又は次長
■ 県部会
目 的
市町村における品質確保の促進に関する具体的な
(総合評価方式の完全実施等)取り組みの実施及び品
質確保の促進に必要な情報共有
県部会構成員
部会長
○○県 土木部 技監又は次長
副部会長 北陸地整 代表事務所 副所長
副市長・副町長・副村長
北陸地整 技術管理課長
○○県 土木部 担当課長等
25
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
価 格 競争
総合評価
落札方式
競争入札
指名競争入札
価格
簡易公募型競争入札
価格
公募型競争入札
価格
一般競争入札 ※発注者支援業務
簡易公募型競争入札
公募型競争入札
価格+技術力
標準型1:2
簡易型1:1
標準型1:2
1:3
特別型1:1
価格+技術力
簡易型1:1
標準型1:2 1:3
価格+技術力
プロポーザル方式
随意 契 約
標準プロポーザル
技術力
簡易公募型プロポーザル
技術力
公募型プロポーザル
技術力
26
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
プロポーザル方式及び総合評価落札方式運用ガイドラインの概要
発注方式の選定フロー
当該業務 土(木コンサル・
測量・
地質調査 )
1.当該業務の内容が技術的に高度なもの又は専門的な技
術が要求される業務であって、提出された技術提案に基づ
いて、仕様を作成するほうが最も優れた成果を期待できる
業務
なお、上記の考え方を前提に、業務の予定価格を算出す
るに当たって標準的な歩掛がなく、その過半数に見積を活
用する業務※
2.事前に仕様を確定可能で
あるが、入札者の提示する
技術等によって、調達価格
の差異に比して、事業の成
果に相当程度の差異が生
ずることが期待できる業務
① 当該業務の実施
方針と併せて、評価
テーマに関する技術
提案を求めることに
よって、品質向上を
期待できる業務。
発注方式
①プロポーザル方式
【総合評価型】
実施方針+特定テーマ
②総合評価落札方式(標準型)
評価点 : 技術点の割合
1:2 ~ 1:3
実施方針+評価テーマ
・評価テーマ2つ以上の場合は1:3
・評価テーマ1つの場合は1:2
③総合評価落札方式(簡易型)
評価点 : 技術点の割合
1:1※
実施方針(評価テーマは求めない)のみ
※業務の難易度に応じて1:2も使用可
② 当該業務の実施
方針のみで、品質向
上を期待できる業務
④総合評価落札方式簡易(特別)型
評価点 : 技術点の割合
1:1※
実施方針(評価テーマは求めない)のみ
※対象:定型的業務、簡易な業務
3.入札参加条件として、一定の資格・実績・成績等を付する
ことにより品質を確保できる業務
⑤価格競争方式
(選定段階で)資格、実績、成績
27
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
標準的な発注方式事例について
• 総合評価落札方式が平成20年度より本格導入を受け、発注方式の選定にあたっての
目安として、具体的な分類について案(標準的な発注方式事例)を提示。
技術者評価型プロポーザル
総合評価型
総合評価落札方式
プロポーザル
知
識
個別業務
総合評価型プロポーザル
またはコンペ
プロポーザル方式
個別業務
価格競争
価格競争入札
技術者評価型プロポーザル
個別業務
構想力・応用力
•
•
道路、河川、都市、下水道、地質調査、測量の各分野について整理を実施。平成22年度業務から適用
建築については、平成22年度第1回懇談会に案を提示し、平成23年度業務から適用
28
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
標準的な業務内容に応じた発注方式 例
(道路事業)
道路網整備計画検討
道路・交通等現況分析
環境アセスメント
交通需要予測検討
道路・橋梁等構造物景観設計
構造物予備・補修設計(大型、特殊)
トンネル設計
構造物予備設計(一般)
道路概略設計
(路線比較検討、最適路線選定)
プロポーザル方式
構造物詳細設計(大型、特殊)
知 識
構造物詳細・補修設計(一般)
道路予備設計(中心線決定)
交差点設計(立体交差)
道路予備設計(用地幅決定)
定期点検結果の診断
PIプロセス・社会実験実施
事業評価
道路詳細設計
整備効果分析検討
交差点設計(一般)
防災対策検討
環境基礎調査(文献・現地調査等)
定期点検、緊急点検
交通安全・渋滞対策等検討
環境調査(常時観測等)
交通量観測
各種資料作成
総合評価落札方式
価格競争方式
構想力・応用力
29
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
•
•
•
•
建設コンサルタント業務の契約状況
平成24年度の建設コンサルタント業務等の発注件数は、1,029件。
うち、総合評価落札方式は、585件(約57%)。
平成24年度実績で、総合評価が約6割、価格競争が約2割、プロポーザルが約2割 (件
数ベース)
北陸地方整備局における契約状況
発注方式
価格競争
総合評価落札方式
プロポーザル方式
特命(少額)随意契約
合
計
H22年度
H23年度
H24年度
380
241
191
(35.2%)
(21.4%)
(18.6%)
448
584
585
(41.5%)
(51.8%)
(56.8%)
204
243
227
(18.9%)
(21.6%)
(22.1%)
47
59
26
(4.4%)
(5.2%)
(2.5%)
1,079
1,127
1,029
契約件数と調達方式の推移
増減率
(H24-H23)/H23
-20.7%
0.2%
-6.6%
-55.9%
-8.7%
*分析対象は全6業種(土木、測量、地質、建築、補償、発注者支援)
30
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
H24年度 総合評価落札方式 業種別の実施件数
( 585件 )
•
業務内容別では、土木コ
ンサルタント242件、測量
90件、地質調査39件、建
築3件、補償94件、発注
者支援関係117件。
( 242件 )
( 117件 )
( 90件 )
( 94件 )
( 39件 )
( 3件 )
•
価格帯の内訳では、1,0
00万円以上~2,000万
円未満が最も多く約4割を
占め、4,000万円未満で
全体の約9割を占めてい
る。
H24年度 総合評価落札方式 予定価格帯毎の実施件数
( 585件 )
( 219件 )
( 138件 )
( 118件 )
( 42件 )
*分析対象は全6業種(土木、測量、地質、建築、補償、発注者支援)
( 14件 )
( 54件 )
31
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
低価格入札の防止対策の運用強化
総合評価落札方式を含む価格競争(予定価格1千万円超)の低価格入札の発生状況は、平成21年5月
に更なる品質確保対策、10月手持ち業務量の制限を実施し、徐々に発生率、件数ともに低下した。平成2
2年度以降は履行確実性の評価(H22:2,000万円超、H23:1,000万円超)を導入し発生件数・発生率とも
大幅に低下した。
件数
発生率
120
35.0%
100
30.0%
60
40
25.0%
12.8%
67/524
80
30.1%
20.0%
7.5%
35/466
104/345
20
15.0%
3.3%
13/390
2.8%
12/422
0
10.0%
5.0%
0.0%
H20
H21
H22
低入札発生件数
H23
H24
※発注者支援、建築
コン、港湾空港関係
を除く、1,000万円を
超える価格競争、総
合評価方式を対象件
数として算定。
低入札発生率(低入札発生件数/発注件数)
32
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
平成25年度 コンサルタント業務等における低入札対策(模式図)
【低入札対策】
1.更なる品質確保対策(北陸地方整備局独自の制度)
2.履行確実性の審査(全国統一の制度)
競争入札方式
価格競争(指名競争入札等)
予定価格又は予定調達総額が
100万円を超える業務が対象
予定価格1,000
万円以下の業務
で低入札(相当)
が発生した場合
予定価格1,000
万円を超える業
務で低入札が発
生した場合
低入札価格調査
更なる品質確保対策
総合評価落札方式
予定価格1,000万円以
下の業務で低入札(相当)
が発生した場合
標準型
予定価格1,000万円を
超える業務で低入札が発
生した場合
簡易型・簡易(特別)型
履行確実性の審査
低入札価格調査
* 総合評価落札方式において、標準型の
予定価格が1,000万円超、簡易型及び簡易
(特別)型の業務が履行確実性の対象。
33
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
更なる品質確保対策
北陸地方整備局では、平成20年10月に新たな品質確保対策を試行したところであ
るが、依然として低入札が続いており、品質への影響が懸念されるところである。
このため、適切な品質を確保する更なる対策として、履行確認体制の強化、第三
者照査の適用を拡大して試行する。
【品質確保対策の内容】
業種名
H20.10.8新たな品質確保対策
H21.5.11更なる品質確保対策
土木コンサル
・照査のある業務に第三者照査を 実施
・全ての業務に第三者照査を実施
・全ての打ち合わせに管理技術者が立会
・屋外業務時に管理技術者が現場常駐
測量
・第三者機関による検定を実施
・点検測量は、主任技術者が立会又は自
ら実施
・全ての業務に第三者照査を実施
・全ての打ち合わせに主任技術者が立会
・屋外業務時に主任技術者が現場常駐
・第三者機関による検定を実施
地質調査
・屋外調査時に主任技術者又は担当技術
者を現場常駐
・全ての業務に第三者照査を実施
・全ての打ち合わせに主任技術者が立会
・屋外業務時に主任技術者が現場 常駐
34
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
技術提案の履行確実性審査について
業務の履行確実性の評価
総合評価落札方式(標準型)で入札が行われる予定価格が1,000万円を超える業務及び
総合評価落札方式(簡易型及び簡易(特別)型)で入札が行われる業務が対象
1.審査項目と内容 以下の4項目に
ついて「履行確実性」の審査を行う。
審査項目
① 業務内容
に対応した費
用が計上さ
れているか
技術提案の履行確実性の評価
(調査基準価格に満たない者)
② 担当技術
者に適正な
報酬が支払
われることに
なっているか
③ 品質管
理体制が確
保されてい
るか
④ 再委託
先への払い
は適正か
2.評価方法 審査結果を基に履行確実性の評価を行い、
評価に応じて「履行確実性」を付与する。
【総合評価点の算出方法】
技術提案以外の評価点
価格評価点
○ 総合評価点=
+ 技術評価点
+
価格評価点と技術評価点の配分=1:1~1:3
技術提案評価点×(履行確実性度)
技術評価点 = 60点
価格評価点 = 20~60×(1-入札価格/予定価格)
3.技術評価点の算出イメージ
【履行確実性の審査】
技術評価点
(審査の観点)
技術提案評価点
履行確実性
評価前
配置予定技術者
の経験・能力
①実施方針
②評価テーマに対
する技術提案
①業務内容に応じた必要経費の計上
②担当技術者に対する適正な支払の計上
③品質管理体制の確保
④再委託がある場合は適正な支払いの確認
※審査は業務担当課長以上が同席して実施。
「○」とした項目数
評価
履行確実性度
4
A
1.0
3
B
0.75
2
C
0.5
1
D
0.25
0
E
0
技術提案評価点
履行確実性
評価後
配置予定技術者
の経験・能力
①×α ②×α
注)「配置予定技術者の経験・能力」 配置予定技術者の資格・業務実
績・成績・表彰等
「技術提案評価点」 実施方針、評価テーマに対する技術提案に与
えられる評価点
35
8)設計業務における総合評価落札方式の取り組み
履行確実性導入の効果
低入応札発生業務(34件、低入応札者数62者)
平成24年度 履行確実性評価対象業務
低入札者62者のうち、60者が辞退、残り2者は、
履行確実性の審査の結果、非落札。
審査実施非落札
(2者、約3%)
低入応札
(34件、約7%)
低入応札34件の
内訳
459件
低入以外の応札
(425件、約93%)
34件
62者
辞退
(60者、約97%)
*平成24年4月1日~平成25年3月31日の間に、総合評価落札方式により発注した予定価格1,000万円を超える業務及び
総合評価落札方式(簡易(特別)型)により発注した業務を対象
36
2.品質確保・生産性向上に向けた
取り組み
公共工事品質確保技術者更新講習
1)監督・検査
1.監督の目的
【会計法第29条の11】(契約履行の確保)
契約担当官等は、工事又は製造その他についての受
注契約を締結した場合においては、政令の定めるところ
により、自ら又は補助者に、命じて、契約の適正な履行
を確保するために必要な監督をしなければならない。
監督は、その履行過程において、設計図書(施工図、特記仕様書、
共通仕様書等)に基づき、施工状況確認、工程及び工事に使用す
る材料試験や品質確認等により良質な工事目的物を確保する。
また、必要な範囲内で段階確認を行い、受・発注者間の責任分担
を曖昧にするような無用な指示や協議、コスト増につながる不用な
確認は行わない。
38
1)監督・検査
◆低入札契約工事
① 予定価格1億円以上の工事を低入札
・現場にモニターカメラを設置し、出張所等で施工状
況を確認
② WTO対象工事(予定価格5.8億円以上)の低入札
・専任の現場技術員を配置
・現場にモニターカメラを設置し、出張所等で施工状
況を確認
③ 段階確認については、重点監督の頻度で実施
39
1)監督・検査
(1)監督職員の権限(受注契約約款第9条)
①
②
③
④
⑤
契約の履行についての指示、承諾又は協議。
施工のための詳細図等の作成及び交付。
受注者が作成した詳細図等の承認。
工程の把握、立会い、工事の施工状況の確認。
工事材料の試験若しくは確認。
(2)監督総括業務(総括監督員)
①契約担当官が必要と認めて委任したものの処理
②受注者に対する必要な指示・承諾又は協議関係や工程等の調
整で 「重要なものの処理」
③工事内容の変更、一次中止又は打切りの必要がある場合の理
由その他事項の契約担当官等に対する報告
④主任監督員、監督員の指揮監督及び業務の掌握
40
1)監督・検査
(3)現場監督総括業務(主任監督員)
①受注者に対する必要な指示・承諾又は協議関係や工程等の調整で 「重要なもの
を除く」
②契約図書に基づく詳細図の作成及び交付、受注者が作成した図書の承諾(軽易
なものを除く)
③契約図書に基づく工程把握、立合、検査「重要なものの処理」
④工事内容の変更、一次中止又は打切りの必要がある場合の理由その他事項の
総括監督員に対する報告
⑤監督員の指揮監督及び業務の掌握
(4)一般監督業務(監督員)
①受注者に対する必要な指示・承諾又は協議関係や工程等の調整で 「軽易なもの
の処理」
②契約図書に基づく詳細図の作成及び交付、受注者が作成した図書の承諾(軽易な
もの)
③契約図書に基づく工程管理、立合、検査「軽易なものの処理」
④工事内容の変更、一次中止又は打切りの必要がある場合の理由その他事項の主
任監督員に対する報告
41
1)監督・検査
2.監督の方法
(土木工事監督技術基準)
監督の方法(監督行為)は、
・指示(発注者が受注者に実施させること) ・承諾(受注者が申し出た事項の同意)
・協議(発注者・受注者対等の合議)
・通知(発注者が受注者に必要事項を知らせること)
・受理(受注者責任の書類の受取)
・確認(受注者提出資料の適合を発注者が確認し認めること)
・立会(発注者が臨場確認すること)
・把握(受注者提出資料の適合を発注者が認識すること。受注者
に対して認めるものではない。)
を総称していう。 書面による対応が基本
★ 協議とは、書面により契約図書の協議事項について、発注者と受注者が
対等な立場で合議し、結論を得ることをいう
★ 承諾とは、受注者が監督職員に対し書面で申し出た施工上必要な事項
について監督職員が書面により同意することをいう
協議は受注代金の変更も視野に入れる
(必要により打合せ簿に精算の明示)
42
1)監督・検査
3.ワンデーレスポンス
受発注者で問い合わせ等に対して、1日あるいは適切な期限までに対応すること
により、待ち時間を最低限に抑える取り組み
相談
受注者
発注者
回答
●目的意識の明確化(工事期間短縮が受注者、発注者、
ひいては国民に良い効果を導き出す)
●発注者と受注者の情報共有(連携強化)
国民
●経済効果(インフラの早期完成)
●国民満足度の向上
受注者
●工期短縮によるコスト縮減
●企業の経営向上
●施工品質の向上
発注者
●受発注者双方の意識改革
●経験や技術力の伝承
●業務能率向上
【平成18年度 】 北海道で15件の試行工事を実施
【平成20年度 】 北陸地整の全工事で実施
【平成21年度 ~】 全国の河川・道路の全ての直轄工事で実施
43
1)監督・検査
4.工事検査の概要
工事検査には、 「給付の検査」と「技術検査」 がある。
① 給付の検査
「会計法」29条の11第2項に基づく、給付の完了の確認を目的とする検査。
② 技術検査
「公共工事の品質確保の促進に関する法律」第6条第1項に基づく、工事中及び
完成時の施工状況の確認及び評価を目的とする検査。
<検査の種類>
(1)完成検査
(2)完済部分検査
(3)既済部分検査
(4)中間技術検査
工事目的物引き渡しを行う最終段階の検査
指定部分が完成した場合の検査
出来高に応じた代価を支払う為に行う施工途中段階の検査
発注者が必要と判断したときに行う施工途中段階の検査(契約
図書明記)
(5)部分使用検査 完成前に、発注者が使用する場合に行う検査
44
1)監督・検査
工事成績の活用
1.一般競争入札における競争参加資格要件の実績工事
・工事成績が65点未満は対象外。
2.総合評価落札方式における技術力評価
・企業及び配置技術者に対し、工事成績に応じて技術点を加点。
3.表彰の評価
・優良工事、優良建設技術者、工事成績優秀企業、安全管理優良
受注者表彰を受けた者は加点。
・優良建設技術者は、工事検査書類限定モデル工事の条件を緩和
した工事を実施可能
4.中間技術検査の減免、工事成績優秀企業認定シール及び認定
ロゴマークの使用許可。
・工事成績評定の平均点が80点以上である工事成績優秀企業。
45
1)監督・検査
5.安全管理
■自主施工の原則(請負契約書 第1条 3(総則)))
第3項は、施工方法等については、原則として、受注者がそ
の責任において定めることを明らかにし、施工主体としての受
注者の自主性を明文で保証したものである。したがって、発注
者は、工事の特殊性、安全確保等のために必要がある場合には、
設計図書において、施工方法等を指定することができるが、設
計図書に施工方法等の指定をしていない場合には、受注者は、
自己の責任において施工方法等を選択するものとし、発注者が
施工方法等の選択について注文をつけることは許されない。こ
のため、契約後に施工方法等の選択について発注者が注文をつ
ける必要が生じた場合には、発注者は、第19条の手続きに
従って設計図書を変更して、必要な施工方法等の指定をしなけ
ればならない。
46
1)監督・検査
6.事業者の責務
○臨機の措置(契約書第26条の1項、2項)
・災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置を取らなければ
ならない。この場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ監督
員の意見を聴かなければならない。
・また、そのとった措置の内容を監督員に直ちに通知しなければならない
○施工計画書(共通仕様書1-1-1-4)
・工事着手前に工事目的物を完成するために必要な手順(工事工程)や工法
(施工方法、安全管理)等についての施工計画書を監督職員に提出しなけれ
ばならない。
○工事中の安全確保(共通仕様書1-1-1-26)
・土木工事安全施工技術指針等を参考にして、常に工事の安全に留意し現場
管理を行い災害の防止を図らなければならない。
・工事現場のイメージアップを図るため、現場事務所、作業員宿舎等の改善
を行い、快適な職場を形成するとともに、地域との積極的なコミュニケー
ション及び現場周辺の美装化に努めるものとする。
・労働基準監督署等の関係者及び関係機関と緊密な連絡を取り、工事中の安
全を確保しなければならない。
47
1)監督・検査
6.発注者としての留意事項
労働安全衛生法(第3条3)
建設工事の注文者等仕事を他人に請け
負わせる者は、施工方法、工期等につ
いて、安全で衛生的な作業の遂行をそ
こなうおそれのある条件を附さないよ
うに配慮しなければならない。
労働安全衛生法(第31条の4)
注文者は、その受注人に対し、当該仕
事に関し、その指示に従って当該受注
人の労働者を労働させたならば、この
法律又はこれに基づく命令の規定に違
反することとなる指示をしてはならな
い。
工事請負契約書(第1条3)
仮設、施工方法その他工事の目的物を完
成させるために必要な一切の手段につい
ては、この契約書及び設計図書に特別の
定めがある場合を除き、乙がその責任に
おいて定める。
工事請負契約書(第26条)
臨機の措置
乙は、災害防止等のため必要があると認
めるときは、臨機の措置をとらなければ
ならない。
監督職員は、災害防止その他工事の施工
上特に必要があると認めるときは、乙に
対して臨機の措置をとることを請求する
ことができる。
48
2)生産性向上
~官民協働で円滑な事業の執行を目指す~
工事施工の円滑化4点セットの積極的活用!
①土木工事条件明示の手引き(案)
②土木工事設計図書の照査ガイドライン(案)
③土木工事設計変更ガイドライン(案)+(同・事例集)
④工事一時中止に係るガイドライン(案)+(同・事例集)
◆官民協働で作成
北陸地方建設事業推進協議会 工事施工対策部会
《 受 注 者 》
(社) 新 潟 県 建 設 業 協 会
(社) 富 山 県 建 設 業 協 会
(社) 石 川 県 建 設 業 協 会
(社)日本土木工業協会北陸支部
(社)日本道路建設業協会北陸支部
(社)建設コンサルタンツ協会北陸支部
《 発 注 者 》
新 潟 県 ・ 富 山 県
石 川 県 ・ 新 潟 市
東日本高速道路(株)新潟支社
中日本高速道路(株)金沢支社
北陸地方整備局
49
2)生産性向上
【工事発注スタート】
【ステップ1】
工事設計審査・施工条件検討部会
■土木工事条件明示
の手引き(案)
入札・契約
【ステップ2】
設計図・内訳書・特記仕様書・現地等
の照査・確認【受注者】
■土木工事設計図書の照査
ガイドライン(案)
照査結果検討部会
●ワンデーレスポンス
工事実施
変更及び検討事項発生
【ステップ3】
設計変更等検討部会
一部変更指示
■工事一時中止に係る
ガイドライン(案)
■土木工事設計変更
ガイドライン(案)
工事実施
変更及び検討事項発生
変更協議・契約変更
50
2)生産性向上
工事設計審査・施工条件検討部会
目
的
【ステップ1 】
工事発注にあたり設計内容、仮設計画、
関係機関協議、条件明示等の確認・検討
メンバー
副所長又は工事品質管理官、発注担当課長・係長
・担当者、監督職員
検討事項
①設計内容・地形地質状況・用地取得状況・協議
関係の確認(未了事項の処理期限の確認)
②仮設計画の確認・検討
③条件明示(特記仕様書)の確認・検討 等
※H14年度に工事の安全確保の目的で設置した土木工事
設計審査会及び土木工事施工条件検討会を統合して活用する
51
2)生産性向上
照査結果検討部会
目
【ステップ2 】
的
工事内容や課題等の共有化と対応策の検討及び
決定
メンバー
発注者:副所長又は工事品質管理官、発注担当
課長・係長・担当者、監督職員
受注者:現場代理人、監理技術者等
コンサル:設計コンサル、地質コンサル等
(工事連携会議と兼ねる場合)
検討事項
①設計内容や課題の共有化
②対応策の決定
③変更の取り扱い
④その他
52
2)生産性向上
設計変更等検討部会
目
的
【ステップ3 】
工事実施の課題解決、変更の取り扱いの決定
メンバー
発注者:副所長又は工事品質管理官、発注担当
課長・係長・担当者、監督職員
受注者:現場代理人、監理技術者 等
検討事項
①現地条件・施工条件変更等に伴う変更処理の
解決
②甲乙で大きな乖離が生じている変更課題の解決
③その他、発注者又は受注者の申し出による課題
事項の解決
53
2)生産性向上
発注者のメンバーは、副所長又は工事品質
管理官・発注担当課長・係長・担当者・監督
職員、受注者のメンバーは、現場代理人・監
理技術者となっており、関係者が一同に出席
することで早期の課題解決を目指します。
また、課題及び意思の共有化を図ることで、
事務処理のスピードアップを目指します。
54
2)生産性向上
工事書類の作成に係わる課題
工事の施工
契約
完成
完成検査
発
受
【必要な工事書類の作成・提出】
・施工計画書に始まり、特記仕様書、共通
仕様書等に基づく工事書類を作成し、監督
職員へ提出
① そもそも提出する工事書類が多く、
処理に必要な単純作業も多い
・契約変更に係る資料の作成・整理
提出書類のほとんどが紙ベースの資料)
② 設計変更に係る資料の作成ル-ル
が不明瞭
とりまとめ
注
注
【工事完成図書(=検査書類)の作成・納品】
紙で納品
・完成検査用及び受注者自身のために紙ベースでと
りまとめ、2部作成
電子デ-タ化
④ 紙と電子の大量の
二重納品の発生
【電子成果品の作成・納品】
発注者と
電子納品協議
大部分の工事書類が整う
時期に作成
電子で納品
者
者
③ 電子納品する工事書類が
工事毎にまちまち
電子成果品の作成
(完成検査対応)
55
2)生産性向上
業務効率化・電子納品等
【課題①】:提出する工事書類が多く、処理に必要な単純作業が多い
1.提出する工事書類等のさらなる簡素化・削減
・「平成21年度土木工事書類作成マニュアル」の作成(北陸では「現場必携」の作成)、
「平成22年度 提出書類(工事関係書類一覧表)」の見直し、「平成23年度4月共通仕様書」の改訂
2.情報共有システム(ASP)の活用による工事書類の電子処理化の実施と、
紙で提出させないことの明確化による工事書類の削減
・工事書類の処理(提出、発議、決済)をインターネット経由で実施することで、受注者の単純作業(印刷、移動、
整理等)を排除。H22.9「土木工事の情報共有システム活用ガイドライン」を策定し明記。
【課題②】:設計変更に係る資料の作成ル-ルが不明瞭
1.「設計変更ガイドライン」等に基づく資料のル-ルづくりを検討
・変更根拠資料・変更図面・変更数量計算書等において作成者や必要資料の明確化等の検討による改善
【課題③、④】:電子納品する工事書類が工事毎にまちまちであり、紙と電子の二重納品が発生している
1.電子納品のガイドライン・基準等の見直しによる二重納品の排除
・「電子納品等要領運用ガイドライン【土木工事編】」、
「工事完成図書の電子納品等要領」 、 「デジタル写真管理情報基準」 の基準の改訂(H22.9)
2 . 情報共有システムの活用と電子検査の実施による業務改善の実施。
・H22.9「土木工事の情報共有システム活用ガイドライン」を策定
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2)生産性向上
情報共有システム(ASP)の導入・活用(効果のイメージ) 平成25年度から一般化
情報共有システムの導入
工事帳票の処理の迅速化
受注者
スケジュール調整の効率化
受注者
監督職員
打合せ簿(協議)
発議・提出
印刷
移動
手渡し
入力
整理作業・時間の削減
電話
監督業務の充実(臨場時間の確保)
監督職員
電子検査
閲覧
地元協議
結果報告
閲覧
入力
調整事務・時間の削減
整理(紙) 整理(電子)
検査の充実・高度化
監督職員
スケジュール
登録
受理・承諾
(電子決裁)
提出作業・時間の削減
情報共有の迅速化
施工状況の
確認・把握
閲覧
回覧作業・時間の削減
回覧
回覧
回覧
施工管理業務の充実
受注者
各工事現場における生産性向上 + 工事目的物の品質確保
出来形管理
品質管理など
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2)生産性向上
第三者による品質証明の導入 1/2
受注者と契約した第三者による品質証明の流れ
資格
認定
機関
(承認)
行政機関
①資格認定(組織・個人)
※ 調査、報告請求
第三者(個人・組織)
(品質証明者)
①資格者選定又は確認(個人・組織)
発注者
試行範囲
⑤品質証明
②工事請負契約
③品質証明を依頼
(品質証明を規定・
⑥ ⑤に基づき
出来高支払い
※資格認定機関
は、第三者の業務
を調査する権限と
必要に応じ業務内
容の報告の請求
権限を有する。
証明費用
④施工プロセス確認の実施
品質証明費計上)
⑤品質証明
受注者
:契約関係
【試行内容】
① 試行では、第三者(品質証明者)として、一定の資格(技術士・一級土木等の資格+ 技術者経験20年+現場経験)を
有する者とする(①発注者があらかじめリストアップした者から施工者が選定 ②施工者が選定した者を発注者が確認)
② 工事の請負契約時に、品質証明を規定するとともに証明費用を計上する
③ 受注者から第三者に品質証明を依頼し、費用を支払う
④ 品質証明者は、品質証明チェックシートに基づき施工プロセスの確認を実施する
⑤ 品質証明者は、受注者及び発注者に品質証明を行う
⑥ 発注者は、監督、検査に⑤の証明を活用し、業務の効率化と出来高部分払いの推進を図る
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2)生産性向上
第三者による品質証明の導入
2/2
Ⅰ.現行の体制と業務内容
監督業務
検査業務
契約の履行の確保
・契約内容の確認
・契約変更の確認
・変更図面の作成
・施工体制の把握
・提出書類の受理、指示、協議等
円滑な施工の確保、その他
・地元調整、・関係機関協議 等
・評定
施工状況の確認等
技術検査
給付の完了確
技術検査
給付の完了確認
認
・工事実施状況
(立ち会い業務)
・段階確認
・指定材料確認
・設計図書の規定による立会い
(状況把握)
・施工状況の把握
受注者
契約図書に基づき施工
・契約書、設計図書、法令遵守
・工事実施状況
・工事実施状況 ・工事実施
状況
・出来形、品質
・出来形
・出来栄え
・出来形
・出来形、品質
・品質
・評定
・品質
・破壊検査・修補指
・出来ばえ
示
・破壊検査・合否判等
・出来形管理、品質管理、写真管理、
安全管理、工程管理 他
一定規模以上の工事で品質証明制度
[品質証明員は社内から選任]
・成績評定
委託による補助
Ⅱ.受注工と契約した第三者による品質証明の導入
監督業務
契約の履行の確保
・契約内容の確認
・契約変更の確認
・変更図面の作成
・施工体制の把握
・提出書類の受理、指示、協議等
円滑な施工の確保、その
他
・地元調整、・関係機関協議 等
・成績評定
委託による補助
施工状況の確認
等
技術検査
(状況把握)
・施工状況の把握
受注者
(第三者)
給付の完了
契約図書に基づき施工
出来形・品質
の確認
確認
・立ち会い業務は
品質証明に代える
品質証明
検査業務
品質証明書の
・工事実施状況
確認による検
査
・出来形
・契約書、設計図書、法令遵守
・工事実施状況
理、安全管理、工程管理 他
・出来形
一定規模以上の工事で品質証明制度
・品質証明制度は廃止(予定)
・品質
・出来ばえ
・成績評定
品質証
明
・品質
・出来形管理、品質管理、写真管
品質証明
[品質証明員は社内から選任]
・破壊検査・合否判定
受注者との契約
による品質証明
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2)生産性向上
平成25年度 情報化施工の取り組みについて
〇情報化施工の活用を促進し、工事の品質を確保
〇一般化技術については、技術の定着の必要性に応じて使用を原則化。一般化
推進技術については、平成28年度の一般化に向け、目標活用率を設定して推進
技術区分
一般化推進技術※2
一般化技術
TS(トータルステーション)により出来形計測を
行い、設計データとの差分を算出し、帳票を自
動作成
主にMC(マシンコントロール)技術。TS
等により位置・標高を取得し、マシンを制御
技術概要
MC(モーターグレーダー)技術
TS出来形管理技術(土工)
取り組み
対象技術
試験施工、環境整備、広報活動
使用原則化※1
・TS出来形管理技術(土工)10,000m3未満
・TS・GNSSによる締固め管理技術
・MC(モータグレーダ)技術
・MC/MG(ブルドーザ)技術
・MG(バックホウ)技術
・TS出来形管理技術(土工)10,000m3以上
※1「情報化施工技術の使用原則化について」(H25.3.15 国土交通省通達)
※2「情報化施工技術の一般化・実用化の推進について」(H25.5.14 国土交通省通達)
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2)生産性向上
平成25年度 工事の生産性向上の取り組み
【目的】 北陸地方整備局発注工事において、工事の品質確保や生産性向上を目指し、平成24年度に引き続き実施する。
生産性向上説明会の開催
生産性向上の取り組みを更に進めるため
受発注者を一堂に会して、「生産性向上説
明会」を開催し、確実な実施を図る。
【実施予定時期、会場】
平成25年春・秋の年2回開催
北陸地方整備局管内各会場にて開催
<春期:10会場で開催>
5月13日 湯沢町公民館
5月15日 長野市ものづくり支援センター
5月16日 ピカリンホール(会津若松市)
5月30日 富山河川国道事務所
5月31日 岩瀬カナル会館(富山市)
6月 3日 荒川地区公民館
6月 4日 中之島文化センター
6月19日 高田河川国道事務所
6月26日 石川県地場産業センター
7月 5日 北陸地方整備局
工事の生産性1日臨時相談会の開設 年間を通じて行う取組み
「臨時相談窓口」を開設し、各現場におけ
る具体的な問題についてより一層の生産性
向上を図る。
【開設予定時期、会場】
平成25年11月ごろ
新潟.高田.富山.石川(4会場予定)
【相談内容】
工事の円滑化4点セット、工事の
工事の品質確保や円滑な施工をより向
上させる取組み
【実施内容】
「工事連携会議」
「ワンデーレスポンス」及び
「工事の円滑化推進会議」の実施(原
則全ての工事)
ASP活用工事の推進(全事務所)
工事書類限定モデル工事の試行拡大
円滑化推進会議、土木工事における受発注
者の業務効率化の推進、ASP、情報化施
工
【対象者】
受注者(現場代理人、監理技術者)
発注者(監督、検査及び設計担当職員)
【説明内容】
公共事業を取り巻く状況、
工事の円滑化推進会議、設計変更事例集、
土木工事における受発注者の業務効率化
4月
5月・10月
11月
3月
平成25年度の取り組み
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