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談夢 8号

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談夢 8号
夢に向かってかがやく子(連携型小中一貫校3年目の取組の推進)
藤岡市立小野中学校学校通信
談
文責
NO.8(平成28年7月8日)
夢
〒 375-0002 群馬県藤岡市立石 407
TEL:0274-24-0104 FAX:0274-24-0149
電子メール:[email protected]
校長 長谷川弘幸
代表として堂々と発表 少年の主張藤岡市大会
7月2日、藤岡市民ホールで「少年の主張藤岡市大会」が開催され、市内5中学校の代表20名が、
発表を行いました。どの発表も、素晴らしい内容でした。小野中からは、3名の生徒が学校代表とし
て出場しました。たくさんの練習を重ね、自分の考えを堂々と述べた素晴らしい主張でした。
以下に3名の主張を掲載します(当日の発表順)。是非、ご一読ください。なお、●●さんは最優
秀賞に選ばれ、藤岡市代表として、西毛地区大会に出場することになりました。
もうかりまっか?
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「誠に申し訳ありませんがお子様ランチは小学生のお子様までと決まっております
のでご注文いただけないのですが…」とディズニーランドのスタッフ。「今日は愛す
る娘の命日です。ずっと連れて行きたかったディズニーでお子様ランチを食べさせて
やりたいのです。」と若い夫婦。それを聞いたスタッフは迷わず、二人をファミリー
席に案内します。「本日はご来店有難うございます。大切な日です。どうぞご家族で
ごゆっくりお楽しみください。」さりげなく子供用のイスも用意しました。マニュアルにないサービスに涙ぐむ
夫婦。これはディズニーランドで起こった有名な話です。お客様を第一に考えた心のこもった対応だと思います。
「お金儲け…もうかりまっか?」そう聞くと、ちょっと露骨でお金だけが全てって感じがします。
でも本当にそうでしょうか?
「我々は顧客のニーズに応じて、優先順位を決めている」これはアメリカの実業家、マイクロソフトの創始者
であるビルゲイツの言葉です。WINDOWSで世界シェア一位になった押しも押されぬ大富豪の彼の言葉。最
近私には「もうかりまっか」と同じに聞こえます。
皆さんはお金がどのくらい大切か知っていますか?私は今までお金に対する考え方が軽かった気がします。そ
う考え始めたのは二年生の時に職場体験学習をさせていただいたときからです。私は食品工場を希望しました。
「ラインを流れてくる商品が正しくパッケージされているかどうか点検してください」「見落とすと、うちの信
頼に関わるからね、頼むよ」衛生管理に細心の注意を払い、品質にこだわる工場の姿勢には目を見張るものがあ
りました。「私の想像を完全に超えている・・・」 緊張しながらもラインを流れてくる商品の検査を一生懸命やり
ました。「これがそのまま消費者に届くんだ・・・」そう考えると、責任の重さに疲労は倍増しました。
「お金儲けは究極の思いやりだから・・・」 ある先生が話していた意味がやっと分かった気がします。どうした
ら消費者が喜ぶ商品やサービスになるのか、どうしたらより安く速くなるのか、そうやって営業利益を追究して
いくことは、実は思いやり以外の何者でもないと実感しました。工場の皆さんは疲れた表情も見せずに淡々と仕
事を進めています。疲労困憊の私。そんなとき工場の部長さんが笑顔で私に話しかけてくださいました。「働く
ってどういうことだか分かる?」突然の質問に返答できずにいた私。「ちゃんと親に感謝するんだよ」その一言
に、これまで何となくいい加減に流してきた思いがこみ上げました。お小遣いをもらって小声で「ありがと」、
親だから当たり前、家族だから言わなくても分かる・・・ そんな多くの甘えの中で生きていたことに気づきました。
そして、仕事が終わって家の仕事をしているのか・・・ そう思うと、これまでのわがままの数々が急に恥ずかしく
なりました。社会人としての責任、親としての責任。全てを頑張っている人のことを「大人」というんだろうな、
と分かった気がします。そしてお金は、思いやりの結果得られた証なのだと思えました。
今私は、そんな責任を背負うことのできる練習をしています。それが学校に行っている意味なのだと初めて気
づきました。だから、私のやるべき仕事、役割をひとつひとつ意識してやり遂げたいと思っています。「いい仕
事してますか?」と聞かれたら、笑顔で「してます。」と答えられるように。そしていずれ社会人のひとりとし
て、誰かを笑顔にそして幸せにできる仕事をしたいです。
知ってほしい
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「昔はね、ゾウっていう大きな動物がいたんだよ。」
五十年後私たちがおばあさんになるころにそんな未来がやってくるかもしれませ
ん。森林伐採や土地開発によって、すみかを失う動物。密漁や人間の仕掛けた罠にか
かり命を落とす動物。そんな動物たちが増え続けたら、数十年後には、ゾウは本当に
いなくなってしまうかもしれません。このような問題は世界中で起こっているそうで
す。ある動物園に一緒に行った友達のお母さんから、そのことを聞きました。その動物園はもともと野生動物の
保護センターでした。しかし、動物たちのエサ代が足りなくなり、動物園になっています。そこには親とはぐれ
たオランウータン、人間の仕掛けた罠にかかり、鼻が短くなったゾウなど他にもたくさんの動物が保護されてい
ます。自然の問題について少しは知っていたけれど、こんなに詳しく聞いたのは初めてでした。
私は父の仕事の関係で小学校四年から六年までの三年間をマレーシアのボルネオ島で過ごしました。私にとっ
てボルネオ島は「ジャングルの島」というイメージでした。しかし、そのジャングルはなくなってきていて、パ
ームヤシのプランテーションになっているということ、そして、そのことに日本が大きく関係しているというこ
とを知り、私は少しショックを受けました。
私たちの身の回りにはパームヤシからとれるパーム油がたくさん使われています。毎日の生活に欠かすことの
できないシャンプー、美術に使う絵の具、私の大好きなチョコレート、他にもマーガリン、ポテトチップス、ア
イスクリーム、石鹸、洗剤など、パーム油の使われている製品はたくさんあります。パーム油は日本人が生活す
るうえで欠かせないものになっています。
今、ボルネオのゾウや、オランウータンたちは、すみかをうばわれ、絶滅の危機に瀕しています、一方、ボル
ネオの人たちはパーム油をつくることによって、豊かな生活が送れるようになりました。パーム油を必要とする
日本人、パーム油によって豊かになるボルネオの人々、パーム油によってすみかをうばわれているボルネオの動
物たち。人間は他の動物と共生すること、そしてそれが人間の生きる道だということに気づいていないのではな
いでしょうか。地球の理想的バランスを壊しているのは人間だと思うと悲しくなりました。
しかし、今現在新たな取り組みが進められています。日本の「ボルネオ保全トラスト」が森林伐採によって途
切れ途切れになった森を一本の道でつなぐ「緑の回廊プロジェクト」が始まったのです。「緑の回廊プロジェク
ト」とはキナバタンガン川沿いに残されたジャングルとジャングルの間の土地を買い取って森に戻し、動物たち
が自由に行き来できるようにすることを目的としています。森がつながることによって野生動物たちがパートナ
ーを見つけやすくなりプランテーションへの侵入も防ぐことができます。動物が増えて、森を生活しやすい場所
に戻すことで、お互いのテリトリー、つまり生存権は守られるはずです。
ジャングルをつなぐという取り組みが、国と国をつなぎ、命をつなぐことになるはずです。
今地球は悲鳴を上げています。「地球の環境を守る」とひと言でいっても、それは難しいことです。そして私
一人では大きなことはできません。だからこそ、多くの国がつながり、自然をつなげ、命をつなげ、心をつなげ
るプロジェクトを立ち上げていくべきです。
私はボルネオ島で生活をして、動物たちの現状を知ることができました。日本に帰って来た今、知ったことを
活かしていきたい、地球のために自分ができることを実践したいと思っています。ボルネオの動物たちの現状を
知らせること、パーム油でつくられた製品だけでなく、いろんなものを大切に使うこと、私はそのことを心がけ
て、多くの人たちに呼びかけていきたいと考えています。かけがえのない地球が、そしてボルネオがいつまでも
私の心のふるさとでありますように…。
SNSと時間
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「明日の時間割、LINEで送って!」
私はある日、学校でこんな会話を耳にしました。その他の日には、「先輩のツイー
ト見ましたよ!リツイートしておきました。」私は、このような会話をよく耳にしま
す。LINEやツイッターなど、SNSに関する会話です。
中学生になって、自分のスマートフォンを持ち、LINEやツイッターを始める人
も少なくありません。でも、LINEやツイッターを使う時間は本当に必要なのでしょうか。
私はLINE、ツイッターをしていません。なぜなら、母が許してくれないからです。家に帰って、離れた場
所にいても、仲のいい友達といつでも会話ができて、さぞかし楽しいだろう、是非したいと思っていました。で
すが、母はそれを拒むのです。なぜ、そこまで拒否するのかきいてみました。すると、
「時間がなくなっちゃうでしょ。」
というのです。授業や部活を一生懸命して、くたくたになって、家でゆっくり休みたいと思う時でも、LINE
のメッセージやツイッターのつぶやきが気になって、結局スマートフォンを開いてしまう。これでは休まりたく
ても休まらない、と母はいいました。
私たちには一日に二十四時間、平等に時間が与えられています。一日が二十三時間だったり、二十五時間だっ
たりする人は誰一人いません。
突然ですが、ここで質問です。あなたは何のために生きていますか?夢を実現するためとか、誰かを助けるた
めとか、すぐにはでてこなくても少し考えれば様々な考えが出てくるでしょう。そして、それらの願いや夢、思
いをかなえるために時間は用意されています。
でも、家に帰ってからスマートフォンを開いて、LINEをしたり、誰かのツイートを見ていて、いつの間に
か時間が過ぎていた、という体験をした人もいるのではないでしょうか。
LINEではみんなと会話をして、ツイッターでは友達のツイートを見てフォローして、画面の中ではありま
すが、周りに人がたくさんいるという状況にあります。色々な人が周りにいて、わいわいしている時間ももちろ
ん大事ですが、「一人でいる時間」というのも重要だと私は思います。一人で勉強する時間、一人で何か考え事
をする時間、一人で読書する時間。どれも大切だと思います。その「一人でいる時間」こそがあなたの願いや夢、
思いに一歩近づく時間なのだと、私は考えます。
でも、そうは思っていてもなかなか行動に移せないということもあるでしょう。試験が近いのに勉強したくな
い。親に「ご飯だよ~」と呼ばれても、すぐに動かない。実際、私もこの原稿を書くのにも結構時間がかかりま
した。
私たちは、限られた時間の中で生きています。その限られた時間の中で何をするかは個人の自由ですが、その
時間をLINEやツイッターなどのSNSで無駄にするということは、やはりもったいないと思うのです。
ここで一つ提案です。SNSを今後一切使うな、とは言いませんが、一日だけSNSを使わずに過ごす、とい
うのはどうでしょうか。そして、その時間の中で自分の目標を立ててみてください。どんな小さなことでも構い
ません。次のテストで八十点以上取るとか、部活動でレギュラーになるとか、将来総理大臣になるとか、何でも
いいです。そして、その目標を達成するためには、今から何をすればいいか具体的に考えてみてください。その
答えが出てきたら、きっとこれからの時間の使い方が変わると思います。
あなたはこれから、限られた時間をどのように使いますか?
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