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県南モデル最終報告.

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県南モデル最終報告.
津波減災県南モデル 最終報告
3.今後の課題
津波減災
県南部地域における今後の防災減災対策に関する主な課題を整理しました。
-概要版-
・幅広い層への防災意識の浸透・向上
・防災知識に関する周知・広報
Tsunami
Disaster
Risk
Reduction
・訓練などを通した避難力の向上(「率先避難」を身に付ける)
・避難所の確保及び環境整備
・災害ボランティアなどの受援体制の整備
・未来を担う「防災人材」の育成
・自主防災組織の加入率向上・組織活性化
・子どもや女性が参加しやすい防災訓練の実施
予防するんジャー
(柚子)
落ち着くんジャー
(しいたけ)
災害から身を守るんジャー
・迅速・正確な災害情報の伝達
○モデル策定にいたる背景
・複合災害等への対応
【東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の発生(平成23年3月11日)】
・巨大な地震とその後に襲来した津波により甚大な被害が発生し,
一部自治体では行政機能そのものを喪失しました。
頭を守るんジャー
(ウミガメ)
避難するんジャー
(アオリイカ)
防災
すだちくん
4.「迎え撃つ!防災減災県南プログラム」の展開
・津波減災県南モデルの取組事例は,“平時~発災直後~避難生活”の各段階で想定される課題を広く取り上
げており,広域で甚大な被害をもたらす「津波」をターゲットとしていることから,津波以外の災害にも十
分応用できると考えています。今後は,津波減災県南モデルの成果を他の地域に広く普及・継続させる必要
があります。
・津波減災県南モデルの成果を応用し,「今後の課題」で示した諸課題を解決するための方策を
「迎え撃つ!防災減災県南プログラム」として整理しました。
・「迎え撃つ!防災減災県南プログラム」は以下の4つの方策で構成し,できるものから速やかに取り組んで
いきます。
迎え撃つ!防災減災県南プログラム
○避難力の向上
・地域を知るフィールドワークの開催
・避難判断力を養う
ワークショップの開催
・複合災害等に対応した
避難訓練の実施
・ICT等を活用した避難訓練
○自助意識の向上
・FCP(家族継続計画)の普及
○未来を担う「防災人材」の育成
・小中高校生の地域防災活動参画
○人と人, 地域の絆づくり
・「&防災」の取組を促進
・自主防災組織の交流,
ネットワーク化
○次世代,後進地への継承
・昭和南海地震70年事業
・「県南モデル」の普及・情報発信
お問い合わせ先
〒779-2305
1.津波減災県南モデルとは
○避難所生活の克服・避難者の負担軽減
・避難所体験・運営訓練の実施
・避難所運営の疑似体験
○在宅避難のための環境・ひとづくり
・ライフライン寸断時の生存術の普及
○支援者と受援者の早期マッチング
・「ほしいものリスト」を活用した
情報発信
・ボランティア受入体制の構築
○防災関係機関の連携強化
・南部圏域での総合的な防災訓練の実施
・「災害拠点病院」と連携した
災害医療訓練
○孤立化対策
・自衛隊ヘリを活用した訓練の実施
○防災体制の構築
・防災関係機関との平時からの情報共有
・代替活動拠点を活用した情報伝達訓練
海部郡美波町奥河内字弁才天17番地1
0884-74-7298
FAX
0884-77-3851
URL
http://www.pref.tokushima.jp/soshiki/nanbu_tg/
・地震・津波対策について,方向性の見直しがなされました。
従 前:海岸保全施設等に過度に依存した防災対策
見直し:海岸保全施設等のハード対策と避難を中心とする
ソフト対策を組み合わせて実施
出典:仙台市
【南海トラフ巨大地震に関する各種想定の公表】
・徳島県津波浸水想定(H24.10.31公表)
南部地域では,最大で20.9mの津波が襲来(美波町)
すると想定されています。
・徳島県南海トラフ巨大地震被害想定(第一次)(H25.7.31公表)
南部地域の5市町での人的・建物被害(想定)は
「死者10,660人」「全壊建物26,190棟」
となっています。
出典:東北地方整備局
・徳島県南海トラフ巨大地震被害想定(第二次)(H25.11.25公表)
南部地域で発生する避難者数(想定)は
「1週間後に最大61,600人」となっています。
m (第3波)
(第2波)
(第2波)
・津波減災県南モデルとは,地域の実情を踏まえた,
現場目線の津波減災対策の模範的な取組事例のことをいいます。
・モデル策定にあたっては,以下の3点を基本理念としました。
①住民,団体,企業,行政などの「地域の総力」を結集
②「津波減災」と「地域創造」を一体的に推進
③できるものから速やかに実施
・また,以下の4点を対策の柱に定めています。
①避難対策
②津波減災教育
③地域創造
④情報発信
(第2波)
URL http://www.pref.tokushima.jp/docs/2016032200040/
m
m
m(第2波)
m(第2波)
m (第2波)
m (第3波)
【想定される最大波の到達水位】
津乃峰地区(阿南市)
福井地区(阿南市)
阿部地区(美波町)
・南部地域の沿岸4市町から特に津波減災対策に関して
意欲的に取り組み,地域の牽引役となる6地区を
「モデル地区」に選定しました。
由岐湾内地区(美波町)
西浦地区(牟岐町)
四方原地区(海陽町)
もっとくわしく知りたい方は、「最終報告」本編をご覧ください。
m
○津波減災県南モデルとは
・地域,大学,医療,企業,行政機関などをメンバーに迎えた
「南部津波減災対策推進会議(座長:村上 仁士 徳島大学名誉教授)」
を設置し,津波減災県南モデルの検討を進めました。
徳島県 南部総合県民局 津波減災部
TEL
・津波の影響で交通インフラ及びライフラインの寸断が長期化し,
それに伴い被害の全容把握や救援・救助に遅れが生じました。
【モデル地区位置図】
2.津波減災県南モデルの取組
【西浦地区】
・避難場所や避難路を知ること,迅速な避難行動の基礎となる健康
づくり,体力づくりを目的とした避難路健康ウォーキングを開催
しました。
○自助・共助の取組
(1)モデル地区の取組
【津乃峰地区】
・避難所運営を疑似体験するため,「避難所運営ゲーム(HUG)」
を活用したワークショップを開催しました。
・地区に住む小学生たちが,過去の災害を知り,未来へ伝承してい
くため,昭和南海地震を体験した方から当時の状況について聞き
取りを進めています。
・津乃峰小学校と海部観光(株),自主防災組織が連携し,避難場所
で一夜を明かすことを想定し,観光バスの活用を念頭に置いた親
子避難所体験学習(一泊)を開催しました。
・自主防災組織などが主体となって,地区に住む子どもたちを対象
に「防災学習会」を開催し,火おこしや新聞紙での食器づくりを
教えたり炊き出し実習などを行っています。
・地域の“運動会”に「防災グッズを使った借り物競走」や「防災
○×ゲーム」などのプログラムを加え,遊びの要素も採り入れな
がら住民の防災意識の向上を図っています。
【防災運動会】
【福井地区】
・発災時の通信途絶に備えて各地区にトランシーバーを配備し,津
波避難訓練では,実際に各避難場所から本部となる公民館への避
難者報告に活用しています。
【四方原地区】
・東日本大震災発生後,地区内にある消火栓や防火水槽,津波避難
場所などについて自主防災組織が調査を行いました。その結果は,
「四方原防災地図」としてとりまとめ,各戸へ配付されました。
・小学校,中学校,高等学校と合同で津波避難訓練を実施していま
す。避難訓練後には,段ボール製の簡易間仕切りや簡易トイレの
設置訓練のほか,避難所運営訓練を行いました。
・海陽町国民健康保険海南病院で行われた災害医療訓練に傷病者役
として参加しました。参加者は,雰囲気づくりとして出血などの
特殊メイクを施し,トリアージ(治療や搬送順位の決定)を体験
しました。
・陸上自衛隊第14施設隊の協力を得て,津波避難訓練の際,婦人
会の方と自衛隊員が合同で炊き出し訓練を実施しました。
・地区内に所在する保育所,小学校,中学校と自主防災組織などが
一体となって津波避難訓練を行い,あわせて学校と保護者との間
で児童・生徒達の引渡し訓練を行いました。
【炊き出し訓練】
・美波町立日和佐こども園では,近傍の県南部総合県民局美波庁舎
(津波避難ビルに指定)を避難場所に設定し,津波避難訓練を定
期的に実施しています。この訓練の成果は,平成27年2月6日に
発生した地震(最大震度5強)において,自発的かつ迅速な避難
行動として具現化されました。
・津波避難開始までのタイムロスを小さくするため,個人の非常持
ち出し袋を預かり,高台の防災備蓄倉庫で保管しています。
・災害時要配慮者との関係の深い県立阿南支援学校や障害者支援施
設 淡島学園などでは,防災講座を受講し,発災時の状況を理解
し,平時から災害に備えようとする取組が進められています。
・夜間の発災に備えて夜間避難訓練を実施し,訓練後は夜間でない
と気付けなかった避難路や避難時の装備に関する改善点について
意見交換を行いました。
○産業・教育分野などと連携した取組
【マイ避難路での避難訓練】
・徳島県観光磯釣渡船協同組合では,地震発生の際,磯に分散する
磯釣り客を速やかに救助・収容し,水深の深い安全地域へ移動回
避できるよう,牟岐大島周辺で海上避難訓練を実施しています。
・徳島文理大学の篠原研究室の協力により,防災紙芝居「じしんを
たいけんした つとむくん」や県南部の防災啓発キャラクター
「災害から身を守るんジャー(裏面掲載)」が制作されました。
【個人の非常持ち出し袋】
・(株)丸本により,地域資源を美味しく加工し,普段の食事として
活用できるレベルまで高めた防災備蓄食品が開発されました。
・東西電工(株)により,発災時の灯り確保を念頭に置いた「LED
避難誘導灯」「LED投光器」が開発されました。
・伝統的な風習「遊山」と防災活動を結びつけ,お弁当を持参して
津波避難訓練を行い,その後避難場所で遊山を楽しむ「避難まつ
り」を開催しています。
【防災備蓄食品】
○公助の取組
・南部圏域防災訓練や県総合防災訓練といった総合的な防災訓練を
実施し,関係機関相互の連携強化や住民の防災意識の高揚及び地
域防災力の向上を進めています。
・自主防災組織の活動費を確保するため,津波避難訓練後に「バザ
ー」を開催しました。
・南海トラフ巨大地震・津波による“自然災害リスク”と人口減少,
過疎,少子高齢化などの“社会リスク”を受け止め,震災前から
復興を含めたまちの将来像を考える取組「事前復興まちづくり」
を進めています。
【日和佐こども園による津波避難訓練】
・幼児を対象とした防災啓発コンテンツとして,防災絵本「よりた
かく よりはやく」が絵本作家 梅田俊作氏により制作されました。
・津波避難後を想定し,「テントでの避難生活」「避難生活での食
事」などを考えるワークショップを開催しました。このワークシ
ョップで出された意見をもとに,食料のほか,防災備蓄倉庫での
調味料の保管が始まりました。
【由岐湾内地区】
・平成24年10月31日に公表された「徳島県津波浸水想定」を踏まえ,
想定津波浸水区域から津波の影響を受けないと考えられる高台に
防災備蓄倉庫を移転しました。
【避難所運営訓練】
(2)モデル地区外の取組
【阿部地区】
・津波への備えとして,住民自らの手でブロックや鉄筋,ロープな
どを活用し,「マイ避難路」と呼ばれる津波避難路を23本整備
しました。
・避難者の安否や詳細情報を迅速に収集するため,ICカードとス
マートフォンを活用した避難場所でのチェックインシステム(=
避難者のカードデータをスマホで読み取る)の実証実験を行って
います。
【防災学習会】
・ドクターヘリや消防防災ヘリが運航できない夜間における災害医
療体制を検討するため,自衛隊ヘリによる離島や山間部などでの
夜間救急搬送訓練を実施しています。
【避難まつり】
(避難場所での防災絵本読み語り)
・自衛隊員からテント設営やロープワークなどの防災に関する技術
を親子で学ぶイベント「親子で学ぶ!サバイバルキャンプ」を開
催しています。
【自衛隊ヘリによる訓練】
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