...

最先端医療サービスを提供するための技術基盤の構築

by user

on
Category: Documents
5

views

Report

Comments

Transcript

最先端医療サービスを提供するための技術基盤の構築
ユーザ事例
最先端医療サービスを提供するための技術基盤の構築
Adena Health System では、シスコのスイッチング、セキュリティ、およびワイヤレス製
品を導入して、ベッドサイドからの重要情報へのアクセス、医療サービスの向上、ビデオ
会議システム、遠隔医療などに対応した各種最先端医療アプリケーションを活用してい
ます。
概要
カスタマー名:Adena Health System
● 業種:医療
● 所在地:米国オハイオ州チリコシー
● 従業員数:2,000 人
課題:
● ワイヤレス、ビデオ会議システム、遠隔
医療など高度なアプリケーションへの対
応
● 医療ネットワークの信頼性および安全
性の向上
● ネットワーク全体における患者の機密情
報の保護
ネットワーク ソリューション:
既存のネットワーク インフラストラクチャをシ
スコのスイッチングに変更。最先端の医療ア
プリケーションと医療情報システムに対応す
るため、シスコのセキュリティおよびワイヤレ
ス ソリューションを導入。
導入の効果:
● 新しいネットワークによって、場所や時
間を問わず、生命にかかわる重要なア
プリケーションを必要に応じて利用可能
● 救急診療の所要時間を約 2 時間短縮
● IT チームによるネットワーク全体の効率
的な集中管理が実現
● 遠隔医療アプリケーションの導入によっ
て、専門医による新生児の遠隔治療が
可能
課題
想像してみてください。あなたは、とある大規模な地域
病院の Chief Information Officer(CIO; 最高情報責
任者)です。着任後まだ 1 週間も経っていません。新し
いオフィスでやっと荷ほどきを終えた矢先、病院全体の
ネットワークがダウンしました。医療情報システム、E
メール、医療用アプリケーションといったすべてのアプ
リケーションにアクセスできなくなってしまいました。あ
なたを採用した病院幹部が来て、この事態にどう対処
するつもりかと詰め寄ります。このシナリオは、どの
CIO に と っ て も 最 悪 の 悪 夢 で す 。 し か し 、 Adena
Health System の CIO、マーカス・ボスト氏の身に現
実として降りかかりました。
Adena Health System は、Adena Regional Medical Center と複数の小規模な診療所からなる
非営利の医療機関です。オハイオ州チリコシーにあるこの医療センターは、地域の主要病院とし
て、オハイオ州南部の 10 の郡をカバーしています。同院では、複数ベンダーの機器で構成する
ネットワークを長年使用しており、そのインフラストラクチャは非常に不安定になっていました。ボス
ト氏はその頃すでにネットワークの見直しを計画していましたが、ネットワークがダウンしたことに
よって、このプロジェクトはすぐさま最優先課題となりました。同氏は、これを試練ではなく、むしろ
Adena Regional Medical Center が提供してきた医療サービスを変革する絶好の機会ととらえま
した。
ボスト氏が目指したのは、最新の医療情報技術を備えた最新鋭の病院でした。そこでは、病室で
のワイヤレスを利用した治療、電子カルテ、地域全体の医療機関と瞬時に共有できる医療システ
ムが提供されます。また同氏は、患者と離れた場所にいる医師をビデオ会議システムでつなぎ、遠
隔医療サービスを推し進めることで、多くの患者の命を救えるようになると確信していました。特
に、都市部の大規模な医療センターでなければ提供できない専門の診察や医療を受けるために遠
All contents are Copyright © 1992–2011 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information.
Page 1 of 6
ユーザ事例
方まで行かなければならないオハイオ州南部の患者にとって、この技術が有益であると証明される
可能性は高いでしょう。
ボスト氏の描く理想像を現実化するには、Adena のネットワークを完全に見直す必要がありまし
た。Adena では、基本的な医療システムを確実に提供できるだけでなく、ビデオ会議のような帯域
幅を消費し遅延に影響されやすいアプリケーションにも対応できる、強固なネットワーク インフラス
トラクチャが必要でした。さらに、管理性とセキュリティに優れたワイヤレス インフラストラクチャも求
めていました。ネットワーク上では患者の機密情報が扱われるため、最高レベルのセキュリティが
不可欠でした。同時に、ボスト氏は長期的な利用も重視しました。ネットワークの見直しはきわめて
まれな機会であると考えた同氏は、今後数年間にわたって医療システムに対応できる帯域幅、拡
張性、柔軟性を備えたソリューションのみを導入する方針を固めました。
「シスコ製品を使えば、他のシスコ製品を後で追加したときにも
スムーズに機能します。高度なアプリケーションに対応でき、有
線ネットワークに加えてワイヤレス ネットワークも導入できま
す。どうしたらすべてのアプリケーションを安定して動作させ管
理できるかなどと、頭を悩ます必要はありません。シスコなら安
心です」
- Adena Health System 最高情報責任者、マーカス・ボスト氏
ネットワーク ソリューション
複数のベンダーを検討した結果、ボスト氏はシスコの支援によってネットワーク全体の見直しを図
る決断をしました。
「単一ベンダーによるソリューションを求めていました。そしてシスコしかないと思いました」とボスコ
氏は言います。「シスコ製品を使えば、他のシスコ製品を後で追加したときにもスムーズに機能しま
す。高度なアプリケーションに対応でき、有線ネットワークに加えてワイヤレス ネットワークも導入
できます。どうしたらすべてのアプリケーションを安定して動作させ管理できるかなどと、頭を悩ます
必要はありません。シスコなら安心です」
®
®
Adena では、新しい Cisco Medical-Grade Network の基盤として、Cisco Catalyst 6500 シ
リーズ スイッチをコア、ディストリビューション、および病院内の各ワイヤリング クローゼットに導入
し、Cisco Catalyst 4500 シリーズおよび Cisco Catalyst 3750 シリーズ スイッチをリモート サイト
に設置しました。他企業の例では、Cisco Catalyst 6500 シリーズをコア スイッチのみに使用する
場合もありますが、ボスト氏はこれらのプラットフォームを病院内のネットワーク全体に導入すること
で将来の医療アプリケーションにも対応できる帯域幅と拡張性を確保できると考えました。シスコの
Catalyst スイッチは、業界最高レベルの信頼性とギガビットの接続をデスクトップに提供するだけで
なく、セキュリティ、管理、およびワイヤレス モジュールの統合を実現します。
ソリューションの保護
Adena では、医療ネットワークの保護のために、Cisco Catalyst 6500 シリーズ プラットフォームに
Firewall Services Module(FWSM; ファイアウォール サービス モジュール)を統合させました。
FWSM は、ファイアウォールのデータ レートがきわめて速く、病院と遠隔地の小規模診療所の間
の Virtual Private Network(VPN; バーチャル プライベート ネットワーク)接続を可能にし、患者情
報の保護に有効です。
外部ネットワークとの境界には Cisco ASA 5500 シリーズ アプライアンスを採用して、高度なファ
イアウォールと Intrusion Prevention System(IPS; 侵入防御システム)サービスを実現していま
All contents are Copyright © 1992–2011 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information.
Page 2 of 6
ユーザ事例
す。このアプライアンスは、ネットワーク全体のシスコ スイッチおよびワイヤレス アクセス ポイントと
通信して、マルウェアやその他の脅威に対してインテリジェントで適応性に優れた防御力を発揮し
ます。ファイアウォールと IPS サービスが 1 つのプラットフォームに統合されるので、より管理しや
すくコスト効率に優れたソリューションが実現します。
ワイヤレス化
堅牢なネットワーク基盤を導入したボスト氏は、病院内のどこからでも医療情報にワイヤレスでアク
セスできるようにするために、次の段階に着手しました。Adena では、中央集中型の管理を実現す
るために Cisco Unified Wireless Network と Cisco Wireless Control System(WCS)を導入し、
®
さらに Aironet 1240 および 1130 シリーズ ワイヤレス アクセス ポイント、および Wireless
Services Module(WiSM)搭載の Cisco Catalyst 6500 シリーズの採用によってワイヤレス インフ
ラストラクチャ全体の管理を可能にしました。救急科と手術室の間にワイヤレス接続を導入したこと
で、スタッフはワイヤレス対応の医療用モバイル カートを使用してベッドサイドで重症度判定検査
や患者の登録ができるようになりました。
「多くの病院では、患者は受付を済ませた後、待合室に通されます。Adena の医療センターでは、
患者を即ベッドに運び、ただちに治療を開始します」とボスト氏は説明します。
Adena Health System のシステムおよびセキュリティ シニア アナリストであるブライアン・ヤング
氏は次のようにコメントしています。「Cisco Wireless Control System のおかげで、中央のイン
ターフェイスからネットワーク全体のセキュリティやその他の設定が簡単に行えます。以前に使用し
ていた他のベンダーの製品と比較して、アクセス ポイントを稼動させるのも非常に簡単でした」
次世代の遠隔医療
ネットワークの見直しの一環として着手したプロジェクトの中でも最も関心を呼んだのは、革新的な
遠隔医療プログラムでした。Adena では、妊産婦と新生児に対して非常に優れた医療を提供して
いましたが、新生児の救命救急医療を専門とする医師が不足しているという問題がありました。こ
のため、Adena の医師は、救命救急治療が必要な新生児を、70 マイル北のコロンバスにある
Nationwide Children's Hospital に 搬 送 す る ほ か あ り ま せ ん で し た 。 実 際 、 Adena か ら
Nationwide Children's Hospital に搬送される新生児の数は、コロンバス周辺のどの医療機関よ
りも常に上回っていました。こうした搬送は、家族や新生児にかなりの負担でした。
強固なネットワーク基盤が構築されたことによって、Adena の新生児科と Nationwide Children's
Hospital の新生児集中治療室を、高解像度ビデオ会議システムで接続することが可能になりまし
た。このソリューションを使用して、コロンバスの専門医は、自分の目で新生児を正確に診断し、
Adena の医師と同じ部屋にいるかのように検査結果や画像フィルムを共有して話し合うことができ
ます。
導入の効果
現在、Adena Regional Medical Center のネットワークは、これまでになく強固で信頼性の高いも
のとなっています。新しいネットワーク基盤は、最先端の充実した一連の医療アプリケーションのサ
ポートを実現しました。さらに重要なことに、時間や場所を問わず、必要なときに必要なサービスを
医師に提供できるようになりました。
「かつて当院のスタッフはファイルの共有時や更新時でさえネットワークを信頼できずにいました」と
ボスト氏は言います。「ネットワークが不安定であったため、ネットワーク上にファイルを保存しようと
すらしない時期がありました。しかし、もうそのような心配は要りません。必要なときに安心して使用
できるネットワークがあるからです」
これにヤング氏は次のように補足しています。「シスコのスイッチング インフラストラクチャのパ
フォーマンスと安全性は驚異的です。Cisco Catalyst 6500 シリーズがダウンしたことはありませ
All contents are Copyright © 1992–2011 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information.
Page 3 of 6
ユーザ事例
ん。複数のモジュールとサービスを 1 つのシャーシに統合することは、コスト面においても非常に
有利です。また、1 つの管理インターフェイスからすべてのスイッチを管理できるため、ネットワーク
管理がはるかに簡単になりました」
救急科では、Cisco Unified Wireless Network によって、ベットサイドで医療情報と重症度判定
ツールを利用できます。医師は、ナース ステーションとの間を何度も往復することなく、診断画像や
検査結果を参照し、その場で患者に情報を伝えることができます。ベッドサイドでの重症度判定検
査や患者登録手続きが可能になり、救急科におけるワークフローが大幅に改善されました。
このことについてボスト氏は次のように述べています。「救急科での生産性と処理能力を飛躍的に
向上できました。以前の平均的な所要時間は 3 ~ 4 時間でしたが、新システムの導入によって、
救急患者の平均滞在時間を 120 分未満に抑えることができています。同じスタッフと同じ設備でよ
り多くの患者への対応が可能になったため、年間 400 万ドルの投資効果が生まれたのです。何よ
り重要なのは、患者が必要な医療処置をすぐに受けられるようになったことです。当院の患者満足
度調査の結果も大幅に向上しました」
専門医によるバーチャルな新生児治療
新しいシスコ ネットワークで実現した高解像度の遠隔医療は、Adena の新生児患者とその家族に
早くも好影響をもたらしました。
Adena Health System のジョン・フォートニー医長は次のようにコメントしています。「遠隔医療の
おかげで、当院での新生児治療は劇的に向上しました。Children's Hospital の新生児専門医や、
小児循環器専門医といった超専門医などに診断にあたってのアドバイスを求めることができます。
さらに、診察してもらい、リアルタイムで話し合うこともできます」
このような専門医による診察が功を奏して、チリコシーの医師はより正確な診断が行えるようにな
り、新生児やその家族への負担も軽減されました。
Adena の妊産婦新生児センター長であるジャッキー・スタンベリー氏は次のようにコメントしていま
す。「以前は、新生児患者の診断に迷った場合は、コロンバスに搬送していました。今ではデジタル
化された検査結果と鮮明なライブ映像のおかげで、当院で対処できるケースが増えました。2007
年に Children's Hospital に搬送された新生児の数は 2006 年の約半分になり、非常に大きな変
化として実感しています」
次のステップ
Adena は今後数ヶ月の間に、Cisco Unified Wireless Network および同ネットワークがサポート
する臨床情報システムを、院内の全フロアをはじめ、診療所や遠隔施設にも拡大する予定です。ま
た、オハイオ州デイトンにあるライト州立大学との提携による 4 年制の看護学校のメイン キャンパ
スを、Adena の医療センターの近隣に建設中です。このキャンパスには仮想教室を組み込み、デ
イトンの医師が遠隔治療アプリケーションとシスコのバックボーン ネットワークを使って、遠隔地に
いる学生を指導します。また、シスコの IP ネットワークを介したビデオ録画や放送にも対応する予
定です。
ヤング氏は次のようにコメントしています。「今後 12 ~ 14 ヶ月の間に、当院のネットワーク全体に
相当な数の音声および映像サービスを導入する予定です。シスコのインフラストラクチャでなら、こ
れらに十分対応できると当院は自信を持っています。機材のアップグレードを検討するまでもなく、
場所によっては帯域幅を 2 倍、場合によっては 4 倍にもできるかもしれません」
All contents are Copyright © 1992–2011 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information.
Page 4 of 6
ユーザ事例
関連情報
製品リスト
ルーティングとスイッチング
● Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチ
● Cisco Catalyst 4500 シリーズ スイッチ
● Cisco Catalyst 3750 シリーズ スイッチ
セキュリティと VPN
● Cisco Catalyst 6500 シリーズ用 Cisco Firewall
Services Module
● Cisco ASA 5500 シリーズ IPS Edition
医療機関向けのシスコ ソリューションの詳細につ
いては、次のページを参照してください。
http://www.cisco.com/jp/go/healthcare/
Cisco Catalyst のポートフォリオの詳細について
は、次のページを参照してくださ
い。http://www.cisco.com/jp/go/catalyst/
Cisco Unified Wireless Network
● Cisco Aironet 1240 シリーズ アクセス ポイント
● Cisco Aironet 1130 シリーズ アクセス ポイント
● Cisco Catalyst 6500 シリーズ用 Cisco
Wireless Services Module
● Cisco Wireless Control System
All contents are Copyright © 1992–2011 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information.
Page 5 of 6
ユーザ事例
©2011 Cisco Systems, Inc. All rights reserved.
Cisco、Cisco Systems、およびCisco Systemsロゴは、Cisco Systems, Inc.またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。
本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利者の財産です。
「パートナー」または「partner」という用語の使用はCiscoと他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。(0809R)
この資料に記載された仕様は予告なく変更する場合があります。
お問い合わせ先
シスコシステムズ合同会社
11.05
〒107-6227 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー
http://www.cisco.com/jp
お問い合わせ先:シスコ コンタクトセンター
0120-092-255(フリーコール、携帯・PHS含む)
電話受付時間 : 平日10:00~12:00、13:00~17:00
http://www.cisco.com/jp/go/contactcenter/
Fly UP