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社会学科研究活動報告

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社会学科研究活動報告
1-7 社会学科研究活動報告
●学 科
社会学科
●学科専任教員
井上 仁(教授)
今泉礼右(教授)
小原昌穹(教授)
後藤範章(教授)
今 防人(教授)
清水浩昭(教授)
立道信吾(教授)
仲川秀樹(教授)
中瀬剛丸(教授)
中森広道(教授)
夏刈康男(教授)
松岡雅裕(教授)
松下武志(教授)
山本質素(教授)
上之園佳子(准教授)
川村宣輝(准教授)
菅野 剛(准教授)
山田祐子(准教授)
山北輝裕(専任講師)
安 勝熙(助教)
松橋達矢(助教)
【研究課題の目的および概要】
社会学科では,多様化・複雑化する現代社会における問題的状況を解明するために,上記専任教員 21 名(教授∼
助教)が,1)理論・学説,2)文化・情報メディア,3)実証・応用,4)社会調査,5)社会福祉,というそれぞれの方
法・関心に基づき,今日的課題に対応する重要な諸テーマについて研究活動を行っている。各教員の平成 22 年度
研究テーマは,以下の通りである
1)理論・学説分野
氏 名
平成 22 年度のテーマ
専 門
小原 昌穹
アメリカ社会学・社会変動論
日本の階層構造の変化
夏刈 康男
社会学史・フランス社会学
デュルケムと J. ジョレスの結びつき
松岡 雅裕
社会学理論・社会思想
中範囲の理論の構築
松下 武志
犯罪社会学・社会病理学・
社会問題論
断酒会活動における会員意識の変化
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2)文化・情報メディア分野
氏 名
今 防人
中森 広道
専 門
文化社会学・宗教社会学・
観光社会学
マス・コミュニケーション論・
メディア文化論
災害社会学・社会情報論
山本 質素
文化人類学・日本民俗学
仲川 秀樹
平成 22 年度のテーマ
観光研究から移動学へ
地方都市のブランド品とキャラクターの関係
を「おしゃれ」の視点から社会学的に探る
地上デジタル放送と災害情報の適正化に
関する調査研究
日本社会とアジアの家族慣行・人生儀礼の
比較考察に関する研究
3)実証・応用分野
氏 名
清水 浩昭
立道 信吾
安 勝熙
専 門
家族社会学・人口社会学
家族社会学・人口社会学
家族社会学・人口社会学
松橋 達矢
都市社会学・歴史社会学
平成 22 年度のテーマ
日本人のしつけを再考する
日本企業の雇用システムの社会学的分析
韓国における高齢者介護の現状に関する
基礎研究
東京都心の社会的意味の変容に関する研究
4)社会調査分野
氏 名
後藤 範章
専 門
都市社会学・社会調査論
中瀬 剛丸
菅野 剛
メディア社会論・社会意識論
計量社会学・社会階層論
山北 輝裕
社会史・質的調査・社会問題論
平成 22 年度のテーマ
視覚 / 映像社会学とビジュアル・リサーチ・
メソッドに関する研究
メディアと世論形成に関する実証的研究
社会階層とネットワークについての
地域比較分析
ストリートの現在・社会史
5)社会福祉分野
氏 名
平成 22 年度のテーマ
専 門
井上 仁
児童福祉・子どもの権利擁護
子どもの権利基盤に基づく支援のあり方に
ついて
今泉 礼右
社会福祉学・大衆社会論
地域福祉における政策問題とその推進課題に
ついての研究
上之園佳子
介護福祉学・地域保健福祉
社会保障としての介護政策の課題に関する
研究
川村 宣輝
障害者福祉論・
就労支援サービス
精神障害者の職業自立の現状と課題に
関する研究
山田 祐子
ソーシャルワーク・
高齢者福祉論
高齢者虐待ソーシャルワークにおける
養護者支援についての方法論の構築
21
【人文科学研究所学科予算の利用について】
平成 22 年度社会学科では,上記研究スタッフが掲げる今日的課題に対応する重要な諸テーマにもとづく研究活
動等への支援(1)-3))
,ならびに学科全体の研究活動基盤の整備(4)
)に資するため,人文科学研究所学科予算を
下記の通り使用した。
1)研究室スタッフの利用頻度が極めて高い英米系国際ジャーナルへの支出
社会学科では,アメリカにおける初めての社会学専門誌であり,日本の社会学界への影響力も非常に大きい
「American Journal of Sociology(A.J.S.)」
,アメリカ社会学会の学会誌で,
「A.J.S.」にならぶ権威のある「American
Sociological Review(A.S.R.)
」
,またヨーロッパの社会学専門誌にして,ヨーロッパ系とアメリカ系の研究者がバラ
ンスよく投稿しているが故にバランスのよい誌面構成が特徴の「British Journal of Sociology(B.S.R.)」,社会学の隣
接領域にあたる文化人類学や社会人類学に限らず,自然人類学・考古学などを含む広義の人類学に関する論文や資
料,各種レビューなどが多数掲載されている「American Anthropologist(A.A.)
」などの英米系国際ジャーナルへの
支出を毎年行っている。社会学科には,様々な専門領域と多様な問題関心を有するスタッフが在籍しているが,上
述のジャーナルは英語圏における先進的調査研究についての情報収集を可能とする広範なディシプリン系の雑誌と
して,研究室スタッフの使用頻度が高く,学科全体の研究活動支援に与した。
2)国際的ジャーナリズムへの支出
それに加えて,国際的な政治・経済を中心に文化面にまで及ぶ広範な話題を取り上げるフランス系雑誌「Le
point」,世界中で起こるさまざまな出来事を独自の視点で検証する「Newsweek International」など,国際的なジャー
ナリズムへの支出も定期的に行っている。グローバリゼーションが世界を席捲し,社会の関わりが非常に見通しに
くくなっている現代において,世界中にアンテナを張りめぐらせ,複数の世界から成り立つ社会へのまなざしを担
保する国際的ジャーナリズム誌の存在は,社会学科全体の研究活動においても重要な意味を持つものとなった。
3)研究活動に直結する研究旅費への支出
また,研究活動支援への学科独自の取り組みとして,調査研究活動のさらなる活性化を促すための研究旅費の支
給を行った。平成 22 年度は,山北輝裕専任講師を対象に支給を行い,学科全体の研究活動活性化に大きく寄与した。
(研究課題・成果については,「1. 研究課題の目的および概要 」 ならびに 「3.研究成果の報告 」 を参照のこと)。
山北 輝裕 専任講師
「北海道の労働と福祉を考える会(代表 : 札幌学院大学嶋田佳広准教授)
」の夜回りへの参加・意見交換,札幌地区
のホームレスへの聞き取りを実施。
4)研究活動に供する機器備品類への支出
さらに,学科全体の研究活動基盤の整備を目的に,研究活動に供する機器備品類(レーザープリンタ,スキャナ,
外付HDD,トナー,インクカードリッジ等)への支出も行った。大量データの分析や,論文執筆,ならびに研究
活動にかかわる報告書の印刷等,学科で共用するこれらの機器備品類の整備が,学科全体の研究活動に対して果た
す役割は非常に大きなものであると考えられる。
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【研究成果の報告】
社会学科における平成 22 年度の研究成果は,主に,1)社会学科が主体となる日本学術会議学術協力団体・日本
大学社会学会発行『社会学論叢』誌への投稿,2)社会学科が主体となる学術研究発表会としての日本大学社会学会
大会(兼日本大学文理学部学術研究発表会社会学部会)ならびに研究例会での報告,という形で公表された。
1)社会学科が主体となる日本学術会議学術協力団体・日本大学社会学会発行『社会学論叢』誌への投稿
『社会学論叢』誌は,専門委員による査読付きの学術刊行物であり,学内外の研究者による研究成果報告を行う
媒体として,年に 3 回発行されている。平成 22 年度は,社会学科創立 90 周年記念号(第 169 号)に寄稿された 8 本
の他,第 168 号に 4 本,第 170 号に 4 本の論文が掲載された。
号
氏 名
所属
テーマ
168 号
(2010.6.25 発行)
毛利康秀
日本大学
インターネット時代における「ネティズン」の概念とその変容に関す
る考察― 日本の新聞報道の内容分析を手がかりに ―
山田祐子
日本大学
神奈川県における施設職員のための高齢者虐待防止の手引きの作成
とその意義
小堀 真
日本大学
価値意識の国際比較
―幸福感とその規定要因に関する日独比較のための基礎分析―
海野 力
元日本大学
169 号
松岡雅裕
(2010.12.25 発行)
日本大学
日本大学社会学科 90 年の歩み
―学生との interaction の視点から―
後藤範章
日本大学
都市・地域社会研究と社会調査
井上 仁
日本大学
子どもたちとのふれあいから学ぶこと
立道信吾
日本大学
1990 年代以降の雇用・労働問題と研究の動向
中瀬剛丸
日本大学
社会学の立場からの世論調査の意義
―選挙報道と調査の経験をもとに―
中森広道
日本大学 「災害の社会学」から「災害社会学」へ
松下武志
日本大学
社会病理研究における近年の一動向
―社会病理学会における最近 3 年間のシンポジューム報告の紹介を中
心として―
加藤朋之
山梨大学
サッカー観戦学―観客の「まなざし」と見るテクノロジー―
井上 仁
日本大学
子どものセーフティーネット検証と子ども権利基盤
今泉礼右
日本大学
少子・高齢社会における地域福祉
中森広道
日本大学
ラジオドラマ『宇宙戦争』の足跡
170 号
(2011.3.25 発行)
胡志明著 ,[1960]2003,『獄中日記』越南文学出版社
『獄中日記』について
2)社会学科が主体となる学術研究発表会としての日本大学社会学会大会ならびに研究例会での報告
平成 22 年 7 月 10 日には,平成 22 年度日本大学社会学会大会(兼日本大学文理学部学術研究発表会社会学部会)を
開催した。自由報告部会では,4 本の成果報告があり,それぞれの報告に対する質疑応答が行われた。
また,同日開催されたテーマ報告部会では,
「FIFA ワールドカップの社会学」というテーマのもと,3 名の報告者
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による話題提供,討論者による問題提起を手がかりとして,国境を越えて人々を熱狂させるサッカーというスポー
ツを取り巻くメディア環境と,
その環境に立脚して構築される現代社会のありようについて活発な討論が行われた。
部会
自由報告部会
テーマ報告部会
講演
記念
氏 名
所 属
テーマ
岡田祥子
日本大学大学院
E . ゴッフマンによる「スティグマ」概念の再定義
葉 昱宏
日本大学大学院
ベトナム社会から見る台湾のベトナム人
―越僑グローバル化と労働力の送出―
堀 崇樹
(株)地域計画連合
南関東地域における地域福祉計画の形態
山北輝裕
日本大学
野宿を教えるということ
大嶽真人
日本大学
日本代表の戦いから見える日本と世界
吉田国夫
Jリーグ広報
加藤朋之
山梨大学
ワールドカップ観戦学―観客の「まなざし」と見るテクノロジー―
水上博司
日本大学
日本代表の戦いから見える日本と世界
松岡雅裕
日本大学
学生の潜勢力から探る日本大学社会学科 90 年の歩み
1990 年代後半からの日本企業の雇用システムの変貌
その他,平成 21 年度に問題提起や萌芽的な研究について語り合う場として設けられた研究例会も継続して実施
され,今後のさらなる研究の発展をめざし,熱のこもった議論が展開された。
回
氏 名
所属
第3回
(2010.6.10)
大畑正樹
日本大学
大学院
松橋達矢
日本大学 「世田谷の地域性とまちづくりに関する研究」一歩前
「
『つながり』の契機」の諸相を捉えるために―
日本大学 ―
堀越直仁
第4回
(2010.10.21)
テーマ
ハーバーマスの個人化論
野口憲一
日本大学
大学院
野口憲一
日本大学 『流動的な当事者性』概念の提案
大学院
―
『当事者』の拡散と凝縮の危険性を乗り越えるために―
24
Fly UP