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当院透析患者における 足病変と神経障害との関係
当院透析患者における 足病変と神経障害との関係 (医)大田姫野クリニック1) 島根大学第一内科学2) 岡田理江1) 大隈征子1) 今岡由美恵1) 中村千枝1) 小原一晃1) 堀田春奈1) 福村 宏1) 角昌晃1) 滋野和志1) 矢野彰三2) 目的 当院の透析患者における足病変、虚血性心 疾患、ASOと知覚障害の関連について検討した。 対象 期間 2008年11月~2010年3月 血液透析患者 48名(糖尿病18名) 性別 男性 25名 女性 23名 平均年齢 66.2歳(43~83歳) 平均透析期間 7.3年(2ヶ月~30年) 方法 足病変(胼胝・鶏眼・潰瘍・切断)の有無 圧覚検査:モノフィラメント使用 点数化・合計点数で評価 検討項目 ・年齢・糖尿病 ・足病変 ・虚血性心疾患(ステント留置・心臓手術) ・ASO(ステント留置・PTA施行) 圧覚検査(モノフィラメント) モノフィラメント 実物 5 4 使用例 3 2 1 モノフィラメントを使用して、客観的に皮膚の知覚神経 鈍麻のレベルをチェックした。 6 圧覚検査の測定部位と結果の1例 結 果 82才 足背:2か所 足底:7か所 測定部位 1 5 6 7 2 糖尿病 3 4 8 9 モノフィラメント1-6で触覚の有無を測定しスコア化 (1-7点;7点は全て認知せず スコア18点~126点) 男性 (なし) 右 左 ① 7 4 ② 3 6 ③ 4 6 ④ 6 5 ⑤ 5 5 ⑥ 5 5 ⑦ 2 3 ⑧ 6 6 ⑨ 6 6 合計 90 糖尿病の有無と圧覚テストスコア 【スコア】 P<0.001 100 80 60 40 86.9 ±5.0 63.4 ±3.0 20 0 有 糖尿病 無 年齢,糖尿病と圧覚テストスコア 【スコア】 120 糖尿病 100 【スコア】 y = 0 .4 5 3 9 x + 5 8 .1 4 5 80 全体 120 60 100 40 y = 0.6365x + 30.064 80 20 N.S 0 60 0 20 40 60 80 【年齢】 【スコア】 40 P=0.0383 120 20 40 50 60 70 80 100 90 非糖尿病 100 y = 1.0866x - 10.378 80 60 40 20 P=0.0001 0 0 20 40 60 80 100 【年齢】 胼胝と糖尿病の有無,圧覚テストスコア N.S 【人数】 DM(-) DM(+) 40 80 14 30 20 10 0 【スコア】 60 40 24 4 6 73.9 71.7 ±9.2 ±3.2 有 無 20 0 有 胼胝 無 胼胝 鶏眼と糖尿病の有無,圧覚テストスコア N.S 【人数】 【スコア】 DM(-) DM(+) 80 50 40 60 17 30 40 20 10 0 1 25 5 有 67.7 72.9 ±7.3 ±3.4 20 0 鶏眼 無 有 鶏眼 無 潰瘍・切断と糖尿病の有無,圧覚テストスコア 潰瘍、足趾切断:2名 症例1 70 男 症例2 54 男 糖尿病 透析歴 有 5年 有 3年 圧覚テストスコア 126 125 年齢 性別 全体の平均スコア72.4 虚血性心疾患と 糖尿病の有無,圧覚テストスコア N.S 【スコア】 【人数】 DM(-) DM(+) 40 80 12 30 20 10 0 100 60 40 26 70.1 ±5.3 ±3.6 有 無 20 6 4 有 80.2 0 無 虚血性心疾患 虚血性心疾患 ASOと糖尿病の有無,圧覚テストスコア P<0.001 【スコア】 【人数】 DM(-) DM(+) 50 100 40 80 11 30 P<0.001 40 20 90.6 68 ±8.8 ±2.9 有 無 28 10 0 60 20 7 2 0 有 無 ASO ASO まとめ • 圧覚検査の合計スコアは、年齢・糖尿病・ASOと 関連があった。 • フットケアに圧覚検査の合計スコアを取り入れると より注意深く観察が行えると思われる。 結語 圧覚検査により知覚障害の程度を知ることは 重度な足病変に対するハイリスク患者の同定に 役立つ可能性があると考えられた。 日本透析医学会 CO I 開示 筆頭発表者名:岡田 理江 演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある 企業などはありません。