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実行5か年計画の特別対策事業以外の課題・意見
実行5か年計画の特別対策事業以外の課題・意見 県民会議は、冒頭の「はじめに」においても述べたように、実行5か年計画に位置付けられ、水 源環境保全税を財源とする、12 の特別対策事業について、実施状況を点検・評価し、その結果を県 民に分かりやすく情報提供する役割を担っている。 しかし、水源環境保全・再生施策は、特別対策事業のみに限定されるものではなく、また、特別 対策事業のみで水源環境の諸課題が解決されるわけでもない。 そこで、特別対策事業以外の課題についても、言及し、意見を付しておく。 2 河川の保全・再生 ○ 相模川・酒匂川流域において、河川内に雑木が成長し、また、不法投棄が随所で見受けられ るなど、河川環境は決して良好とは言えない。このような中で、①中下流における河川区域内 の雑木や土砂の除去、②環境に配慮した農業用水路の整備、③環境保全型農業、農薬安全対策 の実施などを進め、良質な飲料水の確保に努める必要がある。 ○ ダムにより水量調節され、本来の川の姿や機能、生態系が維持されない大きな支流と、都市 河川として都市の課題を抱える支流とがある。前者(相模川水系)についてはこれから始まる 相模川整備計画との整合性を図る必要がある。後者については都市排水路化の河川が多く、開 発の規制や残されている自然の保全施策、きめ細かい再生、復元の必要が課題である。 3 地下水の保全・再生 ○ 地下水の保全で重要なことは都市化による地下浸透が激減していることが課題である。相続 により、田畑や林の緑地が細かく寸断され、コンクリ-トに覆われてしまい、雨水浸透がされ ないことである。都市の雨水対策の見直しが必要である。 4 水源環境への負荷軽減 ○ 相模湖・津久井湖の富栄養化防止、アオコの発生防止策について、さらに強力な新規事業の 研究に着手してもらいたい。現行のエアレーションだけでは限界があり、今後、上流域からの 生活汚濁物質等の負荷を仮に 100%除去してもストップできないと考える。 ○ 現在、エアレーションの働きに期待しているが、更に高機能な装置の研究開発を強く待ち望 んでいる。 ○ 森林の整備に止まらず、水源環境への負荷を軽減するため、ダム集水域の河川区域における 観光客が排出するゴミ等の対策(観光トイレやゴミ集積所の設置等)や、森林内への不法投棄 対策などの新たな取組が必要である。 ○ ダム湖に流入する汚濁負荷の軽減策として、①生活排水対策、②河川浄化が特別対策事業に 取り上げられているが、それ以外に「ダム湖に流入する不特定個所(Non-Point)からの汚濁(= 畑、森林、道路などからの汚濁負荷)」がある。場所が特定できないことから直接対策はでき ないので、「ダム湖の直接浄化=富栄養化防止」が必要である。 また、ダムに堆積した土砂で有効貯水量の減少が起こっており、浚渫事業も必要である。 9-11