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Topic1 海外フィールドワーク③の目的・概要 高校2年生 16 名が,修学
第 10 11 2 Topic1 海外フィールドワーク③の目的・概要 高校2年生 16 名が,修学旅行の全体日程を終えた後,ハワイのオアフ島に2日間延泊研修しました。 「持続可 能な社会の構築」をテーマに,自らの研究テーマに合った施設などを訪問し,リーダー4名(現地のコーディネ ーターや大学生)とのディスカッションやフィールドワークを行いました。今後は現地研修のまとめとして,英 語で報告書を作成し,これまでの成果とハワイでの成果を対比的に考察した研究を進め,卒業論文の執筆へとつ なげます。 Topic2 海外フィールドワーク③の日程 10/6 午前:グループ単位のフィールドワーク (木) 午後:グループ単位のフィールドワーク,振り返り・論文発展活動 10/7 午前:パールハーバー・アリゾナ記念館 (金) 午後:クアロアリージョナルパーク,振り返り活動 Topic3 海外フィールドワーク③の内容 6日(木) ●グループ単位(3グループ)のフィールドワーク グループ1:午前はワイミアバレーを訪れ,大昔のハワイ先住民の生活や動植物につい て学びました。午後はドールプランテーションを訪れ,ハワイとプランテーション農業の つながりや歴史について学ぶフィールドワークでした。 グループ2:午前はモウナファームを訪れ,人と自然・人と人のつな がりについて学びました。午後はビショップミュージアムを訪れ,ハワ イの風土や歴史に関する様々な事実を学ぶフィールドワークでした。 グループ3:午前はハワイアンプランテーションビレッジを訪れ,ハワイへの日本人移民に ついて学びました。午後は日本人文化センターを訪れ,ハワイの日本人文化について学ぶフィ ールドワークでした。 ●振り返り・論文発展活動 ホテルに戻り,グループごとに現地リーダー達と当日学んだことの振り返りをし, 発表を行いました。そして,各自の研究に関わってリーダー達から助言も受けまし た。その後,リーダーの Kevin が「Peace(平和) 」をテーマに,ハワイの文化的多 様性を例に,文化の異なる人同士がお互いを理解することの重要性についてプレゼ ンテーションをしました。 7日(金) ●パールハーバー・アリゾナ記念館 パールハーバーでは, 真珠湾攻撃の当時7歳だった Jimmy さんの体験談を聞きました。 爆撃をわずか1km離れた場所から目の当たりにした時は「ゲームのようだ」と感じた 事,その後の苦しい生活,攻撃によって親友と引き離された事 などを語ってくださいました。その後展示室に入り,アメリカ と日本の真珠湾攻撃の前・当日・後の状況について学びました。 最後に戦艦アリゾナが沈んでいる真上に建てられた記念碑を 訪れ,歴史の事実に肌で直に触れることができました。 ●クアロアリージョナルパーク 大自然がそのまま牧場になっている場所を歩いて回りました。そこでは自然が昔の姿のまま残っており,ハワ イの人々が,植物の根から葉まであらゆる部分を有効活用し,最後は土に還すという,持続可能な形で自然に関 わってきたことを,現地ガイドの説明を受けながら体験的に学びました。道中,地学の授 業で学んだ「タマネギ状風化」を見つけて興奮する姿もありました。タロの収穫体験も行 い,泥だらけになりながらもたくさん収穫しました。 ●振り返り活動 ホテルに戻り,リーダー達と振り返りをしました。前日同様,リーダー達の問いかけに 対して学んだことや自分の意見を積極的に述べる姿が見られました。その後,Kevin から2日間の取り組みに対 するコメントをもらいました。 「様々な文化的背景を持つ人々が集まっているハワイで学んだことを活かし,多 様性を認めて平和な社会に貢献してほしい」というメッセージが印象的でした。最後に,Kevin から質問を促さ れた際,予定された時間を越えてたくさんの質問をする生徒達の姿ありました。 Topic4 生徒の報告書(抜粋) 【a】大昔のハワイの先住民達は,移住してきた時に多彩な用途を持つ植物を持ち込み,食料や燃料,薬や服, 道具などに利用した。また,彼らは天然資源を取り,利用した後,再び自然に還す形で資源を戻していた。こ のことは人々と自然との間で資源が循環するリサイクルの関係が作られていたと言える。 【b】ワイミアバレーでハワイの環境問題について質問した時,プラスチックが捨てられる問題と,日焼け止め クリームでさえも水質汚染になりうるということを知った。プラスチックの容器の破片や袋を飲み込んで動物 が死んでしまう,ということは聞いたことがあったが,日焼け止めクリームに関しては全く予想もしていなか った。 「環境問題になりうる身近なもの」のようなテーマで卒業研究をすすめていくことができたら良いと思っ た。 【c】このフィールドワークを通じて,私は教育の大切さを学ぶことができた。日本人の移民は,最初にハワイ へやってきた時に,給料などで差別を受けていた。しかし,1世の人はそれに屈することなく2世(子ども) を教育することで,差別をなくしていくことに成功した。私はその話を聞いて,教育(読み・書き)は大切だ と感じた。また,戦争をなくす方法について話し合った時に,私たちのリーダーは「教育は全ての問題の解決 策になる」と言っていた。私はその通りだと思うし,だからこそ,様々な視点からの教育を行うことが重要だ と思う。 【d】今まで私が考えていた卒業論文のテーマは「絶滅危惧種になりうる哺乳類 を探す」だった。しかし,そのワンステップ上の「その動物を保護するには?」 ということには着眼していなかった。時間がないだろうし,何より「どうせ保 護・回復なんて無理だろう」と思っていたからだ。しかし,実際に保護・回復 に成功したという事例を知った。また, 「何か行動を起こさなければ何も変え られない」という言葉に心を動かされた。小さなことでもいいから,絶滅危惧 種を保護・回復させるプランを必ず提案しようと思う。