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2007年11月07日のプレスリリースをダウンロード
2007 年 11 月 2 日 本資料は、サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)が10月24日(現地時間)に発表したプレスリリースを 日本語に翻訳・編集したものです。本資料の正式言語はフランス語・英語であり、その内容および解釈については 両言語が優先します。http://www.sanofi-aventis.comをご参照ください。 局所進行頭頸部がんの患者さんの生存期間に有意な改善を示す タキソテール ®を含む導入療法の臨床試験結果2報が 「New England Journal of Medicine」1,2 に同時掲載 −主要な臨床試験(TAX 323スタディおよびTAX 324スタディ)結果を公表− サノフィ・アベンティスは、導入療法としてタキソテール ® (一般名:ドセタキセル)注をシスプラチンおよび5フルオロウラシル(5-FU)に加えた場合、局所進行頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)の患者さんの生存期間 が有意に改善されることが明らかになった2つの臨床試験結果が「New England Journal of Medicine」 (NEJM)10月25日号に掲載されたことを発表しました。 主に北米を中心に実施されたTAX 324スタディにおいて、シスプラチンと5-FUのみを受けた患者さん(PF、 n=246)の生存期間中央値は30ヵ月であったのに対し、シスプラチンおよび5-FUにタキソテール ® を加え た治療法を受けた患者さん(TPF、n=255)の生存期間中央値が71ヵ月でした(p=0.006)。これはTPF療 法を受けた患者さんでは、生存期間中央値に3年以上の改善が得られ、死亡の相対リスクが30%低下した ことを意味しています。 切除不能のSCCHNの患者さんのみを対象に実施された欧州のTAX 323(EORTC 24971)スタディでは、 TPF療法を受けた患者さん(n=177)の無増悪生存期間は11.0ヵ月であり、PF療法を受けた患者さん(n= 181)の8.2ヵ月に比べて大幅に延長していることがわかりました。中央値51.1ヵ月の追跡期間において、タ キソテール ® を含むレジメンを受けた患者さんの生存期間中央値は、標準化学療法(タキソテールを含まな い療法)を受けた患者さんに比べて4.3ヵ月延長していました(TPF vs. PF=18.8ヵ月 vs.14.5ヵ月)(ハザー ド比:0.73;p=0.02)。このTAX 323スタディにおいて、TPF療法により死亡の相対リスクが27%低下しまし た。 「TAX 324スタディの結果は、タキソテール ® を含む化学療法から始まる一連の治療により、この致死的なが んに苦しんでいる患者さんの生存期間が大幅に延長することを示しています」と、TAX324スタディの治験 責任医師を務めた、Dana-Farber Cancer Institute(米マサチューセッツ州ボストン市)頭頸部オンコロ 〒163-1488 東京都新宿区西新宿 3-20-2 東京オペラシティタワー www.sanofi-aventis.co.jp ジープログラムのメディカル・ディレクター、マーシャル・ポズナー(Marshall Posner)医学博士は述べてい ます。 「これまで、切除不能の局所進行扁平上皮がん(SCCHN)の患者さんの生存率は低いままでした。これらの データはこのような患者さんに希望を与える新たな根拠になります」と、EORTC 24971/TAX 323スタディ の治験責任医師を務めた、アントワープ大学病院(ベルギー)のオンコロジー部長、およびEORTC頭頸部 がんセクション長のヤン・B・フェルモルケン(Jan B. Vermorken)医学博士は述べています。 TAX 323スタディおよびTAX 324スタディの結果に基づき、SCCHNの患者さんに対するタキソテールとシ スプラチンおよび5-FUとの併用による導入療法は、米食品医薬品局(FDA)により承認され、欧州医薬品審 査庁(EMEA)の医薬品委員会(CHMP)も肯定的見解を示しています(パリ、2007年10月24日)。 TAX 323および TAX 324スタディについて これら2つの臨床試験は、III期または遠隔転移のないIV期のSCCHNの患者さんを対象とした無作為化 非盲検第III相試験です。 TAX 323(EORTC 24971)スタディ 1 では、欧州において切除不能な腫瘍を有する患者さん358人が登録 されました。患者さんは、タキソテール ® 75 mg/m 2 とシスプラチン 75 mg/m 2 を1日目に静脈内投与後 5-FU 750 mg/m 2 /日を5日間継続投与の療法(TPF)か、シスプラチン100 mg/m 2 を1日目に静脈内投与 後5-FU 1,000 mg/m 2 /日の5日間継続投与の療法(PF)に無作為に割り付けられました。両群において、 毎3週間計4サイクルの投与が行われました。両群の患者さんに対し、化学療法の最終サイクルの開始時点 から4~7週間以内に放射線療法が開始され、7週間続けられました。 タキソテール ® を含む療法は、無増悪生存期間(試験の主要評価項目)を有意に改善させることが明らかに なりました。2005年に新たに実施された中央値51.1ヵ月の追跡期間における生存期間の分析により、タキ ソテール ® を含む治療を受けた患者さんの生存期間中央値は標準化学療法(タキソテールを含まない)に 比べて4.3ヵ月延長していることが示され(18.8ヵ月vs.14.5ヵ月)、タキソテール ® を含むレジメンの生存期間 に対するベネフィットが確認されました(ハザード比0.73;p=0.02)。TPF療法により死亡のリスクが27%低 下しました。さらに、化学療法に対する最良総合効果(best overall response)は、タキソテール ® を含む療 法群で68%(n=120)であり、標準療法群の54%(n=98)に比べて有意に高いことが認められました (p =0.006)。 タキソテール ® を含む療法(TPF群)の患者さんでは、シスプラチンと5-FUの療法(PF群)に比べて、グレード 3または4の好中球減少症(76.9% vs. 52.5%)、脱毛症(11.6% vs. 0%)、貧血(9.2% vs. 12.8%)およ び感染症(6.9% vs. 6.1%)が多く認められました。一方PF群の患者さんには、グレード3または4の悪心 (6.7% vs. 0.6%)、嘔吐(4.5% vs. 0.6%)および口内炎(11.2% vs. 4.6%)が多く認められました。タキ ソテール ® を含むレジメンに一般的にみられた有害事象は、発熱性好中球減少症(5.2%)および好中球減 少性感染(13.9%)でした。 TAX 324スタディ 2 には、切除不能な腫瘍の患者さんだけでなく、切除可能であるが治癒率が低い腫瘍、ま たは臓器の機能を温存するために切除できない腫瘍を有する患者さんも含まれています。患者さんは、タ キソ テール ® 75 mg/m 2 とシスプラチン100 mg/m 2 を静脈内投与し、5-FU 1,000 mg/m 2 /日を1~4日間 投与するレジメンか、シスプラチン100 mg/m 2 の投与に続いて5-FUを1,000 mg/m 2 /日で5日間投与する 標準レジメンの、いずれかのレジメン(3週間ごとに計3サイクル)に無作為に割り付けられました。これらの 導入療法後、両群の患者さんに、1週間ごとの化学療法を併用した放射線療法を7週間実施しました。手術 施行の対象とされた患者さんには、上記の一連の治療終了後に手術を施行しました。 2/4 タキソテール ® を含む治療を受けた患者さんの生存期間(試験の主要評価項目)は、標準療法を受けた患 者さんと比較して有意に改善し(71ヵ月 vs. 30ヵ月)、死亡の相対リスクが30%低下しました(ハザード比 0.70; p=0.006)。これは生存期間の中央値に3年以上の明らかな改善が得られたことを表しています。3 年生存率はタキソテール ® 群では62%、標準療法群では48%でした(p=0.0058)。 全体として、グレード3または4の薬剤起因性の有害事象の発現率はタキソテール ® 群(TPF群)で65%で あったのに対し、シスプラチンと5-FUの投与を受けた群(PF群)では62%でした。TPF群では、PF群と比べ て、発熱性好中球減少(12% vs. 7%)、感染を伴う好中球減少(12% vs. 8%)、グレード3または4の好中 球減少症(83% vs. 56%)、めまい(4% vs. 2%)、脱毛(4% vs. 1%)、下痢(7% vs. 3%)が多く認めら れ ま し た が 、 一 方 、 PF 群 で は 、 グ レ ー ド 3 ま た は 4 の 血 小 板 減 少 症 ( 11% vs. 4% ) 、 口 内 炎 ( 27% vs. 21%)、嗜眠(10% vs. 5%)、嘔吐(10% vs. 8%)が、TPF群と比べて多く認められました。その他のグレ ード3または4の事象の発現率は両群間でほぼ同等であり、悪心、食欲不振、便秘が認められました。 致死の病、頭頸部がん 毎年世界中で64万人以上が頭頸部がんと診断され、年間35万人以上がこの疾病で亡くなっています。頭頸 部がんとは、多数の関連疾患の総称であり、その多くが、口、鼻や喉など、頭頸部の粘膜表面を覆う細胞から 発症します。頭頸部がんには、口腔、唾液腺、副鼻腔および鼻腔、咽頭、喉頭、上頸部のリンパ節に生じるが んが含まれます。 参考文献 1 Posner MR, et al.: Cisplatn and Fluorouracil Alone or with docetaxel in Head and Neck. N ENGL J MED 357;17 October 25,2007. 2 Vermorken JB, et al.: Cisplatin,Fluorouracil,and Docetaxel in Unresectable Head and Neck cancer N ENGL J MED 357;17 October 25,2007. タキソテール ® について タキソテール ® は現在、欧米では下記の5つのがんにおいて承認されています。日本では、乳がん、非小細胞 肺がん、胃がん、頭頸部がん、卵巣がん、食道がん、子宮体がんの7つのがんにおいて承認されており、現在 前立腺がんにおける追加適応を申請中です。 乳がん タキソテール ® は、前治療の化学療法が奏効しなかった局所進行または転移性乳がんの治療薬として、欧米 で承認されています。また、前治療を受けた患者におけるドキソルビシンとの併用、およびアントラサイクリン 系薬剤を含む化学療法が奏効しなかった場合のカペシタビンとの併用療法として、ヨーロッパで承認されて います。欧米では、手術可能なリンパ節転移陽性乳がんの術後補助療法として、ドキソルビシンおよびシクロ ホスファミドとの併用(TACレジメン)が承認されています。また、ヨーロッパでは、HER2陽性転移性乳がんの 治療として、トラスツズマブとの併用が承認されています。 肺がん 欧米では、タキソテール ® は、シスプラチンとの併用療法で前治療の化学療法を受けていない切除不能な局 所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬として承認されています。また、白金製剤を使用し た化学療法が奏効しなかった切除不能な局所進行または転移性NSCLCに対しても、単剤療法として認めら れています。 前立腺がん タキソテール ® は、アンドロゲン非依存性(ホルモン不応性)転移性前立腺がんの治療において、プレドニゾン との併用療法が、欧米で承認されています。日本では申請中です。 3/4 胃がん FDA、およびEMEAのCHMPは、2006年3月、食道胃(GE)接合部がんも含め、進行がんのための前治療の 化学療法を受けていない進行胃がんの治療に、タキソテール ® のシスプラチンおよび5-FUとの併用療法を承 認しました。 頭頸部がん 2006年10月、EMEAおよびFDAは切除不能局所進行頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)の治療においてタキ ソテール ® とシスプラチンおよび5-FUとの併用療法を承認しました。2007年9月、FDAは化学放射線療法お よび手術施行前の局所進行頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)の治療において、タキソテール ® とシスプラチン および5-FUとの併用療法を承認しました。2007年10月には、EMEAのCHMPは局所進行頭頸部扁平上皮 がん(SCCHN)に対する導入療法としてタキソテール ® 療法に関し、承認推奨の肯定的見解を示しました。 サノフィ・アベンティスについて 世界をリードする製薬企業の一社であるサノフィ・アベンティスは、医薬品の創薬発見・開発・販売を通じて、 人々の生活の質の向上に取り組んでいます。 サノフィ・アベンティスは、パリ(Euronext: SAN)およびニューヨーク(NYSE:SNY)に上場しています。 今後の見通しに関する記述 このプレスリリースには、1995年民間有価証券訴訟改正法(修正を含む)でいう「今後の見通しに関する記述」が 含まれています。今後の見通しに関する記述とは、歴史的事実を述べるものではない記述です。これらの記述に は、財務計画と予測ならびにそれらの根拠となる前提、将来の事象、事業、製品およびサービスに関する計画、目 標、意向および期待に関する記述、ならびに、将来の実績に関する記述が含まれます。一般的に、今後の見通し に関する記述は、「予想」、「期待」、「見込み」、「予定」、「予測」、「計画」などの表現によって識別されます。サノ フィ・アベンティスの経営陣はそのような今後の見通しに関する記述に反映された予想を妥当と考えますが、投資 家は今後の見通しに関する情報と記述がさまざまなリスクと不確実性の影響を受けやすく、それらの多くが予測困 難であり、通常サノフィ・アベンティスが制御できず、そのために実際の結果と進展が、今後の見通しに関する情報 と記述の中で表現された、暗示された、または予測されたものとは大幅に異なる可能性があることに注意して下さ い。これらのリスクおよび不確実性には、サノフィ・アベンティスの2006年12月31日終了事業年度フォーム20-F年 次報告書の「リスク要因」および「今後の見通しに関する記述」項目を含む、サノフィ・アベンティスが作成したSEC およびAMFに対する公の届け出の中で議論されているかまたは特定されているものに付随する不確実性とその他 の事項が含まれます。サノフィ・アベンティスは、適用法によって義務付けられている場合を除き、今後の見通しに 関する情報または記述の更新または見直しを行う義務を負うものではありません。 4/4