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(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 CTL誘発性ペプチドであって、下記の

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(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 CTL誘発性ペプチドであって、下記の
JP 3738395 B2 2006.1.25
(57)【 特 許 請 求 の 範 囲 】
【請求項1】
CTL誘 発 性 ペ プ チ ド で あ っ て 、 下 記 の 配 列 :
Ala Ser Ala Arg Phe Ser Trp Leu Ser Leu Leu Val Pro Phe Val Gln Trp Phe Val Gly(
SEQ ID No.7)内 で 、 少 な く と も 、 ア ミ ノ 酸 配 列 : Trp Leu Ser Leu Leu Val Pro Phe Val(
SEQ ID No.8)又 は ア ミ ノ 酸 配 列 : Phe Ser Trp Leu Ser Leu Leu Val Proを 含 ん で 成 る ペ
プチド。
【請求項2】
アミノ酸配列:
Trp Leu Ser Leu Leu Val Pro Phe Val(SEQ ID No.8)
10
か ら 成 る 、 請 求 項 1 記 載 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 。
【請求項3】
アミノ酸配列:
Arg Phe Ser Trp Leu Ser Leu Leu Val Pro(SEQ ID No.33)
か ら 成 る 、 請 求 項 1 記 載 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 。
【請求項4】
アミノ酸配列:
Ala Ser Ala Arg Phe Ser Trp Leu Ser Leu Leu Val Pro Phe Val Gln Trp Phe Val Gly(
SEQ ID No.7)
か ら 成 る 、 請 求 項 1 記 載 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 。
20
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【請求項5】
前記ペプチドが他のペプチドに連結されたペプチドコンジュゲートである、請求項1記載
の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 。
【請求項6】
前 記 他 の ペ プ チ ド が ヘ ル パ ー T リ ン パ 球 ( HTL) 誘 発 性 ペ プ チ ド で あ る 、 請 求 項 5 記 載 の C
TL誘 発 性 ペ プ チ ド 。
【請求項7】
前 記 HTL誘 発 性 ペ プ チ ド が ア ミ ノ 酸 配 列 :
Pro His His Tyr Ala Leu Arg Gln Ala Ile Leu Cys Trp Gly Glu Leu Met Tyr Leu Ala(
SEQ ID No.11)
10
か ら 成 る 、 請 求 項 6 記 載 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 。
【請求項8】
前 記 HTL誘 発 性 ペ プ チ ド が ア ミ ノ 酸 配 列 :
Val Ser Phe Gly Val Trp Ile Arg Thr Pro Pro Ala Tyr Arg Pro Pro Asn Ala Pro Ile
(SEQ ID No.14)
か ら 成 る 、 請 求 項 6 記 載 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 。
【請求項9】
前 記 ペ プ チ ド が 他 の 分 子 に 連 結 さ れ た ペ プ チ ド コ ン ジ ュ ゲ ー ト で あ る 、 請 求 項 1 記 載 の CT
L誘 発 性 ペ プ チ ド 。
【請求項10】
20
前 記 他 の 分 子 が 脂 肪 酸 又 は 脂 質 で あ る 、 請 求 項 9 記 載 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 。
【請求項11】
前記ペプチドの発現のために各々作用可能式に連結された転写プロモーター、前記ペプチ
ド を コ ー ド す る DNA配 列 及 び 転 写 タ ー ミ ネ ー タ ー を 含 ん で 成 る DNA構 築 体 に よ り 発 現 さ れ た
請 求 項 1 ∼ 4 の い ず れ か 1項 記 載 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 。
【請求項12】
前記ペプチドコンジュゲートの発現のために各々作用可能式に連結された転写プロモータ
ー 、 前 記 ペ プ チ ド コ ン ジ ュ ゲ ー ト を コ ー ド す る DNA配 列 及 び 転 写 タ ー ミ ネ ー タ ー を 含 ん で
成 る DNA構 築 体 に よ り 発 現 さ れ た 請 求 項 5 ∼ 8 の い ず れ か 1項 記 載 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 。
【請求項13】
30
対 象 者 の HBV感 染 症 を 処 置 す る た め の 医 薬 品 の 製 造 た め 、 請 求 項 1 ∼ 4 の い ず れ か 1項 記 載
の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド を 利 用 す る 方 法 。
【請求項14】
慢 性 HBV感 染 症 を 発 症 し 易 い 個 体 を 同 定 す る た め の 検 査 薬 の 調 製 の た め 、 請 求 項 1 ∼ 4 の
い ず れ か 1項 記 載 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド を 利 用 す る 方 法 で あ っ て 、 そ の 同 定 は
当 該 個 体 に 由 来 す る リ ン パ 系 単 核 細 胞 を 当 該 診 断 薬 と イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン し て HBVに 対 す
る HLAク ラ ス I − 制 限 型 CTL応 答 を 誘 発 さ せ 、
当 該 個 体 の 、 当 該 抗 原 に 対 す る CTL応 答 の 備 わ る 能 力 、 そ れ 故 慢 性 HBV症 の 発 症 の し 易 さ を
それより決定することを、
含んで成る、方法。
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【請求項15】
前 記 リ ン パ 系 単 核 細 胞 が 末 消 血 液 か ら 獲 得 さ れ る 、 請 求 項 14 記 載 の 方 法 。
【発明の詳細な説明】
関連出願
本 発 明 は 、 1991年 8 月 26日 提 出 の USSN 07/749,568号 の 一 部 係 属 出 願 で あ る 、 1992年 1 月
29日 提 出 の 米 国 第 07/827,682号 の 一 部 係 属 出 願 で あ る 、 1992年 4 月 27日 提 出 の 米 国 第 07/8
74,491号 の 一 部 係 属 出 願 で あ り 、 そ れ ぞ れ は 引 用 す る こ と で 本 明 細 書 に 組 入 れ て い る 。
発明の背景
B 型 肝 炎 ウ ィ ル ス ( HBV) は 肝 細 胞 に 感 染 す る そ の 性 質 に も か か わ ら ず 、 肝 細 胞 へ の 損 傷
の直接的な原因ではないと信じられている。むしろ、非ウィルス宿主因子が肝炎の病原に
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包 括 さ れ る 。 HBV感 染 に 対 す る 免 疫 応 答 に お け る 変 化 が HBV感 染 に か か わ る 広 範 囲 に わ た る
様々な症状の原因でありうると予測される。
急 性 HBV感 染 の 後 、 冒 さ れ た 成 人 の 約 90% が 後 遺 症 で 伴 う こ と な く 回 復 し 、 そ し て ウ ィ ル
スに対する免疫を発現せしめるか、しかし急性段階中の感染症の臨床経過自体はかなり様
々 で あ り う る 。 感 染 成 人 の 5 ∼ 10% に お い て 、 慢 性 HBV感 染 症 が 樹 立 さ れ て し ま う 。 慢 性 H
BV感 染 症 は 無 候 症 の キ ャ リ ヤ ー 状 態 か ら 連 鎖 的 な 肝 細 胞 懐 死 及 び 炎 症 に 範 囲 す る こ と が で
き 、 そ し て あ る 状 況 に お い て は 肝 細 胞 癌 に 到 る こ と が あ る 。 HBV感 染 に 暴 露 さ れ た 子 供 、
特に1歳以下の者は通常慢性感染症を発症し、そして慢性感染症の主要原因を占める。世
界 中 で 約 2 億 人 が HBVで 慢 性 的 に 感 染 さ れ て い る 。 そ し て 最 後 に 、 わ ず か な パ ー セ ン テ ー
ジ ( 0.1∼ 0.5% ) の HBV感 染 症 に お い て 、 急 性 肝 炎 は 、 こ れ ら の 患 者 の 1 / 5 ∼ 1 / 3 ぐ
10
らいしか生存できなくなるような肝臓における極度の細胞死をもたらしてしまう。
B型肝炎ウィルスに対する免疫応答は疾患と同じように複雑である。様々な体液性及び細
胞 性 応 答 が HBVの ヌ ク レ オ カ ス ピ ド コ ア が 表 層 抗 原 の 様 々 な 領 域 に 対 し て 同 定 さ れ て い る
。 T 細 胞 媒 介 免 疫 性 、 特 に ク ラ ス I 主 要 組 織 適 合 性 複 合 体 ( MHC) − 制 限 型 細 胞 障 害 性 T
リ ン パ 球 ( CTL) に か か わ る そ れ は 、 肝 炎 及 び い く つ か の そ の 他 の ウ ィ ル ス 感 染 症 に 対 す
る 耐 性 に 重 要 な 役 割 を 果 た す と 信 じ ら れ て い る 。 CTLは ク ラ ス I 組 織 適 合 性 分 子 と 一 体 化
し た 小 さ な ペ プ チ ド の 形 状 に あ る 。 こ の 抗 原 − 特 異 性 CTLは 、 刺 激 さ れ た と き 、 ウ ィ ル ス
複製を阻害し、且つ感染細胞を排除する媒介体を分泌し、それ故個体の感染症からの回復
に貢献する。クラスI−制限型応答のT細胞レパートリーはウィルスタンパク質の一定の
個 々 の イ ム ノ ド ミ ナ ン ト エ ピ ト ー プ を 焦 点 と す る こ と を 研 究 が 示 唆 し て い る が (Braciale
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ら 、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:277-281(1989))、 肝 炎 ウ ィ ル ス 、 そ し て 特 に HBVを 含
む 数 多 く の ウ ィ ル ス に 関 し て 、 わ ず か な エ ピ ト ー プ し か 同 定 さ れ て い な い 。 ま た 、 Barnab
aら 、 Nature 345:258(1990)は A11制 限 型 エ ピ ト ー プ を 同 定 し 、 一 方 Jinら J. Exp. Med. 168:
293(1988)は A3制 限 型 エ ピ ト ー プ を 同 定 し て い る 。 Aicheleは J. Exp. Med. 171: 1815-1820
(1990)は リ ン パ 球 の 脈 絡 髄 膜 炎 の 核 タ ン パ ク 質 に 由 来 す る ペ プ チ ド に よ る 、 MHCク ラ ス I
依 存 型 状 態 に お け る 抗 ウ ィ ル ス CTL応 答 の イ ン ビ ボ 誘 発 を 示 て い る 。 最 近 に な っ て 、 Kast
ら 、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:2283-2287(1991)は 、 核 タ ン パ ク 質 由 来 の 遊 離 合 成 ペ
プ チ ド を 利 用 す る イ ン ビ ボ で の セ ン ダ イ ウ ィ ル ス 特 異 的 CTLを 刺 激 し て 、 そ の 後 の ウ ィ ル
ス攻撃に対する保護を授けることを述べている。
HBV感 染 の 際 の 肝 細 胞 障 害 は HBV抗 原 に 対 す る HLAク ラ ス I − 制 限 型 CTL応 答 に よ り 媒 介 さ れ
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う る こ と が 示 唆 さ れ て い る 。 HBVに 対 す る CTL応 答 を 明 ら か に す る 試 み に お い て 、 急 性 及 び
慢 性 HBVを 有 す る 患 者 由 来 の 末 消 血 液 リ ン パ 球 が イ ン ビ ト ロ で 自 己 の 肝 細 胞 を 殺 傷 で き う
る こ と が 示 さ れ て い る が 、 し か し そ の 細 胞 溶 解 活 性 の 特 異 性 、 そ の HLA制 限 要 素 、 及 び 細
胞表現型は樹立されていない。
Mondelliら 、 J. Immunol .129:2773(1982)及 び Mondelliら 、 Clin. Exp. Immunol . 6:311(1
987)を 参 照 の こ と 。 よ り 近 年 に な っ て 、 Moriyamaら 、 Science 248: 361-364(1990)は 、 HBV
+
主 要 エ ン ベ ロ ー プ 抗 原 が 、 MHCク ラ ス I − 制 限 型 の CD8 細 胞 障 害 性 T リ ン パ 球 に よ り 、 及
びエンベロープ特異性抗体により認識されることのできる形態において肝細胞表層にて発
現 さ れ る こ と を 報 告 し て い る 。 し か し な が ら 、 HBV特 異 性 CTL活 性 の 原 因 で あ る HBVエ ピ ト
ープ領域は同定されていない。
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CD8+ CTLの 発 生 に お け る リ ン ホ カ イ ン 、 例 え ば IL− 2 に 関 す る 必 要 性 は よ く 樹 立 さ れ て い
る が 、 し か し こ れ ら の リ ン ホ カ イ ン を 供 す る た め の CD4+ T ヘ ル パ ー 細 胞 の 活 性 化 に つ い
ての必要性は幾分議論の余地がある。抗体生産のための結合化Tヘルパー−B細胞認識の
概 念 は か な り 明 確 に さ れ て い る が 、 CD8+ CTLの イ ン ビ ボ 誘 発 に と っ て の 結 合 化 T ヘ ル パ ー
CTL認 識 に つ い て の 余 儀 の な い 証 拠 は な い 。 例 え ば 、 Bullerら 、 Nature 328:77-79(1987);S
arobeら 、 Eur. J. Immunol. 21:1555-1558(1991);及 び Cassellと Forman, Annals N. Y. Aca
d. Sci . :51-60(1991)を 参 照 の こ と 。
HBVで 慢 性 的 に 感 染 さ れ た 個 体 は 肝 硬 変 及 び / 又 は 肝 細 胞 癌 を 発 症 す る 危 険 に あ り 、 そ し
て疾患の伝染にとって非常に大きなレザーバーを成してしまう。慢性的に感染した者の免
疫 系 を 刺 激 し て 適 宜 の HBV抗 体 に 応 答 さ せ る 及 び そ の 感 染 症 を 排 除 す る 、 又 は 急 性 HBV感 染
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症から慢性段階への進行を防ぐことができることが望ましいであろう。更に、現存の承認
さ れ て い る HBVワ ク チ ン は 免 疫 さ れ た 者 の 約 90% し か 予 防 し な い た め 、 よ り 効 率 的 な 免 疫
性を誘引せしめるようにワクチンの免疫原性を強める又は多様化させることによって現存
の ワ ク チ ン を 改 良 す る こ と が 所 望 さ れ る 。 急 性 HBV感 染 を 有 す る ど の 患 者 が 慢 性 HBV感 染 症
へと進行しがちであるかを予測し、これによって適切な処置及び注意を早期に準備せしめ
る手段も必要とされる。比較的驚くべきことに、本発明はこれら及びその他の関連の要望
を満足せしめる。
発明の概要
本 発 明 は HBV抗 原 に 対 す る MHCク ラ ス I − 制 限 型 CTL応 答 を 誘 発 す る ペ プ チ ド を 提 供 す る 。
課 題 の ペ プ チ ド は HBV表 層 抗 原 又 は ヌ ク レ オ カ プ シ ド タ ン パ ク 質 の 配 列 に 由 来 す る 。 一 定
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の 態 様 に お い て 、 該 ペ プ チ ド は 6 ∼ 約 30個 の ア ミ ノ 酸 を 含 み 、 そ し て HBVに 対 す る MHCク ラ
ス I − 制 限 型 細 胞 障 害 性 CTL応 答 を 誘 発 す る こ と の で き る 少 な く と も 1 つ の エ ピ ト ー プ を
含 ん で お り 、 こ こ で こ の エ ピ ト ー プ は 799.10(HBenv 3 4 9 - 3 6 8 )〔 Seq. ID No. 2〕 Leu-Ser-P
ro-Thr-Val-Trp-Leu-Ser-Val-Ile-Trp-Met-Met-Trp-Tyr-Trp-Gly-Pro-Ser-Leu又 は 799.09
(HBenv 3 2 9 - 3 4 8 )〔 Seq. ID No. 7〕 Ala-Ser-Ala Arg-Phe-Ser-Trp-Leu-Ser-Leu-Leu-Val-P
ro-Phe-Val-Gln-Trp-Phe-Val-Glyと 称 さ れ る ( サ ブ タ イ プ ayw及 び adwに 関 す る ) HBVエ ン
ベ ロ ー プ 抗 原 に 属 す る 。 そ の 他 の ペ プ チ ド 態 様 は 6 ∼ 30個 の ア ミ ノ 酸 を 含 ん で 成 り 、 そ し
て HBenv配 列 799.08(HBenv 3 0 9 - 3 2 8 )〔 Seq. ID No. 1〕 Asn-Cys-Thr-Cys-Ile-Pro-Ile-ProSer-Ser-Trp-Ala-Phe-Gly-Lys-Phe-Leu-Trp-Glu-Trp(サ ブ タ イ プ aywに 関 す る )由 来 の 少 な
く と も 7 個 の ア ミ ノ 酸 を 有 し て い る 。 更 な る 別 の 態 様 に お い て は 、 ペ プ チ ド は 配 列 Thr-As
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n-Met-Gly-Leu-Lys-Phe-Arg-Gln-Leu-Leu-Trp-Phe-His-Ile-Ser-Cys-Leu-Thr-Phe(サ ブ タ
イ プ aywに 関 す る )を 有 す る 802.03(HBc 9 1 - 1 1 0 )〔 Seq. ID No. 4〕 と 称 す る HBVコ ア 抗 原 配
列 領 域 に 由 来 す る 。 本 発 明 の ペ プ チ ド は 、 HBV CTL活 性 を 刺 激 す る 又 は 類 似 拮 抗 体 と し て
作用するペプチドの能力が実質的に損なわれない限り、N及びC未満の一方又は両方にお
いて任意的にフランクされている及び/又は改質されているか、このペプチドに置換、欠
失及び付加がなされていてよい。
様々なペプチドの態様において、該ペプチドは大きめのホモポリマーを形成するようにそ
れ自体に対して、又はヘテロポリマーを形成するように別のペプチドに対して、それぞれ
例えば重合又は共役を介して共有結合していることができる。ある状況において、ペプチ
ド は 混 合 物 と し て 組 成 物 の 中 に 組 合 わ さ れ 、 従 っ て 結 合 し て い な い こ と が あ る 。 CTL誘 発
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性ペプチドは例えばTリンパ球応答を高めることのできる脂質含有分子に連結しているか
、又はTヘルパー細胞応答を誘発するTヘルパーペプチドに連結しているか、又は脂質含
有分子及びTヘルパーペプチドの両者に連結していてよい。脂質又はTヘルパーペプチド
に対する連結はアミノ又はカルボキシ末端のいづれにおいてでよい。
本発明のペプチドを追加のペプチド、リポソーム、アジュバント及び/又は薬理学的に許
容されている担体と一緒に配合されて含んで成る組成物を提供する。従って、薬理組成物
を 急 性 HBV感 染 症 の 処 置 方 法 に お い て 、 特 に こ の 感 染 症 が 慢 性 又 は キ ャ リ ヤ ー 状 態 へ と 進
行 す る こ と を 予 防 す る 試 み に お い て 利 用 で き る 。 慢 性 HBV感 染 症 及 び HBVキ ャ リ ヤ ー 状 態 を
処 置 す る た め の 方 法 も 提 供 し 、 こ こ で 該 薬 理 組 成 物 を 感 染 個 体 に 、 HBs及 び HBcエ ピ ト ー プ
に 対 す る 免 疫 学 的 に 有 功 な CTL応 答 を 刺 激 す る の に 十 分 な 量 で 投 与 す る 。 こ れ ら の 感 染 症
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を 処 置 す る に は 、 HBV抗 原 に 対 す る MHCク ラ ス I 制 限 型 CTL応 答 を 誘 発 す る ペ プ チ ド を 、 そ
の 他 の HBV抗 原 に 対 す る 免 疫 応 答 を 誘 発 す る そ の 他 の ペ プ チ ド 又 は タ ン パ ク 質 と 組 合 せ る
ことが特に所望されうる。慢性又はキャリヤー状態の感染症を有する個体を処置するには
、該組成物を初期用量で投与し、続いて一定期間にわたってそのブースティング用量を、
感染症を治す又は実質的に緩和するのに必要なだけ投与してよい。
急 性 感 染 症 か ら の 慢 性 HBV感 染 症 に 到 る 進 行 を 防 ぐ こ と を 含 む HBV感 染 症 の 予 防 の た め の ワ
ク チ ン 組 成 物 も 提 供 す る 。 こ の ワ ク チ ン 組 成 物 は MHCク ラ ス I 制 限 型 CTL応 答 を 誘 発 す る 免
疫 学 的 に 有 効 な 量 の HBVペ プ チ ド を 含 ん で 成 る 。 HLA-A2ハ プ ロ タ イ プ 個 体 の 場 合 、 こ の プ
ペ プ チ ド は ペ プ チ ド 799.08(HBenv 3 0 9 - 3 2 8 )〔 Seq. ID No. 1〕 、 799.09(HBenv 3 2 9 - 3 4 8 )〔 S
eq. ID No. 7〕 、 799.10(HBenv 3 4 9 - 3 6 8 )〔 Seq. ID No. 2〕 及 び / 又 は 802.03(HBc 9 1 - 1 1 0 )
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〔 Seq. ID No. 4〕 の い づ れ か に 由 来 し て よ く 、 そ し て 典 型 的 に は 更 に ア ジ ュ バ ン ト 、 例
え ば フ ロ イ ン ド ア ジ ュ バ ン ト 、 水 酸 化 ア ル ミ ニ ウ ム 等 を 含 ん で 成 る で あ ろ う 。 HBVに 対 す
る 強 め ら れ た 予 防 を 得 る た め 、 こ の ワ ク チ ン は HBV抗 原 に 対 す る 防 御 性 の 細 胞 及 び / 又 は
抗 体 の 応 答 を 誘 発 せ し め る 追 加 の 成 分 を 含 ん で 成 っ て よ い 。 好 ま し い 態 様 に お い て は 、 CT
L誘 発 性 ペ プ チ ド を 、 T ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ を 含 む 1 又 は 複 数 の T ヘ ル パ ー ペ プ チ ド と 一
緒に投与する。Tヘルパーペプチドの選択は、Tヘルパーペプチドを含むワクチン組成物
を予防的に、又は治療的に投与するかどうかに依存する。予防的投与の場合、Tヘルパー
ペ プ チ ド は HBVエ ン ベ ロ ー プ も し く は コ ア に 由 来 す る 1 も し く は 複 数 の HBVペ プ チ ド で あ る
か、又はその他の生物に由来するタンパク質、例えば破傷風トキソイド、インフレンザ、
パラインフレンザ、マラリヤ、エプステインバーウィルス、単純ヘルペス及び当業者に公
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知 の そ の 他 の も の で あ ろ う 。 治 療 的 投 与 の 場 合 、 T ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ は 好 ま し く は HBV
以外の感染因子に由来するタンパク質か選ばれたペプチドであろう。Tヘルパーペプチド
の い く つ か の 例 は HBc 128-140, HBc 1-20, HBc 50-69及 び HBc 111-125破 傷 風 ト キ ソ イ ド 8
30-843、 並 び に イ ン フ レ ン ザ 307-319で あ る 。 こ の T ヘ ル パ ー ペ プ チ ド は CTL誘 発 性 ペ プ チ
ド と 一 緒 に 、 又 は 別 々 に 投 与 し て よ い が 、 し か し CTL及 び T ヘ ル パ ー ペ プ チ ド が 連 結 し て
いることが好ましい。ペプチドの連結はスペーサー分子、例えばアミノ酸残基、例えばア
ラニン、又はその他の比較的中性な残基で構成されうる。
更なる別の態様において、本発明は診断のための方法に関連し、この場合、本発明のペプ
チ ド は 、 個 体 に お け る HBV表 層 又 は ヌ ク レ オ カ プ シ ド 抗 原 に 対 し て 細 胞 障 害 性 T 細 胞 応 答
が可能なリンパ球の存在を決定するために利用される。かかる細胞がないことは、対象の
20
個 体 が 慢 性 HBV感 染 の 発 症 に 感 受 性 で あ る か ど う か を 決 定 せ し め る 。 典 型 的 に は 、 リ ン パ
球 は 末 消 血 液 リ ン パ 球 と し 、 そ し て 対 象 の 個 体 は 急 性 HBV感 染 症 に 苦 し む 者 で あ る 。
【図面の簡単な説明】
b
図 1 は 、 A2.1/K 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス に 、 HBVの 「 負 荷 さ れ た 」 同 系 脾 臓 細 胞 を 感 作 せ し め る
こ と に よ る 、 HBVペ プ チ ド − 特 異 的 A2.1− 制 限 型 CTLの 誘 発 の 結 果 を 示 し て い る 。 パ ネ ル AD:HBV-感 作 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス 由 来 の 脾 細 胞 を イ ン ビ ト ロ で 、 13種 の ペ プ チ ド の う ち の 1 つ
で そ れ ぞ れ コ ー ト さ れ た 同 系 LPS芽 細 胞 の 4 通 り の 混 合 物 で 再 刺 激 せ し め て い る 。 9 日 後
、エフェクター細胞を、誘発のために用いた4通りの異なるペプチド混合物の存在下又は
非存在下で、
51
b
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ ッ ト (Jurkat)A2.1/K 標 的 細 胞 に 対 す る 溶 解 活 性 に つ
い て ア ッ セ イ し た 。 パ ネ ル E-M: 4 通 り の 異 な る ペ プ チ ド 混 合 物 に 対 し て 発 生 せ し め た エ
30
フェクター細胞を同じペプチド混合物に対してインビトロで再刺激し、そして個々のペプ
チドの存在下又は非存在下で、
51
b
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ ッ ト A2.1/K 標 的 細 胞 に 対 す る 溶 解
活性をアッセイした。
図 2 は A2.1遺 伝 子 導 入 CTLの HBVペ プ チ ド 特 異 性 を 示 し て い る 。 HBV感 作 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス
より高揚させ、そして4通りの異なるペプチド混合物のうちのどれかで2回インビトロで
再 刺 激 せ し め た 遺 伝 子 導 入 CTLを 個 々 の HBVペ プ チ ド で 再 刺 激 し 、 そ し て 再 刺 激 の た め に 用
い た HBVペ プ チ ド の 存 在 下 又 は 非 存 在 下 で
51
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ ッ ト 標 的 細 胞 に 対 す る 溶
解活性についてアッセイした。
b
図 3 は IFA中 の HBVで A2.1/K 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス を 感 作 せ し め る こ と に よ る HBVペ プ チ ド 特 異
的 A2.1− 制 限 型 CTLの 誘 発 の 結 果 を 示 す 。 A. HBV感 作 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス 由 来 の 脾 細 胞 を イ
40
ン ビ ト ロ で 、 HBVペ プ チ ド で コ ー ト さ れ た 同 系 LPS芽 細 胞 に よ っ て 再 刺 激 せ し め た 。 6 日 後
、 エ フ ェ ク タ ー 細 胞 を 適 当 な HBVペ プ チ ド の 存 在 下 又 は 非 存 在 下 で
51
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ
b
ッ ト A2.1/K 標 的 細 胞 に 対 す る 溶 解 活 性 に つ い て ア ッ セ イ し た 。 各 パ ネ ル は 表 示 の 標 的 ペ
プ チ ド に よ っ て 誘 発 さ れ た CTL活 性 を 示 し て い る 。
図 4 。 図 3 の エ フ ェ ク タ ー CTLを ペ プ チ ド コ ー ト 型 LPS芽 細 胞 で 再 刺 激 し 、 続 い て 一 週 間 の
b
間 隔 を お い て 、 ペ プ チ ド コ ー ト 型 ジ ャ ー カ ッ ト A2.1/K 細 胞 で 再 刺 激 し た 。 最 後 の 再 刺 激
の6日後、エフェクター細胞を再刺激のために用いたペプチドと関連ペプチドの非存在下
又は存在下で
51
b
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ ッ ト A2.1/K 標 的 細 胞 に 対 す る 細 胞 障 害 活 性 に つ い て
ア ッ セ イ し た 。 各 パ ネ ル は 図 3 の 対 応 パ ネ ル に 示 し て い る ペ プ チ ド に よ り 誘 発 せ し め た CT
L活 性 を 示 し て い る 。 標 的 ペ プ チ ド が 各 パ ネ ル の 中 に 表 示 し て あ る 。
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図 5 は 、 HBc 875.23T ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ 単 独 で 感 作 せ し め た マ ウ ス に お い て HBc 18-27特 異 的 CTL応 答 が 全 く 検 出 さ れ な か っ た こ と を 示 し て い る 。 動 物 を 完 全 フ ロ イ ン ド ア ジ ュ
バ ン ト (CFA)中 の 100μ g の 875.23( T ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ ) で 皮 下 的 に 感 作 せ し め 、 続 い
て 9 日 後 、 IFAの み で ( 皮 下 的 に ) 感 作 せ し め た 。 脾 細 胞 の 3 週 間 後 に 取 出 し 、 CTLエ ピ ト
ー プ (875.15)100μ g と 洗 浄 前 に 2 時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し て お い た LPS-芽 細 胞 の 存 在 下 で
6 日 間 培 養 し 、 次 い で 抗 原 表 示 細 胞 の 起 源 と し て 培 養 物 に 加 え た 。 HBc 18-27(875.15)特
b
異 的 CTLの 存 在 を 標 的 と し て の ジ ャ ー カ ッ ト A2.1/K 細 胞 に よ る 標 準 の 6 hr
51
Cr放 出 ア ッ
セイを利用して決定した。
図 6 は マ ウ ス を IFA中 の HBc 18-27(875.15)で 感 作 し た と き に HBc 18-27-特 異 的 CTL応 答 が
全く検出されなかったことを示す。実験のプロトコールは図5に記載のものと類似してい
10
る が 、 た だ し マ ウ ス に 、 イ ン ビ ボ CTL感 作 の た め に IFA単 独 で は な く 、 IFA中 の 100μ g の 87
5.15を 皮 下 的 に 受 容 せ し め て あ る 。
図 7 は 1 : 1 の 比 で HBc CTL誘 発 性 ペ プ チ ド (875.15)と 混 合 せ し め た HBc T ヘ ル パ ー ペ プ
チ ド (875.23)で 感 作 せ し め た マ ウ ス の 50% に お い て HBc 18-27-特 異 的 CTL応 答 が 検 出 さ れ
たことを示している。この実験プロトコールは図5及び6に記載のものと類似である。
図 8 は 、 HBc T ヘ ル パ ー と CTL誘 発 性 ペ プ チ ド と が ペ プ チ ド 結 合 を 介 し て 連 結 し て い る ペ
プ チ ド 902.01で 感 作 せ し め た マ ウ ス に お い て 、 HBc特 異 的 (875.15)CTL活 性 が 検 出 さ れ た こ
とを示している。
図 9 は 、 HBc T ヘ ル パ ー と CTL誘 発 性 ペ プ チ ド と が 、 典 型 的 な ス ペ ー サ ー 、 例 え ば ア ラ ニ
ン − ア ラ ニ ン − ア ラ ニ ン を 利 用 す る ペ プ チ ド 結 合 を 介 し て 連 結 し て い る ペ プ チ ド 902.02で
20
感 作 せ し め た マ ウ ス に お い て 、 最 大 の HBc 18-27(875.15)特 異 的 CTL活 性 が 検 出 さ れ た こ と
を示している。
図 10は ヘ ル パ ー T 細 胞 の 事 前 感 作 が 、 ペ プ チ ド 902.01及 び 902.02を 利 用 す る HBc 18-27-特
異 的 CTL応 答 の イ ン ビ ボ 感 作 に と っ て 必 要 で な い こ と を 示 し て い る 。 CTL応 答 は CFA中 で の
ペ プ チ ド 875.23に よ る 事 前 感 作 抜 き で 、 ペ プ チ ド 902.01( 図 10A) 又 は 902.02( 図 10B) 単
独によって皮下的に感作された動物から示された。
b
図 11は HBenv 3 6 0 - 3 6 8 特 異 的 CTL応 答 の 誘 発 を 示 し て い る 。 A2.K 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス に 100mg
の HBenv360-368及 び 100mgの HBc 128-148の エ マ ル シ ョ ン (IFA)100μ l を 注 射 し た 。 3 週 間
後 、 脾 細 胞 を ペ プ チ ド HBenv 360-368で コ ー ト さ れ た 同 系 LPS芽 細 胞 で 再 刺 激 せ し め た 。 エ
フ ェ ク タ ー 細 胞 を HBenv 360-368の 存 在 下 又 は 非 存 在 下 で
51
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ ッ ト A2/K
b
30
標的細胞に対する細胞障害性についてアッセイした。
図 12は 破 傷 風 ト キ ソ イ ド 830-843( ヒ ト ヘ ル パ ー T 細 胞 エ ピ ト ー プ ) に 連 結 し て い る HBc 1
8-27を 含 む ペ プ チ ド で の 感 作 に よ る HBc 18-27に 特 異 的 な CTL応 答 の 誘 発 を 示 し て い る 。 エ
フ ェ ク タ ー 細 胞 を 、 HBc 18-27の 存 在 下 又 は 非 存 在 で
51
b
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ ッ ト A2-1/K 標
的 細 胞 に 対 し て ; HBc 18-27の 存 在 下 又 は 非 存 在 下 で Jy標 的 細 胞 に 対 し て 、 及 び HBVコ ア の
ト ラ ン ス フ ェ ク ト さ れ た Jy細 胞 に 対 し て ア ッ セ イ し た 。
図 13は HBV env 329-348ペ プ チ ド (799.09)内 で の CTL認 識 の た め の 最 小 配 列 を し て い る 。 CT
L細 胞 系 110及 び 113は 、 IFA中 の HBVウ ィ ル ス に よ り 皮 下 的 に 感 作 さ れ 、 そ し て 799.09コ ー
ト 型 刺 激 細 胞 で イ ン ビ ト ロ 活 性 化 さ れ た A2Kb遺 伝 子 導 入 マ ウ ス よ り 獲 得 し た 脾 細 胞 に 由 来
す る 。 799.09特 異 的 CTL細 胞 系 110及 び 113を 、 799.09ペ プ チ ド 短 縮 体 ( ト ラ ン ケ ー シ ョ ン
40
) の 存 在 下 で 標 的 と し て JA2Kb細 胞 を 用 い る 6 hr 51Cr放 出 ア ッ セ イ に お い て 溶 解 活 性 に つ
い て ア ッ セ イ し た ( パ ネ ル A = 799.09N 末 端 短 縮 体 ; パ ネ ル B = 799.09の 重 複 9 量 体 及 び
10量 体 ) 。
特定の態様の説明
本 発 明 は HBV感 染 症 の 処 置 、 予 防 及 び 診 断 の た め の 組 成 物 及 び 方 法 に お い て 利 用 す る た め
の 、 HBVエ ン ベ ロ ー プ 抗 原 ( HBenv; 表 層 抗 原 又 は HBsと も 呼 ぶ ) 及 び ヌ ク レ オ シ ド コ ア ( H
Bc) タ ン パ ク 質 の 配 列 に 由 来 す る ペ プ チ ド を 提 供 す る 。 該 ペ プ チ ド は HBV感 染 細 胞 に 対 す
る MHC HLAク ラ ス I − 制 限 型 CTL応 答 が 可 能 で あ る 。 リ ン ホ カ イ ン ( 例 え ば ガ ン マ ー イ ン タ
ーフェロン)を分泌する、並びに細胞殺傷を伴うか伴わないで感染自己細胞又は移入細胞
におけるウィルス複製を阻害する生成物(例えばタンパク質分解酵素、例えばセリンエス
50
(7)
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テ ラ ー ゼ ) を 遊 離 す る 刺 激 化 CTLは 、 慢 性 HBV感 染 症 を 妨 害 又 は 実 質 的 に 予 防 す る こ と が で
き る 。 あ ら ゆ る 状 況 に お い て 、 効 果 的 な 細 胞 障 害 性 T 細 胞 応 答 と 特 定 の HBV抗 原 に 対 す る
保 護 的 抗 体 応 答 と の 組 合 せ は 、 HBV感 染 症 を 予 防 又 は 終 ら せ る の に 最 も 効 果 的 で あ ろ う 。
好 ま し い 態 様 に お い て 、 本 発 明 の ペ プ チ ド は HBV表 層 抗 原 又 は ヌ ク レ オ カ プ シ ド ポ リ ペ プ
チ ド 、 コ ア 及 び プ レ コ ア 内 に 由 来 す る 。 本 明 細 書 記 載 の よ り 好 ま し い 態 様 に お い て 、 CTL
誘 発 性 ペ プ チ ド は HBenv 3 0 9 - 3 2 8 ( ペ プ チ ド 799.08) 、 HBenv 3 2 9 - 3 4 8 ( ペ プ チ ド ( 799.09)
、 HBenv 3 4 9 - 3 6 8 ( ペ プ チ ド 799.10) の 領 域 、 又 は 領 域 HBc 9 1 - 1 1 0 ( ペ プ チ ド 802.03) に 由
来 し 、 こ こ で そ の 番 号 は 引 用 す る こ と で 本 明 細 書 に 組 入 れ て い る Galibertら 、 Nature 281
:646(1979)に 従 っ て い る 。
本 発 明 の 「 CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 」 又 は 「 オ リ ゴ ペ プ チ ド 」 と は 、 HBenvも し く は HBcタ ン パ
10
ク質の特定のエピトープ領域、又はその他の有効な標的抗原、例えば腫瘍関連抗原、例え
ば 限 定 す る こ と な く 、 腎 細 胞 癌 、 乳 癌 、 癌 胎 児 性 抗 原 、 黒 色 腫 (MAGE-1)抗 原 及 び 前 立 腺 癌
特 異 的 抗 原 、 C 型 肝 炎 抗 原 、 エ プ ス テ イ ン バ ー ウ ィ ル ス 抗 原 、 HIV-1及 び HIV-2抗 原 、 並 び
にパピロマウィルス抗原のようなその他のエピトープ領域に由来する、少なくとも4個の
ア ミ ノ 酸 残 基 、 好 ま し く は 少 な く と も 6 個 、 よ り 好 ま し く は 8 ∼ 10個 、 時 折 り 11∼ 14個 の
残 基 、 そ し て 通 常 は 約 30以 下 の 残 基 、 よ り 通 常 に は 約 25個 以 下 、 そ し て 好 ま し く は 15個 以
下 、 例 え ば 8 ∼ 14個 の ア ミ ノ 酸 残 基 の 鎖 を 意 味 し て い る 。
下記により詳しく説明する通り、B型肝炎に関して、前記ペプチドの通常は少なくとも4
個 、 時 折 り 6 個 、 し ば し ば 7 個 以 上 の 残 基 、 又 は こ の ペ プ チ ド の 過 半 数 の ア ミ ノ 酸 が 、 HB
env 3 0 9 - 3 2 8 ( ペ プ チ ド 799.08) も し く は HBenv 3 2 9 - 3 4 8 ( ペ プ チ ド 799.09) も し く は HBenv 3
49-368
110
20
( ペ プ チ ド 799.10) と し て 同 定 さ れ て い る 天 然 の HBenv配 列 、 又 は HBcの 領 域 HBc 9 1 -
( ペ プ チ ド 802.03) の 対 応 部 分 と 比 較 し た と き に 、 同 一 又 は 相 同 で あ ろ う 。
該 ペ プ チ ド は 下 記 の 通 り 「 合 成 的 」 に 、 又 は 組 換 DNA工 学 に よ っ て 製 造 さ れ う る 。 該 ペ プ
チ ド は そ の 他 の 天 然 の HBVタ ン パ ク 質 及 び そ の フ ラ グ メ ン ト を 実 質 的 に 含 ま な い こ と が 好
ましいであろうが、ある態様においては、該ペプチドは天然のフラグメント又は粒子に合
成的にコンジュゲートされていてよい。ペプチドなる語は本明細書においてポリペプチド
と同義語として、一連のアミノ酸であって隣り同志のアミノ酸のアルファーアミノ基とア
ルファーカルボキシ基とのペプチド結合によって互いに接続されているものを称するよう
に利用されている。このポリペプチド又はペプチドはあらゆる長さでよく、中性(無荷電
)状態にあるか又は塩の形態であってよく、そして改質、例えばグリコシル化、側鎖酸化
30
もしくはリン酸化を含まないか、又は該ポリペプチドの本明細書に記載の生物学的活性を
その改質が損わないことを条件としてそれらの改質を含んでいてよい。
該ペプチドは、大型のペプチドの生物学的活性の実質的に全てを維持し続けながら、でき
る だ け 小 さ い こ と が 所 望 さ れ る 。 可 能 な ら 、 細 胞 表 層 上 の MHCク ラ ス I 分 子 に 結 合 す る 内
因 性 的 に プ ロ セ ス に 付 さ れ た ウ ィ ル ス ペ プ チ ド と サ イ ズ に お い て つ り 合 う 8 ∼ 12個 の ア ミ
ノ酸残基の長さへと本発明のペプチドを最適化することが所望されうる。一般的には本明
細 書 に 引 用 す る こ と で 組 入 れ る Schumacherら 、 Nature 350:703-706(1991);Van Bleekら 、 N
ature 348:213-216(1990);Rotzschkeら 、 Nature 348:252-254(1990); 及 び Falkら 、 Nature 3
51:290-296(1991)を 参 照 の こ と 。 生 物 学 的 活 性 と は 、 適 当 な MHC分 子 に 結 合 す る 能 力 、 CTL
応 答 を 刺 激 す る の に 有 用 な ペ プ チ ド の 場 合 に は 、 HBV抗 原 又 は 抗 原 擬 態 物 に 対 す る CTL応 答
40
を誘発せしめる能力を意味する。ペプチド類似体拮抗剤の場合、この類似体はもしそれが
MHC分 子 に 対 す る 結 合 に 関 し て 該 ペ プ チ ド と 競 合 し 、 且 つ 天 然 ペ プ チ ド に 比 し て 実 質 的 に
低 い CTL応 答 刺 激 能 力 を 有 す る と き 、 そ れ は 生 物 学 的 活 性 を 有 し て い る で あ ろ う 。 CTL応 答
+
+
と は 、 課 題 の HBV抗 原 に 対 す る 特 異 的 な CD8 T リ ン パ 球 応 答 を 意 味 し 、 こ の 場 合 CD8 、 即
ち 、 MHCク ラ ス I − 制 限 型 T リ ン パ 球 は 活 性 化 さ れ る 。 前 述 し た 通 り 、 活 性 化 T リ ン パ 球
は ウ ィ ル ス 複 製 を 阻 害 せ し め 、 且 つ HBV感 染 ( 又 は 移 入 ) 細 胞 を 殺 す も し く は 殺 さ な い 様
々な生成物を分泌するであろう。
本明細書で用いている「相同性」、「実質的に相同性」及び「実質的相同」なる語は、あ
る 配 列 を 対 照 の ア ミ ノ 酸 配 列 と 比 較 し た と き に 少 な く と も 50% の 同 一 性 を 有 す る ア ミ ノ 酸
配列を意味する。配列の同一性又は相同性のパーセンテージは一方を他方と、対照の配列
50
(8)
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の対応領域で並べたときの比較によって計算する。
本 発 明 の CTL誘 発 性 HBenvペ プ チ ド は 6 ∼ 36個 の ア ミ ノ 酸 を 含 ん で 成 り 、 そ し て 799.08ペ プ
チ ド 領 域 HBenv 3 0 9 - 3 2 8 に 由 来 し 、 CTLエ ピ ト ー プ 部 位 を 含 み 、 そ し て 少 な く と も 7 個 の ア
ミ ノ 酸 を 有 し て お り 、 こ こ で 該 ペ プ チ ド の ア ミ ノ 酸 の 過 半 数 は 、 天 然 の HBenv 3 0 9 - 3 2 8 配 列
の対応の領域を構成するアミノ酸と比較したとき、同一又は実質的に相同性であろう。こ
の 領 域 の 代 表 的 な ペ プ チ ド は ペ プ チ ド HBenv 3 0 9 - 3 2 8 で あ り 、 こ れ は 下 記 の 配 列 ( HBVサ ブ
タ イ プ aywに 関 す る ) を 有 す :
799.08(HBenv 3 0 9 - 3 2 8 )〔 Seq. ID No. 1〕 Asn-Cys-Thr-Cys-Ile-Pro-Ile-Pro-Ser-Ser-Trp
-Ala-Phe-Gly-Lys-Phe-Leu-Trp-Glu-Trp( こ こ で こ の ペ プ チ ド は 任 意 的 に 、 本 明 細 書 で 更
に 説 明 す る 通 り 、 所 望 す る な ら ば 、 そ の N − 及 び C − 末 端 の 一 方 又 は 両 方 に お い て 、 HBV
10
配 列 、 特 に HBenvに 由 来 す る ア ミ ノ 酸 、 担 体 等 に 連 結 さ れ て い る 別 の N − 及 び C − 末 端 改
質体への連結を助長せしめるように付加するアミノ酸によってフランク及び/又は改質さ
れていてよい)。
HBVサ ブ タ イ プ adwに 関 し て は 、 Gly 3 2 2 は Ala、 そ し て Phe 3 2 4 は Tyrに 置 き 代 わ ら れ て い る 。
こ の ペ プ チ ド HBenv 3 0 9 - 3 2 8 は 少 な く と も MHCク ラ ス I 分 子 HLA-A2に よ り 媒 介 さ れ る CTL応 答
を誘発する。
本 発 明 の 他 の HBenv CTL誘 発 性 ペ プ チ ド の 態 様 は 、 799.10ペ プ チ ド 領 域 HBenv 3 4 9 - 3 6 8 の 6
∼ 20個 の ア ミ ノ 酸 を 含 ん で 成 り 、 そ し て 少 な く と も 7 個 又 は そ れ よ り 多 く の ア ミ ノ 酸 の エ
ピ ト ー プ 部 位 を 含 む HBenv 3 4 9 - 3 6 8 に 由 来 す る ペ プ チ ド を 含 み 、 こ こ で 該 ペ プ チ ド の 過 半 数
の ア ミ ノ 酸 は HBenv 3 4 9 - 3 6 8 と し て 同 定 さ れ て い る 天 然 の HBenv配 列 の 対 応 領 域 と 比 較 し た
20
と き に 同 一 又 は 相 同 性 で あ り 、 こ こ で HBenv 3 4 9 - 3 6 8 は 下 記 の 通 り で あ る ( HBVサ ブ タ イ プ a
yw及 び adwに 関 す る ) :
799.10( HBenv 3 4 9 - 3 6 8 ) 〔 Seq. ID No. 2〕 Leu-Ser-Pro-Thr-Val-Trp-Leu-Ser-Val-Ile-T
rp-Met-Met-Trp-Tyr-Typ-Gly-Pro-Ser-Leu( こ こ で 前 記 領 域 か ら 選 ば れ た ペ プ チ ド は 本 明
細書に記載の通り一方又は両方の末端においてフランク及び/又は改質されてよい)。B
型 肝 炎 ウ ィ ル ス に 対 す る MHCク ラ ス I − 制 限 型 細 胞 障 害 性 T − リ ン パ 球 応 答 を 誘 発 で き る
少 な く と も 1 エ ピ ト ー プ を 含 む 799.10(HBenv 3 4 9 - 3 6 8 )の 領 域 由 来 の 他 の CTL誘 発 性 ペ プ チ
ドの例は:
884.02(HBenv 3 4 9 - 3 5 8 )〔 Seq. ID No. 3〕 Leu-Ser-Pro-Thr-Val-Trp-Leu-Ser-Val-Ileで あ
る。
30
本 発 明 の 更 な る 他 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド 態 様 は HBenv領 域 の HBenv 3 2 9 - 3 4 8 に 由 来 す る 。 ペ プ
チ ド 799.09(HBenv 3 2 9 - 3 4 8 )に 加 え て 、 こ れ ら の 態 様 に は 、 HBVに 対 す る MHCク ラ ス I − 制 限
型 CRL応 答 を 誘 発 で き る HBenv 3 2 9 - 3 4 8 の 配 列 内 の エ ピ ト ー プ 部 位 を 含 む ペ プ チ ド が 挙 げ ら
れ る 。 HBVサ ブ タ イ プ aywに 関 す る HBenv 3 2 9 - 3 4 8 は 下 記 の 配 列 を 有 す る :
799.09(HBenv 3 2 9 - 3 4 8 )〔 Seq. ID No. 7〕 Ala-Ser-Ala-Arg-Phe-Ser-Trp-Leu-Ser-Leu-Leu
-Val-Pro-Phe-Val-Gln-Trp-Phe-Val-Gly。
更 な る 態 様 に お い て 、 本 発 明 の ペ プ チ ド は HBc領 域 の HBc 9 1 - 1 1 0 に 由 来 し 、 そ し て 更 に 、 ペ
プ チ ド 802.03(HBc 9 1 - 1 1 0 )は 、 少 な く と も 7 個 、 そ し て 好 ま し く は 9 個 の ア ミ ノ 酸 の エ ピ
トープ部位を含むペプチドを含んでおり、ここで該ペプチドの過半数のアミノ酸は天然の
HBc 9 1 - 1 1 0 の HBc配 列 の 対 応 領 域 の ア ミ ノ 酸 と 比 較 し た と き に 同 一 又 は 実 質 的 に 相 同 性 で あ
40
り 、 こ こ で HBVサ ブ タ イ プ aywに 関 す る HBc 9 1 - 1 1 0 の 配 列 は 下 記 の 配 列 を 有 す る :
802.03(HBc 9 1 - 1 1 0 )〔 Seq. ID No. 4〕 Thr-Asn-Met-Gly-Leu-Lys-Phe-Arg-Gln-Leu-Leu-Tr
p-Phe-His-Ile-Ser-Cys-Leu-Thr-Phe( こ こ で 、 前 記 領 域 か ら 選 ば れ た ペ プ チ ド は 本 明 細
書に記載の通り、一方又は両方の末端においてフランク及び/又は改質されていてよい)
。 HBVサ ブ タ イ プ adwの ペ プ チ ド に 関 し て は 、 Phe 9 7 は Ile、 そ し て Leu 1 0 1 は Trpに よ り 置 き
代 わ ら れ て い る 。 こ の CTL誘 発 ペ プ チ ド 802.03は 、 少 な く と も MHCク ラ ス I 分 子 HLA-A2.1に
よ り 媒 介 さ れ る CTL応 答 を 誘 発 す る 。 802.03(HBc 9 1 - 1 1 0 )〔 Seq. ID No. 4〕 の 領 域 に 由 来
し 、 且 つ B 型 肝 炎 ウ ィ ル ス に 対 す る MHCク ラ ス I − 制 限 型 細 胞 障 害 性 T リ ン パ 球 応 答 を 誘
発 で き る エ ピ ト ー プ を 含 む CTL誘 発 性 ペ プ チ ド の 例 に は 以 下 が 含 ま れ る :
883.02(HBc 9 2 - 1 0 1 )〔 Seq. ID No. 5〕 Asn-Met-Gly-Leu-Lys-Phe-Arg-Gln-Leu-Leu、
50
(9)
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(HBc 9 2 - 1 0 0 )〔 Seq. ID No. 9〕 Asn-Met-Gly-Leu-Lys-Phe-Arg-Gln-Leu及 び
883.03(HBc 9 3 - 1 0 2 )〔 Seq. ID No. 6〕 Met-Gly-Leu-Lys-Phe-Arg-Gln-Leu-Leu-Trp。
前述した通り、オリゴペプチド又はペプチド末端に追加のアミノ酸を付加させて、本明細
書に記載の理由のため、該ペプチド又はオリコペプチドの物理的又は化学的性質を改質す
るため、等のために、ペプチドを互いに連結し易くするようにすることができる。アミノ
酸、例えばチロシン、システイン、リジン、グルタミン酸もしくはアスパラギン酸等をこ
のペプチド又はオリゴペプチドのC−又はN−末端に導入してよい。更に、このペプチド
又 は オ リ ゴ ペ プ チ ド は 、 末 端 NH 2 ア シ ル 化 、 例 え ば ア ル カ ノ イ ル ( C 1 − C 2 0 ) も し く は チ
オグリコリルアセチル化、末端カルボキシアミド化(例えばアンモニア、メチルアミン)
等によって改質されることで、天然配列と相違してよい。ある状況において、これらの改
10
質は支持体又はその他の分子への連結のための部位を担うことができる。
CTL刺 激 活 性 を 有 す る 本 発 明 の ペ プ チ ド 又 は そ の 類 似 体 は そ の 他 の 所 望 さ れ る 特 質 、 例 え
ば向上した薬理学特性を供しながら、未改質ペプチドの生物学的活性を高める又は少なく
ともその実質的に全てを残すように改質されうる。例えば、該ペプチドは本明細書に開示
している配列に由来するペプチドの例えばアミノ末端もしくはカルボキシ末端のいづれか
でのアミノ酸の付加もしくは削減による、伸長、削減又はペプチドアミノ酸配列における
置 換 に よ っ て 改 質 さ れ う る 。 下 記 に 更 に 説 明 す る 通 り 、 課 題 の ペ プ チ ド の CTL活 性 は 、 破
傷 風 ト キ ソ イ ド 830-843、 イ ン フ レ ン ザ 307-319、 マ ラ リ ア サ ー カ ム ス ポ ロ ゾ イ ト 382-398
及 び 378-389、 オ バ ル ブ ミ ン 323-336、 並 び に HBc 128-140、 HBc 1-20、 HBc 50-69及 び HBc
111-125内 に 含 ま れ て い る よ う な T ヘ ル パ ー 細 胞 を 誘 発 で き る 少 な く と も 1 エ ピ ト ー プ を
20
含む配列への結合によって高めることができる。
本 発 明 に お い て 利 用 さ れ る ペ プ チ ド は 、 ペ プ チ ド 799.08、 799.09、 799.10も し く は 802.03
、 又 は 特 定 の HBV表 層 抗 原 も し く は ヌ ク レ オ カ プ シ ド タ ン パ ク 質 配 列 と は 、 課 題 の 化 合 物
が 適 当 な MHC分 子 に 結 合 す る こ と が で き 、 そ し て 4 種 の HBVの 主 要 サ ブ タ イ プ の う ち の 少 な
くとも1つに対する細胞障害性Tリンパ球活性を供することができる限り(ただしペプチ
ド 類 似 体 拮 抗 体 の 場 合 、 本 明 細 書 で 更 に 説 明 す る 通 り 、 MHC分 子 に 結 合 す る が 、 実 質 的 に
低 い CTL活 性 刺 激 能 力 を 有 す る ) 、 同 一 で あ る 必 要 は な い 。 従 っ て 、 該 ペ プ チ ド は 様 々 な
変化、例えば挿入、欠失及び置換(保存的又は非保存的のいづれでもよい)に付されてよ
く、ここでかかる変化はその用途において一定の利点を供しうる。保存的置換とは、アミ
ノ酸残基を、生物学的及び/又は化学的に類似な別のものに交換すること、例えばある疎
30
水性残基を別のものに、又はあるい極性残基を別のものに交換することを意味する。この
置 換 は に 、 Gly,Ala;Val,Ile,Leu;Asp,Glu;Asn,Gln;Ser,Thr;Lys,Arg;及 び Phe,Tyrの よ う
な 組 合 せ が 含 ま れ る 。 通 常 、 HBV CTL刺 激 性 エ ピ ト ー プ を 実 質 的 に 擬 態 す る こ と を 意 図 す
る配列の領域は、例えば連結又は複合化のし易さのためにペプチドの物理的又は化学的性
質を改質せしめる目的のためにいづれかの末端において追加のアミノ酸が付加されている
場 合 を 除 き 、 HBVの 少 な く と も 1 サ ブ タ イ プ の 配 列 か ら 約 20% 以 上 相 違 し な い で あ ろ う 。
ペ プ チ ド 配 列 の 領 域 が HBVサ ブ タ イ プ に わ た っ て 多 型 性 で あ る こ と が 見 い 出 さ れ て い る 状
況 に お い て は 、 種 々 の HBV株 ま た は サ ブ タ イ プ の 異 な る 細 胞 障 害 性 T リ ン パ 球 エ ピ ト ー プ
をより効果的に擬態するように1又は複数の特定のアミノ酸を変更することが所望されう
る。
40
CTLエ ピ ト ー プ 、 例 え ば ペ プ チ ド 領 域 799.08(HBenv 3 0 9 - 3 2 8 )、 ペ プ チ ド 領 域 799.09(HBenv 3
29-348
)、 ペ プ チ ド 領 域 799.10(HBenv 3 4 9 - 3 6 8 )又 は ペ プ チ ド 領 域 802-03(HBc 9 1 - 1 1 0 )を 含 む
ものとして本発明により同定されたペプチド配列領域の中には、該ペプチドにその生物学
的 活 性 、 即 ち 、 HBV表 層 及 び / 又 は ヌ ク レ オ カ ス ピ ド 抗 原 を 発 現 す る HBV感 染 細 胞 に 対 す る
クラスI−制限型細胞障害性T−リンパ球応答を刺激する能力を保持させる残基(又は実
質的に機能的に同等であるもの)がある。これらの残基は単一アミノ酸置換、欠失又は挿
入 に よ っ て 同 定 で き る 。 更 に 、 残 基 の 側 鎖 の 機 能 は 特 定 の ア ミ ノ 酸 (例 え ば Ala)に よ る 系
統学的なスキャンにより探り当てることができる。多重置換に耐えるペプチドは一般に小
さ く 、 比 較 的 中 性 な 分 子 、 例 え ば Ala,Gly,Pro又 は 類 似 の 残 基 の よ う な 置 換 を 含 む 。 置 換
、付加又は削除できる残基の数及びタイプは、必須のエピトープ点と、追求される一定の
50
(10)
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コンホメーション的及び機能的性質(例えば疎水性、対、親水性)との間に必要とされる
間 隔 に 依 存 す る で あ ろ う 。 所 望 す る な ら 、 CTLへ の 供 与 の た め の ペ プ チ ド 類 似 体 の そ の MHC
分子に対する高められた結合親和力も、かかる変更によって達成されうる。一般に、エピ
トープ的に及び/又はコンホメーション的に重要な残基間での任意のスペーサー置換、付
加又は欠失は、結合性を損うことがある立体障害及び電荷干渉を避けるように選ばれるア
ミノ酸又はその他の成分を利用すべきである。
所望の生物学的活性を維持しながら置換に耐えるペプチドはDアミノ酸含有ペプチドとし
て も 合 成 さ れ う る 。 ペ プ チ ド は 「 イ ン バ ー ソ (inverso)」 又 は 「 レ ト ロ − イ ン バ ー ソ (retr
o-inverso)」 形 状 と し て 、 即 ち 、 配 列 の L − ア ミ ノ 酸 を D − ア ミ ノ 酸 に 置 き 換 え る 、 又 は
アミノ酸配列を反転させ、そしてL−アミノ酸をD−アミノ酸に置き換えることによって
10
合成されうる。D−ペプチドはペプチダーゼに対して実質的により耐性であり、それ故L
−ペプチド対応物に比して血液及び組織の中でより安定であるため、生理学的条件のもと
でのD−ペプチドの安定性は対応のL−ペプチドに比してのアフィニティーの相違を補う
であろう。更に、置換を有する又は有さないLアミノ酸含有ペプチドは抗原性ペプチドの
エキソペプチダーゼ分解を阻止するD−アミノ酸でキャップされていてよい。
1 又 は 複 数 種 の 患 者 又 は HLAタ イ プ に お い て HBV特 異 性 CTL応 答 を 刺 激 せ し め る の に 担 う 本
発明の種々のペプチドを同定したら、ある状況において組成物の中で2種以上のペプチド
を組合せることが所望されうる。この組成物中のペプチドは同一でも異なっていてもよく
、そして一緒になってそれらはもとのペプチドと同等又はそれより高い生物学的活性を供
するであろう。例えば、本明細書に記載の方法を利用して、2種以上のペプチドは特定領
20
域 、 例 え ば ペ プ チ ド 領 域 799.08(HBenv 3 0 9 - 3 2 8 )、 ペ プ チ ド 領 域 799.09(HBenv 3 2 9 - 3 4 9 )、 79
9.10(HBenv 3 4 9 - 3 6 8 )、 又 は ペ プ チ ド 領 域 (HBc 9 1 - 1 1 0 )に 由 来 す る 異 な る 又 は 重 複 す る CTLエ
ピ ト ー プ を 規 定 し う る も の で あ っ て よ く 、 こ れ ら の ペ プ チ ド CTL応 答 に 対 す る 強 め ら れ た
免 疫 原 性 を 供 す る 「 カ ク テ ル 」 に お い て 組 合 せ て よ い 。 あ る 領 域 の ペ プ チ ド を 、 別 の MHC
制限要素を有するペプチドと組合せてもよい。この組成物は様々な集団にわたる本発明の
治療的、ワクチン的、又は診断的方法及び組成物により供される免疫適用範囲を有効に広
げるために利用できる。
本発明のペプチドはポリマー(多量体)を形成するよう連結を介して組合されうるか、又
は連結抜きの混合物として組成物の中で配合されうる。同じペプチドを互いに連結させ合
うとき、それ故ホモポリマーを作るとき、複数の反復エピトープ単位が供される。ペプチ
30
ド が 異 な る と き 、 例 え ば 種 々 の HBVサ ブ タ イ プ 、 サ ブ タ イ プ 内 で の 種 々 の エ ピ ト ー プ 、 種
々 の HLA制 限 特 異 性 、 又 は T ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ を 含 む ペ プ チ ド を 供 す る カ ク テ ル の と き
、反復単位を有するヘテロポリマーが供される。共有結合の他に、分子間又は構造内結合
の形成の可能な非共有結合も考慮される。
ホモ−もしくはヘテロ−ポリマーのための、又は担体への複合化のための連結は様々な方
法で供されうる。例えばシステイン残基をアミノ−及びカルボキシ末端の両方に加えてよ
く、この場合このペプチドはシステイン残基のコントロールされた酸化を通じて共有結合
させる。更に有用なのは数多くのヘテロ二価試薬であり、これは一方の官能基末端でのジ
スルフィド連結及び他方でのペプチド連結を作りあげるものであり、それにはN−スクシ
ジ ミ ジ ル − 3 − ( 2 ピ リ ジ ル ジ チ オ ) プ ロ ピ オ ネ ー ト (SPDP)が 含 ま れ る 。 こ の 試 薬 は そ れ
40
自体と、あるタンパク質中のシステイン残基とのジスルフィド結合、及び他のものにおけ
るリジン上のアミノ又はその他の遊離アミノ基を通じてのアミド結合をもたらす。様々な
か か る ジ ス ル フ ィ ド / ア ミ ド 形 成 試 薬 が 知 ら れ て い る 。 例 え ば 、 Immun. Rev . 62:185(198
2)を 参 照 の こ と 。 そ の 他 の 二 価 カ ッ プ リ ン グ 試 薬 は ジ ス ル フ ィ ド 結 合 で は な く 、 チ オ エ ー
テル結合を形成する。数多くのこのようなチオエーテル形成試薬が市販されており、そし
て6−マレイミドカプロン酸、2−ブロモ酢酸、2−ヨード酢酸、4−(N−マレイミド
−メチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸等の反応性エステルが含まれる。カルボキシ
ル基はそれらをスクシニミド又は1−ヒドロキシ−2−ニトロ−4−スルホン酸のナトリ
ウム塩と組合せることによって活性化できうる。特に好ましいカップリング剤はスクシニ
ミ ジ ル − 4 − ( N − マ レ イ ミ ド メ チ ル ) シ ク ロ ヘ キ サ ン − 1 − カ ル ボ キ シ レ ー ト (SMCC)で
50
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あ る 。 む ろ ん 、 こ の 連 結 は 、 連 結 さ れ た ど の 基 も が 、 例 え ば 前 記 し た よ う に HBV細 胞 障 害
性 T 細 胞 決 定 基 と し て 、 ペ プ チ ド 類 似 体 CTL拮 抗 体 と し て 、 又 は HBV T ヘ ル パ ー 決 定 基 と
して機能することを実質的に妨害してはならない。
別 の 観 点 に お い て 、 本 発 明 の ペ プ チ ド を 、 HBV T ヘ ル パ ー 細 胞 エ ピ ト ー プ 、 即 ち 、 エ ン ベ
ロ ー プ 、 コ ア 又 は そ の 他 の 免 疫 原 タ ン パ ク 質 又 は そ れ ら の 誘 導 体 に 由 来 し 、 HBVに 対 す る
細胞障害性T細胞の誘発において協力するT細胞を刺激するTヘルパーエピトープを含む
6 ∼ 30個 の ア ミ ノ 酸 を 含 ん で 成 る T ヘ ル パ ー ペ プ チ ド を 供 す る そ の 他 の ペ プ チ ド と 組 合 せ
る又は複合させてよい。このT−ヘルパー細胞は例えばT−ヘルパー1又はT−ヘルパー
2 表 現 型 の い づ れ か で も よ い 。 T − ヘ ル パ ー ペ プ チ ド 及 び CTLペ プ チ ド の 組 成 物 は 従 っ て H
BVに 対 す る 細 胞 媒 介 型 免 疫 性 及 び 保 護 抗 体 を 供 す る こ と に よ っ て 個 体 の 免 疫 性 を 高 め る 。
10
T − ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ は 配 列 Met-Asp-Ile-Asp-Pro-Tyr-Lys-Glu-Phe-Gly-Ala-Thr-ValGlu-Leu-Leu-Ser-Phe-Leu-Pro〔 Seq. ID No. 10〕 を 有 す る HBc 1 - 2 0 と し て 同 定 さ れ た 。 そ
の 他 の T − ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ は 、 配 列 Pro-His-His-Tyr-Ala-Leu-Arg-Gln-Ala-Ile-LeuCys-Trp-Gly-Glu-Leu-Met-Tyr-Leu-Ala〔 Seq. ID No. 11〕 を 有 す る 領 域 HBc 5 0 - 6 9 、 並 び
に 配 列 Leu-Leu-Trp-Phe-His-Ile-Ser-Cys-Leu-Thr-Phe-Gly-Arg-Glu-Thr-Val-Ile-Glu-Ty
r-Leu〔 Seq. ID No. 12〕 ( こ こ で Ile 116は HBV adwサ ブ タ イ プ に お い て は Leuで あ る ) を
有 す る HBc 1 0 0 - 1 1 9 配 列 Glu-Tyr-Leu-Va-Ser-Phe-Gly-Val-Trp-Ile-Arg-Thr-Pro-Pro-Ala〔
Sep. ID No. 13〕 を 有 す る HBc 1 1 7 - 1 3 1 、 及 び 配 列 Val-Ser-Phe-Gly-Val-Trp-Ile-Arg-ThrPro-Pro-Ala-Tyr-Arg-Pro-Pro-Asn-Ala-Pro-Ile〔 Seq. ID No. 14〕 を 有 す る ペ プ チ ド HBc
120-139
を 含 む HBc 1 0 0 - 1 3 9 の 領 域 に 由 来 す る ペ プ チ ド に よ り 供 さ れ る 。 Ferrariら 、 J. Cli
20
n. Invest. 88:222(1991)、 及 び 米 国 特 許 第 4,882,145号 を 参 照 の こ と ( そ れ ぞ れ 引 用 す る
こ と で 本 明 細 書 に 組 入 れ る ) 。 そ の 他 の T ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ は 、 例 え ば 配 列 Gln-Tyr-Il
e-Lys-Ala-Asn-Ser-Lys-Phe-Ile-Gly-Ile-Thr-Glu(QYIKANSKFIGITE)〔 Seq. ID No. 15〕
を 有 す る 破 傷 風 ト キ ソ イ ド 8 3 0 - 8 4 3 ; マ ラ リ ヤ サ ー カ ム ス ポ ロ ゾ イ ト 3 8 2 - 3 9 8 Lys-Ile-AlaLys-Met-Lys-Ala-Ser-Ser-Val-Phe-Asn-Val-Val-Asn-Ser(KIAKMEKASSVFNVVNS)〔 Seq. ID
No. 16〕 ; マ ラ リ ヤ サ ー カ ム ス ポ ロ ゾ イ ト 3 7 8 - 3 9 8 Asp-Ile-Glu-Lys-Lys-Ile-Ala-Lys-Met
-Lys-Ala-Ser-Ser-Val-Phe-Asn-Val-Val-Asn-Ser(DIEKKIAKMEKASSVFNVVNS)〔 Seq. ID No.
17〕 ; オ パ ル ブ ミ ン 3 2 3 - 3 3 6 Ile-Ser-Gln-Ala-Val-His-Ala-Ala-His-Ala-Glu-Ile-Asn-Gl
u〔 Seq. ID No. 35〕 及 び イ ン フ レ ン ザ エ ピ ト ー プ 3 0 7 - 3 1 9 Pro-Lys-Tyr-Val-Lys-Gln-AsnThr-Leu-Lys-Leu-Ala-Thr〔 Seq. ID No. 18〕 の よ う な ペ プ チ ド に よ り 供 さ れ る 。
30
好 ま し い 態 様 に お い て 、 本 発 明 の CTL誘 発 性 ペ プ チ ド は T ヘ ル パ ー ペ プ チ ド に 共 有 結 合 し
て い る 。 特 に 好 ま し く は 、 CTL誘 発 性 ペ プ チ ド / T ヘ ル パ ー コ ン ジ ュ ゲ ー ト は ス ペ ー サ ー
分 子 に よ っ て 連 結 さ れ て い る 。 他 方 、 CTLペ プ チ ド は ス ペ ー サ ー 抜 き で T ヘ ル パ ー ペ プ チ
ドに連結されていてよい。このスペーサーは典型的には比較的小さい中性分子、例えばア
ミノ酸又はアミノ酸擬態物であって、生理学的な条件のもとでは実質的に無電荷であり、
そして線形又は枝分れ側鎖を有しうるものを含んで成る。これらのスペーサーは典型的に
は 例 え ば Ala, Gly、 又 は そ の 他 の 非 極 性 ア ミ ノ 酸 も し く は 中 性 極 性 ア ミ ノ 酸 の 中 性 ス ペ ー
サ ー よ り 選 ば れ る 。 本 明 細 書 の 一 定 の 好 ま し い 態 様 に お い て 、 中 性 ス ペ ー サ ー は Alaで あ
る。任意的に存在するスペーサーは同じ残基より構成されている必要はなく、従ってヘテ
ロ−又はホモ−オリゴマーであってよいことが理解されるであろう。好ましい典型的なス
40
ペ ー サ ー は Alaの ホ モ − オ リ ゴ マ ー で あ る 。 存 在 し て い る な ら 、 こ の ス ペ ー サ ー は 通 常 は
少なくとも1又は2個の残基数、より通常には3∼6個の残基数であろう。別の態様にお
い て 、 該 ヘ ル パ ー ペ プ チ ド は CTLペ プ チ ド に コ ン ジ ュ ゲ ー ト さ れ て お り 、 好 ま し く は そ の
Tヘルパーペプチドはアミノ末端に位置している。このペプチドは中性リンカー、例えば
Ala-Ala-Ala等 に よ っ て 連 結 さ れ て い て よ く 、 そ し て 好 ま し く は 脂 質 残 基 、 例 え ば パ ル ミ
チ ン 酸 等 を 更 に 含 ん で お り ( 下 記 に 更 に 詳 し く 説 明 す る ) 、 そ れ ら は Lys残 基 の ア ル フ ァ
ー 及 び エ プ シ ロ ン ア ミ ノ 基 に 付 加 さ れ て お り ((PAM) 2 Lys)、 こ こ で こ の Lys残 基 は 典 型 的 に
は Ser-Ser結 合 等 を 通 じ て ペ プ チ ド コ ン ジ ュ ゲ ー ト の ア ミ ノ 末 端 に 付 加 さ れ て い る 。
CTL誘 発 性 ペ プ チ ド は CTLペ プ チ ド の ア ミ ノ 又 は カ ル ボ キ シ 末 端 の い づ れ か に 、 直 接 的 又 は
ス ペ ー サ ー を 介 し て の い づ れ か で T ヘ ル パ ー ペ プ チ ド に 連 結 さ れ て い て よ い 、 CTL誘 発 性
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ペプチド又はTヘルパーペプチドのいづれかのアミノ末端はアシル化されていてよい。更
に 、 CTLペ プ チ ド / T ヘ ル パ ー コ ン ジ ュ ゲ ー ト は 下 記 に 説 明 す る 通 り 、 1 又 は 複 数 の 連 結
残 基 、 例 え ば 、 Gly, Gly-Gly, Ser, Ser-Serを 介 し て 一 定 の ア ル カ ノ イ ル ( C 1 − C 2 0 )
脂質に連結されていてよい。
下 記 の 典 型 的 な 態 様 に お い て 、 実 質 的 に HBc 1 2 8 - 1 4 0 (Thr-Pro-Pro-Ala-Tyr-Arg-Pro-Pro-A
sn-Ala-Pro-Ile-Leu)〔 Seq. ID No. 19〕 内 に 由 来 す る T ヘ ル パ ー ペ プ チ ド は 、 CTLペ プ チ
ド (HBc18-27)に 連 結 し て い る と き 、 試 験 し た 全 て の 動 物 に お け る 動 物 の 特 異 的 な CTL感 作
を 誘 発 し 、 そ し て そ の レ ベ ル は 、 投 与 し た CTLペ プ チ ド と T ヘ ル パ ー ペ プ チ ド と が 連 結 さ
れ て い な い と き よ り も 高 か っ た 。 T ヘ ル パ ー 及 び CTL HBVペ プ チ ド が Ala-Ala-Alaス ペ ー サ
ー に よ り 連 結 さ れ て い る と き 、 そ の 特 異 的 な CTL活 性 は ス ペ ー サ ー 抜 き で 連 結 さ せ た ペ プ
10
チ ド に よ る 特 異 的 な CTL活 性 の 誘 発 よ り 高 い 。 こ れ ら の 結 果 は 、 免 疫 原 と し て 、 HBV T ヘ
ル パ ー エ ピ ト ー プ を 含 む ペ プ チ ド に ス ペ ー サ ー を 介 し て 連 結 さ れ て い る CTLエ ピ ト ー プ を
含 む ペ プ チ ド を 用 い た と き の 、 HBV抗 原 を 表 示 す る 細 胞 に 対 す る 強 い CTL応 答 を 示 唆 し て い
る。
本発明のペプチドは様々な方法で調製できる。その比較的短い長さのため、これらのペプ
チドは常用の技術に従って溶液中又は固相支持体上で合成されうる。様々な自動合成装置
が市販されており、そして公知のプロトコールに従って利用されうる。例えば、引用する
こ と で 本 明 細 書 に 組 入 れ る 、 Stewartと Young, Solid Phase Peptide Synthesis, 第 2 版 .,
Pierce Chemical Co.(1984);Tamら 、 J. Am. Chem. Soc . 105:6442(1983);Merrifield, Sc
ience 232:341-347(1986);及 び Baranyと Merrifield, The Peptides , Grossと Meienhofer,
20
編 ., Academic Press, New York, 頁 1-284(1979)を 参 照 の こ と 。
他 方 、 組 換 DNA技 術 を 利 用 す る こ と が で き 、 こ の 場 合 、 課 題 の CTLペ プ チ ド 及 び / 又 は T ヘ
ルパーペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現ベクターの中に挿入し、適当な宿主
細胞の中に形質転換又はトランスフェクトし、そして発現にとって適切な条件のもとで培
養する。これらの手順は当業界に一般的に知られており、開示内容を引用することで本明
細 書 に 組 入 れ て い る 、 例 え ば Sambrookら 、 Molecular Cloning, A Laboratory Manual , Co
ld Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York(1982)及 び Ausubelら 、 ( 編 ) C
urrent Protocols in Molecular Biology , John Wiley and Sons, Inc., New York(1987)
,並 び に 米 国 特 許 第 4,237,224、 4,273,875、 4,431,739、 4,363,877及 び 4,428,941号 に 記 載
されている。従って、本発明の1又は複数のペプチド配列を含んで成る融合タンパク質は
30
HBV細 胞 障 害 性 T 細 胞 決 定 基 を 供 す る よ う に 利 用 で き る 。 例 え ば 、 組 換 HBV表 層 抗 原 で あ っ
て 、 そ の HBenvア ミ ノ 酸 配 列 が 、 CTL応 答 を 刺 激 す る 本 明 細 書 に 記 載 の ペ プ チ ド 領 域 の エ ピ
トープをより効率的に提供するように変更されているものを調製する。このことは、複数
のT細胞エピトープを含むポリペプチドを利用することを意味する。
本 明 細 書 で 考 慮 し て い る 長 さ の ペ プ チ ド に 関 す る コ ー ド 配 列 は 化 学 的 技 法 、 例 え ば Matteu
cciら 、 J. Am. Chem. Soc . 103:3185(1981)の ホ ス ホ ト リ エ ス テ ル 法 に よ り 合 成 で き る の
で、天然ペプチド配列をコードするものについての適当な塩基の置換によって改質は簡単
に行うことができる。従って、コード配列に適当なリンカーを施し、そして当業界におい
て一般に入手できる発現ベクターへとリゲートせしめ、次いで所望の融合タンパク質を生
成するように適当な宿主を形質転換させるためにこのベクターを利用する。数多くのかか
40
るベクター及び適当な宿主系は現在入手できる。融合タンパク質の発現のためには、コー
ド配列に作動連結型開始及び停止コドン、プロモーター及びターミネーター領域、並びに
通常は所望の細胞宿主の中での発現のための発現ベクターを供する複製系が施されるであ
ろう。むろん、適当なベクター及びコントロール配列を利用して、酵母又は哺乳動物細胞
宿主を利用してもよい。
本 発 明 の ペ プ チ ド 並 び に そ の 薬 理 学 的 及 び ワ ク チ ン 的 組 成 物 は HBV感 染 症 を 処 置 及 び / 又
は 予 防 す る た め の 哺 乳 動 物 、 特 に ヒ ト へ の 投 与 に と っ て 有 用 で あ る 。 こ の ペ プ チ ド は HBV
感染細胞に対する細胞障害性Tリンパ球応答を刺激するように利用されるため、この組成
物 は 急 性 及 び / 又 は 慢 性 HBV感 染 症 を 処 置 又 は 予 防 す る の に 利 用 で き う る 。
薬 理 組 成 物 に 関 し て は 、 該 ペ プ チ ド 、 即 ち 上 記 し た 本 発 明 の CTLペ プ チ ド 又 は CTL/Lヘ ル パ
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ー ペ プ チ ド は HBVで 既 に 感 染 さ れ て い る 個 体 に 投 与 さ れ る で あ ろ う 。 感 染 の イ ン キ ュ ベ ー
ション段階又は急性段階にある者は、適宜、他の処置と独立して、又は一緒にこの免疫原
ペ プ チ ド に よ っ て 処 置 し て よ い 。 治 療 的 用 途 に お い て は 、 組 成 物 を HBVに 対 す る 効 果 的 な C
TL応 答 を 誘 発 す る 、 且 つ そ の 症 状 及 び / 又 は 合 併 症 を 治 す 又 は 少 な く と も 部 分 的 に 抑 制 す
るのに十分な量で患者に投与する。これを成し遂げるのに適切な量を「治療的に有効な量
」と定義する。この使用にとって有効な量は、例えばペプチド組成、投与方法、処置すべ
き疾患の段階及び重症度、患者の体重及び一般的な健康状態、かかり付けの医師の判断に
依存するであろうが、しかし一般的には初期免疫(即ち、治療的又は予防的投与)に関す
る 範 囲 は 70kgの 患 者 に 関 し て 約 1.0μ g ∼ 約 500μ g の ペ プ チ ド に 範 囲 し 、 患 者 の 血 液 に お
け る 特 異 的 な CTL活 性 の 測 定 に よ る 患 者 の 応 答 及 び 状 態 に 応 じ て 、 数 週 間 か ら 数 ヶ 月 に わ
10
た る ブ ー ス テ ィ ン グ 療 法 に 従 う 約 1.0μ g ∼ 約 100μ g の ペ プ チ ド の ブ ー ス テ ィ ン グ 投 与 が
それに続く。本発明のペプチド及び組成物は重症な疾患状態、即ち生命の脅かされている
又は潜在的に生命の脅かされている状況において一般に利用されうることを念願におかな
くてはならない。かかるケースにおいて、最少限の外生物質及びペプチドの比較的無毒な
性質の見地において、処置する医師がかなり大量のこれらのペプチド組成物を投与するこ
とが可能であり、且つ所望されうると思われる。
該組成物の一回又は数回の投与が、処置する医師により選ばれる投与レベル及びパターン
に従って実施されうる。あらゆる状況において、この薬理製剤は本発明の細胞障害性Tリ
ンパ球刺激ペプチドは患者を有効に処置するのに十分な量で供するべきである。
治 療 的 用 途 の た め 、 投 与 は HBV感 染 症 の 一 次 徴 候 で 始 め る か 、 又 は 急 性 感 染 症 の 場 合 は 診
20
断されたすぐ後に始めるべきであり、少なくとも症状が実質的に緩和するまで、更にはそ
の後一定期間にわたるブースティング投与を続ける。慢性感染症においては、負荷投与、
そ れ に 続 く ブ ー ス テ ィ ン グ 投 与 が 必 要 と さ れ う る 。 急 性 肝 炎 の 処 置 の 際 の HBVに 対 す る 効
果 的 な CTL応 答 の 誘 発 は 、 慢 性 肝 炎 、 HBVキ ャ リ ヤ ー 段 階 、 及 び 続 発 性 肝 細 胞 癌 へ の そ の 後
の進行の可能性を低くするであろう。
本発明の組成物による感染個体の処置は、急性感染個体における感染症の治癒を早めるこ
とができる。慢性感染症に進行し易い(又は予測される)個体にとって、該組成物は急性
から慢性感染症に至る進行を防ぐのための方法において特に有用である。例えば本明細書
に記載の通り、感受性個体が感染前又は中に同定されたとき、該組成物をその者を標的と
することができ、大量の人々への投与の必要性を小さくする。
30
該ペプチド組成物は慢性肝炎の処置のため、及びウィルス感染細胞を排除するようにキャ
リヤー免疫系を刺激するためにも利用できる。慢性肝炎を有する者は感染後約3∼6ヶ月
経て、ウィルスについての陽性を試験することにより同定できる。個体はその感染症の急
性 段 階 の 際 の 不 適 切 な CTL応 答 ( 又 は そ れ が な い こ と ) に よ っ て 慢 性 HBV感 染 症 に 進 行 し う
るため、細胞障害性T細胞応答を有効に刺激するのに十分なる、製剤中での免疫可能ペプ
チドの量及び投与態様を施すことが重要である。従って、慢性肝炎の処置のためには、代
表 的 な 投 与 量 は 一 回 の 投 与 当 り 、 70kgの 患 者 に と っ て 約 1.0μ g ∼ 約 500μ g 、 好 ま し く は
約 5 μ g ∼ 100μ g の 範 囲 に あ る 。 投 与 は 少 な く と も 臨 床 症 状 又 は 実 験 室 指 標 が 、 HBV感 染
症が排除又は実質的に緩和するまで、そしてその後もしばらく続けるべきである。免疫投
与、それに続く確立された間隔、例えば1∼4週間の間隔でのブースティング投与が、感
40
染症を治癒せしめるのに必要なだけ、可能としては長期にわたって必要とされる。慢性及
び キ ャ リ ヤ ー HBV感 染 症 の 処 置 の た め に は 、 CTLペ プ チ ド を 、 そ の 他 の HBV抗 原 、 例 え ば HBs
Agに 対 す る 免 疫 応 答 を 誘 発 す る そ の 他 の ペ プ チ ド 又 は タ ン パ ク 質 と 組 合 せ る こ と も 所 望
されうる。
本発明の別の態様において、慢性活性型肝炎は拮抗剤としての抗原性エピトープ類似体を
利 用 し て 処 置 す る 。 こ の 類 似 体 は 適 当 な MHCク ラ ス I 抗 原 に 結 合 す る が 、 し か し CTL活 性 化
及 び 増 殖 を 阻 止 し 、 従 っ て HBV感 染 化 肝 細 胞 及 び T 細 胞 媒 介 型 肝 炎 に 対 す る ダ メ ー ジ を 下
げ る 。 こ の ペ プ チ ド 拮 抗 剤 は CTLエ ピ ト ー プ ペ プ チ ド で あ っ て 、 例 え ば ア ミ ノ 酸 置 換 に よ
り 、 そ の ペ プ チ ド が ク ラ ス I MHC分 子 に 有 効 に 結 合 す る が 、 そ の エ ピ ト ー プ 特 異 的 T 細 胞
を刺激する能力が実質的に低められているように改質されているものを含んで成る。
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類 似 体 拮 抗 剤 は 少 な く と も 1 個 の HLAク ラ ス I エ ピ ト ー プ を 含 む よ う に ペ プ チ ド を 改 質 す
ることによって同定される。好ましい態様において、改質すべきペプチドはクラスI−制
限 型 CTLエ ピ ト ー プ を 含 ん で 成 る で あ ろ う 。 置 換 又 は そ の 他 の 特 定 の 改 質 を ペ プ チ ド に 導
入し、このペプチド類似体を次に無関係の抗原エピトープ、例えばインフレンザペプチド
の同じクラスI分子により制限されたインフレンザ−特異的T細胞クローンへの提供を阻
止 す る 能 力 に つ い て ス ク リ ー ン す る 。 例 え ば 本 明 細 書 に 記 載 の HLA-A2制 限 型 CTLペ プ チ ド
を 、 例 え ば 1 又 は 数 箇 所 の 置 換 に よ り 改 質 し 、 次 い で HLA-A2に よ り 制 限 さ れ た イ ン フ レ ン
ザ − 特 異 的 T 細 胞 ク ロ ー ン へ の HLA-A2− 制 限 型 イ ン フ レ ン ザ CTLマ ト リ ッ ク ス ペ プ チ ド (
例 え ば 56-58) の 提 供 を 阻 止 す る 能 力 に つ い て 試 験 す る 。 拮 抗 類 似 体 は 、 抗 原 提 供 細 胞 /
標的細胞を、刺激用量の抗原性ペプチドに暴露せしめた後に拮抗ペプチドに暴露したとき
10
に、T細胞増殖及び/又は細胞障害活性を阻害するであろう。本発明の拮抗類似体は例え
ば 米 国 特 許 第 4,882,145号 及 び Ferrariら 、 J. Clin. Invenst 、 前 掲 、 に 記 載 さ れ て い る も
の を 含 む 様 々 な HBVク ラ ス I エ ピ ト ー プ に 対 し て 同 定 さ れ う る 。
治療的処置のための該薬理組成物は非経口、塗布、経口又は局所投与を意図している。好
ましくは、該薬理組成物は非経口的に、例えば静脈内的、皮下的、経皮的又は筋肉内的に
投与される。従って、本発明は、許容されている担体、好ましくは水性担体の中に溶かさ
れ て い る 、 又 は 懸 濁 さ れ て い る CTL刺 激 性 ペ プ チ ド の 溶 液 を 含 ん で 成 る 非 経 口 投 与 用 組 成
物 を 提 供 す る 。 様 々 な 水 性 担 体 、 例 え ば 水 、 緩 衝 水 、 0.4% の 食 塩 水 、 0.3% の グ リ シ ン 、
ヒアルロン酸等が利用されうる。これらの組成物は常用の公知の滅菌技術で滅菌されうる
か、又は滅菌濾過されてよい。得られる水性溶液はそのまま利用されるように包装されう
20
るか、又は凍結乾燥され、凍結乾燥調製品は投与前に滅菌溶液と組合せる。この組成物は
適 当 な 生 理 学 的 条 件 に す る の に 必 要 な 薬 理 学 的 に 許 容 さ れ て い る 補 助 剤 、 例 え ば pH調 整 及
び緩衝剤、等張性調節剤、湿潤剤等、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエ
タノールアミン等を含んでよい。
あ る 態 様 に お い て は 、 こ の 薬 理 組 成 物 の 中 に CTLを 感 作 せ し め る 少 な く と も 一 成 分 を 含 ま
せ る こ と が 所 望 さ れ う る 。 脂 質 は イ ン ビ ボ で ウ ィ ル ス 抗 原 に 対 し て CTLを 感 作 せ し め る こ
と の 可 能 な 試 薬 と し て 同 定 さ れ て い る 。 例 え ば 、 パ ル ミ チ ン 酸 残 基 を Lys残 基 の ア ル フ ァ
ー及びエプシロン残基に付加し、次いで例えば典型的には1又は複数の連結残基、例えば
Gly, Gly-Gly-, Ser, Ser-Ser等 を 介 し て 、 ク ラ ス I − 制 限 型 CTLエ ピ ト ー プ を 含 ん で 成 る
30
合成ペプチドに連結させてよい。本明細書で更に説明する通り、この脂質化ペプチドは次
にアジュバント、例えば不完全フロインドアジュバントの中に乳濁しておいたリポソーム
の中に一体化させることができる。好ましい態様において、特に有効な免疫原は、T細胞
決定基、例えば本明細書に記載のようなペプチド、及びかかる決定基を有するものとして
同定されたその他のペプチドを有するクラスI制限型ペプチドのアミノ末端に、連結基、
例 え ば Ser-Serを 介 し て 付 加 さ れ て い る Lysの ア ル フ ァ ー 及 び エ プ シ ロ ン ア ミ ノ 基 に 付 加 さ
れているパルミチン酸を含んで成る。
CTL応 答 を 感 作 す る 脂 質 の 他 の 例 と し て の E . コ リ ( E. coli) リ ポ タ ン パ ク 質 、 例 え ば ト リ
パ ル ミ ト イ ル − S − グ リ セ リ ル シ ス テ イ ニ ル − セ リ ル − セ リ ン (P 3 CSS)が 、 適 当 な ペ プ チ
ド と 共 有 結 合 さ せ と き に 、 特 異 的 CTLを 感 作 せ し め る の に 利 用 で き る 。 引 用 す る こ と で 本
40
明 細 書 に 組 入 れ る Deresら 、 Nature 342:561-564(1989)を 参 照 の こ と 。 本 発 明 の ペ プ チ ド
は 例 え ば P 3 CSSに カ ッ プ ル さ せ て よ く 、 そ し て HBVに 対 す る CTL応 答 を 特 異 的 に 感 作 せ し め
るように個体にこのリポペプチドを投与する。更に、中和抗体の誘発も、適当なエピトー
プ 、 例 え ば HBs Agエ ピ ト ー プ を 表 示 す る ペ プ チ ド に コ ン ジ ュ ゲ ー ト さ れ た P 3 CSSで 感 作 さ
れ る た め 、 HBV感 染 症 、 に 対 す る 体 液 性 及 び 細 胞 媒 介 型 応 答 を 共 に よ り 有 効 的 に 誘 発 せ し
め る よ う に こ の 二 つ の 組 成 物 を 組 合 せ て よ い 。 CTL応 答 を 感 作 す る 脂 質 の 更 な る 例 は 、 CTL
/T ヘ ル パ ー − ペ プ チ ド − コ ン ジ ュ ゲ ー ト を 、 適 当 な カ ル ボ ン 酸 無 水 物 を 介 し て 酢 酸 か ら
ステアリン酸に至る範囲の種々の鎖長及び不飽和度の無荷電脂肪酸残基、並びに陰荷電ス
クシニル残基にコンジュゲートすることによって成し遂げられる。
様 々 な そ の 他 の 抗 原 に 対 す る CTL応 答 は 、 CTL誘 発 性 ペ プ チ ド / T ヘ ル パ ー 誘 発 性 ペ プ チ ド
50
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コ ン ジ ュ ゲ ー ト を 脂 質 と 組 合 せ る こ と に よ っ て 高 め る こ と が で き る 。 こ の CTL誘 発 性 ペ プ
チ ド は 、 標 的 タ ン パ ク 質 、 例 え ば と り わ け 腎 細 胞 癌 、 乳 癌 、 癌 胎 児 性 抗 原 、 黒 色 腫 (MAGE1)抗 原 、 前 立 腺 癌 特 異 的 抗 原 (PSA)、 C 型 肝 炎 抗 原 、 エ プ ス テ イ ン バ ー ウ ィ ル ス 抗 原 、 HIV
-1及 び HIV-2抗 原 、 並 び に パ ピ ロ マ ウ ィ ル ス 抗 原 か ら 選 ば れ う る 。 脂 質 は 、 T ヘ ル パ ー エ
ピ ト ー プ を 供 し 、 脂 質 と 組 合 さ れ る そ の 他 の ペ プ チ ド に 連 結 さ れ て い て よ い 。 CTL誘 発 性
ペプチド/Tヘルパーペプチド/脂質を含んで成るコンジュゲートの成分の配列は変えて
よ い 。 あ る 場 合 、 脂 質 成 分 を CTL誘 発 性 ペ プ チ ド の ア ミ ノ 末 端 に 連 結 さ せ 、 次 に そ の カ ル
ボキシ末端においてTヘルパーペプチドに連結させてよい。別の場合、脂質をTヘルパー
ペプチドのアミノ末端に連結させ、このTヘルパーペプチドをそのカルボキシ末端におい
て CTL誘 発 性 ペ プ チ ド に 連 結 さ せ て よ い 。 ど ち ら の ケ ー ス で も 、 脂 質 成 分 と CTL又 は T ヘ ル
10
パ ー ペ プ チ ド と の 間 に 、 及 び T ヘ ル パ ー と CTL誘 発 性 ペ プ チ ド と の 間 に ス ペ ー サ ー 分 子 を
選 択 的 に 挿 入 し て よ い 。 脂 質 と T ヘ ル パ ー 又 は CTL誘 発 性 ペ プ チ ド と の 間 の ス ペ ー サ ー の
場 合 、 好 ま し い 例 は Lys-Ser-Serを 含 ん で 成 る が 、 他 の ス ペ ー サ ー も 本 明 細 書 に 記 載 し て
あ る 。 T ヘ ル パ ー と CTL誘 発 性 ペ プ チ ド と の 間 の ス ペ ー サ ー の 例 は Ala-Ala-Alaで あ り 、 本
明 細 書 に 更 に 詳 し く 述 べ て あ る 。 CTL誘 発 性 ペ プ チ ド は HBcも し く は HBs領 域 、 又 は 前 記 し
た 他 の CTL誘 発 性 抗 原 に 由 来 し う る 。
薬 理 製 剤 中 の 本 発 明 の CTL刺 激 ペ プ チ ド の 濃 度 は 広 範 囲 、 即 ち 約 1 重 量 % 以 下 、 通 常 は 少
な く と も 約 10重 量 % か ら 、 20∼ 50重 量 % 以 上 に わ た る こ と が で き 、 そ し て そ れ は 主 と し て
流体容量、粘度に応じて、選ばれた投与の特定の態様に従って選択されるであろう。
静 脈 内 点 滴 の た め の 典 型 的 な 薬 理 組 成 物 は 250mlま で の 滅 菌 リ ン ガ ー 溶 液 及 び 100mgの ペ プ
20
チドを含むように作られていることができる。非経口投与用化合物を調製するための実際
の方法は当業者に公知又は明らかであり、そして例えば引用することで本明細書に組入れ
る Remington's Pharmaceutical Science , 第 17版 、 Mack Publishing Campany, Easton, P
A(1985)に よ り 詳 し く 説 明 し て あ る 。
本発明のペプチドはリポソームを介して投与してもよく、これは該ペプチドを特定の組織
、 例 え ば リ ン パ 系 組 織 を 標 的 と す る よ う に 働 か さ せ る か 、 又 は HBV感 染 化 肝 細 胞 を 特 異 的
に標的化させ、更には該ペプチド組成物の半減期を長期化する。リポソームには、エマル
ション、フォーム、ミセル、不溶性単層、液晶、リン脂質分散体、層板の層、等が含まれ
る、このような調製物の中に、導入すべきペプチドはリポソームの一部として、単独で、
あるいは例えばリンパ系細胞にわたって広がっているレセプターに結合する分子、例えば
30
CD45抗 原 に 結 合 す る 抗 体 と 一 緒 に 、 又 は そ の 他 の 治 療 用 も し く は 免 疫 原 組 成 物 と 一 緒 に 含
まれている。これによって、本発明の所望のペプチドの詰まっているリポソームはリンパ
系細胞の部位に導かれることができ、そこでこのリポソームは特定の治療用/免疫原ペプ
チド組成物を導入せしめる。本発明において利用するためのリポソームは標準の小胞形成
用脂質から作られ、これらには一般に中性及び陰性荷電リン脂質、並びにステロール、例
えばコレステロールが含まれる。脂質の選別は一般に、例えばリポソームのサイズ及び血
流中でのリポソームの安定性を考慮して決められる。リポソームを調製するための様々な
方 法 が 有 用 で あ り 、 例 え ば 引 用 す る こ と で 本 明 細 書 に 組 入 れ る Szokaら 、 Ann. Rev. Bioph
ys. Bioeng. 9:467(1980)、 米 国 特 許 第 4,235,871、 4,501,728、 4,837,028及 び 5,019,369
号に記載されている。免疫細胞を標的とするためのリポソームの中に含ませるべきリガン
40
ドには例えば所望の免疫系細胞の細胞表層決定基に特異的な抗体又はそのフラグメントが
含まれる。ペプチドを含んでいるリポソーム懸濁物は、静脈内的に、局所的に、塗布的に
、等により、とりわけ投与方法、導入すべきペプチド、及び処置すべき疾患の段階に従っ
て変わる投与量において投与できる。
固体組成物に関しては、常用の無毒固形担体を利用することができ、これには例えば薬理
学グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカ
リンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム等
が含まれる。経口投与のためには、薬理学的に許容されている無毒な組成物を、任意の通
常 利 用 さ れ て い る 賦 形 剤 、 例 え ば 前 述 し た 担 体 と 、 一 般 に 10∼ 95% 、 そ し て よ り 好 ま し く
は 25% ∼ 75% の 濃 度 の 活 性 成 分 、 即 ち 本 発 明 の 1 又 は 複 数 種 の ペ プ チ ド と を 一 体 化 さ せ る
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ことによって形成する。
エ ア ゾ ー ル 投 与 の た め に は 、 該 CTL刺 激 性 ペ プ チ ド を 界 面 活 性 剤 及 び 噴 射 剤 に 、 細 く 分 割
し た 状 態 で 供 給 す る こ と が 好 ま し い 。 ペ プ チ ド の 典 型 的 な パ ー セ ン テ ー ジ は 0.01∼ 20重 量
% 、 好 ま し く は 1 ∼ 10重 量 % と す る 。 こ の 界 面 活 性 剤 は 当 然 無 毒 で な く て は な ら ず 、 そ し
て こ の 噴 射 剤 中 で 可 溶 性 で あ る こ と が 好 ま し い 。 か か る 試 薬 の 代 表 例 は 6 ∼ 22個 の 炭 素 原
子を含む脂肪酸のエステル又は部分エステル、例えば脂肪族多価アルコール又はその環状
無水物を有するカプロン酸、オクタノン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
リノール酸、リノレン酸、オレステリン酸及びオレイン酸である。複合エステル、例えば
複 合 さ せ た 、 又 は 天 然 の グ リ セ リ ド も 利 用 で き う る 。 こ の 界 面 活 性 剤 は 該 組 成 物 の 0.1∼ 2
0重 量 % 、 好 ま し く は 0.25∼ 5 重 量 % を 占 め る 。 該 組 成 物 の 残 り は 通 常 噴 射 剤 と す る 。 必
10
要ならば担体も、例えば経鼻導入のためのレシチンと一緒に含ませてよい。
別の観点において、本発明はワクチンに向けられ、これは免疫学的に有効な量の本明細書
に 記 載 の CTL刺 激 性 ペ プ チ ド を 活 性 成 分 と し て 含 ん で い る 。 こ の ペ プ チ ド は そ の 担 体 に 結
合した状態で、又は活性ペプチド単位のホモポリマーもしくはヘテロポリマーとしてヒト
を含む宿主に導入してよい。かかるポリマーは強い免疫反応の長所を有し、そしてポリマ
ー を 作 る た め に 異 な る ペ プ チ ド を 利 用 し た と き 、 HBVの 様 々 な 抗 原 決 定 部 位 と 反 応 す る 抗
体及び/又は細胞障害T細胞を誘発せしめる追加の能力を有する。有用な担体は当業界に
公知であり、そして例えばサイログロブリン、アルブミン、例えばヒト血清アルブミン、
破傷風トキソイド、ポリアミノ、例えばポリ(D−リジン:D−グルタミン酸)、インフ
レンザ、B型肝炎ウィルスコアタンパク質、B型肝炎ウィルス組換ワクチン等が含まれる
20
。このワクチンは生理学的に寛容(許容)されている希釈剤、例えば水、リン酸緩衝食塩
水、又は食塩水をも含んでよく、そして更に典型的にはアジュバントを含む。アジュバン
ト、例えば不完全フロインドアジュバント、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム又
は み よ う ば ん が 当 業 界 に 公 知 な 材 料 で あ る 。 更 に 、 前 述 し た 通 り 、 CTL応 答 は 本 発 明 の ペ
プ チ ド を 脂 質 、 例 え ば P 3 CSSに コ ン ジ ュ ゲ ー ト せ し め る こ と に よ っ て 感 作 さ れ う る 。 本 明
細書に記載のペプチド組成物による注射、エアゾール、経口、経皮又はその他のルートを
介 す る 免 疫 化 に よ り 、 宿 主 の 免 疫 系 は HBV表 層 及 び / 又 は ヌ ク レ オ カ ス ピ ド 抗 原 に 特 異 的
な 大 量 の CTLを 生 成 せ し め る こ と に よ っ て こ の ワ ク チ ン に 応 答 し 、 そ し て こ の 宿 主 は HBV感
染 症 に 対 し て 少 な く と も あ る 程 度 免 疫 化 さ れ る か 、 又 は 慢 性 HBV感 染 症 の 進 行 に 対 し て 耐
性となる。
30
本 発 明 の ペ プ チ ド を 含 む ワ ク チ ン 組 成 物 は 、 HBV感 染 症 の 感 受 性 で あ る か 又 は そ う で な け
ればその危険性にある患者に、その患者自身の免疫応答能力を高めるように投与する。そ
の量は「免疫学的に有効な投与量」と定義する。この利用において、その正確な量も、患
者 の 健 康 状 態 及 び 体 重 、 投 与 方 法 、 製 剤 の 種 類 、 等 に 依 存 し 、 し か し な が ら 一 般 に は 70kg
の 患 者 当 り 役 1.0μ g ∼ 約 500μ g 、 よ り 一 般 的 に は 70kgの 体 重 当 り 約 50μ g ∼ 約 100μ g
mgに 範 囲 す る 。 該 ペ プ チ ド は 適 宜 の HLA型 の 個 体 に 投 与 さ れ 、 例 え ば ペ プ チ ド HBenv 3 0 9 328
、 HBenv 3 4 9 - 3 6 8 及 び HBc 9 1 - 1 1 0 の ワ ク チ ン 組 成 物 に つ い て は 、 HLA-A2個 体 に 投 与 さ れ る
であろう。
あ る 状 況 に お い て 、 本 発 明 の ペ プ チ ド ワ ク チ ン を 、 HBV、 特 に HBVエ ン ベ ロ ー プ 抗 原 、 例 え
ば 組 換 HBV env − コ ー ド 化 抗 原 に 応 答 す る 中 和 抗 体 を 誘 発 す る ワ ク チ ン と 、 又 は HBV-感 染
40
化個体より獲得した精製血漿調製品から調製したワクチンと組合せることが所望されうる
。 様 々 な HBVワ ク チ ン 調 製 品 が 述 べ ら れ て お り 、 そ し て そ れ ら は HBs Ag及 び そ の ポ リ ペ プ
チドフラグメントを主として基礎とする。本発明のペプチドと一緒に配合できるワクチン
の 例 に つ い て は 、 そ れ ぞ れ 引 用 す る こ と で 本 明 細 書 に 組 入 れ る ヨ ー ロ ッ パ 特 許 公 開 EP 154
,902及 び EP 291,586、 並 び に 米 国 特 許 第 4,565,697、 4,624,918、 4,599,230、 4,599,231、
4,803,164、 4,882,145、 4,977,092、 5,017,558及 び 5,019,386号 を 参 照 の こ と 。 こ れ ら の
ワクチンは組合せて一緒に投与するか、又は別の調製品として投与してよい。
治療的又は免疫的目的のため、本発明のペプチドは弱毒化ウィルス宿主、例えば痘疹又は
鶏痘によって発現されることもできる。このアプローチは痘疹ウィルスを、本発明のペプ
チド又はコンジュゲートをコードするヌクレオチド配列を発現せしめるベクターとして利
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用 す る こ と を 包 括 す る 。 急 性 又 は 慢 性 HBV感 染 宿 主 へ の 、 又 は 非 感 染 宿 主 へ の 導 入 に よ り
、 こ の 組 換 痘 疹 ウ ィ ル ス は HBs及 び / 又 は HBcペ プ チ ド を 発 現 し 、 そ し て こ れ に よ り HBVに
対 す る 宿 主 CTL応 答 が 誘 発 さ れ る 。 免 疫 プ ロ ト コ ー ル に お い て 有 用 な 痘 疹 ベ ク タ ー 及 び 方
法 は 例 え ば 引 用 す る こ と で 本 明 細 書 に 組 入 れ る 米 国 特 許 第 4,722,848号 に 記 載 さ れ て い る
。 他 の ベ ク タ ー は BCG( カ ル メ ッ ト ゲ ラ ン 桿 菌 ) で あ る 。 BCGベ ク タ ー は 引 用 す る こ と で 本
明 細 書 に 組 入 れ る Stoverら ( Nature 351:456-460(1991))に 記 載 さ れ て い る 。 本 発 明 の ペ プ
チドの治療用投与又は免疫化にとって広範囲にわたる様々な他のベクター、例えばサルモ
ネ ラ チ フ ィ ( Salmonella typhi) ベ ク タ ー 等 が 有 用 で あ る こ と が 、 本 明 細 書 に よ り 当 業 者
にとって明らかとなるであろう。
該ペプチドは診断試薬としての有用性も見い出された。例えば、本発明のペプチドは該ペ
10
プチド又は関連のペプチドを利用する処置療法に対する特定の個体の感受性を決定するた
めに利用でき、従って現存の処置プロトコールを改良するうえで、又は冒された個体にと
っ て の 予 後 を 決 定 す る う え で 役 立 ち う る 。 更 に 、 該 ペ プ チ ド は 慢 性 HBV感 染 に 進 行 す る 実
質的な危険性にある個体を予測するのにも利用できうる。
下記の実施例は例示のために提供し、限定するものではない。
実施例I
CTL-特 異 的 HBVエ ピ ト ー プ の 同 定
マ ウ ス − ヒ ト キ メ ラ ク ラ ス I 分 子 を 発 現 す る 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス 系 列 を 、 HBVコ ア 、 及 び C
TL特 異 的 エ ピ ト ー プ を 表 わ す 表 層 抗 原 配 列 を 決 定 す る た め に 用 い た 。
Scripps Clinic and Research Foundationよ り 獲 得 し た 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス 系 列 66は 、 ヒ ト
20
b
HLA-A2.1抗 原 の α 1 及 び α 2 ド メ イ ン と 、 H-2K の α 3 ト ラ ン ス メ ン ブ ラ ン 及 び 細 胞 質 ド
メインとより成るキメラクラスI分子を発現する。遺伝子導入マウスは、引用することで
本 明 細 書 に 組 入 れ る Vitielloら 、 J. Exp. Med. 173:1007-1015(1991)に 一 般 に 記 載 の 通 り
に調製した。これらのマウスをインビボでインフレンザウィルスで感作せしめたとき、そ
れ ら は ヒ ト イ ン フ レ ン ザ − 特 異 的 CTLに よ り 認 識 さ れ る も の と 事 実 上 同 じ エ ピ ト ー プ に 特
異 的 な CTL応 答 を 発 生 せ し め た 。 従 っ て 、 こ れ ら の 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス は ヒ ト T 細 胞 に よ り
認 識 さ れ る HBVエ ピ ト ー プ を 決 定 す る の に 利 用 す る こ と が で き た 。
HBV表 層 及 び コ ア タ ン パ ク 質 の う ち の ど の 配 列 領 域 が CTLエ ピ ト ー プ を 示 し て い る か を 決 定
す る た め 、 こ れ ら の 2 つ の タ ン パ ク 質 に 由 来 す る 合 成 ペ プ チ ド を 作 り 、 そ し て ヒ ト HLA-A2
.1に 結 合 す る そ の 能 力 に つ い て 試 験 し た 。 結 合 は 、 イ ン フ レ ン ザ マ ト リ ッ ク ス ペ プ チ ド 57
30
-68の 存 在 下 で の CTL系 列 219に よ る A2.1標 的 細 胞 の 認 識 を 阻 害 す る 様 々 な ペ プ チ ド 濃 度 の
相対能力により決定し、それは細胞からのセリンエステラーゼの放出の阻害によって決定
し た 。 こ の 219系 列 は A2.1遺 伝 子 マ ウ ス に 由 来 し 、 そ し て HLA-A2.1内 の マ ト リ ッ ク ス ペ プ
チ ド 57-68に 特 異 的 で あ る 。
簡 単 に 述 べ る と 、 CTLエ ピ ト ー プ に つ い て ア ッ セ イ す る ペ プ チ ド を DMSOの 中 に 20mg/ mlの
濃 度 で 溶 か す 。 ア ッ セ イ の 直 前 に 、 ペ プ チ ド を 2 5 μ M の Hepesで 緩 衝 さ れ 、 そ し て 0.05
% の BSAを 含 む RPMI 1640( ア ッ セ イ 培 地 ) の 中 に 希 釈 す る 。 200μ g / ml, 66μ g / ml又
5
は 22μ g / mlの ペ プ チ ド 溶 液 50μ l を 、 50μ l の 容 量 ア ッ セ イ 培 地 中 に 4 × 10 の ジ ャ ー
b
カ ッ ト A2.1/K 細 胞 を 含 ん で い る 96穴 丸 底 プ レ ー ト の ウ ェ ル に 加 え る 。 こ の プ レ ー ト を 37
℃ で 30min.イ ン キ ュ ベ ー ト す る 。 次 に 指 標 ペ プ チ ド ( PR8 イ ン フ レ ン ザ ウ ィ ル ス 由 来 の マ
ト リ ッ ク ス ペ プ チ ド 57-68) の 2.5μ g / mlの 溶 液 50μ l を こ の 細 胞 に 加 え 、 続 い て 5 × 10
4
の 系 列 219 CTLを 含 む も の 50μ l を 加 え 、 こ こ で 利 用 し た 指 標 ペ プ チ ド の 濃 度 は 、 こ の ペ
プ チ ド の 力 価 に よ り 決 定 さ れ る 、 CTL 219か ら の 75% の セ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ の 放 出 を 誘 発
す る よ う な 濃 度 と す る 。 37℃ で 4 時 間 の イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン の 後 、 プ レ ー ト を 1000 RPMで
5 分 遠 心 し 、 そ し て 20μ l の 上 清 液 を 平 底 96穴 プ レ ー ト に 移 し た 。 上 清 液 中 の エ ス テ ラ ー
ゼ 活 性 を 、 0.2M の ト リ ス HCl pH8.1, 2.0× 10
-4
のN−ベンジルオキシカルボニル−L−
リ ジ ン チ オ ベ ン ジ ル エ ス テ ル (BLT)及 び 2.2× 10
-4
Mのジチオビス(ニトロ安息香酸)よ
り 成 る 反 応 混 合 物 180μ l を 加 え て 測 定 す る 。 プ レ ー ト を 37℃ で 1 時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し
、 そ し て 412nmの 吸 光 値 を 測 定 す る 。 パ ー セ ン ト 阻 害 は 下 記 の 式 よ り 計 算 す る :
40
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A2.1に 結 合 し 、 且 つ 細 胞 に よ る 24% よ り 多 く の セ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ 放 出 を 起 こ さ せ る ペ プ
チ ド を 、 イ ン ビ ト ロ で 、 HBV感 作 A2.1遺 伝 子 導 入 マ ウ ス に 由 来 す る 脾 細 胞 か ら の CTL応 答 を
再 刺 激 せ し め る 能 力 に つ い て ア ッ セ イ 化 し た 。 (Sette, A. ら 、 J.Immunol . 147:3893(199
1))。 HBV感 作 は 、 Carboneと Bevan, J. Exp. Med . 171:377-387(1990)に 記 載 の 通 り に HBVウ
ィ ル ス の 「 負 荷 」 さ れ て い る A2.1脾 臓 細 胞 を 注 射 す る こ と に よ っ て 実 施 し た 。
簡 潔 す る と 、 赤 血 球 除 去 脾 細 胞 を 、 200μ l の HBV精 製 ウ ィ ル ス 及 び 200μ l の 2Xの 高 張 溶
液 ( 0.5M の ス ク ロ ー ス 、 10% w / v の ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル 1000, 10mMの Hepes, pH7.
10
2, RPMI 1640培 地 中 ) よ り 成 る 溶 液 0.4mlの 中 に 、 37℃ で 10分 懸 濁 し た 。 こ の 細 胞 懸 濁 物
を 次 に 予 め 温 め て お い た 高 張 培 地 ( 60% の HBSS及 び 40% の 水 ) の 中 に す 早 く 希 釈 し 、 37℃
で 2 分 イ ン キ ュ ベ ー ト し 、 ペ レ ッ ト 化 し 、 HBSSで 2 回 洗 い 、 そ し て 照 射 せ し め た (1,000ra
6
d)。 次 に マ ウ ス に 200μ l の 容 量 中 の 5.0× 10 の 負 荷 細 胞 を 注 射 し た 。 10日 後 、 マ ウ ス HBV
-負 荷 脾 臓 細 胞 で ブ ー ス ト に 付 し た 。
6
約 2 週 間 後 、 感 作 マ ウ ス 由 来 の 脾 臓 細 胞 ( 24穴 プ レ ー ト に お い て 5 × 10 細 胞 / ウ ェ ル )
を 13種 の 異 な る ペ プ チ ド で 個 別 に コ ー ト さ れ て い る 同 系 照 射 化 (3000rad)LPS芽 細 胞 ( 2 ×
6
10 細 胞 / ウ ェ ル ) の 4 種 の 異 な る 混 合 物 と 一 緒 に 培 養 し た 。 コ ー テ ィ ン グ は 、 チ ュ ー ブ
6
の 中 の 25× 10 の LPS芽 細 胞 の ア リ コ ー ト を 、 1 ml中 の 13種 の HBP合 成 ペ プ チ ド の う ち の い
づ れ か 100μ g と 共 に 、 37℃ で 1 ∼ 2 hrイ ン キ ュ ベ ー ト と す る こ と に よ っ て 行 っ た 。 次 に
20
それぞれのチューブの中身をプールして4種の混合物を得た。
30
40
細胞の混合物を一回洗い、所望の濃度に希釈し、そしてプレートに付した。培養のために
用 い た 培 養 は 、 10% の FCS、 50μ g / mlの ゲ ン タ マ イ シ ン 、 2 mMの グ ル タ ミ ン 及 び 5 × 10
5
-
M の 2 − メ ル カ プ ト エ タ ノ ー ル の 添 加 し た RPMI 1640(R10)で あ る 。 9 日 後 、 エ フ ェ ク タ
ー細胞を、培養物中において用いたものに対応する種々のペプチド混合物の存在下におい
b
て 、 ジ ャ ー カ ッ ト A 2 /K 標 的 細 胞 に 対 す る 細 胞 障 害 性 に つ い て ア ッ セ イ し た 。 得 ら れ た 結
果 を 図 1 、 パ ネ ル A ∼ D に 示 し た 。 こ れ ら の 培 養 物 か ら 得 た エ フ ェ ク タ ー 細 胞 ( 0.2× 10
6
50
(19)
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b
細 胞 / ウ ェ ル ) を 、 照 射 に 付 し た (20,000rad)ペ プ チ ド コ ー ト 化 ジ ャ ー カ ッ ト A 2 /K 細 胞 (
6
0.2× 10 細 胞 / ウ ェ ル ) に よ っ て 、 5 % の ラ ッ ト ConA上 清 液 の 添 加 さ れ た R10中 で 、 3 × 1
6
0 フ ィ ー ダ ー 細 胞 / ウ ェ ル ( C57 BL/6照 射 化 脾 臓 細 胞 ) の 存 在 下 で 再 刺 激 せ し め た 。 6 日
後 、 こ れ ら の エ フ ェ ク タ ー 細 胞 を 13種 の 個 々 の ペ プ チ ド の 存 在 下 で
51
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ
b
ッ ト A 2 /K 標 的 細 胞 に 対 す る 細 胞 障 害 性 に つ い て ア ッ セ イ し た 。 バ ッ ク グ ラ ン ド よ り 高 い
b
ジ ャ ー カ ッ ト A 2 /K 標 的 細 胞 の CTL溶 解 を 誘 発 せ し め た ペ プ チ ド ( 図 1 の E ∼ H ) 、 即 ち 、
HBenv 47-63、 HBc 11-27( パ ネ ル E ) 、 HBenv 141-157、 HBenv 194-213、 HBc 91-110( パ
ネ ル F ) 、 HBenv 329-348及 び 349-368( パ ネ ル G ) 、 並 び に HBenv 309-328( パ ネ ル H )
をそれぞれ、ペプチド混合物により発生するエフェクター細胞を再刺激するために用いた
。培養物中で6日後、これらのエフェクター細胞を再刺激のために用いたペプチドの存在
下で、
51
10
b
Crジ ャ ー カ ッ ト A 2 /K 細 胞 に 対 す る 細 胞 障 害 性 に つ い て 試 験 し た ( 図 1 ) 。 本 実
施 例 で 概 略 し た 一 連 の 実 験 は 、 HBVペ プ チ ド HBc 11-27( 図 1 パ ネ ル A , E ; 図 2 パ ネ ル J
) HBc 91-110( 図 1 パ ネ ル B , F ; 図 2 パ ネ ル M ) 、 HBenv 329-348( 図 1 パ ネ ル C , G
; 図 2 パ ネ ル N ) HBenv 349-368( 図 1 パ ネ ル C , G ; 図 2 パ ネ ル O ) 及 び HBenv 309-328
( 図 1 パ ネ ル D , H ; 図 2 パ ネ ル P ) が は っ き り と CTLエ ピ ト ー プ を 提 供 し て い る こ と を
我々に決定させた。
実 施 例 II
不 完 全 フ ロ イ ン ド ア ジ ュ バ ン ト (IFA)中 の 精 製 HBVに よ る 皮 下 感 作 に よ る A2.1− 制 限 型 CTL
の誘発
皮 下 的 な IFA中 の オ バ ル ミ ン (OVA)の 注 射 は 、 マ ウ ス に お け る オ バ ル ミ ン − 特 異 的 CTL応 答
20
を 誘 発 し 、 一 方 、 i. v. 又 は i. p. の い づ れ か に よ る OVAの 注 射 は CTLの 発 生 を 一 般 的 に も
た ら さ な い 。 こ の 技 術 を 、 A2.1遺 伝 子 導 入 マ ウ ス 中 で の HBV特 異 的 CTLの 誘 発 に 利 用 し た 。
b
感 作 及 び イ ン ビ ト ロ 再 刺 激 : A2.1/K 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス に 、 不 完 全 フ ロ イ ン ド ア ジ ュ バ ン
ト (IFA)中 の 精 製 HBVウ ィ ル ス の エ マ ル シ ョ ン 100μ l を 注 射 し た 。 こ の エ マ ル シ ョ ン は HBS
Sの 中 で 1 : 5 に 希 釈 し た 精 製 HBV( 1 mgの タ ン パ ク 質 / ml) を 、 等 容 量 の IFAと 混 合 す る
こ と に よ っ て 調 製 し た 。 感 作 の 7 日 後 、 こ れ ら の 動 物 か ら 獲 得 し た 脾 細 胞 ( 24穴 プ レ ー ト
6
中 、 5 × 10 細 胞 / ウ ェ ル ) を 下 記 の ペ プ チ ド そ れ ぞ れ で コ ー ト さ れ た 同 系 照 射 化 LPS芽 細
6
胞 ( 2 × 10 / ウ ェ ル ) で 再 刺 激 し た :
799.09 HBenv 329-348 802.03 HBc 91-110
875.20 HBenv 335-343 883.02 HBc 92-101
30
875.21 HBenv 338-347 883.03 HBc 93-102
799.10 HBenv 349-368 875.15 HBc 18-27
884.01 HBenv 348-357 875.18 HBc 107-115
884.02 HBenv 349-358 875.19 HBc 139-148
こ れ ら の ペ プ チ ド を 選 ん だ 理 由 は : 1 ) そ れ ら が 実 施 例 I に お け る CTLエ ピ ト ー プ を 含 む
と 決 定 さ れ た か ら ( ペ プ チ ド 799.10、 799.09、 802.03) ; 2 ) そ れ ら が 大 き め の エ ピ ト ー
プにより認識される実施例Iにおいて決定したペプチドの短縮体を代表するから(即ち、
ペ プ チ ド 875.15、 844.02、 883.02、 883.03) ; 又 は 3 ) そ れ ら が Falkら ( Nature 351:290296(1991))に 記 載 の A2.1結 合 性 モ チ ー フ 、 即 ち 、 位 置 2 に お け る ロ イ シ ン も し く は メ チ オ
ニ ン 、 及 び 位 置 9 に お け る ロ イ シ ン も し く は バ リ ン 、 又 は 位 置 10に お け る バ リ ン の い づ れ
40
か を 含 む か ら ( 即 ち 、 ペ プ チ ド 884.01、 875.20、 875.21及 び 875.19) ; で あ る 。 コ ー テ ィ
6
ン グ は 各 ペ プ チ ド 50μ g を 、 12× 10 の LPS芽 細 胞 と 、 10% の FCSの 添 加 さ れ た 容 量 の 0.4ml
の RPMI培 地 の 中 で 37℃ で 1hイ ン キ ュ ベ ー ト す る こ と に よ り 行 っ た 。 こ れ ら の 細 胞 を 一 回 洗
った。6日後、エフェクター細胞を適宜のペプチドの存在下で
51
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ ッ ト
b
A2.1/K 細 胞 に 対 す る 細 胞 障 害 毒 性 に つ い て ア ッ セ イ し た 。 そ の 結 果 を 図 3 に 示 す 。
6
こ れ ら の エ フ ェ ク タ ー 細 胞 ( 0.2× 10 細 胞 / ウ ェ ル ) を 週 の 間 隔 で 再 刺 激 し た 。 最 初 の 再
刺 激 に 関 し て は 、 ペ プ チ ド コ ー ト 化 LPS芽 細 胞 を 使 用 し 、 続 い て ペ プ チ ド コ ー ト 化 ジ ャ ー
b
カ ッ ト A2.1/K 細 胞 を 使 用 し た 。 再 刺 激 の 6 日 後 、 エ フ ェ ク タ ー 細 胞 を 適 宜 の ペ プ チ ド の
存在下で
51
b
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ ッ ト A2.1/ K 標 的 細 胞 に 対 す る 細 胞 障 害 性 に つ い て ア ッ セ
イした。得られた結果を図4に示す。
50
(20)
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HBV感 作 マ ウ ス の 脾 細 胞 か ら イ ン ビ ト ロ CTLを 明 ら か に 誘 発 可 能 な ペ プ チ ド は 図 3 及 び 4 、
パ ネ ル A : HBc 18-27; 図 3 及 び 4 、 パ ネ ル B : HBenv 349-368; 図 3 及 び 4 、 パ ネ ル D :
HBenv 349-358; 図 3 及 び 4 、 パ ネ ル F : HBenv 329-348; 図 3 及 び 4 、 パ ネ ル I : HBc 91
-110; 図 3 及 び 4 、 パ ネ ル J : HBc 92-102; 並 び に 図 3 及 び 4 、 パ ネ ル K : HBc 93-102で
あ る 。 大 き め の ペ プ チ ド に 対 し て 発 生 せ し め た CTLに よ り 認 識 さ れ 、 そ し て CTLエ ピ ト ー プ
の 少 な く と も 一 部 を 含 む で あ ろ う 短 縮 ペ プ チ ド は : 図 3F, 4F: HBenv 335-343及 び HBenv 3
38-347で あ る 。
実 施 例 III
ペプチドの合成
ペ プ チ ド を Applied Biosystems(Foster City, CA)の 430Aペ プ チ ド 合 成 装 置 で 、 Fmoc保 護
10
化 ア ミ ノ 酸 、 及 び ア ミ ノ 酸 の 活 性 化 の た め の 2 − ( 1H− ベ ン ゾ ト リ ア ゾ ー ル − 1 − イ ル )
− 1 , 1 , 3 , 3 − テ ト ラ メ チ ル ウ ロ ニ ウ ム ヘ キ サ フ ル オ ロ ホ ス フ ェ ー ト (HBTU)エ ス テ
ル を 用 い て 合 成 し た 。 各 ア ミ ノ 酸 を 通 常 通 り に 三 重 カ ッ プ ル 化 さ せ た 。 Fmoc保 護 化 ア ミ ノ
酸 及 び ヒ ド ロ キ シ ベ ン ゾ ト リ ア ゾ ー ル は Burdick and Johnsonよ り 購 入 し た 。 HBTUは Riche
lieu Biotechnologies(St-Hyacinthe, Canada)よ り 購 入 し た 。 ピ ペ リ ジ ン 及 び ト リ フ ル オ
ロ 酢 酸 、 無 水 酢 酸 、 及 び エ タ ン ジ オ ー ル は Sigma Chemical Corporationよ り 購 入 し た 。
a . ペ プ チ ド Phe-Leu-Pro-Ser-Asp-Phe-Phe-Pro-Ser-Val-OH〔 Seq. ID No. 23〕
Sasrin( 商 標 ) 樹 脂 ( Bachem Biosciences) に カ ッ プ ル さ せ た L − バ リ ン を ペ プ チ ド 合 成
反 応 槽 に 入 れ 、 そ し て N − メ チ ル ピ ロ リ ド ン (NMP)で 一 回 洗 っ た 。 次 に 下 記 の 操 作 を 順 に
行った:
20
1 . Fmoc保 護 基 を NMP中 の 25% の ピ ペ リ ジ ン に よ る 樹 脂 結 合 ア ミ ノ 酸 の 処 理 に よ っ て 除 去
した。
2 . こ の 樹 脂 を NMPで 5 回 洗 っ た 。
3 . Fmoc− セ リ ン 、 ジ イ ソ プ ロ ピ ル エ チ ル ア ミ ン 、 HBTU及 び NMPを 含 む 混 合 物 を 反 応 槽 に
加 え 、 そ し て ボ ル テ ッ ク ス 撹 拌 の も と で 30分 間 反 応 さ せ た 。
4 . 溶 媒 を 排 出 さ せ 、 そ し て 樹 脂 を NMPで 3 回 洗 っ た 。
5.段階(3)と(4)を更に2回繰り返した。
6 . こ の 樹 脂 を NMPで 更 に 4 回 洗 っ た 。
段階1−6をペプチドの各アミノ酸に関して繰り返した。
最 後 の カ ッ プ リ ン グ サ イ ク ル に 続 き 、 樹 脂 結 合 ペ プ チ ド を NMP中 の 25% の ピ ペ リ ジ ン と の
30
反 応 に よ り 脱 保 護 し 、 NMPで 7 回 洗 い 、 次 い で ジ ク ロ ロ メ タ ン で 2 回 洗 っ た 。
こ の 樹 脂 を 真 空 で 24時 間 乾 か し た 。 こ の ペ プ チ ド を Sasrin( 商 標 ) 樹 脂 か ら 、 2.5% の エ
タンジチオール及び5%の水を含むトリフルオロ酢酸による処理によって切断した。この
ポリスチレン樹脂を濾過によってこのトリフルオロ酢酸溶液から除去した。トリフルオロ
酢酸は真空エバポレーションにより除去した。粗ペプチドをジエチルエーテルで粉砕し、
そして水に溶かした。この水を凍結乾燥により除去した。次にこのペプチドをC8 カラム(
VYDAC)で の 逆 相 HPLCに よ り 、 そ れ ぞ れ 0.1% の TFAを 改 質 剤 と し て 含 む ア セ ト ニ ト リ ル と 水
の勾配を利用して精製した。
b . ペ プ チ ド (Pal) 2 -Lys-Ser-Ser-Phe-Leu-Pro-Ser-Asp-Phe-Phe-Pro-Ser-Val-OH〔 Seq.
ID No. 24〕
40
段落aに記載の樹脂結合ペプチドを、上記の手順に従って2個のセリン残基の付加により
伸長せしめた。次に下記の操作を作った:
1 . Fmoc保 護 基 を NMP中 の 25% の ピ ペ リ ジ ン に よ る 樹 脂 結 合 ア ミ ノ 酸 の 処 理 に よ っ て 除 去
した。
2 . こ の 樹 脂 を NMPで 5 回 洗 っ た 。
3 . ビ ス − Fmoc− リ ジ ン を NMP中 の ジ イ ソ プ ロ ピ ル カ ル ボ ジ イ ミ ド に よ る 処 理 に よ っ て 対
応の対称性無水物に変換させた。この樹脂結合ペプチドを、得られる無水物と反応させた
。
4 . こ の 樹 脂 を NMPで 5 回 洗 っ た 。
5 . Fmoc保 護 基 を NMP中 の 25% の ピ ペ リ ジ ン に よ る 樹 脂 結 合 ア ミ ノ 酸 の 処 理 に よ っ て 除 去
50
(21)
JP 3738395 B2 2006.1.25
した。
6 . パ ル ミ チ ン 酸 を NMP中 の ヒ ド ロ キ シ ベ ン ゾ ト リ ア ゾ ー ル 及 び ジ イ ソ プ ロ ピ ル カ ル ボ ジ
イミドと反応させた。
7 . こ の 樹 脂 を NMPで 5 回 洗 っ た 。
最後に、このペプチドを上記の通りに樹脂から切断せしめた。
c . ペ プ チ ド Gln-Tyr-Ile-Lys-Ala-Asn-Ser-Lys-Phe-Ile-Gly-Ile-Thr-Glu-Phe-Leu-ProSer-Asp-Phe-Phe-Pro-Ser-Val-OH〔 Seq. ID No. 25〕 。
段 落 a に 記 載 の 樹 脂 結 合 化 ペ プ チ ド は 、 段 落 a に 記 載 の 手 順 に 従 う 、 Glu, Thr, Ile, Gly
, Ile, Phe, Lys, Ser, Asn, Ala, Lys, Ile, Tyr及 び Gln残 基 の 付 加 に よ り 伸 長 さ せ た 鎖
である。切断及び精製は上記の通りに実施した。
10
d . ペ プ チ ド Gln-Tyr-Ile-Lys-Ala-Asn-Ser-Lys-Phe-Ile-Gly-Ile-Thr-Glu-Ala-Ala-AlaPhe-Leu-Pro-Ser-Asp-Phe-Phe-Pro-Ser-Val-OH〔 Seq. ID No. 26〕 。
段 落 a に 記 載 の 樹 脂 結 合 化 ペ プ チ ド は 、 段 落 a に 記 載 の 手 順 に 従 う 、 Ala, Ala, Glu, Thr
, Ile, Gly, Ile, Phe, Lys, Ser, Asn, Ala, Lys, Ile, Tyr及 び Gln残 基 の 付 加 に よ り 伸
長させた鎖である。切断及び精製は上記の通りに実施した。
e . ペ プ チ ド Ac-Gln-Tyr-Ile-Lys-Ala-Asn-Ser-Lys-Phe-Ile-Gly-Ile-Thr-Glu-Ala-Ala-A
la-Phe-Leu-Pro-Ser-Asp-Phe-Phe-Pro-Ser-Val-OH〔 Seq. ID No. 27〕 。
段 落 d に 記 載 の 樹 脂 結 合 ペ プ チ ド を 、 NMP中 の 無 水 酢 酸 と の 反 応 に よ り ア セ チ ル 化 さ せ た
。切断及び精製は上記の通りに実施した。
実 施 例 IV
20
CTLと T ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ と の 組 合 せ に よ る CTL誘 発
本 実 施 例 は 、 HBV CTLエ ピ ト ー プ の み 、 T ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ を 含 む ペ プ チ ド と 複 合 し た C
TLエ ピ ト ー プ 、 又 は T ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ に 物 理 的 に 連 結 さ れ て い る CTLエ ピ ト ー プ を 発
現 す る ペ プ チ ド の 相 対 的 な イ ン ビ ボ HBV特 異 的 CTL感 作 効 率 を 決 定 す る 実 験 を 記 す 。
b
遺 伝 子 導 入 マ ウ ス (HLA-A2.1/K )を 完 全 フ ロ イ ン ド ア ジ ュ バ ン ト (CFA)中 の ペ プ チ ド 875.23
b
( Ia − 制 限 型 ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ HBc 128-140 TPPAYRRPNAPIL) 100μ g で 皮 下 的 に ( 尾
の根元)感作せしめた。9日後、下記のペプチドそれぞれを不完全フロインドアジュバン
ト (IFA)中 で 100μ g / マ ウ ス で 、 2 匹 の 未 感 作 及 び 2 匹 の ヘ ル パ ー 感 作 マ ウ ス に 皮 下 注 射
した。
30
40
CTLエ ピ ト ー プ で 感 作 し て 3 週 間 後 、 脾 細 胞 を HBc 18-27で コ ー ト し た LPS芽 細 胞 ( コ ー テ
6
ィ ン グ は 、 30× 10 の LPS芽 細 胞 を 、 1 mlの 培 地 中 の HBc 18-27 100μ g と イ ン キ ュ ベ ー ト
す る こ と に よ り 行 い 、 37℃ で 1 ∼ 2 hr後 、 そ の 細 胞 を 洗 浄 し た ) で イ ン ビ ト ロ 再 刺 激 し た
。 6 日 後 、 エ フ ェ ク タ ー 細 胞 を HBc 18-27の 存 在 下 又 は 非 存 在 下 で
51
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ
b
ッ ト A2/K 標 的 細 胞 に 対 す る 溶 解 活 性 に つ い て ア ッ セ イ し た 。
結 果 が 示 す に は 、 T ヘ ル パ ー と CTLエ ピ ト ー プ ペ プ チ ド と を 単 純 に 混 合 し ( 即 ち 、 連 結 さ
せ て い な い ) 、 そ し て 免 疫 用 量 で 投 与 し た 場 合 に 試 験 し た 動 物 の 50% に お い て 、 バ ッ ク グ
ラ ン ド 殺 傷 の レ ベ ル よ り 若 干 高 い 検 出 可 能 な 抗 原 − 特 異 的 CTL活 性 の 誘 発 が 認 め ら れ た 。
検 出 さ れ た 応 答 の 例 を 図 7 に 示 す 。 驚 く べ き こ と に 、 動 物 を CTLエ ピ ト ー プ に 連 結 し て あ
る T ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ で 感 作 す る と 、 100% が 特 異 的 感 作 の 証 拠 を 示 し ( 図 8 ) 、 そ の
50
(22)
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度合いは未連結で投与したエピトープの場合に検出されたもの(図7)より高かった。か
なり驚くべきことに、図9に示する通り、アラニン−アラニン−アラニンスペーサーを介
す る T ヘ ル パ ー と CTLエ ピ ト ー プ と の 連 結 ( 即 ち 、 T ヘ ル パ ー AAA-CTL) は 、 T ヘ ル パ ー と
CTL決 定 基 を そ れ の み で 連 結 さ せ た こ と に よ り 検 出 さ れ る も の よ り 高 い 特 異 的 な CTL活 性 の
誘 発 を も た ら し た 。 T ヘ ル パ ー ペ プ チ ド 又 は CTLペ プ チ ド 単 独 で の 感 作 は HBc特 異 的 CTLを
誘発しなかった(図5及び6)。また、Tヘルパー特異的免疫性の誘発のための動物の事
前 免 疫 は 、 T ヘ ル パ ー と CTLと の 混 合 物 、 又 は T ヘ ル パ ー CTLコ ン ジ ュ ゲ ー ト の い づ れ か を
利 用 す る CTLに つ い て の 感 作 の た め に 必 須 で な い と 認 め ら れ 、 な ぜ な ら 無 垢 の 動 物 を 適 宜
の コ ン ジ ュ ゲ ー ト で 感 作 せ し め た と き に 免 疫 が 検 出 さ せ た か ら で あ る ( 図 10A 及 び B ) 。
実施例V
10
HBenv 3 6 0 - 3 6 8 に 特 異 的 な A2.1制 限 型 CTLの 誘 発
b
A2/K 遺 伝 子 導 入 マ ウ ス に 、 不 完 全 フ ロ イ ン ド ア ジ ュ バ ン ト (IFA)中 の 100μ g の HBenv 3 6 0 368
及 び 100μ g の HBc 1 2 8 - 1 4 0 ヘ ル パ ー エ ピ ト ー プ の エ マ ル シ ョ ン 100μ l を 注 射 し た 。 (
こ の エ マ ル シ ョ ン は 、 PBS中 の 両 ペ プ チ ド 500μ g を 等 容 量 の IFAと 混 合 す る こ と に よ っ て
調 製 し た ) 。 感 作 の 21日 後 、 こ れ ら の 動 物 か ら 獲 得 し た 脾 細 胞 ( 24穴 プ レ ー ト 中 、 5 × 10
6
6
細 胞 / ウ ェ ル ) を 、 ペ プ チ ド HBenv 3 6 0 - 3 6 8 で コ ー ト し た 同 系 LPS芽 細 胞 ( 2 × 10 /ウ ェ ル
6
) で 再 刺 激 し た 。 こ れ ら の エ フ ェ ク タ ー 細 胞 ( 0.2× 10 / ウ ェ ル ) を 週 の 間 隔 で 再 刺 激 し
た 。 第 1 及 び 第 2 回 目 の 再 刺 激 に 関 し て は 、 HBenv 3 6 0 - 3 6 8 コ ー ト 化 LPS芽 細 胞 を 利 用 し 、
b
続 い て HBenv 3 6 0 - 3 6 8 コ ー ト 化 ジ ャ ー カ ッ ト A2.1/K 細 胞 を 利 用 し た 。 再 刺 激 の 6 日 後 、 エ
フ ェ ク タ ー 細 胞 を HBenv 3 6 0 - 3 6 8 の 存 在 下 又 は 非 存 在 下 で
51
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ ッ ト A2/K
b
20
標 的 細 胞 に 対 す る 細 胞 障 害 性 に つ い て ア ッ セ イ し た ( 図 11参 照 の こ と ) 。
実 施 例 VI
イ ン ビ ボ 感 作 に 関 す る 連 結 さ れ た 破 傷 風 ト キ ソ イ ド と HBc細 胞 障 害 性 T 細 胞 エ ピ ト ー プ の
試験
b
遺 伝 子 導 入 マ ウ ス (HLA-A2.1/K )を 200mg(0.07mM)の ペ プ チ ド 934.02に よ っ て 皮 下 的 に ( 尾
の根元)感作した。
30
感 作 し て 3 週 間 後 、 脾 細 胞 を HBc 18-27で コ ー ト し た LPS芽 細 胞 で イ ン ビ ト ロ 再 刺 激 し た (
実 施 例 I に 記 載 の 通 り ) 。 7 日 後 、 細 胞 を HBc 18-27で コ ー ト し た ジ ャ ー カ ッ ト A2/Kb細 胞
で 再 刺 激 し た ( 実 施 例 I に 記 載 の 通 り ) − 6 日 後 、 こ れ ら の エ フ ェ ク タ ー 細 胞 を HBc 18-2
7の 存 在 下 又 は 非 存 在 下 で
51
b
Crラ ベ ル 化 ジ ャ ー カ ッ ト A2/K 標 的 細 胞 に 対 す る 、 HBc 18-27
の 存 在 下 又 は 非 存 在 下 で の Jy標 的 細 胞 に 対 す る 、 及 び HBVコ ア で ト ラ ン ス フ ェ ク ト さ れ た J
y細 胞 に 対 す る 細 胞 障 害 性 に つ い て ア ッ セ イ し た 。 図 12に 示 す 結 果 は 、 ペ プ チ ド 934.02が H
Bc 18-27に 特 異 的 な CTLを 効 果 的 に 誘 発 す る こ と を 示 唆 し て い る 。 更 に 、 こ れ ら の CTLは 内
因 的 に 提 供 さ れ る 抗 原 ( Jyコ ア ) を 認 識 及 び 殺 傷 す る 。
実 施 例 VII
ペ プ チ ド 免 疫 に よ り 誘 発 さ れ る CTL免 疫 性 の 比 較
抗 原 性 CTLペ プ チ ド の 様 々 な 改 質 体 及 び 配 合 体 を 、 そ の 免 疫 原 性 を 強 め る 効 果 に お い て 試
験 し た 。 BALB/c マ ウ ス を 尾 の 根 元 に お い て 下 記 の ペ プ チ ド 又 は ペ プ チ ド 混 合 物 の い づ れ
かを皮下的に感作した。
40
(23)
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10
20
免 疫 の 3 週 間 後 、 脾 細 胞 を 取 出 し 、 そ し て flu 147-155ペ プ チ ド で イ ン ビ ト ロ 刺 激 し た 。
1週間後、標的として
51
Cr− ラ ベ ル 化 B10.D2繊 維 芽 細 胞 を 利 用 し て CTL活 性 を ア ッ セ イ し
た 。 標 的 細 胞 を 抗 原 の 非 存 在 下 で 、 Flu 147-155ペ プ チ ド の 存 在 下 で 、 又 は イ ン フ レ ン ザ P
R8ウ ィ ル ス の 感 染 の 後 に 試 験 し た 。 4 回 の 個 別 に 実 施 し た 実 験 の う ち の 1 つ よ り 獲 得 し た
代表的な結果を表Iにまとめている。
30
(24)
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10
20
構 築 体 ( PAM 2 KSS-T ヘ ル パ ー CTLと (PAM) 2 KSS-T ヘ ル パ ー AAA-CTL) は 他 の 組 合 せ 全 て に 比
し て 、 食 塩 水 又 は み ょ う ば ん の 中 で 注 射 し た と き に 優 れ て い た 。 ペ プ チ ド T ヘ ル パ ー CTL
30
と T ヘ ル パ ー AAA-CTLは 、 T ヘ ル パ ー + CTLの 混 合 ( 即 ち 未 連 結 ) に 対 し て 優 れ 、 そ し て IF
A中 で よ く 働 い た が 、 食 塩 水 又 は み ょ う ば ん の 中 で は よ く 働 か な っ た 。 従 っ て 、 ワ ク チ ン
の 開 発 の た め に は 、 (PAM) 2 KSSを 、 CTLペ プ チ ド に 連 結 し て あ る T ヘ ル パ ー ペ プ チ ド に 連 結
す る の が CTL免 疫 性 を 誘 発 す る の に 有 利 で あ る こ と が 明 ら か で あ る 。
実 施 例 VIII
CTLペ プ チ ド エ ピ ト ー プ 799.09に よ る 最 小 の 最 適 配 列 の 決 定
b
遺 伝 子 導 入 マ ウ ス (A2-1/K )を 実 施 例 IIに 実 質 的 に 記 載 し て あ る 通 り に IFA中 の HBVウ ィ ル
ス で 感 作 せ し め た 。 感 作 の 7 日 後 、 こ れ ら の 動 物 か ら 獲 得 し た 脾 細 胞 を ペ プ チ ド 799.09で
コ ー ト さ れ た 同 系 照 射 LPS芽 細 胞 で 再 刺 激 し た ( 実 施 例 I に 記 載 の 通 り ) 。 6 サ イ ク ル の 7
99.09コ ー ト 化 細 胞 に よ る 再 刺 激 の 後 ( 実 施 例 IIに 記 載 の 通 り ) 、 エ フ ェ ク タ ー 細 胞 を ペ
40
プ チ ド 799.09で コ ー ト さ れ た 同 系 照 射 LPS芽 細 胞 と 10% の ラ ッ ト Con A上 清 液 の 添 加 さ れ た
培 地 と を 利 用 し て 限 界 希 釈 に よ っ て ク ロ ー ン し た 。 2 つ の CTL系 、 系 110及 び 系 113が 得 ら
れ 、 そ れ ら は ペ プ チ ド 799.09で コ ー ト さ れ た JA2Kb標 的 細 胞 を 殺 し た 。 こ れ ら の 系 は 、 799
.09N 末 端 短 縮 ペ プ チ ド 、 並 び に 799.09配 列 全 体 を カ バ ー す る 重 複 の 量 体 及 び 10量 体 の パ
ネ ル で 試 験 し た 。 図 1 3 の パ ネ ル A に 示 す 通 り 、 系 113及 び 110に よ り 認 識 さ れ る 最 小 N 末
端 短 縮 ペ プ チ ド は そ れ ぞ れ HBV env. 333-348(923.09)及 び 335-348(923.07)で あ っ た 。 図 1
3の パ ネ ル B は 、 こ の 9 量 体 及 び 10両 体 の い づ れ も 、 系 113に よ り 認 識 さ れ な い こ と を 示 し
て お り 、 こ の CTL系 に よ る 認 識 の た め に は も っ と 長 い ペ プ チ ド が 最 小 配 列 と し て 必 要 と さ
れ る こ と を 意 味 し て い る 。 系 110に よ り 認 識 さ れ る 最 小 配 列 は ペ プ チ ド HBV env. 333-341(
923.26)及 び HBV env 335-343(923.22)に よ り 表 わ さ れ 、 可 能 と し て 2 つ の 異 な る 、 し か し
50
(25)
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な が ら 重 複 し て い る ペ プ チ ド が 799.09特 異 的 CTLの た め の 抗 原 決 定 基 と し て 働 き う る こ と
が示唆される。
以上より、本発明の特定の態様を例示したが、その様々な改良が本発明の範囲を逸脱する
ことなくなされることが明らかであろう。従って、本発明は請求の範囲を除き、限定され
ることはない。
配列表
(1)一般情報
(i)出願人:ビスチエロ、マリア エーチェストナッツ、ロバート ダブリュー
( ii) 発 明 の 名 称 : HLA制 限 型 B 型 肝 炎 ウ ィ ル ス の CTLエ ピ ト ー プ
( iii) 配 列 の 数 : 35
10
( iv) 連 絡 先 :
(A)宛先:タウンセンド アンド タウンセンド
(B)通り:ワン マーケット プラザ、スチュアートストリート タワー
(C)市 :サンフランシスコ
(D)州 :カルフォルニア
(E)国 :米 国
( F ) 郵 便 番 号 : 94105
(v)コンピューター読み取り方式:
(A)媒体のタイプ :フロッピーディスク
( B ) コ ン ピ ュ ー タ ー : IBM PC コ ン パ チ ブ ル
20
( C ) 作 動 シ ス テ ム : PC-DOS/MS-DOS
( D ) ソ フ ト ウ ェ ア ー : パ テ ン ト イ ン リ リ ー ス # 1.0、 バ ー ジ ョ ン # 1.25
( vi) 現 出 願 人 の デ ー タ ー :
( A ) 出 願 番 号 : US
( B ) 出 願 日 : 1992年 8 月 26日
(C)分類:
( vii) 先 の 出 願 の デ ー タ ー
( A ) 出 願 番 号 : US 07/749,568
( B ) 出 願 日 : 1991年 8 月 26日
( vii) 先 の 出 願 の デ ー タ ー
30
( A ) 出 願 番 号 : US 07/827,682
( B ) 出 願 日 : 1992年 1 月 29日
( vii) 先 の 出 願 の デ ー タ ー
( A ) 出 願 番 号 : US 07/874,491
( B ) 出 願 日 : 1992年 4 月 27日
( viii) 代 理 人 / 代 理 店 情 報 :
(A)名称:スミス、ウィリアム エム
( B ) 登 録 番 号 : 30,223
( C ) 参 照 / 処 理 番 号 : 14137-26-3
( iv) 通 信 情 報 :
40
( A ) 電 話 : 415-326-2400
( B ) テ レ フ ァ ッ ク ス : 415-543-5043
( 2 ) SEQ ID NO: 1 の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 20個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 1
50
(26)
JP 3738395 B2 2006.1.25
( 2 ) SEQ ID NO: 2 の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 20個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
10
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 2
( 2 ) SEQ ID NO: 3 の 情 報
(i)配列の特徴:
20
( A ) 長 さ : 10個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 3
( 2 ) SEQ ID NO: 4 の 情 報
(i)配列の特徴:
30
( A ) 長 さ : 20個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 4
( 2 ) SEQ ID NO: 5 の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 10個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 5
40
(27)
JP 3738395 B2 2006.1.25
( 2 ) SEQ ID NO: 6 の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 10個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 6
10
( 2 ) SEQ ID NO: 7 の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 20個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 7
20
( 2 ) SEQ ID NO: 8 の 情 報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:9個のアミノ酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
30
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 8
( 2 ) SEQ ID NO: 9 の 情 報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:9個のアミノ酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
40
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 9
( 2 ) SEQ ID NO: 10の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 20個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
50
(28)
JP 3738395 B2 2006.1.25
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 10
( 2 ) SEQ ID NO: 11の 情 報
(i)配列の特徴:
10
( A ) 長 さ : 20個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 11
20
( 2 ) SEQ ID NO: 12の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 20個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 12
30
( 2 ) SEQ ID NO: 13の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 15個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
40
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 13
( 2 ) SEQ ID NO: 14の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 20個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
50
(29)
JP 3738395 B2 2006.1.25
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 14
( 2 ) SEQ ID NO: 15の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 14個 の ア ミ ノ 酸
10
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 15
( 2 ) SEQ ID NO: 16の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 16個 の ア ミ ノ 酸
20
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 16
( 2 ) SEQ ID NO: 17の 情 報
30
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 20個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 17
40
( 2 ) SEQ ID NO: 18の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 13個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 18
50
(30)
JP 3738395 B2 2006.1.25
( 2 ) SEQ ID NO: 19の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 13個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : タ ン パ ク 質
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 19
10
( 2 ) SEQ ID NO: 20の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 23個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : タ ン パ ク 質
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 20
20
( 2 ) SEQ ID NO: 21の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 26個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
30
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : タ ン パ ク 質
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 21
( 2 ) SEQ ID NO: 22の 情 報
(i)配列の特徴:
40
( A ) 長 さ : 10個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 22
( 2 ) SEQ ID NO: 23の 情 報
(i)配列の特徴:
50
(31)
JP 3738395 B2 2006.1.25
( A ) 長 さ : 10個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 23
( 2 ) SEQ ID NO: 24の 情 報
(i)配列の特徴:
10
( A ) 長 さ : 13個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 24
( 2 ) SEQ ID NO: 25の 情 報
(i)配列の特徴:
20
( A ) 長 さ : 24個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 25
30
( 2 ) SEQ ID NO: 26の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 27個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 26
40
( 2 ) SEQ ID NO: 27の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 27個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
50
(32)
JP 3738395 B2 2006.1.25
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 27
( 2 ) SEQ ID NO: 28の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 27個 の ア ミ ノ 酸
10
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : タ ン パ ク 質
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 28
20
( 2 ) SEQ ID NO: 29の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 30個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : タ ン パ ク 質
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 29
30
( 2 ) SEQ ID NO: 30の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 14個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : タ ン パ ク 質
40
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 30
( 2 ) SEQ ID NO: 31の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 24個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : タ ン パ ク 質
50
(33)
JP 3738395 B2 2006.1.25
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 31
( 2 ) SEQ ID NO: 32の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 27個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
10
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : タ ン パ ク 質
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 32
( 2 ) SEQ ID NO: 33の 情 報
20
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 10個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 33
( 2 ) SEQ ID NO: 34の 情 報
30
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 10個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 34
( 2 ) SEQ ID NO: 35の 情 報
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ : 14個 の ア ミ ノ 酸
(B)型 :アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 分 子 の 種 類 : ペ プ チ ド
( xi) 配 列 の 詳 細 : SEQ ID NO: 35
40
(34)
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(35)
【図1f】
【図2i】
【図1g】
【図1h】
【図2j】
【図2k】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(36)
【図2l】
【図2m】
【図2n】
【図2o】
【図2p】
【図3a】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(37)
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(38)
【図3f】
【図3g】
【図3h】
【図3i】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(39)
【図2j】
【図3k】
【図3l】
【図4a】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(40)
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(41)
【図4f】
【図4g】
【図4h】
【図4i】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(42)
【図4j】
【図4k】
【図4l】
【図5】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(43)
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(44)
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図13a】
【図12】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(45)
【図13b】
JP 3738395 B2 2006.1.25
(46)
JP 3738395 B2 2006.1.25
フロントページの続き
(51)Int.Cl.
FI
C07K 14/02
C07K 17/02
C07K 19/00
G01N 33/50
(2006.01)
(2006.01)
C07K 14/02
C07K 17/02
(2006.01)
(2006.01)
C07K 19/00
G01N 33/50
(31)優先権主張番号 874,491
(32)優先日 平成4年4月27日(1992.4.27)
(33)優先権主張国 米国(US)
(72)発明者 ビティエロ,マリア エー.
アメリカ合衆国,カリフォルニア 92037,ラ ジョラ,ハイ アベニュ 7522
(72)発明者 チェスナット,ロバート ダブリュ.
アメリカ合衆国,カリフォルニア 92007,カーディフ バイ ザ シー,キングス クロス
ドライブ 1473
審査官 光本 美奈子
(56)参考文献 Science, 1990年,248, 361-364
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
C07K 7/00 - 19/00
CA(STN)
BIOSIS/WPI(DIALOG)
SwissProt/PIR/GeneSeq
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