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PET 装置の性能評価法 - 一般社団法人 日本画像医療システム工業会

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PET 装置の性能評価法 - 一般社団法人 日本画像医療システム工業会
(一社)日本画像医療システム工業会規格
JESRA X-0073*D-2013
制定
改正
改正
改正
改正
1993年 1月 25日
2005年 10月 1日
2007年 9月 25日
2008年 7月 21日
2013年 7月 17日
PET 装置の性能評価法
Performance Evaluation of Positron Emission Tomographs
(一社)日本画像医療システム工業会
JESRA X-0073*D-2013
目
次
1.適用範囲
1.1
規格の適用範囲
1
1.2
性能評価項目の適用範囲
1
1.3
一般的事項
1
2.用語の定義
2.1
用語の定義
4
2.2
規格の記号
5
3.性能評価法
3.1
空間分解能
8
3.2
散乱フ ラ ク シ ョ ン , 計 数 損 失 , 偶 発 同 時 計 数
11
3.3
感度
17
3.4
計数損失および偶発同時計数補正の精度
20
3.5
画質,減弱補正(吸収補正)および散乱補正の精度
22
4.付録
(X線CT組合せ型ポジトロンCT装置における
画像重ね合わせ精度)
28
5.付録
(MR組合せ型ポジトロンCT装置における
画像重ね合わせ精度)
30
JESRA X-0073* D-2013
(一社)日本画像医療システム工業会規格
PET 装置の性能評価法
Performance Evaluation of Positron Emission Tomographs
1.適用範囲
1.1 規格の適用範囲
この規格が対象とする PET 装置(ポジトロン CT 装置)は,「同時計数方式を用いた多層リング配列形
PET 装置」である。
同時計数測定が可能な全ての機器に対しても適用は可能である。
これらの機器については,二次元収集に加えて,三次元収集が可能な機器についても適用でき,サン
プリング密度を増すために平面内や体軸方向の機械的走査を伴う機器にも適用できる。
その他,PET/CT 装置(X 線 CT 組合せ型ポジトロン CT 装置)を用いて PET 検査を行う施設や FDG
薬剤の供給を受けて PET 検査を行う施設では,以下に示す測定の一部については測定ができない,あ
るいは実用範囲における測定しかできない場合があることに留意する必要がある。
この規格のもとで測定される PET 装置はサイノグラム,体軸横断面画像の作成ができることが必要で,
円形および矩形 ROI が作成でき,それらの ROI 解析ができることも必要である。
また,指定時間内で検出されるパラメーター(例えば,計数率)の抽出が可能であることが前提である。
この規格では,体軸横断面では直径 260mm 以上の有効視野の PET 装置を仮定しているので,この条
件を満たさない PET 装置(例えば,動物用 PET 装置)については,この規格の全てに対する試験はでき
ないので注意が必要である。
1.2 性能測定項目の適用範囲
空間分解能及び感度は,PET 装置の基本的性能であるため PET 装置毎に測定することが望ましい。
散乱フラクションに関しては,PET 装置の幾何学的構造に従いほぼ決定されるので,機種毎に測定す
る必要がある。計数損失および偶発同時計数は PET 装置毎に測定することが望ましいが,測定に高放
射能の放射性核種が必要であるので,測定ができる場所に制限があることに留意する必要がある。
1.3 一般的事項
1.3.1 目的
この規格が目的とするところは,PET 装置の性能を評価するための手順を規定することである。
製造業者は製造した PET 装置の仕様を規定するためにこの規格を使用することができる。この規格
の測定結果を元に,異なる PET 装置の性能比較を行うことも可能である。
使用者はこの規格の手順を,PET 装置受け入れ試験に利用できる。
1.3.2 範囲
画質試験を除く全ての手順に用いる試験ファントムは長さ 70cm であり,65cm 以下の体軸方向視野
を有する PET 装置を対象とし,全スライスにおける測定を行うことを想定している。
画質試験に用いる試験ファントムは,すくなくとも直径 350mm の開口径をもつ PET 装置のみで行う
ことができる。このファントムでは頭部(脳)専用装置における画質試験を行うことができないが,これは
全身用撮像性能を模倣するように考えられているためで,画質試験は頭部専用装置には適していな
い。また,「4.付録」については PET/CT 装置における PET 画像と CT 画像,「5.付録」については
-1-
PET/MR 装置における PET 画像と MR 画像の画像重ね合わせの精度を測定する項目であり,少なく
とも直径 500mm 以上の開口径をもつ PET/CT 装置や PET/CT 装置を用いて行われる。
この規格の中に記載されている測定方法は,腫瘍検査用途のための全身撮像に主に的を絞ったも
のであるが,全身撮像条件で脳撮像を行う場合はこの限りではない。
1.3.3 測定の単位
PET 装置の性能評価における全ての報告には,SI 単位系を用いる。
ミリキュリー(mCi)のように慣習的に用いられる単位は,オプションとして性能評価の報告書において
SI 単位系と共に括弧書きで報告書に記載する。
1.3.4 一貫性
特定の測定法として指示されない限り,全ての測定は相互に排他的である PET 装置のパラメーター
のいくつかを変更せずに行うこととする。これらには以下のパラメーターに限定されていないが,以下
のものが含まれる。エネルギー弁別ウインドウ(光電ピーク-コンプトン・撮像モードにおける多重エネ
ルギー・ウインドウの利用を含む),同時計数タイミング・ウインドウ,パルス積分時間,再構成アルゴリ
ズムとそれらにともなう画素サイズ,スライス厚,体軸方向受容角,および体軸方向の平均化あるいは
平滑化,特殊な測定法に対する操作モードを明確に指定する。
可動型の検出器をもつ PET 装置では,検出器の位置および軌道は,製造業者の推奨した条件とし,
全収集にわたって同じとすること。これらには検出器間距離,全体軸横断面データのフルセットを作成
するための患者周りの軌道,およびサンプリングを増やすための検出器走査,あるいはテーブルの移
動のような動作を含む(これらは一例で,ここに挙げたパラメーターのみを規定するものではない)。
再構成アルゴリズムおよびそれらに伴うパラメーター,マトリクスや画素サイズは製造業者が推奨す
るものとし,特に指定されないかぎり,測定の全てにわたって同じものを使用する。
ほとんどの PET 装置では二次元再構成を行う前に,体軸横断面スライスに対応した平行投影マトリ
クスに生データを並べ替えている。
三次元収集が可能な PET 装置に対しては,ボリューム画像はデータ解析用に体軸横断面スライス
に並べ替えられることを想定している。ボリューム・データをシングル・スライス・リビニング(SSRB)法を用
いて体軸横断面のサイノグラムに並べ替えることが必要である。その他の全ての測定に対しては,製造
業者の推奨するボリューム・データの取り扱いを利用する。受容角は製造業者の推奨する値とし,測定
の全てに対して固定する。
これらの測定で使用するエネルギー・ウインドウあるいは複数のウインドウはあらかじめ決めておく。
光電ピーク-コンプトン・撮像モードにおいて,多重ウインドウを使用するならば,そのモードについて
もあらかじめ決めておく。これらのウインドウ設定は製造業者の推奨によるものとし,測定の全てに対し
て固定する。各測定手順は線源の支持方法では,線源が視野内に吊されるのか,あるいはなんらかの
手段により支持されるのかどうかを指定する。線源を支持する測定法に対しては,線源は患者テーブ
ルの上に置く。特殊な測定では,特に指定しない限り,ファントムの位置決めの精度は,断層面および
体軸方向の両方において許容誤差を±5mm とする。
1.3.5 同等性
全ての試験に対して 18F を指定する。68Ga のような別の放射性核種を代用すると,ポジトロン飛程や
放射能のキャリブレーションの理由で,有意的に異なる結果になる可能性がある。
品質保証あるいは他の目的のため,製造業者がこの規格により指示されている測定法以外の測定法
を利用するならば,製造業者は両者の間の追跡性を説明し,同等性を示す必要がある。
これらの測定に使用するドーズ・キャリブレーターおよびウェル・カウンターは,校正されているもので
あることを仮定している。
-2-
1.3.6 備考(引用規格)
(1)NEMA Standards publication NU 2-2007
“Performance Measurements of Positron Emission Computed Tomographs” (2007)
(2)IEC 61675-1
“Radionuclide imaging devices – Characteristics and test conditions.
Part 1: Positron emission tomographs” (1998)
1.3.7 その他
この規格中「4.付 録 X線 CT組 合 せ型 ポジトロンCT装 置 における画 像 重 ね合 わせ精 度 」に
ついては,2005 年 4 月の改正薬事法における承認基準「基本要件適合性チェックリスト 第 6 条」に引用
される JESRA として追記され,2005/6/29 に JIRA 基準委員会の承認を得た。
この規格中「5.付 録 MR 組 合 せ型 ポジトロンCT装 置 における画 像 重 ね合 わせ精 度 」につい
ては,「MR 組合せ型ポジトロンCT装 置 」の認証基準作成における認証基準「基本要件
適合性チェックリスト 第 6 条」に引用される JESRA として追記され,2013/7/17 に JIRA 基準委員会の
承認を得た。
-3-
2.用語の定義
2.1 用語の定義
PET(PET:Positron Emission Tomography)
陽電子を放出する放射性核種の消滅放射線の同時計数を利用した,放射コンピュータ断層法。
PET 装置(Positron Emission Tomograph)
陽電子を放出する放射性核種の消滅放射線を,同時計数によって検出する断層撮影装置。
ポジトロン CT 装置,核医学診断用ポジトロン CT 装置,あるいは陽電子放射断層撮像装置ともいう。
視野(FOV:Field of View)
PET 装置で計測画像再構成される体軸方向視野と断層面内視野で規定された三次元空間領域。
システム軸(System Axis)
PET 装置の幾何学特性と物理的特性によって特徴づけられた PET 装置の軸。
リング配列形の PET 装置では,システム軸は検出器リングの中心を通る軸である。
検出器回転形装置では,システム軸はその回転中心軸である。
減弱係数(Attenuation Coefficient)
感度測定用ファントムの線吸収係数。
計数率(Count Rate)
単位時間当たりのカウント数。
サイノグラム(Sinogram)
投影角度の関数として,オブジェクトスライスの全1次元投影の2次元表示。
投影角度は縦軸座標に表示され,線投影座標は横軸座標に表示される。
空間分解能(Spatial Resolution)
点状線源の画像において,計数密度分布が点に集中する能力。
体軸横断面(Transaxial)
システム軸に直角な断層撮影容積を通るスライス面。
体軸方向視野(Axial Field of View)
システム軸に平行で,システム軸を含む断層撮影容積を通るスライス面。実際には,「(その軸の一
番外側の画像平面中心間の距離)+(測定された体軸方向スライス幅の平均の距離)」で与えられる軸
寸法によってのみ表される。
感度(Sensitivity)
単位放射能当たり検出された計数率(cps/Bq)。
システム感度(System Sensitivity)
単位放射能当たりの減弱のない計数率(cps/Bq)
。
体軸方向感度プロフィール(Axial Direction Profile of Sensitivity)
各スライス当たりのシステム感度を体軸方向にプロットして得られた曲線。
半値幅(FWHM:Full width at Half Maximum)
広がりをもつ分布関数において,そのピーク値の半分の高さにおける分布の幅。
1/10 値幅(FWTM:Full width at Tenth Maximum)
広がりをもつ分布関数において,そのピーク値の 1/10 の高さにおける分布の幅。
ランプフィルター(Ramp Filter)
画像再構成フィルターの一種で,空間周波数レスポンスが周波数の絶対値に比例するもの。
二次元収集(Two Dimensional Acquisition)
セプタ(“スライス・シールド”とも呼ばれる)を入れて散乱線を抑制し,対向する検出器の数個の組み
合わせで同時計数する収集法。
三次元収集(Three Dimensional Acquisition)
対向する全ての検出器と同時計数する収集法。
シングル・スライス・リビニング(SSRB:Single Slice Rebinning)
斜めの LOR を中央の体軸横断面スライスに割り当てることで,軸方向の複数データを加算処理して
再構成する方法。
-4-
LOR(Line of Response)
検出器視野内で消滅ガンマ線が同時計測される計測線(同時計測線ともいう)。
ROI(Region of Interest)
関心領域のことで,与えられた時刻における特に関心のある画像の局所的な部分,あるいはその
領域を表す形状を示す。
同時計数(Coincidence Detection)
2 個の向かい合った検出器が,それぞれ同時に一対の光子を検出したかどうかを調べる方法。この方
法によって 2 個の光子はひとつの事象に連結される。
不感時間(Dead Time)
最初のパルスが生じてから次のパルスが現れるまでの時間。
計数損失(Count Loss)
PET 装置の分解時間の限界によって発生する計数率と真計数率との差。
全同時計数(率)(Total Coincidence (Rate))
検出された同時計数(率)の和。
真同時計数(True Count)
独立な二つ以上の陽電子消滅に起因する消滅光子が同時計数回路のタイムウインドウ内に検出さ
れた真の同時計数(率)。
偶発同時計数(Random Coincidence)
独立な二つ以上の陽電子消滅に起因する消滅光子が,同時計数回路のタイムウインドウ内に検出さ
れるために生ずる偶発的な同時計数(率)。ランダム同時計数(率)ともいわれノイズである。
散乱同時計数(率)(Scatter Coincidence (Rate))
少なくともひとつ関係している光子が,同時計数の前に散乱した真同時計数(率)。
散乱フラクション(SF:Scatter Fraction)
散乱同時計数の全同時計数に対する割合。
雑音等価計数(率)(NEC:Noise Equivalent Count)(NECR:Noise Equivalent Count Rate)
真同時計数(率)の2乗を全同時計数(率)で除したもの。
2.2 規格の記号
ある量に対して記号を使用した表記をこの規格では使用する。基本的量をさらに規定するために,規
格の下付き文字のいずれか一つを使用する記号については下付き文字列 xxx で表す。 なんらかの独立
変数の関数として説明される全ての量は Q(x)のように記号表記する。ここで,x は関連する言葉におい
て定義された変数を表す小文字である。この規格の複数の節において使用される規格の記号のみをこ
の章では記載する。この規格の一箇所の節でのみ使用される記号についてはその節で記述する。
計数(Cxxx): 同時計数イベントの数のこと。
a.
CROI
- スライス内の関心領域における同時計数
b.
CTOT
- 同時計数の合計値
c.
Cm
- 同時計数の最大値
d.
Cr+s
- 偶発+散乱同時計数値
e.
CL
- 関心投影の左端の同時計数値
f.
CR
- 関心投影の右端の同時計数値
g.
CH
- 関心ホット領域内の同時計数値
h.
CB
- 関心領域のバックグラウンド内の同時計数値
i.
CC
- 関心コールド領域内の同時計数値
放射能(Axxx): 原子核の崩壊率の単位はメガベクレル(MBq),すなわち1秒当たり 100 万個の崩壊率,
オプションとしてミリキュリー(mCi)の単位,すなわち1秒当たり 3,700 万個の崩壊率のこと。
a.
A0
- 時刻 T0 における初期放射能
b.
Aave,j
- j 番目の収集に対する平均放射能
c.
Acal
- 校正時刻 Tcal における放射能
-5-
ある収集の開始時刻 T0 での初期放射能は,ドーズ・キャリブレーターあるいはウェル・カウンターを用い
て時刻 Tcal で記録された放射能 Acal により,次式によって求める。
 T − T0

A 0 = A cal exp cal
ln 2 
 T1 / 2

ここで,T1/2 はその放射性同位元素の半減期である。
ある特定の収集に対する平均放射能は,収集開始時の放射能 A0 ,その放射性同位元素の半減期,
T1/2 および収集時間,Tacq により,次式によって求める。
A ave =
 − Tacq

A 0  T1 / 2 
1 - exp
ln 2 

ln2  Tacq 
 T1 / 2

初期放射能 Aj をドーズ・キャリブレーター,あるいはウェル・カウンターで測定し,j 番目の収集の開始時
刻 Tj に減衰補正した放射能 Acal により,次式によって求められる。
 Tcal − T j

A j = A cal exp
ln 2 
 T1 / 2

放射能濃度(axxx) :メガベクレル/ミリリットル(MBq/ml)単位における単位体積当たりの原子核の崩壊率,
すなわち秒/ミリリットル(s/ml)当たり 100 万個の減衰の単位における原子核の崩壊率,
オプションとしてミリキュリー/ミリリットル(mCi/ml)の単位のことで,すなわち秒/ミリリット
ル(s/ml)当たり 3,700 万個の減衰の単位で表現される。
a.
at,peak
- 真同時計数値が最大になるときの放射能濃度
b.
aeff
- 堅固な円筒内線状線源の実効平均放射能濃度
c.
aH
- ホットな球内の放射能濃度
d.
aB
- バックグラウンドの放射能濃度
e.
aNEC,peak - 雑音等価計数率のピークにおける放射能濃度
ある体積 V にわたって一様に分布した放射能量の放射能濃度は,放射能 Axxx を放射能が一様に分布
している体積 V で割り,次式で求める。
A 
a xxx =  xxx 
 V 
したがって,平均の放射能濃度は次式で求める。
A 
a ave =  ave 
 V 
実効放射能濃度,aeff を計算する場合,使用すべき体積は堅固な円筒の体積であり,その線状線源内
の体積ではないことに注意する。
放射性同位元素の半減期(T1/2) : ある放射性核種の原子核の半分が減衰する間の時間間隔のこと。
同位元素 18F に対して,その半減期は 6588 秒(あるいは 109.8 分あるい
は 1.830 時間)である。
率(Rxxx) : 1 秒当たりの同時計数値で測定した同時計数率のことで,同時計数値を時間間隔,Tacq で割
った値で定義する。
a.
RROI
- スライス内の関心領域内の同時計数率
b.
RTOT
- 全同時計数率
c.
RExtr
- 潜在的な同時計数率(損失なし)
d.
Rt
- 真同時計数率
-6-
e.
f.
g.
h.
i.
j.
時間(Txxx)
a.
b.
c.
d.
e.
Rs
Rr
Rt,peak
RNEC
RNEC,peak
RCORR
-
-
-
-
-
-
散乱同時計数率
偶発同時計数率
Rt が飽和するところの真同時計数率
雑音等価計数率
ピーク雑音等価計数率
減衰補正された計数率
: 秒で測定された時間のこと。
T1/2
- 1 半減期の時間間隔
Tacq
- 収集時間
Tj
- 収集 j の開始時刻
Tcal
- ウェル・カウンターの測定時刻
TT.E
- トランスミッションおよびエミッション収集の全時間間隔
体積(V) : ミリリットル(ml)単位で測定された物理的な体積のこと。
-7-
3.性能評価法
3.1 空間分解能
3.1.1 概要
PET 装置の空間分解能は,再構成画像上で 2 点間を分離する能力を表す。測定は空気中の点状
線源を撮像して,画像平滑化フィルターなどの処理を行わない再構成画像を利用する。
臨床測定では,組織散乱や収集イベント数の制限により,滑らかな再構成フィルターを用いることが
多いが,空間分解能は「PET 装置間における最高条件の比較を提供し,各 PET 装置が到達しうる最
高の性能を示す」のがフィルターを用いない理由である。
下記の測定の目的は,微小線源の画像再構成点拡がり関数(PSF:Point Spread Function)の幅を
決めることであり,拡がり関数幅は半値幅(FWHM:Full Width at Half Maximum),あるいは 1/10 値幅
(FWTM : Full Width at Tenth Maximum)によって表される。
3.1.2 測定条件
(1)使用する線源
測定に使用する核種は 18F とする。
(2)測定に必要な計数率
放射能は計数損失が 5%以内か,あるいは偶発同時計数率が全同時計数率の 5%以内のどち
らかにする。
(3)使用するファントム
内径 1mm 以下,外径 2mm 以下のガラス等の毛細管内に集めた少量の放射能を持った点状
線源を用いる。毛細管内の放射能の体軸方向長さは 1mm 以下にする。
3.1.3 測定法
(1)線源の配置
線源は PET 装置の長軸に平行に固定し,以下のように 6 点に配置する。(図 3-1-1 参照)
①体軸方向
体軸方向視野の中心,および体軸方向視野の中心から前後体軸方向視野の 1/4 の 2 点
②体軸横断面内
・視野中心から垂直方向に 1cm ずらした点(X=0,Y=1cm)
・視野中心から水平方向(X=0,Y=10cm),垂直方向(X=10,Y=0cm)に 10cm ずらした点。
線原位置
(1)軸方向
視野中心
(2) 軸方向
1/4 視野
ガントリー開口面
側面
図 3-1-1 分解能測定のための線源位置
-8-
(2)データ収集
配置した 6 点の全てについて測定を行う。6 点の線源は一つの線源を利用しても,複数の線
源を用いても構わない。収集カウントは各点において,少なくとも 100 キロカウントを収集する。
収集マトリクス(サンプルサイズ)は,普段の臨床検査よりも細かいものを選択してもよい。
(3)データ処理
収集されたデータには,吸収補正を行わず,ナイキスト周波数にカットオフを持つ Ramp フィルターを
用いて,FBP(Filtered Back Projection:フィルター逆投影)法を用いて画像再構成する。
3.1.4 計算法
空間分解能(FWHM と FWTM)は,3 つの直交方向における画像ボリュームの分布の頂点を通るプ
ロファィルに沿って,1次元応答関数を構成することにより決める。
測定方向に直角な 2 方向での応答関数の幅は FWHM の約 2 倍にする。
FWHM あるいは FWTM は,応答関数の最高値の半値あるいは 1/10 値において,隣接する画素間
で線形補間を行い決定する。(図 3-1-2 参照)。
このとき,最高値は画素の最大値と最も隣接する 2 点を用いて放物線近似を用いて決定する。
得られた値は,画素数と画素サイズから“mm”単位の距離に変換する。
3500
カ ウ ント
3000
2500
FWHM
2000
1500
1000
FWTM
500
0
1
6
11
16
21
26
31
画素位置
図 3-1-2 線形補間で決められた FWHM と FWTM の応答関数の例
観測された線源位置は,各一次元応答関数における最大カウント数を含む画素の位置として決定す
ること。
-9-
3.1.5 記録
2 つの体軸方向の位置について,それぞれの半径(中心と 10cm)に対して,体軸方向,半径方向,
および接線方向の分解能(FWHM と FWTM)の平均値を計算し,表 3-1 に従い PET 装置の分解能値
として記録する。
節 3.1.3 (1)による正しい位置決めの証明のため,観測された線源位置は各線源に対して個々に記録
する。
記述
計算式
両 z における x と y
の平均
(四つの数)
両 z における平均
(二つの数)
 RESxx =0 , y =1, z = center + RESy x =0 , y =1, z = center + 
 4
RES = 
 RESx

y
+
RES
x = 0 , y = 1, z = 1 / 4 FOV
x = 0 , y = 1, z = 1 / 4 FOV 

半径 1 cm 位置
体軸横断面
体軸方向
RES = (RESz x =0 , y =1, z = center + RESz x =0 , y =1, z = center ) 2
半径 10 cm 位置
体軸横断面
半径方向
体軸横断面
接線方向
体軸方向 分解能
両 z における二つの
 RESxx =10 , y =0 , z = center + RESy x =0 , y =10 , z = center + 
 4
体軸横断面の平均 RES = 
 RESx

+
y
RES
x = 10 , y = 0 , z = 1 / 4 FOV
x = 0 , y = 10 , z = 1 / 4 FOV 

(四つの数)
両 z における二つの
 RESy x =10 , y =0 , z = center + RESxx =0 , y =10 , z = center + 
 4
体軸横断面の平均 RES = 
 RESy

x
+
RES
x
10
y
0
z
1
4
FOV
x
0
y
10
z
1
4
FOV
=
=
=
=
=
=
,
,
/
,
,
/


(四つの数)
両 z における二つの
 RESz x =10 , y =0 , z = center + RESz x =0 , y =10 , z = center + 
 4
体軸方向横断面の RES = 
 RESz

4000
z
+
RES
x = 10 , y = 0 , z = 1 / 4 FOV
x = 0 , y = 10 , z = 1 / 4 FOV 

平均(四つの数)
表 3-1 報告する空間分解能の計算式
( RESx, RESy, RESz は x, y, z で測定された空間分解能を示す)
- 10 -
3.2 散乱フラクション,計数損失,偶発同時計数
3.2.1 概要
ポジトロンの消滅によって放出されるガンマ線の散乱により,同時計数イベントの位置決めに誤りが
生じ,PET 装置の設計や装備の差違により散乱線の検出感度は異なる。
計数損失と偶発同時計数の測定は,高い放射能線源を正確に測定する PET 装置の能力を表現す
る。第一に散乱線に対する相対的なシステム感度を求めること,第二に線源放射能のいくつかのレベ
ルで,PET 装置の不感時間と偶発同時イベントの影響を測定することが目的である。
3.2.2 測定条件
(1)使用する線源
測定に使用する核種は 18F とする。同等性が証明されていれば,11C や 13N を用いても良い。
(2)測定に必要な計数率
真同時計数率のピークおよび雑音等価計数のピークを測定するのに十分に高い初期放射能濃
度を用い,また開始放射能,収集回数,収集時間を含む各社 PET 装置用のプロトコルについては
製造業者から提供されること。
ファントム内の初期放射能は,ドーズ・キャリブレーターで測定して決める。
(3)使用するファントム
外径 203±3mm,全長 700±5 mm,比重 0.96±0.01 のポリエチレン製円筒で,中心軸から寝台に向
かって垂直に 45±1mm の距離のところに,直径 6.4±0.2 mm の穴が円筒の中心軸と平行に穴を開
けたものを使用する。
制作や取り扱いを容易にするために,この円筒形ファントムは使用時に組み合わせできるように
分割して構成してもよいが,組み合わせて使う場合には隣接部分の隙間を無くすこと。
線状線源は透明なポリエチレンあるいはポリエチレン表面加工されたプラスティック・チューブで,
長さはすくなくとも 800mm,内径は 3.2±0.2mm,外形は 4.8±0.2mm のものを使用する。
3.2.3 測定法
(1)線源の配置
線状線源容器の中央部 700±5mm を,測定された放射能量を混ぜた水で満たして両端を塞ぎ,
放射能領域がファントムの 70cm 長に一致するようファントムの直径 6.4mm の穴に挿入する。線状線
源を挿入したファントムを標準の寝台に,線状線源が寝台に最も近くなるようにする。
(図 3-2-1 参照)
ファントムを体軸横断面および体軸方向視野内の中心 5mm 以内に置く。
図 3-2-1 ファントムの置き方
- 11 -
(2)データ収集
放射性核種の半減期 T1/2 の 1/2 より短い間隔で,各収集時間 Tacq,j は半減期 T1/2 の 1/4 未満とし,
計数損失が 1.0%以下かつ偶発同時計数率が真同時計数率の 1.0%未満になるまで行う。偶発同時計数
を測定しない方法で処理する場合,データ収集は偶発同時計数/真同時計数が 1.0%以下になるまで行
う。検出器が回転する PET 装置については,各収集に対して再構成するためのデータセットを得るため
に必要な回転を行うことが必要である。この場合,収集時間 Tacq には検出器を回転するのに要する時間
を含める。
PET 装置のシステム不感時間損失の正確な推定には,計数損失率および偶発同時計数率が真同
時計数率の 1.0%以下の条件で十分な統計を得ることが必要である。各収集には最小 500,000 の全同
時計数を含むようにし,ピーク計数率を正確に決定できるよう,ピーク計数率付近の測定を十分な頻度
で行うこと。
(3)データ処理
体軸方向視野が 65cm 以下の PET 装置では,スライス i の各収集 j に対してサイノグラムを生成する。
体軸方向視野が 65cm より長い PET 装置では,体軸方向中央部 65cm 内のスライスに対する各収集
に対しサイノグラムを生成する。偶発同時計数の評価ができない場合は,即発同時計数サイノグラムの
みを生成する。サイノグラムには補正無しの PET 装置の全収集計数(真同時計数,偶発同時計数,散
乱同時計数)が含まれていなければならないので,検出器の感度補正,検出器の運動補正,偶発同
時計数補正,散乱補正,不感時間補正,吸収補正は行わない。また偶発同時計数のリアルタイム減
算も行わない。
偶発同時計数率を直接測定できる装置では,以下に詳細に示す偶発同時計数率の推定において
はこれらの測定法を使用してはならない。
斜めのサイノグラムはそのカウントを保存する一方,それぞれのスライスに対してシングル・スライス・
リビニング(SSRB:Single Slice Rebinning)を行う。
3.2.4 計算法
(1)準備
① ファントム中心から 12cm 以上離れた位置する収集 j における各サイノグラム i の全画素は“0”
にする。
② サイノグラム内の各投影角度φに対して最大値を有する画素を見つけ,線源応答の中心位
置を決める。
③ 最大値を含む画素が,サイノグラムの中央画素と直線上で合うように各投影を移動する。
④ ある画素が総投影における画素と同じ半径方向のオフセットを有する各角度投影における画
素の総和となるように,総投影を作成する。
C(r )i , j = ∑ C(r-rmax (φ), φ ) i , j
φ
r
: 各投影角での画素番号
φ
: サイノグラム内の投影番号(サイノグラムの列方向の番号)
rmax(a)
: 投影φでの最大値をとる画素番号
⑤ サイノグラム中央にある 40mm 幅の帯状領域の両端の左右の画素強度の同時計数 CL,i,j と
CR,i,j は合算した投影データから求める。 (図 3-2-2 参照)
投影の中心部の画素から±20mm にある画素強度は線形補間を使用して決める。
⑥ 二つの画素強度 CL,i,j と CR,i,j の平均に 40mm 幅の帯状領域間の画素数(これには端数値が
含まれる)と,その帯状領域の外側の画素を掛け合わせる。
- 12 -
⑦ 収集 j のスライス i に対する偶発同時計数+散乱同時計数 Cr+s,i,j を求めるのに,その積を帯状
領域外側の画素の計数に加算する。
全同時計数 CTOT,i,j は収集 j のスライス i に対する総投影における全画素値の総和で,各収集
j に対する平均放射能 Aave,j を計算する。
図 3-2-2 中心部 40mm の内部と外部でのバックグラウンド同時計数の積分
以降の解析は,偶発同時計数が利用できるかできないかに依存する。
(2)偶発同時計数を評価できる場合の解析
ファントム中心から 12cm より遠くに位置する収集 j の各偶発同時計数サイノグラム i における,全て
の画素値は”0”にする。偶発同時計カウント数 Cr,i,j は収集 j のサイノグラム i における残りのカウントの
総和となる。
1) 散乱フラクション
各スライスの散乱フラクション SFi,j は,以下のように計算する。
SFi , j
∑C
=
∑C
j′
j′
r + s,i,j
− ∑ C r,i,j
j'
TOT,i,j
− ∑ C r,i,j
j′
システム散乱フラクション SF は以下のように算出する。
∑∑ C
SF =
∑∑ C
j
j′
i
j′
i
r + s,i,j
TOT,i,j
− ∑∑ C r,i,j
i
j′
i
j′
− ∑∑ C r,i,j
2) 計数率と雑音等価計数率(NECR)
各収集 j について計算する。
① 各スライス i に対する全同時計数率 RTOT,i,j :
R TOT,i,j =
C TOT,i,j
Tacq,j
② 各スライス i に対する真同時計数率 Rt,i,j :
R t,i,j =
(C
TOT,i,j
− C r + s,i,j )
Tacq,j
- 13 -
③ 各スライス i に対する偶発同時計数率 Rr,i,j :
Cr,i,j
R r,i,j =
Tacq,j
④ 各スライス i に対する散乱同時計数率 Rs,i,j :
R s,i,j =
Cr + s,i,j − Cr,i,j
Tacq,j
※) ここで,Tacq,j はフレーム j の収集時間である。
直接に偶発同時計数減算を行う装置を除いた全てのシステムにおける各収集 j の各スライス i に対
する雑音等価計数率 RNEC,i,j を以下のように計算する。
2
R t,i,j
R NEC,i,j =
R TOT,i,j
全てのシステム計数率は,スライス i 全てにわたって関係するスライスの総和として計算する。
R TOT , j = ∑ R TOT,i , j
i
R t , j = ∑ R t,i , j
i
R r , j = ∑ R r,i , j
i
R s , j = ∑ R s,i , j
i
R NEC , j = ∑ R NEC,i , j
i
(3)偶発同時計数を評価できない場合の解析
1) 散乱フラクション
真同時計数率の 1.0%未満の計数損失率および偶発同時計数率となる一連の最後の収集 j’を散
乱フラクションの算出に使用する。これらの収集には,Cr+s,i, j’の偶発同時計数は無視でき,散乱同
時計数のみが含まれており,CTOT,i,j’ には真同時計数および散乱同時計数のみが含まれていると
仮定する。
各スライスの散乱フラクション SFi は,低放射能の収集にわたって合計して以下のように計算する。
∑C
r + s,i,j '
∑C
TOT,i,j '
j′
SFi =
j′
システム散乱フラクション SF は以下のように SFi 値の計数重み付け平均として算出する。
SF =
∑∑ C
i
j′
i
j′
∑∑ C
- 14 -
r + s,i,j '
TOT,i , j '
2) 計数率と雑音等価計数率(NECR)
各収集 j について計算する。
① 各スライス i に対する全同時計数率 RTOT,i,j :
C TOT,i,j
R TOT,i,j =
Tacq,j
② 各スライス i に対する真同時計数率 Rt,i,j :
R t,i,j =
(C
− C r + s,i,j )
TOT,i,j
Tacq,j
③ 各スライス i に対する偶発同時計数率 Rr,i,j :
 R t,i,j
R r,i,j = R TOT,i,j − 
 1 − SFi



④ 各スライス i に対する散乱同時計数率 Rs,i,j :
 SFi
R s,i,j = 
 1 − SFi

R t,i,j

※) ここで,Tacq,j はフレーム j の収集時間である。
偶発同時計数の減算を直接行わない全てのシステムにおいて,各収集jの各スライス i における雑
音等価計数率 RNEC,i,j を計算する。
2
R t,i,j
R NEC,i,j =
R TOT,i,j
直接に偶発同時計数減算を使用するシステムは,代わりとして各スライス i に対する RNEC,i,j を以下の
ように計算すること。
2
R NEC,i,j =
R t,i,j
R TOT,i,j + R r,i,j
全てのシステム計数率は,スライス i 全てにわたって関係するスライスの総和として計算する。
R TOT , j = ∑ R TOT,i , j
i
R t , j = ∑ R t,i , j
i
R r , j = ∑ R r,i , j
i
R s , j = ∑ R s,i , j
i
R NEC , j = ∑ R NEC,i , j
i
- 15 -
3.2.5 記録
(1)計数率の作図
以下の 5 つのパラメーターを平均実効放射能濃度 aave,j’(V=円筒ファントム容積 22,000cm3)の関
数としてプロットする。
Rt,j
- PET 装置の真同時計数率
Rr,j
- PET 装置の偶発同時計数率
Rs,j
- PET 装置の散乱同時計数率
RNEC,j
- PET 装置の雑音等価計数率
RTOT,j
- PET 装置の全体の同時計数率
収集によって偶発同時計数を評価する場合,偶発同時計数を評価するために用いた方法を報告
する。
(2)ピーク計数値
(1)のプロットから以下の値を求める。
Rt,peak
- 真同時計数率のピーク
RNEC,peak - 雑音等価計数率のピーク
at,peak
- Rt,peak が到達する放射能濃度
aNEC,peak - RNEC,peak が到達する放射能濃度
(3)システム散乱フラクション
測定によって偶発同時計数が評価される場合,ピーク雑音等価計数率における SF 値を報告し,
(1) で定義されたように,放射能濃度 aave,j に対する散乱フラクション SFj 値をプロットする。
測定によって偶発同時計数が評価できない場合,SF 値を報告する。
- 16 -
3.3 感度
3.3.1 概要
PET 装置の感度は,与えられた線源の強度に対して,真同時計数が検出される計数率(1 秒当たり
の計数)で表される。放出されたポジトロンが消滅して,1 対のガンマ線(消滅ガンマ線)が生成される
ので,消滅を保証するに十分な量の材料で線源を囲む必要がある。この梱包材料は生じたガンマ線
を減弱させ,その結果測定も減弱を受ける。
減弱の無い測定点に到達させるよう,既知の吸収体で覆われた一様な線状線源(ライン・ソースまた
はロッド・ソースとも呼ぶ)を用いて一連の測定を行う。
これらの測定結果を用い,吸収体が無い場合の感度を外挿し,感度すなわちポジトロンを検出する
装置の能力を測ることが目的である。
3.3.2 測定条件
(1)使用する線源
測定に使用する核種は 18F とする。
(2)測定に必要な計数率
放射能強度は計数損失が 1%未満で,偶発同時計数率が真同時計数率の 5%未満になるように
十分低くすることが望ましい。
ファントム内の初期放射能はドーズ・キャリブレーターで測定して決める。
(3)使用するファントム
図 3-3-1 に示す感度測定用ファントムを使用する。
1
2
3
4
5
L
チューブ番号
1
2
3
4
5
内径 (mm)
3.9
7.0
10.2
13.4
16.6
外径 (mm)
6.4
9.5
12.7
15.9
19.1
図 3-3-1 感度測定ファントム
- 17 -
長さ L (mm)
700
700
700
700
700
3.3.3 測定法
(1)線源の配置
プラスティック・チューブの 700±5mm 部分に,線源強度を測定した線源を混ぜた水で満たし,両
端を塞ぐ。
ファントムは体軸横断面視野の中心に取り付け,寝台においてはいけない。
取り付け治具がある場合は,治具が視野外になるように位置を調整する。
片持ちによるたわみを防ぐため,線源を両端で支えることが好ましい。
【注意】 放射能 Acal (MBq)と校正時刻 Tcal を記録する。
(2)データ収集
スライス毎の真同時計数が少なくとも 10,000 カウント収集される時間の間収集する。
三次元収集の場合,シングル・スライス・リビニングを用いて,斜めの LOR(応答線あるいは同時計
数線)における計数を,PET 装置の軸を横断する画像スライスに割り当てられるようにする。
1 秒当たりの計数率 R1,i は,スライス内の収集計数を収集時間で割り算することにより決定する。
4 本のスリーブを順次ファントムに追加して測定を繰り返し,各測定に対して Tj と Rj,i の値を記録
する。可能なら,測定毎の偶発同時計数は個別に記録するが,この値は節 3.3.4 に示される計算より
前に先だって減算しておく必要がある。
異なる位置における感度評価には,体軸横断面視野の中心から 10cm 半径方向へずらして繰り
返す。
【注意】 測定時刻 T1 を,収集時間 Tacq と収集された計数値と共に記録する。
【注意】 全断層における撮像データセットを得るため検出器を動かさなければならない PET
装置の場合,検出器を動かすのに必要な時間を収集時間 Tacq に含める。
3.3.4 計算法
(1)システム感度
5 つのスリーブの測定において,各スライスに対して,次式で計数率を時間減衰補正する。
R CORR , j ,i = R j ,i ⋅ 2
( T j − Tcal )
T1 / 2
一度時間減衰補正を行えば,各スライスから RCORR,j,i を加算して RCORR,j を計算する。
次に,そのデータを以下の回帰式でフィッティングする。
R CORR , j = R CORR ,0 ⋅ exp(− µ M ⋅ 2 ⋅ X j )
【注意】 RCORR,0 とμM は未知数で,Xj は重ねたスリーブの厚さを表し,RCORR,0 は減弱の無い計
数率を表す。金属における減弱の値μM は,少量の散乱放射線を補うのに修正できる。
体軸横断面の中心から 10cm のオフセット位置での感度測定を続けて行う。
システム感度は次式で計算する。
Stot =
R CORR,0
A cal
(2)体軸方向感度プロファイル
半径方向 0cm オフセットにおける一番小さいチューブ C1,Plane に対して収集されたデータを用い
て,次式で各スライスに対する感度を計算する。
Si =
R CORR ,1,i
⋅ Stot
R CORR ,1
- 18 -
3.3.5 記録
放射能強度,計数損失(%),偶発同時計数率,真同時計数率を記録する。
このとき偶発同時計数率を測定できる PET 装置では,偶発同時計数率は減算されるので,真同時計
数のみ記録する。固有な偶発同時計数を持つ PET 装置では,偶発同時計数を減算した値を記録する。
各半径方向オフセットに対するシステム感度をメガベクレル当たりの計数率(cps/MBq)で記録する。
各スライスにおける感度 Si をプロットすることにより体軸方向感度プロファイルを記録する。
このとき偶発同時計数の減算をした後で計算された値か,5%以下の偶発同時計数フラクションで得ら
れたのかという条件も記録する。
- 19 -
3.4 計数損失および偶発同時計数補正の精度
3.4.1 概要
下記の測定は PET 装置の不感時間による計数損失,および偶発同時計数の画像に対する補正の
精度の評価を目的とする。
PET 装置には,放射能強度が広い範囲にわたって変化する場合においても放射能分布の定量測
定を保証するために,不感時間による計数損失や偶発同時計数を補正する機能を備えている。これら
の補正の精度は,特に臨床撮像における高い計数率測定時に影響を与える。下記の測定は,ファント
ムによる単純な放射能分布を用いて,高い放射能濃度から,その放射能が充分減衰するまで測定を
行い,画像における PET 装置の計数損失および偶発同時計数補正の精度を評価するもので,下記の
測定は多様性を持つ臨床撮像条件を代表するものではない。
しかし,そのような試験を実行するには,かなりの時間と多量の放射能を扱う必要があるため,本測
定により代用するものとする。
3.4.2 測定条件
(1)使用する線源
測定に使用する核種は 18F とする。同等性が証明されていれば,11C や 13N を用いても良い。
(2)測定に必要な計数率
放射能量は,測定開始時において真同時計数率が PET 装置の不感時間による損失値 50%を充
分に超えており,また以下の二つの計数率を測定できるようにする。
Ri,peak
- 真同時計数率のピーク
RNEC,peak - 雑音等価計数率のピーク
これらの目的に見合う初期放射能の推奨値は製造業者によって提供される。
また,ファントムに注入した初期放射能値を正確に求めるために,あらかじめ注入前に校正済み
のドーズ・キャリブレーターを用いて測定しておく。
(3)使用するファントム
「3.2 散乱フラクション,計数損失,偶発同時計数」で使用したファントムを用いる。
3.4.3 測定法
PET 装置の不感時間による計数損失,および偶発同時計数の画像に対する補正の精度を評価す
るために,「3.2 散乱フラクション,計数損失,偶発同時計数」の測定で得られたデータが利用できる。
補正された真同時計数率と,低い計数率データから外挿された PET 装置に期待される計数率を比
較する。低い計数率においては,不感時間による計数損失と偶発同時計数に起因する誤差は問題に
ならないと仮定している。
(1)線源の位置
試験ファントムの線状線源容器に既知量の放射能を注入し,両端を塞ぐ。この線状線源は,その
放射能領域がファントムの 70cm 長に一致するように挿入する。線状線源を挿入した試験ファントム
を,PET 装置標準の寝台にのせ,線状線源差込口が寝台に最も近くなるように位置合わせし,また
体軸横断面および体軸方向視野の中心に配置する。
(2)データ収集
データ収集は放射性核種の半減期 T1/2 の半分以下のフレーム間隔で,計数損失が 1.0%未満に
なるまで測定する。個々のフレームのデータ収集時間 Tacq,j は半減期 T1/2 の 1/4 以下とする。
高放射能における”正しい”計数率を外挿できる正確な基準値を得るために,データ収集十分に低
い計数損失かつ高い統計を必要とする。
全検出器リングを有しない検出器回転型の PET 装置は,各収集フレームに対して完全かつ一様
角度サンプリングが得られるように回転させることが必要である。
- 20 -
PET 装置の不感時間による計数損失の正確な推定には,計数損失率および偶発同時計数率が
真時計数率の 1.0%未満において充分な統計を得ることが必要であるため,各収集フレームにおい
て少なくとも 500,000 カウント以上の全同時計数を収集する。
よって,PET 装置の製造業者によって開始放射能,収集回数,収集時間等の各社 PET 装置用の
プロトコルが推奨されることが望まれる。
3.4.4 計算法
体軸方向視野が 65cm 以下の PET 装置では,全スライスを画像再構成する。体軸方向視野が 65cm
より長い PET 装置では,体軸方向中央部 65cm 内のスライスのみ画像再構成する。
ブランク撮像およびトランスミッション撮像は通常の臨床検査に用いる条件とする。
計数損失補正,偶発同時計数補正,吸収補正,散乱補正等の全ての補正を行って画像再構成を
行う。再構成フィルターは通常,臨床で用いるフィルターとする。
解析は各スライスの再構成画像 i に対して全て行う。 各データ収集フレーム j に対する平均放射能
Aave,j を計算する。
各収集フレーム j に対する平均実効放射能濃度 aeff,j は,Aave,j をファントムの容積(22,000cm3)で割
り算して求める。
各スライス i の再構成画像上の断層面視野中心に(線状線源の中心ではない),直径 180mm の円
形の関心領域(ROI)を設定し,各収集フレーム j とスライス i に対する真同時計数の計数値 CROI,i,j を
求め,次式により真同時計数率 RROI,i,j を計算する。
R ROIi, j =
C ROIi, j
Tacq , j
各スライス i に対して,外挿された真同時計数率 REXtr,i,j (不感時間による計数損失および偶発同時
計数は無視できる領域での収集フレーム j に対して得られる)を計算する。
統計誤差の影響を最小にするために,RExtr,i,j,は次式で計算する。
R Extr ,i , j =
k=1
A ave, j
3
3
R ROI ,i , k
k =1
A ave, k
∑
: 最も低い放射能での収集フレーム
各収集フレーム j の各スライス i に対して,期待される計数率と測定された計数率の差である相対計
数率誤差Δri,j は次式で計算する。
Δri , j = 100(
R ROI ,i , j
R Extr ,i , j
− 1)%
3.4.5 記録
(1)画像再構成条件
1) 画像再構成法
2) 画像再構成フィルター
(2)スライス毎の項目
1)Δri,j と aeff,j の値を表にする。
2)aeff,j に対するΔri,j のグラフを線形とし,グラフにプロットする。
3)|Δri,j|の最大値およびその放射能値 aeff,j ,あるいは aNEC,peak よりも低い放射能値での
|Δri,j|の最大値およびその放射能値 aeff,j 。
(3)使用核種
測定に使用した核種を記録する。
- 21 -
3.5 画質,減弱補正(吸収補正)および散乱補正の精度
3.5.1 概要
PET 装置の性能における相違点の複雑な相互作用のために,異なる PET 装置の画質を,臨床条件
を模擬する標準化された測定状況に対して比較できることが望ましい。放射性薬剤の取り込みと患
者の大きさと形の変動のために,ファントムを使って臨床条件を模擬することは困難なため,単一のフ
ァントム試験の結果は,その特有の測定状況に対する画質の特徴のみを示す。
下記の測定の目的は,ホットとコールド両方の病巣の全身撮像検査で得られる画像を模擬した
画像を作成して,不均一吸収付きの模擬全身ファントム内の異なる直径の球を画像化することになる。
装置の外側には同様に放射能が存在する。ホットとコールド球両方に対する画像コントラストおよび
バックグラウンドの変化を画質の物差しとして使用し,吸収補正と散乱補正の精度は下記の測定により
決定される。
3.5.2
測定条件
(1)使用する線源
測定に使用する核種は 18F とする。
(2)測定に必要な計数率
測定開始時に校正されたファントム内のバックグラウンド放射能濃度は,全身検査の典型的な投
与量 370 MBq(10 mCi)/ 70,000ml に相当する 5.3 kBq/ml(0.14 μCi/ml)±5%以内とする。
製造業者が全身撮像のためにより低い放射能を推奨するのであれば,それに相当するより低い
バックグラウンド放射能濃度を使用してもよい。
コールド部には放射能を含まない水を満たし,ホット部にはバックグラウンドの 4 倍および 8 倍の濃
度で満たす。
ファントムの線状線源には,バックグラウンド放射能濃度と等しくなるよう 113.9MBq(3.08mCi)の
18
F で満たす。より低いバックグラウンド放射能をファントムとして使用するなら,対応するより低い放
射能を線状線源内に使用する。
(3)使用するファントム
ファントムは 4 つのパーツから構成される。
1)少なくとも内側の長さが 180mm の胴体ファントム。(断面図:図 3-5-1 参照)
2)壁厚が 1mm 以下で,内径 10, 13, 17, 22, 28,および 37mm の 6 個の溶液を満たせる球。
(図 3-5-2 参照)
3)肺の減弱を模擬するために,壁厚 4mm 以下,外径 50±2mm の円筒差込口に平均密度
0.30±0.10 g/ml の低原子番号の物質を満たし,胴体ファントム内中心に置いて,ファントムの全
軸方向範囲に伸ばしたもの。
4)「3.2 散乱フラクション,計数損失,偶発同時計数」で使用した試験ファントム(堅固なポリエチ
レン円筒内の線状線源)
【注意】IEC 61675-1 参照。
3.5.3 測定法
(1)ファントムの配置
2 個の大きい球(28±1mm,37±1mm)にはコールド病巣の測定用に水を満たし,4 個の小さい球
(10±0.5mm,13±0.5mm,17±0.5mm, 22±1mm)にはホットの病巣測定用に 18F を満たす。
球の中心は体軸方向に,同一の体軸横断面内にあるように胴体ファントムの端から 70±10mm の
ところに置く。球の横断面内の配置は,図 3-5-2 のように,球の中心をファントム中心から半径
57.2mm に配置し,直径 17mm の球はファントムの水平軸に沿って置く。
胴体ファントムにはバックグラウンドの放射能濃度を満たして寝台の上に置き,胴体ファントムは球
- 22 -
の中心が装置の中央スライスに位置するように装置の体軸方向に置き,ファントムの中心が装置の
中心に位置するように体軸横断面方向に置く。
ファントムは球の中心を通る面がファントムの範囲にわたって装置の中央スライスに 3mm 以内で
同一面内にあるように整列させる。試験ファントムの線状線源の長さ 700±5mm に 18F を満たし,試
験ファントムの直径 6.4mm の穴に通す。試験ファントムは装置を越えて広がる放射能を有す臨床状
況を近似するために,胴体ファントムの頭部側に胴体ファントムと境を接するようにして置く。
(図 3-5-3 参照)
(2)データ収集
データ収集時間は,全身撮像(100cm 全体軸方向測定距離)を模擬するために,エミッション撮像
およびトランスミッション撮像時間の両方を含めて 60 分以内(Tmin)とし,製造業者によって推奨され
る時間とする。
エミッション撮像とトランスミッション撮像の全撮像時間 TT,E は以下の式で計算される。
TT , E =
T min
* axial step
dist
dist
: 全体軸方向測定視野(100cm)
axial step
: 寝台が全身検査における移動する距離
この撮像時間には,何らかの遷移時間(例えば,トランスミッション線源の移動やデータのアップロ
ード時間)も同様に,エミッション撮像およびトランスミッション撮像時間を含める。
【注意】撮像時間がより長い全撮像時間を模擬するために,あるいは体軸方向距離を減らした撮
像を模擬するために,撮像時間が増加されたところでは追加撮像を行ってもよい。60 分間
で 50cm の全体軸方向撮像距離に相当する撮像時間を選んでも良い。
【注意】撮像の計数に制限があるので,結果の信頼性を改善するのに物理的な減衰に対する補
正を行って 3 回の反復撮像を推奨する。
(3)データ処理
全身検査のために製造業者から推奨されている標準のパラメーター(画像マトリクス・サイズ,スラ
イス厚,再構成アルゴリズム,フィルターあるいは適用される他の平滑化など)を使って,そのデータ
に適用可能な全ての補正を用いて全スライスを再構成する。
3.5.4
計算法
(1)画質
コールドおよびホット球上の中心に置かれた体軸横断面画像を使用する。全ての球に対して同じ
スライスを使用する。撮像される球の内径と等しい直径を持つ円形の関心領域(ROI)を各ホットおよ
びコールド球上に描いて使用する。
ROI 解析ツールは部分画素を考慮し,1mm あるいはそれより小さい増分で ROI を動かせる必要が
ある。
①ホットおよびコールド球に描かれた ROI と同じ大きさの ROI を,球の中心に置かれたスライス上
のファントムのバックラウンド内に描く。
②12 個の直径 37mm の ROI をファントムの端から 15mm の距離でバックグラウンド全体にわたり,
どの球にも 15mm 以上接近しないで描く(図 3-5-4)。
③小さなサイズの ROI(10, 13, 17, 22, 28mm)を 37mm のバックグラウンド ROI に同心で描く。
【注意】中心スライスの両端上±1cm と±2cm までにできるだけ接近したスライス上に描く。
【注意】全ての ROI の位置は,連続した撮像の間で固定することし,各バックグラウンド ROI の平均
計数を記録する。
- 23 -
各ホット球 j の%コントラスト QH,j は次式によって計算する。
CH , j
QH , j =
CB, j
aH
aB
−1
* 100%
−1
CH,j
: 球 j に対する ROI 内の平均計数
CB,j
: 球 j に対するバックグラウンド ROI 計数の平均値
aH
: ホット球内の放射能濃度
aB
: バックグラウンドの放射能濃度
各コールド球 j に対する%コントラスト QC,j は次式によって計算する。
 C 
QC , j = 1 − C , j  * 100%
 C 
B, j 

CC,j
: 球 j に対する ROI 内の平均計数
CB,j
: 球 j に対するバックグラウンド ROI 計数の平均
球 j に対する%バックグラウンド変動性 Nj は次式で計算する。
Nj =
SD j =
∑ (C
SD j
CB, j
* 100%
-C B , j )
K
2
B, j ,k
(K-1)
k =1
SDj
:球 j に対するバックグラウンド ROI 計数の標準偏差
K
: 60
(2)減弱補正と散乱補正の精度
①直径 30±2mm の円形 ROI を肺差込口の中心に設定する。
②直径 30±2mm の 12 個の円形バックグラウンド ROI を各スライス上に設定する。
散乱補正と減弱補正の残留誤差を撮像するために,各スライス i について相対誤差ΔClung,i を
次式で計算する。
ΔClung ,i =
Clung ,i
CB ,i
* 100%
Clung,i
: 肺差込口 ROI の平均計数
CB,i
: 画質解析のために描かれた 60 個のバックグラウンド ROI の平均
- 24 -
3
Centre of phantom
r=
14
35
230
7
70
80
77
r=
77
70
150
図 3-5-1 胴体ファントムの断面(単位 mm,許容誤差±1mm,ポリメチルメタクリレート製)
φ 13 ±
φ 17 ±
φ 10 ±
0,5
0,5
d=
φ 22 ±
11
0,5
4 ,4
φ 37 ±
φ 28 ±
1
1
1
Filling capillaries
70 ±
10
φ 17
φ 37
図 3-5-2 中空球付きファントム差込具(表示は内径,壁厚 1mm 以下,ポリメチルメタクリレート製)
- 25 -
画像 FOV の
スライス中心
70cm
70cm 試験ファントム
胴体ファントム
7cm
図 3-5-3 放射性核種分布の配置
この試験ファントムは,スキャナを超えて張り出す放射能が持っているような臨床状況に近付けるために,胴体
ファントムの頭部端に置かれ,なおかつ胴体ファントムに隣接していなければならない。
図 3-5-4 画質解析のためのバックグラウンド ROI 設定領域
- 26 -
3.5.5
記録
1) ファントムを満たしたバックグラウンド濃度,全身検査に対して製造業者が推奨する投与量
2) エミッション撮像時間,トランスミッション撮像時間,体軸方向ステップサイズおよび全体軸方向
撮像距離を含む収集パラメーター
3) 再構成フィルターおよび体軸横断方向と体軸方向の両方に適用された他の平滑化を含む再構
成法,および適用される補正(散乱,偶発,減弱,不感時間,減衰,規格化),画素サイズ,画像マト
リクス・サイズ,スライス厚
4) 各球サイズと両濃度比に対する百分率コントラストおよび百分率バックグラウンド変動性,反復
撮像を行う場合はそれらの平均と標準偏差
5) 各スライスに対する相対誤差:ΔClung,i の値と誤差の平均
6) 各放射能比に対して,全ての球の中心を通る体軸横断面画像,および 17mm 球の中心を通る
前額断面画像
【注意】項目2),4),6)については各撮像条件の各組み合わせ(例えば,N の値と体軸方向撮像
長さ)対して記録する。
- 27 -
4.付録(X線CT組合せ型ポジトロンCT装置における画像重ね合わせ精度)
4.1 概要
PET/CT 装置においては,PET 画像と CT 画像の同じ部位の断面における画像上での相対位置の
ずれを最小とするよう,PET 装置と CT 装置の機械的な位置合わせなど各種補正を行っている。
下記の測定はこれら機械的な位置合わせ調整後及び各種補正を盛り込んだ PET/CT 装置におい
て,主に寝台の患者荷重によるたわみに起因する PET 画像と,CT 画像の画像重ね合わせの精度の
測定を目的とするもので,PET/CT 装置の臨床的に必要とされる画像重ね合わせの位置精度の値を
規定するものではない。
4.2 測定条件
(1)使用する線源
測定に使用する核種は 18F を推奨する。
(2)測定に必要な計数率
下記の測定は,PET で撮像された線状線源の断層面の重心と, CT で撮像された線状線源を封
入したスリーブの断層面の画像重心(以下,PET 画像と CT 画像の重心)の差を測定するもので,計
数率に関する規定は設けず,その放射能濃度および撮像条件については製造業者の推奨する値
を用いる。
(3)使用するファントム
PET 装置と CT 装置の画像領域における位置精度観察について,十分な長さの直線形状であり,
PET 画像と CT 画像それぞれの画像中心を特定するために「3.3.2 測定条件 (3)」で使用するファ
ントムで,内径 3.9mm のファントムを用いる。
ただし,指定のファントムを使用できない環境の場合,68Ge/68Ga のような校正用線源を使用するこ
とも可能である。
4.3 測定法
(1)ファントムの配置と治具
測定範囲は 40cm(W)×30cm(D)×30cm(H)とする。(図 4-1)
ファントムの固定には,専用治具あるいは容易に作成可能な直方体の支持具を用いる。
直方体の支持具の素材は規定しない。(紙製のフタの無い直方体や,発泡剤の詰まったアクリル
製の直方体容器で,一番離れた頂点を結んだ穴の開いた支持具のようなもの,など)
ファントムの置き方は図 4-2 を参照する。測定可能な体軸方向の撮像範囲の中心に専用治具
または支持具の中心が合うように配置する。
(2)データ収集
人または等価の荷重を掛けて測定を行う。荷重のかけ方は製造業者の推奨方法に従う。
データ収集は臨床プロトコルで行うことが望ましいが,PET 画像と CT 画像の位置ずれの測定が目
的のため,CT 撮像時の金属アーチファクト抑制機能など,臨床プロトコルでは使用しない機能を下
記の測定に用いることに制限は設けない。
体軸方向の撮像領域は,ファントムを含んだ 30cm 以上とする。
測定は二次元収集でも三次元収集でもかまわない。
(3)データ処理
画像再構成は,最高の分解能を呈する再構成法およびフィルターを用いる。
4.4
計算法
1) 寝台に垂直で体軸方向に離れた 2 面(中心から±15cm)における PET 画像 CT 画像の重心の
位置ずれを,体軸横断面(Transaxial 像)から求める。
- 28 -
2) 寝台に垂直で長手方向に平行な 2 面(中心から±20cm) における PET 画像と CT 画像の重心の
位置ずれを,矢状断面(Sagittal 像)から求める。
3) 寝台と水平で長手方向に平行な 2 面(中心から±15cm) における PET 画像と CT 画像の重心の
位置ずれを,前額断面(Coronal 像)から求める。
【注意】PET/CT 装置により得られるスライスの断面が,撮像断面に合致しない場合,測定断面に
一番近接したスライスで測定を行う。
4.5
記録
1) 体軸横断面/矢状断面/前額断面各面の PET 画像と CT 画像の重心の差の平均値(mm)
2) 寝台に掛けた荷重とその位置
3) PET 撮像条件(収集マトリクス,データ収集モード(二次元/三次元),など)
4) PET 画像再構成の条件(再構成フィルター,画素サイズ,など)
Y (垂直方向)
30cm
X
(水平方向)
30cm
40cm
Z (体軸方向)
図 4-1 ファントム測定範囲
40cm
寝 台
図 4-2 ファントムの置き方の例
- 29 -
5.付録(MR組合せ型ポジトロンCT装置における画像重ね合わせ精度)
5.1 概要
PET/MR 装置においては,PET 画像と MR 画像の同じ部位の断面における画像上での相対位置の
ずれを最小とするよう,PET 装置と MR 装置の機械的な位置合わせなど各種補正を行っている。
下記の測定はこれら機械的な位置合わせ調整後及び各種補正を盛り込んだ PET/MR 装置におい
て,PET 画像と MR 画像の画像重ね合わせの精度の測定を目的とするもので,PET/MR 装置の臨床
的に必要とされる画像重ね合わせの位置精度の値を規定するものではない。
5.2 測定条件
(1)使用する線源
測定に使用する核種は 18F を推奨する。
(2)測定に必要な計数率
下記の測定は,PET で撮像された線状線源の断層面の重心と, MR で撮像されたファントムにお
ける線状線源封入部分の断層面の画像重心(以下,PET 画像と MR 画像の重心)の差を測定するも
ので,計数率に関する規定は設けず,その放射能濃度および撮像条件については製造業者の推
奨する値を用いる。
(3)使用するファントム
PET 装置と MR 装置の画像領域における位置精度観察について,十分な距離の 2 点を測定でき
る形状であり,PET 画像と MR 画像それぞれの画像中心を特定できるものを用いる。
図 5-1 には,タブレット形状の密封線源を置いた場合のファントムの置き方の例を示す。
ただし,指定のファントムを使用できない環境の場合,68Ge/68Ga のような校正用線源を使用するこ
とも可能である。この場合は,例えば図 4-2 のような置き方となる。
5.3 測定法
(1)ファントムの配置と治具
測定範囲は,平面内有効視野を考慮して製造業者の指定した範囲とする。
ファントムの固定には,専用治具あるいは容易に作成可能な直方体の支持具を用いる。
直方体の支持具の素材は規定しない。(紙製のフタの無い直方体や,発泡剤の詰まったアクリル
製の直方体容器で,一番離れた頂点を結んだ穴の開いた支持具のようなもの,など)
ファントムの置き方は,タブレット形状の密封線源を用いた場合には図 5-1 を,PET 校正線源等を
用いる場合は図 4-2 の例を参照し,いずれも直方体の対角線上に配置する。測定可能な体軸方向
の撮像範囲の中心に専用治具または支持具の中心が合うように配置する。
(2)データ収集
データ収集は臨床プロトコルで行うことが望ましいが,PET 画像と MR 画像の位置ずれの測定が
目的のため,MR 撮像時のシーケンス等に制限は設けない。
体軸方向の撮像領域は,ファントムの中心が撮像範囲の中心となるようにする。
測定は二次元収集でも三次元収集でもかまわない。
(3)データ処理
画像再構成は,最高の分解能を呈する再構成法およびフィルターを用いる。
5.4
計算法
1) 寝台とシステム軸に垂直で,体軸方向視野中心から製造業者の指定した距離だけ離れた 2 面に
おける PET 画像と MR 画像の重心の位置ずれを,体軸横断面(Transaxial 像)から求める。
2) 寝台に垂直なシステム軸を通る平面に,寝台幅方向に製造業者の指定した距離だけ離れた平
行な 2 面における PET 画像と MR 画像の重心の位置ずれを,矢状断面(Sagittal 像)から求める。
- 30 -
3) 寝台と水平なシステム軸を通る平面に,上下方向に製造業者の指定した距離だけ離れた平行な
2 面における PET 画像と MR 画像の重心の位置ずれを,前額断面(Coronal 像)から求める。
5.5
記録
1) 図 5-2 を参考に,体軸横断面/矢状断面/前額断面における体軸方向視野中心とシステム軸か
らの測定距離(XYZ),および PET 画像と MR 画像の重心の差の平均値(mm)
2) PET 撮像条件(収集マトリクス,データ収集モード(二次元/三次元),など)
3) PET 画像再構成の条件(再構成フィルター,画素サイズ,など)
製造業者の指定範囲
寝 台
図 5-1 ファントムの置き方の例(タブレット形状の密封線源を用いる場合)
1/2 AFOV
-Xmm
-Zmm
システム軸
+Ymm
システム軸
-Ymm
+Ymm
+Xmm
+Zmm
-Ymm
(正面)
(側面)
図 5-2 ファントム位置記録方法(図 5-1 の場合)
1993年 1月
2005年 10月
2007年 9月
2008年 7月
2013年 7月
- 31 -
制定
改正
改正
改正
改正
解
説
1.制定の趣旨
日 本 ア イ ソ ト ー プ 協 会 医 学 ・ 薬 学 部 会 に よ っ て , 1991 年 の NEMA ( NEMA : National Electrical
Manufacturers Association)委員会レポートに準拠した「PET 装置の性能評価のための測定指針」が 1991 年
に公表され,それを元に若干の内容変更と修正を行い,1993 年 JESRA X-73 としてこの規格が制定された。
わが国における PET 装置の普及はめざましく,進歩する PET 装置の技術に JESRA X-73 の性能評価の対
応が困難となったため,三次元収集に対応した大視野の PET 装置の性能評価に対応することである。
2.制定の経緯
「既存の JESRA X-73」「IEC 61675-1」「NEMA Standards publication NU 2-2001」および「SC-4405 委員会
(ポジトロン CT)で作成した規格原案」を参考にして,企画審査委員会の審議を経た後に制定した。
3.審議中問題となった事項
(1)IEC 規格と NEMA 規格の選択
PET 装置の性能評価の規格として IEC 61675-1 がある。本来は国際規格である IEC 61675-1 を採用す
べきであるが,PET 装置においては国際的に NEMA 規格を用いた性能測定が行われており,この規格に
おいては改正前と同じく NEMA(NEMA NU 2-2001)規格に準じた性能評価とした。
(2)NEMA NU 2 –2001「付録」の扱い
NEMA NU 2-2001 には,腫瘍検査を目的とした PET 全身撮像に焦点を当てた性能評価であるため,脳
撮像における PET 装置の性能を正確に表すことができないことが明記され,「付録 NU-2-1994 散乱フラク
ションと計数率試験」が追加されている。この規格では,NEMA NU 2-2001 を採用しているが,国内において
は PET 検査における全身撮像で脳撮像を行うことが多く,NEMA NU 2-2001 で採用されている「付録
NU-2-1994 散乱フラクションと計数率試験」は採用しなかった。
(3)PET/CT 装置における PET 画像と CT 画像の画像重ね合わせ精度の測定
IEC および NEMA 規格においても,平成 17 年には PET/CT 装置における PET 画像と CT 画像の画像
重ね合わせ精度についての規格は存在しない。しかし,改正薬事法(法律第 96 号平成 14 年 7 月改正)に
より第三者認証機関での審査に使用できるような性能評価試験規格が必要となり,PET/CT 装置における
PET 画像と CT 画像の画像重ね合わせ精度についての規格を新たに作成した。
(4)PET/MR 装置における PET 画像と MR 画像の画像重ね合わせ精度の測定
IEC および NEMA 規格においても,平成 25 年には PET/MR 装置における PET 画像と MR 画像の画像
重ね合わせ精度を評価する規格は存在しない。PET/MR 装置の認証基準制定にあたり,PET 画像と MR
画像の位置ずれに対する性能評価試験規格が必要となり,PET/MR 装置における PET 画像と MR 画像の
画像重ね合わせ精度についての規格を新たに作成した。
PET/CT 装置においては,その位置ずれ評価にあたり,寝台のたわみによる PET 画像と CT 画像の位置
ずれを考慮するため,寝台に荷重を掛けるように規格を定めたが,PET/MR 装置においては,MR 装置の
体軸方向幅が CT 装置に比べ長いことを考慮し,寝台のたわみを考慮する必要がないと判断し,寝台に荷
重をかける必要がないと判断した。
4.主な改正点
4.1 X-0073*A(2005 年 10 月)
三次元収集に対応した大視野の PET 装置および PET/CT 装置に対応させた。旧規格の「画像濃度均一
性」「部分容積効果(リカバリ係数)」は性能評価から削除した。
「PET/CT 装置における PET 画像と CT 画像の画像重ね合わせ精度」の性能評価項目を追加した。
4.2 X-0073*B(2007 年 9 月)
「JESRA 作成規定(JESRA C-0001)」の 2007 年 6 月改正に伴い,「1.3.7 その他」の項を追加した。
合わせて誤記を修正した。
4.3 X-0073*C(2008 年 7 月)
この規格は,NEMA(NEMA NU 2-2001)規格に準じた性能評価法としているが,NEMA NU 2-2007 が発
行されたのに伴い,2001 年版から 2007 年版に変更された箇所について内容を追加・修正した。
また,X-0073*B 改正時に企画審査委員会からの指摘事項を検討の上規格に反映した。
なお C 版への改正は引用部分に改訂なきため,JIRA 基準委員会での審議は割愛した。
4.4 X-0073*D(2013 年 7 月)
「PET/MR 装置における PET 画像と MR 画像の画像重ね合わせ精度」の性能評価項目を追加した。
合わせて誤記を修正した。
5.新旧規格項目番号および内容の相違を示す対比表
5.1 A 改定
適用範囲
改定後(2005)
改定前(1993)
NEMA NU 2 - 2001(参考)
1) PET/CT 装置による PET 検
査,FDG デリバリによる PET 検
査では一部測定が限定
2) PET/CT 装置では開口径
500mm 以上
3) PET 脳検査でも測定可能
1) PET/CT 装置による PET 検
査,FDG デリバリによる PET 検
査は想定外
2) PET/CT 装置には触れず
3) PET 全身撮像と脳検査を区別
せず
1) PET/CT 装置による PET 検
査,FDG デリバリによる PET 検
査は想定外
2) PET/CT 装置には触れず
3) PET 脳検査は NEMA NU
2-1994 で対応
3.1
1) 使用核種は 18F
4.1
1) 使用核種は 18F,11C,13N,
22
Na
2) 体軸横断面内と体軸方向分
解能を個別に測定
第3節
1) 使用核種は 18F
空間分解能
2) 体軸横断面内と体軸方向分
解能を同時に測定
散乱フラクション
計数損失
偶発同時計数
3.2
1) 同等性の証明で,使用核種に
11
C および 13N を認める
2) 専用ファントムと線状線源を
用いる
3) 使用した核種を記録
3.3
1) 使用核種は 18F
感度
計数損失の精度
偶発同時計数補正の精度
2) 線状ファントムを使い絶対感
度を測定
3) NEMA 記載の計数率は現実
的でないため,“計数率は十分
低くすることが望ましい”の文言
追加
4) ファントム装着の注意追加
5) 放射能強度,計数損失(%),偶
発同時計数率,真同時計数率の
記録追加
3.4
1) 同等性の証明で,使用核種に
11
C および 13N を認める
2) 専用ファントムと線状線源を
用いる
3) 使用した核種を記録する
3.5
1) 使用核種は 18F
画質の精度
減弱補正の精度
散乱補正の精度
PET/CT 装置の
画像重ね合わせ精度
画像濃度の均一性
部分容積効果
2) 放射能濃度は 10mCi 以下,
収集時間は 60 分以下
3) ファントム組合せで体幹部想
定
4) 図 3-5-3 追加
4.3,4.4
1) 使用核種は 18F,11C,13N,
22
Na
2) 散乱フラクション測定は線状
線源,計数損失と偶発同時計数
の測定には円柱ファントムを用
いる
3) 使用した核種を記録
4.2
1) 使用核種は 18F,68Ga,11C,
13
N
2) 円柱ファントムで測定
2) 体軸横断面内と体軸方向分
解能を同時に測定
第4節
1) 使用核種は 18F
2) 専用ファントムと線状線源を
用いる
3) 核種の記録は不要
第5節
1) 使用核種は 18F
3) 計数損失 5%以下,偶発同時
計数率が真同時計数率の 5%未
満
2) 線状ファントムを使い絶対感
度を測定
3) 計数損失 1%以下,偶発同時
計数率が真同時計数率の 5%未
満
4) ファントム装着の注意なし
5) 放射能強度,計数損失(%),偶
発同時計数率,真同時計数率の
記録不要
4) ファントム装着の注意なし
5) 放射能強度,計数損失(%),偶
発同時計数率,真同時計数率の
記録不要
4.7
1) 使用核種は 18F,15O,68Ga,
11
C,13N
2) 円柱ファントムで測定
第6節
1) 使用核種は 18F
3) 核種の記録は不要
4.6
1) 使用核種は 18F,68Ga,11C,
13
N
2) 放射能濃度・収集時間の規定
なし
3) 吸収散乱テストファントム
2) 専用ファントムと線状線源を
用いる
3) 核種の記録は不要
第7節
1) 放射能濃度は 10mCi
2) 収集時間は 60 分
4) ファントムの置き方示さず
3) ファントム組合せで体幹部想
定
4) ファントムの置き方示さず
4
(新規作成)
(対応規格なし)
(対応規格なし)
(規格削除)
4.5
・円柱ファントム各再構成スライ
スについて,マトリクス ROI 内の
不均一性を計算
(対応規格なし)
(規格削除)
4.8
・円柱ファントム内に球形ホットフ
ァントムを入れて,リカバリ計数
を算出
(対応規格なし)
5.2 C 改定
改定後(2008)
改定前(2005)
英語タイトル
Performance Evaluation ~
Performance Measurement ~
空間分解能
図 3-1-1 の変更
図 3-1-1
散乱フラクション
計数損失
偶発同時計数
3.2.4 (2) 章立て変更
「偶発同時計数を評価の可能・
不可能で解析を場合分け」
3.2.4 (2)
感度
3.3.5
偶発同時計数率の扱いを追加
3.3.5
図 3-5-3 の変更
図 3-5-3
画質の精度
減弱補正の精度
散乱補正の精度
5.3 D 改定
改定後(2013)
P.14
4.2 (1)
4.5
5.付録
改定前(2008)
④各スライス i に対する
散乱同時計数率 Rs,i,j
④各スライス i に対する
偶発同時計数率 Rr,i,j
測定に使用する核種は 18F を推
奨する。
測定に使用する核種は 18F とす
る。必要な 18F が得られない場合
は他の核種を用いても良い。
3) PET 撮像条件~
4) PET 画像再構成~
3) 撮像条件~
4) 画像再構成~
追加
なし
6.原案作成および審査
6.1 原案作成:SC-4405 委員会 (PET装置)
主査
佐藤友彦
(株)島津製作所
新田浩一
(株)日立メディコ
信田育弘
シーメンス・ジャパン(株)
石原芳幸
GE ヘルスケア・ジャパン(株)
勅使川原学
東芝メディカルシステムズ(株)
清水啓司
浜松ホトニクス(株)
谷﨑直昭
住友重機械工業(株)
惣田 均
(株)フィリップスエレクトロニクスジャパン
福喜多博義
国際医療福祉大学
織田圭一
(地独)東京都健康長寿医療センター研究所
大崎洋充
日本メジフィジックス(株)
谷本克之
(独)放射線医学総合研究所
「4.付録」協力:第三者認証作成 WG(PET/CT サブ WG)
渡部一雅
シーメンス・ジャパン(株)
林原 良
東芝医用システムエンジニアリング(株)
片岡一芳
東芝メディカルシステムズ(株)
井上勇二
GE ヘルスケア・ジャパン(株)
大久保菜穂子
(株)フィリップスエレクトロニクスジャパン
「5.付録」協力:PETMR 検討 WG
寺田泰陽
シーメンス・ジャパン(株)
丸山克也
シーメンス・ジャパン(株)
岡本和也
東芝メディカルシステムズ(株)
大久保菜穂子
(株)フィリップスエレクトロニクスジャパン
6.2 規格審査:企画審査委員会
委員長
小林一郎
(株)日立メディコ
内山 進
東芝メディカルシステムズ(株)
小柳祥啓
富士フイルム(株)
増尾克裕
(株)島津製作所
原 裕孝
コニカミノルタ(株)
幹事
日置達男
富士フイルム(株)
事務局
神谷正己
一般社団法人日本画像医療システム工業会
一般社団法人 日本画像医療システム工業会が発行している規格類は,工業所有権(特
許,実用新案など)に関する抵触の有無に関係なく制定されています。
一般社団法人 日本画像医療システム工業会は,この規格の内容に関する工業所有権に
対して,一切の責任を負いません。
JESRA X-0073*D-2013
2013 年 7 月発行
発行 一般社団法人 日本画像医療システム工業会
〒112-0004 東京都文京区後楽 2-2-23
住友不動産飯田橋ビル 2 号館 6 階
TEL 03-3816-3450
FAX 03-3818-8920
禁無断転載
この規格の全部または一部を転載しようと
する場合には発行者の許可を得てください。
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