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4-6 ターゲットバードゴルフ
体育実技 ニュースポーツ・フライングディスク・レクリエーショナルスポーツ 資料集No.4(V1.0.2005) ターゲット・バードゴルフ ゴルフをラウンドすることはとても楽しいです。でもコースに出かけて行く のは簡単ではありません。またネットに囲まれた練習場だけでは味気ない。 なんとか、手軽にゴルフゲームを楽しめないだろうか?そんな想いを実現 させた日本人がいました。野嶋孝重氏(川口市在住)です。1969 年、バドミ ントンのシャトルのような羽をつけたボールを考案し、狭い公園などでフル スイングしても大丈夫なゴルフゲームを作りました。その後、1985 年、川口 市教育委員会が同氏と協力し、現在のターゲット・バードゴルフを作成しま した。1988 年には日本ターゲット・バードゴルフ協会も作られました。 道具: 羽のついた専用プラスチックボール(右上図)、バラソル型ネットゴ ール(アドバンテージホール、セカンドホール)、スイングマット(人 工芝マット)、ゴルフクラブ(ピッチングウェッジ、9番アイアンなど) 概要: 専用プラスチックボールを人工芝マット上で打ち、パラソル型のゴールを目指します。ゴールはアドバンテー ジホール(パラソルの中)とセカンドホール(パラソル下の輪)があり、アドバンテージホールに入れば(ホールイ ン)、普通にホールアウト。セカンドホール内に止まれば 1 打プラスしてホールアウトします。(パラソルの間近で は、セカンドホールの方がホールインしやすくなります(下図参照))。 羽のついたボールはピッチングウェッジで打って 18m、ドライバーで 30mの飛距離が標準と言われます。す なわち、30-50m程度の距離でラウンドを楽しめ、公園や広場に簡易ホールをつくって行うことも出来ます。マー カーやロープなどを利用し、ドッグレック(折れ曲がるコース)や OB エリア・池などを想定することもできます。最 後にゴールを狙う為に、打球を上にあげやすいピッチングウェッジ、9番アイアンなどをよく使用します。 特徴: ①狭いコースでもフルスイングすることが多く、爽快感があります。 ②技術的にはゴルフと同じように適度な難度性があり、テクニックを磨く楽しみがあります。 ③ゴルフの用具(クラブ)がそのまま使え、ゴルフの練習としても最適です。 ④ボールが軽量で、飛距離が小さく、安全性があり、羽の作用で方向も安定します。 ⑤パラソル型のホールは、的は大きいけれど、距離によって角度が変わり攻め方次第で打数が増えてしまう 難しさがあります。 ショットは人工芝マットをこするようにするといいでしょう。ピッチングウェッジ や9番アイアンなどは、クラブフェイスが上向きなので、マットをこする位置(ク ラブの振り子運動の最下点)にボールがあれば、ボールの下をクラブが通過し ボールがよく上にあがります。 逆に、クラブの振り子運動の最下点よりもやや前にボールを置けばクラブ の縁にボールが当り、上にはあがらず低い弾道となります。低い分だけ転がっ たりして距離が出ることもあります。 アドバンテージホール ゴールに近づきすぎると、角度が急になりアドバンテ ージホールには入れづらくなります。そうした場合は、1 打プラスしても確実にセカンドホールを狙った方がいい のです。 この駆け引きに失敗すると、せっかく近づ いているのに大たたきしてしまいます。これ もこのゲームの難しさの一つなのです。 セカンドホール(1打プラスしてホールアウト) 出典参考:北川勇人,ニュースポーツ事典,遊戯社(1991) サンラッキー,ニュースポーツハンドブック,サンラッキー(1992) 体育実技 ニュースポーツ・フライングディスク・レクリエーショナルスポーツ 資料集No.5(V1.0.2005) ゲートボール 「第 1 ゲート通過!」。街角の公園などで声高らかに行われているゲートボール。 年配者向けのやさしいスポーツという印象がありますが、実は非常に高度な戦術が 求められるインテリジェントな競技なのです。1948 年、鈴木和伸氏によって「クロッケ ー」をヒントに考案された 5 人対 5 人で戦うチームスポーツです(クロッケーとの違い はコラム参照)。戦後間もない時期で、大衆の娯楽として流行します。一端下火にな りますが、1970 年代後半から中高年者のスポーツ振興に利用され、再び全国的なス ポーツになりました。北海道帯広市には鈴木氏の功績を記念して「ゲートボール発祥 の地」の碑があります。現在、愛好者は 600 万人以上とも言われ、近年ジュニア大会 などもあり若者もたくさんプレーしています。 ゲームの概要 ◎5 人対 5 人で行うチーム対抗形式のゲーム(試合時間 30 分間)。 日本ゲートボール連合 HP http://www.gateball.or.jp より ◎先攻赤ボール(奇数 1∼9)、後攻白ボール(偶数 2∼10)を数字順に交互に打ちます。 ◎スタートエリアより、第 1、第 2、第 3 ゲートを通過させ、最後にゴールポストに当てると上がりです。 ◎第 1∼3ゲートを通過すると各 1 点、ゴールポールに当ると 2 点、合計 5 点が各プレーヤーの最高得点となります。 ◎先に 5 人が上がったチームが勝ちとなります。時間内に上がれなかった場合、チームの総得点で勝敗を決めます ◎ゲート通過時(ボールがインサイドライン内)、 スパーク*成功時に継続してプレー アウトサイドライン することができます。 ◎インサイドラインの外に インサイドライン 20-25m 出たボール(アウトボール) 第2ゲート 2m ゴールポール は、次回の打撃で 第3ゲート ゲート通過、タッチ* ができません。 <ゲートボールのコート> 第1ゲート 2m ゲート通過が 成立する方向 スタート エリア 2m ゲートボールの醍醐味 15-20m 2m 「スパーク」! 1m 4m ボールが他のボールに当ると、チャンス到来です。 他球に当たり自球・他球ともコート内に静止すると「タッチ」*成立です。 他球を自球の隣に置き、自球を踏みつけながら打撃して、他球を弾き飛ばします。 これを「スパーク」*といいます。敵の球ならばコート外へ、味方ならば条件のいい場 所に移動させられます。ゲート通過も可能です。 スパーク成功後はもう一度自球を打てますので、タッチした自球の位置も重要なポイントで す。また、1 回で2つの球にタッチする「ダブルタッチ」をねらい、2 つの味方球を近づけてお く戦術もあります。ダブルタッチは連続してスパークでき、さらに 2 回連続プレーができます。 このように、ゲートボールはタッチ&スパークで試合が変化します。後から打つ敵の 球に狙われないように、チームでの連携が必要なゲームなのです。 スパークの方法 自球を踏み、他球を隣におきます 自球をスティックで打ち、他球を飛ばします。自球 が動く、他球が 10cm 以上動かない場合は失敗です。 ゲートボールの元祖クロッケー -両者の違いクロッケーは 13 世紀南フランス起源とされ、イギリス でアソシエーション・クロッケーとして発展。社交界でも 行われました。ビリヤードもクロッケーの室内版として生 まれたほど、伝統のあるスポーツです。現在はレクリエ ーショナル・クロッケーとして行われています。 ゲートボール同様、ゲート(フープ)を通過してゴール ボール(ペグ)に当てて上がりです。その過程で、やはり ボールがタッチ(ヒット)するとスパーク(ロッケー)が出 来ます。(括弧内がクロッケーでの呼び方)。 クロッケーでは、フープが 6 つあり、それぞれ 2 回(両 方向)計 12 回を規定の順序で通過してからペグを狙い ます。ボールは 6 つで、ゲートボールよりやや小さく、対 戦は 1:1,2:2,3:3 もしくは 6 人の個人戦があります。ま た、ロッケー時は他球ではなく自球を移動させます。 スティックはマレットまたはマレー(木槌)と呼ばれ、こ の道具を使ったマレットゴルフも日本で生まれました。 出典参考:野々宮徹,ニュースポーツ用語事典,遊戯社(2000) サンラッキー,ニュースポーツハンドブック(1992) ニュースポーツベスト 7,日本レクリエーション協会(1992) 体育実技 ニュースポーツ・フライングディスク・レクリエーショナルスポーツ 資料集No.6(V1.0.2005) ユニバーサル・ホッケー(ユニホッケー) ホッケーといえば、氷上の格闘技と呼ばれるアイスホッケーを思い起こ すでしょうか?それとも芝生の上で行われるグラスホッケー(フィールドホッ ケー)でしょうか?いずれもスティックを持ち、ゴールにシュートを狙います。 このゲームを室内で簡易的に行えるのがユニバーサルホッケーです。専 用のフェンスを設置すればアイスホッケーのように途切れることなくゲーム を続けることもできます。しかし、ゴールキーパーを置きません。重装備で 必死にゴールを守る姿はなく、ハードな格闘技のような競技ではありませ ん。ボールも軽いプラスチックボールで、身体接触も禁止されている「みん なのスポーツ」です。 <ユニバーサルホッケーのコート> 20-30m ゴール ライン ペナルティポイント ゴール エリア 1.8m 10-15m 7m 3m 1.5m ゴール ポスト センター サークル シューティング ライン 道具: スティック(上図) …ブレード(打撃 部分)とシャフトからなるプラスチ ック製で、2 チームに色分けされて います(赤・黄、橙・緑等)。 ボール(上図) …プラスチックボー ルで空洞状。18 個の丸い穴があ いています。 ゴ ー ル ポ ス ト … 幅 100cm 、 高 さ 90cm、奥行き 50cm でネットが張 られています。 フェンス …高さ 20cm でコートを囲 います。体育館の壁等を利用する ことも出来ます。フェンスなしでも ゲーム可能です。 19.2-29.2m 概要:上の図のようなコート内で、6人対6人で、相手ゴールにスティックを使ってボールを入れるゲーム(メンバーチェンジはゲーム 中に自由に行えます)。10 分ハーフの前・後半戦でコートチェンジがあります。コート中央のセンターサークルでフェイスオフ(ス ティックを30cm離して置き、審判がその間にボールを落としてボールを奪い合う)をして開始します。壁で囲まれたゴール後ろ までがプレーゾーンです。ゴールキーパーはいません。そのためゲーム中、ゴールエリア内には、両チームとも足を踏み入れられ ません。また、ゴールポスト中にはスティックも入れられません。 ゴールエリア内のスティックでの攻防がポイントです。 ユニホック?ユニバンディ?ユニホッケー? 主なルール:中断後はフェイスオフ、反則後はフリーストロークで再開します。 一体正式な名称はどれ? フリーストロークは他のプレーヤーが 3m 以上離れてから自由に打てるも 北欧の氷上ホッケーである「バンディ」を室内用にし ので、直接シュートも出来ます。重い反則後にはペナルティポイントからシ た「インネバンディ」をさらに簡易化したものが「ユ ュートを狙うペナルティーストロークが出来ます。この際は、他のプレーヤー ニホック」で、商品名でした。これが日本に輸入され はペナルティポイントの後方 2m 以上離れて、ボールがゴールラインを通 たのが 1978 年。1984 年頃、順天堂大学斉藤定夫教授 過するまでは動けません。シューティングライン内での守備側の反則後は がインネバンディの改良型ゲームを「ユニバンディ」 シューティングラインの外から攻撃側がフリーストロークを行います。その と呼んで普及と用具の国産化を始めました。その後「ユ 他の反則後はその場からフリーストロークになります。 ニホッケー」と呼ばれるようになり、さらに「ユニバ ボールは頭と腕以外を使っても止めることが出来ます。手のひらで真 ーサルホッケー」として協会も発足しました。なお、 下に落とすことも許されます。 同協会は 1997 年に本フロアーボール連盟に改称しま したがゲーム名は「ユニバーサルホッケー」として残 主な反則 ①相手を押したり、つまずかせたり、蹴ったり、タックルすること (身体接触は禁止)。②足でボールをパスすること。③スティックのブレ っています。また、スーパーホッケーという名もあり ードを膝より高く上げたり、スティックを投げたりすること。④ゴールエリ ます。これは、商品名で、屋内用のパックと屋外用の アに身体の一部を入れボールを操作すること。⑤ゴールポスト内にステ ボール、ゴールキーパー用スティック等もある簡易ホ ィックを入れて攻守すること。⑥ゴールポストを故意に動かすこと。 ッケー用具のことです。なんともややこしい! 出典参考:野々宮徹,ニュースポーツ用語事典,遊戯社(2000) 北川勇人,ニュースポーツ事典,遊戯社(1991) インドアスポーツベスト 7,日本レクリエーション協会(1992)