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第12章 市民生活の安定
第12 章 市民生活の安定 第1節 危機管理対策室 水道局 応急給水 水道施設が被災し管路による給水が困難なときは、応急的に配水池、災害用地下給水 タンク等から直接給水を行うとともに、給水車で配水池(給水基地)からの運搬給水を 行う。その後は、管路の応急復旧や耐震管路等からの仮設配水管の布設、応急給水装置 の設置等により、日常生活に必要な水の供給を確保しつつ、逐次速やかに復旧工事を行 い各戸給水まで回復させる。 また、プールの水、井戸水等も生活用水として利用を図る。 1 水道部が行う応急給水 (1)水道部の給水分担及び方法 給水分担及び方法 項 目 1 救急告示医療機関と災害医療拠点病院に配水池から給水車等により運搬 給水する。 2 配水池や災害用地下給水タンク、緊急給水栓等から応急給水する。 (災害 用地下給水タンクと緊急給水栓からの応急給水を市民と協働で行う。 ) 水道部が行 3 区本部と連携して、他都市水道事業体と横浜市管工事協同組合の応援によ う応急給水 り、配水池等から地域医療救護拠点、地域防災拠点、特別避難場所に運搬給 水する。 4 救急告示医療機関、地域医療救護拠点、緊急給水栓への管路を優先復旧し、 復旧した配水管に応急給水装置を設置して給水する。 5 他都市へ応援要請する。 (2)飲料水の確保 市内24箇所の配水池には緊急遮断弁が設置されているため、水道管路に被害が発生 した場合でも、発災から3日間は、全市民に1人1日当たり3リットル、4日目から7 日目までは10リットルの飲料水が確保される。さらに、配水池から離れた地区の住民の 飲料水は、災害用地下給水タンクにも確保される。 (3)応急給水拠点及び給水基地 直接給水できる主な応急給水拠点及び給水基地は、次のとおりである。 項 目 区 分 場 所 配水池及び貯水槽 応急給水拠点及び給水基地 災害用地下給水タンク 配水池・貯水槽一覧表のとおり 緊急給水栓 緊急給水栓設置場所一覧表 工業用水施設 鶴ヶ峰沈澱池、東寺尾配水池 241 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 災害時の応急給水拠点図 <配水池・災害用地下給水タンク 平成17年3月末現在> 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 242 (4)応急給水用資機材の確保 応急給水に必要な容器類は、各営業所、各配水池の倉庫及び応援者受け入れ施設に保 管している。 また、配水池及び災害用地下給水タンクで使用する機材は、附属の倉庫に保管してあ り、その他の施設で使用するものについては、水道局事業所等に保管している。 応急給水機材一覧表 応急給水機材 応急給水用資機材 応急給水資機材(配水池用機材) 応急給水資機材一覧表(配水池) 水道局応急給水車両一覧表 応急給水車両 (5)水道施設の応急復旧 応急復旧は、本復旧するまでの間、飲料水と生活用水を可能な限り、早期にかつ広範 囲に管路給水する目的で行う。 ア 応急復旧の優先順位 応急復旧作業は、まず最初に、二次災害や被害の拡大防止の応急措置を行い、現場 の安全を確保した後、工事を行う。 優先順位としては、給水基地である配水池への送水管路、医療機関・地域医療救護 拠点・地域防災拠点への管路、緊急給水栓への配水管路、さらには給水区域拡大のた めの仮設配水管路の順とする。 イ 応急復旧作業 応急復旧の作業は、次により行う。 (ア)「横浜市水道施設に係る災害時等の応急措置の協力に関する協定」に基づき、横 浜市管工事協同組合に対して協力を要請する。 (イ)市内の民間業者にも協力を要請するとともに、他都市応援職員等も組み込んだ効 率的な復旧活動体制で行う。 ウ 復旧資材の確保 管路の復旧に必要な資機材は、資材管理所、配水池等に保管してあるものを活用す る。作業に必要な機器材は、次のとおり確保している。 復旧機器材 応急復旧関係機器材一覧表のとおり 243 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 (6)応援の要請 市本部長又は水道部部長は、災害時における応援協定等に基づき、関係機関に対して 応援を要請する。 項 目 協定等の名称 締 結 先 八都県市災害時相互応援に関する協定 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、 川崎市、千葉市、さいたま市 災害時における相互援助に関する協定 水戸市、前橋市、宇都宮市、千葉市、 浦和市、甲府市 15大都市災害時相互応援に関する協定 政令指定都市、東京都 13大都市水道局災害相互応援に関する 政令指定都市(千葉市を除く) 、東京都 覚書 第 3 部 日本水道協会神奈川県支部災害相互応 援に関する覚書 応援の要請 川崎市との緊急応援に関する業務協定書 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 神奈川県企業庁、神奈川県内広域水道 企業団、県下市町村 川崎市水道局 緊急時連絡管の運用等に関する申合せ書 神奈川県内広域水道企業団 千葉県水道局との災害相互応援に関す る協定 千葉県水道局 日本水道協会関東支部災害時相互応援 に関する協定 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、 群馬県、栃木県、茨城県、山梨県 災害時における応急給水の実施に関す る協定 神奈川県内広域水道企業団 神奈川県と横浜市との応援給水に関す る基本協定 神奈川県企業庁水道局 (7)水質の保全 震災時の衛生環境の悪化を考慮して、水道水の水質検査を強化するとともに、必要に 応じて塩素剤を追加投入するなど、水質の保持に万全を期する。 配水管路の破損箇所の復旧、仮設配水管及び応急給水装置の設置が完了したときは、 給水開始前に管内清掃及び水質検査を行う。また、給水作業中も適宜水質検査を行う。 2 区本部が行う応急給水 項 目 給水分担及び方法 1 備蓄している水缶詰の配布 2 地域防災拠点等での直接給水(受水槽等から直接給水する。 ) 3 災害応急用井戸からの直接給水(生活用水として使用する。 ) 4 水道部と連携して、他都市水道事業体と横浜市管工事協同組合の応援によ り、配水池等から地域医療救護拠点、地域防災拠点、特別避難場所に運搬給 区本部が行 水する。 う応急給水 5 給水の効率化(給水拠点の案内等) 6 住民、ボランティアへの応援依頼(ひとり暮らし高齢者等への運搬給水等) 7 鶴見区本部長又は総務部部長は「災害時における飲料水の供給協力に関す る協定」に基づき、(株)キリンビール横浜工場に対して、飲料水の供給を 要請する。 244 第2節 危機管理対策室 環境創造局 経済局 食料の供給 1 食料の供給 震災により住家等に被害を受け、市民が食料と自炊手段を失ったときは、次により被 災者に対して速やかに食料の供給を実施する。 (1)供給対象者 食料の供給を行う対象者は、おおむね次のとおりとする。 ア 避難所の被災者 イ 住家に被害を受けたことにより、炊事ができない者 ウ 旅行者、滞在者 エ 災害応急対策に従事する者 オ その他区本部長が必要と認める者 (2)食料の確保と配分 ア 非常用備蓄の優先 市民の非常用備蓄食料及び持ち出した家庭食料の消費を最優先する。 イ 地域防災拠点の備蓄利用 地域防災拠点防災備蓄庫に備蓄された食料を運営委員会の方針に従い、利用する。 ウ 区役所等からの応需供給 区役所、方面別備蓄庫等に備蓄している食料は、地域防災拠点の備蓄食料に不足が 生じた場合に供給する。利用されてない地域防災拠点の備蓄食料も必要な地域防災拠 点に供給する。 エ 公平な分配 市民は、食料が公平に分配されるよう相互に協力する。 オ 要援護者の優先供給 高齢者、障害者、幼児、体力衰弱者に優先的に配分する。 (3)供給の方法 ア 誰でもすぐに食べられる物の供給を基本とする。高齢者、乳幼児等の要援護者に配 慮した供給を行い、調理を必要としない弁当によることもできる。 イ 必要に応じて、炊き出しを行う。 (ア)地域防災拠点において、運営委員会により炊き出しを行うほか、区本部長は、必 要に応じてボランティア等の協力を得て、実施する。 (イ)災害補給車の運用 区本部長は、災害補給車による給食活動を必要とする場合は、回送先を明らかに したうえで、総務部部長を経由して、消防部部長に出動を要請する。 ただし、消防部による配車が不可能なときは、要請した区本部長が回送を行う。 また、災害補給車による炊き出しに使用する食料は、区本部長が調達する。 災害補給車配置場所 港北消防署篠原消防出張所 (4)供給品目 主食品(米、弁当、パン、乾パン、うどん、インスタント食品、粉ミルク、おかゆ)、 副食品 245 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 2 本市の備蓄する物資の放出 区本部長及び総務部部長は、「横浜市災害救助物資備蓄要綱」に基づき、被災者に対 して、本市の備蓄する食料を供給する。 (1)本市の備蓄する食料 災害備蓄物資の現況のとおり (2)供給方法 ア 区本部長は、地域防災拠点、区役所等で備蓄している食料を被災者に給与する。 イ 区で管理する備蓄食料では不足するときは、総務部部長に、方面別備蓄庫の備蓄食 料の供給を要請する。 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 3 備蓄物資で不足する場合の食料の調達 区本部長は、本市の備蓄する食料等が不足したとき、又は不足のおそれがあると認め られるときは、次により食料を調達する。 (1)区本部が行う食料調達 ア 区本部長は、被災者数を集計し、必要な食料の品目及び数量を把握する。 イ 区本部長は、食料の給与を実施するために米殻が必要なときは、「災害時における 米穀の供給協力に関する協定」を締結している団体加盟の区内米穀小売業者及び区内 の米穀小売業者から調達する。 なお、区内での調達が不可能なときは、環境創造部部長に調達を要請する。 ウ 区本部長は、食料の給与を実施しようとするときは、区内の関係業者等から副食品、 調味料等を調達する。調達できない場合又は不足する場合は、必要品目、必要量等を 調査のうえ、経済部部長に調達を要請する。 (2)環境創造部が行う米穀の調達 ア 環境創造部部長は、区本部長から米穀の調達依頼があったときは、「災害時におけ る米穀の供給協力に関する協定」等に基づき協力団体に供給要請を行うとともに、調 達体制を確立する。 イ 災害の状況により協定締結団体所有米穀のみでは供給が困難な場合には、災害応急 用米穀の供給を知事に要請する。 また、災害救助法が発動された場合、関東農政局(神奈川農政事務所)管内政府所 有米穀の供給に関して、知事に供給を要請する。 なお、交通、通信の途絶のため、災害救助用米穀の引取に関する知事の指示を受け 得ない場合には、災害救助法発動期間中は、関東農政局(神奈川農政事務所)又は政 府所有食糧を保管する倉庫の責任者に対して直接引渡を要請する。 (3)経済部が行う食料の調達 経済部部長は、区本部長から副食品等及び青果物、水産物、食肉等の調達依頼を受け たときは、次により調達する。 ア 「災害時における生活必需物資の供給協力に関する協定」等に基づき、生活物資供 給協力企業・団体に供給を要請し、調達体制を確立する。また、食料品の販売を行う 店舗については、できる限り早期に再開するように併せて要請する。 イ 中央卸売市場においては、「災害時における生鮮食料品等の緊急確保及び供給協力 に関する協定」及び「全国中央卸売市場協会関東支部災害時相互応援に関する協定」 に基づく供給協力企業・団体等に、青果物、水産物、食肉及びこれらの加工品等の在 庫流通品目の供給を要請するとともに、輸送車両が不足する場合は、「災害時におけ る生鮮食料品等の自動車輸送の協力に関する協定」に基づく協定企業に輸送を要請し、 集荷、供給体制を確立する。また、中央卸売市場関係の小売組合、売買参加者組合等 に、加盟組合員の各店舗が、できる限り早期に再開するよう要請する。 246 食料及び生活必需品供給協力企業・団体「災害時物資緊急調達体制」 市の緊急調達要請(経済部) (各協定締結 新流通よこはま (卸団体) 会 員 協同組合 ( 市内卸団地 ボランタリー チェーン 企業・団体) 個別企業 ) ( 卸売業 小売業 ) 生活協同組合 コープかながわ 生活協同組合 連合会ユーコ ープ事業連合 組合員等 ・手持ち在庫の緊急出荷 ・取引先からの緊急調達 ・提携団体、関連企業からの緊急調達 運 搬 ※生鮮食料品等 中央卸売市場 卸売業者 仲卸業者・団体 関連事業者団体 等 ※生鮮食料品等 全国中央卸売市 場協会関東支部 加盟中央卸売市 場等 第 3 部 網掛け部は、 生鮮食料品等 を扱っていま す。 指定場所(区物資集配拠点等) 第3節 危機管理対策室 福祉局 経済局 生活必需品の供給 震災により住家等に被害を受け、被服、寝具その他の衣料、生活必需品を喪失又はき 損し、日常生活を営むことが困難な被災者に対して、速やかにこれらの供給を実施する。 1 生活必需品の供給 (1)応急供給の原則 生活必需品の供給は、災害救助法が適用された場合は県知事が実施し、市本部長は県 知事に生活必需品の供給を要請し、県知事が調達した物資を県知事の指示により配分す ることとなっている。 なお、県知事による救助を待ついとまがないときは、市本部長が調達計画に基づき、 災害時の協力協定等により調達した生活必需品の応急供給を実施する。 (2)供給対象者 生活必需品の供給を行う対象者は、住家に被害を受け、生活必需品を失い、日常生活 を営むことが困難な被災者とする。 (3)生活必需品の確保と配分 ア 非常用備蓄の優先 市民の非常用備蓄及び持ち出した生活必需品の使用を最優先する。 イ 地域防災拠点の備蓄利用 地域防災拠点防災備蓄庫に備蓄された生活必需品を運営委員会の方針に従い、利用 する。 ウ 区役所等からの応需供給 区役所、方面別備蓄庫等に備蓄している生活必需品は、地域防災拠点の備蓄生活必 需品に不足が生じた場合に供給する。利用されてない地域防災拠点の備蓄生活必需品 も必要な地域防災拠点に供給する。 247 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 エ 公平な分配 市民は、生活必需品が公平に分配されるよう相互に協力する。 オ 要援護者の優先供給 高齢者、障害者、幼児、体力衰弱者に優先的に配分する。 2 本市が備蓄する物資の放出 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 区本部長及び総務部部長は、「横浜市災害救助物資備蓄要綱」に基づき、被災者に対 して、本市の備蓄する毛布等の生活必需品を供給する。 (1)本市の備蓄する生活必需品 災害備蓄物資の現況のとおり (2)供給方法 ア 区本部長は、地域防災拠点、区役所等で備蓄している生活必需品を被災者に給与す る。 イ 区で管理する備蓄生活必需品では不足するときは、総務部部長に、方面別備蓄庫に 備蓄する生活必需品の供給を要請する。 3 備蓄物資で不足する場合の生活必需品の調達 区本部長は、本市の備蓄する生活必需品等が不足したとき、不足のおそれがあると認め られるとき、又は調達の必要がある品目があるときは、次により生活必需品を調達する。 (1)区本部が行う調達 ア 区本部長は、被災者数を集計し、必要な生活必需品の品目及び数量を把握する。 イ 区本部長は、生活必需品の供給を実施しようとするときは、区内の関係業者等から 調達する。調達できない場合又は不足する場合は、必要品目、必要量等を調査のうえ、 経済部部長に調達を要請する。 (2)経済部が行う調達 経済部部長は、区本部長から生活必需物資の調達を要請されたときは、「災害時にお ける生活必需物資の供給協力に関する協定」等に基づき、生活物資供給協力企業・団体 に供給を要請し、調達体制を確立する。( P247食料及び生活必需品供給協力企業・団体 「災害時物資緊急調達体制」参照) また、生活必需品の販売を行う店舗については、できる限り早期に再開するように併 せて要請する。 (3)福祉部が行う調達 ア 福祉部部長は、区本部長から災害救助法に基づく生活必需物資の調達を要請された ときは、県知事に対して、災害救助法に基づく生活必需品の供給を要請する。 県知事の供給する生活必需品の品目は、次のとおりである。 区 分 主 な 品 名 寝 具 就寝に必要なタオルケット、毛布、布団等 外 衣 洋服、作業着、子供服等(布地の供給は不可) 肌 着 シャツ、パンツ等の下着(布地の供給は不可) 身の回り品 タオル、靴下、サンダル、傘等 日 用 品 石鹸、ティッシュ、トイレットペーパー、歯ブラシ、歯磨き、上敷ゴザ等 炊事道具 炊飯器、なべ、包丁、ガス器具等 光熱材料 マッチ、エルピーガス、ロ一ソク等 食 器 茶わん、皿、はし等 イ 福祉部部長は、県知事から示された配分計画を区本部長へ通知する。 248 第4節 福祉局 救援物資の受入れ・配分 1 救援物資の募集 福祉部部長は、被災者の必要としている物資品目を早期に把握し、報道機関等の協力 を得て、次の事項を広報する。 (1)必要な救援物資の品目(必要に応じて、過剰となった品目) (2)救援物資は、原則として、都道府県、市町村単位及び団体からの受入れとし、その形 態は、単品こん包又は類似品種のこん包で、内容・数量が把握できるよう、ラベル表示 させる。 (3)運搬手段は提供側で確保し、原則として、各区で指定する物資集配拠点まで輸送する。 2 救援物資の受入れ 区本部長は、あらかじめ指定した区物資集配拠点に職員を派遣し、被災状況を確認の うえ、拠点を開設する。 福祉部部長は、市物資集配拠点の被災状況を確認のうえ、横浜市社会福祉協議会の協 力を得て、救援物資の受入れ窓口を開設する。また、国、他の自治体及び報道機関に広 報を依頼し、需給の調整及び受入体制を確立する。 (1)物資集配拠点 第3部第10章第4節「物資集配拠点」のとおり (2)市物資集配拠点への職員の配置 ア 福祉部部長は、市物資集配拠点における物品の仕分、配分等を円滑に行うため横浜 市社会福祉協議会を窓口として、企業、日本赤十字社、ボランティア等民間団体に協 力を要請する。 イ 福祉部部長は、市物資集配拠点に職員を派遣し、ボランティアの協力を得て受入配 分を行う。また、搬入された物資を記録するとともに、搬入者に対し「救援物資受領 書」を発行する。 (3)区物資集配拠点への救援物資の配送 福祉部部長は、市物資集配拠点から区物資集配拠点までの輸送手段について、総務部 部長に車両の確保を要請する。 249 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 資源循環局 第5節 災害廃棄物(し尿・ごみ)の処理 1 基本的な考え方 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 (1)災害廃棄物の範囲 ア し尿 災害によって設置した仮設トイレや避難所の汲み取りし尿 イ 生活ごみ 災害によって家庭や避難場所から排出される「可燃ごみ」「不燃ごみ」「資源物」 「粗大ごみ」 ウ 解体廃棄物(がれき類等) 災害によって損壊した建物の撤去等に伴って発生するコンクリートがら、廃木材、 金属くず等 エ 環境汚染が懸念される有害廃棄物 (2)し尿・ごみの処理 災害廃棄物の中でも、多くの避難者が集まる地域防災拠点等における「し尿」処理は、 衛生的、生理的、精神的な理由からも最も緊急に解決しなければならない重大な問題で あるため、「水洗トイレ機能の確保」及び「仮設トイレの設置」を優先して取り組む。 その後、人員、機材等の体制を整え、汲み取り等のし尿処理(2日目以降)及びごみ収 集(3日目以降)を順次開始する。 なお、解体廃棄物、有害廃棄物の処理については、復旧・復興期に対応する。 2 トイレ対策 (1)水洗トイレ機能の確保 水道水が使用できなくなった場合は、プール、池、川の水、水再生センターの処理水 を水洗用水として活用する。 (2)地域防災拠点における対応 発生直後は、バキューム車による「し尿」収集が難しいため、貯留型仮設トイレの使 用は極力最小限にとどめる。 ア 学校の既存トイレの使用 学校の使用可能な既存のトイレを利用する。また、破損された排水設備については、 協定業者の協力を得て補修し、利用する。 イ 備蓄仮設トイレの設置 (ア)既存トイレに備蓄簡易式トイレパック(便座式)を設置し、利用する。(汚物に ついてはビニール袋に入れ、ゴミとして処理) (イ)備蓄仮設トイレは地域防災拠点運営委員会が組み立て、設置する。 設置場所は環境衛生面を考慮し、下水道マンホールの近隣とする。 (3)仮設レンタルトイレの配備 ア 配備計画の策定 (ア)資源循環部トイレ対策班(資源循環局業務課)は、区本部及び北部事務所等から 配備計画の策定に必要な情報を収集する。 (イ)区本部は、各避難所の避難者の状況及びトイレの使用の可否、水道・下水道復旧 の見通しを把握し、仮設レンタルトイレの必要台数をトイレ対策班に報告する。 (ウ)トイレ対策班は、設置場所、機種、基数等について仮設レンタルトイレ配置計画 を策定する。機種の選定にあたっては、極力水洗型の仮設レンタルトイレを取り入 れることとするが、水道・下水道復旧の見通しがたたない避難所へは、貯留型の仮 設レンタルトイレを配置する。 250 イ 協定業者・他都市への協力要請等 (ア)トイレ対策班は、仮設トイレの配置を要請するときは、協定業者の被害状況・備 蓄状況を調査し、配置先及び配置基数並びに利用できる幹線道路等を協定業者に文 書で指示する。 (イ)不足分については、相互応援協定に基づき他都市に設置協力要請を行う。 また、収集事務所等に備蓄されている仮設トイレを不足している地域防災拠点等 に配置する。 (ウ)原則として、協定業者が地域防災拠点等へ搬入・設置する・交通事情により目的 地への輸送が困難な場合は、被害の少ない地域にある資源循環部の収集事務所、工 場、輸送事務所に搬入し、その後、資源循環部の車両により目的地に搬入する。他 都市からの搬入についても同様とする。 ウ その他 (ア)広域避難場所が利用される場合には、各事務所地区隊は素堀り式トイレの設置を 行う。 (イ)各地域防災拠点等からの設置や撤去の要請については、区本部を経由することと する。 トイレ対策関係図 各区災害対策本部 情報提供 仮設トイレ設置依頼 収集依頼 指示 (設置) 各事務所地区隊 指示 (設置・収集・ 搬入・応援) 配車 情報提供・相談 状況の報告 配車事務所(例) 神奈川 磯 子 北 部 戸 塚 トイレ対策班 (北部事務所) トイレ対策班 (業務課) 搬入調整 受入指示 水再生センター等 環境創造部 設置依頼 搬入 レンタルトイレ 協定業者 収集依頼 搬入 浄化槽清掃許可業者 (4)仮設トイレ等の設置 環境創造部は、仮設トイレ(埋設配管し、ますに接続する)に係る設置計画を策定する。 (5)仮設トイレの管理 ア 仮設トイレの清掃管理は地域防災拠点の運営委員会が行う。 イ 運営委員会は、トイレの維持管理状況及びトイレ用水の確保状況を把握し、管きょ 清掃必要箇所、トイレ用水必要量を環境創造部へ報告する。 (6)簡易式トイレパックの調達 トイレ対策班は、地域防災拠点等からの要請により、必要な簡易式トイレパックの調 達を行う。 251 資源環境局 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 3 し尿くみ取り対策 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 (1) 基本的な考え方 ア くみ取り作業は、災害発生後2日目から開始する。 イ 通常のくみ取り作業については2週間停止する。この間、本市所有の収集車及び浄 化槽清掃許可業者所有の収集車で地域防災拠点の収集に全力をあげる。 ウ 通常のくみ取り作業の再開後は、本市車両の一部がその収集を行い、浄化槽清掃許 可業者及び他都市の応援車両が地域防災拠点の収集を行う。 (2) 配車計画及び投入先 ア トイレ対策班は、各地域の被災状況や避難者の収容状況並びに職員の被災状況・参 集状況の情報を収集し、投入先を調整する。 イ 配車計画に基づき北部事務所の車両を市内3箇所のごみ収集事務所にも配車し、方 面別収集を行う。 ウ 本市水再生センター等への投入を行うとともに、被害状況に応じ、庶務班を通じて 近隣都市への搬入を要請する。 (計画例) 区 名 配車する事務所 避難所数 配車台数 し尿投入先 鶴見・神奈川・西・保土ケ谷 神奈川事務所 91 10台 北部第二水再生センター 中・南・港南・磯子・金沢 磯子事務所 118 10台 磯子検認所、金沢水再生センター 旭・港北・緑・都筑・青葉 北部事務所 151 20台 港北水再生センター 95 10台 西部水再生センター 戸塚・栄・泉・瀬谷 戸塚事務所 (3)民間業者及び他都市への要請 ア 浄化槽清掃許可業者についても被害状況を確認のうえ、地域防災拠点を対象に方面 別収集体制を組む。 イ 収集車両が不足する場合は、近隣自治体に収集の応援を要請する。近隣自治体の対 応が困難な場合は、首都圏又は政令指定都市に拡大し、要請する。 (し尿の直営処理を実施している自治体) 神奈川県内 川崎市、相模原市、鎌倉市、逗子市、座間市、海老名市、綾瀬市、愛川町 隣接都県 東京都 (4)通常のくみ取り及び連絡体制 ア 通常のくみ取り作業については、発災後、2週間停止する。 その後は、電話による受付を開始し、収集を再開する。 イ 仮設トイレ等の収集受付は、被災後当分の間、区本部が行い、トイレ対策班(業務 課)へ報告し、トイレ対策班は各担当事務所へ連絡する。 4 ごみ対策 (1)発災直後(収集実施まで)の事務所地区隊の対応 ア 所管区域の現地調査及び収集車両からの報告により、次の状況を把握する。 (ア)避難場所(地域防災拠点・広域避難場所等)の設置状況 (イ)道路事情 (ウ)ごみの排出状況等 イ 所属職員の被災及び出勤状況、車両・施設等の被害状況の把握 ウ 業務執行体制の確保 (ア)施設・車両の維持管理 (イ)給油所の確保 252 (ウ)他都市職員の受入体制等 エ ア∼ウの情報は、すべて収集対策班(資源循環局業務課)に報告する。 (2)収集計画の基本 ア 所管区域 各地区隊は、現行の所管区域を基本とする。 イ 区本部 区本部は、避難所設置状況・避難者状況を各事務所地区隊に連絡する。 ウ 応援体制 収集対策班は、全地区隊の職員出勤数、車両等の被害状況を把握し、地区隊間の相 互応援体制を組織する。 エ 避難場所対策 避難者の衛生環境を良好に保つため、地域防災拠点等の収集作業を最優先で実施す る。地域防災拠点等の収集は、原則として毎日行う。このため、被災地域を担当する地 区隊においては特別班を編成し対応する。 オ 収集対象 (ア)初期段階(1箇月程度) 生活ごみ(粗大ごみを除く)の収集は、地域防災拠点を中心に実施する。地域防 災拠点では、「可燃ごみ」 、「缶・びん・ペットボトル」、 「段ボール」に分別する。 順次、収集体制が整えられた段階で、集積場所への収集も行うが、集積場所での 分別品目は平常時と同様に行う。 粗大ごみの収集は、全市において、一時停止する。 (イ)第2期 復旧の進展に伴い、生活ごみ(粗大ごみを除く)の収集が安定化した段階におい て、粗大ごみの収集を実施する。粗大ごみの収集においては、可燃物、資源物、不 燃物を分別して収集にあたる。 (ウ)事業系ごみ 災害時においても事業者が自らの責任において適正に処理することを原則とする が、早期復旧を目的とする場合には、本市が収集運搬・処理処分を行う。 カ 作業時間 市民の衛生状況を長期的に確保するためには安定したごみ収集が必要である。その ため、原則として長時間にわたる収集作業は実施しない。 ただし、作業時間帯の弾力的な運用により、効率的な収集を図る。 (3)仮置場 ア 用地の確保 事前に関係機関と用地の利用調整を行い、発災時は関係機関に連絡し、各区に3箇 所程度を確保する。3区(9箇所)を1ブロックとして運用し、焼却工場、資源選別 センターの復旧、道路等復旧状況を見ながら仮置きをする。 なお、復旧の進展に伴い、生活ゴミの仮置場が必要なくなった段階で、解体廃棄物 の仮保管場所として二次使用する。 イ 受入・管理 分別品目(「可燃ごみ」「不燃ごみ」「缶・びん・ペットボトル」等)ごとに受入、 保管を行う。 関係団体からの応援により、人員・機材を確保して管理作業(収集車両の誘導・積 み上げ・保管)を行う。 ウ 搬送計画 収集対策班は、工場、資源選別センター、処分地の稼働状況を考慮した仮置場から の搬送計画を策定し、他の自治体や関係団体からの応援により、効率的なごみの搬送 を実施する。 253 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 ごみ対策関係図 各区災害対策本部 情報提供 収集依頼 情報提供 廃棄物処分班 第 3 部 第 12 章 市 民 生 活 の 安 定 収集対策班 (業務課計画係) 情報提供 状況報告 相談 情報提供 指示 (収集・搬入・応援) 搬入 各事務所地区隊 搬入 各輸送事務所 仮置場 搬入 254 各工場班