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友の会会報 - 山形県立博物館
第 2 号(通巻 25 号)2015 年 11 月 28 日発行 山形県立博物館 山形県立博物館友の会 友の会会報 発行責任者 阿子島 功 事務局 〒990-0826 山形市霞城町 1-8 山形県立博物館内 Tel 023-645-1111 Fax 023-645-1112 会長在職時を振り返って 山形県立博物館友の会 前会長 中川 重 私が会長を引き受けた理由については「友の会会報 9 号」 (平成 22 年 6 月 30 日)の会長就任挨拶で 述べているが、実はもうひとつ私的な理由があった。それは、ミュージアム好きの私にとっては普段 には見聞できない博物館の幕の内が知れるのではないかという期待感が背中を押したことである。 しかし、丁度友の会の草創期に当たる平成 22 年度からの 5 年間は、博物館の運営等はもとよりその 支援の在り方などについて、多くの課題や難しい問題があることを実感し勉強することになった。 その間、友の会ではメイン行事として定着した共同企画展『私のたからもの』の開催や独自の講演会・ 学習会(古文書解読)などを実施するとともに、博物館刊行図録の委託販売や絵葉書など友の会独自 グッズの開発・販売等による会財政(?)安定化に向けて様々な工夫と努力を傾注してきた。これらの 実務に献身的に当たられた事務局の方々に厚く感謝申し上げたい。 今はまたひとりのミュージアム愛好者に戻って、各地の様々な施設訪問を楽しみたいと思います。 第 7 回 山形県立博物館・同友の会 共同企画展 「私たちのたからもの -モノから振り返る昭和のくらし 終戦まで-」開催のお知らせ 山形県立博物館と山形県立博物館友の会の共同企画展は 7 回目を迎えました。 「わたしのたから」は「みんなのたから」の共通認識をもって、友の会会員と県立博物館が所蔵す る「たからもの」を展示します。今回は、昭和の初めから大戦中の昭和 20 年までの“暮らしと文化に かかわる品々”を集めて展示を行います。期間中に講演会、友の会会員による展示解説会やシンポジ ウムを開催します。 この展示会を通して、個々人や地域に伝わる「たからもの」が郷土やまがたの歴史・文化を知るた めの手かがりとなっていくこと、さらに、地域に伝えられてきた「たからもの」が再認識されて、未 来へ伝え続けられることを願っています。 期間 平成 27 年 12 月 12 日(土)~平成 28 年 2 月 14 日(日) 会場 山形県立博物館 第 3 展示室 関連行事 講演会 展示解説会 平成 27 年 12 月 12 日(土)13:30~ 平成 27 年 12 月 26 日・平成 28 年 1 月 9 日・1 月 16 日・1 月 30 日 いずれも(土)13:30~ シンポジウム 平成 28 年 2 月 7 日(日)13:30~ 1 教育資料館談話会 記録 第1回 日時 8 月1日(土)午後 講師 会員 尾形與典氏 内容 旧山形師範学校の建物について 第 2 回 日時 9 月 5 日(土)午後 講師 会員 尾形與典氏 内容 旧山形師範学校の内部構造について 第 3 回 日時 10 月 3 日(土)午後 写真:談話会の様子 講師 博物館学芸員 青木章二氏、会員 尾形與典氏 講堂の外観を見学中 内容 映画「戦ふ少國民」(全編)が語るもの 第 4 回 日時 11 月 14 日(土)午後 講師 博物館学芸員 青木章二氏、会長 阿子島功氏 内容 文翔館-遊学館-洗心庵-教育資料館 4 施設合同企画 講演会「三島が歩いた道」 会員によるエッセイ キンモクセイ(金木犀)とギンモクセイ(銀木犀) 友の会会員 渡 部 功 そぞろ涼風が立つ頃、この風に乗っていずこともなく 芳しい香りが漂ってきますが、 この香はオレンジ色の 「キ ンモクセイ(金木犀) 」の花が発するものです。また、家 の近所を散策してみると同様にこれよりやや弱い香りを 発する白色の花をつけた「ギンモクセイ(銀木犀) 」とい う樹木を見かけることもあります。この二つの木は葉も 花のつき方も類似しているのですがどのような違いがあ るのでしょうか。改めて花木、庭木に関する園芸書など で調べてみると次のように纏めることができました。 まずこれらの樹木は、 モクセイ科モクセイ属の樹木で、 中国西南部が原産地の常緑樹です。 中国では「丹花(タンカ)」 、一般的には「桂花(ケイカ) 」 と呼ばれ,開花は幸福が来ると言い、 お祝いのシンボルだ そうです。その栽培の歴史は古く、2,500 年以上と言われていますが、日本への伝来は江戸時代です。 ただ、この樹木は雌雄異株ですが、日本には雄株のみと言われているのが不思議なことです。 更に驚いたことに「ギンモクセイ」の変種が「キンモクセイ」で、故に「ギンモクセイ」を単に「モ クセイ」というのが一般的だそうです。ですから「ギンモクセイ」の学名が「Osmanthus(モクセイ属) fragrans(香しい花) ) (オズマンサス フラグランス」 、 「キンモクセイ 」が「Osmanthus fragrans var. (変種の)aurantiacus(橙黄色の) (オズマンサス フラグランス バラエティ オーランティア カス) 」となっています。 花は、いずれも弁の先が四裂半開する小花を葉と葉の付いている茎との股の部分(葉腋:ようえき) 2 に数花集めて咲かせるのですが、両者の一番の違いは前述のとおり花の色と香りの強弱でしょう。 開花時期以外での見分け方としては、 「ギンモクセイ」の葉はやや大きく、葉の外側(鋸歯)のギザギ ザが連続的に有るのに対し、 「キンモクセイ」のは、葉が薄く波打ち、ギザギザがほとんど有りません。 また、 「キンモクセイ」の樹皮にはコルク質のコブが見られます。なお、同じ仲間に鋸歯のギザギザが 荒々しいものにギンモクセイとヒイラギの種間雑種で、花が乳白色の「ヒイラギモクセイ」というも のもあります。 育て方は、二者全く同じで日陰や大気汚染などにも強く、環境の悪い場所にも植えることができ、 植え頃は 4~5 月ごろです。 開花は 9 月下旬~10 月となりますが、 「ギンモクセイ」は 1 年に何回か咲くようです。 剪定といって、年 1 回花後に刈り込みを行いますが、年 2 回の場合は花後と春の萌芽前に実施しま す。但し、あまり強く刈り込みをすると芽吹きが悪くなります。 漢方の方では、 「キンモクセイ」の花を開花期に集めて陰干しにして、その後これを 50 グラムホワ イトリカー1.8 リットルに 3 か月ほど漬け込んだものを「モクセイ酒」といい、一日お猪口一杯飲む と、胃の障害、低血圧、睡眠障害に効くということですが、一方、 「ギンモクセイ」の方は花を乾燥さ せて熱湯を注ぎ、民間療法としての歯痛の際のうがい薬として用いるとのことです。本家の中国には ワインに「キンモクセイ」の花を 3 年ほど漬け込んだ「桂花陳酒」という芳香性があって甘みのある 美酒があるとのことですが、残念ながら飲んだことがありません。 特別展「蝶と蛾」-妖精たちのつどい- を観覧して 県立博物館では、山形県を中心とする日本 産の蝶と蛾を多数収蔵しており、 「チョウとガ の仲間」を紹介する特別展です。世界のチョ ウの美しさや多様性を表す展示を中心とし、 分類や生態、生息地の自然を取り入れたもの になっております。展示構成は、熱帯アジア の蝶、南アメリカの蝶、ヨーロッパの蝶、日 本の蝶と蛾などで構成されております。11 月 29 日(日)まで。 まず、展示室に入ると標本の多さに圧倒さ れます。 最初に目を引くのがコバルトブルー、 エメラルドグリーンの色彩鮮やかな翅をもった世界のチョウとガです。 宝石のように輝いております。 また、世界一大きなチョウとガや国蝶「オオムラサキ」山形県の天然記念物「チョウセンアカシジミ」 も展示されております。これらのチョウとガの飛んでいる風景、生息している自然環境などを思い浮 かべながらみました。今回ほど標本の質・量とも充実している展示は初めてです。昆虫好きのお子様・ お孫様にも喜ばれた内容だったのではないでしょうか。 3 これからの博物館イベント 考古学講座 12 月 19 日(土) ・1 月 23 日(土) 13 時 30 分~ 館長・学芸員講座 12 月 6 日(日) ・13 日(日) 13 時 30 分~ 国宝 縄文の女神 展示解説会 12 月 20 日(日) ・2 月 14 日(日)13 時 30 分~ 共同企画展「私たちのたからもの」 展示解説会 12 月 26 日(土) ・1 月 9 日(土) ・16 日(土) ・30 日(土) 13 時 30 分~ 講演会 12 月 12 日(土)13 時 30 分~ シンポジウム 2 月 7 日(日)13 時 30 分~ 詳しい内容は山形県立博物館公式ホームページをご覧ください。 http://www.yamagata-museum.jp/ 博物館エントランスの花植え 企画・広報委員会 渡邊 徹 お客様にくつろいだ気持ちで館内を観ていただけ たらと、友の会の仲間たちと入口エントランスに季 節の花の鉢植えを設置して 8 年になりました。 堅苦しくて取り付きにくいと思われがちな博物館 のイメージを、少しでも明るく親しみやすいものに していけたらと考えています。数年前からは、入館 券売場にクリスマスツリーを有志の方々が飾るよう になりました。 一人でも多くのお客様に楽しんで観ていただける よう心がけてまいりたいと思います。 平成 27 年度友の会団体会員のご紹介 ご支援・ご協力ありがとうございます 村山民俗学会 様 マルイ鋳造所 様 有限会社 月山堂 様 (順不同) ※平成 27 年度友の会団体会員を募集しています。よろしくお願いします。 *教育資料館委員会より* ・12 月 6 日(日)の館長・学芸員講座は、教育資料館の青木学芸員による「青い目の人形物語」 です。教育資料館(分館)ではなく博物館(本館)講堂で 13 時 30 分より行われますのでお間違いのない ようお越しください。 *講座・展示委員会より* ・共同企画展は間もなく開展です。お楽しみに! 4