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生育状況写真(平成22年挿し木分)

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生育状況写真(平成22年挿し木分)
生育状況写真(平成22年挿し木分)
セイヨウ ニワ トコ‘ア ルボ マルギナ ータ’
対照区
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
施
肥
H
2
4
. 無
6 施
. 肥
5
遮光区(施肥)は対照区(施肥)に比べ、葉の緑色が濃い。
遮光区で生育良好、両区とも施肥による成長効果は顕著。
対照区
H
2
4
.
1
0
.
1
7
遮光区
施
肥
無
施
肥
遮光区で生育良好、両区とも施肥による成長効果は顕著。
イヌコリヤナ ギ‘白露錦’
対照区
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
施
肥
H
2
4
. 無
6 施
. 肥
5
両区で、生育状況に顕著な差異見られず。
両区とも施肥による成長効果は顕著。
対照区
H
2
4
.
1
0
.
1
7
施
肥
無
施
肥
両区で、生育状況に顕著な差異見られず。
ルビーロウムシ発生、遮光区・施肥で数本顕著。
14
フイ リシ マトネリコ
対照区
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
施
肥
H
2
4
. 無
6 施
. 肥
5
遮光区で生育良好。両区とも施肥による成長効果は軽微。
前年の夏以降、対照区・施肥で多数枯損(マエアカスカシノメイガ)
対照区
H
2
4
.
1
0
.
1
7
遮光区
施
肥
無
施
肥
遮光区で生育良好。両区とも施肥による成長効果は軽微。
シ ルバー プ リペ ット
対照区
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
施
肥
H
2
4
. 無
6 施
. 肥
5
両区で、生育状況に顕著な差異見られず。
両区とも施肥による成長効果は顕著。
対照区
H
2
4
.
1
0
.
1
7
施
肥
無
施
肥
両区で、生育状況に顕著な差異見られず。
両区とも施肥による成長効果は顕著。
15
ハクチョウ ゲ
対照区
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
施
肥
H
2
4
. 無
6 施
. 肥
5
遮光区・施肥は対照区・施肥に比べ、葉の緑色が濃い。
遮光区で生育やや良好、両区とも施肥による成長効果は顕著。
対照区
H
2
4
.
1
0
.
1
7
遮光区
施
肥
無
施
肥
遮光区・施肥は対照区・施肥に比べ、葉の緑色が濃い。
遮光区で生育やや良好、両区とも施肥による成長効果は顕著。
両区(施肥)でワタアブラムシの発生により葉が巻縮
フイリネズミモ チ
対照区
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
施
肥
H
2
4
. 無
6 施
. 肥
5
遮光区・施肥は、対照区・施肥に比べ、斑が鮮明に出現。
遮光区で生育良好、両区とも施肥による成長効果は顕著。
対照区
H
2
4
.
1
0
.
1
7
遮光区
施
肥
無
施
肥
遮光区・施肥は、対照区・施肥に比べ、斑が鮮明に出現。
遮光区で生育良好、両区とも施肥による成長効果は顕著。
16
成長量(苗高)の推移(H22挿し木)
セイヨウニワトコ
‘アルボマルギナータ’
無施肥
対照区
施肥
無施肥
遮光区
施肥
イヌコリヤナギ
‘白露錦’
無施肥
対照区
施肥
無施肥
遮光区
施肥
フイリシマトネリコ
無施肥
対照区
施肥
無施肥
遮光区
施肥
シルバープリペット
無施肥
対照区
施肥
無施肥
遮光区
施肥
ハクチョウゲ
無施肥
対照区
施肥
無施肥
遮光区
施肥
フイリネズミモチ
無施肥
対照区
施肥
無施肥
遮光区
施肥
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
17
単位(苗高):cm
H24.4.19
18
3.3
18
23.1
18
5.4
24
31.7
30
14.4
26
19.5
27
19.3
21
24.0
22
8.8
3
10.0
22
10.9
15
14.6
19
8.4
21
19.2
25
11.6
23
18.2
30
7.7
30
30.5
30
9.1
29
35.9
22
8.3
21
20.0
25
11.3
21
30.0
H24.6.12
18
3.8
18
26.4
18
6.3
24
35.1
30
18.2
26
41.2
27
21.5
21
46.3
22
8.6
3
10.7
22
11.1
15
15.5
19
8.8
20
26.8
25
11.6
23
29.4
30
7.9
30
35.6
30
9.1
29
45.4
22
8.6
21
21.4
25
12.2
20
38.6
H24.8.13 H24.10.11
13
8
4.2
4
18
18
25.9
24.7
18
18
6.4
7
24
24
34.4
33.6
30
30
17.9
17.8
26
26
55.2
56.5
27
26
22.6
22.1
21
21
66.0
68
20
16
8.6
8.6
3
3
11
11.3
22
22
11.1
11.7
15
15
14.5
20
19
19
8.6
8.4
20
20
34.1
37.9
25
25
12.1
13.5
23
23
40.4
42.3
30
30
7.9
8.7
30
30
43.6
49.9
30
30
9.8
10.5
29
28
57.7
66.8
22
22
8.6
8.8
19
19
24.8
26.9
25
25
12.7
13.4
20
20
42.2
47.1
本数調整
本数調整
成 長 量 ( 苗 高 ) の 推 移 ( H22挿 し 木 分 )
横:月日、縦:苗高(cm)
セイヨウニワトコ
‘アルボマルギナータ’
対照区 無施肥
対照区 施肥
遮光区 無施肥
遮光区 施肥
イヌコリヤナギ
‘白露錦’
40
80
35
70
30
60
25
50
20
40
15
30
10
20
5
10
0
対照区 無施肥
対照区 施肥
遮光区 無施肥
遮光区 施肥
0
H24/4/19
H24/6/12
H24/8/13
H24/10/11
H24/4/19
H24/6/12
H24/8/13
施肥による成長効果顕著
施肥による成長効果顕著
遮光区(施肥)で生育良好
両区の生育状況に顕著な差異見られず
フイリシマトネリコ
対照区 無施肥
対照区 施肥
遮光区 無施肥
遮光区 施肥
シルバープリペット
25
H24/10/11
対照区 無施肥
対照区 施肥
遮光区 無施肥
遮光区 施肥
45
40
20
35
30
15
25
20
10
15
10
5
5
0
0
H24/4/19
H24/6/12
H24/8/13
H24/10/11
H24/4/19
H24/6/12
H24/8/13
両区とも施肥による成長効果は軽微
施肥による成長効果顕著
遮光区で生育良好
両区の生育状況に顕著な差異見られず
ハクチョウゲ
対照区 無施肥
対照区 施肥
遮光区 無施肥
遮光区 施肥
フイリネズミモチ
H24/10/11
対照区 無施肥
対照区 施肥
遮光区 無施肥
遮光区 施肥
50
80
45
70
40
60
35
50
30
40
25
20
30
15
20
10
10
5
0
0
H24/4/19
H24/6/12
H24/8/13
H24/10/11
H24/4/19
H24/6/12
施肥による成長効果顕著
施肥による成長効果顕著
遮光区で生育やや良好
遮光区で生育良好
18
H24/8/13
H24/10/11
(3) 施肥による葉色、成長等への影響
※生育状況の写真や成長量(苗高)の推移については、「 (2) 遮光による葉色、
成長等への影響」の項に掲げたので、ここでは、施肥による影響についてのコメン
トのみとする。
ア 平成23年度調査
施肥による影響は、成長量に大きく現れ、ほとんどの樹種で施肥を実施した場合
と無施肥の場合で成長の差が歴然と現れた。
セイヨウニワトコは施肥による成長効果が極めて顕著に現れ、無施肥では遮光区、
対照区ともにほとんど成長しなかったが、葉色への影響は見られなかった。
イヌコリヤナギでも成長効果は顕著に現れたが、葉色への影響は見られなかった。
フイリシマトネリコは、調査樹種の中で唯一、施肥による成長への効果がほとん
ど見られなかった。
シルバープリペットは、施肥による成長効果は顕著に現れたが、葉色への影響は
見られなかった。
ハクチョウゲも施肥による成長効果は極めて顕著に現れ、無施肥ではほとんど成
長しなかった。
フイリネズミモチでは、施肥を行った場合、主に遮光区で健全な成長とともに葉
に斑が現れたが、無施肥の方は、栄養不足が原因と思われる葉の黄変が見られ、病
斑らしき斑点も現れた。
フイリネズミモチ
<H23.12.2>
無施肥(写真の手前)では、
ほとんど成長せず、栄養不足が
原因と思われる葉の黄変や病班
が現れた
イ 平成24年度調査
平成23年度の調査と同様、施肥による影響は、成長量に大きく現れ、施肥を実
施した場合と無施肥の場合で成長の差が歴然と現れた。
セイヨウニワトコは前年度調査と同様、施肥による成長効果が極めて顕著に現れ
たが、無施肥ではほとんど成長せず、特に対照区・無施肥で枯損が多発した。
イヌコリヤナギは、遮光による成長への影響は見られなかったが、施肥による成
長効果は顕著に現れた。
フイリシマトネリコは、前年の夏以降、マエアカスカシノメイガの食害により、
対照区・施肥で多数の枯損が発生したため、影響の判断がやや信憑性に欠けるが、
施肥による成長効果は軽微と思われる。
シルバープリペットは、前年調査と同様、施肥による成長効果は顕著に現れたが、
葉色への影響は見られなかった。
ハクチョウゲも前年調査と同様で、成長効果は極めて顕著に現れた。
フイリネズミモチも前年と同様で、無施肥ではほとんど成長しなかったが、前年
ほどの葉の黄変はなかった。
いずれの樹種も葉色等への影響については、成長量ほど顕著な違いは見られなか
った。
葉色や斑の入り方への影響を対比する以前の問題として、無施肥ではかろうじて
生存しているだけで、健全な生育はしなかった。
19
2 平成23年挿し木分
(1) 挿し木発根率
平成23年に新たに8種のカラーリーフ樹種を挿し木した。
穂木を採取するため前年に植栽した樹種が多く、十分な数量の穂木を採取するこ
とができなかったため、樹種ごとの挿し木本数は下記のとおりとなった。
樹 種
ネグンドカエデ‘フラミンゴ’
トウカエデ‘花散里’
オウゴンガシワ
アベリア‘ホープレイズ’
イレックス‘サニーフォスター’
グミ‘ギルドエッジ’
アカバナトキワマンサク
ゲッケイジュ‘オーレア’
遮光区
30
25
10
27
30
30
30
18
対照区
30
25
9
27
30
30
30
18
挿し木
<H23.6.23>
用土:鹿沼土細粒100%
発根促進剤「オキシベロン」塗布
発根率は下図のとおりであった。(図-3)
オウゴンガシワとゲッケイジュ‘オーレア’はまったく発根せず、トウカエデ
‘花散里’とグミ‘ギルドエッジ’は発根率が低かったため、以後の調査対象から
除外し、落葉樹では、ネグンドカエデ‘フラミンゴ’、常緑樹では、アベリア‘ホ
ープレイズ’、イレックス‘サニーフォスター’、アカバナトキワマンサクについ
て調査を継続することとした。
120%
100%
80%
対照区 発根率
遮光区 発根率
60%
40%
20%
0%
ネ
グ
フ
ラン
ド
ミ
カ
ン
エ
ゴ
デ
ト
ウ
花カ
散エ
デ
里
オ
ウ
ゴ
ン
ガ
シ
ワ
ア
ホベ
ーリ
プア
レ イ
ズ
サイ
ニレ
ーッ
フク
ォス
ス タ
ー
グ
ギミ
ル ド
エ
ッ
ジ
ア
ト
カ
キ
バ
ワ
ナ
マ
ン
サ
ク
ゲ
ッ
オケ
ーイ
レジ
アュ
図-3 発根率(挿し木:H23.6.23、鉢上げ(発根率調査):H23.10.24)
20
(2) 遮光による葉色、成長等への影響(平成24年度調査)
4月から10月まで偶数月に遮光区と対照区の葉色や成長量を比較調査した。
(「生育状況写真」及び「成長量(苗高)の推移」の表とグラフを参照)
生育状況写真については、6月と10月の写真を掲載したが、写真の配置等につ
いては、前掲の写真と同様である。
また、成長量(苗高)については、生存木の平均苗高の推移を表とグラフで示し
た。
ネグンドカエデは、挿し木の発根率が低かった(特に遮光区)うえに、両区とも
鉢上げ後に多数が枯損したため、明確な対比はできなかったが、残存木の生育は対
照区でわずかに良好であった。
アベリアは、生育については、遮光区の方がやや良好という程度であったが、葉
色の緑は遮光区の方が鮮やかであった。
イレックスでも、遮光区の方が葉の緑色が濃く、生育も良好であった。
アカバナトキワマンサクは、鉢上げ時点では100%の発根率であったが、翌年
4月以降、枯損が進み、調査対象から除外した。
アベリア
<H24.8.13>
(右:遮光区・施肥、左:対照区・施肥)
対照区では、斑が白っぽいが、遮光区で
は、薄緑色のため、全体的に遮光区の方
が鮮やかな緑色に見える。
生育状況写真(平成23年挿し木分)
ネグ ンドカエ デ ‘フラミンゴ ’
対照区
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
施
肥
H
2
4
. 無
6 施
. 肥
5
各調査区(遮光区・対照区、施肥・無施肥)とも枯損により半減。
対照区(施肥・無施肥)は、遮光区に比べ、わずかに生育良好。
対照区
H
2
4
.
1
0
.
1
7
遮光区
施
肥
無
施
肥
対照区(施肥・無施肥)は、遮光区に比べ、わずかに生育良好。
各調査区で、葉色等に大きな差異見られず。
21
ア ベ リア ‘ホー プ レイズ’
対照区
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
施
肥
H
2
4
. 無
6 施
. 肥
5
遮光区・施肥で、対照区に比べ、葉の緑色が濃い。
遮光区・無施肥で、対照区に比べ、斑の赤色が目立つ。
対照区
H
2
4
.
1
0
.
1
7
遮光区
施
肥
無
施
肥
遮光区(施肥・無施肥)で、対照区に比べ、葉の緑色が濃い。
遮光区(施肥・無施肥)は、対照区に比べ、わずかに生育良好。
イレックス‘サニー フォスター ’
対照区
遮光区
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
対照区
無施肥
施肥
遮光区
無施肥
施肥
施
肥
H
2
4
. 無
6 施
. 肥
5
各調査区(遮光区・対照区、施肥・無施肥)で、生育状況に差異見られず。
遮光区で、葉の緑色やや濃い。
対照区
H
2
4
.
1
0
.
1
7
遮光区
施
肥
無
施
肥
遮光区(施肥・無施肥)は葉色が濃く、対照区は黄色味を帯びる。
遮光区・無施肥で結実苗が多い。両区とも施肥による成長効果顕著。
22
単位(苗高):cm
成長量(苗高)の推移(H23挿し木)
H24.4.19
ネグンドカエデ
‘フラミンゴ’
対照区
施肥
無施肥
遮光区
施肥
アベリア
‘ホープレイズ’
無施肥
対照区
施肥
無施肥
遮光区
施肥
イレックス
‘サニーフォスター’
無施肥
対照区
施肥
無施肥
遮光区
施肥
H24.8.13
6
12.4
6
16.3
2
11.0
3
14.7
12
10.0
13
16.2
12
13.4
12
19.8
11
12.2
11
18.2
9
12.9
9
25.6
6
11.5
6
15.2
2
9.5
3
13.3
12
10.0
13
12.9
12
14.9
12
18.4
11
12.4
11
14.8
9
12.8
9
14.6
9
7.1
11
8.0
6
7.8
7
8.6
12
8.1
13
10.3
12
11.5
12
12.2
11
9.8
11
10.7
9
11.6
9
10.3
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
本数
苗高
無施肥
H24.6.12
H24.10.11
6
11.8
6
17.7
2
11.5
3
15.7
12
11.7
13
17.8
12
14.3
12
23.7
11
12
11
20.9
9
12.9
9
27.9
成長量(苗高)の推移(H23挿し木分)
横:月日、縦:苗高(cm)
対照区 無施肥
対照区 施肥
遮光区 無施肥
遮光区 施肥
ネグンドカエデ
‘フラミンゴ’
対照区 無施肥
対照区 施肥
遮光区 無施肥
遮光区 施肥
アベリア
‘ホープレイズ’
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
25
20
15
10
5
0
H24/4/19
H24/6/12
H24/8/13
H24/10/11
H24/4/19
対照区で、わずかに生育良好
対照区 無施肥
対照区 施肥
遮光区 無施肥
遮光区 施肥
30
25
20
15
10
5
0
H24/4/19
H24/6/12
H24/8/13
遮光区で、わずかに生育良好。
各調査区で枯損により調査苗数半減
イレックス
‘サニーフォスター’
H24/6/12
H24/8/13
H24/10/11
施肥による成長効果顕著(特に遮光区)
23
H24/10/11
本数調整
(3) 施肥による葉色、成長等への影響(平成24年度調査)
※生育状況の写真や成長量(苗高)の推移については、「 (2) 遮光による葉色、
成長等への影響」の項に掲げたので、ここでは、施肥による影響についてのコメン
トのみとする。
平成22年挿し木分と同様、施肥による効果は成長量に現れたが、葉色等への顕
著な影響は現れなかった。
ネグンドカエデは、枯損により残存数がわずかとなったため、遮光による影響と
同様に、施肥による影響についても明確な対比はできなかった。
アベリアの6月の調査では、遮光区・施肥は葉の緑色が濃く、遮光区・無施肥で
は赤味を帯びた葉色となった。
イレックスの10月の調査では、遮光区の無施肥で、結実して赤い実をつけた苗
木が多く見られた。
アベリア:遮光区・施肥<H24.6.5>
アベリア:遮光区・無施肥<H24.6.5>
前掲の写真の一部分を拡大したもので、6月の調査時点では、遮光区・無施肥
では葉が赤味を帯びたが、その後の調査では赤味は失せた。。
3 まとめ
(1) 調査結果とりまとめ
遮光や施肥による成長や葉色等への影響についての調査結果を樹種別にまとめる
と、次のとおりであった。
セイヨウニワトコは、遮光区で成長がかなり良好で、平成24年の夏季の調査で
は、葉の緑色も濃く現れた。施肥による成長効果も極めて顕著で、無施肥ではほと
んど成長せず、対照区・無施肥では枯損が多発した。
イヌコリヤナギは、遮光による生育や葉色への顕著な影響は見られなかった。施
肥による成長効果は顕著に現れたが、葉色への影響は見られなかった。
フイリシマトネリコは、平成23年秋に対照区・施肥でマエアカスカシノメイガ
の食害による枯損が多発したため、遮光や施肥の影響について正確な検証はできな
かったが、残存木の比較では、遮光区で成長がやや良好で、葉色への影響は見られ
なかった。施肥による成長への効果も軽微であった。
シルバープリペットは、遮光による成長への影響はほとんどなかったが、遮光区
では斑の色が白く、対照区ではやや黄色味を帯びた。施肥による成長効果は顕著に
現れたが、葉色への影響は見られなかった。
ハクチョウゲは、生育については遮光区でやや良好という程度であったが、葉の
緑色は遮光区の方がかなり濃く、葉縁の白い斑が鮮明であった。施肥の効果は生育
状況に極めて顕著に現れ、無施肥ではほとんど成長しなかった。
フイリネズミモチは、遮光区で生育がかなり良好で、遮光区・施肥で斑も鮮明に
現れた。また、施肥により健全な成長とともに葉に斑が現れたが、無施肥では栄養
不足が原因と思われる葉の黄変や病班が現れた。
ネグンドカエデは、鉢上後に多数が枯損したため、遮光、施肥の影響を検証する
ことはできなかった。
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アベリアは、遮光区の方が生育についてはやや良好という程度であったが、葉色
の緑が対照区に比べて鮮やかであった。
イレックスは、遮光区で葉の緑色が濃く、生育も良好であった。
(2) 考察
平成22年に挿し木した6樹種(落葉樹2樹種、常緑樹4樹種)と23年に挿し
木した3樹種(落葉樹1樹種、常緑樹2樹種)、合わせて9樹種について、遮光や
施肥が葉色や成長に及ぼす影響を調査した。
平成23年挿し木分のうち、枯損のため調査対象から除外したアカバナトキワマ
ンサクの枯損の原因は不明であるが、肥料を施した鉢で枯損が目立ったことから、
施肥が一因となっていることが考えられる。
遮光区と対照区の対比調査では、ほとんどの樹種で、遮光が葉色や成長に少なか
らず影響を及ぼすことが判明した。
セイヨウニワトコやハクチョウゲ、アベリア、イレックスでは、葉色の緑が濃く
なり、フイリネズミモチでは、斑が鮮明に現れた。
遮光により緑色が濃くなったのは、弱い光でも光合成に必要な多くの光を吸収で
きるように適応して、葉緑素(クロロフィル)が密集したものと考えられる。
又、多くの樹種で遮光区の方が生育が良好で、特にセイヨウニワトコ、フイリネ
ズミモチで顕著であった。
これは、遮光により、真夏の直射日光によるダメージから守られ、用土も乾燥し
にくいため、健全に生育できたものと思われる。
施肥による影響については、成長量の推移を見ても分かるとおり、ほとんどの樹
種で生育状況に歴然とした差が現れた。
当然のことであるが、肥料を施した鉢では順調に生育したのに対し、無施肥の鉢
ではほとんど成長せず、セイヨウニワトコやハクチョウゲ、フイリネズミモチなど
ではかろうじて生存しているだけであった。
品質の向上以前の問題として、先ずは緑色葉樹種と同様、最低限の成長を確保す
るための肥培管理の大切さを改めて痛感させられた。
また、施肥による葉色等への影響については、成長量の差ほど歴然とした差異は
見られなかった。
今回の調査では、取り組まなかったが、肥料の成分の違いが葉色や成長に及ぼす
影響も非常に興味深いところである。
最後に、今回の調査で、受光量や施肥がカラーリーフ樹種の葉色や成長に少なか
らず影響を及ぼすことが明らかになったので、それぞれの樹種の特性に応じ、光と
肥料を調整することにより、商品価値の高いカラーリーフの生産につなげることが
可能と考えられる。
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新樹種等に発生する病害虫の実態についての調査
調査期間:平成22年度~平成24年度
《構成》
Ⅰ はじめに
Ⅱ 調査内容及び調査方法
1 調査の全体計画(実績)
2 病害虫発生の実態調査(H22~23年度)
(1) 調査の方法と回数
(2) 確認した病害虫
3 西尾張中央道における街路樹の害虫発生調査
(1) 調査の概要
ア 調査場所
イ 調査対象
ウ 調査期間及び回数
(2) 調査結果と考察
4 農薬の防除効果の検証
(1) ルビーロウムシ
ア 調査の概要
イ 調査結果と考察
(2) ツノロウムシ
ア 調査の概要
イ 調査結果と考察
(3) ヘリグロテントウノミハムシ
ア 調査の概要
イ 調査結果と考察
(4) ツゲノメイガ
ア 調査の概要
イ 調査結果と考察
Ⅲ 調査結果(成果)
1 「害虫ガイド」の作成
(1) 掲載内容等
(2) 資料の活用等
2 「樹種別病害虫検索ガイド」の作成
(1) 資料の構成等
(2) 資料の活用等
ア 樹種別病害虫リスト
イ 主要害虫の生態と防除
3 「緑化木主要病害虫の『防除指針』」(ポスター)の作成
(1) 掲載内容等
(2) 資料の活用等
Ⅰ はじめに
緑化木の生産や公園等の緑地管理を行ううえで、樹木に発生する病害虫は大変厄介な
存在であり、健全な緑化木の生産や適切な緑地管理のためには、その防除対策が不可欠
である。
病害虫防除の対策としては、長年の実績により培われた経験則に基づいて毎年ほぼ決
まった時期に薬剤散布により対処する方法が一般的に行われている。
しかしながら、近年の気候変動や生態系の変化等に伴い、樹木に発生する病害虫の種
類や発生時期が変化していることも考えられ、また、農薬の継続使用による害虫の抵抗
性の増大や環境への悪影響なども懸念される。
さらに、需要の多様化に伴い、新たな樹種の生産や植栽を行う場合、病害虫の発生に
ついての記録や経験に乏しく、新樹種の導入を促進する上での障害となっていることも
考えられる。
26
このような現状に対応するためには、新樹種も含めた緑化木への病害虫発生の実態を
把握し、これをふまえた適切な防除対策を講じることが必要である。
そこで、当地域における緑化木への病害虫発生の実態を明らかにし、緑化木生産者や
緑地管理者等が病害虫名の特定や主要病害虫の効率的・効果的な防除に活用できる資料、
指針を作成する目的で調査を実施した。
Ⅱ 調査内容及び調査方法
1 調査の全体計画(実績)
項 目
病害虫発生の実態調査
病害虫発生調査(西尾張中央道)
「害虫ガイド」作成
農薬の防除効果の検証
「樹種別病害虫検索ガイド」作成
樹種別病害虫リスト
主要害虫の生態と防除
主要病害虫の『防除指針』作成
H22年度
H23年度
H24年度
2 病害虫発生の実態調査(H22~23年度)
(1) 調査の方法と回数
病害虫の発生がほとんど見られなくなる冬期を除き、3月から11月まで定期的
(週2~3回)に植木センター内を巡視し、病害虫の発生状況を調査した。
調査対象とする病害虫は、緑化木の生育を妨げたり、美観を損ねるなどの害を発
生させる全ての病害虫とし、肉眼で確認できるものとした。
調査対象木はセンター内に植栽されている全ての緑化木とし、病害虫名、発生樹
種、被害の程度等を記録するとともに、写真撮影をした。
センター内での調査を補うため、必要に応じて近隣緑地等についても調査を行っ
た。
現地調査では、発生状況を調査票(植木センター平面図)に記録し、この記録を
もとに病害虫の種毎に記録を整理した。(記載例:別紙1、2)
調査回数は下記のとおりで、調査の所要時間は、1回当たり4~5時間であった。
ア 平成22年度調査
全106回(3月:10回、4月:13回、5月:12回、6月:13回、7月:11回、
8月:13回、9月:11回、10月:11回、11月:11回、12月:1回)、その他随時
イ 平成23年度調査
全75回(3月:6回、4月:11回、5月:9回、6月:7回、7月:10回、8月:9回、
9月:8回、10月:8回、11月:7回)、その他随時
(2) 確認した病害虫(平成22・23年度)
《病気》
区 分
主な病気
黒星病、ごま色斑点病、褐斑病、褐色円斑病、紫斑病、炭そ病など
斑点性病害
葉・新梢の病気
赤星病、うどんこ病、かいよう病、すす病、葉さび病、もち病など
《害虫》
目
甲虫目(鞘翅目)
科
6科
チョウ目(鱗翅目) 28科
ハチ目(膜翅目)
5科
カメムシ目(半翅目) 17科
計(4目)
56科
種
34種
145種
11種
85種
275種
主な害虫
コガネムシ類、ハムシ類など
イラガ科、シャチホコガ科、ドクガ科、メイガ科など
チュウレンジ類、ハバチ類
アブラムシ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類など
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別紙1:調査票記載例
28
別紙2:害虫調査記録記載例
29
3 西尾張中央道における街路樹の害虫発生調査
(1) 調査の概要
ア 調査場所(図1参照)
稲沢市矢合町地内 西尾中央道 東側歩道上の街路樹
イ 調査対象
樹種:アメリカフウ、樹高:10~15m
本数:7本
ウ 調査期間及び回数
平成22年6月16日から10月22日まで
週1回程度、計16回
調
査
場
所
(2) 調査結果と考察(図2、図3)
当該道路の街路樹(アメリカフウ)は、毎年、
図1 調査場所位置図
大きな被害を受けるが、今回の調査でアメリカ
シロヒトリとヒロヘリアオイラガの食害が原因
であることが判明した。
アメリカシロヒトリは6月下旬頃と9月下旬頃に発生のピークがあり、特に9月
下旬頃の発生が多く、ヒロヘリアオイラガは7月中旬頃と9月上旬頃に発生のピー
クがあり、特に9月上旬頃の発生が多かった。
被害の大半はこの2種の食害によるものであるが、発生のピークが異なるため、
6月中旬から10月上旬まで両種の幼虫による食害が断続的に発生し、著しい被害と
なった。
被害を最小限にとどめるためには、発生の初期に群生している幼虫を枝葉ごと処
理することが望ましいが、高木では発生初期の発見が難しく、6月中旬頃、8月中
旬頃、9月上旬頃に注意深く観察し、できるだけ樹全体に分散する前に薬剤散布に
より防除することが必要と思われる。
上記2種の他に、ヒメクロイラガ、イラガの発生も見られたが、少数であり、こ
れらによる被害は軽微と思われる。
アメリカフウの本数(本)
0
1
2
3
4
5
アメリカフウの本数(本)
6
7
0
6/16
6/16
6/23
6/23
6/30
6/30
7/7
7/7
7/14
7/14
7/21
7/21
7/28
2
3
4
5
6
7/28
8/17
全体的に分散
8/17
8/25
部分的に分散
8/25
9/1
1
わずかに点在又は群生
9/1
9/9
9/9
9/17
9/17
9/27
9/27
10/4
10/4
10/13
10/13
10/22
10/22
図2 アメリカシロヒトリの発生時期と状況
全体的に分散
部分的に分散
わずかに点在又は群生
図3 ヒロヘリアオイラガの発生時期と状況
30
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