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工事担任者スキルアップガイドライン

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工事担任者スキルアップガイドライン
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
2016年10月
工事担任者スキルアップガイドライン委員会
目
次
はじめに
・・・・・・
i
1.本ガイドラインの目的とスキルアップの考え方
1.1 背景
1.2 目的
1.3 資格の種類とスキルアップの考え方
・・・・・・
1
2.工事担任者の義務
2.1 工事担任者の努力義務の考え方
2.2 求められる工事担任者像
2.3 新工事担任者の目指す方向
2.4 旧工事担任者の目指す方向
・・・・・・
3
3.工事担任者の求められる分野と知識・技術
3.1 工事担任者の修得すべき分野
3.2 修得すべき知識・技術の内容
・・・・・・
9
4.ガイドラインの運用
4.1 ガイドラインの改定
・・・・・・ 12
5.認定資格の設定と運用
・・・・・・ 13
5.1 認定資格設定の趣旨
5.2 認定資格「情報通信エンジニア」の位置づけと範囲
5.3 認定資格の種類等
5.4 認定対象者の条件
5.5 資格の認定方法と情報通信エンジニア資格者証の交付
5.6 更新研修
5.7 情報通信エンジニア認定研修
5.8 上位資格認定
5.9 情報通信エンジニア保有状況の公表
6.情報通信エンジニアのスキルアップについて
6.1 ガイドラインと情報通信エンジニアの関係
6.2 情報通信エンジニアのスキルアップに対する証明
・2017更新研修テキストの目次
・工事担任者スキルアップガイドライン委員会メンバー
・工事担任者スキルアップガイドラインワーキングメンバー
別冊
分野別要件整理表<ビジネス><ホーム>統合版
・・・・・・ 20
・・・・・・ 22
・・・・・・ 24
・・・・・・ 25
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
はじめに
はじめに
我が国の社会経済活動がユビキタスネットワークを活用する時代へと変化する中で、
より高度な情報通信環境への進化・発展が強く望まれています。このため、情報通信
インフラもブロードバンドを支える光化が急速に整備されつつあるなど、大きな転機
に直面しています。
こうした時代の要請を踏まえ、平成17年に電気通信事業法に基づく工事担任者国
家試験制度が20年ぶりに大幅改正され、より社会ニーズに沿った内容となりました。
さらに、情報通信分野が日々急速な変化を遂げている状況に鑑み、新たな制度の中
では、工事担任者自身がその職務を全うするため、常に「知識および技術の向上を図
るように努めなければならない」という努力義務が新たに規定されました。
しかしながら、有資格者の中には「何を」「どの程度」向上させればよいのか、あ
るいは「技術はどこまで進んでいるのかという情報を得る機会がないため分からない」
という方がいるものと想定されます。
このため、向上意欲に富む工事担任者に対して、継続的にどのような知識および技
術等を獲得すべきか提示するための具体的指針としてガイドラインの作成が急務とな
り、有識者、関係各企業、団体等から選出したメンバーから成る工事担任者スキルア
ップガイドライン委員会が発足しました。
工事担任者スキルアップガイドライン委員会では、工事担任者に必要とされるスキ
ル全体をスコープし、知識面のみならず実際の業務側面にも焦点を当て、工事・作業
等を行うにあたって修得すべき実技面についても努力すべき範囲として考えガイドラ
インを策定しました。工事担任者の皆様が本ガイドラインを活用して努力義務を果た
し、今後の情報通信の発展に寄与されることを期待いたします。
また、お客様の立場からみても最新の知識・技術を持った工事担任者に工事を任せ
たいと思うのは当然のことと思われます。このようなお客様要望に応えるためにも工
事担任者が常に自己の向上に努める意欲を持ち続けることが大切です。
当委員会では、この意欲を持ち続けるようにするために、努力義務を果たしている
工事担任者に対して認定資格「情報通信エンジニア」を付与し、知識・技術が最新の
-i-
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
はじめに
ものであることを証明することで、努力義務を果たしていない工事担任者と明確に区
分することとしました。
ICTの進展を背景としてガイドラインを継続的に見直してきており、今年は11
年目の改定となります。ガイドラインと合わせてこの認定資格を是非活用し、お客様
の信頼・サービスの向上、企業の工事品質の向上に役立てていただければと思います。
ガイドライン改定にあたって
現在、我が国では、ブロードバンド利用可能世帯率(サービスエリアの世帯カバー
率)は平成26年時点で100%(総務省「情報通信白書平成27年版」)に達し、
大都市圏だけでなく日本全国のほとんどの地域でブロードバンドが利用できるように
なりました。また、インターネット利用率を見ると、79歳以下の人の50%が利用
しており全年代に浸透してきたことがうかがえます。
近年では、無線ネットワークとクラウド型サービスの普及とともに、今後は、パソ
コンやスマートフォンといった従来のICT端末だけでなく、家電や産業用設備、ロ
ボットなど様々なモノがインターネットに接続されることとなり、ICTが社会イン
フラとしてより重要性を増してゆくものと思われます。特に、2020年の東京オリ
ンピックに向け、総務省にて「社会全体のICT化推進に関する懇談会」が発足する
等、加速するものと思われます。
また、この様に普及率が向上すると、サイバーセキュリティ対策の面や個人情報保
護の面での対応の重要性も拡大し、トラブルの発生を未然に防止するための対応も
益々重要性を増してきます。
今年度は情報端末機器や情報セキュリティ対策等周辺技術が目まぐるしく変革する
中で日々精力的に取組む工事担任者に対して、常にタイムリーな技術情報等を提供す
るなどの支援のあり方や、お客様のニーズに信頼感と安心感を持って的確に対応でき
る技術者である工事担任者の社会的な認知の向上と拡大を目指す検討を行い、認定資
格「情報通信エンジニア」の更新研修テキストを見直しました。
- ii -
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
はじめに
向上心と意欲に富む工事担任者が数多く「情報通信エンジニア」を取得され、更新
研修を受講することにより、自らのスキルアップを図られることを期待しています。
工事担任者スキルアップガイドライン委員会
- iii -
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
1.本ガイドラインの目的とスキルアップの考え方
1.本ガイドラインの目的とスキルアップの考え方
1.1
背景
「電話の時代」から「ブロードバンド・IPの時代」へと電気通信サービスが
急速に変化していることに伴い、電気通信回線設備や端末設備とこれを取り巻く
通信関係技術が大きく変化・進展しつつある中で、工事担任者資格制度は、昭和
60年度の制定から小幅な改正にとどまっていたため、平成17年度に制度内容
の抜本的な見直しが行われました。
その中で、工事担任者規則第38条2項において「資格者証の交付を受けた者
は、端末設備等の接続に関する知識及び技術の向上を図るよう努めなければなら
ない」という、いわゆる「努力義務規定」が設けられ、工事担任者に対し常に知
識・技術等の向上を図り、更に新しいネットワーク時代の技術ニーズに応えられ
るよう努力することを求めております。
1.2
目的
本ガイドラインは、こうした努力義務規定を踏まえつつ、更にワンストップ *
でお客様のご要望に対応できる技術者を目指すためには、具体的にどのような知
識・技術等を修得すべきかを明示しました。
お客様サービス及び工事品質の向上に向けて、工事担任者自身がこのガイドラ
インを活用して、最新の知識・技術の修得に努め、日々研鑽することでスキルア
ップを図ることが望まれます。
*「ワンストップで・・対応できる」とは
工事に際してお客様のご要望を理解し、必要により問題点の指摘、改善提案などができる知識・
技術を保有し、かつ、適切な対応、処置が自己完結的にできること
1.3
資格の種類とスキルアップの考え方
工事担任者資格制度改正後の資格の種別は、いわゆるナローバンドアクセス系
の端末設備技術に対応するAI(アナログ・ISDN)種とブロードバンドアク
-1-
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
1.本ガイドラインの目的とスキルアップの考え方
セス及びIP系の端末設備技術に対応したDD(デジタル・データ)種および両
方を含むAI・DD総合種であります。
さらに工事の範囲に対応し、AI種(第1種~第3種)、DD種(第1種~第
3種)、AI・DD総合種の7種類が設けられ、それぞれにおいて試験科目の範
囲が異なることから資格の種類毎に目指す方向を定めることとしました。
工事担任者スキルアップガイドライン委員会では理想とする工事担任者の人物
像を「お客様の要望に対しワンストップで応えることができる知識・技術を有し
た工事担任者」と設定し、資格毎に理想とする工事担任者へ向かう方向を示しま
した。その基本的な考え方は以下のとおりです。
(1)AI種
現在の科目修得範囲はレガシー領域であるナローバンドの知識が主な内容
であり、今後拡大するブロードバンド・IPの知識修得のためDD種を目指
すものとする。
(2)DD種/AI・DD総合種
最新の技術・知識を維持しつつ、工事に必要な専門技術はもとより情報通
信分野以外の必要な知識・技術のスキルアップを図ることによりお客様の要
《業
務
遂
行
能
力
お客様にワンストップ対応可能な
専門知識を修得した工事担任者
管理遂行能力を有する
工事担任者
AI・DD総合種
情
報
通
信
分
野
ル
キ
ス
DD種
AI種
工
事
作
業
者
《
知
識
・
技
術
領
域
》
》
関
連
分
野
S
E・
コ
ン
サ
ル
望に対しワンストップで対応できることを理想とする工事担任者を目指す。
スキルアップ
スキルシフト
電話
ISDN
レガシー領域
データ
《業務領域》
IP・BB
先進拡大領域
図1.1工事担任者のスキルアップの考え方
-2-
ッ
ア
プ
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
2.工事担任者の義務
2.工事担任者の義務
2.1
工事担任者の努力義務の考え方
工事担任者スキルアップガイドライン委員会においては工事担任者規則第38
条2項の努力義務について、単に国家試験範囲の知識のアップデートにとどまら
ず、お客様の要望に対しワンストップで応えることを理想とした工事担任者を目
指すためのものであり、専門である情報通信分野のみならず工事実施に当たって
関連する分野の知識・技術の修得までを対象とし、日々のスキルアップを目指す
ものと捉えています。
工事担任者が修得を目指す範囲
関
連
分
野
情
報
通
信
分
野
お客様の要望に応える
ための関連知識・技術
時代の変化に対応した
関連分野の差分
工事に必要な専門技術
新たな情報通信分野の
知識・技術
スキルアップ
国家試験範囲
(端末設備等の接続に必要な知識・技術)
工事担任者が取得する範囲
現
ア
ッ
プ
デ
ー
ト
努力義務に基づく
スキルアップの方向
性
国家試験範囲の
新たな知識・技術
在
将
来
図2.1 努力義務に基づくスキルアップの方向性
2.2
求められる工事担任者像
工事担任者の資格についてはAI種、DD種それぞれに第1種、第2種、第3
種が設けられていますが、当委員会では第1種は大・中規模のビジネスユース、第
2種は中小規模のビジネスユースを想定したものであり、第3種はホームユー
ス・SOHO程度を想定したものと捉えています。
-3-
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
2.工事担任者の義務
上記の考え方を踏まえた上で理想とする工事担任者像を想定すると、大規模工
事等に従事するビジネスユースの工事担任者と一般家庭を中心とした工事に従事
するホームユースの工事担任者に二分されると考えています。
それぞれで理想とする工事担任者は以下のとおりと考えます。
(1)ビジネスユースにおける理想的な工事担任者
・ DD第1種又はAI・DD総合種を取得している工事担任者で、常に新
技術等の知識・技術の修得に努めている
・ 大規模工事において工事の一連の流れ(企画、設計、施工管理、原価管
理、保守・運用等)について自ら実践できる能力を持ち、且つ現場関係
者を指導しながら工事を円滑に実施できる
・ 各段階においてユーザの状況に応じたニーズの把握・適切なアドバイス
ができるなど、お客様からのニーズにワンストップで対応できる
(2)ホームユースにおける理想的な工事担任者
・ DD第3種を取得している工事担任者で、常に新技術等の知識・技術の
修得に努めている
・ 情報通信分野を始め、工事に関わる周辺分野の知識・技術を持ち合わせ
ることで、お客様からのニーズにワンストップで対応できる
・ ネットワークに接続されるホームユースの機器について取扱方法等につ
いて適切なアドバイスができる
2.3
新工事担任者の目指す方向
新工事担任者の目指す方向については資格種別毎に以下のとおりと考えています。
2.3.1
AI種
AI種についてはレガシー領域であるナローバンドの知識が主なものでありま
す。従って、技術の進化等への対応という観点から今後はDD種の知識・技術の
修得が不可欠であり、DD種へのチャレンジが望まれます。
-4-
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
2.工事担任者の義務
(1)AI第1種/AI第2種
・ 今後もビジネスユースにおける大・中規模工事等に従事するということ
を考えDD第1種の科目範囲の学習・知識の修得でAI・DD総合種あ
るいはDD第1種の資格取得が望ましい
(2)AI第3種
・ 今後もホームユースの業務を行う場合であればDD第3種へチャレンジ
する
・ 将来の業務拡大、自己のスキルアップ等を目指して上位資格(DD第1
種)へチャレンジする
2.3.2
DD種/AI・DD総合種
(1)DD第1種/AI・DD総合種
・ ビジネスユースの大規模工事において企画~施工管理~保守・運用の実
践及び指導ができるよう情報通信分野を含めて関連分野の知識・技術の
拡大を図る
(2)DD第2種
・ ビジネスユースの専門家を目指すためにもDD第1種の知識・技術の修
得を実施したうえで次のステップを目指すことが望ましい
(3)DD第3種
・ ホームユースの業務を行う場合であれば、ホームユースにおける専門家
を目指し、工事に関わる関連知識・技術の修得を図る
・ 現行のDD種の基礎知識を活かして、更に知識修得を深めビジネスユー
スであるDD第1種資格にチャレンジする
2.4
2.4.1
旧工事担任者の目指す方向
新・旧工事担任者資格の科目範囲の主な違い
旧工事担任者資格と新工事担任者資格の差は、これからの成長分野であるブ
ロードバンド・IPネットワークや情報セキュリティ分野など現時点での情報
-5-
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
2.工事担任者の義務
通信における環境の変化に対応した新たな分野が試験科目に追加されたことで
あり、新資格取得はその分野の知識及び技術力を証明するものです。
試験科目の大きな違いは、特に「端末設備の接続のための技術及び理論」に
おける項目ですが、他に「端末設備の接続に関する法規」においても情報セキ
ュリティ関連の項目が追加されているなどの違いがあります。
カリキュラムベースではかなりの範囲で知識レベルの差があり、表2.1の
比較表を見ると対象となる試験項目の違いがわかります。
-6-
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
2.工事担任者の義務
表2.1 旧資格(アナログ・デジタル総合種)と新資格(AI・DD総合種)の比較
試験科目
範囲
電気通信技術
の基礎
端末設備の
技術
総合デジタル
通信技術
トラヒック理論
ネットワーク
の技術
端末設備の接
続のための技術
及び理論
情報セキュリ
ティの技術
接続工事の
技術
端末設備の接
続に関する法規
試験項目
旧
新
○
○
○
×
×
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
×
×
○
○
○
○
○
×
○
事業用電気通信設備、アナログ電話回線・ボタン電話装
置・PBX・ISDN 回線の工事と工事試験
○
○
工事の設計管理・施工管理・安全管理
×
○
端末設備等の運用管理・保守管理技術
×
○
ブロードバンド回線の工事と工事試験
×
○
LAN・IP ボタン電話装置・IP-PBX の設計・工事と工事試験
×
○
ホームネットワーク等の工事と工事試験
(1)電気通信事業法及びこれに基づく命令
(2)有線電気通信法及びこれに基づく命令
(3)不正アクセス行為の禁止等に関する法律
(4)電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づ
く命令
×
○
○
○
×
○
(1)電気工学(電気回路、電子回路、論理回路)の基礎
(2)電気通信(伝送理論、伝送技術)の基礎
電話機等、ボタン電話装置、PBX、ISDN の端末機器
ONU、DSL モデム、スプリッタ等
IP 電話機、IP ボタン電話装置、IP-PBX
LAN、その他の端末機器
電波妨害・雷サージ対策
ISDN インターフェース
呼の性質、中継線能率、即時式トラヒックと待時式トラヒッ
ク、など
データ通信技術
ブロードバンドアクセスの技術
IP ネットワークの技術
広域イーサネットの技術
その他のネットワーク技術
情報セキュリティ概要、電子認証技術とデジタル署名技
術、端末設備とネットワークのセキュリティ、情報セキュリティ
管理
電気通信国家試験センターのホームページより引用
-7-
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
2.工事担任者の義務
2.4.2
旧工事担任者資格保有者に望まれること
今回の制度改正の趣旨の一つとして、電気通信回線設備や端末設備とこれを取
り巻く通信関連技術が大きく変化・進展しつつある中で、工事担任者自身がその
職務を全うするため常に新しい知識及び技術を修得するため工事担任者規則第3
8条第2項において努力義務が規定されました。
今回の試験科目範囲は時代のニーズに即したものであり、新工事担任者資格と
旧工事担任者資格の科目範囲の差は旧工事担任者が修得すべき必要最低限の範囲
であると考えます。従って、努力義務を果たすためにはIPブロードバンドの技
術革新が進む新資格DD種の取得が望まれます。
-8-
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
3.工事担任者に求められる分野と知識・技術
3.工事担任者の求められる分野と知識・技術
3.1
工事担任者の修得すべき分野
ガイドライン策定にあたっては、お客様に対しワンストップで対応できること
を理想とした工事担任者が修得すべき要件を洗い出し、表3.1の5つの分野に
整理しました。なお、今年度の当委員会において分野等の見直しを検討しました
が、現行のカテゴライズで工事担任者が具備すべき要件を十分満たしているため
昨年度の分野を踏襲することとしました。洗い出した内容全体は、かなり内容の
濃いものとなっておりますので、基本的に修得が必要なものに絞り込んで別冊の
分野別要件整理表をまとめました。従って、理想とした工事担任者の修得すべき
要件については今後も、順次追加していくこととします。
なお、各分野における基本的な考え方を以下に示します。
表3.1 工事担任者が修得すべき分野
分野
A:情報通信
B:コンピュータ
C:電力・電気
D:情報セキュリティ
E:設計・施工管理
基本的考え方
資格の専門分野として試験範囲にとどまらず、最新の動向・概要を始
め工事に関わる新技術及び実技について修得する
ビジネスユースにおいては最新機器・システムの知識・技術等の保有
が望ましく、また、ホームユースについては工事等を実施するための
旧バージョンを含めた幅広い端末・ソフトの知識を保有することが望
ましいが、最低限の操作及び設定知識等について修得する
工事実施にあたって適切なアドバイスができる最低限の知識を保有
し、家庭内配線においては簡易なものの同時工事が望ましいが、修得
要件を設定しない
ユーザが構築或いは利用するシステム・ネットワークの信頼性の向
上、セキュリティ確保、効率性の向上、リスク回避等のアドバイスが
できることが望ましいが、特に重要とされる情報セキュリティに関わ
る知識・技術について修得する
ビジネスユースにおいては大規模システム等の工事において、一連の
流れについて自ら実践できる能力を持ち、且つ現場関係者を指導しな
がら工事を円滑に完了させることができること、ホームユースについ
てはお客様の要望にワンストップで対応できることが望ましいが、特
に重要となる安全関係知識について修得する
-9-
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
3.工事担任者に求められる分野と知識・技術
3.2
修得すべき知識・技術の内容
上記考え方に基づき、工事担任者が修得すべき知識及び技術(実技含む)につ
いて、各分野を更に下記の表3.2の分野細目まで分類・整理し、まとめたもの
が別冊の「分野別要件整理表<ビジネス><ホーム>統合版」です。今回の「分
野別要件整理表」の改定にあたっては、要件項目の追加を中心に、重複等の再整
理を実施しました。
なお、詳細項目の更に詳細な内容については(一財)日本データ通信協会のホー
ムページに記載しております。
新たに追加する要件を表3.3に示します。
工事担任者は該当する項目について最新の知識・技術の修得に努め、日々研鑽し、
スキルアップを図ることで努力義務を果たされることが望まれます。
表3.2 「分野別要件整理表<ビジネス><ホーム>統合版」細目一覧
分
野
A:情報通信
B:コンピュータ
D:情報セキュリティ
E:設計・施工管理
細
目
ネットワークの技術
(IPネットワーク/ブロードバンドネットワーク)
端末設備の技術
(IPネットワーク/LAN/PLC/
電波妨害・雷サージ対策/最新技術の動向)
接続工事の技術<実技含む>
(ブロードバンド/LAN/
IPボタン電話装置・IP電話用構内交換設備など/
ホームネットワーク)
ハードウェア<実技含む>
OS<実技含む>
AP<実技含む>
情報セキュリティ関連法規
情報セキュリティの技術
個人情報保護
安全管理<実技含む>
品質管理
工事管理
保守運用
法令等
詳細は別冊「分野別要件整理表<ビジネス><ホーム>統合版」参照
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工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
3.工事担任者に求められる分野と知識・技術
表3.3 「分野別要件整理表<ビジネス><ホーム>統合版」新規追加要件一覧
分
野
細
目
項
ネットワークの
技術
(ブロードバンド
ネットワーク)
目
ネットワークの技術の
最新動向
(無線伝送技術の動向)
A:情報通信
B:コンピ
ュータ関連
詳細項目
 LTE の概要
 CA(Carrier Aggregation)
 VoLTE(Voice over LTE)
 IoT(Internet of Things)
/M2M(machine-to-machine)
 MVNO
端末設備の技術
(LAN)
ホームネットワークの
最新動向
 ホーム ICT の概要
 宅内無線方式(BLE、EnOcean)
AP
ネットワーク接続設定
 Microsoft Edge に関する基本知識
詳細は別冊「分野別要件整理表<ビジネス><ホーム>統合版」参照
- 11 -
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
4.ガイドラインの運用
4.ガイドラインの運用
4.1
ガイドラインの改定
本ガイドラインについては、日々進展する情報通信分野、関連分野の技術革新
に対応し、向上意欲に富む工事担任者に対してタイムリーな情報提供を行うよう
以下の通り継続的に毎年改定することとします。
(1)改定周期・時期
技術革新・環境変化への対応のため、毎年10月に改定します。
(2)改定項目の選定
技術動向等の調査、工事担任者・企業等のガイドライン利用者および
エンドユーザからの意見収集等を行い、それらの結果から改定項目を選
定します。
(3)レビュー
工事担任者スキルアップガイドライン委員会事務局においてレビューを
行い、新技術等については毎年見直すとともに、関係法令等の改正を捉
えてアップデートの草案を作成します。
(4)決定方法
工事担任者スキルアップガイドライン委員会WGで内容について審議
し、本委員会において決定します。
- 12 -
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
5.認定資格の設定と運用
5.認定資格の設定と運用
5.1
認定資格設定の趣旨
わが国の社会経済活動がユビキタスネットワークを活用する時代へと変化する
中で、より高度な情報通信環境への進化・発展が強く望まれています。このため、
情報通信インフラもブロードバンドを支える光化が急速に整備されつつあるなど、
大きな転機に直面しています。
こうした時代の要請を踏まえ、平成17年の工事担任者資格制度改正において
工事担任者に努力義務規定が設定されましたが、この規定を遵守するためには工
事担任者自身が自己の向上に努める意欲を持ち続けることが大切です。
一方、お客様の立場からみても、常に時代の変化・発展に対応した新しい知
識・技術を持った工事担任者に工事を任せたいと思うのは当然のことと思われま
す。
そこで当委員会では、自己の向上に努めることで努力義務を果たしている工事
担任者に対し、意欲を持ち続けてもらうとともに、お客様に対しては工事担任者
が最新のIP・ブロードバンドネットワークの知識・技術の持ち主であることを
証明するための認定資格「情報通信エンジニア」を設定することで、努力義務を
果たしていない工事担任者と明確に区分できる仕組みとしました。
さらに、情報通信エンジニアの取得状況やその会社名等をホームページなどで
広く公表するとともに、資格取得に積極的に取組んでいる企業・学校等を表彰する
などインセンティブを高める施策についても実施していきます。
- 13 -
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
5.認定資格の設定と運用
5.2
認定資格「情報通信エンジニア」の位置づけと範囲
本認定資格は工事担任者が努力義務を果たしていることの証明として位置づけ
ることから、「2.1
工事担任者の努力義務の考え方」においてスキルアップ
の方向性に基づきガイドラインとして示した工事担任者が修得を目指す範囲のう
ち、必要最低限修得しなければならない範囲を毎年設定し、その修得が確認でき
た者を認定します。
なお、必要最低限修得しなければならない範囲を国家試験範囲の新たな知識・
技術とし、工事担任者が修得を目指す範囲との関係を図5.1に示します。
工事担任者が修得を目指す範囲
関
連
分
野
お客様の要望に応える
ための関連知識・技術
時代の変化に対応した
関連分野の差分
工事に必要な専門技術
情
報
通
信
分
野
努力義務に基づく
スキルアップの方向性
新たな情報通信分野の
知識・技術
認定資格
「情報通信エンジニア」
の設定
スキルアップ
国家試験範囲
(端末設備等の接続に必要な知識・技術)
工事担任者が取得する範囲
現
ア
ッ
プ
デ
ー
ト
国家試験範囲の
新たな知識・技術
在
将
工事担任者が修得
すべき必要最低限
の範囲
来
図5.1 最低限修得しなければならない範囲と修得を目指す範囲との関係
5.3
認定資格の種類等
認定する資格の種類は「2.2
求められる工事担任者像」の考え方に基づき、
DD第1種またはAI・DD総合種の資格者に対し「情報通信エンジニア(ビジ
ネス)」、DD第2種またはDD第3種の資格者に対し「情報通信エンジニア
(ホーム)」の2種類の認定資格を設定します。
- 14 -
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
5.認定資格の設定と運用
また、旧資格者であっても研修で新資格者と同等レベルの知識・技術を修得し
た場合で、認定対象条件を満たす場合については新資格を保有しなくとも情報通
信エンジニアと認定することとします。
5.4
認定対象者の条件
認定対象者は新工事担任者であって以下の条件を満たす者とします。
「2.3
新資格者の目指す方向」の考え方に基づき技術の進化等への対応という
観点ではDD種科目の修得が必須であることから以下の条件のとおりとします。
・「ビジネス」についてはAI・DD総合種またはDD第1種、「ホーム」に
ついてはDD第2種またはDD第3種のいずれかの資格を保有している者で
資格交付日から1年以内の者
・上記と同様の資格を保有している者で資格交付日から1年を超えたものにあ
っては、後述する「情報通信エンジニア認定研修」の受講修了後1年以内の
者
表5.1 設定資格と工事担任者資格の対応表
設定する資格
工事担任者資格(条件)
情報通信エンジニア(ビジネス)
新資格:AI・DD総合種、DD第1種
情報通信エンジニア(ホーム)
新資格:DD第2種、DD第3種
5.5
資格の認定方法と情報通信エンジニア資格者証の交付
情報通信エンジニアの認定方法は、工事担任者自身からの申請により書類審査
を実施し、修得を必要とする最低限の範囲の知識・技術が修得されているという
確認ができた者について(一財)日本データ通信協会より情報通信エンジニア資格
者証の交付を行います。
新工事担任者資格に合格した者は、工事担任者資格者証の交付日より1年以内
は申請のみで書類審査を経て認定されますが、交付日より1年を超える者はその
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工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
5.認定資格の設定と運用
年数分の差分を修得するために後述する「情報通信エンジニア認定研修」を受講
することが認定の条件となります。
情報通信エンジニア資格者証の有効期間は工事担任者資格者証の交付日を起点
として 1 年間で、有効期間に後述する「更新研修」を受講することで更新するこ
とができますが、更新研修を受講せず更新手続きをしない場合は、本認定資格は
失効することとなりますので注意が必要です。
区
時初
期
申
請
・
登
録
情報通信エンジニア資格の有効期間
分
国家試験 合格
実施日
発表
工担資格者証交付直後
に申請した場合
情報通信エンジニア資格申請
時から12ヶ月
▼
▼
工担資格者証
交付
▼
工担資格者証
交付申請期限
▼
・・
☆:工担資格者証の交付
・
工担資格者証の交付申請期限: 合格発表から3ヵ月以内
申請
有効期間:12ヵ月
☆◎
工担資格者証 交付を受 け 遅れ相当分の有効期間を
て一定期間を過ぎて申請し 短縮
た場合
(12-α)ヵ月
残り有効期間が3ヶ月未満
☆
α期間
申請
有効期間:(12-α)ヵ月
◎
申請
α期間
☆
有効期間:3ヵ月未満
◎
※残り有効期間が3ヶ月未満で資格申請して来た
場合は、同時に次年度更新研修の受講を勧奨
現資格者証有効期限
▼
時更
新
学習期間(2ヶ月)以内
に申請した場合
学習期間を過ぎて申請
した場合
現資格者証の有効期限
以降
新たに12ヶ月
更新テキスト
レポート提出期限
約2ヵ月
送付
▼
学習期間
レポート提出
有効期間:12ヵ月
◎
β期間
遅れ相当分の有効期間を
短縮
(12ーβ)ヵ月
レポート提出
有効期間:(12ーβ)ヵ月
◎
資格失効期間
レポート提出
残り有効期間が3ヶ月未満
β期間:資格失効期間
有効期間:3ヵ月未満
◎
※残り有効期間が3ヶ月未満でレポートを提出して来た
場合は、同時に次年度更新研修の受講を勧奨
図5.2 情報通信エンジニア資格の有効期間
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工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
5.認定資格の設定と運用
5.6
更新研修
認定資格である情報通信エンジニア取得者に対し、継続的な知識・技術の修得
を促すため、一定の有効期間を設け、修得確認に基づく資格更新を行うものとし
ます。更新周期については時代変化に対応するため毎年とし、更新時に本研修の
受講を必須とします。
なお、本研修の概要については以下のとおりとします。
(1)カリキュラム範囲・内容
情報通信分野を中心に、主に認定資格取得時及び更新時との差分について修得
するものとします。
なお、本年度の更新研修テキストの目次案は、22ページに記載しています。
(2)実施時期
2016年12月から実施します。
(3)実施方法及び時間数
更新研修テキストによる通信教育とし、10時間程度とします。(受講必須)
当該研修終了後、受講者がレポートを提出し、その内容が適切であれば情報通
信エンジニア資格者証を交付します。
(4)受講時期
情報通信エンジニア更新時期に受講するものとします。
(5)実施者
(一財)日本データ通信協会において実施します。
5.7
情報通信エンジニア認定研修
新資格取得者で、資格の交付から1年以内に情報通信エンジニアの認定申請を
しなかった工事担任者が、交付日より1年を越えて(ただし、1 年未満でも情報通
信エンジニア資格者証の申請時が交付日より9ヶ月経過した場合を含む)認定申
請をする場合は、経年分の知識・技術の差分について修得する必要があるため、
本研修の受講後に資格認定の申請を受付けるものとします。(図5.3参照)
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工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
5.認定資格の設定と運用
(1)カリキュラム範囲・内容
主に情報通信分野とし、主に認定資格取得時及び更新時との差分について修得
するものとします。
(2)実施時期
申請時に実施します。
(3)実施方法及び時間数
更新研修テキストによる通信教育とし、10時間程度とします。(受講必須)
なお、今年度は、資格失効後 1 年以上2年未満経過した受講者は「2017更
新研修テキスト」に基づき研修し、2年以上経過後の受講者は、「2016更新
研修テキスト」と「2017更新研修テキスト」の内容を研修することとします。
工事担任者
資格者証交付
2
0
1
6
年
度
・
研
修
対
象
の
テ
キ
ス
ト
等
9ヶ月
▲
経過年数
▲
1年
申請
情報通信
エンジニア
申請
3年
2年
申請
申請
申請
4年
申請
書類審査のみ
「2017更新研修テキスト」
で研修実施・レポート提出
「2016更新研修テキスト」と
「2017更新研修テキスト」
で研修実施・レポート提出
図5.3 工事担任者資格者証交付日と研修対象テキスト等
当該研修終了後、受講者がレポートを提出し、その内容が適切であれば情報通
信エンジニア資格者証を交付します。(図5.3 参照)
(4)受講時期
情報通信エンジニアの申請時に受講するものとします。受講後の認定申請(レ
ポート提出)は1年以内に実施していただきます。(図5.2 参考)
(5)実施者
(一財)日本データ通信協会において実施します。
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工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
5.認定資格の設定と運用
5.8
上位資格認定
2011年度から5年連続の更新研修修了者に対する表彰を実施していますが、
表彰するだけでなく、称号を与えてその努力を評価します。
具体的な内容としては更新研修を5年以上連続更新研修修了者に対して、『情
報通信エンジニアゴールド』という称号を与えて上位資格として認定します。
2015年度より、10年以上連続更新研修修了者に対して、『情報通信エン
ジニアプラチナ』という称号を与えて最上位資格として認定します。
5.9
情報通信エンジニア保有状況の公表
企業の情報通信エンジニアに対する関心を高め情報通信エンジニアの普及促進
を図るため、情報通信エンジニアの保有状況について以下のとおり公表を行うも
のとします。
(1)公表内容
企業名、認定資格者数
等
(2)公表手段
ホームページへの掲載
(http://www.dekyo.or.jp/index.html)
(3)実施者
(一財)日本データ通信協会において実施します。
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工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
6.情報通信エンジニアのスキルアップについて
6.情報通信エンジニアのスキルアップについて
6.1
ガイドラインと情報通信エンジニアの関係
本ガイドラインの検討においては「工事担任者が修得を目指す範囲」として、知
識面はもとより、技術面、特にテクニカルスキルのような工事に必要な専門技術・
技能の修得も重要であるという認識に立ち、関連分野の知識要件と合わせて各分野
の実技要件についてもガイドラインとしてとりまとめました。
併せて、知識・技術向上の努力義務を果たしている工事担任者に対して意欲を持
ち続けてもらうとともに、お客様に対して最新のIP・ブロードバンドネットワー
クの知識・技術を持った工事担任者であることを証明する認定資格「情報通信エン
ジニア」を創設しました。
しかしながら、「情報通信エンジニア」は、工事担任者が修得すべき必要最低限
の範囲である「国家試験範囲の新たな知識・技術」について継続的アップデートが
実施されていることを証明するものであり、本ガイドラインで示した工事担任者が
修得を目指す範囲に対しては「工事に必要な専門技術(実技含む)」の修得や「お客
様の要望に応えるための関連知識・技術」の修得が不足していることになります。
ガイドラインを達成し理想とする工事担任者に近づくためには、単に国家試験範囲
の新たな知識・技術の修得にとどまらず、本ガイドラインとのギャップを埋めるた
めの更なるスキルアップが求められており、日々の努力の積み重ねが必要となりま
す。
当委員会では、「情報通信エンジニア」に対して、①最新情報などをニュースレ
ターで定期的に配信する、②無料のICTセミナー(一般参加者は有料)を定期的
に開催する。③実技研修の希望者については、ガイドラインに準拠した内容の研修
を推奨していきたい。具体的な研修については情報通信エンジニアのホームページ
に掲載する等の施策を行い、積極的にスキルアップの支援を行うこととしています。
- 20 -
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
6.情報通信エンジニアのスキルアップについて
6.2
情報通信エンジニアのスキルアップに対する証明
当委員会では、情報通信エンジニアがお客様の要望にワンストップで対応可能な
「理想とする工事担任者」を目指して、関連分野の知識・技術の修得等更なるスキ
ルアップを図ることでお客様サービスの向上や工事品質の向上、更には情報通信分
野の発展に寄与されることを期待しています。
また当委員会の取組みとして「情報通信エンジニア更新研修テキスト」の更なる
充実を最優先とし、「情報通信エンジニア」の普及拡大と更なる認知度および地位
向上に向けて、企業等工事の仕様書に『情報通信エンジニア資格を有する技術者が
設計・施工を行うこと』と記載されることを期待したいと考えます。
- 21 -
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
更新研修テキストの目次
2017更新研修テキストの目次
第Ⅰ部 ネットワークの技術課題に対する総務省の取組み
1 章 電気通信事業法等の改正
1.1 卸電気通信役務に関する制度整備
1.2 移動通信市場の禁止行為規制の緩和
1.3 二種指定制度の充実
1.4 電気通信事業の登録の更新制を導入
1.5 結び
第Ⅱ部 情報通信分野
<ネットワークの技術>
1 章 インターネットの基本
1.1 パケットキャプチャツール Wireshark を用いた無線 LAN の解析
1.2 インターネットのルーチングプロトコル
2 章 LTE モバイルネットワークの基本
2.1 ネットワークアーキテクチャ
2.2 制御プレーンの通信プロトコル
2.3 ユーザプレーンの通信プロトコル
3 章 ネットワーク技術の最新動向
3.1 CA
3.2 VoLTE
3.3 IoT/M2M
3.4 MVNO
4 章 CATV 通信技術
4.1 CATV 通信ネットワークの構成と特徴
4.2 ケーブルインターネット
4.3 ケーブル電話
<端末設備の技術>
5 章 無線 LAN の技術
5.1 無線 LAN の概要
5.2 オフィス向け無線 LAN 市場の動向
5.3 クラウド型無線 LAN の概要と特徴
5.4 クラウド型無線 LAN の導入事例
6 章 IP 電話システムにおける各種端末
6.1 IP 電話機システムの概要
6.2 IP-PBX の構成と機能
6.3 IP-PBX を支える主要技術
6.4 クラウド連携
- 22 -
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
更新研修テキストの目次
7 章 ホームネットワークの最新動向
7.1 ホームネットワークの現状
7.2 ホーム ICT とエネルギーマネジメントシステム
7.3 映像視聴の実例
8 章 通信機器のノイズ故障と対策
8.1 ノイズの本質
8.2 ノイズの伝わり方
8.3 ノイズ対策
8.4 EMC
8.5 S/N 比
<接続工事の技術>
9 章 LAN 接続工事の技術
9.1 LAN の設計・工事の現状
9.2 物理的な規格の変遷と技術動向
9.3 LAN システム構成の検討(物理面での確認事項)
9.4 LAN の部材の選定と施工
9.5 引き渡し前の確認事項
9.6 トラブル・シューティングの技術
9.7 ネットワークの運用・保守管理
第Ⅲ部 情報セキュリティ分野
1 章 情報セキュリティの基本
1.1 認証技術
1.2 鍵の管理方式
2 章 情報セキュリティ対策
2.1 セキュリティ脅威の傾向
2.2 標的型メール攻撃
2.3 ドライブ・バイ・ダウンロード攻撃
2.4 水飲み場攻撃
2.5 ウイルス感染の対処方法
2.6 最新の攻撃の動向
第Ⅳ部 設計・施工管理分野
1 章 品質管理
1.1 概要
1.2 検査
1.3 トラブルの事例
1.4 トラブル防止の留意事項
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工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
工事担任者スキルアップガイドライン委員会メンバー
工事担任者スキルアップガイドライン委員会メンバー
(敬称略)
委員長
小
宮 一 三
神奈川工科大学
委員
加 藤 聰 彦
(WG 座長)
電気通信大学
委員
委員
委員
委員
委員
委員
オブ
ザーバー
事務局
保 園 浩 明
一般社団法人情報通信エンジニアリング協会
学長
工学博士
教授
工学博士
久
専務理事
田
中 正 一 郎
KDDI エンジニアリング株式会社
フィールドネットワーク本部
副本部長
田
辺
博
東日本電信電話株式会社
ネットワーク事業推進本部 サービス運営部
エンジニアリング部
島
寛
一般社団法人
取締役
兼務
部長
技術部
部長
中
日本ケーブルテレビ連盟
山
内
明
一般社団法人情報通信設備協会
手 康 彦
一般財団法人
専務理事
井
日本データ通信協会
居 秀 行
総務省 総合通信基盤局
電気通信事業部 電気通信技術システム課
専務理事
鳥
一般財団法人
日本データ通信協会
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認証分析官
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
工事担任者スキルアップガイドラインワーキングメンバー
工事担任者スキルアップガイドラインワーキンググループメンバー
(敬称略)
座長
委員
委員
委員
委員
委員
加
藤 聰 彦
電気通信大学
野 俊 夫
株式会社ジュピターテレコム 技術サポート本部
東日本技術サポート部 関東北技術センター
川 守 雄
扶桑電通株式会社
エンジニアリング統括部
統括部長
上 修 吾
東日本電信電話株式会社 ビジネス開発本部
第一部門 ビジネス企画担当
担当部長
岩
井
修
東日本電信電話株式会社 ネットワーク事業推進本部
エンジニアリング部 エンジニアリング部門
野 俊 一
一般社団法人
部門長
海
花
情報通信エンジニアリング協会
第二技術部
部長
藤 保 夫
KDDI エンジニアリング株式会社
フィールドネットワーク本部 アクセス建設部
園 和 幸
一般社団法人
情報通信設備協会
馬 章 裕
株式会社 NTT ドコモ
無線アクセスネットワーク部
事務局長
引
無線アクセス建設部門
江 孝 夫
総務省総合通信基盤局
電気通信技術システム課
担当部長
廣
(第 1 回 WG
~第 2 回 WG)
下 公 也
総務省総合通信基盤局
電気通信技術システム課
電気通信事業部
審査係長
山
(第 3 回 WG
~第 4 回 WG)
事務局
サポートサービス本部
井
委員
オブ
ザーバー
マネージャー
石
加
オブ
ザーバー
工学博士
有
委員
委員
教授
一般財団法人
電気通信事業部
審査係長
日本データ通信協会
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工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
工事担任者スキルアップガイドライン
(2016年度版)
発行日:2016年10月
発 行:一般財団法人 日本データ通信協会
工事担任者スキルアップガイドライン委員会事務局
〒170-8585
東京都豊島区巣鴨2丁目11番1号(巣鴨室町ビル6階)
TEL 03-5907-5955
URL http://www.dekyo.or.jp/index.html
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