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「カーボンレポート改修」については次のとおりとする。

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「カーボンレポート改修」については次のとおりとする。
中小テナントビル低炭素パートナーシップ第3回連絡会議事要旨
中小テナントビル低炭素パートナーシップ第3回連絡会における各参加者の意見を要約
した。
<カーボンレポートの改正>
「カーボンレポート改修」については次のとおりとする。
・削減効果の数値は残す。表示内容は、削減幅か改修後の予測値か両論あるの
で、検討する。
・改修前後の推移については、ベンチマークだけでもよい。
【個別意見】
・改修後の効果について、運用した結果が予測と違う場合、テナントが混乱する。空調は改
修効果の予測は難しいと考える。「カーボンレポート改修」の予測値よりも実測値が悪か
った場合に、テナントにどう説明するのか疑問である。
・設備改修を実施する場合、削減効果について負荷まで含め計算し、設計値に基づいて性能
発注している。オーナーとしては、設計条件等が明快な設計値がある以上、改修効果につ
いてテナントに説明できるため、「カーボンレポート改修」の使い方や位置付けが不鮮明
である。
・カーボンレポートの計算過程は透明度が低い。不動産仲介業者からすると、予測どおりの
パフォーマンスでない場合、テナントに対しての説明ができない。「カーボンレポート改
修」の予測値が独り歩きするのは避けるべきである。
・「カーボンレポート改修」を活用する観点で見た場合、数値化という部分が難しい。数値
を示すことで責任が生じる。テナントもそのようなものを求めていない。省エネ性能のピ
クトグラムのほうがわかりやすく、テナント受けしやすい。
・既存のテナントに設備改修を説明する際には、ピクトグラムを前面に出した方が分かりや
すい。
・国の省エネラベリング制度が普及していった場合、「カーボンレポート改修」の予測値と
の整合性をどう図るのか。国の省エネラベリング制度では改修前後の設計値の比較で、ユ
ーザーから見てわかりやすい物差しになる。「カーボンレポート改修」の表示の仕方につ
いては議論が必要である。
・新規のテナントは、細かい数字よりもベンチマーク表示で入居するビルの省エネ度がどの
くらいか分かれば良い。また、入居しているテナントは、ベンチマークを指標に省エネを
進めるという活用方法が良い。
・新しく入居するテナントからすると、改修前後でどの程度削減されるかよりも、改修後の
エネルギー消費量の予測値の方がわかりやすい。改修前の状態をどこまで記載するか検討
が必要である。
・改修前後の排出原単位、ベンチマークが別々ではなく、表形式で並んで書いてあると良い。
・「カーボンレポート改修」の説明書には、ビル全体又はテナント専有部の一部いずれも表
示できることを記載してほしい。
・改修前後の実際の事例があると、非常に分かりやすい。
<グリーンリース普及促進事業>
・「グリーンリースの手引き」では、光熱費削減量算定の充実、テナント協議
会の具体的な進め方、オーナー・テナント・第三者(エコチューナ―)の役
割がイメージできるものにする。
・原状回復義務免除については、項目名を「省エネ改修後の原状回復義務免除」
にするか、事例を説明する等、わかりやすくする。
【個別意見】
・光熱費削減量算出(特に空調)の充実を図ると「グリーンリースの手引き」作成の意味合
いが出る。
・東京都が国の「グリーンリース・ガイド」と同じものを作っても意味がない。テナントと
は話をしたくないオーナーが多く、テナント協議会を実施したことがあるオーナーはほと
んどいない。「グリーンリースの手引き」には、ガイドでは不足する点とテナント協議会
をどう進めていくのか等を具体的に記載してもらいたい。
・「グリーンリースの手引き」では、オーナー・テナント・第三者(エコチューナ―等)に
よる省エネの進め方が具体的にイメージできるようなものになれば良いのではないか。
・中小ビルオーナーの典型的なスタイルは、社員が少なく、技術者がほとんどおらず、また
テナントとはなるべく話したくないというのが実態である。当然、テナントと交渉する人
材はいない。そこで、第三者的な立場で仲介する専門家が介在した方がグリーンリースは
進むと考えられる。
・グリーンリースの仕組みは理解していても、実施する動機づけを理解していない場合が多
いため、助成金は動機付けの一つになる。
・空調の減価償却期間15年のところ、15年で設備更新するオーナーはほぼいない。更新
時期はプラス5年で20年が大体である。ここ10年の技術的進歩で格段に性能が向上し
ていても、改修効果をテナントから回収できず踏み切れないでいるので、グリーンリース
は改修のタームを短くする効果はある。
・原状回復免除ということにオーナーは非常にナーバスなので、原状回復免除のグリーンリ
ースについては、具体な説明が必要である。例えば、LED 照明にした部分については原
状回復してなくも良いなど、オーナー・テナント双方にとってメリットがあることを伝え
る必要がある。
・LED 化はまだまだ不十分で、ビルヂング協会の会員でさえ、20%にも達していない。
LED は効果も高く、テナントさんにとっても分かりやすい設備改修である。最近テナン
トさんからも、内見時に LED にしてほしいという問合せは増えている。
・改修を伴うグリーンリースは、標準的な設備よりも省エネ性能が高い設備を入れる場合や
更新時期が到来していないものについて良いものに入れ替える場合が本来である。また、
改修については、お金の支払いを伴うので債務履行を前提とする確定的な義務、運用改善
については努力義務である。
<今年度の活動>
・グリーンリース検討会を2回実施する。
・低炭素セミナーを2回実施する。
【個別意見】
・中小ビルオーナーにはGRESBだけでは訴求しない。テナント目線からの話を入れるな
ど、別の観点も入れた方が良い。
・環境・社会・企業統治を評価、考慮して行う投資(ESG投資)をしていくことが結果的
に収益性につながるという認識が増えてきている。GRESBよりも広い視点で、ESG
投資の話をするのも良いのではないか。
・テナントサイドに低炭素ビル選択を働きかけていくセミナーが必要である。アンケート調
査では、テナントは環境認証制度そのものを知らない割合が8割を超えている。テナント
ニーズを育てることで、オーナーも対応するようになる。
・グリーンリースをテナントから求める例としては、外資系の企業の事例がある。セミナー
で、室内環境の改善伴う生産性向上などをアピールする方法も考えられる。
・外資系企業の講演は、中小テナントは興味を持ち、参考になると思うが、自分たちとは次
元が違うと感じるだろう。中小テナントが興味をもつのは補助金などの話である。
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