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ヒノキ科樹木の抽出成分と生理活性
九 大 演 報(Bull.KyusyuUniv.For.),82:65-91,2001 総 説 ヒノ キ科 樹 木 の 抽 出成分 と生理 活性 ★ 清 水 邦 義**・ 近 藤 隆一郎**・ 坂 抄 井 克 己** 録 日本 に お い て最 も重 要 で 優 良 な用 材 源 の 一 つ で あ る ヒ ノ キの 付 加 価 値 の 高 い 有 効 利 用 法 開発 の基 礎 資 料 とすべ く,ヒ ノ キ科 樹 木 の抽 出 物 に 関 す る1991年 以 降 に報 告 され た 知 見 を調 査 して報 告 す る.新 規 化 合 物 の構 造 決 定 や成 分 分 析 に関 し て は,新 種 の テ ルペ ノイ ドの報 告 並 び に,ケ モ タキ ソ ノ ミー 見 地 か らの 精油 成分 のGC-MSに よ る定 性,定 量 分 析 の報 告 が 多 く,特 に,テ ルペ ン類 の構 造 の 多様 性 に注 目 した研 究 が 多 い.利 用 に 関 して は,テ ルペ ン類 の 含 量 が 高 い 針 葉 精 油 成 分 の 用 途 開 発 に関 す る研 究 が 多 い.そ の 中 で,生 理 活 性 につ い て は,各 種 テ ルペ ン類 の抗 菌,殺 虫,殺 ダ 二活 性,心 理 作 用 へ の影 響 等 が 報 告 され て い る.ま た,ト ロ ポ ロ ン類,特 に β一thujaplicin(ヒノ キ チ オ ー ル)の 多 岐 に 渡 る 生 理活 性(詔 歯 類 の瑠 り抑 制,抗 菌,殺 虫,殺 ダ ニ,抗 寄 生 虫,メ タロ プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害,チ ロ シ ナ ー ゼ 阻 害,抗 酸 化 性,活 性 酸 素 種 捕 捉 能,UV-Bに よる ア ポ トー シ ス 誘 導 阻 害 等)が 報 告 され て い る. こ れ ら の 知 見 を適 切 に 利 用 す れ ば,用 材 と して の 利 用 後 に残 る ヒ ノ キ樹 皮 ・枝 葉 あ るい は 除 ・間 伐材 の付 加 価 値 が 向 上す る と期 待 され る. キ ー ワ ー ド:ヒ ノキ 科,抽 出 成 分,新 規 化 合 物,成 分 分 析,生 理 活 性 物 質 1.は じ め に 我 が 国 は 国 土 の 約 七 割 を森 林 が 占 め,世 界 の 森 林 面 積 が 陸 地 面 積 の わず か 二 割 しか な い の に比 べ て,か な り森 林 に恵 ま れ て い る よ うに は 見 え るが,そ あ る.そ れ は 林 業 の不 振,山 の 荒 廃 は年 々 進 む ば か りで 村 の 過 疎 化,環 境 破 壊 な どの現 象 と して表 れ て い る.そ の 原 因 は 多 岐 に渡 っ て い る が,人 工 林 の 大 部 分 を占 め る ス ギ,ヒ ノキ が,現 状 で は十 分 な経 済 的 利 益 の 実 現 につ な が り難 い こ と も一 因 で あ ろ う.そ こ で,従 来 の 建 築 材 等 の 利 用 だ け で な く,ス ギ,ヒ ノキ の もつ 多 面 的 な機 能 を高 度 に発 揮 させ,廃 材,樹 皮 及 び 枝 葉 部等 未 利 * Kuniyoshi SHIMIZU, Ryuichiro KONDOand Kokki SAKAI : The Extractives of Cupressaceae Trees and Their Bioactivities 林 九州大学大学院農学研究 院森林資源科学部 門森林機能開発学講座 森林生物化学研究室 Laboratory of Forest Biology and Biochemistry, Division of Forest Bioscience, Department and Forest Products Science, Faculty of Agriculture, Kyushu University, of Forestry Fukuoka 812-8581 66清 水 邦義 ら 用 部 位 の経 済 的 付 加 価 値 を見 出 して い くこ と も重 要 で あ る.樹 木 成 分 は,化 学 的 に は セ ル ロー ス,ヘ ミセ ル ロ ー ス,リ グ ニ ン及 び抽 出成 分 に分 類 で きる が,樹 種 に よ る化 学 的性 質 の 違 い は抽 出 成 分 に拠 る と こ ろが 大 きい.特 は,そ に 廃 材 等 の 抽 出成 分 の 利 用 を 指 向 す る場 合 に の種 に 「特 有 な」 抽 出 成 分 の 「適 切 な」,「付 加 価 値 の高 い 」 利 用 が鍵 で あ り,そ の た め に は,抽 出 成 分 に 含 まれ る個 々 の 成 分 の化 学構 造 だ け で な く,そ れ らの 物 性,化 学 反 応 性,生 理 活性 な ど を把 握 す る こ とが必 須 で あ る.な か で も新 規 生 理 活 性 の 開 拓 は,付 加 価 値 を格 段 に 向 上 させ る 可 能 性 を有 す る. ヒ ノ キ に代 表 さ れ る ヒ ノキ 科(Cupressaceae)は,21属 約125種 か ら な る常 緑 針 葉 樹 で, 11属 が 北 半 球,10属 が 南 半 球 と,ほ ぼ 半 数 ず つ 南 北 に 分 か れ て 分 布 して い る.主 要 な森 林 構成 要 素 と して南 北 両 半 球 で 多 様 に 分 布 して い る点 は,針 葉樹 で は ス ギ 科,マ ツ 科 が 北 半 球 に,ナ ン ヨ ウス ギ 科,マ キ科 が 南 半 球 に 主 に分 布 し て い る こ と に比 べ て 特 殊 で あ る.両 半 球 と も にい くつ か の 属 は高 木 に な り,ヒ ノキ だ け で な くさ ま ざ まな 種 が 木 材 と して利 用 さ れ て い る(大 (Juniperus),ネ 澤,1997).日 本 に は,ヒ ズ コ属(Thuja),ア ノ キ 属(Chamaecyparis),ビ ス ナ ロ属(Thujopsis)な ャ ク シ ン属 ど4属 お よそ10種 が あ る. こ こ で は,国 内 の代 表 的 な樹 種 を構 成 す る ヒ ノキ 科 樹 木 の抽 出成 分 に着 目 し,高 度 利 用 に繋 が る 基 礎 的 知 見 を得 る た め に,そ れ らの 抽 出成 分 に関 す る1991年 以 降 の研 究 につ い て 概 観 す る.そ れ 以 前 に 見 出 され た 主 要 抽 出成 分 に つ い て は,成 書 に ま とめ られ て い る(今 村 ・安 江,1983). 2.ヒ ノ キ 科 抽 ヒ ノ キ 科 抽 出 成 分 に 着 目 し た 研 究 を,大 に つ い て 最 近 の 知 見 を 簡 単 に 述 べ る.1.新 活 性,4.そ 2.1.新 出 成 分 き く 次 の4つ の カ テ ゴ リー に分 類 規 化 合 物 の 構 造 決 定,2.成 し,そ れ ぞ れ 分 分 析,3.生 理 の 他. 規 化 合 物 Chamaecyparisformosensisの 葉 部 の ア セ ト ン 抽 出 物 か ら 新 種 の ジ ノ ル セ ス キ テ ル ペ ン, 3-hydroxymegastigm-5-en-9-one(1),(S)-9-hydroxymegastigm-5-en-4-one(2),megastigm5-ene-3,9-diol(3),新 methylpisiferanol(5),1β 種 の ジ テ ル ペ ン,3β seco-pisiferan-19-ol(7),8α (8),8α 一hydroxy-1-oxo-13-0-methyltotarol(4),12-0- 一hydroxypisiferanol(6),10-deoxy-4(18)-epOxy-12-methoxy-4,5一hydroxylabda-13(16),14-dien-19-yl(Z)-4-hydroxycinnamate 一hydroxylabda-13(16),14-diene-19-yl(E)-4-hydroxy-3-methoxycinnamate(9),8α acetoxylabda-12,14-dien-19-oicacid(10),及 一 び 新 種 の リ グ ナ ン,(7R,8R)-9'一(β rhamnopyranosyl)-3-methoxy-3':7,4':8-diepoxyneolignan-4,9-diol(ll)が (Linetal.,1999).Chamaecyparisobtusaの'L・ 一 単 離 さ れ て い る 材 か ら 新 種 の ジ テ ル ペ ン,obtunone(12)(Kuo e亡a1.,1998a),11,14-dihydroxy-8,11,13-abietatrien-7-one(13),obtuanhydride(14),18,190-isopropylidene-18,19-dihydroxyisopimara-8(14),15-diene(15)が 1998b),葉 単 離 さ れ(Kuoeta1., 油 か ら 新 種 の セ ス キ テ ル ペ ン ア ル コ ー ル,10-epi-cubebol(16)が (Hiedaeta1.,1996).Cupressusbakeriの 単 離 され て い る 枝 葉 よ り 新 種 の セ ス キ テ ル ペ ン,cis-muurola-3,5- diene(17),cis-muurola-4(14),5-diene(18),cis-muurol-5-en-4α 一〇1(19),cis-muurol-5-en-4 ヒノキ科樹木の抽 出成分 と生理活性67 β ℃1(20),2-ethylisomenthone(21),2-(3-oxobuty1)-isornenthone(22)(Kime亡a1・ ・1994), (+)-2-ethylmenthone(23),(+)-indipone(24)(C∞landJiang,1995a)が た,新 種 のnor-acoraneヘ の 約3%は ケ norlabdan型 単 離 ル ペ か ミ ケ ト 型(26)で ジ テ ル ペ さ れ あ 単 離 タ ー ル 型 セ ス キ ン,bakerol(25)も っ た(C∞leta1.,1994).Cupressusfunebrisの 単 の ジ テ ル ペ て い る.ま さ れ 葉 部 て い る(Kobayashie亡a1.,1991).Cupressusmacnabianaの ン,macnabin(28)が ら 新 種 さ れ 単 離 か 離 葉 部 か ら 新 種 の セ ス キ テ 樹 性 体(30,31),2α 皮 一hydroxycommunicacidのE,Z異 か ら 新 種 の ジ テ ル 見 ペ ン,7β tarol(38)(KuoandChen,1994a)な ら び に 新 種 の リ グ ナ さ れ 一hydroxytoセ ス キ テ ル ペ ン,8α,12-dihydroxycedrane (39)(KuoandChen,1992b),chinensiol(40)(KuoandChen,1994b)が ら 新 種 の 出 一hydroxysandaracopimaricacid(35) (KuoandChen,1992a),1,3-dioxototarol(36),Isototarolenone(37),1-oxo-3β か の ン,12-hydroxycupressicacid(29)(Leeeta1.,1992),12,15-dihydroxy- (Fangeta1.,1993b),根 の 葉 部 、 そ ら 新 種 さ れ て い る(CoolandJang,1995b).Juniperuschinensisの 体(32,33),15,16-bisnor-8,17-epoxy-13-oxolabd-11E-en-19-oicacid(34)が 材 種 た が ン,15-norlabda-8(20),12E-diene-14-carboxaldehyde-19-oicacid(27)が labda-8(17),13-dien-19-oicacidのE,Z異 性 テ ル ペ 単 離 さ れ て い る.同 ン,(8S)-3-methoxy-8,4'-oxyneoligna-3',4,9,9'-tetraol(41), (7S,8S)-3-methoxy-3',7-epOxy-8,4'℃xyneoligna-4,9,9'-triol(42),(7R,8S)-3-methoxy3',7-epOxy-8,4'-oxyneoligna-4,9,9'-triol(43)(Fangeta1.,1992),新 eta-8,11,13-trien-7β 種 の ジ テ ル ペ ン,abi- 一〇1(44),iVniperolide(45),juniperal(46),noriuniperolide(47),seco釦 niperohde(48),chinanoxal(49)(Fangetal.,1993a),7α acetate(50),7α 一 一hydroxyabieta-8,11,13-trien-19-yl 一hydroxyabieta-8,11,13-trien-19-al(51),7α 一hydroxyabieta-8,13-dien-19- al(52),7-oxoabieta-8,13-dien-19-al(53),12-oxoabieta-7,13-dien-19-al(54),13β 一 hydroxy-7-oxoabieta-8(14)-en-19-al(55),6α,13β (56)(Leeeta1.,1994),新 種 一dihydroxy-7-oxoabieta-8(14)-en-19-al の ノ ル ジ テ ル ペ ン,19-norabieta-8,11-13-trien-4-ylformate (57),18-norabieta-8,11,13-triene-4-hydroperoxide(58),19-norabieta-8,11,13-triene-4hydroperoxide(59),4-hydroxy-18-norabieta-8,11,13-trien-7-one(60),4-hydroxy-19-norabieta-8,11,13-trien-7-one(61),4-hydroperoxy-19-norabieta-8,11,13-trien-7-one(62),7α 一 hydroxy-19-norabieta-8,11,13-triene-4-hydroperoxide(63),19-norabieta-7,13-dien-4-ol (64),13β,14β れ て お 一epoxy-4-hydroxy-19-norabiet-7-en-6-one(65)(Leee亡a1.,1995)が り,さ ら に,心 材 か ら 新 種 の セ ス キ テ ル ペ 報 告 ン,12-hydroxy一 さ α 一longipinene(66),15- hydroxyacora-4(14),8-diene(67)(KuoandShiu,1996),cedr-3-en-15-ol(68),junipercedrol (69)及 び α 一longipinen-12-ol(70),新 種 のcis-himachalane型 6-ol(71),3-himachalen-6-ol(72),2α,6α machalane-3β セ ス キ 一〇1(74),chinensiol(75)(Shiue亡a1.,1999),新 種 の labda-8(17),11E,13E-trien-19-oicacid(76)(Fangetal.,1996)が munissubsp.hemisphaericaの 葉 部 palmitoylisocupressicacid(77)が 葉 部 の95%EtOH抽 出 物 (78)(Mossaeta1.,1992),漿 ン,2-himachaler ら 新 種 の 果 一epoxyhiジ テ ル ペ 単 離 の ヘ 単 離 か テ ル ペ 一epoxy-3-himachalene(73),2α,6α キ サ ン 抽 さ れ て い ジ テ ル ペ の ヘ キ サ 出 物 酸 性 画 分 よ ン,15-hydroxy- り,天 さ れ て い 然 か ら 初 め る.ノ.fbe亡idissimaの 球 果 か ら,新 て15-0- る(SanFelicianoe亡a1.,1991a).ノ,excelsaの ン,3β,12-dihydroxyabieta-8,11,13-triene-1-one ン 抽 出 物 か ら 新 種 の ジ テ ル ペ ン,3α da-8(17),13(16),14-trien-19-oicacid(juniperexcelsicacid)(79)(Topguetal.,1999)が さ れ て い る.J.com- 種 の ジ テ 一acetoxylab単 ル ペ ン,(13S)-abiet-8(14)-en-13,19一 離 清水 邦義 ら diol(80)(SakarandSanFeliciano,1992),13β 一hydroxy-abiet-8(14)-en-19-al(81)(Sakar andSanFeliciano,1994)が 単 離 さ れ て い る.ノ.form()sanaの mosalactione(82)(KuoandYu,1993),新 種 樹 皮 の ジ テ ル ペ か ら,新 種 の リ グ ナ ン,for- ン(13S)-15-hydroxylabd-8(17)-en- 19-oicacid(83),(13S)-15-acetoxylabd-8(17)-en-19-oicacid(84),(13S)-15-octadecanoyloxylabd-8(17)-en-19-oicacid(85)(KuoandYu,1996a),新 種 の ジ テ ル ペ ether(86),△5-dehydrosugiolmethylether(87)(KuoandYu,1996b),心 テ ル ペ ン,6β ル ペ か ら,新 種 の ジ 種 の セ ス 一hydroxyferruginol(88),formosaninol(89),formosanin(90)(KuoandYu, 1996c),6-oxoferruginol(91)及 キ テ ン,sugiolmethyl 材 び6a-acetoxyferruginol(92)(KuoandYu,1997),新 ン(一)-15-hydroxycalamenene(93),(一)-1-hydroxy-1,3,5-bisabolatrien-10-one (94)(KuoandYu,1996d),junipenonoicacid(95)(YuandKuo,1997),cis-4,5-dihydroxycorocalane(96),transt4,5-dihydroxycorocalane(97),calamenen-10α cadalene(99)(KuoandYu,1999)が 精 油 か ら 新 種 単 離 の セ ス キ テ 1995).ノ.occidentalisの ン で ル ペ 心 材 ら,天 然 か ら 初 め て の 部 か さ れ て の 精 油 か ら 天 然 単 離 ビ ス ら,新 フ ラ ノ 種 (Comteeta1.,1997b),ジ の い る.ノ.()xycedrusssp.macrocarpaの ン,junicedranol(100)が あ る(+)-dihydromayurone(101)が a1.,1996a),葉 一〇1(98),15-hydroxy- ノ ル テ ル ペ 物 と し て さ れ て い ン プ ロ パ フ ェ ニ ル 単 ン 誘 プ ロ パ は 未 で あ 材 い 部 る(Barreroetal., っ た ノ ル 導 体 で あ ド,junipetriolosidesA(1(B),B(104) セ ス キ テ ル ペ るphceniceroside(1②(Comtee亡 α 一ionol11-0一 junipeionoloside)(106)(Champavieretal.,1999),地 フ ェ ニ ル β 一D-glucopyranoside β 一D-glucopyranoside(6-hydroxy上 種 の 報 告 て ノ イ α 一ionol11-O一 phoenicein(1σ7)(Comtee亡a1.,1996b),新 さ れ る(Zhoueta1.,1999).ノ.phαeniceaか ン 配 糖 体,3-oxo一 (junipeionoloside)(105),3-oxo-6-hydroxy一 離 部 か ら,新 プ ロ パ 種 の フ ラ ノ ン 配 糖 体, ン 配 糖 体,juniperoside(108) (Comteetal.,1996c),junipediolA(109),junipediolA8-glucoside(llO),junipediolB8-glucoside(lll)(Comteetal.,1997a)が フ ェ ノ 単 離 さ れ て い る.ノ.sabinaの 葉 部 か ら,新 種 の プ ロ ピ ォ ン,2-hydroxy-4-methoxy-6-methylpropiophenone(ll2),2-hydroxy-3,4-dimethoxy- 6-methylpropiophenone(113)(SanFelicianoeta1.,1991b),新 種 の リ グ ナ ン で あ る ナ フ タ レ ン 誘 導 体,junaphtoicacid(114),(→-3-O-demethylyatein(ll5)(SanFelicianoetal.,1991c) が 単 離 さ れ て い る.ノ.thurj.feraの 葉 部 か ら 新 種 の リ グ ナ ン,methyldeoxypodophyllotoxinate (ll6),7β 一hydroxydihydrosesamin(ll7),podophyllotoxinicacid(118)(SanFelicianoθ 1991d),新 種 の8-hydroxy-labdane型 ジ テ ル ペ 亡al., ン,8-hydroxy-14-oxo-15-norlabd-13(14)-en- 19-oicacid(ll9),sclareolicacid(120),episclareohcacid(121),8,15-dihydroxy-14-oxo-labd13(16)-en-19-oicacid(122),8,15-dihydroxy-labd-13E-en-19-oicacid(123),14(S)-8,14, 15-trihydroxy-labd-13(16)-en-19-oicacid(124),14(R)-8,14,15-trihydroxy-labd-13(16)-en19-oicacid(125)(SanFelicianoeta1.,1992a),新 種 のlabdaneacids,3α,15-dihydroxy-labd- 8(17)-en-19-oicacid(126),(14R)14,15-dihydroxy-8,13-epoxy-labdab-19-oicacid(127), (145)14,15-dihydroxy-8,13-epoxy-labdab-19-oicacid(128),3α 一hydroxy-13-oxo-14,15- dinorlabd-8(17)-en-19-oicacid(129),3α,15-dihydroxy-14-oxo-labd-8(17),13(16)-dien-19oicacid(130),(14R)3α,14,15-trihydroxy-labd-8(17),13(16)-dien-19-oicacid(131), (145)3α,14,15-trihydroxy-labd-8(17),13(16)-dien-19-oicacid(132)(SanFelicianoe亡a1., 1992b),新 種 の ジ テ ル ペ ン,3α,15-diacetoxy-labd-8(17)-en-19-oicacid(133),13ζ,14ζ epoxy-15-oxo-labd-en-19-oicacid(134-137),3α 一acetoxy-13ζ,14ζ 一 一epoxy-15-formyl-labd一 ヒノキ科樹木 の抽 出成分 と生理活性69 8(17)-en-19-oicacid(138-141),3α 一acetoxy-15-hydroxy-labd-8(17)-en-19-oicacid(142),3 α 一acetoxy-15-hydroxy-labd-8(17),13E-dien-19℃icacid(143)(SanFelicianoetal.,1993a), 材 部 か ら 新 種 の 三 環 性 セ ス キ テ ル ペ ン,sesquithuriferol(1"),α (146)(Barreroetal.,1996)が 一(145),β 単 離 さ れ て い る.Platycladusorientalisの リ グ ノ ー ル で あ るdocosyltrans-3-hydroxyferulate(147)が 1999).ThuLtloccidentak'sの a1.,1994)が,材 一duprezianene 果 皮 か ら新 種 の モ ノ 単 離 さ れ て い る(KuoandChen, 枝 か ら 新 種 の リ グ ナ ン,(一)-4-(}demethylyatein(148)(Kawaiet 油 か ら 新 種 のguaiadiene誘 導 体,9α,11-epOxy-1βH,5αH,7βH-guaia- 3,10(14)-diene(149),1βH,5αH,7βH--guaia-3,10(14)-dien-11-ol(150)(Weyerstahle亡 a1.,1996)が 単 離 さ れ て い る.Thu質s亡andishti(Gord.)Carr.の テ ル ペ ン で あ るstandishinal(151)が 2.2.成 樹 皮 か ら 新 種 のabietane型 単 離 さ れ て い る(Ohtsuetal.,1999). 分 分 析 成 分 分 析 に つ い て は,テ に 渡 っ て い る た め,研 ル ペ ン 類 の 詳 細 なGC-MS分 析 の 報 告 が 多 い.研 究 対 象 が 多 岐 究 例 を 列 挙 す る に 留 め た. Chamaecyparispisiferaの 根 の 抽 出 成 分 が 調 べ ら れ 、6種 る(YatagaiandTakahashi,1994).GC-MSに (Rafiietal.,1992a),ま た,枝 葉 の54種 子 の脂 肪 酸 が 分 析 され の モ ノ ー及 び セ ス キ テ ル ペ ノ イ ド が 同 定 さ れ て い る 球 果 の 配 糖 体 成 分(Miloseta1.,1998),ま 精 油 成 分(Loukiseta1.,1991),(Riazetal.,1996)の い て は 、 」.communisの の セ ス キ テ ル ペ ンが 単 離 さ れ て い よ りCupressusbakeri種 (Rafiietal.,1992b).Cupressussempervirensの 1997)及 ジ た, 分 析 が な さ れ て い る.Juniperus属 につ 球 果(ChatzopoulouandKatsiotis,1993a),(KoukosandPapadopoulou, び 葉 部(LoomanandBaerheimSvendsen,1992),(ChatzopoulouandKatsiotis,1993b) の 精 油 成 分,中 1995b)及 国 産 ノ.convalb'um(Adamseta1.,1993a),中 び ネ パ ー ル 産 ノ。indicaの 国 産 ノ.form()sana(Adamsetal., 葉 部(AdamsandChaudhary,1996)の が 分 析 さ れ て い る.ノ.oxycedrusL.subsp.macrecarpaの (Stassietal.,1995,MilosandRadonic,2000),又,葉 部 か らポ リフ ェ ノー ル 類 が 単 離 され て い る(Stassieta1.,1998).ノ.ρachyphlaeaの 葉 部 か ら ビ フ ラ ボ ン が 単 離 さ れ て い る(Qasim etal.,1991).ノ.phceniceasubsp.turbinataの 葉 部 か ら テ ル ペ ン 類 が 単 離 さ れ て い る(San Fericianoetal.(1993b).ノ.rigidaの (Singhetal.,1993).中 葉 部 の フ ェ ノ ー ル 成 分 がTLCに 国 産 ノ。saltuariaの 1993b).Neocallitropsispancheriの 枝 葉(Kamdemetal.,1993),材 さ れ て い る.Thujaorientalisの (Sharmaeta1.,1993).Thujりpsisdolabrataの 部(Andersoneta1.,1995)の 葉 部 か ら ジ テ ル ペ ン が 単 離 さ れ て い る 葉 部 か ら3種 の テ ル ペ ノ イ ド 配 糖 体,7種 ニ ル プ ロ パ ノ イ ド 配 糖 体 が 単 離 さ れ て お り(Obataeta1.,1997),ま ペ ン(Nagahamaeta1.,1996)がGC分 perivernsの a1.,1998).イ た,葉 析 さ れ て い る.Platycladusorientalisの が 詳 細 に 調 べ ら れ て い る(KuoandChen,1999).Cypresssempervirens及 種 子 油 の 脂 肪 酸 が 調 べ よ り分 析 さ れ て い る 揮 発 性 葉 油 成 分 が 分 析 さ れ て い る(Adamsetal., 心 材 の 揮 発 成 分 が 分 析 さ れ て い る(Raharivelomananae亡 a1.,1993).Thutaoccidentalisの 精 油 成 分 が 分 析 そ れ ぞ れ の精 油 成 分 球 果 と葉 部 の 精 油 成 分 が 分 析 さ れ ら れ て い る(Riazeta1.,1993).ノ.phcenicea及 の フ ェ 部 精 油 の ジ テ ル 果 皮 の 化 学 成 分 びThutaorientalisの びCupressussem- 地 上 部 の ア ル コ ー ル 抽 出 物 か ら フ ラ ボ ノ イ ド類 が 単 離 さ れ て い る(Maatooqe亡 ン ド 産 ノ.seⅢrglobosaと い る(Adamse亡a1.,1992).ノ.mon()spermaと ギ リ シ ャ 産 ノ.excelsaの ノ.(rste()spermaの 揮 発 性 葉 油 の比 較 が な され て 揮 発 性 テ ル ペ ノイ ドの 地 理 的 70清 水 邦義 ら 変 化 が 調 べ ら れ て い る(Adams,1994).ノ.przewaskiiと ノ.ρrzewalskiif.ρendulaの 揮 発 性 葉 油 成 分 が 分 析 さ れ て い る(Adamseta1.,1994a).ノ.chinensis,ノ.chinensisvar.kaizuca及 cv.pyramidalisの (モ び 揮 発 性 葉 油 成 分 の 比 較 が さ れ て い る(Adamseta1.,1994b).産 ン ゴ ル,カ ザ フ ス タ ン,ロ シ ア,ス コ ッ ト ラ ン ド)に の 組 成 が 比 較 さ れ て い る(Adamsetal.,1994c).北 地 の 違 い よ る ノ.davuricaの 東 中 国,韓 揮 発 性 葉 油 成 分 国 及 び 日 本 の ノ。rigidaに つ い て 産 地 の 違 い に よ る 揮 発 性 葉 油 成 分 の 比 較 が な さ れ て い る(Adamseta1.,1995a).ノ.commtmis,ノ.sibirica及 び ノ.intermediaの ケ モ タキ ソ ノ ミー が 精 油 成 分 組 成 を分 析 す る こ と に よ り 検 討 さ れ て い る(Caramielloetal.,1995).中 squamataの 国 産 ノ.squamatavar.fargesiiと graciliorvar.urbanianaの ー ラ ン ド 産 のJuniperoilの キ ラ ル 組 成 分 析 が な さ れ,採 al.,1997).ビ 十 種 の 葉 部 精 油 の 組 成 が 調 べ ら れ,ケ モ タキ ソ ノ ン ド産 及 び ネ パ ー ル 産 の ノ.recurvaの 葉 部精 油 成 ミ ー が 検 討 さ れ て い る(Adams,1998).イ 2.3.生 もの と比 較 して い る モ ノ テ ル ペ ン炭 化 水 素 の キ ラ ル 及 び ア 取 場 所 や 季 節 に よ り 大 き な 変 動 が 観 察 さ れ て い る(Ochockaet ャ ク シ ン 属(Juniperus)の 分 が 分 析 さ れ,西 イ テ ィ 島 の ∫. 葉 油 成 分 を 他 の 西 イ ン ド 諸 島 のjuniperの (Adamsetal.,1997).ポ 部 イ ン ド の ノ.recurvaと 比 較 さ れ て い る(Adamseta1.,1998). 理 活 性 針 葉 抽 出 成 分 の 用 途 開 発 を 目 指 し,針 作 用,粘 着 性 能,脱 pisifera及 葉 の 精 油 の 揮 発 速 度,抗 菌 性 試 験,植 び そ の 類 縁 体 が抗 酸 ダ ニ 作 用 を 持 つ こ と が 明 ら か さ れ て い る(Yatagaietal.,1991).ヒ (Chamaecyparisobtusa)に つ い て は,カ (lshiiandKadoya,1993),蒸 煮 処 理 (OharaandIto,1995),材 a1.,1997),漏 ノ キ ラ タチ 及 び イ ネ の 生 長 に及 ぼ す材 中 の 生 育 阻 害 物 質 した樹 皮 の ポ リ フ ェ ノ ー ル成 分 とそ の タ ンパ ク吸 着 能 の 殺 蟻 活 性 に 対 す る α 一terpinylacetate(153)の 寄 与(Y.Ohtanie亡 脂 症 ヒ ノ キ 樹 脂 の ジ テ ル ペ ン,manool(154),torulosol(155),torulosal(156) の 樹 脂 症 病 原 菌 に 対 す る 抗 菌 効 果(Yamamotoeta1.,1997),樹 皮 の エ タ ノ ー ル 抽 出 物 の, ト の 根 腐 れ な ど に 関 与 す る 病 原 菌(Fusariumoxysporumf.sp.radicis-lycopersici, Pseudomonassolanacearum)に CupressusariZonicaの 対 し て の 抗 菌 性(YuandKomada,1999)が が 調 べ ら れ,ノ.chinensisよ podophyllotoxin(163)が 本 産 針 葉樹 の 葉 部 抽 出 物 の 抗 菌 活 性 り 抗 菌 成 分 と し て8-acetoxyelemol(160),8-hydroxyelemol(161), 単 離 さ れ(Ohashie亡a1.,1994),葉 部 か ら 細 胞 毒 性 成 分 と し てdeoxy- 単 離 さ れ て い る(Kawazueta1.,1997).ノ.e・xcelsaの 葉 部 及 び種 子 か ら 抗 菌 活 性 を 有 す る ジ テ ル ペ ン,(+)-ferruginol(abieta-8,11,13-triene-12-oD(IM)及 )-sandaracopimericacid(isopimara-8(14),15-diene-18-oicacid)(165)が (Muhammadeta1.,1992),漿 単 離 堕 胎 活 性 成 分 と し てisocupressic 同 定 さ れ て い る(Partoneta1.,1996).日 hinokiicacid(162)が 前 駆 体 と思 わ れ る び3-dehydro-6-deoxoteasterone(158)が さ れ て い る(Griffithseta1.,1995).Cupressusmacrocarpaの acid(159)が 検 討 され て い る 。 花 粉 か ら 植 物 生 長 調 節 物 質brassinosteroids(BRs)の 新 種 の ス テ ロ イ ド,6-deoxotyphasterol(157)及 VLB)細 物 生 長 制 御 臭 効 果 な ど が 検 討 さ れ て い る(YatagaiandOhira,1990).Chamaecyparis び そ の 園 芸 品 種 に 含 ま れ る ジ テ ル ペ ン,pisifericacid(152)及 化 作 用,殺 トマ イ ン ド 産 ノ. 葉 の 精 油 成 分 組 成 が 比 較 さ れ て い る(Adamsetal.,1996).ハ 単 離 さ れ て お り 果 の ヘ キ サ ン 抽 出 物 は,LNCaP,KB-V(+VLB)及 胞 に 対 し て 高 い 細 胞 毒 性 を 示 し,ま キ サ ン 抽 出 物 に 含 ま れ るjuniperexcelsicacid(7g)に び(一 た 漿 果 の ヘ キ サ ン,メ びKB-V(タ ノ ー ル 抽 出物 及 び ヘ 抗 結 核 菌 効 果 が 報 告 さ れ て い る(Topgu ヒノキ科樹木の抽出成分 と生理活性71 et al. , 1999) . J. oxycedrus の 葉 部,樹 皮 及 び 漿 果 の ク ロ ロ ホ ル ム,ア ル 抽 出 物 の 抗 菌 活 性 が 調 べ ら れ て い る (Metin et al. , 1999) . ポ キ シ ゲ ナ ー ゼ 阻 害 成 分 と し て 単 離 さ れ た(165)の sandaracopimaric れ て い る (Comte セ トン 及 び メ タ ノ ー J. phccnicea か ら単 離 さ れ た リ 結 晶 構 造 が報 告 さ acid et al. , 1995) . J. procera の 葉 部 及 び 樹 皮 か ら抗 菌 活 性 を 有 す る ジ テ ル ペ ン, (+) Ecommunic acid (166) , (+)-Z-communic et al. , 1995) ,又,樹 皮 か ら,新 種 の ジ テ ル ペ ン, 14,15bisnor13oxolabda8(17), dien19-oic (169)を acid hydroxyabieta-8 acid (167) , (+) totarol (168) (Muhammad 含 む 数 種 の ジ テ ル ペ ン が 単 離 さ れ,強 (170)が ,13dien-11,12-dione 力 な 抗 菌 成 分 と し て, 見 い だ さ れ た (Muhammad sabinaの 精 油 の 着 床 阻 害 に 関 与 す る 主 成 分 は,(171)で sabinyl (N. Pages et al. , 1996) . J. squamata か ら 単 離 さ れ たcedranediol(172)の (173)の 抗 血 小 板 並 び に 血 管 緊 張 低 下 作 用 が 調 べ ら れ て い る (Teng い だ さ れ た ( Stassi et al. , 1996). ま た,樹 japonensis に つ い て は,青 及 ぼ す ヒ バ 材 油 の 影 響 (Miyazaki, の 殺 虫 活 性 成 分 で あ る carvacrol び β一thujaphcin(177)の 部 か ら 単 離 さ れ た γ 一thutaplicin(178),β obtusa びThujaplicataに 1996) , 鋸 屑 (176) (Lee et al. 1997) , 鋸 屑 殺 虫 活 性 及 び 殺 ダ ニ 活 性(Ahne亡a1., 一dolabrin(17g)及 の 抗 菌 活 性 及 び メ タ ロ プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 活 性(Inamorie亡al.,1999)に る.及 Chamaecyparis 森 ヒバ 油 の心 理 的 ス トレ (176) 及 び 3 -thujaplicin (hinokitiol) (177) (Ahn et al. , ケ ヒ ョ ウ ダ ニ)に に 含 ま れ るcarvacrol(176)及 1998),材 et al. , 1992) . ベ 屑 中 の マ ウ ス な ど の 超 歯 類 の か じ り抑 制 (antignawing) (175) , carvacrol 内 塵 中 ダ ニ(ヤ 中 の Thecodiplosis 見 タ ノ ー ル抽 出物 の 抗 ウ イ 単 離 さ れ て い る (Gerhauser Thujopsis dolabrata ス 緩 和 効 果(Okabeeta1.,1992),鋸 1995),室 菌 成 分 と し て ザterpineol(174)が 幹 内 の トロ ポ ロ ン含 量 の 分 布 と腐 朽 抵 抗 性 の 関 係 に つ い て 検 討 さ れ て い る (Debell et al. , 1999). 成 分 で あ る thujopsene ア セ トキ シ 誘 導 体 腐 朽 抵 抗 性 の 指 標 と し て トロ ポ ロ ン 含 量 が 調 べ ら れ て お り (Debell イ ス ギ()の Thuja plicata et al. , 1997) , et al. , 1996) . J. et al. 1994) . ギ リ シ ャ の 葉 部 の70%エ Thuja occidentalis ル ス 成 分 と し て,(163)が deoxypodophyllotoxin 73 あ る こ とが 示 さ れ た acetate 産 の ノuniρerus属 の4種 の 精 油 の 抗 菌 性 が 調 べ ら れ,抗 11(E) 含 ま れ る α一(180),β thujaplicinsの 活 性 酸 素 種 捕 捉 能 が 調 べ ら れ て い る (Arima び β 一thujaplicin(177) つ い て報 告 され て い 一(177)及 び γ 一(178) et al. , 1997) . 森 林 香 気 に 対 す る 梨 状 皮 質 ニ ュ ー ロ ン の 応 答 に つ い て 調 べ ら れ て い る (Kimoto, 1997) . マ ン ソ ン住 血 吸 虫 セ ル カ リ ア(寄 生 虫)に 対 す る β 一thujaplicin(177)の1易 a1.,1997).UV-Bに よ る マ ウ ス ケ ラ チ ノ サ イ トへ の ア ポ トー シ ス 誘 導 に 及 ぼ す β 一thu- japlicin(177)の 害 作 用 が 調 べ ら れ て い る(Nargise亡 阻 害 効 果 に つ い て 検 討 さ れ て い る (Baba et al. , 1998) . 精 油 を 含 む カ ー ペ ッ ト ク リ ー ナ ー の 官 能 評 価 並 び に ダ ニ へ の 効 果 が 調 べ ら れ て い る (Yamamoto Biotaorien亡alisの 葉 部 か ら,血 小 板 活 性 化 因 子(PAF)ア が 単 離 さ れ て い る (Kim et al. , 1999) . Cupressocyparis す る ビ フ ラ ボ ン で あ るcupressuflavone(182)及 れ て い る (KrauzeBaranowska 2.4.そ の ン タ ゴ ニ ス ト と し てpinusolide(181) leylandii の 葉 部 よ り,抗 菌 活 性 を 有 び4'一(}一'methylcupressuflavone(183)が 単離 さ et al. , 1999) . 他 酵 母 抽 出 物 を エ リ シ タ ー と し て 用 い て,Cupressuslusitanicaの japlicin(177)の et al. , 1998) . 生 産 (Inada 1997, Sakai et al., et al., 1993) , (Sakai et al., 培 養 細 胞 に よ る β一thu- 1994) , 生 合 成 (Yamaguchi 1997) 及 び 同 培 養 系 抽 出 物 の 生 理 活 性(チ ロ シ ナ ー ゼ 阻 害,抗 et al., 酸 化 性) 72清 水 (Yamaguchi 邦義 ら et al. , 1999) につ い て 検 討 され て い る.ヒ ノ キ ア ス ナ ロ (Thujopsis dolabrata) の 培 養 細 胞 に よる j3 thujaplicin (177) の 生 産 が 検 討 され て い る (Fujii et al. , 1995) . J. chinen sisの培 養 細 胞 に よ るpodophyllotoxin (184) の 生 産 が 検 討 され て い る (Muranaka et al. , 1998) . Cupressus bakeri に 含 有 さ れ る五 つ(17-20,185)及 muurolane (186)及 びnor-muurolane(187)セ び norsecomuurolane ス キ テ ル ペ ンが 合 成 され,そ れ らの 化 学 反 応 性 等 が 検 討 され て い る (Ngo and Brown, 2000) . Chamaecyparis obtusa 幼 苗 か ら放 散 され る テ ル ペ ン類 の 化 学 組 成 の エ チ レ ンに よる 変 化 を調 べ る こ とに よ り樹 木 間相 互 作 用 に つ い て 検 討 され て い る (Katoh et al. , 1993) . 樹 木 か らの テ ル ペ ン放 出 の 季 節 変 動 や,温 度,光 及 び接 触 の 及 ぼ す 影 響 につ い て 検 討 され て い る (Yatagai が 、 針 葉 樹 材 の 揮 発 成 分 (Terauchi et al. , 1994) , Thujopsis et al. , 1995) . 超 臨 界 二 酸 化 炭 素 を用 い る 抽 出 et al. , 1993) , Thuja plicata か らの トロ ポ ロ ン類 (Ohira dolabrata 材 か らの 9 thujaplicin (177) et al. , 1996) 及 び, (Ohira Chamaecyparis nootkatensis, J. communis (Acda et al. , 1998) , 等 につ い て検 討 され て い る. ノ.oxycedrusか ら以 前 単 離 され た ア ル コー ル (15hydroxy9-epi 15hydroxy occidentalis 3 -caryophyllene) の構 造 が /3 caryophyllene (188) で あ る と訂 正 され て い る (Hinkley の枝 部 の リグ ナ ン類 を単 離,同 の(189)及(190)へ pinoresinol 1994) . Thuja 定 す る と共 に, [9-112, 0C2H3] coniferyl alcohol の 取 り込 み 実 験 を行 い,生 合 成 経 路 につ い て 検 lariciresinol Kawai 討 され て い る().ベ et al.. Thuja plicata イス ギ()の et al. , 1999 pinoresinollariciresinol reduc taseに つ い て,そ れ らの エ ナ ン チ オ 選 択 的変 換 が検 討 さ れ て い る (Fujita et al. , 1999) . 3.ま と め 新 規 化 合 物 の 構 造 決 定 や 成 分 分 析 に 関 して は,新 種 の テ ル ペ ノ イ ドの 報 告 並 び に,ケ モ タキ ソ ノ ミー か らの 精 油 成 分 のGC-MSに よる 定 性,定 量 分 析 の 報 告 が 多 く,特 に,テ ル ペ ン類 の 構 造 の 多 様 性 に 注 目 した研 究 が 多 い.利 用 に 関 した もの で は,テ ル ペ ン類 の 含 量 が 高 い 針 葉 精 油 成 分 の 用 途 開 発 に 関 す る研 究 が 多 い.そ の 中 で,生 理 活 性 につ い て は,各 種 テ ル ペ ン類 の抗 菌,殺 虫,殺 ダ ニ 活性,心 理 作 用 へ の 影 響 等 が 報 告 され て い る.又,ト ロポ ロ ン類,特 に β一thujaplicin(177)の多 岐 に渡 る生 理 活 性(醤 歯 類 の 瑠 り抑 制,抗 菌,殺 虫, 殺 ダ ニ,抗 寄 生 虫,メ タ ロ プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害,チ 捕 捉 能,UV-Bに よ る ア ポ トー シ ス 誘 導 阻 害 等)は ロ シ ナ ー ゼ 阻 害,抗 酸 化 性,活 性 酸 素 種 特 記 す べ きで あ る.ま 等 揮 発 成 分 を多 く含 む ヒ ノキ 科樹 木 抽 出 成 分 の 場 合,不 た,テ ル ペ ン類 揮 発 性 成 分 を多 く含 む他 の植 物 抽 出 成 分 と比 較 して 人 体 へ の影 響 が 大 きい こ とが 予 想 され る.そ れ ゆ え,今 後,ヒ ノキ 科 樹 木 抽 出 成 分 の 薬 理 作 用 や 人体 に対 す る影 響 を科 学 的 に証 明 す る研 究 は益 々 重 要 とな る で あ ろ う.さ らに,分 析 技 術 の発 達 に よ り,抽 出 成 分 に含 有 され る成 分,特 まで,化 学 構 造 が 決 定 され つ つ あ る現 在 で は,そ に微 量 成 分 に至 る れ らの 生 理 活 性 と併 せ て,構 造 一活 性 相 関 デ ー タ の 蓄 積 と と もに,抽 出 成 分 の 用 途 に応 じた付 加 価 値 の 高 い新 規 利 用 法 の 開 発 が 期 待 され る.特 に,日 本 で最 も優 良 な 用材 の 一 つ と して,人 工 林 の大 部 分 を 占 め る ヒ ノ キ に つ い て そ の抽 出 物 の 付 加 価 値 を高 め る利 用 法 の 開 発 を期 待 した い. ヒノキ科樹 木の抽 出成分 と生理活性73 引 用 文 献 ACDA, M., MORRELL,J. J., SILVA, A., LEVIEN,K. L. and KARCHESY,J. (1998) : Using supercritical carbon dioxide for extraction of western juniper and Alaskacedar. Holzforschung 52 : 472-474 ADAMS,R. P., THAPPA, R. K, AGARWAL,S. G., KAPAHI,B. K. and SARIN,Y. K. (1992) : The volatile leaf oils of Juniperus semiglobosa Regel from India compared with J. excelsa M . -Bieb . from Greece. J. Essent. Oil Res. 4 : 143-149 ADAMS, R. P., ZHANG,S. and CHU, G (1993a) : The volatile leaf oil of Juniperus convallium Rehd. and Wils. from Gansu, China. J. Essent. Oil Res. 5 : 571-573 ADAMS,R. P., ZHANG,S.-Z and ZHU, G.-1. (1993b) : The volatile leaf oil of Juniperus saltuaria Rehd. & Wils. from China. J. Essent. Oil Res. 5 : 675-677 ADAMS, R. P. (1994) : Geographic variation in the volatile terpenoids of Juniperus monosperma and J. osteosperma. Biochem. Syst. Ecol. 22 : 65-71 ADAMs, R.P., CHu, G-1., ZHANG,S-Z (1994a) : The volatile leaf oils of Juniperus przewalskii Kom. and for ma pendula (Cheng & L. K. Fu) R. P. 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MokuzaiGakkaishi39 : 1421 1430 TOPcU, G., ERENLER, R., cAKMAK,0., JOHANSSON, C. B., cEI.IK, C, CHAIH.-B. and PEZZUTO, J. M. (1999): Diterpenesfrom the berries of Juniperusexcelsa.Phytochemistry50 : 1195-1199 WEYERSTAHL, P., MARSCHALL, H. and COLLIN, G. (1996): Two new guaiadienederivativesisolatedfrom ThujaoccidentalisL. woodoil. LiebigsAnn. 1 : 99-101 80清 水 邦義 ら YAMAGUCII,T., ITOSE, R., SAKAI, K. (1997) : Biosynthesis of heartwood tropolones I. Incorporation of mevalonate and acetate into ,9 thujaplicin (hinokitiol) of Cupressus lusitanica cell cultures. J. Fac. Agric. Kyushu Univ . 42 : 131-138 YAMAGtUCHI, T., FUJITA, K. and SAKAI,K. (1999) : Biologicalactivity of extracts from Cupressus lusitanica cell culture. J. Wood . Sci. 45 : 170-173 YAMAMOTO, H., ASANO,N., SAWANO,C., SONE, T., GASHA,T. and ONO, Y. (1997) : Diterpenes isolated from the resin of the resinous stem canker of Japanese cypress, Chamaecyparis obtusa. 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The essential oils and extractives from Cupressaceae trees have a vari ety of bioactivities, e. g. antimicrobial, insecticidal, miticidal activities, the relaxant effects against a psychological stress , etc . It is worthy of special mention that 13-thujaplicin (hinokitiol ) has been reported as having a variety of bioactivities, e.g . antignawing , antimicrobial, insectici dal, miticidal, parasiticidal, antimetalloprotease, antityrosinase, antioxidative activities, and scavenging activity against active oxygen, and inhibitory effect on UVBinduced apotosis. With the development of many sophisticated spectral instruments and chromatographic techniques, isolation and structural elucidation of bioactive compounds in the extracts have become quite facil itation, subsequently to the accumulation of the knowledge of structurebioactivity relationships. Thus, as research facilities are great improved, on the basis of bioactivity and the chemical struc ture of constituents in the extract , the exploitation of high valued utilization of the Cupressaceae trees, especially Chamaecyparis obtusa known as one of the most important timber in Japan, should be expected . Key words: Cupressaceae, extractives, new compound, composition, analysis, bioactivity 82清 水 1 2 邦義 ら 3 4 7 5 : R'=H, R2=0Me 8 : (7Z), R=H 9 : (TE), R=H 6 : R'=R2=0H 10 13 17 12 _11 14 18 • 15 19 16 20 ヒノキ科樹 木の抽 出成分 と生理活性83 21 22 23 24 25 26 27 28 29 34 37 30(E) 31(Z) 35 32(E) 33(Z) 36: R=O 38: R=13-OH,a-H 39 40 84清 水 邦義 ら 44 42 (trans) 43 (cis) 41 46 47 50: R=CH2OAc 51: R=CHO 52: X=H, Y=OH 53: X, Y=0 R1 R2 R3 57: OCHO CH3 H 58: CH3 OOH H 59: OOH CH3 60: CH3 OH =0 61: OH CH3 =0 62: OOH CH3 =0 63: OOH CH3 48 49 54 55: Y=H 56: Y=OH R, H H H OH 45 H 64 H ヒノキ科樹 木の抽 出成分 と生理活性85 66 65 69 73 68 67 72 71 70 74 75 77 76 78 79 86清 水 80 邦義 ら 81 82 83: R1=COOH, R2=CH2OH 84: R1=COOH, R2=CH2OAc 85: R1=COOH, R2=CH2OC(0)(CH2)16CH3 86 87 91: R=O 92: R=a-OAc, 13-H 88: R=P-OH, a-H 89: R=H 90: R=Me 93 94 95 96 R1=OH, R2=CH3 97 R1=CH3, R2=OH ヒノキ科樹木の抽出成分 と生理活性87 100 99 98 101 102 104 103 107 105: R:H 106: R: OH 112: R=H 113: R=OMe 111 109: R=H 110: R=GIc 114 108 115 116: RI=H. 118: RI=OH, R2=COONIe R2=COOH 88清 水 邦義 ら 119 117 120: R2-0H, R3=CH3 121: R2=CH3, R3-0H 123 122: R2, R3=O 124: R2 OH, R3=H 125: R2=H, R3=OH 126 129 134, 135, 136, 137 : R2=H 138, 139, 140, 141 : R2=OAc 130 133: R2=OAc, R3=Ac 142: R2=OAc, R3=H 131 + 132 143: R,=OAc ヒノキ科樹木 の抽 出成分 と生理活性89 145 144 146 148 147 149 151 160: R=Ac 161: R=H 153 152 157 150 154: R=CH3 155 : R=CH2OH 156 : R=CHO 159 158 162 163 164 90清 水 165 邦義 ら 166 167 168 172 R=H 173 R=Ac 171 170 169 175 176 177 174 180 181 178 182: R=H 183: R=Me 179 ヒノキ科樹 木の抽 出成分 と生理活性91 185 186 187 184 188 189 190