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ハンドブック - 広島県社会福祉協議会
~福祉関係者との連携のための~ は け し か 」 「 ハンドブック 社会福祉法人 広島県社会福祉協議会 あんしんサポートセンターかけはし 〔平成 24 年 4 月〕 ◆ 目 次 ◆ Ⅰ 福祉サービス利用援助事業 かけはしの概要 ◆福祉サービス利用援助事業 かけはしってどんな事業?・・・・・・1 ◆どんな人が利用できるの?(利用対象者)・・・・・・・・・・・1 ◆ ∼ミニコラム∼福祉サービス利用援助事業 かけはしって何? ・・・1 ◆どんなサービスがあるの?(支援内容)・・・・・・・・・・・・2 ◆福祉サービス利用援助事業 かけはし契約のながれ・・・・・・・・3 ◆サービス利用に費用はかかるの?(利用料)・・・・・・・・・・4 ◆どんな人がお手伝い(支援)してくれるの?・・・・・・・・・・4 ◆福祉サービス利用援助事業 かけはし関係図・・・・・・・・・・・5 Ⅱ 福祉サービス利用援助事業 かけはしQ&A ◆福祉サービス利用援助事業 かけはしの利用に関すること・・・・・6 ◆成年後見制度に関すること・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 ◆他関係者・関係機関との連携に関すること・・・・・・・・・・・10 Ⅲ 成年後見制度について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 Ⅳ 福祉サービス利用援助事業 かけはしと成年後見制度・・・・・・・・・13 Ⅴ 相談窓口一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 は じ め に 福祉サービス利用援助事業 かけはしにおける県内の利用者数は年々増加し,複雑な事例も増え ており,関係者との密接な連携が欠かせません。 このハンドブックは,平成17年に福祉関係者の皆様に福祉サービス利用援助事業 かけはしの理 解とより効果的な活用をしていただくために作成したもので,福祉サービス利用援助事業 かけは しの概要,利用の方法,よくある質問についてのQ&Aで構成しています。 平成24年4月には、「あんしんサポートセンターかけはし」を開設しました。今後は福祉サー ビス利用援助事業 かけはしから成年後見制度まで、一体的な支援体制を全県域で、取り組んでい きます。 判断能力が低下しつつある人が自立した生活が送れるよう地域で支えていくために,このハン ドブックが福祉関係者の皆様の相談活動の一助となれば幸いです。 平成24年4月 社会福祉法人 広島県社会福祉協議会 あんしんサポートセンターかけはし 福祉サービス利用援助事業 かけはしってどんな事業? 福祉サービスを利用したいけれど,手続きの仕方がわからない。銀行に行ってお金 をおろしたいけれど,自信がないので誰かに相談したい。商品勧誘の人が来たけれ ど,どう対応していいか分からない。 毎日の暮らしの中にはいろいろな不安や疑問,判断に迷ってしまうことがたくさん あります。福祉サービス利用援助事業 かけはしは,このような場合に,福祉サービス の利用手続きや,金銭管理のお手伝いをして,いきいきと安心して暮らせるようサポー トします。 どんな人が利用できるの? (利用対象者) 自分ひとりで契約などの判断をすることが不安な人や,お金の管理に困っている人 などが利用できます。 例えば,認知症高齢者,知的障害者,精神障害者などで判断能力が不十分な人が対 象になります。療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を持っていたり,認知症の診断を 受けている人に限られるものではありません。 ホームヘルプサービスや配食サービスといった福祉サービスの利用,その他日常生 活上のさまざまな契約をするときに,自分ひとりで判断するには不安がある,預貯金 の出し入れや日常生活に必要な公共料金などの支払い方がわからないといったことで 困っている人はぜひご相談ください。 ȅDZǙȐȇ なぜ「かけはし」という愛称がついたの? 1 どんなサービスがあるの? (支援内容) 福祉サービスの利用申込み,契約手続き,日常的なお金の出し入れ,預金通帳の預か りなどのお手伝いをします。 主なサービスの内容 福祉サービスの利用支援 福祉サービスを安心して利用できるようにお手伝いします。 ・さまざまな福祉サービスの利用に関する情報の提供,相談 ・福祉サービスの利用における申込み,契約の代行,代理 ・入所・入院している施設や病院のサービスや利用に関する相談 ・福祉サービスに関する苦情解決制度の利用手続きの支援 ・成年後見制度に関する相談や利用支援[→P.9] 日常的金銭管理の支援 毎日の暮らしに欠かせない,お金の出し入れをお手伝いします。 ・福祉サービスの利用料の支払い代行 ・病院への医療費の支払い手続き ・年金や福祉手当の受領に必要な手続き ・税金や社会保険料,電気,ガス,水道等の公共料金の支払い手続き ・日用品購入の代金支払い手続き ・預貯金の出し入れ,また預金の解約の手続き 書類等のお預かり 大切な通帳や証書などを安全な場所で預かります。 ・希望される通帳や印鑑,証書などの書類を預かります。 ※保管できるもの(書類等) 年金証書,預貯金通帳,証書(保険証書,不動産権利証書,契約書など) 実印,銀行印,その他実施主体が適当と認めた書類等(カードを含む) ※宝石,書画,骨董品,貴金属類などは預かることができません。 2 福祉サービス利用援助事業 かけはし契約のながれ 相談の 受付 1 まず,お近くの社会福祉協議会にご連絡ください。 本人以外でも,家族など身近な人,行政の窓口,地域包括支援センター,民生委員児童 委員,介護支援専門員や介護サービス事業者などを通じての問合わせにも対応します。 社会福祉協議会は県内すべての市町に設置されています。お近くの社会福祉 協議会にご連絡ください。 相談・ 打ち合わせ 2 担当者がお伺いします。 専門的な知識をもった担当者(専門員)が自宅や施設,病院などを訪問し,相談 にのります。相談にあたっては,プライバシーに配慮し,秘密は必ず守ります。気 軽にご相談ください。 お困りのことをうかがい,相談にのります。福祉サービス利用援助事業 かけはしについての説明を行い,利用希望を確認します。 契約書・ 支援計画の 作成 3 困りごとを一緒に考え,支援計画を作ります。 困りごとや希望をお聞きして,どのようなお手伝いをどれくらいの頻度で行うか などを本人と一緒に考えます。その後,契約内容,支援計画を提案します。 利用希望者に契約締結能力があるか確認し,契約内容や支援計画を本人と一 緒に作っていきます。 契約 4 利用契約を結び,サービスが開始されます。 契約内容に間違いがなければ,利用者と社会福祉協議会とが利用契約を結びま サービスの 開始 す。契約のあと,支援計画にそって,生活支援員がサービスを提供します。 生活支援員は,毎回の支援の状況や利用者の様子などについて専門員に報告 します。 ●契約後の支援について ・支援計画が適切なものであるか,定期的に見直しをします。 ・必要のつど,支援計画の変更や,預かり物の追加・返還をします。 ・相談したいことがあるときは,必要のつど,専門員または生活支援員が利用者を訪問します。 ●判断能力がさらに低下してきたら…… ・本人,親族,関係機関などと協議し,成年後見制度の利用などにつなげていきます。 ●契約の終了について ・利用者の意思にもとづいて,いつでも契約を解約することができます。 ・住居の移転や長期入院で支援を続けることが難しくなった場合,契約を終了することがあります。 ・利用者が死亡した場合,契約は終了となり,預かり物はあらかじめ定めておいた「預かり物 受取人」または相続人に返還します。 3 サービス利用に費用はかかるの? (利用料) 相談は無料,サービスは有料です。 相談や支援契約の作成にかかる費用は無料です。福祉サービス利用手続き,金銭管理 などのサービスを利用する際は次の料金がかかります。 福祉サービス等の利用手続きや,日常的な金銭管理等のお手伝い 1,500円/回 (2時間程度) 通帳や印鑑,証書等の預かりサービス 1,500円/月 ※生活保護受給者については, 「通帳や印鑑,証書等の預かりサービス」 の利用料のみ負 担となります。 (広島市はすべて無料です) ※このほか,サービス提供のために生じる実費(交通費等)については,利用者の負担と なります。 どんな人がお手伝い (支援) してくれるの? 専門的な知識をもった専門員と生活支援員が支援します。 [専 門 員] 困りごとや悩みごとについて相談を受けます。本人の希望をもとに適 切な支援計画をつくり,契約までサポートします。サービスの利用を始 めてからも,支援計画を変えたい場合や心配な点があればいつでも相談 にうかがいます。 [生活支援員] 契約内容にそって定期的に訪問し,福祉サービスの利用手続きや預金 の出し入れをサポートします。 本事業のサービス提供者は・・・ このサービスは,社会福祉協議会が実施しています。 社会福祉協議会とは地域住民や福祉・保健の関係者,行政機関など公私の社会福祉関 係者によって構成され,広島県内すべての市区町に設置されています。全国の市区町村 にネットワークを持ち,地域福祉を推進する公共性の高い民間の団体です。 安心してご利用いただくために このサービスの実施にあたっては,利用者と社会福祉協議会の契約内容を審査するた めの「契約締結審査部会」,サービス提供の適正さを監督するための「運営適正化委員 会(運営監視合議体)」を設置しています。 これらの組織は,法律,福祉,医療の専門家と当事者団体などで構成し,契約の適正 さを審査したり,利用者からの苦情を受付けるなど,適正な事業運営の確保に努めています。 4 福祉サービス利用援助事業 かけはし関係図 民生委員 児童委員 地域包括 支援センター 介護支援 専門員 連 携 家族 ・ 親族 近隣住民 ・ ボランティア 施設 ・ 病院 支援 本 人 指示 生活支援員 行 政 市町社会福祉協議会 専門員 助言 指導 監督 相談 報告 運営適正化 委員会 (運営監視合議体) 広 広島県社会福祉協議会 会 あんしんサポートセンターかけはし あ し ※ の三者契約 5 契約締結 審査部会 ຳ६Ǜ½ǹǟဦֿॿݸžƄƢƊ 福祉サービス利用 援助事業 かけはし の利用に関すること 専門員や生活支援員ってどんな人たちがなっているの? (→P.4「どんな人がお手伝い(支援)してくれるの?」) 専門員,生活支援員は社会福祉協議会の職員です。 専門員は,福祉の専門的な知識をもった担当者です。 生活支援員は社会福祉協議会が委嘱します。登録しているのは,福祉に理解と 熱意を有し,生活支援員になることを希望した人などです。特に資格を必要とし ていません。 担当ケースを依頼された生活支援員は社会福祉協議会と雇用契約を結び,活動 に入ります。 生活支援員に来てもらっている回数を変更できるの? 契約締結時には,訪問回数やお手伝いの内容を記した「支援計画」を作りま す。支援計画は利用者の困りごとの内容や金銭管理ができる期間などを勘案して 専門員が作成します。生活支援員の派遣は有料であるため,通常は必要最低限の 訪問回数を設定します。 しかし,利用者の希望があれば支援計画を変更し,生活支援員が訪問する回数 等を変更することができます。支援計画の変更については,専門員への相談が必 要です。生活支援員の定期的な訪問の時や,専門員が利用者を訪問した時など, また,お急ぎの場合は社会福祉協議会に直接連絡して相談してください。 民生委員児童委員やホームヘルパーは生活支援員になれないの? 広島県では,やむを得ない理由があればなることができます。 この場合,本来業務と生活支援員の役割が重複または相反することがあります が,生活支援員として訪問する場合は,生活支援員の役割に徹していただくこと をお願いしています。 6 施設に入所している人は利用できないの? 利用できます。在宅はもちろんのこと,施設に入所している人も,病院に入院 している人も利用できます。契約時に在宅だったけれど契約途中で病院に入院し た場合や,その反対に契約時に病院に入院していたけれど契約途中に在宅になっ た場合,どちらの場合も利用できます。 契約締結能力はどのように判断するの? 福祉サービス利用援助事業 かけはしは,本人と契約を結んで利用する事業で す。契約内容が理解できないほど判断能力が低下している場合は利用することが できません。判断能力は専門員が「契約締結判定ガイドライン」で判断します。 判断が難しい場合は,広島県社会福祉協議会の中に設置されている「契約締結審 査部会」(→Q6)で諮ることになります。 「契約締結審査部会」って何?(→P.4「安心してご利用いただくために」) 「契約締結審査部会」は,利用される本人が,事業内容を理解できているかど うか (契約する能力があるかどうか) や,支援の内容の適切さについて審査します。 身体障害者などで判断能力が十分な人でも利用できるの? 本事業は判断能力が不十分な人が対象になります。認知症高齢者,知的障害者,精神 障害者以外でも,身近に支援者がなく,日常生活に必要な情報を得ることが困難で,福 祉サービスの利用手続きなどにおいて判断を迷ってしまう場合は「契約締結審査部会」 に諮り,契約を結ぶことがあります。 利用いただけない場合についても,他の有効な手段が活用できるように一緒に考 えます。 字を書くことが難しく,契約書にサインできない場合は利用できないの? 利用できます。契約書は本人と確かに契約を行ったことを証明するものですので,原 則は本人に署名をお願いしています。しかし,どうしても難しい場合は,本人の意思を きちんと確認したうえで,親族や民生委員児童委員等第三者に代筆をお願いしています。 7 本人の意思を充分に確認できなくなった場合はどうなるの? 福祉サービス利用援助事業 かけはしはあくまで本人の意思に基づいて生活を支援 するサービスです。ただし,利用者の意思が確認できないために,新たな支援計画を 作成することができない場合は,契約締結審査部会に諮り,社会福祉協議会から解 約させていただく場合があります。その時は,次の適切なサービスにつなげることが できるよう努め,本人に不利益がないようにします。 また,成年後見制度を利用された場合は,後見人等と社会福祉協議会が契約を して日常生活のお手伝いを続けることができます。(→Q13,15) 生活保護受給者も福祉サービス利用援助事業 かけはしが使えるの? 生活保護受給者への福祉サービス利用援助事業 かけはしの支援は他の利用者への 支援と同じように行ないます。ただし,生活保護ケースワーカーが行なうべき「生活 指導」については,福祉サービス利用援助事業 かけはしのサービスには入りませ ん。それぞれの仕事の領域で役割分担をしながら,利用者をサポートしていきます。 この事業の法的な位置づけは何? 福祉サービス利用援助事業 かけはしは,社会福祉法上第2種社会福祉事業の「福 祉サービス利用援助事業」として位置づけられています。 (社会福祉法第2条第3項第12号) 他の制度やサービスとどのようなつながりがあるの? 例えば高齢者の場合,介護保険のサービスを受けられるようにお手伝いしたり,す でに受けておられるサービスを引き続き受けられるようにお手伝いをします。 具体的には・・・・ ・要介護認定に関する申請手続きのお手伝い ・要介護認定に関する調査に立ち会い,調査員に本人の状況を伝えるお手伝い ・事業者との契約の時のお手伝い(立ち会い・書類作成の支援) ・サービス利用料の支払いのお手伝いなど。 8 成年後見制度に 関すること 成年後見制度って何? 判断能力の不十分な高齢者や知的障害者,精神障害者などがいろいろな手続き や契約を行う時に,不利な契約を結ばないように支援し,本人の人間としての尊 厳や財産を守ることを目的とした制度です。 成年後見制度には,判断能力が衰えてから裁判所に後見人等の選任を申立てる 「法定後見制度」と,本人の判断能力が不十分になった場合に備えて後見候補者 を選定しておく「任意後見制度」の二つがあります。 福祉サービス利用援助事業 かけはしと成年後見制度との違いは? 福祉サービス利用援助事業 かけはしには,成年後見制度の「同意権」や「取消 権」に相当する機能がありません。したがって,成年後見制度のように,対象者が 行った契約を取り消したり,無効にしたりすることはできません。(クーリングオ フ等の救済制度の利用の支援は可能です) 福祉サービス利用援助事業 かけはしで利用者の通帳・印鑑を預かり,日常的な 金銭管理を行うことである程度トラブルを未然に防止することはできますが,頻繁 に契約取消を行う必要がある場合は,成年後見制度利用の検討をお勧めします。 成年後見制度を利用している人は福祉サービス利用援助事業 かけはしが 利用できないの? 福祉サービス利用援助事業 かけはしは,本人と社会福祉協議会の契約によるも のなので,判断能力が不十分といっても,契約内容が理解できることが前提で す。本人が判断能力を欠き契約締結できない場合でも,成年後見人等(任意後見 人,成年後見人,保佐人,補助人)との間で契約を行うことにより本事業を利用 することができます。 また福祉サービス利用援助事業 かけはし利用開始後,判断能力が低下し,成年 後見制度の利用が適当と判断される場合,専門員から親族や福祉関係者に成年後 見制度の利用を提案させていただくことがあります。専門員が相談にのるほか, 他団体への紹介を行うなど,利用者にとってよい方法を一緒に考えます。 9 他関係者・関係機関と の連携に関すること 民生委員児童委員,ホームヘルパーとの連携は? これまで,民生委員児童委員やホームヘルパーの善意で日常的な金銭管理の援 助をされてきた場合がありましたが,法的根拠がないため,金銭上のトラブルが 起きやすいなどの問題がありました。 このような状況の中,民生委員児童委員,ホームヘルパーが対応に苦慮してきた 金銭管理について法的根拠をもって対応することができる本事業がはじまりました。 日常的な金銭管理については福祉サービス利用援助事業 かけはしを活用するこ とで,民生委員児童委員,ホームヘルパーが安心して本来の活動を行えるように なると考えられます。 また,相談や情報提供については,民生委員児童委員の本来業務と重複する部 分がありますが,並行して行っていくことで,より手厚く,きめ細かい援助や見 守りの体制を整えていくことができます。 ケアマネジャー(介護支援専門員)との連携は? ケアマネジャーは,本人の意思を確認しながら自立した日常生活が営まれるよ う介護保険で給付対象となるサービスに加え,ボランティア活動や地域における 見守り活動など民間の活動も含めた居宅サービス計画(ケアプラン)の作成や, 介護保険施設への入所の調整・照会を行います。 一方,福祉サービス利用援助事業 かけはしの専門員は,利用者の意思を確認し ながら福祉サービスの利用援助や日常的金銭管理サービスなど,本事業の範囲内 で援助方法を含めた支援計画を作成します。 ケアマネジャーがケアプランを作成する際,判断能力が低下しはじめ,本人の 意思の確認が困難と思われるケースについては,福祉サービス利用援助事業 かけ はしの利用をご検討いただき,本人の意思が十分尊重されるように配慮すること ができます。逆に,福祉サービス利用援助事業 かけはしの契約締結後,介護保険 等のサービスや要介護認定の申請手続きなどのニーズが生じた場合には,居宅介 護支援事業者やケアマネジャーと連携をとって支援していくことになります。 このように,ケアマネジャーと専門員の役割には重複する部分がみられますが, お互いが十分な連携を図ることにより,利用者の立場に立った支援が可能になります。 10 行政の生活保護ケースワーカーとの連携は? 行政生活保護ケースワーカーからの利用相談により,契約に結びつくケースは 高い割合を占めています。生活保護受給者の中には,1か月分の保護費が手に入る とすぐに使い果たしてしまう人もいるため,福祉サービス利用援助事業 かけはし を活用して計画的な金銭管理をするというケースが多いようです。 金銭管理も含めた受給者の生活指導がケースワーカー本来の業務であるため, 生活保護ケースワーカーの業務と重複する部分がありますが,行政,福祉サービ ス利用援助事業 かけはしそれぞれの立場から利用者を考えていくことで,より手 厚く,きめ細かい援助や見守りの体制を整え,自立に向けての支援を行うことが できます。 地域包括支援センターとの連携は? 平成18年4月から各市町に「地域包括支援センター」が設置されました。「地 域包括支援センター」では,改正された介護保険法により予防給付事業等を行う ほか,虐待防止等の高齢者の権利擁護を行う役割もあります。「地域包括支援セ ンター」と福祉サービス利用援助事業 かけはしは利用者のよりよい支援のために 連携・協力の体制をつくっています。 福祉サービス利用援助事業 かけはしの実施体制について 本事業の実施主体は都道府県・指定都市社会福祉協議会です。広島県では広島 県社会福祉協議会と広島市社会福祉協議会になります。(このハンドブックで は,政令指定都市の広島市を除いた説明になっています) 広島県内(広島市を除く)では,平成21年4月から,本事業はこれまでの圏域 の基幹的社会福祉協議会(9か所)から,すべての市町社会福祉協議会で実施す ることになり,担当者である専門員が配置されています。専門員は,家族や関係 者からの相談への対応や契約の締結,利用者への支援,生活支援員の確保・フォ ロー,本事業の周知などの役割を担っています。 11 成年後見制度について 判断能力が十分でない人に対しては,民法及び任意後見契約に関する法律による成年後見制度があ ります。この成年後見制度は,家庭裁判所が選任した成年後見人等または任意後見契約に基づく任意 後見人が本人のために身上監護や財産管理について,必要な法的支援を行うものです。 成年後見制度による後見人等を選任し,成年後見人等と社会福祉協議会の契約により福祉サービス 利用援助事業 かけはしを利用していただくことも可能です。 法定後見 任意後見 十分な判断能力があるうちに, 将来, 判断能力が低 下したときに備えて, あらかじめ自らが選んだ代理人 (任意後見受任者)に療養看護や財産管理に関する 事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を 結んでおく制度です。 判断能力が不十分な状況にある場合に, 財産管理 や施設への入所などの身上に関する事柄について法 的な支援を行う人を家庭裁判所で決めてもらう制度 です。 判断能力の程度に応じて, 「補助」 「保佐」 「後見」の 3つの類型に分けられます。家庭裁判所は, 3つの類 型に応じて, 「補助人」 「保佐人」 「成年後見人」を選任 します。 ◎利用するには… 本人と任意後見人になることを引き受けた人 (任意後見受任者)の間で, 公証役場で公証人が 作成する公正証書による「任意後見契約」を結んで おきます。 本人の判断能力が低下したときに, 本人, 任意後 見受任者, 四親等内の親族等が家庭裁判所に任意 後見監督人選任の申立てをします。任意後見監督 人が選任されて, 初めて任意後見契約の効力が生 じます。 ◎利用するには… 本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立て ます。申立ては, 本人の他に配偶者や四親等内の親 族ができます。 その他に市町長が申立てることもで きます。 ◎成年後見人等ができること ①生活に関すること (身上監護) ◎任意後見人ができること 例:入 院, 施設入所や福祉サービスに関する契約や費 任意後見人は, 任意後見契約で定められた代理 (※同意権・取消権は与えられません) 権のみが与えられます。 用の支払い ②財産に関すること (財産管理) 例:預貯金等の管理, 金融機関との取引 任意後見制度のしくみ 成年後見人等には, それぞれの類型に応じて, 代 理権(本人に代わって法律行為を行う権限), 同意 権・取消権(成年後見人等の同意なしで行った本人 の法律行為を取り消す権限)が与えられます。 任意後見契約 判断能力があるときに契約 本人 任意後見受任者 法定後見のしくみ 本人の判断能力が低下したら… 申立て 選任・監督 申立て 家庭裁判所 申立人 本人,配偶者, ⎛ ⎞ 四親等内の親 ⎛本人,四親等内の親族⎞ ⎝任意後見受任者等 ⎠ 必要に応 支援・ 保護 報酬 成年後見 監督人等 申立人 裁判所に申立て ⎝ ⎠じて選任 族等 支援・保護 報酬 報酬 報酬 本人 選任 家庭裁判所 任意後見人 成年後見人等 監督 本人 監督 12 任意後見 監督人 福祉サービス利用援助事業 かけはしと成年後見制度 困りごと 困りごと 困りごと ・福 祉サービスを受けたいけ れど手続きがわからない ・銀 行に行ってお金を下ろし たいけれど,手続きが不安 ・家を売りたい,土地を処分 したい ・遺産分割をしたい ・施設入所契約がわからない ・将来,判断能力が低下した とき,不動産の管理が不安 ・認 知症が進行したら,自分 は福祉サービスの利用契約 が結べないかもしれない 成年後見制度 福祉サービス利用援助事業 かけはし 不十分 契約や預貯金の管理 (法定後見制度) 人との契約に 本 よる利用 ○申立時に本人が選択 した特定の法律行為 の代理権や同意権・ 取消権によって支援 します。 ○特 定 の 事 項 ( ※ 1) に掲げられている行 為については,保佐 人に同意権・取消権 が与えられます。 補 助 に不安があり,本人の 利益のためには他の人 に援助してもらうほう がいい状態 (任意後見制度) 判断能力があるうちに, 任意後見受任者とあらかじ め任意後見契約を結んでお きます。 本人の判断能力が低下 した場合,家庭裁判所で本 人の任意後見監督人が選 任されて,初めて任意後見 判 断 能 力 の 状 況 契約の効力が生じます。 著しく不十分 ○利 用 者 の 判 断 能 力が 低下し,意思確認が困 難 に なってきた 場 合, 成年後見制度の利用な どにつなげます。 日常生活では何とか自 分で判断でき,簡単な 財産管理や契約は自分 ○申立時に本人が選択 した特定の法律行為 の代理権や同意権・ 取消権によって支援 します。 ○特 定 の 事 項 ( ※ 1) に掲げられている行 為については,保佐 人に同意権・取消権 が与えられます。 保 佐 でできるが,不動産の 売買や重要な契約は難 しい状態 成 年 後 見 人 等 と の契約による利用 判断能力に欠ける ○必要に応じて成年後見 人等と契約をかわしま す。 ○援助の範囲などについ て成年後見人等と役割 分担をし,連携をとりな がら支援します。 日常的な買い物も自分 でできない,日常的な 事 柄( 家 族 の 名 前 や 住所など)がわからな い等の状態 ○日常生活に関する行 為を除くすべての法 律 行 為 を本 人 に 代 わって行ったり,必要 に応じて取消します。 後 見 ※1 民法13条1項に掲げられている借金,訴訟行為,相続の承認や放棄,新築や増改築などの事項をいいます。ただし,日用品の購 入など日常生活に関する行為は除かれます。 ◎福祉サービス利用援助事業 かけはしと成年後見制度の支援範囲の比較 支援の内容 ○ 年金の受領に 必要な手続き ○ ○ 通帳や銀行印 の保管 ○ ○ 福祉サービス △ の利用契約 手続き支援のみ ○ 福祉サービス 利用援助事業 成年後見制度 かけはし 病院入院契約 × ○ 医療・住居の 確保 × ○ 施設の入退所 契約 × ○ 病院や施設で の生活の見守り × ○ ○…支援できる △…一部支援できる ×…支援できない 13 支援の内容 財産管理に関すること ○ 支援の内容 療養・看護に関すること 日常生活に関すること 日常生活の 金銭管理 福祉サービス 利用援助事業 成年後見制度 かけはし 福祉サービス 利用援助事業 成年後見制度 かけはし 不動産の処分 や管理 × ○ 遺産分割 × ○ 消費者被害の △ 手続き支援のみ 救済手続 ○ 相談窓口一覧 社会福祉協議会 社 協 名 広 電話番号 島 呉 FAX番号 社 協 名 市 (082)543-6325 (082)543-6326 安 市 (0823)25-0266 (0823)25-2806 江 芸 高 田 田 島 電話番号 FAX番号 市 (0826)45-2941 (0826)45-7012 市 (0823)40-2501 (0823)40-2502 竹 原 市 (0846)22-5131 (0846)23-0084 三 原 市 (0848)63-0570 (0848)63-0599 尾 道 市 (0848)22-8385 (0848)20-0120 福 山 市 (084)928-1334 (084)928-1331 府 中 市 (0847)47-1294 (0847)47-1055 三 次 市 (0824)63-8975 (0824)62-6827 庄 原 市 (0824)72-7120 (0824)75-0084 豊田郡 大崎上島町 (0846)62-1718 (0846)62-0816 大 竹 市 (0827)52-2211 (0827)53-8122 世羅郡 世 安芸郡 府 中 町 (082)285-7278 (082)287-3467 海 田 町 (082)820-0294 (082)820-0293 熊 野 町 (082)855-2855 (082)820-5082 町 (082)885-2611 (082)820-1057 坂 山県郡 安芸太田町 (0826)32-2226 (0826)32-2048 北 広 島 町 (0826)82-2680 (0826)82-2778 羅 町 (0847)22-3162 (0847)22-0752 東 広 島 市 (082)423-2800 (082)423-8525 神石郡 神石高原町 (0847)85-2330 (0847)89-3005 廿 日 市 市 (0829)20-1182 (0829)20-1616 広 島 県 (082)254-2300 (082)256-2228 関係機関 ◆広島家庭裁判所 名 称 電話番号 管轄区域 本 庁 (082) 228-0494 広島市, 廿日市市, 東広島市, 大竹市, 安芸高田市のうち八千代町, 山県郡, 安芸郡, 三原市のうち大和町 呉 支 部 (0823) 21-4992 呉市, 竹原市, 江田島市, 豊田郡 尾道支部 (0848) 22-5286 尾道市, 三原市 (大和町を除く), 世羅郡 (世羅西支所区域を除く) 福山支部 (084) 923-2806 福山市, 府中市, 三次市のうち甲奴町, 神石郡, 庄原市のうち総領町 三次支部 (0824) 63-5169 三次市 (甲奴町を除く) , 庄原市 (総領町を除く) , 安芸高田市 (八千代町を除く) , 世羅郡のうち世羅西支所区域 ◆公証役場 名 称 電話番号 FAX番号 広島合同 (082) 247-7277 (082) 247-7276 東 広 島 (082) 422-3733 (082) 422-3733 呉 (0823) 21-2938 (0823) 21-2938 竹 原 (0846) 22-9557 (0846) 22-9557 尾 道 (0848) 22-3712 (0848) 22-3727 福 山 (084) 925-1487 (084) 925-1489 三 次 (0824) 62-3381 (0824) 62-3381 ◆広島弁護士会/ 高齢者等財産管理センターあんしん <予約専用> 広 島 TEL (082) 225-1600 福 山 TEL (084) 973-5900 呉 TEL (0120) 969-214 東広島 TEL (082) 421-0021 備 北 TEL (0824) 64-1008 ◆広島司法書士会/ 社団法人成年後見センター・リーガルサポートひろしま TEL (082) 511-0230 ◆広島県社会福祉士会/ 権利擁護センターぱあとなあひろしま TEL (082) 254-3019 ◆NPO法人成年後見ひろしま 「かけはし基金」 平成19年度から,福祉サービス利用援助事業 かけはしの利用料負担が困難で契約に至らない 人への利用料助成や,成年後見制度に関する広 報・啓発,促進を行うための基金を創設してい ます。 ◆中国税理士会 ◆広島県行政書士会 14 TEL (0823) 84-7023 TEL (082) 246-0088 TEL (082) 249-2480