478 「住民訴訟平成14年改正4号請求被告変更の誤謬」

一己
2100号判例時報
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も及ぶものと解されている︵最判昭和妬・
権利関係のみならず、判決理由中の判断に
皿・”民集二四巻二号一五八三頁、本誌
六一三号五二頁︶。したがって、新四号請
求訴訟の認容判決が確定すれば、地方公共
員、会社等︶に対して損害賠償請求権等を
団体が、相手方︵首長個人、元首長、職
有していることについて参加的効力が及
ることを争えないとするのがこの改正の立
で、これの相手方は、自ら憤務を負ってい
び、地方公共団体が提起する第二次訴訟
そうではない︶に変更し、その原告住民勝
︵地方自治法二四二条の三︶において、首
はほとんど念頭になく、建前では、地方公
改正の主要な理由は、相手方企業等のこと
これは極めて特異な制度であるが、この
長が地方公共団体を代表し︵現職の首長を
共団体の説明責任を強化するという点にあ
住民訴訟平成一四年度改正の要点は、特
次の請求を行うこととなった。これまで一
とされた個人、会社・団体等に対する第二
むしろ、住民訴訟の実効性を求める住民側
論者の主張は外れ、説明責任は機能せず、
号。行訴法の定める義務付け訴訟は行政処
訴訟︵地方自治法二四二条の二第一項第四
払うように請求をせよとの一種の義務付け
等の者に対して、地方公共団体に対して支
して、これらの内部の個人や、外部の企業
くの場合は、首長というポスト︶を被告と
け、第一次訴訟においては、執行機関︵多
求等をしていたところ、これを二回に分
償請求や不当利得返還請求、原状回復の請
ずれをも被告として、一回の訴訟で損害賠
会社・団体・個人等を分けることなく、い
項︶。そして、参加的効力は、訴訟物たる
加したと同じ扱いである。民訴法五三条四
法二四二条の三第四項、参加しなくても参
参加的効力が及ぶとされている︵地方自治
共団体と、訴訟告知を受けた者に対して、
六条の例外に該当しない限り、当該地方公
長等被告が敗訴したときは、民事訴訟法四
治法二四二条の二第七項︶、被参加人Ⅱ首
して訴訟告知をしなければならず︵地方自
方︵首長個人や職員、企業・団体等︶に対
等執行機関は、義務付けられる請求の相手
そして、第一次訴訟の被告となった首長
四号請求訴訟における現職の首長等の責
実は、この改正は、首長等の責任を問う
を分けて考えなければならない。
部の企業に対して損害賠償を請求する訴訟
訟、さらに、カルテル等をしたとされる外
って貰えない過去の首長等の責任を問う訴
て貰える職員、外郭団体等︶と、現職に守
等の責任を問う訴訟︵さらには現職に守っ
ここで、四号請求訴訟の中で現職の首長
し、この改正の誤りが明らかになってい
方企業の権利保障の点でも、欠陥が露呈
る。
分の発給を求めるものであるが、ここでは
にとっても、参加的効力を及ぼされる相手
しかし、この制度の運用を見ると、改正
に四号請求訴訟においては、これまで、地
られたのである。
回の訴訟ですんだものが二回の訴訟に分け
った。
方公共団体に損害を与えた内部の個人︵首
し︶、不当利得を得たとか賠償義務を負う
被告とする場合には代表監査委員が代表
けられた地方公共団体が、次に第二次訴訟
訴確定判決によって請求することを義務付
IIⅢⅢIⅢⅢⅢIⅢⅢⅢIⅡⅢIIIIIIIIIIIIIIIⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ
案関係者の見解である。
隆
長個人、元首長個人、職員等︶や、外部の
一本稿の趣旨
四結び
七月一五日
皿解釈論その二、損益相殺
ｕ解釈論その三、東京高判平成二二年
判平成二一年一○月二八日
９解釈論その一、参加的効力、水戸地
被 告 変 更 の 誤謬
一本稿の趣旨
二現職首長等を被告とする訴訟構造の不
合理
１第一次訴訟運用の実情
２第二次訴訟の不備
３解決の方向
三第三者企業・元首長等に対する参加的
効力の不合理
１第三者企業や元首長は考慮外で検討
不足の立法
２被告現首長は、第三者企業や元首長
こと
のためには真面目に訴訟を追行しない
に
３文密提出命令は、かえって機能不全
４企業はこの制度に鴎されること
５参加的効力を第三者企業に及ぼすべ
き敗訴当事者の責任分担の実態がなく、
四号請求のシステムは、民事訴訟法の
基本システムから考えられないこと
６実体関係重視説による訴訟告知の効
力制限
７被告知者として補助参加できるだけ
で、実質的な被告として防御せよとい
うのは、憲法上の裁判を受ける権利の
保障に反すること
８立法的解決
阿部泰
住民訴訟平成一四年改正四号請求
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目次
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