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燃料の自着火温度を越える高温気流中における ガス
1 0 1号 :2 73 5, 1 9 9 5 燃焼研究 一 文 一 二富田- 一 一A冊 一 究 一 一 研 一 燃料の自着火温度を越える高温気流中における ガス噴流火炎の挙動 天 谷 賢 児1 新 井 雅 隆I での火炎特性を詳細に調べ た. 1 はじめに ガスタービンの熱効率をさらに改善するため 2 実験装置および方法 に作動ガス温度の高温化が進められている.特 に,セラミックガスタービンでは一次空気の予 熱温度が燃料の自着火温度をはるかに越える状 態,たとえば,燃焼器入口温度が l lOO.Cのも Flame のが計画されている ( 1 ) しかし,このような高 ¥ 温ふん囲気中に燃料が投入された場合の燃料と 空気の混合特性や燃焼特性については十分な知 H o ta i r 見が得られていないのが現状である .これまで に,気流温度の高温化に伴うすす生成への影響 が調べられているが ( 2 )府),これらの研究は気流 温度が燃料の自着火温度以下の場合である .ま た,高温の燃焼ガスを用いその中での噴霧燃焼 特性が調べられているが ( 4 ) 厳密に空気の温度 を高温にした気流中での実験とはいえず.純粋 な高温場における燃焼現象の解明という点にお いては慎重な評価が必要と考えられる.さらに, 電気炉を用いて空気を 1200K程度まで加熱し燃 P r o p a n eg a s 5 )は見られるも 料噴霧の着火特性を調べた研究 ( のの,ガス燃料を用いた火炎特性に関する研究 F i g u r e1 は知見しない.そこで本研究では,最も基本的 E x p e r i r n e n t a la p p a r a t u s. なガス定常噴流の拡散ならびに予混合火炎を対 実験装置の概略を図 lに 示 す 本 装 置 は 高 温 象に,燃料の自着火温度を上回 る高温空気流中 気流形成装置,燃料供給系および計測機器から I群馬大学工学部 なる.高温気流形成装置の山口はセ ラミックス 2 7 製の円筒(直径 6 8 . 4mm)で,シ リコニッ ト発熱 体によって加熱された高温気流が鉛直上方に噴 出する.気流の最高温度は気流の平均速度 Vaが 1m jsのときに 1200K である.今回の実験で は 日 =1m j sで一定に固定し.気流温度 T aを 常温から 1200K までの範囲で変化させた.燃 料としてはプロパンガスを用いた. ASTM法に よるプロパンの自着火温度は 777K であり,本 装置を用いることによって自着火温度以上の高 温気流を形成することができる.燃焼形態とし ては拡散火炎および空気との予混合火炎を対象 とした.燃料は気流出口中央に設置したノズル (直径 D=2mm)から気流と平行に鉛直上方に 噴出した.燃料がノズル内で加熱されないよう に水冷の二重管ノズルを用いた.また,ノズル ρ l u a m O u 且 gi ゆゐ PAPA 6bu nDD p a e aTbr O o u 、 ・ inur-- PJU 且 があるために中心部分が低温になるがその外部 1 1 を取った.気流出口の温度分布は,水冷ノズル e “ ヮ r σb 1 ・ P1 先端から鉛直上方に z座標,半径方向に r座標 ではほぼ一定値となる.また ,z=300m m程 度まで十分高温状態が維持されていることを確 認した.本実験では ,z=0m m,l '= 20m mの 度 V,噴出ガスの動粘性係数(で定義)に関し て比較した写真である.総ての写真の露出条件 位置の温度を気流の代表温度九とした.火炎 は同ーとしてある.高温気流中の火炎は常温気 内の温度は白金 流中に比べて輝度が全体的に高いことが確認で 白金ロジウム熱電対(線径 0 . 1 mm)を用いて測定した.また,火炎内のラジカ ル強度分布を測定するために分光計(大塚電子 きる.また,高温気流中では火炎の外縁に常温 気流中では見られない淡い発光層が観察された. 製フォトンラピッドスペクトロメータ PRAS~ Re 4900の場合には,常温気流中では火炎基 p= 5000)を使用した.また, レンズとスリットを 部の浮き上がりが観察されることがあった. こ 用いて火炎内の一点に焦点をあわせ,火炎の自 れに対して高温気流中では火炎の浮き上がりが 発光を分光計の測定プロープに導いた. 発生せず,安定な火炎が形成された. 図 3は気流温度が Ta= 280K と 九 ニ 980K 3 高温気流中における拡散火炎 の特性 3 . 1 火炎構造および安定性 における火炎形態の Re p に対する依存性を調べ た結果である.図中の Lfはノズル先端から測 定した火炎長さ ,L61 および L6 2 は火炎基部に 形成される青炎部の下端高さおよび上端高さを 拡散火炎について常温気流中と燃料の自着火 表している.ただし,これらの値が時間的に変 動している場合は,その平均値を示した Re p 温度以上の高温気流中における燃焼形態の違い の増加に伴い火炎長さ Lfは増加傾向にあるが, を観察した.図 2 は 気 流 温 度 九 =300K と 常温気流中の場合 Re 900付近で火炎基部 p ニ4 990K における火炎基部のようすをいくつかの の浮き上がりが観察され,気流温度の上昇に対 噴出レイノルズ数 Re p (ノズル内径 D,噴出速 して火炎長さが不連続に減少した.また このと 28 nununununu nununununU 54321 口、£ O C 2一 回 一 語 苛cg 白C O E壱coz d 子8000 a : 比 =1 . 0m / s O D=2mm E D=2mm O 0. i6000 ε コ c 岳 o c 。 O 〉 、 江 5000 10000 R e y n o l d snumbero fp r o p a n ej e t Re p 200 400 600 800 1000 A i rt e m p e r a t u r e TaK F i g u r e4 m伺 md B lowo f fl i m i to fd i f f u s i o n 巴. f l a m U 凸 oIE In Ba -BGiip fu ⑧ E 9“ R3 む I = 四九 'U4 i ta C h a r a c t e r i s t i c so ff l a m e gb n wA hh F i g u r e3 常 400 o S t a b l e K . 800 き,乱流燃焼的な変動が増加して燃焼状態、が不 気流中では火炎基部の浮き上がりが観察されず, 900までの することがわかった.また. Re p= 6 の長さ Lb 2-Lbl は Va=1 . 0 m / s nt 実験では吹き飛びも観察されなかった.青炎部 ﹃ Re p の増加に伴いほぼ一定の傾向で Lfが増加 F08 炎の吹き飛びが観察された.これに対して高温 ∞∞∞ EεJZHOEO-@E6E 安定になった.さらに. Re 800付近で火 p =6 Re p の増加に対して若干長 くなり,常温と高温気流中での比較では,高温 気流中の方が短くなることがわかった. o 以上の実験結果をもとに火炎の安定性を調べ たものが図 4である.図中の S t a b l eは火炎の浮 F i g u re5 き上がりが観察されず安定な火炎が形成された 500 1000 A i rt e m p e r a t u r eT aK 百∞ I n f l u e n c eo fa i rt e m p e r a t u r eonf l a m el e n g t h . 領域. U n s t a b l eは浮き上がりが生じ火炎全体が 大きく変動した領域. B l owo f fは吹き飛びが生 じた領域を意味している.これより,気流温度 図 5は燃料の噴出レイノルズ数 Repを一定 が高温化すると燃焼の安定な領域が高レイノル にし気流温度九を変化させた場合の火炎長 ズ数側に広がることがわかった.また,気流温 さ Lfの変化を表したものである.図中の黒塗 度が約 800K を越えると吹き飛びが観察されず りの記号は火炎基部の浮き上がりが生じている 安定な燃焼状態が保たれることがわかった.こ 場合を表している.この場合には,ノズルから れより,気流温度が燃料の自着火温度を越える 噴出した燃料が周囲気流と混合した後に火炎が と保炎の必要がなくなるものと考えられる. 形成されるために部分予混合火炎となり,ノ ズ 29 ルに付着した火炎と異なった特性を示す.ノ ズ ルに付着した火炎についてみると ,R e 1 0 0 0 pが " 2000 X ド 以下の場合には Ta の増加にしたがって Lfが Re p=2200 Va=1.0m /s 徐々に減少した.これに対して R e 000を p =5 言1500 境に高レイノルズ数側では九の増加に伴い Lf 0 的 C ( 1 ) も増加した.これらの結果は以下のように解釈 号1000 することができる.すなわち ,R e p が低く火炎 0 が層流である場合.気流の高温化に伴って熱拡 a . E 散や物質拡散が促進される.これによって,燃 。500 7 示 280K 6 E m 焼反応が完了する領域が短縮され火炎長さが短 l ム くなる.これに対して,乱流火炎の場合には気 布一ι 1 言 。 O 流の高温化に伴う気体粘度の増加が乱流による 240 Axi a ld i s t a n c e Z マク ロな混合過程を抑制する.このため,燃焼 が完了するのに必要な空気との混合が妨げられ F i g u r e6 てしまい,火炎長さが増加するものと思われる. 3 2 0 円1m F la . metempera .t u r eonno~ z l ea . xi sa t九 = 280K and このように,燃焼場における気流温度の高温 980K . 化は火炎が層流であるか乱流であるかによって ~心~寸 ﹄ ¥式ニ 性 O 前述のように,気流が高温化す ると分子拡散 5 0 0 1 0 0 0 A i rt e m p e r a t u r eT aK EEE 工︼Zoa-aE2.vaEoE9由工 3 . 2 火炎内温度およびラジカル発光特 ぬ= 1 . 0m / s onζ41 応が緩慢になるものといえる. Re 2200 p= 凋件。 拡散による混合気形成過程が抑制 され,燃焼反 RU は分子拡散が促進されて火炎が短縮化されるが, 乱流火炎の場合には逆に高温粘性によって乱流 nununununu nununununu FCC-aEgk国三 v-E ド的安田空﹄回一 わち,気流温度が上昇する場合のガス噴流拡散 火炎の一般的な性質として,層流火炎の場合に nunu nunu nunu 21 異なった作用をもたらすことが示された.すな O 1 5 0 0 が促進する ことが示唆された.こ こでは比較的 F i g u r e7 低レイノルズ数の火炎を対象に火炎内部の温度 MaximUlllf la .met el1lp e r ι - Tm and 分布やラジカルの発光強度を測定し気流の高 t l l r eOIl no~~le 温化の効果をより詳細に調べる.以下では常温 1C i g h to fmω( Im U l l lt e r n l 気流中で火炎の浮き上がりが生じない R勺 = p c ra . t u r ep o i n tI J m 2200の条件で実験を行った.常温気流中では, temperatureT~. 札xis V~. a . i r この火炎はその上流側で定常な層流火炎を形成 しているが,後流部分では若干の不規則変動が 場合よりも最高温度点が上流側にあり, そのと 見られた.図 6はノズル軸上の温度分布を九= き の 温 度 も 九 =980K の方が高くなる ことが 280K,980Kの場合に測定した結果である. こ わかった.図 7 は軸上の最高温度 ~r,“およびそ れより ,Ta= 980K の場合には九 = 280K の の温度が得られるノズルからの高 さ I ん を九 3 0 に対してまとめた結果である . これより,気流 示している .また,半径方向の測定範囲は約 1 0 が高温化すると最高温度は増加し ,その位置は m mとした.測定には分光計を用い. OH . CH. 上流側に移行することがわかる.これは高温気 C2 • H20 の各ラジカルについて波長 3 0 6 .4 31 . 流中で火炎が短縮化されることと対応しており, 5 1 7 .6 5 21 1 mの自発光強度を調べた .測定結果 気流の高温化が燃焼反応を促進している結果と を図 8に示す.図の縦軸はこの発光強度を分光 思われる .ただし,ふん囲気温度の l 二昇割合に 計の フォトンカウン卜数で表示 しである.いず 対して火炎内最高温度の上昇割合が小さいのは, 8 0K において れの ラジカルについても T“=9 開放火炎であるために周囲への輯射による熱損 は 九 =2 8 0K の場合に比べて信号強度が一桁 失が増大するためと,思われる .後述する C2ラ 以上大きくなっていることが確認できた.また, ジカ ルの発光強度が増化することからも,輯射 T“ =9 8 0K の方がラジカル発光の強い部分が 半径方向に広がっていることが判明した .同図 熱損失の増大が予測される .また,最高温度点 のノズ‘ル側への移動量に比べて,図 5の火炎長 中には半径方向の温度分布も表不しであるが. さの減少量が小さいことがわかる . これは,火 九 =2 8 0K の場合にはラジカル発光強度の最 炎の上流側では気流の高温化に伴って分子拡散 大値が最高温度点の若干内側にあるのに対して, が促進され,最高温度点がノズル側に移動する 九 =9 8 0Kの場合 i こは最高温度点より外側にラ が,火炎の後流側では気流の高温粘性のために ジカル発光の最高点があることがわかった.こ 乱流混合が抑制され.燃焼が完了するのに必要 の結果は写真観察で得られた火炎外縁の淡い発 な空気との混合が妨げられる ことで , 火炎が短 こ対応したものと考えられる. これらより 光層 i 縮されないためと思われる . 気流の高温化に伴って火炎内のラジカル発光強 度は増大し,その領域も拡大される ことが示さ ー E 6 10 コ O れた.これはラジカルの半径方向への拡散が盛 T a =980K T a =280K < . > め _ g んであることを示しており.気流の高温化が分 0 H2 a 10~ 子拡散を促進している ことを裏付けるもの と考 C2 えられる . 0 H2 コ 可 CH C2 国 』 O 1 0 2 〉、 nvnU nvnU 主 国 2000ド OH 0 10 c ol 500 z=40m打1 C J ) o-20 10 0 0 20 10 4 高温気流中における予混合火 炎の特性 由﹄三国﹄由aF﹄由ト 亡 50 11 " ' 。 2500: . : : CH 4 . 1 火炎構造および安定性 R a d i a ld i s t a n c e rm m ι ﹃ト 1 ・ duk k 品川山 QU 山 昨日鋭 f I 且 ,d OLEAuuOM B -dfL守主 、ij &L'u ぬ, , mCM 2C4 unc =・ 仰と 日 n0 2 一 C u 臼 H M' F i g u r e8 拡散火炎に引き続き,燃料の自着火温度を越 える高温気流中でのプロパンと空気の予混合火 炎の特性を調べた.まず.安定な燃焼領域を調 べるために,予混合気のプロパンガスおよび空 気の質量流量およびをさまざまに変化させ.火 炎の吹き飛び限界を測定した .その結果を図 9 次に火炎中の ラジカル発光強度に及ぼす気流 に示す.図中の太線の下の部分がその気流温度 温度の影響を調べた.測定高さは z=40m mと において火炎が安定に形成される領域である . した . この高さでは火炎軸を中心とした温度分 また,同図中に当量比ゆが一定および噴 出レイ 布が鞍形となる典型的な噴流拡散火炎の構造を e ノルズ数 R p が一定の線を記入した .図より 気 31 1 0 0 X 10-~ 1 0, Re 510 φ=3.36 Va= 1 . 0m /s p= 8 0 aUA ﹃ nununu Y e l l o w ( Y )B l u e ( B ) 600K B nt ogg 言。一一﹄悶師団三 ﹄古川平 EENOOZEg℃一価安︿ a u 的 ¥Ov-dh Vs= 1 . 0 ' m / s O o 0 . 2 0 . 3 0. 4 0 . 5" X 1Q -O Massf l o wr a t eo fp r o p a n em pkg/s F i g u r e1 0 F i g u r e9 I n f l u e n c eo f. a i rtempcr札ー t u r eonf t. a mes h. a p e . Blowo f fl i m i to fp r e r n i x e d f l a m e . T a が増加するのにしたがって吹き飛ぴ 1 0 0 限界が高レイノルズ数側.希薄側に急激に移行 していくことがわかった. 8 0 流温度 Re p =510φ =3.36 Va=1.0m/s E 以上の結果をもとに.すべての温度範囲にお ~ 6 0 いて常に火炎が形成される条件で火炎特性を調 . 3 6 べることにした.すなわち, ここ ではゆ =3 s の部分予混合火炎で,R e 1 0の場合を代表 pニ 5 コ て 点(仇p =0.25x10-5 kgfs,r n “ 1 .2x1 0 -5 主 伺 2 0 k g f s )とした. 図 1 0は気流の高温化に伴う火炎形状の変化 o を模式的に示したものである.常温ではノズル のすぐ上部に育炎部分が現れ, その上に輝炎部 5 0 0 1 0 0 0 1 5 0 0 A i rt e m p e r a t u r e Ta K 分が見られた.火炎の輝度が最も高い部分はこ F i g u r ・ 巴 1 1 の輝炎のほぼ中央部に位置した.気流温度が上 Ch. a r a .c t e r i s ti c so fl fa .me s h品pev s .. a i Itemper. at u r e . 昇すると,火炎長さが徐々に減少するが,気流 温度が 700Kを越えたあたりから,いままであっ に対してあまり変化しないが,Lmは T “ニ700 た火炎の外部に新たにオレンジ色の炎が観察さ れるようになり,気流温度の仁昇に伴い急激に K を越えたあたりから顕著な減少が見られ,輝 成長することが観察された.図 1 1はこれらの特 炎部分の長さが小さくなることがわかった.ま 性を示すために育炎の上端位置 L b ' 最高輝度位 た,これと同時にオレ ンジ 色の発光部分が成長 置 L叩および火炎長 さ Lfの九による変化をま し,火炎長さが増大した.拡散火炎についても とめたものである .こ れより ,L bは 九 の 上 昇 高温場で火炎外部に薄い発光層が確認 されたが, 3 2 予混合火炎の場合にはオレ ンジ色の発光層が火 自体の構造が複雑に変化することがわかった. 宅 ド 市 兵 明 マ 括 。 E E . 5 : E 5 0E 斗二 a . E O 話 話 言 = . 0 . r : . ! 2 ' 芸 Ta =1023K 4E C00﹄コ窃﹄oaE20E6E Re p =510 φ=3.36 v~=1.0 m ! s 20 40 60 Axi a ld i s t a n c ezπ1円1 C I ) o ﹂ i寸 144 4111141寸 ・ nununu nununu 05o L ド的交問 ︺ qL4 O E 主 a . . ! l 11∞ o 性 E V = 1 . 0m ! s a . 包 4 . 2 火炎内温度およびラジカル発光特 E Re p =510φ=3.36 X 5 0 0 1 0 0 2000 炎全体をつつみこむように大きく成長し,火炎 F i g u r e1 3 5 0 0 1 0 0 0 A i rt e m p e r a t u r e TaK O 工 1 5 0 0 Maximumf l a m etempera t u r eonn o z z l ea x i sTm and h e i g h to fmaximumt e r n s .a i r p e r a t u r ep o i n tHmv . ・ “ t e m p e r a t u r eT 80 られない ことから,このオレンジ色の炎は燃料 F i g u r e1 2 Flamet e m p e r a t u r eonno~ が発熱反応を起こしているのではなく.燃焼生 z l ea x i sa tTa =28 0K and 成物が高温気流により発光しているものと思わ 1 0 2 3K . れる. 図 7と図 1 3を比較してみると .T m の上昇割 拡散火炎の場合と同様に,火炎内部の温度お 合は両者で定量的にも一致しているが.Hmの よびラジカル発光強度の分布を調べた.図 12は 減少割合に対しては拡散火炎の方が若干大きい 火炎内の軸上温度分布を気流温度九=2 8 0K ことがわかる.これは.拡散火炎の場合には分 および 1 0 2 3Kの場合について比較したもので 子拡散による空気と燃料の混合過程が支配的で あ る . 九 =2 8 0K の場合に比べて 1 0 2 3K の場 あり,気流の高温化に伴う分子拡散の促進効果 合にはノズル直上から温度の上昇がみられ,火 が顕著に現れているものと考えられる.これに 炎基部での燃焼反応が促進されているものと考 対して,ここで対象としている部分予混合火炎 えられる . T. “を変えた場合の Z軸上の最高温度 の場合には,火炎構造の決定に対して分子拡散 Tm とその位置 Hmをまとめた結果を図 1 3に 示す.気流の高温化に伴い Tm は徐々に増加し, 以外に火炎伝ぱ機構が介在しているので,拡散 Hmは上流側に移動した.この傾向は前述の拡 に現れないものと考えられる 火炎の場合と比べて最高温度位置の変化が顕著 散火炎の場合と一致しており,予混合火炎の場 拡散火炎の場合と同様に ,ラ ジカル発光強度 合にも気流温度の高温化によって分子拡散が促 の半径方向変化を調べた .た だ し 測 定 高 さ は 進されているものと考えられる.また,オレン 図 12で示した火炎中心軸上の最高温度点とし ジ色の発光が観察されはじめる Ta=700K 前 た.図 1 4は 後で温度分布や最高温度などに特別な変化は見 O H .C H . C2 • H主O について波 0 6 .4 3 1 .5 1 7 . 65211mのラジカル発光強度 長3 33 106 E L05 がわか った. Re p =510 中=3', 36 Ta =280K 3 . 拡散火炎および予混合火炎 ともに, 気流の Va = 1 . 0m/s i 高温化に伴って火炎内の最高温度点は上流 Ta =1023K 側に移動し.その点の温度が高くなる こと 。OH g ぬ CH oC 2 o 蓄が C Q) H 2ο 必E ~ 1l 彊ずシペ喝匪 C がわかった. E 500 c> c f ) 1 0 ' 20 10 R a d i a ld i s t a n c e rm m Figur巴 1 4 10 0 4 . 高温気流中では火炎外縁に淡い発光層が観 aE由ト a i1 02 ﹀-ド由﹄コ戸国﹄由 0 企 nununu ハ Ununu nuzunu つι 4 a 噌' g104 察されるようになる 特に,予混合火炎で 気流温度が 700K 以 tの場合にオ レンジ 色の発光が火炎を取り囲むように成長す ることが観察された O 20 w u . 拡散火炎および予混合火炎に対して高温気 流中では常温気流中に比べて火炎内 のラジ カル発光強度が噌大することがわかった. S i g n a li n t e n s i t yp r o f i l eo f a d i c a l H20,C2,CH,OHr T“=2 80Kand1 0 4 3K . a t, 最後に,本研究に協力してくれた当時本学学 生 , 1 I J 上智行君,真柄隆志君 l こ心より感謝する. を分光計の信号強度として示したものである . また,同図中に温度分布の測定結果も示した. これらの結果からいずれのラジカルに対しても 参考文献 高温気流中の方が発光強度が増大することが示 された. この結果は,拡散火炎の場合と同様で ( 1 ) 鳥越,川添 . 超高温技術, 日本機械学会誌, あ った. 第9 5巻,第 887号 , 1 9 9 2年 , pp‘874 8 7 5 . ( 2 ) 西国:乱流拡散火炎の火炎構造とすす生成・ 分解特性に及ぼす空気温度の影響一数値シ 5 まとめ ミュレ ーション,舶用機関誌,第 2 5巻 , 1 9 9 0年 , pp.209-218 燃料の自着火温度を上回る高温気流中におけ るプロパンガス拡散および予混合火炎の特性に O .L . :SootFormιtioni n Lam ( 3 ) Gulder, ついて調べた.その結果.以下の知見が得られ a rD i f f u s i o nF l a r n e sa . tE l e v ι t巴dTem i n. 7 こ. u s t i o!landFlame,Vo. 188, p e r a . t u r e s,COIl!u 1 9 9 2, p p . 7 4-8 2 . 気流温度の高温化に伴い,火炎が安定化さ ( 4 ) Mizutaui,Y.,e ta . 1 . れることが示された.特に,拡散火炎では S t a b i l i z a t i o n 気流温度が 800K を越えると吹き飛びが o fSpr. a y Flames i n aHighTemperatur巴 生じなくなることがわかった.また,予混 S t t曲 川 1 6 . t hS y r n p o s i ulIl ( I n t c川 a t l o川 1 ) 合火炎の場合には安定な領域が高レイノ on Comuu叫 i o n,The CO!Iluus . l i of! l n s . t i ルズ数および希薄側に大幅に広が ること 9 7 7, ドp .6:H638. t l l t e,1 ( 5 ) 小沼.ほか 3名:定常高温気流中におけ る燃料噴霧の着火(第 2報.物理的因子の が確認でき た. 2. 拡散火炎において,層流火炎では気流の高 温化が火炎長さの短縮化をもたらすが,乱 影響), f::I本機械学会論文集 B 編.第 5 2 流火炎でが火炎長さの増加をもたらすこと 巻,第 4 8 1号 , 1986年 , pp.338033 8 5 . 34 BehaviorofGasJetFlame i nHotAirStreamHigherthanS e l f i g n i t i o nTemperature K e n j iAmagaiandMasatakaA r a i Departmento fM e c h a n i c a lSystcmE n g i n e e r i n g, GunmaU n i v e r s i t y Gasj e td i f f u s i o nandp r e r n i x e df l a m e si nt h eh i g ht e r n p e r a t u r ea i rstrcamwcrecxperimcn t a l l yi n v e s t i g a t e dt or n. a k ec l ea . rt h et e r n p e r a t u r ee l f e c t sont h ef l a m es t r u c t u r e . Propane g a swasuscda st h et e s tf u el .Thea i rt e m p e r a t u r ewasc o n t r o l l c dfromroomtcmpcratur e もu r eo ff u e . l Themechanismo ff l a m es t a b i l i z a t i o nw. a s t oo v e rt h es e l f i g n i t i o ntcmpera rt e m p e r a t u r ・ e .Temperaturep r o f i l e sandi n t巴n s t u d i c dundert h ev a r i o u sc o n d i t i o n so f品i OH, CH, C2r a d i c a li nt h ef l a m ewereme 悩 u r e di nd e t a i. l Ast h er c s u l t, s i t i e so fH20, i twasc o n f i r m e dt h a tbotht h ed i f f u s i o nandp r e r n i x e df l a m eweres t a b i l i z e di nt h eh i g h temperaturea i rstream.Lengtho ft h el a l l l i n a rd i f f u s i o nandp r e r n i x e df l a m ed e c r e a s巴d w i t hani n c r e a s eo fa i rt e m p e r a t u r e .I I o w e v e r, t h el e n g t ho ft h et u r b u l e n td i f f u s i o l lf l a m e 巴l l l p e r a t u r e . Themaximumt e m p e r a i n c r e a s e dw i t hf l a m e l a m i na . r i z a t i o nduet oh i g ht t n r ep o i n tont h ef la .l l l e. a x i ss h i f t e dt ot h eu p s t r ea . r nw i t hani n c r e a s eo fa i rt e m p e r a t u r e. S i g n a li n t e n s i t yo ft h er a d i c a li n c r e a s e di nt h eh i g htemp巴: r a t u r ec o n d i t i o n .Theser e s u l ts s u g g e s t e dt h a tt h er e a c t i o no fcombustiona l l dt h et r a n s p o r tphenomenas l ¥c ha sr n o l e c u l a r s i o n swe r epromotedduet oh i g ht e r n p e r a t u r e . d i鉦u 3 5