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大仁 邦彌 中世古 廣司 教え る の で は な く 、 成長を たすけ る 。 後ろ に
大仁 邦彌 中世古 廣司 るということの重要性が、 ﹁チームワー ク﹂を最大限に発揮させるものだと思いま 先日のワールドカップでも 、世界の若 ― い選手たちが素晴らしい活躍を見せまし た。海 外の育成ではどのような点を重視し ているのでしょう。 大仁 ﹁ 個 ﹂を育てる、 ﹁個﹂を強くする。 小さいときから﹁ 個 ﹂を育てることを大事 にしています。また、強い国にはその国な らではのサッカーがあります。世界基準と い え る 技 術 と 、そ の 国 の 伝 統 と い う も の を、しっかり子どもたちが身に付けていく ことも重視していますね。本リーグは8人 制で実施していますが、それよりもはるか 前に各国のこの年代は少人数制のサッカー で試合をしています。そこには一人一人を しっかり 育てようという 狙いがあります。 中世古 会長がおっしゃった﹁ 個 ﹂を育て ます。また、リーグ戦で活動するとなれば 試合数も増えるため、地域の人々の理解や 支援が不可欠ですよね。私たち全労済も、 人と人の結びつきを大切にし、お互いを尊 重し、たすけあう行動の中から生まれた生 協です。本リーグを通じて、仲間や家族の たすけあいと、きずなの大切さについて再 認識していただけるとうれしいですね。 全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会) 理事長 日本サッカー協会 ― ︵以下 J FA︶ などが主 催し、全 労 済 が 特 別 協 賛 する﹁こくみん共済U サッカーリーグ﹂ ︵以下 本リーグ︶が注目されてい ます。U -︵ 歳以下︶ 世代はどのように位置づ けられるのですか。 大仁 私どもJ FAでは、 日本サッカーの将来のた 兵庫県神戸市出身。1970年に慶応義塾大学から三菱重 工へ。選手時代は主にDFとして日本サッカーリーグや 天皇杯全日本サッカー選手権大会などで活躍。日本代表 では国際Aマッチ44試合に出場した。日本サッカー協会 では理事、強化委員会(現、技術委員会)委員長、副会長 などを歴任後、2012年6月に第13代会長に就任した。 めに育成をしっかりと やっていこう ということ 大仁 邦彌(だいに くにや) 三重県鳥羽市出身。1971年松下電器産業株式会社へ入 社。その後、1988年松下電器産業労働組合エアコン支部 執行委員長、1996年松下電器産業労働組合副中央執行委 員長に就任。2008年パナソニックグループ労働組合連合会 副中央執行委員長を経て、2009年全労済大阪府本部本部 長、2011年全労済中日本事業本部事業本部長を歴任。 2013年8月に全労済代表理事理事長に就任した。 教えるのではなく、 成長をたすける。 育成を応援していきたいと考えました。 大仁 理事長がおっしゃったように、子ど もの心身の健全な育成はこれからの日本に とって非常に大事なことです。私たちも少 しでもお役に立てるよう﹁J FAこころの 中世古 廣司(なかせこ ひろし) か ら 、グラスルーツ ︵ ︶ ※ の推進を重要事項の一つ に挙げています。少子高 齢化が進んでいる日本に おいてスポーツは大きな 役割を果たすと思ってい ます。U -は未来の日本 サッカー、日本のスポーツを背負う年代と いえるでしょう。 全 労 済 がU -サッカーリーグを支援 ― するに至った経緯を教えてください。 中世古 私ども全労済は、たすけあいの組 織として共 済︵ 保 障 ︶事 業 を営む生協で す。﹁みんなでたすけあい、豊かで安心で きる社会づくり﹂を理念として、社会に貢 プロジェクト﹂をはじめ、 ﹁なでしこひろば﹂ や﹁キッズプロジェクト﹂など、さまざまな 取り組みを行い、社会に貢献していきたい と思っています。 子どもたちにとってリーグ戦を行うメ ― リットはどういうところにあるのでしょう。 大仁 子どもたちは、失敗しても ま た ト レーニングして次の試合にチャレンジし 、 ま た 失 敗 し て 次 に と 、ト ラ イ& エ ラ ー を 繰り返しながら成長していきます。年間を 通じて行われるリーグ戦は非常に有効で、 子 どもたちにとって良い環境が広 が る と 思っています。 中世古 会長のおっしゃるとおりだと思い 方的に指導するのではなく 、﹁自分もそんな 時があったな﹂﹁自分もあんな若い時代が あったよね﹂と 。そこに歩み寄れる力とい うのがリーダーには必要なんじゃないかと 思います。 日本サッカー協会も全労済も、理念や ― 育成方針で共通するところが多いですね。 大仁 この年代は大事な年代ですが、それ をなかなか理解してもらえないこともあり ます。全労済さんにはそこを理解していただ き、多方面に発信もしていただいているとい うことで、大変ありがたく思っています。 中世古 私ども全労済は、日本の将来を 支える子どもたちの心身の育成とその夢の 実現に向けて、今後も継続して﹁こくみん 共済U - サッカーリーグ﹂をしっかりと サポートさせていただきます。J FA と 全労済が、共に手を組み目指す社会の実現 に向けて邁進してまいりましょう。 JFA 会長 12 後ろに控えて、 温かく見つめる。 う意味で、子どもを育て ていく大きな役割がある と い う こ と で す ね。企 業 におけるリーダーもやは り部下の後ろで、じっくり 見ながら良さを引き出し 役立つことでしょう。 ていく 。例えば、企業の新 入職員育成でも上から一 全労済 理事長 12 献できる活動にも積極的に取り組んでいま す。現在、私どもが取り組む社会貢献活動 には、 ﹁防災・減災﹂ ﹁環境保全﹂ ﹁子どもの 健 全 育 成 ﹂と い う 三 つ の 柱 が あ り ま す 。 ﹁サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を 創造し、人々の心身の健全な発達と社会の 発展に貢献する﹂というJ FAの理念と、 生活圏に根付いた本リーグの活動は、地域 との結びつきを大切にする 、全労済の理念 や活動と通ずるものがあります。本リーグ への特別協賛を通じて、子どもたちの心の 12 ことです。最大の目標はもっと先にある、 今は成長過程にあるということを認識して もらいたい。また、サッカーを通じて他者を リスペクト する気持ちを 教えてほしいですね。つ ま り 、指 導 者 と いうのは 教えるとい う よ り、子ど もの成育をたすける。特 に育成年代は押しつけで はなく、成長をどのよう にサポートしていくかと いうことだと思います。 中世古 親というのは、 後 ろ に 控 え て 、子 どもを 温かく見つめる。そうい U-12 サッカーリーグは「Players First!」 (関わる大人が力を合わせて 子どもたちに理想の環境を)を合言葉に、ボールに触れる頻度が高い 8人制 サッカーを実施している。 12 12 保護者や指導者に期待することはあり ― ますか。またその役割はいかがでしょうか。 大仁 まずは、失敗を認めてほしいという 日本サッカー協会公式ホームページ…http://www. jfa .jp/ 【こくみん共済 お問い合わせ先】 (9:00∼21:00) 全労済 / 0120−220−220 ※グラスルーツ…「グラスルーツ」は草の根、民衆といった 意味で、J FAでは、 「 Football for All∼サッカーを、 もっとみんなのものへ」をコンセプトに、日本代表や Jリーグなどのトップレベルの強化だけではなく、 キッズ からシニア、女性、障がい者などあらゆる人々がサッカー やフットサル、 ビーチサッカーなどを目的に合わせて気軽 に楽しめるよう、グラスルーツのサッカー活動を積極的に 推進しています。 他人への賠償など、 まさかの出来事にも 備える J FA(公益財団法人 日本サッカー協会) 会長 す。 ﹁チームワーク︵ Teamwork ︶の﹁T﹂の 字には、まず主軸である縦軸の﹁個の技術 力﹂があり、選手がチームの戦略・戦術 を理解して、 ﹁個﹂と﹁個﹂がお互いに支え あうことで横軸の﹁協調﹂へとつながる。こ の両方を備えてはじめて﹁チームワーク﹂ が生まれるものだと思います。この年代か ら数多くの経験を積み重ねていくことで、 将来子どもたちが社会に出たときに必ずや 12 スペシャル対談