Comments
Description
Transcript
台湾税務アップデート - 台湾での会計,税務,監査は
台湾税務アップデート 2012年1月 所得税法および投資控除規定 2012年1月4日、総統府は、源泉徴収票の申告期限延長に関する特別規定について改正 した所得税法を公布しました。 総統府は 2012 年 1 月 4 日、所得税法第 89 条、第 90 条、第 92 条の 1 および第 102 条の 1 を 改正公布し、毎年 1 月に 3 日以上国定休日が連続する年度は、各種証憑類(1.源泉徴収票、2.源 泉徴収免除票、3.信託財産各種所得証憑および 4.配当証憑を含む)の申告および発行の期限を延 長することを定めました。 通常期限 特別規定に基づく期限 証憑申告期限 1月31日 2月5日 証憑発行期限 2月10日 2月15日 2012 年 1 月には旧正月休みがあるため、総統府の公布により改正法が施行されれば、当該年 度より適用されることになります。 経済部、財政部が、2011年12月27日、「会社の研究発展支出の投資税額控除の適用弁 法」の一部改正案を公布しました。 主な改正点は下記の通りです。 一、中央目的事業管轄官庁への申請書類の提出期限(改正後同弁法第7条および第12条) 改正後 改正による相違点および影響 法人税の確定申告期間が始まる3ヶ月 申請期限が1ヶ月短縮され、法人税 研究開発活動 前から申告期間終了日まで(12月決算 の確定申告と同時に経済部工業局 の認定審査 の会社の場合、申請期間は翌年2月1日 へ申請しなければならなくなりま ~5月31日)となります。 す。 研究開発活動の認定審査の申請と同時 申請者の便宜と行政コストの簡素 に申請を行うことになります。 化を図るため、該当する4項目につ 4項目の支出に いても研究開発活動の認定審査の 係る申請 申請と同時に申請を行うこととし、 年度終了前に申請を行う必要がな くなります。 1 二、自社で研究開発を行う能力があるのが前提であり、外部委託した研究開発費用について 投資税額控除を適用できるのは、研究開発計画の一部を外部業者に委託している場合に 限られ、計画の全てを外部委託する場合には適用されない旨が明文規定されました。(改 正後同弁法第 6 条) 三、(1)今ある製造プロセスやサービスの手順またはシステムの改善、および(2)原材料あるい は部品の改良については、投資税額控除の適用を受けない研究開発活動の範囲であると 明確に定められました(改正後同弁法第 3 条)。 四、投資税額控除が適用される研究開発費用は、開発部門で発生した費用に限られますが、 ここでいう研究開発部門とは、研究開発活動に専従している部門であることが明確にさ れました(改正後同弁法第 4 条)。 財政部は 2012 年 1 月 4 日、「営利事業所得税監査準則」の改正案を公布しました。 主な改正点は以下のとおりです。 一、営業税法改正に対応 1.土地付き建物を売却する際、建物の評価査定価格および土地の公示価格に基づき建物 と土地の価格を按分する計算式において、建物の評価査定価格には営業税を含める必 要があります(改正後同準則第 32 条)。 2. 2011 年 1 月 26 日改正営業税法第 16 条および第 20 条に基づき、製品の売上高には、 物品税、酒・たばこ税、あるいはたばこに係る健康増進負担金が含まれることになり ます。同準則においてもこの 2 つの条文との整合性を図るため、物品税の他に、酒・ たばこ税も仕入原価に計上することができると規定されました。さらに、2011 年 9 月 1 日から、たばこ健康増進負担金も仕入原価あるいは製造原価に計上することがで きるようになりました(改正後同準則第 90 条) 二、所得税法改正に対応 1.棚卸資産の評価方法の「市場価額」を「正味実現可能価額」に修正するとともに、改正案 は棚卸資産評価損の見積もり方法および正味実現可能価額回復時の戻し入れ方法を 規定しています。 (改正後同準則第 47 条、第 50 条、第 51 条の 2、第 55 条) 2.会社の帳簿に計上されている未払金(買掛金、未払費用、未処理損失、その他の負債 を含む)については、法的な請求権が消滅した時点で、その他の収入に振り替えなけ ればなりません。改正条文によれば、特別な理由により法的請求権が消滅していない 場合は、関連する証明書類を税務当局に提出し認定を受けなければなりません(改正 後同準則第 108 条の 2) 。 2 三、台湾支店の管理費用の負担に関する追加必要書類 1.台湾支店が台湾外の本店または地域統括部門の管理費用の一部を負担する場合、台湾 外にある本店または地域統括部門の財務諸表に管理費用の金額、配賦基準、配賦計算 方法、関連する金額等に関する情報が記載されていないときは、台湾支店は当該情報 について台湾外の本店または地域統括部門の監査報告書を別途提出しなければなり ません(改正後同準則第 70 条)。 2.航空機搭乗による旅費(改正後同準則第 74 条) 国内線 国際線 改正後 改正前 航空券の控え(あるいはEチケット) 航空券の控えあるいはEチケットお および搭乗券。 よび搭乗券。 1.航空券の控え(あるいはEチケット 1.航空券の控えあるいはEチケット )および搭乗券。 および搭乗券。 2.航空券購入証明書(あるいは旅行 会社が発行した領収書) 2. 航 空 券 購 入 証 明 書 あ る い は 旅 行 会社が発行した領収書。 3.貸倒損失の損金算入のために必要な証憑類(改正後同準則第 94 条)。 債務者のタイプにより必要な証憑類が異なります。例えば債務者が会社なのか個人な のか、または台湾外なのか中国なのか等により異なるため、留意が必要です。 4.費用および損失について、取引相手の発行した統一発票を合法的に入手できない場合、 業務上必要な費用であることを証明でき、かつ会計士による証明または申告書にて当 該事項を開示すれば、損金算入可能な費用として認定されます(改正後同準則第 67 条)。 四、財政部解釈令に対応 固定資産が事業の用に供されず遊休資産となった場合でも、減価償却を中止することは 認められず、従来通りの方法により継続的に減価償却費を計上する必要がある旨が追加 されました(改正後同準則第95条)。 五、改正後準則は以下の事項を除き、2012 年 1 月 4 日より施行されます。 1.第 11 条(会計帳簿が何らかの原因で紛失または破損した場合の処理)、第 67 条(費用お よび損失について証憑類自体の未取得または記載事項と帳簿との不整合)、第 70 条(本 店の管理費用の配賦のために台湾支店が準備すべき証憑類)の改正については、まだ税 額が確定されていない年度の案件について適用されます。 2.第 112 条(申告漏れまたは未申告の所得についての税額計算式)の改正は、2009 年度以 降にかかる法人税の申告より適用となります。 3 株主控除可能税額比率の計算において、会計方針の変更等による前期損益修正を比率 計算に考慮する必要はありません。 財政部 100.12.7 台財税字第 10000351910 号により、会社が利益処分日後に前期損益の修正が 必要な会計方針の変更等を行い期首未処分利益に影響を及ぼすような場合においても、控除可 能税額比率および控除可能税額を再計算する必要はありません。 産業高度化促進条例から産業創新条例への過渡期において、従業員特別賞与および株 価連動型の従業員報酬について適用する研究開発支出の投資税額控除規定 財政部 100.12.7 台財税字第 10004110470 号の規定により、産業高度化促進条例から産業創新 条例に変動する過渡期に、従業員特別賞与および株価連動型の従業員報酬について下記の研究 開発支出の投資税額控除に関する規定を適用しました。 実際の支給時期 または権利行使時点 2009.12.31.以前 研究開発活動の認定 産業高度化促進条例の規定による。 控除率および限度額 の規定 産業高度化促進条例 の規定による。 2009.12.31.以前に見積もった費用 2010.1.1.以後 -産業高度化促進条例の規定による。 産業創新条例の規定 2010.1.1.以後に見積もった費用 による。 -産業創新条例の規定による。 研究開発活動が産業高度化促進条例により認定される場合、税務当局が会社の費用発生年度の 法人税の確定申告に併せて審査を行うため、再度中央目的事業管轄官庁に認定を申請する必要 はありません。 租税条約 台湾とスイスとの間の租税条約が2011年12月13日に発効されました。当該租税条約は 第27条により、2011年1月1日以後に実際支払われているまたは支払うべき所得につい て、当該源泉税率が適用となります(その他の租税条約が“発効年度の翌年1月1日以後 の実際支払額または支払うべき額に適用”としているのと異なります)。 また、台湾とドイツとの間の租税条約がベルリンおよび台北にてそれぞれ2011年12 月19日と12月28日に署名されました。両国がそれぞれ国内の法定手続きを完了し、そ のことを相互に通知した後、正式に発効されることになります。 租税条約適用前後の配当金、利子およびロイヤルティの源泉税率比較表は下記の通りです。 4 源泉税率 適用前支払うべき所 配当金 利子 ロイヤルティ 20% 20% 20% 10%または 15%(注) 10% 10% 得 適用後支払うべき所 得 (注)持株比率が20%以上の法人株主の場合10%で、その他の場合は15% 5 PwC 日本企業部コンタクトリスト 氏名 役職 電話番号 E-mail アドレス パートナー 886-2-2729-6704 [email protected] 奥田健士 ディレクター 886-2-2729-6666 ext 23401 [email protected] 王妙五 ディレクター 886-2-2729-6666 ext 23402 [email protected] 886-2-2729-6666 ext 23412 [email protected] 886-2-2729-6666 ext 23410 [email protected] パートナー 渡邊信孝 ディレクター シニアマネージャー 林淑琳 魏月珍 シニア マネージャー シニア マネージャー マネージャー 趙宇愷 マネージャー 886-2-2729-6666 ext 23425 [email protected] 劉千瑜 マネージャー 886-2-2729-6666 ext 23431 [email protected] 岡林崇 マネージャー 886-2-2729-6666 ext 23407 [email protected] 伊藤藍 マネージャー 886-2-2729-6666 ext 23475 [email protected] 鈴木健一郎 マネージャー 886-2-2729-6666 ext 23413 [email protected] 坂林美紀 マネージャー 886-2-2729-6666 ext 23409 [email protected] 許大修 マネージャー 886-2-2729-6666 ext 23411 [email protected] 古舘光平 マネージャー 886-2-2729-6666 ext 23442 [email protected] www.pwc.com/tw/jp 6 PwC Contacts 氏名 役職 電話 E-mail 会社法・法人税 楊明珠 パートナー 886-2-2729-5217 [email protected] 郭宗銘 パートナー 886-2-2729-5226 [email protected] 林東翹 パートナー 886-2-2729-5980 [email protected] 許祺昌 パートナー 886-2-2729-5212 [email protected] 范書華 パートナー 886-2-2729-6077 [email protected] パートナー 886-2-2729-6207 [email protected] 間接税 徐麗珍 国際税務コンサルティング&プランニングサービス 林宜賢 パートナー 886-2-2729-6682 [email protected] 廖烈龍 パートナー 886-2-2729-6217 [email protected] 邱文敏 パートナー 886-2-2729-6019 [email protected] 徐麗珍 パートナー 886-2-2729-6207 [email protected] 邱文敏 パートナー 886-2-2729-6019 [email protected] 移転価格 金融税務コンサルティングサービス 呉偉臺 パートナー 886-2-2729-6704 [email protected] 許祺昌 パートナー 886-2-2729-5212 [email protected] M&A サービス 王偉臣 パートナー 886-2-2729-6666 ext 35101 [email protected] 謝淑美 パートナー 886-2-2729-5809 [email protected] 従業員の海外派遣に関する税務相談サービス 何淑敏 パートナー 886-2-2729-5218 [email protected] www.pwc.com/tw 本税務アップデートは参考に供するためのものであり、当事務所の特定の意見を表明するものではありません。本内 容に基づいて行動をされる際には専門家に必ずご相談をされるようお願いいたします。当事務所はそれに基づき発生 したいかなる結果についても一切の責任を負いかねますのでご了承ください。また本内容の無断転載や複製は禁止さ せていただきます。 7