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山口県環境配慮事例集

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山口県環境配慮事例集
山口県環境配慮事例集
(増補版)
平成15年2月
山口県環境生活部環境政策課
目
次
Ⅰ
環境配慮事例集について
2
Ⅱ
環境配慮の手順
3
Ⅲ
環境配慮の基本的考え方と基本的方策
5
1
健全な環境の保全と創造
(1)優れた自然環境への配慮
(2)野生動植物への配慮
5
6
2
快適な環境の保全と創造
(1)身近な自然への配慮
(2)良好な景観形成への配慮
7
8
3
健康で安全な環境の保全と創造
(1)国土保全への配慮
(2)環境汚染防止への配慮
9
9
Ⅳ
環境配慮の事業区分別事例
1)道路における事例
2)河川・水路等における事例
3)ダム・堰堤等における事例
4)急傾斜地崩壊対策施設等における事例
5)港湾・漁港における事例
6)海岸における事例
7)公園緑地における事例
8)公共建築物等における事例
9)用地造成等における事例
10)橋梁における事例
11)治山工事における事例
12)防風林造成工事における事例
Ⅴ
資料編
土地利用規制関係諸法令等一覧表
36
57
56
79
86
90
92
99
103
113
114
117
118
119
-1-
Ⅰ
環境配慮事例集について
私たち人間は、環境から多くの恵みを受けながら生活を営み、今日の社会を築いて
きました。
しかしながら、私たち人間の活動が拡大するにつれ、資源の消費と不用物の排出を
増加させ、環境のもつ復元能力を超えるまでに至り、地球の温暖化、酸性雨、オゾン
層の破壊など私たち人類の生存基盤である地球の環境に取り返しのつかない影響を及
ぼす恐れが生じてきています。
このようなことから、健全で恵み豊かな環境を保全・創造し、将来の世代へ引き継
いで行くため、県、事業者、県民等、すべての者が、環境の保全を自らの問題として
捉え、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築に向けて取り組むことが
必要です。
本県では、県、市町村 、事業者 、県民それぞれが環境への配慮について理解を深め、
環境の保全が推進されるよう、環境への配慮指針を示した「山口環境プラン」を平成
4年に策定し、さらに、環境への配慮が適切に実行されるよう、平成6年度から開発
事業等に係る「環境事前チェック制度」を導入し、小規模な開発事業等についても、
計画立案等の段階で自主的な環境配慮を推進してきました。
さらに、本制度は、平成10年3月に策定した「やまぐち環境創造プラン(山口県
環境基本計画)」に位置付けられるとともに、平成13年度からは、県の事業部局にお
いて維持管理事業及び緊急を要する災害復旧事業を除く全ての事業を対象として、本
制度を本格実施することになりました。
この度、この「環境事前チェック制度」のより効果的な実施が図られるよう、平成
7年3月に作成した「環境配慮事例集」について、事業部局から新たに報告のあった
具体的な配慮事例を追加掲載等した増補版(平成13年4月、平成15年2月加除)
を作成しました。
-2-
Ⅱ 環境配慮の手順
1
開発事業等の計画立案などの階段において、事業予定地及びその周辺の環境の状況等につい
て、「快適環境づくりシステム(地図ファイリング情報)」等により、あらかじめ確認を行う。
2
次に、確認した環境の状況等を踏まえ、必要な環境配慮事項を検討する。
3
必要な環境配慮事項をどのような具体的方策により計画に盛り込むかを、「環境配慮事例
集」等を参考に、地域の環境特性に応じて検討し決定する。
4
環境への配慮が盛り込まれた事業計画が実施されることによって、本県の目指す「健全で恵
み豊かな環境の保全と創造」の実現が推進される。
やまぐち環境創造プラン
(山口県環境基本計画)
・基本目標
健全で恵み豊かな
環境の保全と創造
・第4章
各種事業の実施における環境配
慮の方向
環境事前
チェック
制度
環境チェックリスト
快適環境づくり
システム(地図フ
ァイリング情報)
地域の環境特性に
係る情報や指標な
どを示した地図等
健全で恵み豊か
な環境の保全と
創造の実現に向
け、地域の環
境への配慮すべ
き基本的事項等
の把握
開発事業等の実施
に際し配慮すべき
事項の把握や検討
事業予定地及び
周辺の環境の状
況の事前把握
-3-
地域環境と調和した事業等
の実施(環境の保全と創造
↑
環境への配慮が盛り込まれ
た事業計画の立案等
開発事業等の実施に当たっ
て、計画に盛り込む環境配
慮の具体的方策等の検討
環境配慮事例集
環境配慮の方策例や事例等
【 参
考 】公共事業における環境対策フロー
環境に配慮した公共事業等の施工に当たっては、環境面に与える影響を十分考慮した事業の
立案、地元調整、詳細設計、用地取得、工事施工を行うこととする。
工 事
実 施
フロー
事業立案
基本構想
現地調査
概略設計
測量及び
地元調整
①
環 境
対 策
フロー
環 境
条 件
の整理
②
環境配慮事
項の確認等
(チェック)
配慮事項及
び施工方法
の決定
用地取得
工事施工
詳細設計
④
③
環境配慮事
項の確認等
(チェック)
地
元
調
整
配慮事項及
び施工方法
の決定
地
元
適否の
調
整
決
定
①…事業計画場所及び周辺地域の環境特性の確認、環境への影響の把握、対応策及び代替案(適
地選定を含む)の比較等を含めて、事業の構想等早期の段階での事前評価を行う。
②…事業実施への理解と協力を得るため、地元調整を行いつつ、環境に配慮した施工方法を検
討しながら事業の具体案及び設計図面等を作成する。
③…用地取得の段階では、総合的な検討結果に基づき、生態系や景観等の周辺環境との調和を
を図るために必要な用地の取得を行い、工事発注後は、施工管理を適正に行う。
④…事業立案・概略設計段階から長期間(3∼4年)が経過して詳細設計を行う場合には、環
境条件の変化を調査し、環境への配慮事項を再確認して行う。
山口環境創造プラン
快適環境づくりシステム
環境事前チェック制度
県民全てが共通の認識に立ち、それぞれが協力して環境保全に取り組ん
でいくため、
「山口県環境基本条例」の基本理念を踏まえた長期的目標、
それを達成するための具体的な施策の方向、県民、事業者の方々に期待
される取組等を示すことにより、環境保全施策を総合的かつ計画的に推
進していこうとするもの。
山口県の環境に係る各種行政施策の計画・立案等を支援するための地図
ファイリングシステム(GIS)
開発事業等の実施に当たって、事業の立案・構想段階から環境チェック
リストに基づいて、地域の環境に対してどのような配慮が必要かを検討
し、環境と調和した事業の実施を図る制度。
-4-
Ⅲ
1
環境配慮の基本的考え方と基本的方策
健全な環境の保全と創造
(1)優れた自然環境への配慮
①
原生的自然は現状のまま保全するものとし、その周辺地域との一体的な保全が図
られるよう配慮する。
② 自然公園内や自然環境保全地域内での土地の改変は極力避けるものとし、やむを
得ず土地の改変等を行う場合は、自然環境の改変の最小化や失われることとなる自
然の復元を行い、優れた自然環境の保全に配慮する。
③ 事業の実施に際しては、できる限り現存植生を残すよう配慮するとともに、事業
の実施により生じる裸地等については、その地域の地質、気候、水文など生育環境
への適合性や周辺の植生との調和に配慮した植栽に努める。
④ 海岸部での事業の実施に当たっては、自然海岸は極力残すものとし、やむを得ず
消滅させることとなる場合は、消滅面積の最小化や新たな海浜の創出に配慮する。
1−01
1−02
1−03
1−04
環境推移帯(エコトーン)の確保と創出
生息地の分断等に対する生息環境保全への対応
林地や林縁部を含めた自然環境の保全、緩衝緑地の確保
水辺や緑のネットワークの創出等
-5-
(2)野生動植物への配慮
①
野生動植物の生息・生育地やその周辺において事業を行う場合は、植栽による表
土の露出の防止を行うなど、土砂の流出防止を図るとともに、伏流水や地表水の流
路の分断防止を図るなど、生息・生育環境の変化の防止に配慮する。
② 野生動物が安定して生存できる生息空間の広がりの確保に配慮するとともに、生
息空間として重要な森林、河川、湖沼、湿地及びその周辺地域の保全に配慮する。
1−05
1−06
1−07
水辺や緑のネットワークの創出等
沿道の緑地空間の確保による生息環境や移動空間の確保
野鳥の食餌植物
③
道路の整備等を行う場合は、野生動物の行動圏に留意し、野生動物の移動ルート
や移動空間の確保と分断防止に配慮する。
1−08
1−09
1−10
1−11
1−12
鳥類や飛翔性の昆虫などに配慮した植栽
道路のトンネル化などによる生息空間や移動空間の確保
道路等における爬虫類や両生類の横断空間の確保
野生動物の生息や移動等に配慮した道路側溝
野生動物の横断橋の設置等
④
海面の埋立等沿岸海域の整備を行うに当たっては、海洋性生物の重要な産卵場所
や生育場所である藻場、干潟、魚礁等の保全と創出に配慮する。
1−13
沿岸域の湿地や塩水性沼沢、干潟などの保全
⑤
河川等及びその周辺で土地の改変等を行う場合は、水辺の樹林地や植生、河道の
瀬や淵、よどみなどの保全と創出による水生生物や野鳥の生息環境に配慮 するとと
もに、魚道の設置による移動空間の確保等に配慮する。
1−14
1−15
1−16
多様な水辺環境の保全と創出
魚類の生息環境の創出等(河川など)
ダムや堰などにおける魚道の設置
⑥
河川 、水路等の整備を行うに当たっては、自然石等その地域の自然素材の活用に
配慮する。
-6-
2
快適な環境の保全と創造
(1)身近な自然への配慮
① 事業の実施区域やその周辺に河川、水路、池、沼、湿地等の水辺空間がある場合
は、多様な生物とのふれあいの場としての活用に配慮する。
② 河川、ダム、海岸等の事業の実施に当たっては、水辺沿いの遊歩道や散策路など
の整備により、水辺へのアプローチの確保に配慮するとともに、親水護岸等の整備
による水辺とのふれあいの場の創出に配慮する。
2−01
親水空間の整備
③
水資源の確保や下流域での水害防止のための遊水池や調整池の確保に当たっては、
良好な水辺空間の創出に配慮する。
3−2
遊水池や調整池の確保や設置
④
海岸保全施設の整備に当たっては 、線的な防護方式に加え、離岸堤、人工リーフ、
潜堤、養浜等の組み合わせによる面的な防護方式を導入し、親水性の創出に配慮す
る。
⑤ 港湾施設、漁港施設の整備に当たっては、周辺の景観との調和を図るとともに、
親水性の創出に配慮する。
⑥ 海面の埋立等沿岸海域の整備に当たっては、人工養浜、人工なぎさ等によるうる
おいの創出に配慮する。
⑦ 海岸での植栽に当たっては、周辺の景観との調和や塩害に強い植生に配慮する。
⑧ 公園等の整備や緑化に当たっては、食餌植物の植栽や水飲み場の設置等により野
生植物の誘導を図るとともに、野生生物の生息空間や移動空間を確保するなど、身
近な野生動物とのふれあいの場の創出に配慮する。
2−02
2−03
1−07
多孔質な環境の場の確保による野生動物生息環境の創出
野鳥の生息場所としての樹林構造
野鳥の食餌植物
-7-
(2)良好な景観形成への配慮
①
優れた景観を有する自然公園や自然海岸の周辺において大規模な施設を設置する
に当たっては、施設の形状、色彩等に配慮するとともに、施設周辺の緑化などによ
る修景に配慮する。
2−04
公共施設や大規模施設などの周辺緑化
②
史跡、名勝、天然記念物等と周辺の自然環境が一体となって良好な景観を形成し
ている地域において事業を行う場合は、景観との調和に配慮する。
③ 視覚的に目立つ市街地や集落地の背景としての斜面及び海岸や海に面した斜面に
ついては、植栽による緑化に配慮する。
2−05
斜面緑地の保全と活用
④
道路の整備に当たっては、緑地帯の設置や法面の植栽等による沿道緑化を推進す
るとともに、交通安全施設、道路管理施設等のデザイン、素材等を工夫するなど、
良好な道路景観の形成に配慮する。
⑤ 道路の整備に当たっては、モニュメント、ベンチ、案内板等の ストリート・ファ
ニチャーの整備を行うなど、やすらぎのある道路空間の創出に配慮する。
⑥ 道路の計画に当たっては、特徴のある山や建物、巨木などをランドマークとして
取り込み、道路景観の個性の創出に配慮する。
⑦ 橋梁の設置に当たっては、その存在自体が周辺の景観形成に大きな影響を与える
ものであることから、地域の特性を活かした形状、素材等に配慮する。
⑧ 歴史的街並みや街路等の景観を有する地域での土地利用に当たっては、施設のデ
ザインの工夫や電線類の地中化等を行うことにより 、歴史的景観の保全に配慮する。
⑨ 市街地における建築物の設置に当たっては、地域の特性に応じてセットバック方
式(壁面後退)により空間を確保するなど、都市におけるやすらぎの創出に配慮す
る。
⑩ 建築物の壁面緑化や屋上緑化を行うことにより、都市の気象緩和やうるおいの創
出に配慮する。
2−06
建物の緑化
-8-
3
健康で安全な環境の保全と創造
(1)国土保全への配慮
① 森林の管理、育成に当たっては、針葉樹と広葉樹の複層林化を図り、多様な樹種
を有する森林を造成し、国土保全機能の維持、向上に配慮する。
3−01
植林地等の天然林との混交林化などによる機能の向上
②
市街地での土地利用に当たっては、雨水浸透枡の設置や歩道、駐車場の透水性舗
装を行うなど、地下水保全や河川の維持用水の確保に資する雨水の地下浸透対策に
配慮する。
3−03
雨水浸透枡、各戸貯留、歩道・駐車場の透水性舗装
③
市街地における建築物の建設に当たっては、雨水貯留施設等の設置による浸水被
害の防止や水資源の有効利用に配慮する。
3−04
雨水貯留槽の設置と活用、中水の活用
④
人工地盤やピロテイ形式の建築工法の活用等により、浸水常襲地域での浸水被害
の防止に配慮する。
(2)環境汚染防止への配慮
① 市街地周辺に残されているまとまりのある樹林地等の緑地は積極的に保全を図る
とともに、公共施設の敷地の緑化を推進し、大気浄化機能の維持 、向上に配慮する。
② バイパスの整備等により道路交通流の円滑化を図るとともに、幹線道路沿いに緩
衝緑地帯や遮音壁を設置することなどにより、騒音、排気ガス等の自動車交通公害
の防止に配慮する。
③ 工場、事業場等の敷地の緑化を推進し、大気汚染物質の拡散防止や大気浄化機能
の向上に配慮する。
④ 事業の実施に当たっては、沿岸域の干潟や河川のアシ等の自然植生が有する水質
浄化機能及び森林等の緑地の有する大気浄化機能の活用と復元に配慮する。
⑤ 水質の悪化が著しい都市河川については、必要に応じて河川浄化用水、礫間接触
酸化処理、ばっ気処理等を導入し、清流の確保に配慮する。
⑥ 建築物の建設に当たっては、断熱構造化、太陽熱温水器、太陽光発電等を導入す
るなど、省資源・省エネルギーに配慮する。
⑦ 工事中の騒音・振動対策については、低騒音・低振動型の機械や工法を導入する
とともに、作業時間や期間に配慮する。
⑧ 工事中の水質汚濁、土砂流失、粉塵発生の防止に配慮する。
-9-
-10-
-11-
-12-
-13-
-14-
-15-
-16-
-17-
-18-
-19-
-20-
-21-
-22-
-23-
-24-
-25-
-26-
-27-
-28-
-29-
-30-
-31-
-32-
-33-
-34-
-35-
Ⅳ
環境配慮の事業区分別事例
前項までは、環境配慮の基本的事項や環境配慮のための方策等の基本的な考え方
例を示し、地域の環境特性に基づいたより良好で快適な環境の保全と活用・創出に
向けて、各種事業の構想や計画策定などの早期の段階からの環境への事前配慮の検
討に資するものとした。
こうした環境配慮については、昔から積み重ねられてきた方策をはじめ、新しい
技術や科学を活用して進められてきている方策など、従来から個々の事業の中で活
用や実施されてきているものも数多くある。
本項目では、こうした環境配慮に係る様々な事例のうち、県内で実施されてきた
環境配慮の方策等の事例について次頁以降に紹介し、今後の新たな事業の立案や計
画、施工等に際しての参考に資することとした。
環境配慮の主な事例については、下記に示す事業区分ごとに、関係部局課などか
ら県内の事例として資料を提供してもらい、環境配慮の具体的な内容を紹介してい
る。
1)道路における事例
2)河川・水路等における事例
3)ダム・堰堤等における事例
4)急傾斜地崩壊防止施設等における事例
5)港湾・漁港における事例
6)海岸における事例
7)公園緑地における事例
8)公共建築物等における事例
9)用地造成等における事例
10)橋梁における事例
11)治山工事における事例
12)防風林造成工事における事例
ここで紹介した県内の環境配慮の事例は一部であるが、今後、こうした事例や新
しい方策例などの集積・整備と提供を図っていくことにより、行政、事業者、県民
における環境への配慮の理解の向上と環境配慮の自主的な取り組みの参考となるこ
とが期待される。
-36-
1)道路における事例(17)
① 一般国道9号山口バイパス
② 町道八重広谷線(カルストロード)
③ 萩有料道路(萩市椿)
④ パークロード(山口市亀山町)
⑤ 田万川町小川地区(農免農道整備事業)
⑥ 都市計画街路唐戸筋川線(下関市後田町)
⑦ 山陽自動車道宇部下関線
⑧ 県道 妻崎開作小野田線(焼野海岸)
⑨ 一般国道2号厚狭・埴生バイパス
⑩ 大規模林道鹿野・豊田線徳地・阿東区間
⑪ ふるさと林道 豊田湖一ノ俣線
⑫ 小郡萩道路・第2大田川橋(美東町川上地内)
⑬ 宇部空港線(宇部市亀浦地内)
⑭ 一般国道434号(錦町広瀬地内)
⑮ 一般国道437号(東和町大字和田)
⑯ 北中山岩国線(和木町大字関ヶ浜地内)
⑰ 小野田山陽線(小野田市千崎地内)
2)河川・水路等における事例 (22)
① 一の坂川(山口市後河原)
② 木屋川(豊田町西市)
③ 吉敷川(山口市吉敷)
④ 糸米川(山口市糸米)
⑤ 長門市仙崎字青海島
⑥ 下方川(下関市大字小野)
⑦ 大田川(美東町大田)
⑧ 仁保川(山口市仁保上郷)
⑨ 椹野川(小郡町下郷)
⑩ 熊毛郡熊毛町
⑪ 熊毛郡熊毛町八代地内(河原畑川)
⑫ 椹野川(山口市矢原地内)
⑬ 椹野川(山口市富田原地内)
⑭ 一の坂川(山口市後河原地内)
⑮ 錦川(岩国市多田地内)
⑯ 丸田川(山口市平井地内)
⑰ 荒瀬川(岩国市大字荒瀬地内)
⑱ 真締川(宇部市琴芝地内)
⑲ 錦川(徳山市須万地内)
⑳ 沢波川(宇部市西岐波地内)
-37-


頭振川(長門市俵山地内)
田万川(田万川町大字下田万地内)
3)ダム・堰堤等における事例(7)
① 内日ダム(下関市内日)
② 石井ダム(柳井市馬皿)
③ 美祢市伊佐町堀越字桜山
④ 三軒屋(徳山市大字栗屋)
⑤ 菅野ダム(徳山市)
⑥ 佐波川ダム(徳地町)
⑦ 飛石川(むつみ村飛石地内)
4)急傾斜地崩壊防止施設等における事例(4)
① 厚狭郡山陽町大字厚狭字下新入道
② 下関市弟子待町
③ 下関市逢坂町
④ 防府市台道
5)港湾・漁港における事例(2)
① 仙崎漁港(長門市仙崎)
② 見島漁港(萩市見島宇津地区)
6)海岸における事例(7)
① 片添ヶ浜海浜公園(東和町片添)
② ビー玉海岸(大島郡久賀町久賀)
③ 庄南ビーチ(大島郡橘町西安下庄)
④ 下関市大字横野
⑤ 笠戸コースタルリゾート(下松市大字笠戸島小城地内)
⑥ 田布施海岸(田布施町八海地内)
⑦ 防府市大字西浦
7)公園緑地における事例(4)
① 豊田湖国民休養地(豊浦郡豊田町)
② 萩ウェルネスパーク(萩市大字椿)
③ 秋吉台エコ・ミュージアム(美祢郡美東町)
④ 右田ヶ岳生活環境保全林
8)公共建築物等における事例(10)
① 山口県スポーツ交流ゾーン多目的ドーム(阿知須町)
② 一の宮県営住宅(下関市一の宮)
-38-
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
平わらび台活性化交流施設(福栄村)
ルネッサながと(長門市)
焼野海岸コースタルコミュニティーゾーン(小野田市)
山口県きらら浜自然観察公園ビジターセンター(阿知須町)
土井ヶ浜園地(豊浦郡豊北町)
旭村活性化センター(旭村)
田万川親水公園公衆便所・休憩所(田万川町)
角島博物展示施設(豊北町)
9)用地造成等における事例(1)
① 山口テクノパーク
10)橋梁における事例(3)
① 県道角島神田線(角島大橋)
② 県道山口阿知須宇部線(平成大橋)
③ 一般国道437号・小伊保田2号橋下部工(東和町大字和田)
11)治山工事における事例(1)
① 吉敷郡秋穂町大字黒石
12)防風林造成工事における事例(1)
① 萩市見島字河原畑
-39-
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−①
一般国道9号山口バイパス
事業主体
国土交通省
・大気汚染防止等への配慮
(バイパス整備による交通渋滞の解消とCO2の排出の抑制)
【内容】
●施工時期
昭和52年度∼平成12年度
●施工内容
・山口市宮野上河原
∼山口市朝田
延長 L=10.9km
●環境配慮の内容と方法、工法
・交通渋滞による走行速度の低下は、CO2の排出量の増加を招き、地球の温暖化を
促すものとして、重要な問題とされている。
・そこで、交通渋滞を解消するため、バイパスの整備を実施し、スムーズな走行に
よるCO2の排出量の抑制に努めている。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:国土交通省山口工事事務所調査設計課
-40-
tel 0835-22-1785
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−②
町道八重広谷線(カルストロード)
事業主体
山口県、秋芳町
・地域景観の保全、修景への配慮
(自然環境に配慮した緑化、景観整備に配慮)
【内容】
●施工時期
平成 3 年度∼平成 6 年度
●施工内容
当路線は、秋吉台、秋芳洞
の入り口から国道 435 号線に
タッチする短路線の役割を果
たす路線である。
延長
L=1540m
(内、秋吉トンネル
L=230)
幅員 W=6.0(11.0)m
●環境配慮の内容と方法、工法
・歩道に木レンガを配置して丸みをもたせ、優しさを表現し、水路には、町の特産
である石灰石を取り入れ、せせらぎを創っている。
・さらに、当町道は、一部自然公園法の特別地域内を通過しているため、学術専門
家の意見も聞いて、自然環境に配慮した、緑化を中心とした景観整備に気を配っ
ている。
●事業に係る照会先:秋芳町役場
施設課
-41-
tel 0837-62-0331
1)道路における事例
場
所
事例1)−③
萩有料道路(萩市椿)
事業主体
山口県道路公社
環境配慮の ・地域景観の保全、修景への配慮
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
平成元年度∼平成 3 年度
●施工内容
萩有料道路は、県都山口市と
歴史と観光の町萩市とを結ぶ有
料道路である。
延長
幅員
L=1100m
W=6.5(10.5)m
●環境配慮の内容と方法、工法
・料金所等関係施設は、城下町萩をイメージし和風を主体とした建物とし、特に料
金所は、萩の南城門風として、また、萩往還隊道の入り口には白壁を採用、料金
所付近のパーキングエリア周辺は、周囲の史跡や自然環境に配慮し、萩往還公園
として整備を行った。
・現在「道の駅」に指定されている。
●事業に係る照会先:山口県道路公社
tel 083-923-1021
-42-
1)道路における事例
場
所
事例1)−④
パークロード(山口市亀山町)
事業主体
山口県
環境配慮の ・幅の広い歩道及び植樹帯の設備を設置する。
基 本 的 な ・電線類の無柱化を行う。
視点や内容
【内容】
●施工時期
昭和 45 年度∼昭和 55 年度
●施工内容
通称「パークロード」は、
都市計画道路山口駅県庁線の
うち、県道宮野大歳線早間田
交差点から県庁前までの
780m 間を、昭和 43 年に幅員
40m の街路として都市計画決
定の変更を行ない、昭和 45
年より街路事業として整備を
行った。
●環境配慮の内容と方法、工法
以下の点に配慮して街路を整備した。
・通常の歩道幅よりかなり広い、幅 9m の歩道を設置した。
・車道と歩道の間に通常の植樹帯の幅より広い、幅 2.5m の植樹帯を設け
た。
・幅の広い歩道内にツリーサークルを使用してランダムに樹木を植えた。
・樹木の選定に当たっては、四季を通して楽しめる樹木を選定した。
・地下ケーブル等によって無柱道路とした。
・単に通過交通に対応する道路でなく、幅の広い街路を整備したことによ
り、街路自体が公園のようになり、自動車交通が周辺環境に及ぼす影響
を少なくできた。
●事業に係る照会先:都市計画課
tel 083-933-3728
-43-
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−⑤
田万川町小川地区(農免農道整備事業)
事業主体
山口県
・工事中に偶然発見された学術的に貴重で価値の高い玄武岩の柱状節理群
を、自然に近い形で景観として保存し、併せて農道周辺を一体的に公園
として整備することにより、地質学や自然観察の優れた教材として活用
を図りながら、憩いとふれあいの場として、豊かで潤いのある農村環境
を創造する。
【内容】
●施工時期
平成 5 年度
●施工内容
玄武岩の柱状節理群の保存
潤い施設の整備
・展望公園
・柱状節理の案内板
・ベンチ、テーブル
・橋梁の親柱
●環境配慮の内容と方法、工法
・柱状節理が展望できるよう小高いところに、公園を設置する。
・公園は、憩いとふれあいの場として、景観が楽しめる適度な広さを造成する。
・また、公園の周囲は、擬木による防護柵を施工することで安全を確保しながらも
環境を損なわないように配慮をする。
・公園には、生きた教材として直接手でふれることができるよう、柱状節理の岩で
テーブルとベンチを設置するとともに、柱状節理を分かりやすく説明した案内板
を設置する。
・公園近くの橋梁の親柱には、地元の小学生が描いた絵をモチーフとして採用する
など公園周辺の一体的な整備により暖かさと親しみ易さを持った、潤いのある農
村環境を創造する。
●事業に係る照会先:農村整備課水利農道係
-44-
tel 083-933-3413
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−⑥
都市計画街路唐戸筋川線(下関市後田町)
事業主体
山口県
・道路構造の環境配慮(排水性舗装及びノージョイント工法による騒音等
の抑制)
・大気汚染の抑制(バイパス整備による交通渋滞解消と CO2 排出量の抑制)
【内容】
●施工時期
平成4年度
∼平成10年度
●施工内容
本路線は下関市の市街を取り
囲む環状道路を形成する重要な
路線である。国道 191 号下関北
バイパス、沖合人工島の建設、
第二関門橋構想など市街地整備
での大型プロジェクトが始動し、
陸上交通の要衝である市街東部
と西部を直結する路線として重
要性が増大し、交通量の大幅な
増加が見込まれている。
特に、東駅交差点の混雑が今
後予想されるため、交差点の立
体化をすることにより円滑な交
通の流れを確保するものである。
●環境配慮の内容と方法、工法
(1)排水性舗装
この特殊舗装は雨天時にヘッドライトや街の灯などによる路面の照り返しがなく、セン
ターラインなどの視認が良好なため走行の安全性や快適性に大変優れている。また、車
の走行音が一般の舗装に比べて3∼5dB程度低減され、雨天時は特に水跳ねが
ないために減音効果がさらに増すなど周辺環境や歩行者にもやさしい道路構造と
なる。
(2)ノージョイント工法
桁と桁の間は継ぎ目や段差が生じない埋設ジョイントを採用している。路面からの
継手の存在が全く解らない完全なノージョイント工法で、段差がないために騒音・振動
・衝撃のない快適な走行が約束される。
(3)CO2排出量削減
交差点の立体化による交差点部渋滞解消によりスムーズな交通の流れを確保するこ
とで、CO2の排出量削減を図る。
また、排水性舗装及びノージョイント工法の採用による走行性能の改善によりCO 2の
排出削減を図る。
●事業に係る照会先:都市計画課 下関土木建築事務所
-45-
tel 0832-23-7101
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−⑦
山陽自動車道宇部下関線
事業主体
日本道路公団
路線コンセプト「たおやかな道」の実現に対し、当該道路周辺のなだら
かな地形、そして豊かで美しい自然の中を進む道路の形を道路周辺の自
然環境や地域景観との調和を基本とした対策を実施。
【内容】
● 施工時期
平成8年度∼平成12年度
● 施工内容
・山陽自動車道宇部下関線
(下関JCT∼宇部JCT)
暫定2車線
延長 L=28.1 km
<宇部ICから阿知須方面を望む(全景)>
●景観配慮の内容
外部景観及び内部景観の対策を
以下のとおり実施している。
①外部景観
・切土のり面の自然地形へ
のすりつけ
・盛土のり面への植栽
<アーチカルバートの採用と
カルバート出入口のすりつけ>
②内部景観
・柔らかな曲線、滑らかな
曲線を利用した構造物
・柔らかな曲線、滑らかな
曲線を持つのり面
・スタンダードな人道橋と
ボックスカルバート
<谷部に位置した坑口、突出型と
その周辺盛土の仕上げを自然な形に造成>
●事業に係る照会先:日本道路公団山口工事事務所
-46-
tel 083-989-6711
1)道路における事例
場
所
県道
事例1)−⑧
妻崎開作小野田線(焼野海岸)
事業主体
山口県
環境配慮の 地域景観の保全
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
平成6年度∼平成12年度
●施工内容
当路線は、小野田市南部を周
回する路線であり、CCZによ
り整備された焼野海岸へのアク
セス道路となっている。
L=1,200m
W=6.0(15.0)m
●環境配慮の内容と方法、工法
・歩道舗装・・・インターロッキング舗装
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:宇部土木建築事務所工務二課
-47-
tel 0836-21-7125
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−⑨
一般国道2号厚狭・埴生バイパス
事業主体
国土交通省
・地球温暖化の防止(CO 2 の吸収)
・沿道環境の保全
(道路法面の樹林化によるCO 2 の吸収、景観の向上、緑空間の復元)
【内容】
●施工時期
平成11年度∼
●施工内容
・厚狭郡山陽町山野井ほか道路
法面に潜在自然植生の苗木を
植樹
●環境配慮の内容と方法、工法
・道路法面の樹林化により、CO2 の吸収が期待される。
・潜在自然植生種を用いることにより、周囲の森林と一体となった森林空間が確保
されることとなり、他の潜在的な動植物にとっても、棲息しやすい環境となる。
・沿道に対しては、騒音低減、景観向上等の効果が期待される。
●環境配慮の留意点
・気象、土壌、沿道土地利用等により、樹種も異なると考えられることから、各分
野の専門家からなる「やまぐちネイチャーグリーンロード検討委員会」を設立し、
樹林化にあたっての配慮事項を検討いただいている。
●事業に係る照会先:国土交通省山口工事事務所調査設計課
-48-
tel 0835-22-1785
1)道路における事例(林道における事例)
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
大規模林道鹿野・豊田線徳地・阿東区間
事例1)−⑩
事業主体
緑資源公団
・小動物への配慮
【内容】
●施工時期
平成5年度∼平成12年度
●施工内容
当区間は、徳地町と阿東町を結
ぶ林道であり、通過する森林地域
の林産物の搬出や地域開発、山村
振興等の役割を果たす路線である。
延長:7.6 km
幅員:7.0m(2車線)
●環境配慮の内容と方法、工法
・林道の開設により 、設置された側溝に小動物(ヘビ 、カエル等)が転落した場合、
這い上がれるようにスロープ付きの側溝を設置している。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:農林部森林整備課林道係
-49-
tel 083-933-3491
1)道路における事例(林道における事例)
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
ふるさと林道
豊田湖一ノ俣線
事例1)−⑪
事業主体
山口県
・景観への配慮
・自然にやさしい木製資材の利用
【内容】
●施工時期
平成10年度
●施工内容
当路線は、豊田町の地吉と一ノ
俣を結ぶ林道であり、山村地域の
振興と定住環境の改善の役割を果
たす路線である。
また、地吉の豊田湖畔公園と一
ノ俣温泉を結ぶ。
延長:11.8 km
幅員: 5.0m
●環境配慮の内容と方法、工法
・地吉の豊田湖畔公園に隣接し、周囲の景観との調和と自然にやさしい木製資材の
利用を図るため、ウッドブロック、木柵、木製法枠を使用している。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:豊田農林事務所森林部
-50-
tel 0837-66-1182
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−⑫
小郡萩道路・第2大田川橋(美東町川上
地内)
事業主体
山口県
周辺環境への与える影響の最小化
(貴重生物モリアオガエルの産卵池や周辺環境の保全)
【内容】
●施工時期
平成12年度∼13年度
●施工内容(工事名)
橋梁下部工
工事用仮設道路
●環境配慮の内容と方法、工法
・モリアオガエルの産卵池と背後の生息圏との移動経路を確保するため工事用仮設道路の
一部を桟橋形式とした。
・桟橋施工部の伐採は人力伐採とした。
・産卵池への濁水対策として工事用仮設道路施工前に排水側溝を施工した。
・床堀影響範囲の表土をあらかじめ採取して保存し、埋戻し後の裸地化した場所に
撤き出すことにより郷土種による植生回復を図った。また表土の流出対策として
編柵工を行い表面保護としてヤシ繊維の浸食防止マットを施工した。
●環境配慮の留意点
・モリアオガエルの移動に必要と考えられる草地を極力現状のまま保全する。
・モリアオガエルの産卵池への影響が極力少なくする。
●事業に係る照会先:美祢土木事務所
tel
-51-
0837-52-1105
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−⑬
宇部空港線(宇部市亀浦地内)
事業主体
山口県
沿道環境の保全
【内容】
●施工時期
平成12年度∼14年度
●施工内容(工事名)
施工延長:2,200 m
道路幅員:11.0 m
●環境配慮の内容と方法、工法
・排水性舗装
この特殊舗装は雨天時にヘッドライト等による路面の反射がなく、センターラインなどの視
認が良好なため走行の安全性や快適性に優れている。また、通過車両の走行音
が一般の舗装に比べて少ないのに加え、雨天時に車両による水跳ねがないため
に減音効果がさらに増加するなど周辺環境やドライバー、歩行者にもやさしい
道路となった。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:宇部土木建築事務所
-52-
tel 0836-21-7125
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−⑭
一般国道434号(錦町広瀬地内)
事業主体
山口県
自然環境及び景観に配慮した法面保護
【内容】
●施工時期
平成12年度∼13年度
●施工内容(工事名)
当路線は、平瀬ダム建設に伴う、一
般国道434号の付替道路区間である。
延長
幅員
L=50.0m
W=7.5(10.0)m
*モルタル吹付面には14年度で植生を施行
予定
●環境配慮の内容と方法、工法
・この現場は、風化の進みやすい岩盤であるため、法面勾配1:0.5の吹付法枠
工(枠内モルタル吹付)での施工が計画されていた。しかし、周辺には緑豊かな
環境が続いており、当現場のように長大法面の箇所にコンクリート面が露出する
ことは、景観上好ましくないため、法枠工の上からでも植生を施すことの出来る
ジオファイバー工法(連続繊維補強土工)で施工した。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:錦川総合開発事務所
-53-
tel
0827-72-3744
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−⑮
一般国道437号(東和町大字和田)
事業主体
山口県
藻場保護に配慮した道路計画設計
【内容】
●施工時期
平成10年度∼14年度
●施工内容(工事名)
当路線は、大島郡内広島湾沿いの重
要な幹線道路であると伴に、愛媛県
と山口県を結ぶ唯一の未改良区間で
ある。
延長
幅員
L=3,000m
W=10.0m
●環境配慮の内容と方法、工法
・当該地域の山林は魚つき保安林の指定であると伴に、海浜部には魚の産卵育成場
所となる藻場が広範囲に分布していることから、道路改良事業の路線選定にあた
っては、魚類等における生態系保持に配慮し、これらの環境に極力影響を与えな
いように慎重に計画した。
・埋立路線計画を最小限に抑える工法としては逆T擁壁を採用し、コンクリートに
は、3%の黒色顔料を加え海側型枠は普通合板を使用し、海面への反射光を極力
抑えた。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:大島土木事務所
tel 0820-72-0030
-54-
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−⑯
北中山岩国線(和木町大字関ヶ浜地内)
事業主体
山口県
道路工事における切土・盛土より発生する濁水が河川へ流出し、河川環
境を阻害することを防止するため、河川への流出部に汚濁防止フェンスを
設置し流出拡散を防止する。
【内容】
●施工時期
平成12年度∼16年度
●施工内容(工事名)
切土工=17,000m3
盛土工=88,000m3
河川付替工=900m
汚濁防止フェンス=80m
●環境配慮の内容と方法、工法
・道路工事における切土・盛土より発生する濁水や土砂が河川へ流出し、河川環境
を阻害することを防止するため、河川への流出部に汚濁防止フェンスを設置し、
濁水の流出を防止する。
●環境配慮の留意点
・流出が予想される濁水量の把握より、適切な規模で汚濁防止フェンスを設置する
必要がある。
●事業に係る照会先:岩国土木建築事務所
-55-
tel 0827-29-1540
1)道路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例1)−⑰
小野田山陽線(小野田市千崎地内)
事業主体
山口県
地域景観の保全
【内容】
●施工時期
平成13年度
●施工内容(工事名)
道路改良施工延長 :1,700m
クスノキ(移植) :50本
●環境配慮の内容と方法、工法
・旧道路沿線に植樹されていたクスノキを小野田インターチェンジ周辺の公共空地
に移植し、周辺環境との調和を図った。
・クスノキは小野田市の市木であり、景観樹、街路樹に適している。
●環境配慮の留意点
・クスノキは高木であり、将来はドライバーの視線から橋梁等の人工構造物を遮
り、潤いのある環境造りに配慮。
●事業に係る照会先:宇部土木建築事務所
-56-
tel 0836-21-7125
2)河川・水路等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−①
一の坂川(山口市後河原)
事業主体
山口県
・ゲンジボタルの生息地として天然記念物に指定されている河川でのホタ
ル生息条件の保全
・河川改修にあたり、ホタルの保護と防災(氾濫防止)の調和の取れた改
修方式としてホタル護岸工法を実施
【内容】
●施工時期
昭和47年度
∼昭和55年度
●施工内容
雑割石空積護岸工
左右岸L=570m
両岸に人家が密集し、川幅
を広げることは困難なため、
河床を1∼2m程度掘り下げ、
河積を確保した。
●環境配慮の内容と方法、工法
次のような配慮によってホタル護岸工を実施している。
・改修後の計画河床勾配が 1/120 で、常時の流速が 30cm/sec を越えるため、詰杭工
により蛇行した低水路と落差を設け流速を軽減した。
・高水敷部は、若干の勾配をつけた空玉石張りとし、石張りの目地部にセリやアキ
カサスゲ・ヨモギ・柳を植え日陰を形成した。(流心に近い部分は草丈の低いもの)
・高水部護岸工は、ホタルの幼虫が這い上がって土中に潜る部分になるため、苔類
が付きやすい割石(萩市笠山産)の空石積みとした。
・護岸天端部に桜や柳、サツキを植えて、河道内への直射日光を和らげ日陰を形成
した。
●環境配慮の留意点
・工事実施の際は、水中部の河床掘削はできるだけホタルの幼虫が陸上で生活する
時期(4月上旬∼7月中旬)に、陸上部の掘削や盛土は幼虫が水中で生活してい
る時期(7月中旬∼4月上旬)に施工するのが望ましい。
・ホタル護岸の施工後は、ホタルの生息条件が十分整っていないため、幼虫やカワ
ニナを直ちに放流する必要がある。
・鯉を放流している河川では、ホタル護岸は適さない 。
(カワニナは鯉の餌となる
ため、ホタルと鯉とは共存できない。)
●事業に係る照会先:山口土木建築事務所工務課
-57-
tel 083-922-1070
2)河川・水路等における事例
場
所
事例2)−②
木屋川(豊田町西市)
事業主体
山口県
環境配慮の ・連節ブロック護岸工によるホタルの生息環境の創出
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
昭和55年度
∼平成元年度
●施工内容
連節ブロック護岸工
左右岸L=650m
●環境配慮の内容と方法、工法
・ホタル河道新設………天然記念物であるホタルの生息環境の創出
・低水路、低水護岸
流路を本川から分け流速を低下させ、さらに、高水敷に植栽を行い、日陰を
創出することによりホタルの生息が期待できる。
●環境配慮の留意点
・中規模河川での施工が適する。
●事業に係る照会先:豊田土木事務所工務課
-58-
tel 0837-66-0185
2)河川・水路等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−③
吉敷川(山口市吉敷)
事業主体
山口県
・源氏ボタルの天然記念物指定河川のため、ホタル保護に配慮した護岸工
法を採用した。
【内容】
●施工時期
昭和57年度
∼平成6年度
●施工内容
河川断面の拡幅改修
●環境配慮の内容と方法、工法
・常時の流速が 30cm/sec を越えるので、詰杭工により低水路と落差を設け、流速の
低減を図った。
・高水敷部は空石張りとし、石張りの目地に土砂を詰め、草を繁茂させ日陰を作っ
た。
・ホタル用ブロック護岸とし、ブロックの空隙部分に植生土嚢を詰め、ホタルのさ
なぎになる場所を確保した。
・護岸天端部に桜及びツツジを植え、河道内の直射日光を和らげている。
●環境配慮の留意点
・工事実施の際は、水中部の河床掘削はできるだけホタルの幼虫が陸上で生活する
時期(4月上旬∼7月中旬)に、陸上部の掘削や盛土は幼虫が水中で生活してい
る時期(7月中旬∼4月上旬)に施工するのが望ましい。
・ホタル護岸の施工後は、ホタルの生息条件が十分整っていないため、幼虫やカワ
ニナを直ちに放流する必要がある。
●事業に係る照会先:山口土木建築事務所工務課
- 59-
tel 083-922-1070
2)河川・水路等における事例
場
所
事例2)−④
糸米川(山口市糸米)
事業主体
山口県
環境配慮の ・市民のレクリエーションの場として、「水と花と歴史の森」の整備
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
昭和 63 年度∼平成 5 年度
●施工内容
導入空間
里の広場
多目的広場
パーゴラ
便所
格調高い空間
ほたるの路
庭園、一の滝
お花見の空間
梅林、四阿
水車小屋
水遊び空間
水辺の広場
二の滝親水護岸など
アクティブな森林空間
森の広場、石橋、三の滝
冒険の森など
●環境配慮の内容と方法、工法
・護岸については、自然になじませるため、自然石を使用した。また水と親しめる
空間を設け、階段式護岸、ゴロ太式の河原、増水時には水面下に潜る石造りの潜
水橋を整備した。
・自然の斜面を利用して木製遊具を配し、森を訪れる子供達に遊びの中で、郷土の
自然を満喫できる空間となるよう整備した。
・植栽は、現況の地形・植生を十分考慮しながら、山間の雰囲気を演出する植物を
選択した。花木を中心とした植栽を行い、谷間空間を明るく賑わいのある散策路
にするとともに、四季感の演出を行った。
●事業に係る照会先:山口土木建築事務所工務課
- 60-
tel 083-922-1070
2)河川・水路等における事例
場
所
事例2)−⑤
長門市仙崎字青海島
事業主体
山口県
環境配慮の ・北長門海岸国定公園第 2 種特別地域であり自然環境の保全
基 本 的 な ・渓流及び森林の整備に当たり景観と調和のとれた護岸工等を実施
視点や内容
【内容】
●施工時期
平成 6 年度∼平成 7 年度
●施工内容
渓流に床固工、護岸工を施工
し、渓間の安定を図るとともに
周辺森林を改良し、環境保全、
保健休養の機能を高める
●環境配慮の内容と方法、工法
・簡易治山施設の床固工・護岸工には自然石を使用した練石積、石組等で施工し、
自然景観と調和を図っている。
・自然林の改良は最小限とし、不良木等の伐採跡地には鳥類等を誘致するため結実
する広葉樹を植栽している。
●事業に係る照会先:豊田農林事務所森林部
- 61-
tel 0837-66-1182
2)河川・水路等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−⑥
下方川(下関市大字小野)
事業主体
山口県
・砂防ダムを核としながら、自然と人が様々なコミュニケーションをして
いく空間「緑の砂防ゾーン」を創出
【内容】
●施工時期
昭和 63 年度∼平成 5 年度
●施工内容
砂防ゾーンに公園としての利
用が可能な緑を生かしたレクリ
エーション施設を配備している。
遊 具 等
砦タワー
布団篭の山・谷等施設
パーゴラ、トイレ、駐車場
植 栽
高木 143 本、低木 1680 本
●環境配慮の内容と方法、工法
・護岸等について、できるだけ自然になじませるため、木材や自然石を中心に使用
することを心がけた。
・大もみじをシンボルツリーとして位置付け、樹林については、紅葉する樹種を選
定した。
・現況木やもみじ林の中に木製遊具を点在させるとともに、布団篭の山、谷くねく
ね蛇篭、芝生の土手(導流堤)を使った。
・オリジナルの遊具を使用し、砂防ゾーンならではの特徴ある遊び場を提供した。
・小学校高学年を対象とした学習ゾーンやわかりやすい案内板を設置し、砂防への
理解を深めてもらうよう努力している。
●事業に係る照会先:下関土木建築事務所工務課
- 62-
tel 0832-23-7101
2)河川・水路等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−⑦
大田川(美東町大田)
事業主体
山口県
・在来種(動植物)を調査した後、復元対象種を絞り込み、その復元のた
めに、いろいろな工夫をしている。
・10年後の本川に、生き物たちの豊かな生息空間が育つことを目指す。
【内容】
●施工時期
平成10年度
∼平成11年度
●施工内容
ビオトープ及びワンドの創出
●環境配慮の内容と方法、工法
・石と石の間や石と川底の隙間、
水辺に落ちている木々の影の
下は、小さな魚たちの格好の
隠れ場所であり、石の隙間は
大水の時の避難場所となる。
大きな木の枠の中に大きな石
を詰めて、このような環境を
再現する。
・岸沿いの土手がえぐれて影に
なっているような場所には、
大小さまざまな魚が棲み着い
ている。岸が崩れないように
カゴマットで保護しながら、
ヤシロールで影になるところ
をつくり、魚の棲み易い環境
を復元する。
・流れが緩やかな浅瀬に、植物
が茂っているようなところは、
コエビやヤゴ、稚魚の生息場
所である。このような場所は、
オヤニラミの産卵場所にもな
る。水草の茂る浅瀬をガマ植
付等により復元させ、エビや
小さな魚の生息場所をつくる。
●環境配慮の留意点
・上下流を含めた本川及び周辺の環境を綿密に調査・観察し、それを再現できるよ
う工夫した。なお、アドバイザーとして水産大学校の魚介類が専門の先生の意見
を最大限に活用した。
●事業に係る照会先:美祢土木事務所工務課
- 63-
tel 0837-52-1105
2)河川・水路等における事例
場
所
事例2)−⑧
仁保川(山口市仁保上郷)
事業主体
山口県
環境配慮の ・魚道付き全断面スロープ式落差工による魚類等の遡行への配慮
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
昭和55年度
∼平成11年度
●施工内容
全断面スロープ式落差工
アイスハーバー式魚道
●環境配慮の内容と方法、工法
・床止め工の技術的基準を満足しながら、コンクリートの見えない自然と調和する
様な形状とした。
・上下流端を長くし、魚道と落差工の形状を一体化した。
・表面は、現場発生の自然石を使用し、凹凸を出して流速を低減させた。
・渇水時には、流量が少ないので全断面が魚道とならないことから、自然石を使用
したアイスハーバー式の魚道を附した。これにより、流量の少ない時期における
魚類の遡行に配慮することができた。
・落差工の下流部に「よどみ」と「魚巣ブロック」を設置し、遡上しやすい状態に
した。これは、魚のたまり場、隠れ場、渇水時の避難場所としての役目も果たし
ている。
●環境配慮の留意点
・緩い勾配とすることで、小動物(カニ・イモリ)等も自由に上下移動できる様に
した。
●事業に係る照会先:山口土木建築事務所工務課
- 64-
tel 83-922-1070
2)河川・水路等における事例
場
所
事例2)−⑨
椹野川(小郡町下郷)
事業主体
山口県
環境配慮の ・魚がのぼりやすい魚道の改築
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
平成8年度
●施工内容
魚道の改築
●環境配慮の内容と方法、工法
・魚道が突出型で、堰直下まで遡上してきた魚、および河岸を遡上した魚が魚道入
口を発見しにくい状況であったため、改築により魚道入口を堰直下に設置したこ
とにより遡上魚が容易に入口を発見できる様にした。
・渇水時に魚道が機能する様、上流に水位変動施設としてゲートを3基設置した。
・設置後、遡上調査を行ったところ、非常に良好な結果を得ている。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:山口土木建築事務所工務課
- 65-
tel 083-922-1070
2)河川水路における事例
場
所
事例2)−⑩
熊毛郡熊毛町
事業主体 山口県
環 境 配 慮 の 本事業で行う水路は、幹線水路(県営ほ場整備事業)の機能
基 本 的 な を有するとともに、国の特別天然記念物「ナベヅル」の生息活
視点や内容 動場所としての役割も果たしており、ツルの生態系や環境等に
配慮した設備が必要である。
【内容】
●施工時期
H9 ∼ H12
●施工内容
生態系保全水路 L=330 m
農道舗装
L=1,800 m
法面緑化
一式
●環境配慮の内容と方法、工法
・事業の整備に当たっては 、「特別天然記念物八代のツル及びその渡来
地対策委員会」の答申に基づき、ツルが活動しやすい工法を選定する
とともに地域住民の集落活動を助長し、ツルと人間との共存による地
域の活性化を図る手法。
・排水路をフリーロック工法で整備し、ツルの活動や集落の環境に配慮
する。
・美しい農村景観を構築するため 、農道の舗装に加え法面の植栽を行う。
・農地や農業用施設の法面緑化を行う。
●環境配慮の留意点
ツルの生息や繁殖に必要な環境整備を地域住民が一体となってより
一層進めることが重要なことから組織体制を充実させ「人とツルの共
存」をメインテーマにツルの里づくりを推進していく。
●事業に係る照会先:農村整備課農村整備係
- 66-
tel 083-933-3409
2)河川水路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−⑪
熊毛郡熊毛町八代地内(河原畑川)
事業主体
山口県
当該地区はナベヅルの越冬地であり、毎年貴重なツルが渡来してくるため
ツルが安心して水辺へ近づける空間を確保する必要がある。このため、砂
防事業を行う際には、ツルの生態的特徴を把握するとともに工法、施工時
期に配慮し、ツルの生息環境を保護することが求められている。
【内容】
●施工時期
H8∼H14
(非飛来期の4月∼9月)
●施工内容
砂防ダム
1基
(H=10.0m)
(L=82.0m)
護岸工
710m
(うち沈砂池 1箇所)
●環境配慮の内容と方法、工法
ツルは非常に警戒心が強く樹林や草丈の高い草原等は天敵が潜む隠れ家となるた
め、本能的に近づかない。またコンクリート等の白く照り返しのあるものに対して
も警戒するため、法面及びコンクリート構造物の表面処理法には検討を要す。
またツルの飛来期である10月から3月にかけては、工事がツルに与える影響に
配慮し、工事を行わないこととしている。
(砂防ダム)
本堤掘削等により発生した残土で本堤前面を覆土し、丈の低い草木で緑化する。ま
た水通し部等で緑化できないところは、照り返しを抑えるため化粧型枠を使用し、表
面を着色して周囲の景観に馴染ませる。
(護岸工)
緑化ブロックや化粧型枠を使用することにより、護岸表面の照り返しを抑え、また
表面を着色することにより周囲の景観に馴染ませる。
●環境配慮の留意点
ツルの警戒心を和らげ、当地区に近づきやすい工法を採用する。
●事業に係る照会先:徳山土木建築事務所工務第二課
- 67-
tel 0834-21-3593
2)河川・水路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−⑫
椹野川(山口市矢原地内)
事業主体
山口県
「魚ののぼりやすい川づくり推進モデル事業」に指定されている椹野川
において、魚道の設置・改築を行い、アユ等の遡上空間を確保する。
【内容】
●施工時期
平成12年度
●施工内容(工事名)
固定堰に設置されている魚道の改築
●環境配慮の内容と方法、工法
・改築前は斜路型の魚道で、流速が2m程度でアユの最大遊泳力を超えていた。ま
た、魚道が河川中央に位置しており川岸沿いを遡上してきた魚が魚道入口を発見
できない状況であった。そこで、堰直下まで遡上してきた魚がどの地点でも容易
に遡上できるようなプールタイプの全面魚道に改築した。
・魚道入口直下流の水深が常に30㎝以上確保できるように、下流水位から30㎝
掘込んだ形状とした。
●環境配慮の留意点
・全面魚道を設置する際は、渇水時の対策として魚道の一部を他より下げて、流
水が少ないときに魚道内の水深を確保できるようにする。また、これをみお筋
上に設置することにより、より一層の効果が期待できる。
●事業に係る照会先:山口土木建築事務所
-68-
tel 083-922-3954
2)河川・水路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−⑬
椹野川(山口市富田原地内)
事業主体
山口県
「魚ののぼりやすい川づくり推進モデル事業」に指定されている椹野川
において、魚道の設置・改築を行い、アユ等の遡上空間を確保する。
【内容】
●施工時期
平成12年度∼13年度
●施工内容(工事名)
可動堰に設置されている魚道
の改築
●環境配慮の内容と方法、工法
・改築前は階段式全面越流型の魚道で、遡上魚の休息場所が無く、また強い循環流
を生じていた。そこで遊泳力の弱い稚アユ等が休息できる場所を設けることによ
り遡上しやすくできる、アイスハーバー型魚道に改築した。
・既設魚道最上端隔壁はスリット形状となっており、上流河川水位の変動に対応で
きる構造となっていたが、スリット幅が広い為魚道内流量変動が大きくなってい
た。改築後はスリット構造をバーチカルスロット形状とし、スリット幅を狭くし
魚道内流量を安定させ水位変動を安定させ水位変動に対応する形状とした。
●環境配慮の留意点
・魚道入口の発見を容易にし、中央堰エプロン上への迷い込みを防止するため、
エプロンからの水流を魚道の呼び水水路とするような対策が必要。
●事業に係る照会先:山口土木建築事務所
-69-
tel 083-922-3954
2)河川・水路における事例
場
事例2)−⑭
所
一の坂川(山口市後河原地内)
環境配慮の
基本的な
視点や内容
魚類の良好な生息環境の確保
事業主体
山口県
【内容】
●施工時期
平成13年度∼
●施工内容(工事名)
護岸ブロックの根継工
●環境配慮の内容と方法及び工法
・根継工に魚巣ブロックを配置することにより、現在生息している魚類(コイ等)
に同様の環境を与える。
●環境配慮の留意点
・河床洗掘場所に根継を施工するもので、淵を残しながら護岸の保護も行う必要が
ある。
●事業に係る照会先:山口土木建築事務所
-70-
tel 083-922-3871
2)河川・水路等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−⑮
錦川(岩国市多田地内)
事業主体
山口県
日本三大美竹林の一つに数えられた錦川の竹林を、河道拡幅後の護岸に
移植し、河畔林としての機能回復を目指し、自然環境の保全を図る。
【内容】
●施工時期
平成9年度
●施工内容(工事名)
・岩国市多田地区において実施さ
れている錦川の河道拡幅工事に
伴い、拡幅した左岸の河岸に、
元の河岸の河畔林の竹を掘取り、
移植を行う。
L=1,200m
●環境配慮の内容と方法、工法
・錦帯橋から御庄川合流点までの間の河畔林の竹林は、日本三大美竹林の一つに数
えられている。河道拡幅工事により、その河畔林を伐竹してしまうことから、竹
を移植し、河畔林としての機能回復を目指す。竹林に成長するまでには時間がか
かるが、自然環境の保全に寄与するものである。
・竹は、移植しやすいに背丈を約3.5mで切っている。
・約1.5mの間隔で移植をしている。
・護岸は、厚さ0.3mのカゴマットに、厚さ1.0mの覆土の構造である。
●環境配慮の留意点
・移植の時期は、11月∼12月までの芽子のあまりふくらまないうちが望ましい。
●事業に係る照会先:岩国土木建築事務所
-71-
tel 0827-29-1540
2)河川・水路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−⑯
九田川(山口市平井地内)
事業主体
山口県
天然記念物(山口市源氏ボタル)の指定区域内河川のため、ホタル保護
に配慮した護岸工法を採用した。
【内容】
●施工時期
平成9年度∼15年度
●施工内容(工事名)
河川断面の拡幅改修
●環境配慮の内容と方法、工法
・護岸法面に緑化(ホタル)ブロックを使用し、空洞内に土嚢(植生)を充填する
ことにより、ホタルや昆虫類が集まる日陰や湿潤状態を確保した。
・魚類への配慮として、水面下に魚巣ブロックを配置し、小型魚の育成空間を確保
した。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:山口土木建築事務所
-72-
tel
083-922-3825
2)河川・水路等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−⑰
荒瀬川(岩国市大字荒瀬地内)
事業主体
山口県
災害により被災した河川護岸の復旧に際し、魚類や昆虫の生息及び植生
に配慮し、環境保全型ブロックを使用した。
【内容】
●施工時期
平成13年度
●施工内容(工事名)
護岸工:L=13.3m
(A=53m2)
根固めブロック=15個
ふとん籠=8m
●環境配慮の内容と方法、工法
・環境保全型ブロックによる護岸復旧により、魚類や昆虫の生息環境、及び植生環
境に配慮した。
●環境配慮の留意点
・付近に生息する動植物の状況を把握するとともに、河川の流速や河床状況を考慮
し治水上からも適切なブロックを選定する必要がある。
●事業に係る照会先:岩国土木建築事務所
-73-
tel
0827-29-1540
2)河川・水路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−⑱
真締川(宇部市琴芝地内)
事業主体
山口県
市街地における親水施設の整備
【内容】
●施工時期
平成10年度∼
●施工内容(工事名)
計画延長 L =4,400m
●環境配慮の内容と方法、工法
・市街地を貫流している河川であり市民に親しまれる豊かな河川環境の創造に努め
る。(川づくり検討委員会の答申の遵守)
●環境配慮の留意点
・「都市景観形成モデル都市」−−平成元年指定(宇部市)
・「ふるさとの川モデル事業」−−平成3年度指定
●事業に係る照会先:宇部土木建築事務所
-74-
tel
0836-21-7125
2)河川・水路等における事例
場
所
事例2)−⑲
錦川(徳山市須万地内)
事業主体
山口県
環境配慮の 法面緑化
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
平成13年度
●施工内容(工事名)
法面保護マット 450m2
●環境配慮の内容と方法、工法
・生分解性のヤシ繊維マットを使用することにより植生が生育するまでは法面の浸
食を防止し、マットは数年後には腐食分解するため、法面を保護しつつ植生を回
復することができる。
●環境配慮の留意点
・コンクリート等を使用しない護岸工法
●事業に係る照会先:錦川総合開発事務所
-75-
tel 0827-72-3744
2)河川・水路における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−⑳
沢波川(宇部市西岐波地内)
事業主体
山口県
市街地周辺における緑化
【内容】
●施工時期
昭和63年度∼平成18年度
●施工内容(工事名)
河川改修延長: L = 4,100 m
計画河床幅員 W = 4.9 ∼ 9.4 m
●環境配慮の内容と方法、工法
・当河川は市街地を流れる河川であり、鳥獣保護区にも指定されているため護岸等
の構造物を多自然型で整備する。
・環境ブロック(護岸)の天端は花が植えられる構造としており、地元住民のボラ
ンティアで毎年花を植え、潤いのある施設として適正な管理をする。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:宇部土木建築事務所
-76-
tel 0836-21-7125
2)河川・水路等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−
頭振川(長門市俵山地内)
事業主体
山口県
砂防ダム下流の砂溜工に「緑の砂防ゾーン」を創設することにより自然
環境を確保した。
【内容】
●施工時期
平成7年度∼平成12年度
●施工内容(工事名)
・堰提工(H= 10m W= 60m)
・自然石を使用した流路工及び
沈砂池
・公園施設(トイレ、休憩室、
野鳥観察小屋等)
●環境配慮の内容と方法、工法
・砂防ダム下流に砂溜工として、樹木を植栽し、土砂の堆積や流木を捕捉する効果
を高める「緑の砂防ゾーン」を整備した。
●環境配慮の内容と方法及び工法
・自然林を残し、野鳥の生態に配慮した。
・隣接する多目的交流広場、熊野山公園と調和した砂防公園として整備した。
●事業に係る照会先:長門土木建築事務所
-77-
tel
0837-22-2920
2)河川・水路等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例2)−
田万川(田万川町大字下田万地内)
事業主体
山口県
田万川河口域における多様な生物の生息環境を形成する。
【内容】
●施工時期
平成10年度∼14年度
●施工内容(工事名)
・萩・阿武地域河川環境管理基本
計画により 、「地域文化の創世・
ふれあいの拠点」をテーマに整
備を行っている。
●環境配慮の内容と方法、工法
・コンクリート法枠護岸を捨石護岸に再整備し、多孔質な空間を形成する。
・河口域に自生する葦を移植し、生物の生息空間を多様化する。
●環境配慮の留意点
・モクズ蟹の遡上に配慮した捨石護岸の整備。
●事業に係る照会先:萩土木建築事務所
-78-
tel 0838-22-0043
3)ダム・堰堤等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例3)−①
内日ダム(下関市内日)
事業主体
山口県
・豊かな自然に囲まれた農業用水利施設周辺の持つ美的環境資源を整備す
ることにより都市と農村の憩いとふれあいの場として豊かで潤いのある
農村環境を創造する。
・農業水利施設の適切な運営及び維持管理を図る。
【内容】
●施工時期
平成元年度
∼平成 3 年度
●施工内容
環境施設
休憩所、便所、
テーブル、ベンチ、
吸い殻入れ、屑入れ、
駐車場、植樹
基盤施設
園内道路、広場整備
安全施設
●環境配慮の内容と方法、工法
・花と緑の水辺創造
豊かな自然を背景にサクラ、ツツジ等の花木によって修景し、花の名所とす
る。
・ふれあいの場の創出
地域住民のレクリエーションの場あるいはコミュニティ活動の拠点として整
備する。
・沿道景観の向上
県道の改良により交通量が増加すると予想されるので、花木、紅葉の美しい
樹木等の導入を図り、沿道修景の向上に努める。
●事業に係る照会先:農村整備課水利農道係
- 79-
tel 083-933-3413
3)ダム・堰堤等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例3)−②
石井ダム(柳井市馬皿)
事業主体
山口県
・恵まれた周辺の豊かな自然と市街地に近接した好立地条件下にあるため
広く市民のふれあいと憩いの場とする。
・農業用水利施設周辺の持つ水辺空間を活かし、市民の心にやすらぎと潤
いを与えるような親水機能を持った水辺公園とした。
【内容】
●施工時期
平成 3 年度∼平成 5 年度
●施工内容
環境施設
便所、あずまや
展望等
ウォーターシュート
パーゴラ、植樹
防犯灯、駐車場
基盤施設
園内道路、広場整備
護岸ブロック
●環境配慮の内容と方法、工法
・ダム堤付近を全体の核となるふれあい広場とし、主要な施設を配置した。
・周辺の管理道をサイクリングやハイキング等の周回性を持つコースとして利用す
るため、展望の良い場所や集落付近に休憩できる広場を整備し、施設を設けた。
●環境配慮の留意点など
・各施設の種類、形式の決定にあたっては予算上の制約があるが、利用者の声を十分
取り入れる必要がある。
●事業に係る照会先:農村整備課水利農道係
- 80-
tel 083-933-3413
3)ダム・堰堤等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例3)−③
美祢市伊佐山町堀越字桜山
事業主体
山口県
・治山施設の整備を行った保全林内に、住民が森林に入り込むことによっ
て心身の健康保持を期待し、同時に土砂の流出防止・水源涵養等の公益的
効用を高める。
【内容】
●施工時期
平成 5 年度
●施工内容
防火潅水施設
(コンクリートダム工)
管理車道
周辺の森林整備
●環境配慮の内容と方法、工法
・コンクリートダム工は、景観に配慮した化粧型枠を使用した割石積みのコンクリ
ートの表面にし、ダムの周辺下流の護岸工等の施工は、現場の転石を使用し自然
を生かした工法を使用した。
●事業に係る照会先:美祢農林事務所森林部森林整備課事業班
- 81-
tel 0837-52-1071
3)ダム・堰堤等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例3)−④
三軒屋(徳山市大字栗屋)
事業主体
山口県
・工事箇所が人家・道路等の上部に位置しており、特に道路視点からの景
観に配慮
【内容】
●施工時期
平成 6 年度
●施工内容
施工性、現地発生土の処理等
を考慮して土留工、緑化工等を
実施し山腹法面の安定を図る。
●環境配慮の内容と方法、工法
次のとおり配慮して、山腹工(土留工、緑化工等)を実施している。
・土留工は、壁面が緑化できる簡易鋼製土留(スーパーグリーンウォール)を採
用し、自然環境を保持する。
・緑化工は、種子・肥料を混入した植生土のう、むしろ(人口張芝)を使用して
いる。
・また、植栽工として在来種のヤシャブシを植栽している。
・現地発生土等の処理が可能となり、残土量が軽減できた。
●環境配慮の留意点など
・簡易鋼製土留(スーパーグリーンウォール)は、背面土が粘性土の場合は不適と
なる。
●事業に係る照会先:徳山農林事務所森林部森林整備課事業班
- 82-
tel 0834-21-3598
3)ダム・堰堤等における事例
場
所
事例3)−⑤
菅野ダム(徳山市)
事業主体
山口県
環境配慮の ・水道用水の水源でもあるダム貯水池の水質の保全
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
平成6年度
∼平成9年度
●施工内容
水質保全のため、ダム貯水池
に水質保全設備(曝気循環装置)
7基設置
●環境配慮の内容と方法、工法
・ダム貯水池等では、春から夏にかけて表層部の水温が次第に上昇し、植物プラン
クトンが増殖しやすい環境が整うことになり、増殖し過ぎた場合にはアオコ等が
発生する。
・曝気循環装置は、貯水池中層部から空気を放出し表層水と中層水を循環させるこ
とにより、表層水の水温の低下を図るとともに、発生した植物プランクトンを表
層と中層間を循環させ、増殖しやすい環境を破壊することで植物プランクトンの
発生又は増殖を抑制する。
・菅野ダム(菅野湖)では、貯水池の大きさ、形状を考慮し曝気循環装置7基を設
置した。
●環境配慮の留意点
・曝気循環装置の歴史は浅く、貯水池の特性も違うことから、運用方法については
運転結果を踏まえ、今後検討していく必要がある。
●事業に係る照会先:菅野ダム管理事務所
- 83-
tel 0834-86-2331
3)ダム・堰堤等における事例
場
所
事例3)−⑥
佐波川ダム(徳地町)
事業主体
山口県、徳地町
環境配慮の ・ダム湖の水辺空間を活用し、親水機能を持った公園等の施設の整備
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
平成5年度
∼平成10年度
●施工内容
オートキャンプ場
親水公園
森の恵み公園
●環境配慮の内容と方法、工法
・周辺の自然を代表する場として、また、周辺の自然へ人々を誘発する拠点となる
場として整備した。
・町内活性化の一つの拠点として、人々に楽しい時間あるいはリフレッシュできる
時間を提供できる場として整備した。
・各エリア及び各施設を結ぶ動線を歩行者専用の遊歩道として位置づけ、親水性も
配慮し、基本的に水際に設置した。
●環境配慮の留意点
・親水性も配慮し水際に設置した遊歩道と多自然型護岸をいかに現状地形を利用し、
うまく配慮できるか。また、多自然型護岸を周辺環境とマッチさせた構造にでき
るかどうか。
●事業に係る照会先:佐波川ダム管理事務所
- 84-
tel 0835-56-0020
3)ダム・堰堤等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例3)−⑦
飛石川(むつみ村飛石地内)
事業主体
山口県
土砂災害防止の為に堰堤と護岸工の施工に併せて、
「水辺の楽校プロジェ
クト」として、自然環境を生かした体験学習が可能な水辺空間の整備を図
り、子供達に自然学習の場を提供する砂防公園等の施設である。
【内容】
●施工時期
平成5年度∼平成13年度
●施工内容(工事名)
堰提工
護岸工
公園整備
面積約 0.4 ha
電気学習館
自然学習館
水力発電施設
水辺観察池
炊事棟
便所等
●環境配慮の内容と方法、工法
・堰堤に関しては柔らかみのある、圧迫感の無い曲線を有したデザインを演出して
いる工法で行った。
・護岸工については、自然環境や周辺との調和を考慮して多段式及び自然石等を使
用した。
・学習館等については、周辺自然に調和を図るため、ログを強調し、休憩施設を兼
ね基本的にはオープン方式とした。
・水辺観察池については、子供達が水辺とふれあい学習が出来るよう緩やかなこう
配の、多自然工法で施工し、水深は幼児の股下程度にし、池にはメダカ、ハヤ等
を放流した。
●環境配慮の留意点
・川の持つ様々な機能と、自然の調和等を考慮し、人々が集い楽しむ水辺として、
また、自然とふれあいを通じた遊びや、生活体験等の空間を作るため、施設等の
整備を図りつつ現存の自然を極力保全した。
●事業に係る照会先:阿東土木事務所
tel 08395-4-0031
-85-
4)急傾斜地崩壊防止施設等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
厚狭郡山陽町大字厚狭字下新入道
事例4)−①
事業主体
山口県
・山腹崩壊地及び山地荒廃危険を未然防止するための工事で、保安林とし
ての森林機能を回復させる。
【内容】
●施工時期
平成 6 年度
●施工内容
山脚を固定する土留工を施工
(コンクリート・ふとん篭)
山腹工内の不安定土砂の取り
除き
山腹内の表土流出を防止する
筋工(木柵工)、伏工(治山用人
工張芝伏工・実播工)
保安林としての森林機能を回
復させるための植栽工(ヒノ
キ、ヤシャブシ苗木)
●環境配慮の内容と方法、工法
・山腹崩壊地の復旧工事は、山脚を固定させるためコンクリート土留工・ふとん篭
土留工を施工した。
・山腹内の不安定土砂の取り除き、その上に自然に優しい木柵筋工・階段間法面は
治山用人工張芝伏工で早期緑化を実施して表土の流出を防ぎ、筋工の階段上には
ヒノキ・ヤシャブシの苗木を植栽して保安林としての森林機能を回復させる。
●環境配慮の留意点など
・不安定土砂を取り除くため基盤の肥料成分のない土砂の上に植栽を実施すること
になる。今後の生育を考えて肥料木の植栽も並行して実施する必要がある。
●事業に係る照会先:美祢農林事務所森林部森林整備課事業班
- 86-
tel 0837-52-1071
4)急傾斜地崩壊防止施設等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
下関市弟子待町
事例4)−②
事業主体
山口県
既存木の利用
【内容】
●施工時期
H11∼H12
●施工内容
大間隔法枠工
法枠内に既存木を残し、枠
内の緑化を植生土のうにより
行った。
●環境配慮の内容と方法、工法
通常、法枠工を行う際、斜面の木は伐採するが、大間隔法枠工(間隔3m)を採
用することにより、枠に支障のない木は残して施工することが可能となり、既存木
と中詰工の植生土のうにより緑化を図ることができた。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:下関土木建築事務所工務1班
- 87-
tel 0832-23-7101
4)急傾斜地崩壊防止施設等における事例
場
所
下関市逢坂町
事例4)−③
事業主体
山口県
環境配慮の 斜面緑化
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
H10∼H11
●施工内容
ジオファイバー工法
砂質土と連続繊維をジェット
水と共に噴射・混合させて法面
対策を行う。
●環境配慮の内容と方法、工法
通常、法面対策を行う際、法枠工を施工し中詰を緑化するという方法をとってい
るが当現場は、砂質土と連続繊維をジェット水と共に噴射・混合させて法面に構築
する連続繊維補強土を用いた工法を用い、その上に緑化工を施し、法面全体を緑化
した。
連続繊維補強土は、法面の浸食や風化防止を図ることができ法枠工に代わる工法
として用いている。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:下関土木建築事務所工務1班
- 88-
tel 0832-23-7101
4)急傾斜地崩壊防止施設等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
防府市台道
事例4)−④
事業主体
山口県
既存木の利用
【内容】
●施工時期
H8∼H14
●施工内容
ノンフレーム工法
既存木を残し、斜面の補強を行っ
た。
●環境配慮の内容と方法、工法
斜面にロックボルトを打設し、ロックボルトに支圧板、ワイヤーロープを取り付け、
斜面を補強した。斜面の既存木を残して施工することが可能であり、対策後も対策前
の斜面の景観をそのまま残すことが可能となった。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:防府土木建築事務所工務課第1班
- 89-
tel 0835-22-3485
5)港湾・漁港における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例5)−①
仙崎漁港(長門市仙崎)
事業主体
山口県
・豊かで美しい生産・生活空間の漁港のモデル地区として、景観の形成、
環境の保全等に配慮した施設設備を実施した。
・また、親水空間の整備を行った。
【内容】
●施工時期
昭和 63 年度∼平成 6 年度
●施工内容
既設漁港との一体化を図るた
め、橋梁による沖合展開により
人工島を造成し、漁港機能の充
実を図る。
景観に配慮した護岸の色彩化、
橋梁・道路照明のデザイン化及
び親水施設の整備を行った。
●環境配慮の内容と方法、工法
・護岸(水辺部)は、タイル舗装とし、橋梁及び道路照明はデザイン化し、周辺の
優れた景観とのバランスを考慮している。
・弁天島周辺には、漁業者や地域住民の憩いの場として、親水空間の整備とあわせ、
親水護岸、公園及び緑地広場の整備を行い、快適で潤いのある空間を整備してい
る。
・平成 6 年 11 月 20 日に「全国豊かな海づくり大会」が、当人工島をメイン会場と
して開催され、このイベントにもふさわしい優れたものとなった。
●事業に係る照会先:萩水産事務所
tel 0838-25-3377
- 90-
5)港湾・漁港における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例5)−②
見島漁港(萩市見島宇津地区)
事業主体
山口県
漁港における景観の保持,美観を図り快適にして潤いのある漁港環境を
形成するため運動公園,植栽,多目的広場及び海水浴場の整備を行なった。
【内容】
●施工時期
平成4年度∼平成9年度
●施工内容
漁港の南部に照明施設付きの
ソフトボール場およびゲートボ
ール場,中央部に階段護岸・休
憩所を配した海水浴場,北部に
多目的広場として芝生公園,テ
ニスコート,炊飯棟,休憩所お
よび植栽等を整備している。
海水浴場
多目的広場
●環境配慮の内容と方法、工法
・ソフトボール場及びゲートボール場は,植栽を配置しており周囲の景観に配慮し
た施設となっている。
・海水浴場には、側面が築石で覆われた美観性を重視した突堤が整備されており、
その上を利用者が歩けるようになっている。また、陸側には植栽が整備され、周囲
の景観に配慮した施設となっている。
・多目的広場は、芝生公園・植栽を配置し、階段には自然石を張付,照明施設は周
辺景観と調和したデザインを採用し周囲の景観に配慮している。また、広場内の通
路は環境に配慮してクレイ舗装としている。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:山口県萩水産事務所
- 91-
tel 0838-25-3377
6)海岸における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例6)−①
片添ヶ浜海浜公園(東和町片添)
事業主体
山口県
・緑の保全
・自然の生態系の保持
【内容】
●施工時期
平成 5 年度∼平成15年度
予定
●施工内容
環境に配慮した植栽等
(ワシントンヤシ
電線等の地下埋設)
●環境配慮の内容と方法、工法
・自然との共生の視点から急峡な斜面の景観を維持し、自然の生態系の営みを生か
しながら、傾斜地や丘陵地は緑地としての保全活用を積極的に図り、海浜と一体
となったゆとりあるオープンスペースを創造し、さらに、自然環境と融和した公
園となるよう配慮した。
・海浜公園のため塩害等に強い植栽とした。
●事業に係る照会先:山口県大島土木事務所工務課第1課
- 92-
tel 08207-2-0030
6)海岸における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例6)−②
ビー玉海岸(大島郡久賀町久賀)
事業主体
山口県
近隣の滞在型リゾート施設と連携し、マリンレジャーを含めた総合的レ
クリエーション地域となるよう、海浜公園の整備を進めると共に海岸防災
機能の拡充を図る。
【内容】
●施工時期
昭和63年度∼平成10年度
●施工内容
海岸侵食により失われた砂浜
に各種利便施設を建設するため、
階段式護岸により土地を創出し、
その前面に養浜を行った。
また砂浜を安定させるために
突堤と離岸堤を配置した。
●環境配慮の内容と方法、工法
・近隣の滞在型リゾート施設と一体となり「太陽の恵み豊かなふれあいの海辺」を
体感できるビーチ造りを目指し、島外からの利用者を呼び込みリゾート地として
町の活性化につながるよう願い、以下の点に配慮して各種施設の整備を行った。
・護岸は、体の不自由な方も直接砂や海水に触れることが出来るように、スロープ
を設置した。また砂浜でのイベント観戦に利用できるようボードウォークのベン
チを設置した。
・護岸ブロックには藻が付きにくく、水濡れ時にも滑りにくいよう吹き付け塗装を
施工した。
・突堤天端はコンクリート舗装し転落防止柵を設置、遊歩道化した。
・車椅子による利用を考慮し、ビーチ内はシャワーやトイレも含め全て段差をなく
すと共に、トイレは体の不自由な方や赤ん坊連れも利用できる多目的トイレとし
た。
・砂浜は近隣の長浦スポーツ海浜スクエアとの連携に配慮しビーチバレーコート3
面が配置できる広さとした。
・植栽は整備テーマである「太陽の恵み豊かなふれあいの海辺」を演出するため、
全体的に南国をイメージした植栽(ワシントン椰子、フェニックス)を行った。
県内最大の生産量を誇っているキウイフルーツ、町木のクロガネモチもシンボル
樹として植栽した。
●環境配慮の留意点
・全体の色調は久賀町の CI(総合的なイメージ戦略)計画に合わせ、グリーンで統
一を図った。
・養浜用の砂は現地砂と色調を合わせるよう配慮して、佐賀県唐津産の海砂とした。
●事業に係る照会先:大島土木事務所港湾課
- 93-
tel 08207-2-0030
6)海岸における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例6)−③
庄南ビーチ(大島郡橘町西安下庄)
事業主体
山口県
当地区は「サザンセト・サンシャインリゾート構想」の「風」実感地区
にあり、風と海と太陽をテーマに、既存のウインドパークと一体的なリゾ
ートゾーンの形成を目指す海浜公園整備と海岸防災機能の拡充。
【内容】
●施工時期
昭和63年度∼平成9年度
●施工内容
ウインドパークに隣接した従
来の狭隘な海浜に各種利便施設
を設置するため、階段式護岸に
より土地を創出し、その前面に
養浜を行い海浜を造成した。
また、養浜を安定させるため
に突堤と潜堤を設置した。
●環境配慮の内容と方法、工法
・既存のウインドパークと一体となり「風、海、太陽」を実感できるビーチ造りを
目指し、島外からの利用者を呼び込みリゾート地として町の活性化につながるよ
う願い、以下の点に配慮して各種施設の整備を行った。
・護岸は、体の不自由な方も直接砂や海水に触れることが出来るように、スロープ
を設置した。
・突堤天端や護岸水叩きはカラー舗装及び転落防止柵を設置し遊歩道化した。
・車椅子による利用を考慮し、ビーチ内はシャワーやトイレも含め全て段差をなく
すと共に、トイレは体の不自由な方や赤ん坊連れも利用できる多目的トイレとし
た。
・日陰棚は監視塔と時計台を兼ね備えた施設とし、屋根は「風と海と太陽」のテー
マから地中海をイメージしたスパニッシュ瓦で葺き、風を実感できるよう太陽を
デザインした風見鶏を設置した。
・橘町はハワイとの姉妹都市縁組みを結んでいることから、メインゲート付近の門
柵工はトーテムポール風に仕上げた。
平成12年度中には 、ウインドパークと庄南ビーチを結ぶ臨港道路が完成するので、
パラグライダーやハンググライダーといったスカイレジャーと海洋レジャーが同時
に楽しめる観光スポットになると期待されます。
●環境配慮の留意点
・自然との調和を目指し、既設の石積み防潮堤をそのまま土地造成護岸として利用
するなど極力原風景を損なわないよう配慮した。
●事業に係る照会先:大島土木事務所港湾課
- 94-
tel 08207-2-0030
6)海岸における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例6)−④
下関市大字横野
事業主体
山口県
横野海岸背後の人家及び農地は日本海からの強風、潮害を受けているた
め、防風保安林機能と豊かな緑を早期に回復させるため、樹木の生長阻害
となる風害、潮害対策として丸太防風柵工を施行し、地域景観の保全に配
慮した。
【内容】
●施工時期
平成5年度∼平成11年度
●施工内容
・植栽工
・丸太柵防風工
・竹防風垣工
●環境配慮の内容と方法、工法
・防風柵工は海岸等の周辺景観を保全するため、丸太を使用した。
・植栽木は海岸松林の復元を図るため、きらら松を植栽した。
●環境配慮の留意点
・丸太を固定しているボルト・針金は錆に強いものを使用すること。
・柵の強度等の計測が難しいため、定期的な安全点検が必要。
●事業に係る照会先:豊田農林事務所森林部
-95-
tel 0837-67-0013
6)海岸における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例6)−⑤
笠戸コースタルリゾート(下松市大字笠戸島小城
地内)
事業主体
山口県
瀬戸内海国立公園に位置し、風光明媚な景勝地である当地区を人々に憩
いとゆとりの時間を感じさせる緑地レクリエーションゾーンとして整備す
るためには、この地区のこれ以上の変化を極力抑え、自然環境の保全・今
ある自然の活用を図る計画としている。
【内容】
●施工時期
平成7年度∼平成16年度
●施工内容(工事名)
緑地公園
2,075m
海上桟橋
280m
釣り突堤
3箇所
●環境配慮の内容と方法、工法
・緑地公園
当公園は、はなぐり海水浴場に隣接しており自然と触れ合う場所に有る。小規模
な緑地ではあるが、海上プロムナードへのエントランス、自然景観とのマッチを考慮し自然石を
利用した護岸で整備した。
・海上桟橋・釣り突堤
市民等のレクリエーション空間として、気軽に人々が楽しめるとともに、自然の中で憩え
る環境を作り出す。上部のコンクリート構造物等はなるべく見えないように、修景を行
い自然の中に溶け込むようなかたちで整備する。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:周南港湾管理事務所
-96-
tel
0834-21-1787
6)海岸における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例6)−⑥
田布施海岸(田布施町八海地内)
事業主体
山口県
田布施海岸及びその周辺において、過去にカブトガニの生息が確認され
ている。カブトガニは、
「文化財保護法」によると「天然記念物」に、
「レ
ッドデータブックやまぐち」によると「絶滅危惧種IA類」に指定されて
いる。このことを考慮し、産卵場の確保や工事中の影響を極力最小化する
ことにより、工事中及び供用後の生息環境を努めて保全する。
【内容】
●施工時期
平成13年度∼15年度
●施工内容(工事名)
鋼矢板打ち込みにより基礎部を
形成した後、表法覆コンクリー
ト、波返しコンクリートを施工
し、全長 800 mの護岸整備を行
う。
●環境配慮の内容と方法、工法
・産卵時期の海上工事中止(6月下旬∼10月)
・工事中の施工区域内へのカブトガニ成体侵入防止
工事区域内では、カブトガニの幼生が確認され
ていないことから、汚濁防止膜を右図のように海
底地盤まで設置し、侵入を防止する。また、産卵
時期は、生息場への影響を最小限にするため汚濁
防止膜を撤去する。
・濁り拡散防止対策
汚濁防止膜により工事中の底生生物への影響を最小限にするとともに、護岸基
礎コンクリートにおいて、水中分離性コンクリートを使用することにより、PH
の上昇や濁りの発生を抑制する。
・産卵場の造成
現地掘削士は背後地に保管し、砂分が多いものを選択して産卵実績場所へ埋め
戻すこととし、同時に産卵に適した砂を投入することにより、新たに産卵場を造
成する。
なお、造成にあたっての留意点は以下のとおりである。
・高潮護岸基礎上に 40 ∼ 50 ㎝の厚さで埋め戻す。
・高潮面から地盤まで 30 ㎝以上の厚さを確保する。
・埋め戻し砂は目安としては、粗砂を中心として80%以上が砂分、シルト年度
分が3.0%以下となるようにする。
●事業に係る照会先:柳井土木建築事務所
-97-
tel 0820-22-0396
6)海岸における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例6)−⑦
防府市大字西浦
事業主体
山口県
施工区域周辺が、あさりの魚場となっているため、工事施工に伴う水質
汚濁を防止するため、水質汚濁防止対策( 汚濁防止フェンス)を実施した。
【内容】
●施工時期
平成14年1月15日
∼
平成14年3月29日
●施工内容(工事名)
海岸保全施設設備事業(高潮対策)
平成13年度 堤防補強工事
●環境配慮の内容と方法、工法
・施工区域周辺が、あさりの漁場であるため水質汚濁に配慮
・樋門の基礎改良で、セメント系改良材の拡散防止を目的に、汚濁防止フェンスと
してL=30.0mの施工を実施した。
●環境配慮の留意点
特になし
●事業に係る照会先:山口農林事務所農村整備部
-98-
tel
083-922-1993
7)公園緑地における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例7)−①
豊田湖国民休養地(豊浦郡豊田町)
事業主体
山口県
豊田湖は下関市民の水瓶であり、キャンプ場の排水が湖に流入しないよ
う処理方法に配慮した。
【内容】
●施工時期
平成 4 年度
●施工内容
キャンプ場のし尿及び雑排水
処理方法について、合併処理浄
化槽で三次処理し、散水タンク
に送り、スプリンクラーにより
散水する。
●環境配慮の内容と方法、工法
・合併処理槽の処理能力について、高度処理(三
次処理)により、放流水の BOD を 20ppm 以下
とした。
・ろ過装置を設置し、夏期などの利用シーズンに
は、さらに基準以下で処理することとした。
・排水方法についても、直接、湖に排水が流入し
ないよう環境に配慮することとし、散水用スプ
リンクラーにより、山頂に散布することとした。
・キャンプ場利用者の目に付くことのないよう、
散水ポンプやスプリンクラーは山中に設置し、
給配水管や電線はすべて地下埋設とした。
●環境配慮の留意点など
・散水ポンプ及びスプリンクラーに異常が発生したときの対応について、管理者の
維持管理体制が重要となる。
●事業に係る照会先:環境生活部自然保護課
- 99-
tel 083-933-3060
7)公園緑地における事例
場
事例7)−②
所
萩ウェルネスパーク(萩市大字椿地内)
環境配慮の
基本的な
視点や内容
・自然環境に恵まれた周辺景観との調和
事業主体
山口県
【内容】
●施工時期
平成8年度
∼平成12年度
●施工内容
周辺環境に配慮した植栽
(切土法面にポット苗・種を
植栽)
周辺環境に配慮した野球場
(スタンドを埋込み式)
●環境配慮の内容と方法、工法
・野球場スタンドは、野球場全体のシルエットを構成するため埋込み式とし、内野
スタンドから連続的にうねりながら外野スタンドと滑らかに接続し、空間的な広
がりをもたせ、山の稜線に調和するよう、自然と一体となった景観を創出した。
・法面植栽ポット(苗植栽土種)であるヤブツバキをメインとし、ツワブキと宿根
バーべナを織り交ぜて配置することにより、自然回帰を目的としつつ、森の中の
公園という観点から景観を重視したデザイン植栽が可能。
(従来の植栽方法とは違
い、植穴堀削の必要が無いため法面を傷つけず、根も現地形状に合わせた成長を
していきます。)
●事業に係る照会先:萩土木建築事務所工務1班
- 100-
tel 0838-22-0043
7)公園緑地における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例7)−③
秋 吉 台 エ コ ・ ミ ュ ー シ ゙ ア ム ( 美祢郡美東町) 事業主体
山口県
エコロジーに配慮した事業として、透水型駐車場や透水性舗装を整備す
ることにより、環境や景観に配慮する。
【内容】
●施工時期
平成10∼11年度
●施工内容
駐車場面積 5,678 ㎡
駐車スペース
普通車 135 台
バス 5 台
園路 567 m
●環境配慮の内容と方法、工法
・駐車場において、駐車スペースを芝目地
ブロックとし、雨水等を地下浸透させる
とともに、芝生による緑化を図ることと
した。また、歩道は、インターロッキン
グブロックとした。
・園路整備においては、自然素材の利用も
含め、木材チップ(t=4cm)を敷設
することにより、透水効果を高めた。
●環境配慮の留意点
・芝目地ブロックについては、芝生の維持管理が必要となる。
●事業に係る照会先:環境生活部自然保護課
- 101-
tel 083 - 933 - 3060
7)公園緑地における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例7)−④
右田ケ岳生活環境保全林
事業主体
山口県
佐波川を挟んだ東側の矢筈ヶ岳山麓部は 、眺望がよくハイキングに適し、
西側の三谷川流域は、水辺に親しみながら、森林浴、自然観察ができる好
立地条件下にある。この保安林の災害防止機能と保健休養機能を強化し、
地域住民が自然とふれあう憩いの場となるよう整備した。
【内容】
●施工時期
平成5年度∼平成11年度
●施工内容
・谷止工、床固工
・護岸工、流路工
・防火灌水施設
・管理車道、歩道
・芝生広場
・自然林造成
・自然林改良
●環境配慮の内容と方法、工法
・自然景観と調和を図るため、コンクリ−ト谷止工は景観に配慮した化粧型枠を使
用し、護岸工・流路工はすべて現場の転石及び雑割石による石積工・石張工で施行
した。
・周辺の森林整備は、できるだけ既存木を残しながら、サクラやケヤキ等の広葉樹
を植栽した。
・歩道は、木質感があって自然環境になじみやすいアスウッド舗装を施行し、渓流
と交差する箇所には木橋を設置し、いずれも県内産の間伐材を使用した。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:山口農林事務所森林部
-102-
tel 083-922-6700
8)公共建築物等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例8)−①
山口県スポーツ交流ゾーン多目的ドーム
(阿知須町)
事業主体
山口県
・自然共生型運動公園の中核施設としてのシンボル性と周囲との一体化
・美しい瀬戸内海の自然景観との調和
【内容】
●施工時期
平成11年度∼平成12年度
●施工内容
ドーム
RC 造及び S 造
地上2階地下1階
●環境配慮の内容と方法、工法
・大きなボリュームを持つ施設ではあるが、周辺の景観に適合するように大小2つの膜
屋根のドームにより浮揚感ただよう外観とした。
・建物の柔らかさを出すために建物周囲にうねりのあるバウンダリールーフ(大きな回廊)
を配置したことにより、半屋内・半屋外的な雰囲気が形成された。
・視覚的に外部と一体感を持たせるために、外壁に透明のポリカーボネイト(又はガラス)
とアルミカーテンウオールを採用した。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:建築指導課営繕室
- 103-
tel 083-933-3843
8)公共建築物等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
一の宮県営住宅
事例8)−②
下関市一の宮
事業主体
山口県
・周辺環境との親和性
・居住環境の健康・快適性
・地球環境の保全
【内容】
●施工時期
平成11年度
∼平成13年度
●施工内容
環境共生住宅の理念を基準に
「人」、「自然」等、あらゆる環
境との親和を念頭においた住宅
団地
●環境配慮の内容と方法、工法
・自然地形景観の復元
・生き物環境へ配慮した緑地の連続・ビオトープ池
・自然に親しむ雨水利用の親水池と流れ
・周辺との調和に配慮した住棟配置・高さ計画、緩衝植栽
・季節の風向きを考慮した住棟・植栽配置
・健康に配慮した室内空気の確保
・植栽による緩やかな風の抑制
・落葉樹種の適切な配置による四季を通じた日射抑制
・太陽光、風力エネルギーの活用
・高気密・高断熱仕様による使用エネルギーの抑制
・地盤への雨水浸透性の確保
・分水嶺を考慮した排水計画
・雨水貯留利用
・緑被率の向上、壁面緑化等によるヒートアイランド現象の抑制
・廃棄物の抑制、再生資材の利用、ごみの堆肥化
●環境配慮の留意点
ビオトープや十分な緑地の整備により自然環境との調和をはかるとともに、地球
環境への影響を最小限にとどめるため、風力発電、太陽光発電による自然エネルギ
ーの利用や、次世代省エネルギー基準の積極的採用を行った。
●事業に係る照会先:土木建築部住宅課
- 104-
tel 083-933-3870
8)公共建築物等における事例
場
所
事例8)−③
平わらび台活性化交流施設(福栄村)
事業主体
山口県
環境配慮の ・建設地の風景や自然に調和する施設
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
平成9年度∼平成10年度
●施工内容
集会、研修施設
木造 地上1階
●環境配慮の内容と方法、工法
・多雪地のため屋根勾配を十分にとり、伝統的木造工法と現代木造工法をうまく組
み合わせた。
・木材は県内産のムク材を使用し、化学的な処理をした建材は使用せず、また塗料
も天然素材のみを使用した。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:建築指導課営繕室
- 105-
tel 083-933-3843
8)公共建築物等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例8)−④
ルネッサながと(長門市)
事業主体
山口県
長門地区広域市町村
圏振興整備協議会
・建物周囲の公園の環境と一体化した「地形化された建築」として見立て
た景観
・伝統芸能を上演する劇場を有する施設に調和する形態及び地元産材料を
使用した、文化・歴史のイメージを継承する質感、色彩。
【内容】
●施工時期
平成9年度∼平成11年度
●施工内容
県が建設した「山口県民芸術文
化ホール」と協議会が建設した「な
がと総合体育館」との複合施設
SRC 造、RC 造、一部 S 造
地下1階、地上3階
●環境配慮の内容と方法、工法
・敷地の長門市総合公園の環境と一体化となるよう、ボリュームがある劇場を小高い丘
の近くに配置し、屋根の形状もアールにし 、圧迫感を感じさせない景観の配慮をした。
・外壁材料は、周囲の緑と調和するよう、レンガ積みを使用し、コンクリート打ち放し撥水
材塗りもブラウン色の着色撥水剤を塗り調和を図った。
又、レンガ積みは、中空積み工法で省エネルギーにも配慮した。
・「福祉の時代」の施設として、高齢者、身体障害者に配慮し、ハートビル認定施設にな
った。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:建築指導課営繕室
- 106-
tel 083-933-3843
8)公共建築物等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例8)−⑤
焼野海岸コースタルコミュニティーゾーン(小野田市)
事業主体
山口県
・人工的な海浜公園内であり、公園全体が地中海のリゾートをイメージしている
ため、周辺環境に調和させた施設。
【内容】
●施工時期
平成10年度∼平成11年度
●施工内容
シャワー、更衣室、便所、管理室
RC 造 地上1階
●環境配慮の内容と方法、工法
・オレンジ色の瓦屋根や砂岩を用いた腰壁、白いスタッコ外壁等により全体を南欧風にアレン
ジした。
・利用者の動線に配慮し、かつ公園内のシンボルとなるよう考慮したデザインとした。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:建築指導課営繕室
- 107-
tel 083-933-3843
8)公共建築物等における事例
場
所
事例8)−⑥
山口県立きらら浜自然観察公園
ビジターセンター(阿知須町)
事業主体
山口県
環境配慮の ・自然観察公園の環境に影響を与えない形態と周囲景観に溶け込む配置
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
平成11年度∼平成12年度
●施工内容
ビジターセンター
RC 造、S 造 地上1階
●環境配慮の内容と方法、工法
・来園者が好奇心、期待感を膨らませる空間プランにし、S 造の観察ホールを緑に包まれ
た鳥の卵の形態にして周囲環境との調和を図った。
・内部仕上げは、公園環境と一体化となるように自然素材の木を使用した。
・屋上の一部を屋上緑化仕様とし、自然環境との調和を図った。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:建築指導課営繕室
- 108-
tel 083-933-3843
8)公共建築物等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例8)−⑦
土井ケ浜園地 (豊浦郡豊北町)
事業主体
山口県
園地や野営場等に設置する建築物に、自然エネルギー(太陽光)を利用
することにより、電力資源の有効利用を図るとともに、地球温暖化防止に
寄与する。
【内容】
●施工時期
平成10年度
●施工内容
公衆トイレ
面積59㎡
(ソーラーシステム導入)
●環境配慮の内容と方法、工法
・ソーラーパネル(太陽電池モジュール)の発電能力は、当施設の照明・換気扇等
の年間使用想定量の2.0kwとした。
パネル1枚(1320mm ×895mm×35mm)当たりの容量は120wであり、設置枚数
は16枚とした。
・ソーラーパネルは、発電に有利な南向きに設置することとした。
●環境配慮の留意点
・ソーラーパネルは、南向きに設置することが発電には一番適していることから、
施設を設置する向き、あるいは屋根の向きを配慮する必要がある。
●事業に係る照会先:環境生活部自然保護課
- 109-
tel 083 - 933 - 3060
8)公共建築物における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例8)−⑧
旭村活性化センター(旭村)
事業主体
山口県
建物周辺に広がる山間を建物形状に取り込んだ施設
【内容】
●施工時期
平成13年度
●施工内容(工事名)
県が建設した「活性化センター」と
村が建設した「支所」の複合施設R
C造一部S造 地上1階
●環境配慮の内容と方法、工法
・建設地域に広がるなだらかな山間を屋根形状にて表現した。
・間伐材等の有効利用を図るため内外装に地場産木材を利用した。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:建築指導課営繕室
-110-
tel 083-933-3843
8)公共建築物における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例8)−⑨
田万川親水公園公衆便所・休憩所
事業主体
(田万川町)
山口県
隣接する道の駅や、親水公園の自然との景観の調和
【内容】
●施工時期
平成13年度
●施工内容(工事名)
公衆便所棟 木造
休憩所棟
木造
地下1階
地下1階
1棟
3棟
●環境配慮の内容と方法、工法
・隣接する道の駅の景観との調和を図るため、木造瓦葺越屋根とした。
・内外装に木材や竹、自然石などの自然材料を多く使用した。
・砂利地業やトイレパーテーションにリサイクル材料を使用した。
・木材はすべて県産材とし、休憩所棟のベンチ、テーブルは間伐材を使用した。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:建築指導課営繕室
-111-
tel 083-933-3843
8)公共建築物における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例8)−⑩
角島博物展示施設(豊北町)
事業主体
山口県
自然公園区域の周囲環境に影響を与えない形態と配置
【内容】
●施工時期
平成13年度∼14年度
●施工内容(工事名)
展示室、レクチャールーム、事務室
RC造 地下1階
●環境配慮の内容と方法、工法
・敷地傾斜部分をピロティーにし、環境形態の存続に努めた。
・外部仕上げを地元玄武岩張、檜板張と自然素材を使用し、自然環境との調和を図
った。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:建築指導課営繕室
-112-
tel 083-933-3843
9)用地造成等における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例9)−①
山口テクノパーク
事業主体
地域振興整備公団
・「水と緑の産業空間」の創出を開発テーマとした、当地区の恵まれた自然
環境を生かした環境重視型の工業団地としている。
・残存する2つのため池周辺の自然環境を積極的に保全・活用し、これを
地区の環境づくりの中心に据え、緑地景観計画を策定している。
【内容】
●施工時期
土地造成終了
分譲中
●施工内容
・土地造成
・道路整備
・工場敷地整備
・公園、共同利用施設整備
・高送電線移設
●環境配慮の内容と方法、工法
・現況地形を尊重したきめ細かな造成を図り、効率の良い造成形態としている。
・中央部の2つのため池と自然景観を生かしたレクリエーション空間としての地区
公園を配置している。
・ため池に面する造成法面を隣接する自然緑地との一体感を出すため、全てR法面
(従来は直線)とし 、2 割から 3 割 5 分の緩勾配(従来は 1 割 8 分)としている。
・既存樹の移植による活用を図り、緑地景観のボリューム感とシンボル性を演出し
ている。
・安定した自然の森の創出を図るため、地域で最も安定した樹林を形成する潜在自
然植生種を用いたポット苗植栽を計画している。
・立地企業の植栽の参考資料として「植栽管理の手引き」を整備している。
・現場発生の表土を活用した土壌整備を一部の地区で試験的に実施している。
・各工場敷地は、敷地の一辺を極力公共緑地等に接するよう計画するほか、隣接敷
地との間にもなるべく現況緑地を生かした緑地を配置し、各ロットを緑に囲まれ
た独立型の形態に仕上げている。
・美しい景観を創造するため、当地区内を横切る2本の高圧送電線を外周部に移設
している。
●事業に係る照会先:地域振興整備公団山口宇部支部
- 113-
tel 0836-21-7288
10)橋梁における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
県道
事例10)−①
角島神田線(角島大橋)
事業主体
山口県
・地域景観の保全、修景への配慮
・環境に配慮した工法の採用
【内容】
●施工時期
平成3年度∼平成12年度
●施工内容
角島大橋は、豊北町の西北部約
1.5 km の響灘に浮かぶ角島と
本土とを結ぶ離島架橋である。
橋長=1,780 m
幅員=5.5(6.5)m
●環境配慮の内容と方法、工法
・架橋位置は北長門海岸国定公園内であり、風光明媚な周辺の景観に調和し、ス
マートで目立たないように設計した。
・施行においては現場工期の短縮及び環境への配慮から、上下部工ともプレキャ
スト工法を多く採用している。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:豊田土木事務所工務課
-114-
tel 0837-66-0185
10)橋梁における事例
場
所
県道
事例10)−②
山口阿知須宇部線(平成大橋)
事業主体
山口県
環境配慮の ・稀少生物の生態系に配慮した橋梁構造
基本的な
視点や内容
【内容】
●施工時期
平11年度∼平成13年度
●施工内容
当路線はJR小郡駅と阿知須干
拓地を最短で結ぶ延長8.4 km
の新設道路であり、当橋梁は工区
終点側に位置し、県道と土路石川
をまたぐものである。
橋長=201.5 m
幅員=7.0(9.5)m
●環境配慮の内容と方法、工法
・架橋位置がレッドデータブックの絶滅危惧種に記載されている「カブトガニ」
の繁殖地であることから、工事による影響を最小限とするため、河川内に橋脚
を設置せず、1スパンで渡河することにした。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:山口土木建築事務所小郡阿知須道路等建設室 tel 083-922-1070
-115-
10)橋梁における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例10)−③
一般国道437号・小伊保田2号橋下部
工(東和町大字和田)
事業主体
山口県
藻場保護に配慮した仮設工法の採用
【内容】
●施工時期
平成12年度∼14年度(下部工)
●施工内容(工事名)
・橋長=125.0m
・支間長=4@30.25m
・橋台=逆T式 2基(直接基礎)
・橋脚=張出式 3基(直接基礎)
・仮設工法=矢板締切
●環境配慮の内容と方法、工法
・工事計画箇所の海域は良好な漁場であると伴に、産卵に適した藻場が広範囲に形成
されていることから、工事による影響範囲を最小限に抑える仮設工法を計画した。
・橋脚部の仮設工法は、藻場への影響範囲を最小限に抑えるため、矢板工法による仮
締切工を採用した。
●環境配慮の留意点
●事業に係る照会先:大島土木事務所
tel 0820-72-0030
-116-
11)治山工事における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例11)−①
吉敷郡秋穂町大字黒石
事業主体
山口県
環境への配慮は、公共事業(治山事業)においても重要な要素であるが、
当地区においては、自然素材の利用を促進し、自然環境への負荷を低減で
きる使用を取り入れた。
【内容】
●施工時期
平成13年度
●施工内容(工事名)
コンクリート谷止工
V=238m3
コンクリート流路工
L=85m
木製流路工
L=94.5m
1基
●環境配慮の内容と方法、工法
・渓間の安定を図るため、上流にコンク
リート谷止工を1基施工しているが、
流末への誘導部分は、自然素材(木材 )
の有効利用や周辺の自然景観との調和
を図る観点から、木柵の流路工(2段
積)を施工した。
●環境配慮の留意点
・木材の調達にあたっては、間伐などによって出された小径木(間伐材)を有効に
利用することにより、森林の適正な保全・管理を図る。
●事業に係る照会先:山口農林事務所森林部
-117-
tel 083-922-6700
12)防風林造成工事における事例
場
所
環境配慮の
基本的な
視点や内容
事例12)−①
萩市見島字河原畑
事業主体
山口県
当該地は北長門海岸国定公園特別地域(第3種)内に施工したため、在
来樹種の植栽や防風柵を木製にする等周囲の景観保持に努めた。
【内容】
●施工時期
平成13年11月 5日∼
14年 3月18日
●施工内容(工事名)
植栽工
0.22ha
丸田防風柵工
90m
防風垣工
360m
●環境配慮の内容と方法、工法
・周囲の景観と調和させるため、防風柵を県産材の丸田を使用する等材料を自然の
ものとした。植栽樹種は、見島に自生している樹種を選定し違和感のないよう考
慮した。
●環境配慮の留意点
・当該地はササ類が大部分を占めていたが、有用な樹種は極力残した。切盛の土工
はせず、地山の地形に合わせ施工した。
●事業に係る照会先:萩農林事務所森林部
-118-
tel
0838-22-3366
Ⅴ
資
料
土地利用規制関係諸法令等一覧表 (1)
平成14年4月現在
実施主体別の許可等区分
地域区分
根拠法令
主な規制事項
県担当課
県
県内全域
国土利用計画法
市町村
民
間
(14 条) 規制区域内の土地の売買等の契約を締結する場合
適用除外
適用除外
ー
地域政策課
(2532)
(27 条の 4,27 条の 7) 注視区域内、監視区域内の土地の売買等の契約を締結する場合
適用除外
適用除外
届出
農業振興地域の整備に関する法律 農振農用地区域内の開発行為 (宅地の造成、土石の採取その他の土地の形 適用除外
(15 条の 15) 質変更又は建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築をいう。
)の制
限
適用除外
原則許可 農村振興課
(3340)
(3345)
農地法
適用除外
原則許可
許可又は
届出
適用除外
特定の市
町村
適用除外
許可
(23 条) 規制区域、注視区域及 び監視区域以外の区域において、次の規模以上の土
地の売買等の契約を締結する場合
ア 市街化区域内
2,000m 2
イ その他の都市計画区域内
5,000m 2
ウ その他の区域(都市計画区域外)
10,000m2
農業 農振農用地区域内
関係
地域
農地、採草放牧地等
都市 市街化区域内
関係
地域 市街化調整区域内
都市計画法
(4,5 ,73 条) 農地の転用、農地の転用を目的とする権利移動
(29 条) 開発行為の制限(1 ,000m2 以上)
(29,34 条) 市街化調整区域内は規定されている事項に該当する場合のみ
(29 条) 開発行為の制限(3 ,000m2 以上)※ 1,000m2 以上指定市町あり
上記以外の都市計画区域内
準都市計画区域内
(29 条) 開発行為の制限(3,000m 2 以上)
都市計画区域及び準都市
計画区域外の区域内
(29 条) 開発行為の制限(1ha 以上)
用途地域
建築基準法 (48, 52, 53, 56 条) 建築物の用途規制、容積率、建ぺい率、高さ制限
防火地域、準防火地域
建築指導課
(3866)
その他の
市町村
許可
計画通知
(61,62 条) 建築物に対する構造制限
建築確認
又は計画
通知
建築確認 建築指導課
(3839)
風致地区
風致地区内における建築等の規制 建築物の建築、工作物の建設、宅地造成、開墾、土地の形質変更 、木竹の 協議又は
に関する条例
(2 条) 伐採、土石採取、水面の埋立等の行為制限
通知
協議
許可
都市計画課
(3725)
都市公園
都市公園法
許可
許可
(3728)
(6 条) 公園区域内の私権の行使制限
公園施設以外の工作物、その他の物件、施設を設け、公園を占有するとき
-119-
許可
平成14年4月現在
土地利用規制関係諸法令等一覧表 (2)
実施主体別の許可等区分
地域区分
根拠法令
主な規制事項
県担当課
県
都市 屋外広告物制限地域
関係
地域
臨港地区
市町村
民
間
屋外広告物法
広告物の表示、物件の設置の禁止、許可等の行為制限
山口県屋外広告物条例
(3,4,5,6 条)
適用除外
適用除外
許可
都市計画課
(3725)
港湾法
届出
届出
届出
港湾課
(3810)
許可
許可
許可
文化財保護
課
(4655)
届出
届出
届出
(市町村)
連絡調整
許可
森林整備課
(3480)
(38 条の 2) 一定面積以上の工場等の新設または増設等
伝統的建造物群保存地区 文化財保護法 83 条の 3
建築物等の新・増・改築、土地の形質の変更、木竹の伐採等
(市町村条例)
森林 地域森林計画対象民有林 森林法
関係
地域
(10 条の 8) 立木の伐採に係る届出義務
(10 条の 2) 土石、樹根の採掘、開墾、土地の形質変更等の開発行為(10, 000m2 を超 連絡調整
える場合)
保安林
(34 条) 立木竹の伐採、土地の形質変更等の行為※保安林の指定解除の規定あり∼ 許可
農林水産大臣または知事
許可
許可
保安林予定森林
(31 条) 立木竹の伐採、土地の形質変更等の行為(一定期間∼ 90 日)
(禁止)
(禁止)
(禁止)
保安施設地区
(45 条) 造林、森林土木事業、その他の保安施設事業の実施行為及び当該事業に係
る施設の維持管理行為の受認義務 開発制限(34 条の規定の準用)
許可
許可
許可
許可
許可
特別保護地区
(17 条) 工作物の新・増・改築、木竹の伐採、広告物の設置、鉱物の採掘、土石の 許可
採取、土地の開墾その他土地の形状の変更等の行為の制限
(18 条)
普通地域
(20 条)
届出
届出
届出
特別地域
(17 条)
許可
許可
許可
特別保護地区
(18 条)
普通地域
(20 条)
届出
届出
届出
自然
公園 国 立
・ 公 園
自然
環境
保全
地域
国 定
公
特別地域
自然公園法
園
-120-
自然保護課
(3060)
平成14年4月現在
土地利用規制関係諸法令等一覧表 (3)
実施主体別の許可等区分
地域区分
根拠法令
主な規制事項
県担当課
県
自然
公園
・
自然
環境
保全
地域
市町村
民
許可
許可
届出
届出
許可
許可
許可
届出
届出
届出
許可
許可
許可
届出
届出
届出
山口県自然環境保全条例(18 条) 建築物その他工作物の新築・増築・改築、宅地の造成、土地の開墾その他 届出
土地の形質の変更、鉱物の採掘、土石の採取、水面の埋立、干拓、木竹の
伐採
届出
届出
(24 条) 自然記念物に関して、その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行 届出
為
届出
届出
山口県自然海浜保全地区条例
建築物その他工作物の新築・増築・改築、宅地の造成、土地の開墾その他 届出
(4 条) 土地の形質の変更、鉱物の採掘、土石の採取、水面の埋立、干拓
届出
届出
許可
許可
許可
協議
協議
協議
県 立
自 然
公 園
特別地域
普通地域
山口県立自然公園条例 (12 条) 工作物の新・増・改築、木竹の伐採、広告物の設置、鉱物の採掘、土石の 許可
採取、土地の開墾その他土地の形状の変更等の行為の制限
(14 条)
届出
自然環
境保全
地域
特別地区
自然環境保全法
普通地区
(28 条)
県自然
環境保
全地域
特別地区
山口県自然環境保全条例(10 条)
普通地区
(12 条)
緑地環境保全地域
自然記念物
自然海浜保全地区
文化 国指定史跡・名勝・天然 文化財保護法
財保 記念物指定地域
護関
係地 周知の埋蔵文化財包蔵地
域
重要文化財環境保全地域
(25 条)
建築物その他工作物の新築・増築・改築、宅地の造成、土地の開墾そ
の他の形質の変更、鉱物の採掘、土石の採取、水面の埋立、干拓、木
竹の伐採等
(地域指定なし)
(80 条) 現状変更、保存に影響を及ぼす行為
(57 条の 3) 土地発掘調査、土木工事等による発掘の場合
(45 条)
自然保護課
(3060)
文化財保護
課
(4655)
(禁止等) (禁止等)(禁止等)
保存のための一定の行為の制限、禁止(県内に地域指定なし)
国指定史跡・名勝・天然
記念物環境保全地域
間
(81 条)
県指定史跡・名勝・天然 山口県文化財保護条例
(40 条の 2) 現状変更、保存に影響を及ぽす行為
記念物指定地域
-121-
許可
許可
許可
平成14年4月現在
土地利用規制関係諸法令等一覧表 (4)
実施主体別の許可等区分
地域区分
根拠法令
主な規制事項
県担当課
県
そ
の
他
砂防法
市町村
民
間
砂防指定地
(4 条) 土地の掘削、盛土、切土、開墾等土地の形状変更、立木竹の伐採、工作物 協議
の設置、土石等の採取等の行為の制限、砂防設備の占用
山口県砂防指定地等管理規則
(3,4,5 条)
協議
許可
砂防課
(3751)
地すべり防止区域
地すべり等防止法
協議
許可
砂防課
(3751)
森林整備課
農村整備課
急傾斜地崩壊危険区域
急傾斜地の崩壊による災害の防止 のり切、切土、掘削、盛土、工作物の設置・改造、立木竹の伐採、土石の
に関する法律
(7 条) 採取・集積、水の放流等の行為の制限
協議
協議
許可
砂防課
(3751)
河川区域
河川法
(23 ∼ 29 条) 流水の占用、土地の占用、工作物の新・改築又は除却、土石採取 、土地の 許可
形状変更等の行為の制限
許可
許可
河川課
(3770)
許可
許可
許可
承認、
許可
承認
許可
承認
(18 条) 地下水を放流、誘致、停滞させる行為、盛土、のり切、切土、工作物の新 協議
築、改良等の行為の制限
河川保全区域
(55 条) 土地の形状変更、工作物の新築等の行為の制限
河川予定地
(57 条)
道路敷地内
道路法
(24,32 条) 道路に関する工事(取り付け、進入路等)
、道路占用
道路整備課
(3680)
沿道区域
(44 条) 危険防止のための施設の設置、その他の措置義務
措置義務
措置義務
措置義務
道路予定地
(91 条) 土地の形状変更、工作物の新築等の行為の制限
承認
許可
承認
許可
承認
許可
(14 条) 建築物、その他の工作物等の建築または設置の禁止
(禁止)
(禁止)
(禁止) (建設省)
特別沿道区域
高速自動車国道法
沿道整備計画区域
幹線道路の沿道の整備に関する法 土地の区画形質の変更、建築物の新築・増築・改築等
律
(10 条)
適用除外
適用除外
届出
行為制限区域
全国新幹線鉄道整備法 (11 条) 土地の形質の変更、工作物の新築、増築の禁止
(禁止)
(禁止)
(禁止) (JR 西日本)
-122-
(市町村)
平成14年4月現在
土地利用規制関係諸法令等一覧表 (5)
実施主体別の許可等区分
地域区分
根拠法令
主な規制事項
県担当課
県
そ
の
他
市町村
民
間
港湾区域
港湾法
(37 条) 公共空地の占用、土砂の採取、その他工事等の行為の制限
協議
協議
許可
港湾課
(3810)
海岸保全区域
海岸法
(7,8 条) 土地の占用、土石の採取、その他施設設置等の行為の制限
協議
協議
許可
一般公共海岸区域
海岸法
(37 条の 4,37 条の 5) 土地の占用、土石の採取、その他施設設置等の行為の制限
協議
協議
許可
農村整備課
・漁港漁村
課・河川課
・港湾課
漁港区域
漁港漁場整備法
(39 条) 工作物の建設若しくは改良、土砂採取、土地・水面の占用、流水放流等の
制限
協議
協議
許可
漁港漁村課
(3560)
災害危険区域
建築基準法
(39 条) 住居用建築物の建築禁止
認定
認定
認定
建築指導課
(3839)
山口県建築基準条例
(4 条)
宅地造成等規制法
(8 条) 宅地造成に関する工事の制限
協議
特定の市
町村
協議
その他
許可
許可
(3866)
許可
許可
許可
自然保護課
(3050)
日本海側等の区域を除い 瀬戸内海環境保全特別措置法
対象区域において、工場、事業場から公共用水域に水を排出する者が、特 許可
た区域
(5 条) 定施設を設置しようとするとき。
(1)公共用水域
河川、湖沼、港湾、沿岸海域、その他公共の用に供される水域
及びこれに接続する公共溝渠、かんがい用水路等
(2)特定施設(水質汚濁防止法第 2 条第 2 項に規定する施設)
カドミウム等、人の健康に係る被害を生ずるおそれがある 物質を含
むもの、また、COD 等が生活環境に係る被害を生ずるおそれがある
程度の汚水又は廃液を排出する施設
(3)工場・事業場
1 日当たりの最大排出水量が 50 立方メートル以上の工場・事業場
許可
許可
環境政策課
環境保全室
水 環 境 班
(3038)
宅地造成工事規制区域
鳥獣保護区特別保護地区 鳥獣保護及び狩猟に関する法律
立木竹の伐採、工作物の設置、水面の埋立又は干拓
(8 条の 8)
-123-
平成14年4月現在
土地利用規制関係諸法令等一覧表 (6)
県担当課
実施主体別の許可等区分
地域区分
根拠法令
主な規制事項
県
そ
の
他
土砂災害特別警戒区域
土砂災害警戒区域等における土砂
制限用途とされる、住宅(自己の居住の用に供するものを除く)並びに 協議
災害防止対策の推進に関する法律 高齢者、障害者、乳幼児その他特に防災上の配慮を要するものが 利用する
(平成13年4月1日より施行さ 社会福祉施設、学校及び医療施設(政令で定めるものに限る。)の建築を伴
れる。
)
う開発行為
(9 条)
市町村
民
協議
許可
間
砂防課
(3751)
( 建築指導
課)(3866)
(18 条)
第9条の許可を受けた開発区域(土砂災害特別警戒区域内のものに限る 。)(禁止等) (禁止等)(禁止等)
内の土地については、当該許可にかかる対策工事が全て完了した時に、検
査を受けて検査済証の交付を受けるとともに、知事により工事完了の公告
がなされるまでは、制限用途の建築物を建築してはならない。
(24 条)
土砂災害特別警戒区域内における 居室を有する建築物については建築基 (協議)
準法が適用され、建築確認が必要となる。
-124-
(協議)
(確認)
山口県環境配慮事例集
平成 7年3月作成
(平成13年4月配慮事例加除)
(平成15年2月配慮事例加除)
編集・発行
山口県環境生活部環境政策課
〒 753-8501 山口市滝町1−1
℡ 083-933-2933
許可なく複製することを禁じます
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