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高機能レーザ・パワー&エネルギー・メータ

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高機能レーザ・パワー&エネルギー・メータ
高機能レーザ・パワー&エネルギー・メータ
フィールドマックス II ユーザー マニュアル
FieldMaxIITM Japanese User Manual
FieldMaxII Series User Manual
【FieldMaxII-TO/FieldMaxII-P をお使いの皆様へ】
本マニュアルは FieldMaxII-TOP についての記述を行っておりますが、FieldMaxII-TO お
よび FieldMaxII-P でもご使用いただけますように、FieldMaxII-TO や FieldMaxII-P でで
きない機能について明示させていただいています。本文の記載と実際の機能との差異が生
じた場合には、実際の機能を優先させていただきますので、ご了承ください。
【サンプルソフトのサポートにつきまして】
本機に付属しております、PC 用アプリケーションソフトウェアにつきましては、原則とし
ましてサポートはお断りしておりますので、何卒ご了承ください。不明な点は、アプリケ
ーションソフトのヘルプ機能や README ファイルを参照ください。
なお、最新のアプリケーションソフトウェアは下記の弊社ウェブサイトより、無償でダウ
ンロードができますのでご活用ください。
<ダウンロードサイト>
http://www.coherent.co.jp/Measure/downloads.php
(ウェブサイトの更新に伴い、掲載ページが変更になることがございます。)
ii
FieldMaxII Series User Manual
目
次
ページ
本機を安全にご使用頂くために
1
クイックスタート
2
焦電センサーで平均パワーを測定
3
サーマル/光学センサーでパワーを測定
4
焦電センサーでエネルギーを測定
5
サーマルセンサーを使ってエネルギーを測定
6
機能説明
7
フロントパネル
8
ボタン
9
ディスプレイ
10
右サイドパネル
12
USB コネクタ/センサーコネクタ
12
左サイドパネル
13
電源コネクタ
13
バッテリの交換
14
AC アダプタ
15
操作説明
16
チューニングモード
17
チューニング指針
18
ゾーン表示バー
19
アイコン表示
21
温度
21
TRIG
21
AUTO
22
レンジ表示
22
AVG
22
ATTEN
22
バッテリ
22
エラー表示
23
データの有効性
24
パラメータの設定
25
設定モードと入力(Setup/Local)
25
統計モード(Stat)
26
iii
FieldMaxII Series User Manual
ページ
波長補正機能(Wave)
26
面積補正(Area)
27
面積補正とゼロリセット
27
アベレージ(Avg)
28
アッテネーション補正(Atten)
28
トリガ(Trig)
29
ボタンの機能
30
J/W ボタン
30
Auto ボタン
30
Hz ボタン
30
Zero ボタン
31
電源およびバックライト
31
上下矢印キー/左右矢印キー
31
統計モード
32
無効なデータ
32
エネルギー/パワー計測
32
計測画面とレンジ選択
34
焦電センサーの特記事項
34
内部トリガ
34
周波数表示モード
36
手動レンジモード
36
サーマル/光学センサーの特記事項
36
自動/手動レンジ選択
36
ゼロリセット
37
特記事項
38
トリガ状態とトリガ状態の表示
38
パルス測定でのサーマルセンサーのジュールモード
39
焦電センサーでのワットモード
40
マイナスのパワー表示
41
統計モードでのデジタルチューニング機能
41
Active-X のインストール
41
USB ドライバのインストール
41
校正と保証
42
仕様
46
連絡先
47
iv
FieldMaxII Series User Manual
本機を安全にご使用頂くために
事故によるけが等の防止、本体や本体に接続された機器の損
傷を防いで、安全にお使い頂くために、以下の安全に関する
指示を遵守して頂きますようお願いいたします。バッテリの
交換につきましては、p. 14の「バッテリの交換方法」項を
参照ください。なお、本機には保守用の消耗部品はバッテリ
以外にはありません。
----------------------------------------------------本機に付属する電源アダプタ及びケーブル以外のケーブルを使
用しないで下さい。また、本機の電源アダプタ及びケーブルは、
本機専用ですので、他の機器に使用しないで下さい。ケーブルの
アース線は必ず接地してお使い下さい。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------本機を分解しないで下さい。また、内部回路を露出した状態で使
用しないで下さい。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------本機を水に濡らしたり、結露した状態で使用したり、劣悪な環境
で使用しないで下さい。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------本機は指定された電圧レンジでお使いください。指定された入力
範囲外の電圧を入力しないで下さい。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------不明なエラーが発生した場合には、本機の使用を中止し、すぐに
弊社へご連絡ください。
-----------------------------------------------------
-1性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
クイックスタート
本章ではセンサーの接続の方法や簡単な測定の方法を述べま
す。さらに詳細な使用方法につきましては、p.16「操作方
法」の章をご覧下さい。
----------------------------------------------------レーザの安全基準を遵守下さい。本章で述べられている操作を
行う前には、必ずレーザを遮断するか電源を切って下さい。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------本章で述べられている操作を行う前には、必ず本機の電源を切
ってから行ってください。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------パワー/エネルギー密度の限界を超えて使用しないで下さい。
-----------------------------------------------------
-2性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
焦電(エネルギー)センサ
図1に平均パワーを測定する場合の、焦電(エネルギー)セ
ーで平均パワーを測定
ンサーの設定の方法を示します。
(FieldMaxII-P ではこの
測定はできません。)
① 焦電センサーを 25 ピンコネクタに接続します(もし、
BNC アダプタのセンサーであれば、25 ピンへの変換用
アダプタを付けてください)。
② ジュールモードになっていれば、J/W ボタンを押してワ
ットモードにして下さい。
③ 上下の矢印キーで入力レンジを選択してください(焦電
センサーを使用した場合には自動レンジの選択はできま
せん)。
④ 測定を行い、表示結果を読み取ります。
①
ジュール表示
ワット表示
②
③
図1.焦電センサーで平均パワーを測定する方法
-3性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
サーマル/光学センサー
図2にサーマル/光学センサーでパワーを測定する場合の、
でパワーを測定
設定法方法を示します。
(FieldMaxII-P ではこの
測 定 は で き ま せ ん 。)
① サーマル/光学センサーを 25 ピンコネクタに接続しま
す。
② ジュールモードになっていれば、J/W ボタンを押してワ
ットモードにして下さい。
③ Auto ボタンを押して自動レンジ選択を行います。
④ ビームを遮断し、Zero ボタンを押して、ベースラインを
戻します。
⑤ ビームを当てて測定を行い、表示結果を読み取ります。
①
ジュール表示
ワット表示
②
③
図2.サーマル/光学センサーで平均パワーを測定する方法
-4性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
焦電センサーでエネルギ
図3に焦電センサーでエネルギーを測定する場合の設定方法
ーを測定
を示します。
(FieldMaxII-TO ではこ
の 測 定 は で き ま せ ん 。)
① 焦電センサーを 25 ピンコネクタに接続します。
----------------------------------------------------BNC アダプタのセンサーの場合は、25 ピンへの変換用アダプタ
を付けてください。
----------------------------------------------------② ワットモードになっていれば、J/W ボタンを押しジュー
ルモードにして下さい。
③ 上下の矢印キーで入力レンジを選択してください(焦電
センサーを使用した場合には自動レンジの選択はできま
せん)。
④ 測定を行い、表示結果を読み取ります。
①
ジュール表示
②
ワット表示
③
図3.焦電センサーでエネルギーを測定する方法
-5性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
サーマルセンサーでエネ
図4にサーマルセンサーを使ってエネルギーを測定する場合
ルギーを測定
の設定方法を示します。
(FieldMaxII-P ではこの
測 定 は で き ま せ ん 。)
① サーマルセンサーを 25 ピンコネクタに接続します。
② ジュールモードになっていれば、J/W ボタンを押してワ
ットモードにして下さい。何度か試しに測定を行い、レ
ンジをオーバーしない最適なレンジに設定して下さい。
③ レンジの設定は上下の矢印キーで行います。
④ ビームを遮断し、Zero ボタンを押して、ベースラインを
戻します。
⑤ 次にワットモードからジュールモードに切り替えます。
この時点でレンジ選択(上下の矢印キー)、Zero ボタン、
Auto ボタンは使えません。測定の結果、オーバーレンジ
の場合には、一旦ワットモードに切り替えた上で、レン
ジを調整しなおしてください。
本体の準備ができましたら、画面の上部に「TRIG?」という
アイコンが表示されます。測定中の「TRIG」の表示は、測定
が行われていることを示しています。
⑥ ビームを当てて測定を行い、表示結果を読み取ります。
②
ジュール表示
①
ワット表示
③
④
図4.サーマルセンサーでエネルギーを測定する方法
-6性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
機
能
説
明
本章では FieldMaxII-TOP の機能の説明を行います。本機の
特徴は以下のようになっています。
● バックライト付大型液晶ディスプレイ
● 高速レーザチューニングモード
● サーマル/光学/焦電センサーの使用可
● パルスの最高繰り返しレート
300pps
● 直感的な操作性
● USB1.1 インターフェース
● AC/DC 両用
● スタンド付コンパクトで頑丈な筐体
● 測定単位:
W, W/cm2, J, J/cm2, Hz
● 統計機能:
最大値、最小値、中間値、標準偏差
----------------------------------------------------一部、FieldMaxII-TO や FieldMaxII-P でできない機能があります
ので、各項を参照ください。
-----------------------------------------------------
-7性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
フロントパネル
図5にフロントパネルを示します。大型液晶ディスプレイを
搭載し、パラメータを入力したり、モードを切り替えたり、
レンジを切り替えたりするボタンが付いています。
図5.FieldMaxII-TOP フロントパネル
----------------------------------------------------FieldMaxII-TO のフロントパネルには、”J/W”および”Hz”のボタ
ンはありません。また、FieldMaxII-P には”J/W”および”Auto”の
ボタンがありません(下記参照)。
----------------------------------------------------FieldMaxII-TO フロントパネル
FieldMaxII-P フロントパネル
-8性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
ボタン
FieldMaxII-TOP のフロントパネルのボタンを以下に示しま
す。
●
Setup/Local パラメータの設定の開始/終了
●
Stat
統計機能の表示
●
λ
波長補正の開始
●
Area
面積補正の開始
●
Avg
スムージングの表示
● Atten
減衰比の入力
● Trig
トリガの設定
● J/W
ジュールとワットのモード切り替え
(FieldMaxII-TO、FieldMaxII-P にはありません。)
● Auto
自動と手動のレンジ切り替え
(FieldMaxII-P にはありません。)
●
Zero
ゼロリセット
● Hz
繰り返し周期の測定
(FieldMaxII-TO にはありません。)
●
電源およびバックライトのオンオフ
●
▲
入力フィールドやレンジの選択
●
▼
入力フィールドやレンジの選択
●
入力フィールドの選択
●
入力フィールドの選択
各ボタンの詳細につきましては、p.30以降の「ボタンの機
能」の章を参照ください。
-9性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
ディスプレイ
ディスプレイには様々な情報が表示されます。図6にディス
プレイに表示されるすべてのセグメントを同時に示しました。
図6.液晶ディスプレイ
----------------------------------------------------使用されるセンサーの種類や個別の設定によって、表示される
情報が異なります。
-----------------------------------------------------
-10性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
表示される情報は以下のようにグループ分けされています。
●
画面上部:温度計のアイコン、TRIG、AUTO、フル
レンジの表示、AVG、ATTEN、バッテリのアイコ
ン
●
デジタルチューニング部
●
チューニングメータのスケール表示部
●
統計表示部:MAX、MIN、MEAN、STDV
●
測定結果の表示部
●
測定単位の表示部
●
測定モードの表示部:AUTO か MAN
●
数値情報の入力および周波数表示部
各部の詳細につきましては p.30「ボタンの機能」の項を参
照ください。
-11性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
右サイドパネル
右側面のパネルには USB コネクタとセンサーコネクタが装
備されています。
USB コネクタ
付属の USB ケーブルを USB コネクタに接続すると、USB
インターフェースを介して、本体とコンピューターとの通信
ができます。
センサーコネクタ
DB-25 のコネクタを使用した弊社のセンサー
(SmartProbe)を接続します。
USB コネクタ
センサーコネクタ
図7.右サイドパネル
-12性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
左サイドパネル
電源コネクタは左側のパネルにあります。
アナログ出力コネクタ
電源を入れると、アナログ出力コネクタから現在のレーザ計
測値に比例した電圧が出力されます。計測されたエネルギー
あるいはパワーが0かそれ以下の場合には、0ボルトの電圧
が出力されます。計測されたエネルギーあるいはパワーがフ
ルスケールかオーバーレンジの場合には、フルスケールの電
圧が出力されます。フルスケールの電圧値(0V, 2V, 5V)
は、ホストコンピュータから選択できます。初期値は 2V と
なっています。
電源コネクタ
電源アダプタのコードを接続して使用します。
アナログ出力コネクタ
電源コネクタ
図8.左サイドパネル
-13性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
バッテリの交換方法
本機は 1.5V 単3アルカリ乾電池を6本で使用するか、付属
の AC アダプタ(90-260VAC, 50/60Hz)を使用します。
また、オプションで充電式の専用バッテリのご使用も可能で
す(品番:1092395)
。
図9にバッテリの交換の方法を示します。
① フロントパネルを下にした状態でスタンドを持ち上げま
す。
② バッテリカバーのねじを緩めます。
③ バッテリカバーを外します。
④ 古いバッテリを取り外し新しいバッテリと交換します。
⑤ バッテリカバーを取り付け、ねじを締めます。
①
②
③
図9.バッテリの交換方法
-14性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
AC アダプタ
必ず付属の AC アダプタをご使用願います。付属の AC アダ
プタ以外のアダプタを使用した場合、故障の原因となります。
AC アダプタが本体に接続されると自動的に認識されます。
バッテリ駆動中には以下のようになります。
●
バッテリの寿命が近づくとバッテリのアイコンが点
滅します。
●
バックライトは自動的に3秒後に消えます。
●
センサーが接続されていないと、自動的に10分後
に電源が切れます。
-15性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
操
作
方
法
本章では実際の使用方法についての詳細を述べます。
●
チューニングモード
●
表示アイコン
●
エラー表示
●
データの有効/非有効状態
●
パラメータの設定
●
ボタンの機能
●
統計機能
●
エネルギー/パワー計測
●
計測画面と範囲選択
●
焦電センサー使用時の情報
●
サーモパイル/光学センサー使用時の情報
-16性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
チューニングモード
----------------------------------------------------このモードは手動レンジモードでのみ動作します。
----------------------------------------------------図10に示すように、チューニングはディスプレイ上にチュ
ーニング針とゾーン表示バーを使って視覚的に表示されます。
チューニング針
ゾーン表示バー
図10.チューニング針とゾーン表示バーの位置
-17性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
チューニング針
チューニング針は全体で30個に分割されており、レーザ出
力の最大出力にするために使用します。チューング針がゾー
ンのトップかボトムになると、次のゾーンのセンターに移動
し(図11)
、ゾーン表示バーでその移動がわかるようになっ
ています(次ページの「ゾーン表示バー」の項参照)。
現在のスケールの中心
図11.現在のスケールの中心位置
-18性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
ゾーン表示バー
ゾーン表示バーは6つに分かれています(図12)。
ゾーン表示バー
図12.ゾーン表示バー
これらのバーはチューニング針がゾーン間を自動的に移動し
ている間は、視覚的な表示を行います。また、実際の測定レ
ンジの中で測定個所がどこにあるかを相対的に表示します。
-19性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
ゾーン表示バーは必ずペアで表示され、フルスケールの3分
の1の部分を表示するようにオーバーラップします。図13
にチューニングのスケール上で5つのパターンのゾーン表示
バーをどのように表示するかを示しました。
図13.フルスケール測定でのゾーン表示バーの比較
-20性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
図14にゾーン表示バーが30W フルスケールで、どのよう
にオーバーラップするかの例を示しました。
フルスケール
図14.チューニングモードの例:フルスケール30W
アイコン表示
ディスプレイにはアイコンタイプの記号など多彩な表示機能
によって種々の情報が表示されます。これらの表示の更新レ
ートは1秒間に3回です。
温
度
(サーモパイルセンサー接続時のみ)
温度計を模したアイコンが点滅すると、センサーが
オーバーヒートしている状態を示します。通常の状
態では表示されません。
TRIG
トリガがかかると、「TRIG」が表示されます。「TRIG?」の
状態はトリガ待ちであることを表します。
トリガのアイコンは以下の状態で適用されます。
●
焦電センサーが接続されている。
●
サーモパイルセンサーが接続されて、ジュールモー
ドになっている。
-21性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
AUTO
(サーマル/光学センサーの接続時のみ)
AUTO の表示は本体が自動レンジになっていることを表し
ます。自動レンジでなかったり、焦電センサーが接続されて
いる場合には表示されません。
レンジ表示
ディスプレイの上部近く、チューニング針のすぐ上に、
「3」
、
「30」、「300」と表示される場合があります。これは、
フルスケールの設定状態を表しています。
AVG
AVE が画面に表示されているときには、焦電センサー接続時
にはサンプルにより、サーマル/光学センサー接続時には時
間により平均化された数値が画面に表示されます。AVE が表
示されていなければ、アベレージモードがオフになっていま
す。
ATTEN
ATTEN が表示されているときには、表示結果に減衰係数に
よる補正が行われています。
バッテリ
バッテリを模したアイコンは、バッテリで使用し
ている時に常に表示されています。
AC アダプタ使用時には表示されません。バッテリアイコン
が点滅すると、バッテリの交換の必要があります。
-22性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
エラー表示
FieldMaxII シリーズは内部のエラーや使用法に起因するエラ
ーを検知する機能を持っています。エラーを検知した場合に
は、ディスプレイに「Er」とそれに続くエラーコードが表示
されます(エラーコードは下記の表1を参照)。エラー表示を
解除するには、いずれかのボタンを押すか、エラーの原因を
取り除いてください。
表1.エラーコード
エラーの状態
エラーコード
センサーが認識できません。
1
センサーとの通信ができません。
2
センサーのエラー
3
センサーのエラー
4
センサーと本体のバージョンが一致しません(最新のセンサー
の機能を使うために、本体のアップグレードが必要です)。
5
サンプルレートエラー
6
ハード的なエラー
20
ゼロリセットができません。
40
データのオーバーフロー(許容範囲を超えたデータが取り込ま
れ、演算のエラーが発生しています。)
本体に適合しないセンサーが接続されています。
*詳細は p.30「Zero ボタン」の項を参照ください。
たとえば、
「Er4」と表示されたときには、センサーに何か問
題があります。一旦センサーを取り外して接続しなおしてみ
てください。
認識できないセンサーが本体に接続された場合、表1の1か
ら5のエラーコードが表示されます。
-23性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
41
42
FieldMaxII Series User Manual
データの有効性
データが有効かそうでないかは1秒に3回のレートで表示さ
れます。
無効なデータ
測定レンジがオーバーしているときに表示されます。
無効なデータが検出されたときに、
「OL」
(オーバーロードの
意)と表示されます。手動レンジモードのときに「OL」が表
示された場合には、Zero ボタンを押して、再度測定をしなお
してください。ほとんどの場合これで解決するはずです。自
動レンジモードで「OL」と表示された場合には、処置できる
ことはありません。
適切でないデータ
測定中に時々、データが適切でないと「----」という表示が
現れることがあります。以下の場合にこの表示が現れます。
●
焦電センサーが接続されているときにトリガが無い
場合。
●
焦電センサーが接続され、測定モード(ジュールと
ワット)を切り替えて、トリガが検出されない場合。
●
統計モードで、一連の測定データが処理されないと
き。
-24性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
パラメータの設定
この項ではユーザが定義するパラメータの設定を行う方法に
ついて説明します。
Setup/Local ボタン
Setup/Local ボタンは幾つかの機能を持っています。
(設定モードと入力)
1. 設定モードでない時、Setup/Local ボタンを押すと、設
定モードに切り替わります。次に、パラメータを設定す
るために、STAT/WAVE/AREA/ATTEN/TRIG/AVG
などのボタンを押すと、設定モードに入り、各々のパラ
メータを設定できます。これらのボタンを押さずに、そ
のまま Setup/Local ボタンを押すと、もとに戻ります。
2. パラメータを選択していなければ、Setup/Local ボタン
を押すと、設定モードはキャンセルされます。
3. 設 定 モ ー ド で パ ラ メ ー タ が 選 択 さ れ て い る 時 、
Setup/Local ボタンを押すと、調整したパラメータが確
定します。
4. Setup/Local ボタンはリモートコントロール状態の時、
フロントパネルを使えるようにします。
----------------------------------------------------本体がホストコンピュータに USB で接続され、ホストコンピュータ
のアプリケーションプログラムと通信状態にある時、本体はリモ
ートコントロール状態にあります。本体がリモートコントロール状
態の時、すべてのフロントパネルのボタン(電源ボタンと
Setup/Local ボタンは除く)は反応しません。リモートコントロール
状態で Setup/Local ボタンを押すと、リモートコントロール状態を
解除し、ローカル状態(すべての本体機能を本体側から操作可
能)に戻します。
----------------------------------------------------Setup/Local ボタンはユーザが定義したパラメータを設定
する際にも使われます。Setup/Local ボタンを押すとパラメ
ータの設定モードに入ります。
パラメータ設定モードは以下のとおりです:
●
Setup/Local ボタンを押すと設定機能が始まります。
●
次に、設定したいパラメータのボタン
-25-
性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
(STAT/WAVE(λ)/AREA/AVG/ATTEN/TRIG)を押
してください。設定モードが始まったら、続けて同じボ
タンを押すと元に戻ります。
●
矢印キーを使って適切なフィールドを選択し、数値
を設定してください。
●
最後に Setup/Local ボタンを押すと、設定モードを
終了し、新しい値が確定します。
ユーザが定義するパラメータを設定するには、まず
Setup/Local ボタンを押して、設定モードに入ります。
パラメータ設定モードは以下のとおりです。
●
設定を開始するために Setup/Local ボタンを押す。
●
設定を行いたいパラメータのボタン(Stat, λ, Area,
Avg, Atten, Trig など)を押します。もう一度同じボタ
ンを押すと、もとに戻ります。
●
矢印キーを使って適切なフィールドやデータの値を
調節します。
●
最後に Setup/Local ボタンを押すと、新しく入力し
た値に設定されます。
統計モード
統計モードに入るには Stat ボタンを押します。再び Stat ボ
タンを押すと通常のモードに戻ります。統計の設定は以下の
手順で行います。
設定モードに入って、設定したいパラメータ(バッチサイズ、
リスタート)を選択します。バッチサイズは 2 から 99,999
パルス(サーマルセンサーをジュールモードで使用か焦電セ
ンサー使用時)に設定するか、1 から 99,999 秒(サーマル
センサーをワットモードで使用か光学センサー使用時)の範
囲で設定可能です。
波長補正機能
FieldMaxII-TOP の校正波長と実際に測定する波長
(FieldMaxII-P では、
の違いによる誤差を自動的に補正することができま
接続されたセンサー
す。
の校正波長を見るだ
Setup/Local ボタンを押し、λボタンを押すと、波長の入力
けの機能となります。) ができます。波長レンジは 1.00 – 99,999nm ですが、実
際にはセンサーに依存します。
-26性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
波長の設定モードで無い状態で、λボタンを押すと、現在の
設定値を見ることができます。
----------------------------------------------------もし、センサーに波長補正情報が入っていなければ、波長データ
の変更はできません。
----------------------------------------------------面積補正
このモードでは、レーザのエネルギーをフルーエンスで、レ
ーザのパワーを平均パワー密度で測定できます。このモード
ではビームの直径を入力して計算され、ビームは円としてみ
なされます。このモードでは 0.01 – 999.99mm の範囲で
設定可能です。
----------------------------------------------------さらに詳しい内容については次項「面積補正と Zero リセット」を参
照ください。
----------------------------------------------------●
Setup/Local ボタンを押し、Area ボタンを押すと、
面積の設定モードになります。
●
設定された直径を見るためには Area ボタンを1秒
以上押してください。
面積補正とゼロリセット
(サーマル/光学センサーのみ)
----------------------------------------------------面積補正を行う前にゼロリセットを必ず行ってください。以下にそ
の手順を示します。
----------------------------------------------------1.
Area ボタンを押して(1秒以内)面積補正値を設定
にします。
2.
Auto ボタンを押して自動レンジにします。
3.
ビームを遮断します。
4.
センサーを安定した状態にします。サーマルセンサー
-27-
性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
使用時には、安定状態はディスプレイの数値を見れば
判断できます。センサーが冷えるのに従って、最初に
数値は急激に小さくなり、次にだんだんゆっくりと小
さくなっていきます。センサーが冷えればそれだけ面
積補正による測定がより正確になります。光学センサ
ーはセンサーを冷やす必要はありません。
5.
Zero ボタンを押します。
これでセンサーはゼロリセットされました。ゼロリセットに
ついての詳細は p.29「ゼロリセット」の項をご覧下さい。
アベレージモードでは表示をスムージングすることができる
ので、変化が激しくて読み取りが困難な場合でも、この変動
を抑えて読み取ることが可能です。
----------------------------------------------------表示される数値はパルス数(焦電センサーの場合)か時間(サー
マルか光学センサーの場合)で設定可能です。
----------------------------------------------------スムージングの効果の設定が可能です。焦電センサー使用時
には、2から 1,000 パルスで、サーマル/光学センサーを
使用時には、1 から60秒で設定できます。
設定は以下のように行います。
●
Ave ボタンを押すとアベレージングが行われます。
●
設定モードにしてスムージング・ウィンドウを設定
します。
設定されたスムージング・ウィンドウを見るには、Ave ボタ
ンを1秒以上押します。
アッテネーション
アッテネーション・モードは、減衰比がわかっている場合に、
補
補正した測定結果を得ることができます。アッテネーション
正
補正モードではセンサーではなく減衰装置を通した測定結果
を補正して結果を表示します。減衰の係数の範囲は 1.00 か
ら 999.99 です。
-28性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
以下にアッテネーション補正の例を示します。
仮に、1W のレーザビームを 50%の減衰比の光学系を通し
て測定を行った場合、補正の係数として、2.00 を入力しま
す。言い方を変えますと、減衰器を通して、ビームの半分の
パワーしかセンサーに入力されていないので、実際のレーザ
の値は2倍になるということです。
Atten ボタンは以下のように使います。
●
アッテネーション・モードとの切り替えを行います。
●
Setup/Local ボタンを押してから Atten ボタンを
押すと、
減衰係数の設定が可能です。
●
Atten ボタンを1秒以上押しつづけると、現在の設
定値を見ることができます。
トリガ
Setup/Local ボタンを押してから、Trig ボタンを押すとト
リガの設定モードとなり、トリガレベルが設定できます。ト
リガの範囲はフルスケールの 2~20%で設定できます。
さらに詳しくは p.34「内部トリガモード」の項を参照くだ
さい。
-29性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
ボタンの機能
J/W ボタン
(FieldMaxII-TO、FieldMaxII-P にはありません。)
ジュール・モードとワット・モードの切り替えを行います。
光学センサーを接続した場合には、ワット・モードのみ有効
です。
Auto ボタン
(サーマル/光学センサー使用時のみ、FieldMaxII-P にはあ
りません。)
このボタンを押すと、入力されている信号に対して、最も適
切な入力レンジに設定されます。
Hz ボタン
(焦電センサー使用時のみ、FieldMaxII-TO にはありません。)
Hz ボタンを押すと、パルスの周波数を表示するモードと切り
替わり、画面の下部に周波数が表示されます。もし、周波数
が 300Hz を超える場合は、- - - Hz と表示されます。
(サーマル/光学センサー使用時のみ)
Zero ボタン
●
Zero ボタンを押すと、アナログ回路をゼロ周期にし
て、内部の設定をゼロにします。もし、自動レンジ
でなければ、本体は現在選択されたレンジでゼロ値
になります。自動レンジであれば、本体は接続され
たセンサーの取り得る全レンジでゼロ値となります。
ゼロリセットが行われたとき、ゼロリセットが完了
するまで、他のボタンは受け付けられません。もし、
センサーが外されたり、エラーが発生した場合には、
ゼロリセットはすぐに中断されます。
通常、Zero ボタンは接続されたセンサーからレーザ
が遮断された状態で行います。もし、何らかのパワ
ーがセンサーに入力されていれば、これをゼロにし
ようとします。もし、入力されているパワー値が、
ゼロにできないくらいに大きければ、bad zero のエ
ラーコードが表示されます(p.23参照)。
もし、bad zero エラーが発生しましたら以下の処理を行っ
-30性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
てください。
① いずれかのボタンを押してください。
●
②
新しくレンジを選びなおしてください。
③
再度 Zero ボタンを押してください。
Zero ボタンの二つ目の機能としては、統計モードに
て手動で統計結果をリセットして、取り込みをやり
直すことができます。
電源スイッチとバックラ
電源スイッチで、電源のオンオフとバックライ
イト
トのオンオフを行います。
●
本体の電源が切れているとき、電源スイッチを1秒
程度押すと、電源が入ります。
●
電源が入った状態で1秒程度電源スイッチを押すと、
電源が切れます。
●
電源が入った状態で、1秒以下の短い時間押すと、
バックライトが点灯または消灯します。
●
電源を入れた際には、バックライトは常に消えてい
ます。
●
バッテリ駆動の際には、バックライト点灯3秒後に
バックライトは自動的に消えます。
●
バックライトはACアダプタが外されると同時に消
えます。
上下矢印キー
これらのボタンにはいくつかの機能があります。設
定モードでは設定フィールドの選択を行います。設
定モードでないときは測定レンジを手動で選択し
ます(自動レンジモードの時には自動モードをキャ
ンセルします)。
左右矢印キー
これらのボタンには二つの機能があります。設定モ
ードのとき選択されているフィールドの数値を変
更します。設定モードでなく統計モードのときは、
表示したい統計数値を選択するのに使います。これらのボタ
ンは設定モード、統計モード以外では機能しません。
-31性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
統計モード
FieldMaxII シリーズは瞬間的な測定とは別に、統計データを
表示できます。焦電センサーの統計データは、基本的にパル
ス毎に計算されます。サーマル/光学センサーでは、時間軸
で計算されます。
----------------------------------------------------上記の例外: ジュールモードでサーマルセンサーを使用すると、
エネルギーは、設定されたレーザパルスを平均したパワーとして
測定されます。
----------------------------------------------------自動レンジを選択すると、いままで測定した一連の結果をリ
セットして、再計算を始めます。自動レンジでないときは、
Zero ボタンを押すことによって代用できます。
----------------------------------------------------Stat ボタンを押しつづけると、自動か手動モードかを表示するこ
とができます。
----------------------------------------------------統計モードについてのパラメータの設定の詳細は p.31の
「左右矢印キー」を参照ください。
無効なデータ
一連の統計データの結果を出すためには、すべてのデータが
有効である必要があります。もし、一連のデータ測定中に無
効なデータがそくていされたら、すぐにデータ処理は終了し、
計測結果は表示されません。しかし、再計算モードが自動に
なっていれば、新たに測定を開始します。
エネルギー/パワー計測
エネルギー(単位ジュール)測定は焦電センサー(パルスレ
ーザの場合)やサーマルセンサー(ロングパルスレーザの場
合)を使って行われます。使用方法は両者では少し異なって
います。光学センサーはエネルギー測定ができません。
-32性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
----------------------------------------------------ロングパルスモードでサーマルセンサーを使用した場合、エネル
ギーはレーザのある幅を持ったパルスで統合されたパワー地とし
て測定されます。詳細は p.38の「パルス測定でのサーマルセン
サーのジュールモード」を参照ください。
----------------------------------------------------パワー(単位ワット)測定は焦電センサー(パルスレーザ用)
か、サーマル/光学センサー(CW レーザ用)を使います。
----------------------------------------------------サーマルセンサーを使用した場合、測定をスピードアップするア
ルゴリズムが働きます。このアルゴリズムはレーザをチューニン
グする際により高速でレスポンスできるようにチューニング針を
最適化します。P.17「チューニングモード」を参照ください。
----------------------------------------------------エネルギー測定では、使用するセンサーのタイプによって、
表示が多少異なります。
表2にセンサーのタイプによる測定情報をまとめました。
表2.センサーによる表示情報の差異
センサータイプ
ジュールモード
ワットモード
・レーザのパルスを統 合したパワーに
よるエネルギーを表示
連続/平均パワー
サーマルセンサー
・メータ/レンジのヒントは無効
・自動レンジは不可
統計モード:MAX/NIN/MEAN
統計モード:MAX/NIN/MEAN
不可
連続パワー
光学センサー
統計モード:MAX/NIN/MEAN
・繰り返しパルスによる平均パワー
パルスごとのエネルギー
・レンジのヒント無効
焦電センサー
統計モード:MAX/NIN/MEAN/STDV
統計モード:MEAN
-33性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
測定結果とレンジ設定
表示の更新レートは1秒に3回です。
測定レンジはあるステップで切り替わります。レンジはセン
サーのタイプや特性、ユーザが設定した条件によって異なっ
てきます。
FieldMaxII-TOP は、3および3の10倍のステップでフル
スケールが切り替わります。たとえば、フルスケール3W の
上のレンジは30W、その上は300W というように切り替
わります。自動レンジでフルレンジ3W で測定していて、途
中から3W 以上の入力があれば自動的にフルレンジ30W
に切り替わります。
最大レンジを超えた入力があった場合には、「OL」と表示さ
れます。
焦電センサーの特記事項
最高の精度と繰り返し性を確保するためには、各々のレーザ
パルスを信頼性よくトリガをかける必要があります。内部ト
リガ機能は入力された信号で人工的にトリガを発生させる機
能です。
内部トリガ
内部トリガを有効に機能させるには、最低でも入力レンジの
フルスケールで5%以上になるようにレンジを設定してくだ
さい。内部トリガのレベルは、ノイズのレベルより2%以上
大きく、入力パルスのピーク値より2%以上小さなレベルに
して下さい。
例えば、300mJ のピークの場合、レンジを3J にして下さ
い。この時、ピークはフルスケールの10%になります。ト
リガレベルは8%以上に設定して下さい。もし、ノイズレベ
ルがフルスケールの5%(約150mJ)であれば、トリガレ
ベルは7%以下にしないで下さい。
図15に示した例では、内部トリガレベルはフルスケールの
-34性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
8%(破線)に設定されています。パルス A はトリガがかか
りません。パルス B はトリガがかかることもありますが、不
安定です。パルス C、D は安定してトリガがかかります。
トリガ不可
不安定
トリガ可
図15.内部トリガレベル
あるレンジでフルスケールの信号はこのレンジより次に大き
なレンジでは、トリガレベルを10%より小さくしないとト
リガがかかりません。例えば、300mJ のフルスケールで、
フルスケールの近い280mJ の入力のとき、次に大きなフ
ルスケール3W の時には10%に達しません。この例できち
んとトリガをかけるには、トリガレベルを8%より小さくし
てください。
トリガはパルスの最初のエッジに同期しますが、実際のピー
クはトリガに近い入力信号を取り込み、アルゴリズムによっ
て決められます。トリガ点より前から、アルゴリズムによっ
てピークを検知し、トリガ点の後でベースラインを決定しま
す。
-35性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
周波数表示モード
必要であれば、焦電センサー使用時に、パルスの繰り返し周
波数を表示することができます。詳細は p.29「Hz ボタン」
を参照ください。
手動レンジモード
手動レンジはユーザによるレンジ設定が可能です。自動レン
ジは焦電センサー使用時には使えません。詳細は p.30「上
下矢印キー」を参照ください。
サーマル/光学センサー
の特記事項
自動/手動レンジ選択
サーマル/光学センサー使用時には、自動レンジ(Auto)機
能により、入力信号の大きさに合わせて自動的に入力レンジ
を設定することができます。自動レンジのときチューニング
針は0からフルスケールまで表示されています(図16参照)。
チューニング針
図16.ジュールモードのときの自動レンジ
手動レンジはユーザによるレンジ設定が可能です。自動レン
ジは焦電センサー使用時には使えません。詳細は p.30「上
下矢印キー」を参照ください。
-36性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
ゼロリセット
サーマル/光学センサーは定期的にゼロリセットを行う必要
があります。ゼロリセットはセンサーに入力される何らかの
パワーを無視して、ベースラインを0にします。自動レンジ
のとき、センサーはどのレンジでもゼロリセット可能です。
自動レンジでないとき、センサーは今のレンジでのみゼロリ
セットが可能です。通常の場合、各レンジにおいては数秒で
ゼロリセットが終了します。
ゼロリセットを始めたら、表示部に「ーーー」と表示されま
す。エラーが発生しない場合には、ゼロリセット完了後にす
ぐに測定可能です。
-37性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
特
記
事
項
この項では以下について述べます。
●
トリガ状態とトリガ状態の表示
●
パルス測定でのサーマルセンサーのジュールモー
●
焦電センサーでのワットモード
●
マイナスのワット表示
●
統計モードでのデジタルチューニング機
●
Active-X のインストール
●
USB ドライバのインストール
トリガ状態とトリガ状態
トリガ状態は、「TRIG」と、それに続く「?」の表示で行わ
の表示
れます。トリガの状態は、焦電センサーを接続したり、サー
マルセンサーをジュールモードで使うときに常に表示されま
す。トリガ状態は光学センサーが接続されているときは表示
されません。
焦電センサーが接続されたとき、トリガの状態は、
「トリガが
かかっている」か「トリガを待っている」状態なのか、どち
らかになります。トリガがかかっている状態の時には、レー
ザパルスを取り込んでいることを示しています。トリガ待ち
の状態ではパルストリガが無いことを示しています。パルス
が取り込まれた時、トリガ状態はアクティブになり、そして
トリガ状態はアクティブでなくなります。もし、最後のパル
スが取り込まれた後、1.67秒以内にパルスが取り込まれ
なければ、トリガ待ちの状態はトリガ待ちの状態になります。
トリガがかかった状態の時の表示は「TRIG」、トリガ待ち状
態の時の表示は「TRIG?」となります。
パルス測定でのサーマル
サーマルセンサーが接続されていて、かつ、ジュールモード
センサーのジュールモー
で使用しているときは「積分されている」か、
「トリガを待っ
ド
ている」状態のどちらかになります。積分状態では、レーザ
パワーが積分され最終的にエネルギー測定を行っていること
を示しています。トリガ待ち状態では、積分するパワーパル
スを待っている状態であることを示します。本体がパワーパ
-38性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
ルスのトリガを検知したとき、積分状態はアクティブになり、
次のトリガを待つ状態になります。積分状態はパワー信号が
衰えて最後のエネルギーが予想される点まで続きます。トリ
ガ待ちの状態になると積分状態でなくなります。トリガの表
示は、積分状態の時には「TRIG」、トリガ待ちの状態のとき
は「TRIG?」となります。
(ロングパルスレーザ測定時のみ)
サーマルセンサーを接続したとき、一定の持続時間のレーザ
パルス、あるいは、ある一定の持続時間をもつ連続したレー
ザパルスの測定を行うことができます(サーマルセンサーは
通常、レーザパワーの測定に使われ、パワー信号を生成する
のに使われるレーザのパルス幅に比較して、非常に遅い応答
性を持っています)。
パワー曲線はパルスの始まりから終わりまでの積分であらわ
されます(図17参照)
。最終的なエネルギー値は、パワーが
ピークに達した後に、非常に短時間でアルゴリズムを使って
計算されます。
ピークパワー
アルゴリズムによって積分さ
れる部分
トリガ点
ジュール値の準備
パルス開始点
図17.エネルギーの測定:パルスサーマルセンサー(ジュ
ールモードのとき)
ロングパルスのジュールモードではエネルギーレンジがあり
ません。正確なレベルはジュールモードよりパワーモードで
設定されたレンジが優先します。
-39性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
焦電センサーでのワット
焦電センサーを接続すると、連続するパルスからパワーを測
モード
定することができます。トリガがかかっている間、測定され
たパワーは、ワットでディスプレイに表示されます。少なく
とも2つのパルスが1回の表示間隔(約3分の1秒)の間に
取り込まれる必要があります。もし、取り込まれなければ、
「- - -」の表示(パワー測定不能の意)が現れます。
バーストパワー(図18)はワット単位でパワーとして扱わ
れます。表示間隔(約3分の1秒)で取り込まれたエネルギ
ーパルスの総和として、また、これらのパルス間の、時間間
隔の総和として計算されます。表示された結果は、バースト
信号が示すパルスの連続するパワーを表しています。
3分の1秒の表示間隔
図18.バーストパワー
----------------------------------------------------バースト信号の最初のパルスは、計算を行うためのトリガとして
使用され、計算には使われません。これは、最初の時間間隔(t0)
を決めることができないためです。
----------------------------------------------------nが0のとき、パワーは0です。この状態は表示を行う間隔
にパルスがひとつしか入ってこなかったときに生じます(図
19のBを参照)。この制限から、最低でもレーザパルスの繰
り返しレートは、バーストのパワー計測の場合、6Hz以上
が必要となります。
-40性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
バースト
表示の更新間隔
図19.バーストパワー測定における制限
他の制限としては、複数のバーストで起こります(図19の
C)。表示の更新間隔で2つ以上のバーストがあると、バース
トとバーストとのギャップのために、パワーは低く計算され、
その結果、実際よりも小さな値が表示されます。
マイナスのパワー表示
マイナスのパワー値が表示されたとき、センサーをゼロリセ
ットする必要があります。マイナスのパワー値はふたつの表
示エリアに表示される場合があります。ひとつはデジタルチ
ューニング部と、もうひとつは数値の表示部です。
デジタルチューニング機能はいつも測定されたパワー値を絶
対値で表示します。もしパワー値がマイナスであればマイナ
ス記号が表示されます。
統計モードでのデジタル
チューニング針とゾーン表示バーは統計モードでは使えませ
チューニング機能
ん。
Active-X のインストール
標準で Active-X のインストール用 CD セットが添付されて
います。詳しくはCDの Readme ファイルをご覧下さい。
USB ドライバのインスト
本体を最初にPCに USB ケーブルで接続したとき、インス
ール
トールの指示が表示されますので、その指示に従ってインス
トールを行ってください。
ホスト・インターフェース
英文マニュアルをご覧ください。
-41-
性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
校正と保証
この項では以下の項目について述べます。
年に一度の校正
●
年に一度の校正(本ページ)
●
コヒレントの校正施設と能力
●
校正期限
●
延長保証
●
保証の制限
●
サービス
FieldMaxII シリーズ・パワー&エネルギー・メータは高精度
の計測機器であり、適切な保守を怠らなければ、長期間にわ
たって非常に正確な測定を提供することができます。
高いレベルのパフォーマンスを維持するには、本機を、お使
いのセンサー類と含めて、毎年一度の校正を実施することを
強く推奨いたします。
-42性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
コヒレントの校正施設
コヒレント社はレーザ発信機のリーディング・カンパニーと
して、広範囲のレーザの種類と技術を装備を可能にした最新
の校正施設を設置・運用を行っています。この校正施設では、
波長、パワーやその他の特性を操作することで、センサーや
測定機器の校正をさまざまな組み合わせで実施できます。セ
ンサーは NIST にトレーサブルな「ワーキング・スタンダー
ド・センサー」で校正されています。この「ワーキング・ス
タンダード・センサー」は、今度は NIST にトレーサブルな
「ゴールデン・スタンダード・センサー」で校正されていま
す。これらの「ゴールデン」および「ワーキング」スタンダ
ード・センサーは最新の注意を払って管理され、年に一度の
校正とさらに頻繁に定期的な確認作業を行っています。
コヒレント社は、ユーザの校正に関する要望にお応えするた
めに、種々のレーザの波長において NIST で校正された複数
のスタンダードを管理・運用しています。
光学的な校正はコヒレント社の重要な能力のひとつであり、
校正手法や精度、再現性の改善を絶え間なく行っています。
加えて、ほとんどの校正は高度に自動化されたシステムで実
施されるため、人的ミスをほぼゼロに抑えることができます。
校正や試験のたくさんのステージでの厳格な品質検査には、
NIST にトレーサブルで CE マーキング準拠の精密で高精度
の機器を使用していることを保証いたします。コヒレント社
によって校正された機器はユーザの実際の使用環境で期待さ
れるように一貫して遂行することで、ユーザに利便性を提供
しています。コヒレント社は ISO9001:2000 認定企業で、
製品は NSIT トレーサブルで校正施設は ANSI Z540 の規格
に準拠しています。
技術的な優位点として、コヒレント社は、また、知識が豊富
で優秀なスタッフと迅速な対応により、最良のサービスをお
届けすることに、たゆまぬ努力をしています
-43性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
保証期限
コヒレント社は弊社のレーザパワー/エネルギー・メータやセ
ンサー製品について、最初の購入者に対して、製品の納品後
12 カ月間、すべての仕様について無償で保証いたします。
コヒレント社は保証期間内に不良が発見された場合、製品や
部品の修理や交換を適宜行います。この保証は最初に購入し
たユーザにのみ適用され、保証の譲渡はできません。
延長保証(有償)
コヒレント社は弊社のレーザパワー/エネルギー・メータやセ
ンサー製品について、最初の購入者に対して、延長保証や生
涯保証プログラムを提供いたします。この保証を適用するた
めには、再校正と再認証(NIST と MIL-STD-45662A に
トレーサブル)を行うために、ユーザは購入後毎年 1 年以内
に継続してコヒレント社に製品を返送する必要があります。
コヒレント社は固定のサービス料金*のなかで、製品を再保証
し、ソフトウェアのアップグレードを行い、必要であれば修
理を行います。
*
コヒレント社との延長契約内容、契約期
間、有効なサービス内容による。
もし、再校正を実施した日から 1 年以内に、製品に不良が発
生し、コヒレント社に送付された場合、コヒレント社は製品
や部品の修理や交換を適宜行います。この保証は最初に購入
したユーザにのみ適用され、保証の譲渡はできません。
もし、製品が再校正や修理で 1 年以内にコヒレント社に返送
されない場合には、延長保証や生涯保証は無効となります。
この場合、生涯保証プログラムは、有償ベースの製品の評価、
修理を行った後、次に再校正、再認証サービスを行ってから、
復帰する手順となります。
これらの延長保証の詳細につきましては、弊社技術サービス
部にご連絡ください。
-44性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
FieldMaxII Series User Manual
保証の制限
製品の無償の保証期間は弊社出荷後 12 カ月ですが、下記の
場合には既定の期間内であっても無償での保証をいたしかね
ます。
●
お客様の誤ったインストレーション、誤った取扱い、
誤った使用による破損。
●
レーザの入射による損傷。修理不能なセンサーの損
傷を含む。
●
推奨するメンテナンス工程に従わなかった場合の損
傷。
●
コヒレント社から許可されていない改造や変更、修
理を行った製品。
●
製品の環境仕様外での操作を行った場合。
コヒレント社は保証サービスあるいは再校正のためにコヒレ
ント社製品と一緒に返送されてきた、顧客から提供された材
料等については、責任を負っておりません。
文書で書かれたもの、口頭で取り交わされたもの、暗に意味
しているかどうかに関わらず、他のすべての保証ではなく、
この保証が最優先します。コヒレントは商品性や特殊な用途
への適性を暗に意味している保証を明確に拒否します。コヒ
レント社はコヒレント社製品の接続による、いかなる間接的、
二次的また間接的損害に対し責任を負うものではありません。
-45性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
Field
dMaxII Seriies User Ma
anual
仕
様
環境:
使用環
様は事前の予
予告なく変更
更される場合
合があります
す。現
注)本仕様
高度
度
物と仕様と
とが異なる場
場合には、現
現物を優先さ
させていただ
だきま
相対
対湿度
す。標準価
価格は 2012 年 3 月時
時点の価格で
です。
温度
度
作)、12,000
0m 未満(保
保存)
4,500m 未満(動作
満(5-40℃、動作)、95%
%未満(0-7
70℃、保存)
90%未満
5 – 40℃
℃(動作)、2
20-70℃(保存)
-46性能を
を維持する為に
に、メータおよび
びセンサーは年に
に一度の校正を
をお奨めいたし
します。
FieldMaxII Series User Manual
連
絡
先
本製品に関してのお問い合わせは下記へお願いいたします。
《使用方法、校正・修理に関して》
コヒレント・ジャパン株式会社
レーザ計測機器サービス・センター
〒136-8580 東京都江東区南砂 3-3-4 同興ビル 5F
電話:(03)5665-9804
Email: [email protected]
《その他問い合わせ》
コヒレント・ジャパン株式会社
レーザ計測機器営業 Gr.
〒135-0016
東京都江東区東陽 7-2-14 東陽 MK ビル
電話:(03)5635-8680(Gr 代表)
FAX:(03)5635-8701
Email: [email protected]
コヒレント・ジャパン URL: http://www.coherent.co.jp
米国コヒレント社 URL: http://coherent.com
お知らせ
本マニュアルは、平成 23 年 3 月時点での情報に基づいて記
述されています。
ここに記載されている機能、性能、仕様、価格等は予
告なく変更される場合がございます。また、本マニュ
アルの記載と実機との間に異なる点がある場合には
実機が優先いたしますのでご了承ください。
-47性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
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FieldMaxIITM Series Japanese User Manual, 3/2012 Rev.AC
-48性能を維持する為に、メータおよびセンサーは年に一度の校正をお奨めいたします。
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