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G8エビアン・サミット首脳会合の結果概要
G8エビアン・サミット首脳会合の結果概要 平成15年6月 農林水産省 6月1日(日)から3日(火)の3日間、フランス・エビアンでG8サミット首脳会合が 開催され、G8議長サマリーおよび付属文書が公表されたところ、概要は次のとおり。 1.参加国 日本、米国、露、仏、独、伊、加、英国、EU 2.主要議題 (1)経済(マクロ経済、貿易等) (2)持続可能な開発(アフリカ、飢餓、水、科学技術等) (3)安全保障(テロ対策等) (4)地域情勢 3.G8議長サマリーの概要(農林水産省関連部分) (1)経済 ・マクロ経済、構造改革、貿易:ドーハ開発アジェンダにおいて設定されている目的 及び全体的なスケジュールを達成するための多国間協調を再確認。 (2) 持続可能な開発 ・ アフリカ:NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)の運営委員 代表(アルジェリア、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ)と議論し、アフリカ 開発への貢献の意志を表明。 ・ 飢餓:緊急な食料援助の要請に応えることを約束。飢餓防止のためのメカニズ ム、長期的な食料安全保障の改善方策に合意。 ・ 水:京都での世界水フォーラムを受けて、国連ミレニアム宣言の目標等の達成を 支援するための行動計画を採択。 ・ 開発のための資金:国連ミレニアム開発目標、モンテレー合意への支持の再確 認。 ・ 持続可能な開発のための科学技術:以下の3分野に焦点を当てた科学技術の有効 活用を確認。 - 地球観測 - クリーン・エネルギー、大気汚染・気候変動との戦い - 農業と生物多様性 ・ 違法伐採:持続可能な森林経営の観点から、違法伐採問題に対処する国際的な努 力を強化するとの決意を確認。 ・ 海洋環境とタンカーの安全:海洋資源の過度の開発を軽減。 (3) 安全保障 ・ テロ対策等 (4) 地域情勢 ・ イラク、北朝鮮問題等 4. サミット付属文書の概要(農林水産省関連部分) (1) 経済 ○ 「貿易に関するG8の協調行動」 ①多角的貿易システムの重要性の確認 ②G8がリーダーシップをとり、2004年末までの交渉目的の達成と9月のカン クン閣僚会議で必要な決定を行うことの確認 ③市場アクセス3分野、ルール、医薬品アクセス、シンガポール・イシュー等分野 ごとの取組課題の確認 等で構成。(農業分野に特化した記述はない。) (2) 持続可能な開発 ○ 「アフリカ行動計画実施報告書」 ① 平和及び安全の推進 ② 制度及び統治の強化 ③ 貿易、投資、経済成長及び持続可能な開発の促進 ④ 債務救済 等で構成。 農水省関連では、 (i) アフリカの農業の生産性向上のための国際協力(ネリカ米に対する支援、F AOの食料安全保障に関する特別計画に対する支援等)、 (ii) LDC無税・無枠措置の拡充(農水産品の対象品目拡大によるほぼ全ての LDCからの輸入に対する無税無枠の改善)、 (iii) G8全体での17億ドルの緊急人道援助(我が国の食料援助9,600万ドルを 含む)、14億ドルのサブサハラ・アフリカの長期的農業支援及び食料安全保障 の支援(我が国の農村インフラ整備等に係る1,700万ドルを含む)、 等が記述されている。 ○ 「飢餓に対する行動計画」 ① 緊急の食料援助ニーズへの対応 ② 状況把握のための能力強化、早期警報システムの改善 ③ 援助効果の増大 ④ 長期的な措置(エイズ問題、統治問題等) ○ 「持続可能な開発のための科学技術に関する行動計画」 ① 地球観測に係る国際協力の強化 ② エネルギー技術の研究、開発、普及の加速化 ③ 農業と生物多様性 農業関係では、バイオマスの利活用、遺伝資源の保全・利用、持続可能な農業 技術の開発・促進、違法伐採との戦い等持続可能な森林経営の促進等が記述され ている。 ○ 「水に関する行動計画」 本年3月に日本で開催された第3回世界水フォーラムの成果の上にG8が積極的 な役割を果たすことを約束。農業関係では、健全なかんがい事業への資金供与の奨 励等が記述されている。 ○ 「海洋及びタンカーの安全航行に関する行動計画」 漁業関係では、水産資源の回復・維持、IUU(違法・無報告・無規制)漁業の撲 滅及び漁業補助金を含む補助金協定の規律の明確化、改善というドーハでの約束の 再確認等が記述されている。(昨年9月の「WSSD(持続可能な開発に関する世 界首脳会議)実施計画」等のこれまでのコミットに即したもの。) (問い合わせ先) 総合食料局国際経済課 03-3502-8111(代表) 03-3501-4079(直通) 遠藤 3271(内線)