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映画「終わりよければすべてよし」を 観て自分について考えよう!

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映画「終わりよければすべてよし」を 観て自分について考えよう!
みえ生 と死 を考 える市 民 の会 映 画 上 映 会 &おしゃべり会
映 画 「終 わりよければすべてよし」を
観て自分について考えよう!
日
時
平成19年10月6日(土)
第 1 回上映
第2回上映
おしゃべり会
10: 00~ 12: 10( 9 時 45 分 開 場 )
13: 00~ 15: 10
15: 30~ 16: 30
*第 2回 上 映 終 了 後 、15 時 半 頃 より“おしゃべり会 ”を計 画 しています。
映 画 を観 て考 えたこと、疑 問 が残 ったことなどを一 緒 に話 してみませんか?
“おしゃべり会 ”には、在 宅 医 療 、緩 和 ケアを専 門 とする医 療 者 も参 加 していますので、
情 報 提 供 や相 談 等 にもお応 えしたいと思 っています。
場
費
所
用
三重県総合文化センター 小ホール
前 売 り 券 700 円 当 日 券 1000 円
映 画 「 終 り よけ れば す べてよ し」 は 、 終 末 期 医 療 の 在 り 方 はど うある べきかを テ ーマに した 映 画 で
あり、日 本 を代 表 する 記 録 映 画 作 家 ・ 羽 田 澄 子 氏 が監 督 しています。6~7月 には東 京 ・ 岩 波 ホー
ルで上 映 され大 きな反 響 がありましたが、地 方 では上 映 されないため残 念 に思 っておりました。
今 回 、勇 美 記 念 財 団 からの助 成 金 をいただき、岩 波 ホールの半 額 で映 画 上 映 会 を企 画 できまし
た。なるべくたくさんの方 にご覧 になっていただきたいので、上 映 会 は2回 にしました。また、映 画 を観
て終 わるだけでなく、自 分 や家 族 の「最 期 の過 ごし方 」についても考 える機 会 としたいと思 い、第 2回
上 映 後 には、“おしゃべり会 ”も企 画 しています。映 画 を観 ると、三 重 県 では…?自 分 の地 域 では
…?と疑 問 もわいてくると思 いますので、医 療 者 も参 加 し一 緒 に考 えていきたいと思 います。
<前 売 り券 取 り扱 い窓 口 > お近 くの窓 口 でお買 い求 めください
三 重 県 総 合 文 化 センターチケットカウンター ℡059-233-1111(代 表 )
ワニコ書 店 (三 重 大 附 属 病 院 前 ) ℡059-231-3000
三 重 大 学 医 学 部 附 属 病 院 医 療 福 祉 支 援 センター ℡059-232-1111 (入 退 院 玄 関 よりすぐ)
三 重 大 学 医 学 部 看 護 学 科 事 務 室 ℡059-231-5086 (医 学 部 レーンより真 直 ぐ進 入 )
ベタニヤ内 科 (津 市 高 野 尾 町 ) ℡059-230-7373
複 合 型 介 護 施 設 群 「しおりの里 」 津 市 野 田 ℡059-239-1313
介 護 老 人 保 健 施 設 「万 葉 の里 」 津 市 一 志 大 字 高 野 ℡059-295-1600
介 護 老 人 福 祉 施 設 「泉 園 」 津 市 野 田 (泉 ヶ丘 団 地 内 ) ℡059-237-2526
介 護 老 人 保 健 施 設 「なごみの里 」 多 気 郡 勢 和 村 ℡0598-49-8858
グループホーム
「八 幡 園 」 津 市 津 興 ℡059-213-7538
種 田 商 店 津 市 高 茶 屋 (F1マート近 く) ℡059-234-3238
三 重 聖 十 字 病 院 (三 重 郡 菰 野 町 )事 務 受 付
℡059-391-0123
連絡先
四 日 市 看 護 医 療 大 学 (庶 務 課 : 担 当 三 宅 ) ℡ 059-340-0700
〒514 -8 507 津 市 江 戸 橋 2-17 4
坂 倉 ペインクリニック(白 子 駅 東 口 ) ℡059-386-0007
坂 倉 ペインクリニック在 宅 診 療 所 (鈴 鹿 市 伊 船 町 )℡059-371-6400 三 重 大 学 医 学 部 看 護 学 科 内
みえ生 と 死 を考 える市 民 の会 事 務 局
三 重 ハートセンター(明 和 町 大 淀 ) 担 当 :中 村 ℡0596-55-8188
Tel &Fax 059-231-5091
三 重 県 立 志 摩 病 院 看 護 部 ℡0599-43-0501
mayumi .t @nurse.medic.mi e-u.ac.jp
いせ在 宅 医 療 クリニック (伊 勢 市 御 薗 町 ) ℡0596-20-8104
岡 波 総 合 病 院 ( 伊 賀 市 上 野 桑 町 )受 付 ℡0595-21-3135
市民公開講座
映画「終りよければすべてよし」を観て自分について考えようを企画して
三重大学医学部看護学科 辻川真弓
はじめに
「生病老死」は自然な出来事であるが、人々は日常的にはそれを考えようとはしない。そこで
「みえ生と死を考える市民の会」では、あえて「生きること」
「死ぬこと」について皆で考える機
会をつくろうと活動を続けており、その活動は本年で結成 10 年を迎える。今回の公開講座では、
一般市民が「どのような最期を迎えたいか」を考えるために映画上映会とワークショップをおこ
なったので、その効果を報告する。
方法
一般市民 270 名を対象に、終末期医療をテーマにした「終りよければすべてよし」
(羽田澄子監
督)上映会を企画した。この映画では、終末期医療の在り方について、特に「在宅医療」とはど
うあるべきなのかを、日本・オーストラリア・スウェーデンの、それぞれ先進的な「現場」を訪
ねることによって、日本における在宅医療はどうあるべきかを問いかけている。映画を観た人は、
自分や家族の最期について考えることとなり、様々な疑問が生じることが期待される。そのため、
映画終了後に、三重県内で活躍する在宅医療、緩和ケアを専門とする医療者が促進役となって、
参加した市民の疑問に応えられるようなワークショップも併せて開催した。これらのねらいを示
した上で、一般市民が多数参加できるよう、広く参加を募った。
一方、自分や大切な家族の最期の過ごし方についての考え方が、映画を観たことによりどのよ
うに変化したかを捉えるために、質問紙調査を行った。質問内容は、自分や大切な家族が末期が
んになった場合、最期をどのように過ごしたいかを問うものである。映画を観る前後で同じ質問
をおこない、その変化を比較した。統計検討は、SPSS ver.15.0 を用いて、Wilcoxon の符号順位
検定によりおこなった。有意性の判定は5%以下とした。調査対象者への倫理的配慮として、調
査の趣旨を口頭および紙面で説明した上で、無記名式調査として実施した。
結果と考察
参加者の背景
ホスピス・緩和ケア病棟を知っているか
調査協力者は 223 名(男性 36 名、
無回答, 1
女性 187 名)であり、年代別にみる
と、60 代(75 名 33.6%)50 代(52
名 23.3%)40 代(34 名 15.2%)の
知らない, 6
名前は知っている,
45
順であった。このことから、参加者
の多くの人々が女性であり、自分の
老後について真剣に考える、比較的
年齢の高い世代であったことがわか
る。
ある程度知っている
104
知ってる, 67
知ってる
ある程度知っている
名前は知っている
知らない
無回答
ホスピス・緩和ケア病棟を知っていますか
「ホスピス・緩和ケア病棟を知っていますか」という質問には、
「知っている」が 67 名(30.0%)
「ある程度知っている」が 104 名(46.6%)であり、これらを合わせると、76.6%となることか
ら、ホスピスや緩和ケア病棟についても、多くの人が知るようになったという近年の変化を感じ
ます。これは、日本ホスピス緩和ケア振興財団がおこなった調査 1)の、女性では 65.5%が「よく
知っている」
「ある程度は知っている」と回答しているという結果に比べ若干高い値となった。
1)
日本ホスピス緩和ケア振興財団:ホスピス・緩和ケアに関する意識調査より
映画は自分や家族の最期を考えるきっかけになったか
199 名(89.2%)の人が「映画は自分や家族の最期を考えるきっかけになり、今後も考えたい」
と答えており、
「映画は役立たない」は 5 名(2.2%)、
「考えるきっかけにはなったが、考えるつも
りはない」は 4 名(1.8%)であった。し
たがって、映画を観たほとんどの人は、
映画は自分の最期を考えるきっかけになったか
映画は自分や家族の最期を考えるきっ
かけとなったと答えており、今後も考
10
4 5
5
考えるきっかけになった
今後も考えたい
考えるきっかけにはなっ
たが、考えるつもりはない
映画は役立たない
えたいと答えていることになる。映画
があまり役に立たなかったと答えた人
は約5%であった。その理由として、
その他
映画自体が海外の在宅ケアの状況を示
199
無回答
すことが多かったため、我が国の状況、
それも自分の地域ではどうなのかとい
うことに繋がらなかったことが一因と
考えられる。
自分の最期をどう過ごしたいか
「もしあなたが末期のがんにかかり、
自分の最期をどう過ごすか-映画前後での変化
余命が限られているとしたら、どの
ような療養生活を送りたいですか」
最期まで自宅
という質問について、映画を観る前
自宅+最期は病院
後で比較した。その結果、最も多い
自宅+最期はホスピス
回答は「自宅で療養し必要になれば
早くに病院へ
ホスピス・緩和ケア病棟に入院した
早くにホスピスへ
い」であった。これらの傾向は、映
わからない
画の前後で有意な変化を認めなかっ
た。
0
10
20
30
40
50
映画を観る前
映画を観た後
60
70 %
家族には最期をどうしてあげたいか
「もしあなたのご家族が末期のが
自分の家族の最期をどうしたいか
んにかかり、余命が限られていると
したら、どのような療養生活をさせ
たいと思いますか」という質問につ
いて、映画を観る前後で比較した。
最期まで自宅
自宅ですごし最期は病院
自宅ですごし最期はホスピス
その結果も、最も多い回答は「自宅
早くに病院へ
で療養し必要になればホスピス・緩
早くにホスピスへ
和ケア病棟に入院したい」であり、
わからない
映画の前後で有意な変化を認めなか
0
10
20
った。以上のことから、終末期の過
30
40
50
60
%
映画を観る前
映画を観た後
ごし方については、在宅医療を基本
としながらも、いざとなった時には、
ホスピス・緩和ケア病棟で過ごすことを希望される方が多いことがわかった。
映画を観たことによる変化
以上のように、映画を観た影響は全体的な傾向としては、認められなかった。しかしながら、
映画を観る前には「最期まで自宅ですごしたい」と思っていた方が、映画を観てからどのような
気持ちになっているかを捉えたいと考えた。そこで、映画を観る前に「最期まで自宅ですごした
いと思う」は3点、「自宅で過ごし最期は病院かホスピスに行きたいと思う」は2点、「早くに病
院かホスピスに行きたい」を1点、
「わからない」を0点とスコア化した。その上で、それらの人々
が映画を観た後に、どのような意向に変化したかをスコアとして表示し、Wilcoxon の符号順位検
定により検討した。
その結果、自分の最期についての場合も、また家族の最期についての場合も共通した傾向を認
めた。すなわち、
「最期まで在宅で過ごしたいと思っていた人」は、最期には病院やホスピスも利
用することを取り入れる意向に、また、
「早期に病院やホスピスを利用したいと考えていた人」は、
在宅で過ごすことを考えるようになっていた。また、
「自宅で過ごし、最期はホスピスや病院を最
映画を観たことによる意向の変化ー自分の場合ー
最期まで自宅で過ごしたい
P<0.001
n.s
自宅で過ごし最期は病院かホスピスへ
早くホスピスか病院へ
P<0.01
0.0
映画を観る前
映画を観た後
P<0.01
わからない
1.0
2.0
3.0
得点
映画を観たことによる意向の変化ー家族の場合ー
最期まで自宅で過ごしたい
P<0.002
自宅で過ごし最期は病院かホスピスへ
n.s
早くホスピスか病院へ
P<0.02
映画を観る前
映画を観た後
わからない
P<0.02
0.0
1.0
2.0
3.0
得点
期には利用したいという人」は、映画を観てもその意向に変化を認めなかった。一方、映画を
観る前には「わからない」と答えていた人は、具体的にどうしたいかを考えるような変化を認め
た(いずれも p<0.001~0.02)。
結論
一般市民 270 名を対象に、終末期医療をテーマにした「終りよければすべてよし」
(羽田澄子監
督)上映会を企画した。また、映画を観る前後で、自分や大切な家族が末期がんになった場合、
最期をどのように過ごしたいかについて質問紙調査を行った。
その結果、約半数の人が「自宅で過ごし、最期はホスピスや病院を最期には利用したい」と考
え、その傾向は映画の前後で変わらなかった。映画は参加者に自分や家族の最期の過ごし方につ
いて具体的に考えるような変化をもたらした。
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