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NO.109 - SISF WEB SITE Starting Page

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NO.109 - SISF WEB SITE Starting Page
I N T E R C U L T U R E F E B R U A R Y
2 0 0 7
N o . 1 0 9
NO.109
2007 年2月号
FEBRUARY
I N T E R C U L T U R E
■■ 学校法人 千里国際学園 Senri International School Foundation (SISF) ■■
千里国際学園中等部・高等部 Senri International School (SIS) 併設 大阪インターナショナルスクール Osaka International School (OIS)
〒 562-0032 大阪府箕面市小野原西4丁目4番 16 号 TEL 072-727-5050 FAX 072-727-5055 URL http://w ww.senri.ed.jp
プレゼンテーション大会開催
公文国際奨学生入選
APAC コーラス ・ オーケストラ
英検1級 ・ 仏語 DALFC1 に各1名合格
翻訳コンテスト入選
フランス語暗唱大会優勝
2006/12/12 高等部ホリデイ ・ コンサート
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夢を見る人
大迫弘和
SIS 校長
You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one (John Lennon)
☆
2007 年が明けてすぐの1月2日、 『千
里国際学園 15 周年記念同窓会』 が千
里阪急ホテルクリスタルホールで行われ
ました。 1991 年に開校した本校が丸 15
年を無事終えたことを記念して 16 年目
の 2006 年度中での実現を目指し第6期
卒業生の森脇俊介さんが卒業生全体に
るいは期を越えて楽しく歓談している卒
業生の皆さんの楽しそうな姿を遠めに眺
めてもいたのでした。 千里国際学園とい
う場で中学 ・ 高校という多感な時期を過
ごし、 今、 その 「千里国際学園という体
験」 を共有するもの同士として、 信頼と
友情で結びついている人たちの姿を。
彼らの過ごした千里国際学園、 それは
時代を先取りする夢の学園としてスタート
しました。 そして、 今、 450 名の生徒が
学ぶ SIS は、 その夢を更に進化させなが
ら歩もうとしています。 先行する者だけが
ぶつかる試練は覚悟の上で、 それでも、
呼びかけて実現したものでした。 まず森
脇さんの奮闘努力に心からの敬意を表し
たいと思います。
1991 年4月、 7年生から 10 年生まで
の4学年、 生徒数 101 名で本校はスター
トしました。 8年生から 10 年生までは全
員帰国生徒、 7年生に 15 名だけ一般生
徒が在籍していました。 11 年生 ・ 12 年
生は生徒を取らず、 10 年生が最上級学
年でしたから、 第一期の卒業生が学園
を巣立ったのは学園が3年の時間を刻
んだ 1994 年の3月でした。 第一期生 33
名が正に世界に羽ばたいた瞬間でした。
それからこれまで 13 期生までの卒業生
を送り出し、 2007 年3月、 本年度の卒
業生、 第 14 期生の卒業をもって卒業生
は 1000 人を超すことになります。 さてこ
の3月、 卒業証書番号 1000 号は誰の手
に渡るでしょうね。
同窓会では 「お久しぶりです」 とやっ
てきてくれ、 卒業後のこれまでの歩みを、
そして今どこでどんな風に頑張っている
かを語ってくれる、 あるいは今がどんな
風にたいへんで、 だけれどそれをどんな
風に乗り越えていこうとしているかを伝え
てくれる、 そんな卒業生のそれぞれの話
を拝聴しました。 どの方も最後に必ず「大
迫先生、 がんばってくださいね」 と言っ
て下さるのがいかにも本校の卒業生らし
いなと思いながら。
と同時にそのように直接お話を伺える
のは、 やはり大人数の席ではなかなか
難しく、 私は、 しばし、 同期同士で、 あ
SIS は 「夢」 に向かって進むことを決し
て止めないでしょう。 なぜならそれが SIS
のレーゾンデートルなのですから。
卒業生の姿から、ひとたび同じ場で 「夢
を共有」 したもの同士としての独特の連
帯感を感じました。 「夢の共有」 とは 「価
値観の共有」 と言ってもいいかもしれま
せん。 価値観の共有とは即ち、 人として
正しく生きていくうえで大切なことは何で
あるかということについて同じ考えを持っ
ているということ。
昨年このインターカルチャーに国際バ
カロレア (IB) の 「IB を学ぶ人の人間像」
を紹介しました。 IB がその目標と価値観
を簡明に表現し、 「国際的であること」 と
はどのようなことであるかを具体的に示し
た 10 の像でした。 そこに私は、 11 番目
として 「夢見る人 Dreamer」 を加えてみ
たくなりました。 人と人とがつながってい
くためには夢見る人として夢を描き、 そ
の夢の実現と共有のために生涯学び続
けること。
同窓会は 1991 年の開校時から4年間
勤務され定年で退職された笹原先生 (国
語科) のご挨拶で閉じられました。 笹原
先生は次のように話されました。
「千里国際学園という場で学んだ人た
ちがどのような若者になっているか、 そ
れを確かめたい気持ちで今日ここに来
て、 そして皆さん方が浮ついたところの
ない、 足が地に付いたしっかりとした若
者であることがわかり、 本当にすばらしい
と思いました。 このような皆さんになら日
本の未来をお預けできると思いました。」
夢は彼らにより、 限りなく広がっていく。
☆
僕は夢を見る人なのかもしれない
でもね、 僕はひとりぼっちではないんだ
いつの日にか夢を共有してくれるかい
そうすれば世界はひとつになれるのだから
(ジョン ・ レノン 大迫訳)
(付記) 今回の同窓会の開催にあたり学
園サイドからはカウンセリングセンターの
小野寺文江さんがご尽力くださいました。
記して感謝に代えたいと思います。 小野
寺さん、 いろいろとありがとうございまし
た。
千里国際学園基本方針
千里国際学園では、 自分の行
動に責任を持ち、 よい人間関係
を維持していく能力が、 生徒各
自に備わっていると信じます。 こ
の考えにもとづいて、 次のような
行動の目安がつくられています。
<5つのリスペクト>
自分を大切にする
他の人を大切にする
学習を大切にする
環境を大切にする
リーダーシップを大切にする
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もうすぐ All School Production
ミュージカル 「アニー」
公演予定 ・ チケットのご案内
大迫奈佳江
プロダクションチーム代表
2006-2007 年度のオールスクールプロ
ダクションは、 『アニー』 を上演いたしま
す。 公演は、 2月 15 日 (木) より2月
17 日 (土) までの3日間、 4回公演で
す。 なお本公演は英語公演 (日本語字
幕) になります。 公演予定は以下の通り
です。 公演時間は約 1 時間半で、 休憩
はありません。
2月 15 日 (木) 午後4時半開演
2月 16 日 (金) 午後6時開演
2月 17 日 (土) 午後2時開演 マチネー
2月 17 日 (土) 午後6時開演
入場料は本校生徒および 12 歳以下の
小学生が 500 円、 一般が 1500 円となり
ます。 チケットの収益はすべて本公演を
支える諸費用一部として使用させていた
だいておりますので、 どうぞ寄付としてお
考えくださいますよう、 お願い申し上げま
す。
チケットは、 皆様の入場時の便宜を図
るため、 前売り券は指定席となります。
前売り券完売の際は当日券を発券しま
すが、 前売り券をお持ちの方が全員入
場されてからの入場になります。 あわせ
てご了承くださいますようお願い申し上げ
ます。 当日券は、 公演 30 分前よりシア
ター前でお求めください。
ほとんどのキャストがダブルキャストに
なっています。 キャストの組み合わせ ・
オーケストラ ・ プロダクションスタッフのリ
ストなどが学園のホームページでご覧に
なれます。 公演に関するご質問がありま
したら、 大迫奈佳江 072-727-5050 まで
お問い合わせください。
ご家族、 お友達、 お知り合い等、 お
誘いあわせの上お越しくださいますようご
案内申し上げます。
ポスター 小林梨奈 (OIS 11 年 ) Book by
THOMAS MEEHAN
Music by
Lyrics by
CHARLES STROUSE
MARTIN CHARNIN
Presented on Broadway by Mike Nichols
Based on “Little Orphan Annie”
By Permission of Tribune Media Services, Inc.
Produced by
Irwin Meyer
Stephen R. Friedman
Alvin Nederlander Associates Inc. The John F. Kennedy Center for the Performing Arts
Lewis Allen
Icarus Productions
この作品は、 インターナショナル ・ ミュージカルス新社 (150-0022 東京都渋谷区恵比寿南 3-3-12-5F) のライ
センスにより上演される。
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第四回プレゼンテーション大会開催
真砂和典
◆ What is this animal?
教務センター、 理科
堂腰展也 (G7-1) 安達結子 (G7-2) 小脇伶奈 (G7-2) 細見莉子 (G7-2)
昨年の 12 月6日に年末恒例となったこの大会が開催され
た。 新たな試しみとして
1. 水曜日のロングホームルームから始めたこと
2. 最初の 1 時間は SIS 7、 8年生だけでなく、 OIS のミドルス
クールも聴衆として参加したこと
3. ファッションショーを取り入れたこと
がある。
そんなこともあって、 とても賑やかに、 何と延々3時間半も
続いた。 発表ごとのひとの出入りが激しく出演者や司会進行
の難波先生はやりづらかっただろう。 ここでお詫びしたい。
段取りの悪さも私が責を負うべきことである。 最後のほうは下
校時間の 6 時を過ぎ、聴衆も 30 人を切ってしまった。 しかし、
ここまで残ってくださった保護者、 教員、 職員、 生徒達はそ
下出まゆ (G7-2) 荒木ふみ (G7-3)
◆ What kind of animal is a monkey?
れこそ熱心な方々で、 この時点でも大会自体の中身は大変
濃かったと思う。
内容豊かな発表や出展をした生徒の皆さん、 彼らを推薦し
て支えた教員達、 裏方となって働いてくださった総合科、 教
務センターの皆さん、 そして何よりも真剣にプレゼンテーショ
ンを聞いてくださった聴衆の方々に感謝の言葉を贈りたい。
有難うございました。 これからも本校のプレゼンテーション教
育を暖かく見守ってください。
◆ Fashion Show
G7S English G7S English G8 HFL2
英語 難波和彦
英語 山本靖子
生活科学 泉田真由美
児玉谷咲 野坂友紀 大迫茉侑 竹尾麻子 山本郁子 (G8-3) 黒田源 中津りりか
奥井まみ 竹田ひかる 津村柊 阿部竜成 小林大地 (G8-1) ◆ Stray Cats
English Through Music 英語 難波和彦
堂腰紗千 (G12-2)
◆ Rainforests
G8S Englis 英語 井藤真由美 水口香
池田憲治 (G8-1) 小林大地 (G8-1) 吉川香鈴 (G8-2) 児玉谷咲 (G8-3) 吉田大治
(G8-3) ◆皮膚を知ってる?
G7 コンピュータ 基礎 7 情報 合志智子
本田そにあ (G7-1)
◆ Fashion Show
Clothing 1 and 2, 編物 (G11,12)生活科学 泉田真由美
松原由佳 奥恵美子 黒田克人 土井智世 (Clothing G11) 村上琴葉 谷畑美帆
森山理美 有村美樹 岡本唯 矢野美穂子 (Clothing G12) 福島愛巳 渕田桂 富川綾 前田光祐 稲田隼大 (編物 G12) ◆雷の危険性について
G10 保健
保健体育 相良宗孝
佐々木愛 (G10-3) 新見ゆり子 (G10-3) 高瀬萌子 (G10-3)
◆歴史を刻んできたヨーロッパのお城
比較文化
社会 ダッタ シャミ
亀井潤 (G10-1)
◆グラフ電卓によるプログラミング プログラミングコンテスト最優秀作品 数学 田中憲三
江頭佑駿 (G7-1)
◆マルコーニ
知の探検隊 総合 青山比呂乃
八木隆太 (G8-3)
◆ゲーム 「2- D 列車が走る」 Information Technology 4 情報 合志智子
石神宥真 (G10-2)
◆ウォルト ・ ディズニーの魔法
情報の技術 総合 青山比呂乃
Research Skills 情報 合志智子
土井智世 (G11-1)
◆新商品企画 「飲むハミガキ」 清水航 (G11-3)
◆光合成色素の分離と吸収スペクトルの観察 SPP (CO 2は光合成と呼吸バロメーター )
より 理科 土佐礼子 斉藤数
松原由佳 (G11-1) 奥恵美子 (G11-4)
展示
「理想の家」 住居模型 (G8) HFL2 生活科学 志垣満理
「 次の流行はこれだ」 コラージュ (G8) HFL2 生活科学 泉田真由美
ファションデザイン画 (G11,12)
Clothing
生活科学 泉田真由美
製作物 (G11,12)
Clothing, 編物 "Rainforests" ポスター、 パワーポイント G8S English 基礎社会ノート、 レポート 生活科学 泉田真由美
英語 井藤真由美 水口香
G 8基礎社会 社会
増尾美恵子
「おもしろい数学の話」 レポート (G10,11,12) 数学講読 数学
馬場博史
図書館でもしばらく展示しています。 大会進行 難波 I N T E R C U L T U R E F E B R U A R Y
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公文国際奨学生入選
村上 さくらさん (高等部1年)
川嶋いずみ
SIS 奨学金事務担当
この奨学金は、 財団法人 「公文国際奨学財団」 が、 国際
教育の振興に寄与することを目的として、 特色ある国際教育
の実践を行っている全国の中学校 ・ 高等学校に在学している
生徒を対象に、 毎年 10 月頃に募集を行うものです。 採用さ
れますと、 中学校 ・ 高等学校を卒業するまでの間給付され、
しかも返還義務がない、 という非常に好条件の奨学金制度で
す。 毎年 SIS 生徒の関心度は高く、 今年は 25 名の応募者が
ありました。 学内選考の結果、 10 年生の村上さくらさんと9年
生の生徒1名が学校代表として推薦され、 このたび村上さん
が見事採用されました。 25 名の応
募生徒の作文は、 いずれ劣らぬ力
作ばかりで、 選考委員の先生方 (大
迫校長 ・ 木村先生 ・ 真砂先生) も
選考に大変苦労しておられました。
惜しくも選にもれた生徒たちも、 来年度以降に再度チャレンジ
してもらえるとうれしいです。
<公文奨学金課題作文>
テーマ : 『小学校における英語教育の実施に関し、 これまで
のあなた自身の英語学習体験も踏まえながら具体的に論じな
さい。』
村上さくら
高等部1年
今私たちが住んでいる世界は縮まりつつある。 「国際化」
によって他の国や民族の人々とのコミュニケーションが昔
より容易になってきたからだ。 これを支えているのが 「英
語」 だ。 この英語が小学校で授業として導入されることに
なった。 この決定については様々な意見が飛び交ってい
る。 国語を身につける時期である小学校の時から英語を
教えたら日本語力が乏しくなるのではないか、 という意見
があれば、 国際化を唱える時代に乗り遅れないためには
英語を幼い時から身につけさせるのは大事だと言う人もい
る。 色々な意見がある中、 私は小学校における英語教育
は子供たちの世界を広げることにつながり、 世界のとらえ
方がまた一つ増える大切な機会だと思う。
小さいときから英語を学んでいると柔軟に英語の世界を
受け入れることができ、 自然に世界が広がる。 小学生の
年齢だと物事の吸収が早いため、 言語に関してもなんの
抵抗もなく受け入れることもできる。 さらに言語だけでなく、
言語によって認識される世界の見方に関しての受け入れ
も極めて柔軟だろう。 つまり、 英語にしかない表現や言
葉を学ぶことによって新しい感覚や考え方に触れることが
できる。 例をあげると、 英語の “you” に相当する言葉は
日本語にはなかなかない。 「あなた」 では丁寧すぎるし、
「君」 では軽く見下している感じがする。 また 「お前」 で
は軽蔑している気持ちが相手に伝わる。 この “you” の
背景には日本のように地位や性別、 年によって言葉を使
い分けない、 老若男女は平等であるという考え方が見え
てくる。 柔軟にものごとを受け入れる時期である小学校で
英語を教えるということは、 このような様々な感覚や考え方
を自然に身につけさせることができると考えられる。 また、
新しい感覚が身につくだけでなく、 日本語以外の言語を
学ぶことによって一つの世界を二つの見方でとらえること
ができるということになる。 私は中学生の時、 日本語の絵
本を英語に訳す作業を授業中にしたことがある。 絵本の一
文の中に 「好き」 という言葉がでてきたのだが、 ここで私
は日本語と英語によって異なる好意のとらえ方を実感した。
日本語で言う好意は 「好き」 や 「愛している」 だが、 英
語では “like” と “love” の二つになる。 それぞれ意味は
似ているが、 私が困ったのは言葉の重みが全然違うという
事だった。 英語では友達にも気軽に “I love you” と言っ
ても不思議ではないが、 日本語の場合、 恋人同士でさえ
も 「愛している」 はなかなか出てこない。 私は結局 “fancy”
と訳したが、 同じ物事でも言語によるとらえ方が違うことを
改めて実感させられた。 このように、 二つの違う言語を習
得することは、 二つの見方を通して一つの世界を認識する
ことにつながる。 ではなぜ小学校から言語を習得するべき
なのか。 それは中学校から英語教育を始めるのでは遅す
ぎるからだ。 日本語という概念が固定されてしまっているか
ら、 英語を学んでも日本語を通して認識する英語しか身に
つかない。 言葉を使うにしても、 いったん日本語で意味を
考えてから使うことになる。 その点、 小学生はまだ考え方
が柔軟で英語を英語として認識できる。 英語を学ぶことの
大事な点は、 英語を外国語としてではなく、 英語そのもの
として身につけることによって世界の見方が一つ増えるとい
うことだ。 これは幼い時から英語を学ばないと効果がない
ものなのだ。
国際化を唱える今の世界は単に英語が駆使できるでは
なく、 感覚的に世界の文化、 価値観、 考え方がしっかり
理解できる人を必要としている。 この感覚を心から理解す
るには英語を、 日本語を通してからではなく、 英語として
受け入れることが大事になってくる。 これは母語が固定さ
れた後ではできない。 幼い時から英語と触れ合うことによっ
て世界も広がり、 一つの物事に対する様々なとらえ方がで
きる国際人が育まれるだろう。
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APAC 音楽祭 2006
ORCHESTRA
Chie Asakura (12-3)
Yet another successful APAC Orchestra Festival took place last year
at Canadian Academy, Kobe, Japan
on November 15th -18th. From the
six APAC schools, a stunning 89
students gathered as one orchestra to
prepare for and perform the Festival
Concert. Participants from SOIS
were Kouhei Fukuda(SIS12), Aya
Ikejiri(SIS12), Yu Kurokawa(SIS11),
M o t o k i M a r u n o ( S I S 11 ) , K a n a
Yokoyama(SIS12) as 1st Violin;
M o m o k o H a m a g u c h i ( S I S 11 ) ,
M a r i I w a m o t o ( S I S 11 ) K o s e k i
Kobayashi(SIS11), Sakura Murakami(SIS10), Chie
Asakura(SIS12) as 2nd Violin; Haruka Nakamura(SIS12), Misuzu
Sakai(SIS12), Kazumi Terao(SIS12)
as Viola; Haruka Arai(SIS10), Noriko
Kubo(SIS12) and Gen Yoshida(SIS10)
as Cello. Having taken part in my
third and final APAC Orchestra, I
must say that Osaka participants are
always extremely focused and never
stop working to achieve a high level
of music. This year was definitely no
different; I’d like to congratulate every
one of my fellow members for contributing both effort and fun. Special regards to Yu for performing a solo part
beautifully, and Kana and Haruka N.
for having participated in APAC Orchestra for the maximum four times!
The three days of APAC kept us
working long, hard hours. The first
two days were solid practice, including both sectional practices and full rehearsal. All rehearsals and the Festival
Concert, was lead by guest conductor
Dr. William LaRue Jones of the University of Iowa. Dr. Jones has a firm
and steady temperament; he was patient with us during practice and never
slacked on basic errors. Dr. Jones
shared his thoughts and advice about
music in a way that expressed his care
about the entire group and the
music we were performing.
On the morning of our performance day, the entire APAC
group went for a social and cultural outing on mainland Kobe.
We visited the Nakamuras’ traditional music studio in Ninomiya,
in which we listened to several live
performances of the koto, shamisen,
and shakuhachi. We were allowed to
experiment with these instruments
afterwards, and I was thrilled to hear
from overseas participants that they
had lots of fun. The next stop was
Sourakuen-Garden, which is one of
the few Japanese gardens in westernized Kobe. Compared to practice,
taking a long quiet walk in the garden
was extremely relaxing. Just maybe,
it helped us store energy for the night’s
concert!
The program for the Festival Concert comprised of five contemporary
pieces, all composed by 20th century
western composers. This was a huge
change from string ensemble at SIS
or previous APACs, where we were
used to playing various styles of music
in one performance. That is why, to
be honest, in the beginning I wasn’t
enthralled to see such a collection of
modern music. However, as we took
time practicing these pieces, I was able
to notice and take interest in the distinct patterns and expressions in modern string music that makes it unique
from classical or pop. At APAC I
learned to truly enjoy the pieces, but it
wasn’t until the entire event finished
that I realized that this new experience
was an important element in making
APAC invigorating and memorable.
Thank you to all of the APAC directors for organizing such an enjoyable
event. I would like to especially thank
Mr. Secomb for supporting us Osaka
members for the many weeks before
and during APAC!
Photos, sound clips and videos (including the entire Festival Concert)
can be seen on the CA website (URL
http://intranet.canacad.ac.jp/apac/orchestra/index.htm). Please take a look
at them and enjoy!
Choir
Miriam B. Factora
Choral Director
The APAC Choral Festival that
was held in Shanghai, China on November 15-19 was another successful
event. Sixteen of our students were
selected to represent our school. They
were: Natsuki Sakagami (SIS-9), Sophia Clark (OIS-9), Arie Moriguchi
(OIS-10), Erica Otawara (OIS-10),
Lizette Mitamura (OIS-10), Kento
Yamada (SIS-10), Tomoyo Kobayashi
(SIS-10), Aya Yanai (SIS-10), Mai
Fukui (SIS-11), Fumie Watashiba
(SIS-11), Mari Tsugawa (OIS-12),
Deniz Sipal (OIS-12), Yuta Wakao
(OIS-12), Kauruko Nishiono (SIS-12),
(次ページ★に続く)
★ APAC とは
Asia Pacific Activities Conference の
略称で、 次の学校が加盟していま
す。
< APAC 参加校>
北京インターナショナル・スクール
(ISB: 中国)、 上海アメリカン・スクー
ル (SAS: 中国)、 ブレント・インター
ナショナル・スクール・マニラ (Brent:
フィリピン)、ソウル・フォーリン・スクー
ル (SFS: 韓国)、 カナディアン・ア
カデミー (CA: 神戸)、 千里国際学
園 (SIS/OIS: 大阪)
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日本万華鏡大賞展に入賞
理科斎藤数先生
日本万華鏡クラブでは毎年万華鏡コンテストを開催し、 日本全国からアマチュア
の万華鏡愛好家からの新作万華鏡を募集しています。 今年で第7回となり、 光の大
切さをテーマにした万華鏡を募集しました。 本校の斎藤数先生は小さいころから万
華鏡に興味があり、 今回の 「 日本万華鏡大賞展 」 に写真のような万華鏡を応募し
ました。 これは、 普通は片目で小さな筒を覗いてオブジェクトの作るいくつもの模様
の変化を楽しむのですが、 先生は何とか立体的な模様を楽しむことができないかと
思い、 両目で見て立体模様の繰り返しを楽しめるような万華鏡を作り、 応募したとい
うことでした。 去る 11 月審査があり、 大賞は逃したものの入選となりました。 12 月9
日に東京の科学技術館で表彰式があり翌日から 1 週間展示会が行われました。 続
いて1年かけて日本を巡回するそうです。 大阪では市立博物館で4月から展示され
るそうです。 ぜひご覧になってくださいとのことでした。
OIS 新任の先生紹介
Alison Jamieson (Kindergarten Teacher)
After spending the first few days of term with the
class I am already impressed by their enthusiasm and
curiosity.
I am originally from Canada and have taught in
London, England. I enjoy travelling and exploring new
places and am looking forward to the opportunity of
exploring this and other regions of Japan.
I know that the class, Mrs. Adam and I are going to
have a wonderful time in kindergarten and am looking
forward to the upcoming months.
Mig Bonnefoy (Elementary Grade 2 Teacher)
Hello, my name is Mig Bonnefoy (alias Mr B!) and
I have just joined the elementary team as the Grade
2 Teacher. I started my working career, many moons
ago, in Air Traffic. However, I swapped this for the
world of teaching and haven’t looked back since. I
have taught in various parts of the UK and have spent
the last 6 years in Seoul, South Korea.
Apart from teaching, I have a keen interest in following my Premiership Football Team, Fulham (I was
born and bred in London) and have always been a life
long fan. I also enjoy walking, running and swimming,
not to mention reading and watching funny films or
historical TV programmes.
Terry Barrett (Middle & High School Math Teacher)
I am from England, but have worked at several other
international schools similar to OIS in various countries, including Germany, Vietnam, Saudi Arabia and
Costa Rica.
Outside of work I enjoy hiking, swimming and travel. I have visited Japan twice before, and am looking
forward to getting to know this country and its people
better. I really appreciate the welcome I’ve received
so far, and I hope to meet more of you in the coming
weeks
(★前ページの続き)
Yui Matsumoto (SIS-12) and Rihito
Asashiba (SIS-12). Congratulations
to these students for representing our
school remarkably well. These students had a memorable time making
music with other international students
from Canadian Academy in Kobe,
Philippines, Shanghai, Beijing and
Korea. They were under the direction
of an energetic and accomplished conductor, Dr. Axel Theimer, a native of
Austria. Before the combined chorus-
es’ performance, each school presented two songs. Our school sang “Come
to the Music” by Joseph Martin and an
arrangement of the traditional Japanese songs, “Akatombo” and “KisyaPoppo.”
On behalf of the APAC Choir students, I would like to thank the following for their valuable support and help: Syrad, OIS/SIS administrators and
Mr. Simon Parker, Mrs. Nakae Osako, high school teachers.
Ms. Barbara Bertram, Mr. Steve Lewis, Mrs. Naoki Kanto, Mrs. Tomoko
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バイリンガリズム通信
Balanced Bilingual
難波和彦
英語科
以前にも書きましたが、 バイリンガルの定義というのは、 そう
簡単なものではありません (2005 年6月号インタカルチュアバ
イリンガリズム通信参照)。 二つの言語が話せるといっても、 日
常会話程度か、 その言語で授業を受けたり、 込み入った考え
を述べることができるのか、 は様々です。 言語の能力を測るの
に、 「話す」 ことだけでなく、 「読み書き」 も重要な要素である
ことはいうまでもありません。 これにも様々なレベルがありいま
す。 読むことで言うと、 新聞やインターネットなどで文章を読ん
で必要な情報を得ること、 文学作品を味わうことができるのとで
は、 ずいぶん違いますし、 書くことでいうと、 メールなどの日常
的なことについて文章を書くことと、 自分で創作、 例えば詩を
書くことは、 相当違います。 Balanced / proficient Bilingual (均
衡バイリンガル -2006 年2月号参照) と呼ばれる人は、 どの程
度まで二つの言語を使うことができるのか、 どういった条件が均
衡バイリンガルを実現するのに有効なのか、 を今回は探ってみ
ようと思います。 本校で働く教職員は、日常的に二つの言語(英
語+日本語) を使う必要があります。 例えば英語科のネイティ
ブの教員で担任をしている人は、 授業では英語を使い、 担任
をするときは日本語という使い分けをしています。 その中のひ
とり、 Ms. Namba は、 日本語以前に英語とウェールズ語のバ
イリンガルでもあります。 (厳密にいうと3つの言語を使うので、
trilingual というべきですが) 今回は、 彼女へのインタビューを
通して、 1) ウェールズの 2 言語使用の状況 2) 彼女がどのよう
にして 2 言語を身につけてきたかについて、 詳しく見てみて、
3) どういった条件が均衡バイリンガルの実現に有効なのか、 を
探ってみようと思います。
イギリスは the United Kingdom という名前があらわすように、
イングランド、 ウェールズ、 スコットランド、 北アイルランドの4
つの国に分かれます。 イングランドの西に位置するウェールズ
では、 アングロサクソン人に征服される以前にすんでいたケル
ト人の言語がウェールズ語として保持されています。 ウェール
ズに住む人はみんなウェールズ語が話せるわけではなく、 北
ウェールズのほうは、 ウェールズ語話者が多く (65-75%)、 南か
ら東にかけてのイングランドに近いあたりは、 ウェールズ語話者
の数が減ります (2-10%)。 実際には誰もが英語を話せるわけで、
英語の強力なステータスを考える、 何もしなければウェールズ
語話者はどんどん減って行く一方です。 そこでウェールズ語を
保持するために様々な取り組みが行われています。制度として、
公共の場所での表示はウェールズ語と英語の両方が使われて
いて、 例えば交通標識、 街中での表示、 公けの文書などは、
全て2言語表示になっていて、 テレビ新聞などのウェールズ語
のみの公共メディアがあり、 学校もウェールズ語で教える学校
と、英語で教える学校の両方があります。 1988 年以降は、ウェー
ルズ語を学校で教えることが (第 1 言語として教えるか、 第2
言語として教えるかのどちらか) 必修となっています。 こういっ
た取り組みが功を奏して、 ウェールズ語話者の減少傾向に歯
止めがかかってきたともいわれています。 1991 年の国勢調査
では、 ウェールズ全体で 280 万人、 人口の 18.7% の人がウェー
ルズ語を話し、 年代としては 3 歳から 15 歳が、 もっとも多く話
しているということがわかりました (Baker and Jones, 1998:421)。
Ms Namba はウェールズの南東の方で生まれ育ちました。 両
親ともにウェールズ出身ですが、 母親はウェールズ語話者で英
語も話せるバイリンガル、 父親は英語話者です。 母親が生ま
れ育った西ウェールズは、ウェールズ語が強い地方で、家庭内、
教会や学校などのコミュニティーでも全てがウェールズ語であっ
たので、 中学校に進むまでは、 学校で英語を学ぶという機会
はありませんでした。 Ms Namba の祖母は英語をウェールズ語
に翻訳する仕事をしていましたし、 祖父もウェールズ語を話者
であったので、 家庭の言語もウェールズ語、 学校で授業を受
けるのもウェールズ語という環境でした。 母親は小学校の終わ
りまでは、 このようなウェールズ語一色の環境にいたわけです
が、 その当時中学校は、 ウェールズ語で教えるところがありま
せんでした。 それで 11 歳から英語で教える中学校 (Grammar
School と呼ばれる) に入学しました。 それまでに、 ラジオな
ど英語に触れる機会はいろいろあったらしいですが、 やはり学
校で使う言語が大きく変わったということで、 最初はかなり大変
であったということです。 ( 以上は Ms Namba の母親へのインタ
ビューによる )
Ms Namba の場合は、 父親が英語話者だったので、 家では
英語が家庭の言語でした。 ときどきウェールズ語を使って遊ぶ
プレイグループに (これが Ms Namba の母親の仕事でもありま
した) いったり、 祖母のところを訪ねたときには、 ウェールズ語
で話をしたりしていましたが、 英語が中心の言語でした。 5歳
で小学校に行き始めましたが、 これがウェールズ語で授業をす
る学校でした。 それから、 中学校 ・ 高校でも続いてウェールズ
語で授業をする学校に行きました。 こういった学校では英語の
使用はきびしく制限されて、 もしその規則を破ると、 罰則があっ
たらしいです。 ホームルーム・行事やほとんどの科目は、 ウェー
ルズ語で行われいて、 英語の授業の時間だけは、 英語が使
われていたということです。 小学校の最初は、 早期トータルイ
マージョン (2006 年3月号) で、 ウェールズ語を使うことに専
念して、 英語が教科として教えられるのは数年たってからです。
高校の最後の2年間で A レベルという大学入試資格のための
学習期間で、 Ms Namba の場合は、 3科目を勉強するうちの一
つが英語であり、 しかも英語は第2言語ではなくて、 第 1 言語
つまり国語として教えられていました。 母親の場合は学校での
基本言語が、 小学校から中学校の時点でウェールズ語から英
語に替わり少し苦労をしたということでしたが、 Ms Namba の場
合はちがいました。 高校から大学にいった時点で始めて、 英
語が学校の基本言語となったわけですが、 すでに教科として
は英語をの学習をしていたので、 読んだり・書いたりする部分
では問題はありませんでした。 授業の中でディスカッションをす
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るときに、 最初に少しだけとまどうことがあったということです。
家庭の言語はずっと、 英語が中心であったので、 テレビ、 本、
その他英語に触れる機会は、 いくらでもありました。 父親としゃ
べるときは、 英語でしたが、 母親や弟としゃべるときには、 どち
らかというと英語、 時々ウェールズ語を、 祖母としゃべるときは、
ウェールズ語だけ、 という具合に使い分けていました。
今 Ms Namba は日本に住み、 SIS で教えているので、 ウェー
ルズ語を使う機会はふだんはなく、 里帰りをしたときだけ、 使っ
ているわけですが、 英語とウェールズ語のバイリンガルである
ということには、 かわりはありません。 均衡バイリンガルの人が
どこまで二つの言語を使えるのかについて調べるために、 Ms
Namba に 14 項目のアンケートをしてみました。 言葉の能力を
測るのには、 音声に関する部分 ( 話す・聴く ) と文字に関する
部分 ( 読む ・ 書く ) について分けてみる必要があります。 さら
にいうと、 受動的能力 ( 聴く ・ 読む ) 産出的能力 ( 話す・書
く ) についても分かれます。 例えば、 受動的な部分だけでし
か二つの言語を使えない場合は 「受動的バイリンガル」、 産
出的な部分でも使える場合は 「アクティブバイリンガル」 とい
う表現もあるくらいです。 アンケートの L, S, R, W はそれぞれ、
listening, speaking, reading, writing の能力を測るということを示
しています。 5ポイントでそれぞれの項目について、 自分として
どの程度自信をもっているか、 を回答することになっていて、 5
はネイティブと同じ流暢さで使える、 4はネイティブに近いけど、
完璧に自信があるわけではない、 3はそこそこ使えるが、 ネイ
ティブレベルからはかなり離れている、 2はかなり努力をすれば
使えるが、あまり自信がない、1は全く自信がないということです。
Ms N は英語はあきらかに全ての項目で5がつき、 ウェールズ
語についても、ウェールズに住んでいた高校生のころであれば、
同様に全て5がつくところですが、 その後はウェールズから離
れているので、 全てがオール5とは限りません。 彼女の場合は
日本語も使うので、 日本語とウェールズ語の両方にこのスケー
ルを適用して比較をしてみると、 よりわかりやすいとおもいます。
まず興味深いのは、 日常会話で使う能力のところです。 1の
聴く・話すの部分については、 スコアはどちらも 「4」 ですが、
ウェールズ語が他の部分に比べると少し落ちていて、 日本語
は逆に他よりもも高くなっています。 これは今生活している場所
が日本であるということが大きく関係してきます。 項目の6の読
めるか、 という点に関してはウェールズ語のほうは 「5」 で落ち
ていません。 ウェールズ語について、 項目4の電話で話すとき
が 「3」、 1 4の熟語・慣用句などの産出能力が 「4」 となって
いることなどを考え合わせると、 特に日常の speaking の能力に
ついては、 ふだん生活の中でよく使っていないと落ちてしまうと
いうことでしょう。 他の能力、 特に読み書きに関しては、 ウェー
ルズに住んでいなくても、 あまり落ちていない、 と言えます。
実際 Ms Namba に聞いてみると、 日常のしゃべる能力というの
は、 ウェールズ語だけをしゃべる環境に1週間ほど浸っている
と、 もとに戻るのではないか、 と思うということです。 日本語に
ついては、 上記で書いたように1,6のように生活の中で使われ
る部分については、 身につきやすいようです。 電話、 メディア
でのニュースについては、 英語を使って聴いたり、 話したりし
ているので、少し低くなっています。 「 読み・書き 」 については、
多くの部分で 「1」 となっていて、 やはり学校で勉強をしてきた
言語ではないのが原因でしょう。 またここには、 日本語には漢
字があることも大きく影響しています。 もしこれがフランス語・ドイ
ツ語などアルファベットを使用していて、 学校でも習ったことの
ある言語であれば、 もう少しスコアが高くなる、 ということです。
項目5のあらたまったスピーチというのは、 ふつう原稿を用意し
たりするので、 そこでいろいろと他の能力も使って準備ができる
ので、 スコアが高くなっています。
今回 Ms Namba の言語についてみてきましたが、 彼女がまず
均衡バイリンガルになった背景として、 ウェールズの国をあげ
てのバイリンガル政策と、 家族がバイリンガリズムを強く支持し
ていたということがあります。 就学するまでは両方の言語を場面
に合わせて使い分けるという形でしたが、 就学してからは、 早
期トータルイマージョンで、 高校までずっと、 ウェールズ語で授
業を受けていました。 普通に考えると、 ウェールズ語のほうに、
ウェイトがおかれていますが、 英語という世界的に強力なステー
タスを持つ言語とのバランスを考えると、 ちょうどいいくらいの
バランスなのでしょう。 高校卒業時点では、 まさに二つの第 1
言語を使っていたといえるでしょう。 アンケートの結果を、 言
語の能力を基本的対と人会話能力 (BICS=Basic Interpersonal
and communicative skills-2006 年 2 月号参照 ) 学習言語能
力 (CALP=Cognitive and academic
質問文
能力 英
ウ
日
language proficiency)に分けて見ると、
1 日常生活 ( 買い物、 交通など ) での聴き、 話す能力は? S/L 5
4
4
次のようなことがいえます。 ウェール
2 テレビ・ラジオなどのニュースは聴いてわかるか?
L
5
5
2
ズ語のほうを例にしてみると、 日常の
3 電話でのやりとりで、 相手の言っていることがわかるか? L
5
5
2
会話での特に話をする能力が落ちて
4 電話のやりとりで、 自分の言いたいことがつたえられるか?S
5
3
2
いる、 つまり BICS は、 使っていない
5 あらたまったスピーチはできるか?
S
5
5
3
と衰えやすい、 日本語のほうをみて
6 日常生活での表示 ( 買い物、 交通など ) は読めるか? R
5
5
4
みると、 日常使っている部分は、 他
7 e メールは読めるか?
R
5
5
3
よりも強い、 つまり BICS を生活の中
8 e メールは書けるか?
W
5
4
1
で使っていると、 身につきやすいよう
9 新聞・インターネットなどのニュースは読めるか?
R
5
5
1
です。 一方 CALP のほうは、 やはり
10 文学作品は読めるか?
R
5
5
1
学校での学習を通して学ぶものなの
11 エッセー ( 小論文 ) を書くことができるか?
W
5
5
1
で、 日本語のほうでは、 この部分が
12 詩など文学作品を創造して書くことができるか?
W
5
5
1
弱く、 一方ウェールズ語については、
13 熟語・慣用句などを読んだり聞いたりして、 理解できるか?L/R 5
5
3
生活の中で長年使っていないにも関
14 熟語・慣用句などを自分で使うことができるか?
S/W 5
4
1
(次ページ★に続く)
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自分たちで自分たちの旅行を作るという経験
中等部3年
島田さつき、 阪上夏希
中等部3年
私たち9年生は12月8日 ・ 9日に1泊2
日の学年旅行としてナガシマ ・ スパーラ
ンドに行きました。 「楽しくなければ旅行
じゃナインじゃん」 を目標にして旅行の
準備を進めてきました。 また今回の旅行
の目的は、 公共の場で1人1人が SIS の
生徒としてマナーを守って責任ある行動
をとる、 学年の絆 ・ 親睦を深める、 ほか
の人の気持ちや考え方を理解する、 リー
ダーシップを発揮するということです。 そ
のため、 ほとんど生徒だけのちからで
学年旅行をつくり上げようと、 1日目は
グループで活動しました。 ここ最近では
バスで行ってバスで帰るという学年が多
かったのですがあえて私たちは自分たち
で行きたいところに行く、 というやり方を
選びました。 しかし…そこには多くの問
題があったのです。 グループ決めや場
所の選択でもめたり、 当日電車の時刻を
間違えて結局目的地に辿り着くことがで
きなかったグループもありました。 それで
も、 経験や過程、 みんなで話し合ったこ
と自体が大切なのだと思います。
1日目の夜は部屋を借りて各グループ
で5分程度のその日の活動報告をしまし
た。 どのグループもそれなりに楽しんで
いたようです。 そしてみんなを盛り上げる
ためにパフォーマンスをやってくれた人も
いました。 大盛況で時間が足りませんで
した。 もっとたくさん時間をとっておけば
良かったと思いました。 その後、 部屋で
は仲の良いもの同士好きなだけ話してい
ました。 特に目立った問題も起きず無事
1日目を終えることができました。
迎えた2日目は、 朝から雨が降ってい
てショックでした。 そんな雨にも負ケズ、
私たちはナガシマ ・ スパーランドへ行き
ました。 やはりアトラクションのほとんどは
雨のために運行中止だったので残りの乗
り物で何回も遊びました。 濡れた体のま
ま高いところでビュバンビュバンと振り回
されたり、 頭上でひっくり返っているアト
ラクションの人たちの水滴が振ってきたり
と、 なかなかできない体験もしてきました。
雨の中の遊園地は寒かったです。 ナガ
シマ ・ スパーランドでの集合時間を早め、
当初の予定よりも早く大阪へと出発しまし
た。 休憩も含み、 3時間半ほどかけて大
阪に到着しました。 見慣れた場所に帰っ
てきて、 みんな 「終わったんや~」 とい
う安堵感を覚えたことと思います。
たかが1泊2日といえども、 私たちにとっ
(★前ページの続き)
わらず、 衰えていないということがいえます。 BICS は獲得しや
すく、 衰えやすい、 CALP は獲得に時間がかかるけれど、 衰
えにくいということがわかります。 これは例えば留学などをして、
英語が 「ペラペラ」 になって帰ってきても、 読み書きの能力
が、 伴っていない場合があることにも関連しているでしょう。 読
み書きについて、 もうひとついえる事は、 英語と日本語のよう
に違った文字を使う言語間では、 最初のしきいが高く、 会話
は比較的簡単に身につくのに、 読み書きのほうが特に困難を
ともなうということです。 日本人が文法などではかなりかけはな
れた中国語を読もうとすると、 学習経験がなくても、 わかる部
分がある、 ということなどは、 もちろん共通の文字を使っている
部分が多いということに関係があるでしょう。 Ms Namba が言う
には、ウェールズ語を話す能力は 「忘れる」 というより、 “rusty”
「さびつく」 という感覚だとういうことです。 また、 学校を卒業し
てからも、 言葉の学習は続いているということも言っています。
仕事や生活の中で日々いろんな表現を覚えることもあるので、
高校卒業以降そういった経験がウェールズ語ではないので、
10
ては長い長い2日間だったのです。 あと
3年間いっしょの仲間達です。 もっと色
んな人とこれからのためにも、 自分自身
のためにも仲良くしてほしかったのです。
今回の旅行ではそのことを果たすことが
できたのではないかと思っています。 そ
れと同時にほかの課題も見えてきました。
その課題も次の 11 年生の学年旅行で
は克服できたらと思います。 この学年旅
行を通して団結力が生まれていたらいい
なと思います。 天気は悪かったけれどそ
んなことは気にせず遊んでいたみんなは
楽しんでくれたと思います。 一見ただ遊
んで帰ってきた旅行のように見えますが、
委員だけでなく全員が自分たちで自分た
ちの旅行を作るという経験がわたしたち
にとって大きな勉強であり、 挑戦でもあ
りました。 それを遂げた今、 この経験は
今後の糧になることと思います。 旅行委
員もやりがいのある仕事で、 みんなに感
謝される旅行になって本当に良かったで
す!
最後になりましたが、 何が起こっても常
にサポートしてくれた先生方、 無事旅行
を終えることができました。 ありがとうござ
いました。
その点もウェールズ語が 「さびついく」 原因なのでしょう。 さ
らに興味深い話として、 今、 例えばウェールズに里帰りして、
ウェールズ語を話そうとすると、 日本語が頭に浮かんでくること
がある、 ということです。 脳の中で3つの言語が、 いったいど
んな風に影響しあっているのでしょうか?いくつもの言語を使
う multilingual の人たちについては、 まだまだ研究することが、
ありそうです。 今回は本人の判断によってバイリンガリズムの
度合いを測ってみましたが、 一般化できる信頼性のある説を
たてるには、 客観的なテストなどをする必要はあります。 次回
以降のこのコーナーで、 他にも均衡バイリンガルと呼ばれる人
の例を見てみようと考えています。
参考文献
Baker, C. & Jones, S.P. (1998) Encyclopedia of Bilingualism and
Bilingual Education. Multilingual Matters
2005 年6月号 バイリンガリズム通信 「バイリンガリズムの利点
と欠点」
2006 年2月号 バイリンガリズム通信 「第 2 言語の習得」
2006 年3月号 バイリンガリズム通信 「イマージョン教育」
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手作りのクリスマスキャンプ
高等部1年
松尾多佳子、 荒井遥、 亀井潤、 康未和、
佐々木愛、 山田健人
高等部1年 2006 年 12 月 19 日から 20 日まで私た
ち 10 年 は 「CHRISTMAS CAMP」 を
行いました。 このキャンプでは、 お昼に
北公園に集合し、 吹田市野外活動セン
ターで初めにアクティビティーとして 1.2
m× 9.6 mの巨大な垂れ幕を作りました。
(写真 : 僕達強者一生不滅) その後全
員でシチューを作り、 フランスパンと一緒
に食べました。 そして夜はお楽しみのレ
クリエーション★ビンゴやクイズ大会、 コ
ンテストに肝試しをし、 とても盛り上がり
ました。 その後寝る前にヒョンジョンサン
タさんからの贈り物を受け取り、 皆それ
ぞれ良い夢を見たのではないでしょうか。
次の日はとても早い起床だったので、 眠
たいながらの朝ご飯では皆の意外な一
面が見ることができて面白かったです。
そして皆でセンター内の掃除を行いまし
た。 毛布のたたみ直し、 鍋の洗い直し
いろいろな問題がありましたが無事にお
わり、 楽しい思い出を胸にそれぞれ家路
に着きました。
一見楽しそうそうな (もちろん楽しいで
すが笑) キャンプに見えますが、このキャ
ンプをするまでに壮絶な戦いがありまし
た!!実は …皆さんもご存知の通り春に
SHAKE CAMP をしました。 目的は4月か
ら入ってきた新入生と在校生との距離を
縮め、 一つの学年としての大きなまとまり
を作るきっかけの CAMP でした。 SHAKE
CAMP では新入生と在校生の交流の始
まりになり、 仲良く学校生活を送っていま
した。 しかし私達はこれで満足していま
せんでした。 残念ながらこの学年の状態
は、 仲良くなることはできましたが、 お互
いに意見を言い合えない、 表面上
の付き合いになっていました。 それ
を解決するためにもこのクリスマス
キャンプは SHAKE CAMP よりももっ
と深いものをと考えました。 10 年生
にはとても個性的な生徒が多いで
す。 しかし、 日常生活の中でこれ
らの生徒が、 学校という空間から離
れてお互いに話すことも、 一人一
人が持っている 「個性」 と言うもの
をお互いが理解する時間も、 選択
授業をとり入れたこの学校では本当に少
ないと思います。 個性的な人たちとせっ
かく一緒に過ごしているのに、 内面的に
深い交流、 自分の個性をお互いにぶつ
け合う機会が少ないのはとてももったいな
く感じます。
これらを作りあげるためには何が必要な
のか。 私たちが考えた結果、 学年みん
なで、 学校とは違う空間、 違う時間に集
まり、 そこで何かを作り上げ、 何かをみ
んなで作ったという達成感を共有できる
時間を過ごす事が必要だと私達は気づ
きクリスマスキャンプをし、 そこでみんな
で垂れ幕を作ろうというアイディアが出ま
した。 そして第二回クリスマスキャンプ企
画委員が結成されました!最初にクリス
マスキャンプを学校行事に認められても
らう必要がありました。 そのためには担任
の先生方の賛成意見が必要でした。 企
画そのものは 10 月に始まっていたのに
もかかわらず、 担任の先生方との論争は
11 月の下旬になっても終わっていませ
んでした。 先生方には何回もキャンプを
行う必要性を聞かれてとても苦戦しました
…。 しかし!!私達は絶対に諦めませ
んでした!そして私達には最大の見方
の保護者がいることに気づき、 保護者の
皆様にプレゼンテーションをすることにし
ました。 プレゼンテーションでは先生方
に指摘を頂いた点や目的を伝えました。
プレゼンテーションに来られなかった保
護者の皆様にも資料をくばりました。 そ
の結果大多数の賛成意見を頂き、 その
意見を先生方に見せると私達がここまで
するか?というような反応でし、 先生方も
OK を出して下さいました。 そのすべて
の結果と自分たちの意見をまとめ校長先
生に提出し、校長先生の了解も得ました。
そしてここからが本番!企画をどんどん
進め忙しい日々が続きました。 その結果
素晴らしいキャンプを行うことができまし
た。 賛成してくださった校長先生、 担任
の先生方、 保護者の皆様ありがとうござ
いました。 キャンプはいろいろな経験、
発見ができます。 みなさんも是非挑戦し
てみてください。
SHAKE CAMP にクリスマスキャンプ、
気付けばそれは去年の話になっていま
す。 新しい年が来て皆で学校生活を楽
しんでいるなか、 2006 年の思い出にふ
けっている 10 年生もいるのではないで
しょうか。 2007 年はクリスマスキャンプの
成果がみられる年になると思います!!
冬学期編入生紹介
アドミッションズオフィス
学年
8
9
9
11
名前
金 なり
Kim, Na Ri
張 暁
Zhang, Xiao
安本有輝
Yasumoto, Yuki
坂巻由梨
Sakamaki, Yuri
在留国
韓国
中国 / ドイツ
アラブ首長国連邦
米国
11
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学年だより
●中等部1年生 (7年生)
5 つのリスペクトを振り返る
斉藤 数
2組担任、 理科
2006 年度も、 いよいよ日にちを数える
までになってしまいました。 この 1 年間本
当にいろいろなことがありました。 新しい
学校になじみ、 友達を作り ・ ・ ・ 、 とい
うところから始まって、 いまのあなたがあり
ます。 入学時に思っていた学校生活は送
れていますか。 日常の生活で身に着けて
ほしい 「5 リスペクト」 は、 理解され、 実
行できていますか。 それぞれのリスペクト
には、 学校を卒業しても実践してほしい
内容が含まれているのです。 さて、 学年
の終わるこの時期をひとつの機会と捉え
て、 それらについて振り返ってみましょう。
自分を大切にする。 …これは、 「今の私
に100%満足しているだろうか」、 と考え
ることが自分を大切にすることの始まりで
す。 どのような自分になりたいのか、 誰を
お手本にして、 毎日を過ごしていこうか、
そのように実践できない自分には、 何が
足りないのだろうか、 などを考えることが、
自分を大切にすることの始まりです。 実は
「自分に満足できる自分になるために地道
に努力すること」 が自分を大切にすること
なのです。 皆さんは自分を作っている最
中です。 ほんとうのはなし、 努力しだいで
どのような自分にもなれるのです。 SIS に
は手っ取り早いことに、 お手本となる生徒
が、 そして先生方がたくさんいらっしゃい
ます。 その人たちからヒントを得て、 自分
なりに味付けをして、 あなたならではの個
性を創造してください。 今までにもたくさ
んの生徒を見てきていますが、 本当に信
じられないほどに積極性の出てきた生徒
や、 英会話が流暢に話せるようになった
生徒、 楽器が上手にひけるようになった
生徒、 考えているだけでなく行動的になっ
た生徒などなど、 数えればきりがありませ
ん。 中学 ・ 高校時代は、 あなたがあなた
を創っていく時代です。 考えているだけ
でなく、 行動を通して経験を増やしていっ
てください。 SIS だからできるのです。 足
を引っ張る人なんてだれもいませんから。
つぎは、 学習を大切にするということを
考えて見ましょう。 学習を大切にするとい
うことは、 自分を大切にする (自分がより
12
2 0 0 7
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豊かになる) ことであり、 結局は他の人を です。 そんな生徒がたくさんいる学校な
大切にする (他人の痛みがわかるように んて、 考えただけでも楽しいです。
なる) ことにもなります。 どうしてかって? このように考えてくると、 5つのリスペクト
それは、 人間生まれたときは脳内が空っ の中で一番大切なことは、 学習を大切に
ぽだからです。 脳細胞はあっても、 その するということかもしれません。 目から耳か
中には、 この社会で生きていくための情 ら、 皮膚から入ること、 何でも学習の対象
報が入っていないのです。 入っていること です。 授業で、 先生が教えてくれることを
は、 どんどん物事を摂取しようとする意思 学ぶことは学習です。 同時に、 先生と接
の気力です。 赤ちゃんは生まれてすぐに して教え方や人柄 ・ 生き方などを間近に
自分に入ってくる多くの情報を受け入れ 見ることも学習ですし、 他の生徒のやって
て、 たくさんの樹状突起 ( 神経同士をつ いることを見ることもまた学習です。 みん
なぐケーブル ) を伸ばし、 多くの脳細胞と な同じように行動しない SIS では、 10人
関係を持っていきます。 そして、 1 ~2歳 いれば10人の異なった個性があります。
くらいになると、 作りすぎた関係を整理し、 SIS ほど多くのことを学べる場所はそうあり
必要ないものは捨てて、 だんだん人間社 ません。 学内のどこに行っても、 学習の
会で生きていくのに必要な情報を保存す 材料は提供されています。 学習しない生
るようになり、 同時に外部から自分の望む 徒ほど、 人まねで満足し、 人の言ってい
ような情報を選択し、 取り入れるようになる ることを自分で繰り返すオウムさんになる
のです。 そうなると軸索もますます太くな のです。 オウムさんの多い学校なんてい
り細胞同士がよりしっかりと情報を授受す やですよね。 たくさん学習して、 個性的
るようになります。 さて、 皆さんは、 この な魅力ある人になってください。
1 年間でちょうど 0 歳児が 1 歳になる時
のようにたくさんのことを見たり聞いたりし ●中等部2年生 (8年生) て多くの 「初めて」 を見 ・ 聞きしてきまし 募金活動
た。 そして自分の中で取捨選択し整理し 合志智子
て、 自分に必要な情報を残してきました。 3組担任、 情報科
学習するということは、 授業で新しいこと 8年生では秋学期後半に、 LHR の時間
を勉強することのみでなく、 もっとたくさん を使って募金活動に取り組みました。 学
の内容を含んでいます。 この1年間のうち 園祭の収益金にまだほとんど手を付けず
に取り込んできた新しい情報は捨てない にいたので、 「何か役に立つことに使お
で大切に保存してほしいです。 取り込み・ う」 という意見から、 生徒自身が募金先を
保存することが学習だからです。 SIS に始 調べ、 活動状況や募金の用途を見て判
めて入学して、 感じ ・ 感心し ・ 感動した 断し、 各クラス1箇所ずつ募金先を決定し
こと ・ 覚えたことなどは、 在籍する6年間 募金をするという手順で行いました。 具体
のうち質の点でも量の点でもこの1年間の 的には、 1グループ3~4人のグループに
ものが一番ではないでしょうか。 1年生一 別れ、 インターネットを使って、 あらかじ
人ひとりが毎日ひたすら新しいことを学び め担任団が探しておいた公共性の高い募
ながら学校生活を送っている姿は、 高校 金先が載っているサイトから入って、 詳し
3年生の目から見ると、 ほんとにかわいら く調べました。 そして各グループで選んだ
しい子供のように映っていることでしょう。 団体について、 「団体の活動内容」、 「募
そのような各生徒が、 後の5年間でユニー 金の用途」、 「この団体を選んだ理由」 を
クな個性を持った各生徒になっていくので ポスターにまとめプレゼンテーションをし、
す。 自分なりの方法で考え、 行動を起こ 1週間ポスターを教室に貼りました。 1週
せるようになるためにも中1の時代に、 フ
レッシュな感覚で、 たくさんのすばらしい
個性に出会い、 感動し、 感化されてほし
いです。 たくさんの本も読みましょう。 語
彙の器か大きいほど物事を深く考えられる
と言います。 同じように、 言葉では現せな
い多くの感動を経験し、 全てのものを受
け入れられるほどの大きな器を自分の中
に作って、 豊かなあなたになってほしい
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間後の LHR で投票を行い、 1組は 「世
界の子供たちにワクチンを日本委員会
(JVC)」、 2組は 「アジア協会アジア友の
会 (JAFS)」、3組は 「国土緑化推進機構」
が募金先に決定し、 11 月末に送金 (1ク
ラス2万円) しました。
「世界の子供たちにワクチンを日本委員
会」 は、 ワクチンが足りないために5歳ま
で生きられない発展途上国の子どもにポリ
オワクチンを贈る活動を行っています。「ア
ジア協会アジア友の会」 は、 発展途上国
で衛生的な飲料水の確保に悩む人々へ
井戸を贈る運動を行っています。 2組に
は夏休みにこの JAFS のワークキャンプに
参加して、 インドで井戸建設などの活動
を行った生徒がおり、 その生徒の実際の
体験談を聞いて、 募金先が決定したそう
です。 「国土緑化推進機構」 は小学生の
ころから緑の羽根募金で親しんでいる団
体で、 日本国内外の森林や水資源の活
用 ・ 整備に関する様々な活動を行ってい
ます。
今回の活動は、 募金活動と言っても昨
年の秋学期に取り組んだ 「ミルク募金」
のように、募金箱やポスターをたくさん作っ
て学校中に呼びかけ、 毎日募金箱の回
収をした Big Project とは違い、 すでにあ
る資金の一部をどこかに募金すると言う規
模の小さい活動でしたが、 生徒たちは担
任団の予想を超える取り組みをしてくれま
した。 まずグループで、 その次にクラスで
募金先を1つに決める際に、 「環境保護
に役立てたい」、 「体にハンディキャップ
を持っている人を助けたい」、 「医薬品が
足りなくて困っている子どもの命を助けた
い」、 「水がなくて困っている人を助けた
い」 などいろいろな意見が出て、 討論を
しました。 なぜその募金先を選んだのか
をみんなにわかってもらうために、 プレゼ
ンテーション用のポスターをとても熱心に
また興味を持って作成しました。 昨年のミ
ルク募金で学んだことも活用できていたと
思います。
冬学期に入ってから各クラスに、 それぞ
れの募金先から募金のお礼のお便りをい
ただきましたので、 教室に掲示していま
す。 その手紙を紹介した時にも、 生徒の
みんなはとてもうれしそうな顔を見せてくれ
ました。 今回のこの小さな活動を通して、
またいろいろなことを感じ、 自分で考え行
動することを学んでくれたのではないかと
思っています。
●中等部3年生 (9年生)
自分の気持ちを知る
平井太佳子
2組担任、 保健体育科
2 0 0 7
N o . 1 0 9
だったのか」 と自問してみると 「実は自分
の都合のよいように期待していただけ」 で
あることに気づいて 「イライラする必要が
ない」 ことと分かって気分がすっきりしたり、
痛みの中にも見つめてみる効用があること
がわかった。
苦手な食べ物も食べれば栄養になるの
と同じなのかもしれない。 甘くて柔らかい
ものばかりではなく、 苦くて堅いものもよく
噛んで食べてみるとしよう。
袰岩奈々著 「感じない子どもこころを扱
えない大人」 ( 集英社新書 ) を読んで
先日読んだ本に 「他の人の気持ちを大
切にするということは、 まず自分の気持ち
を知ることが大切だ」 と書かれていた。 そ
こには、 自分の気持ちを知る練習として
「朝起きてから今まであったことを思い出し
てください」 とあった。 書いた方が良い、
というのでその通りにした。 朝起きて、 朝
ご飯を作って、 食べて、 出かける支度を
して、 車を運転して…、 あまり細かく書く
と大変そうなので、 大まかに書いてみた。
●高等部1年生 (10 年生)
次の指示は 「それぞれの時に何を感じ ソーシャル ・ ネットワーキング
たか、 どう感じたか、 事柄の横に書いて 福島浩介
みてください」 であった。 朝起きた時の気 2組担任、 国語科
分? 「……」 思い出してみる。 今朝は、 さて皆さん、 いかがお過ごしですか?
もっと寝ていたい気分で、 休みの日だっ ボクが 2006 年に成し遂げられたことって
たら良かったのに、と思ったりもしたかなぁ。 のがいくつかあるのですが、 その中で結
とりあえず書き込んでみる。 次、 朝ご飯 構自分で感動しているモノが、 27 年ほど
を作っているときの気分?何か感じていた 吹き続けているトランペットで、 コンサー
のだろうか?毎日繰り返していることだし、 トピッチの所謂 Double High Bb が出せる
何を感じたかと言われても…、 ???、 ようになったことです。 トランペットは一般
わからない。
的に変ロ調の楽器なので、 この音はドの
行動、 あったこと、 やったこと、 客観的 音なのですが、 記譜でいうと五線の上に
なことはすぐに書けるのに、 気持ち、 その 五本加えてその上ですな。 ラッパを吹か
時の自分の気持ちとなると思い出せない。 ない人には恐らくどうでもいいことですが、
なるほど、 自分の気持ちですら知ることは ラッパを吹いていますと、 これは結構シビ
難しい。
レることなのです。
以来 「今自分が 『なにを』 『どう』 感じ これが出来るようになったのは、 実は、
ているのか」 意識を向けるようにしている。 mixi というおそらく日本で最大のソーシャ
そしてわかったことは、 いろいろ感じてい ル ・ ネットワーキング ・ サービスのコミュニ
るけれどかなり無視しているということ。
ティーの一つに参加したのが発端なんで
朝ご飯を作っている時に実は 「今日の すけどね。 そこで、 大勢のラッパ吹きと知
白菜はしゃきしゃきして美味しそうだな」 と り合い、 またプロフェッショナルの指導者
いうちょっと嬉しい気分とか 「最近は大根 の方々の指導を受けることになり、 達成で
が安くて嬉しいな。 でも、 豊作で廃棄さ きたという訳です。
れているのはもったいない、 世界には飢 この mixi ってのは大変便利です。 利用
えている人もいるのに罰当たりだ」 と、 い 者も、 ボクが加入した 2004 年の夏頃は
う腹立たしい気分などを味わっているのだ 10 万人もいなかったと思うのですが、 現
が、 意識しないし、 意識しないから記憶 在では数百万人の人が利用しているとか。
にも残らない。
そしてありとあらゆるコミュニティーが存在
嬉しい、 楽しい、 よい気分を意識する し、 情報の収集、 同好の人々を見つける
のは気持ちよいしますますハッピーになる のも簡単です。 また、 例の2ちゃんねると
が、 悲しい、 悔しい、 腹立たしいなどい いった完全に匿名の掲示板とはやや趣が
やな気分を意識するのは益々気分が落ち 異なる (紹介制であること、 足跡が残るこ
込んで辛い。 しかし 「もういいや」 とふた となど) ため、有用に活用し易くもあります。
をする前に 「このイライラした気分はどん
な感情なのか」 を考えてみると 「思い通り
にいかなくて悔しい」 と思っているというこ
とだったり、 「では、 思い通りいくようなこと
タダ、 問題は、 やはりインターネット上
にヴァーチャルに存在する空間ですので、
使い方には十分な注意が必要です。 や
はり匿名性はありまして、 掲示板ではすさ
13
I N T E R C U L T U R E F E B R U A R Y
んだ議論が巻き起こって、 いやな目に遭
うとかってなくらいなら良いのですが、 個
人情報が流失してしまう危険性はありま
す。 氏名 ・ 年齢 ・ 生年月日などを載せ
る部分もありますし、 写真も掲載できます
のでね。 というわけで、 当然、 自分のモ
ノであれ、 他人のモノであれ、 プライバ
シーに関わるようなモノは掲載してはまず
いですね。 一度ネット上に載ってしまっ
た情報は完全に抹殺することが不可能だ
し。
こういう危険性もあるので、 mixi の運営
者は、
Q. 18 歳未満でも、 mixi に登録できま
すか
A. 申し訳ありませんが、 mixi では健全
で安心感のあるコミュニティを醸成するた
めに、 18 歳未満の方のご利用を禁止し
ております。
っていう風に規約を定めているんですよ
ねぇ。 さて、 話は核心に近づいてきてい
るんですけどね。 18 歳未満はね、 使っ
てちゃルール違反なのですよ。 ルール
は守るためにあり、 ルールを守らない場
合は不利益を被っても仕方がないってこ
とになっちゃうなぁ
ボクは、 使います、 1966 年丙午年生
まれの満 40 歳なので。 生徒諸君は一般
的には高等部三年次の誕生日を迎えれ
ば利用が可能になりますね。 それから、
保護者の皆さんは、 利用されると便利で
すよ。
世の中、 便利なモノも多いですが、 使
い方を誤るととんでもないことになっちゃ
う危険性を秘めているモノも多くございま
す。 ルールと節度を守り、 生活を豊かに
したいモノです。
あ、 ボクは正しく利用し、 Double High
Bb に到達したことで、 ラッパ生活にも弾
みがつき、 それが普段の生活にも影響し
て、 生活が豊かになったような気がしま
す。
お後がよろしいようで。
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1組担任、 数学科 は今でも歌うことができます。 私の生まれ チャンプルー、 島とうがらし、 サーターア
た 1956 年にできた曲で、 当時の沖縄返 ンダギー、 ちんすこう…。 おいしい食べ
還運動の象徴的な歌だったそうです。 子 物を体験するのも楽しみですが、 他にも
ども心に「早く返されたらいいのに」と思っ いっぱい特徴のある沖縄で、 生徒の皆さ
たものでした。
んはどんなことを学び、 感じて帰るので
1970 年代に入って、 中学校での美術 しょうか。 有意義な旅行になるよう願って
の授業でレタリング (lettering =文字の います。
デザイン) をしたときの私の作品が、 旧
字の 「繩 (糸偏に黽)」 を使った 「沖繩 ●高等部3年生 (12 年生)
返還」 でした。 背景に沖縄の地図を配 気がつけば卒業はもうすぐ
した自慢の作品でした。 新聞から好きな 相良宗孝
文字を選ぶというものでしたが、 たぶん 2組担任、 保健体育科
当時多く見受けられた文字のひとつだっ 12年生は冬学期になり、 自由登校期
たのでしょう。 それもそのはず、 1969 年 間に入りました。 今年は1組の教室で指
11 月 「佐藤 ・ ニクソン共同声明」 で復 定校学級を設け、 指定校推薦で大学を
帰が確定、 1971 年6月には沖縄返還協 決めた20名は毎日朝のSHRを受けてい
定調印という激動の時代だったのです。
ます。 5人の担任団はそれぞれ、 月から
1972 年5月 15 日午前0時、 沖縄はア 金まで日替わりでSHRに行きます。 新し
メリカから日本に返還されました。 私が高 いクラスの雰囲気を味わいながら新鮮な
校1年のときでした。 返還を祝してこの年 SHRを受けている生徒がいる反面、 こ
のこの日だけ半ドン (半日休み) になり れから始まるセンター試験や二次試験、
ました。 沖縄ではこれを機に通貨はドル 私大の一般入試に備え、 自宅で集中学
から円に変わりましたが、 固定相場制の 習に入り、 ほどんど見かけなくなった生
もと、 前年 1971 年に 1 ドル= 360 円か 徒もいます。 少子化が進み、 大学入試
ら 308 円になり、 復帰後の沖縄では 305 も多様化し、 基礎学力だけではなく、 各
円に設定されたため、 いろいろ問題が 種推薦入試では、 自分の実績を文書に
起こったそうです。 日本が固定相場制か してアピールしたり、 志望動機書を考え
ら変動相場制へ移行したのは翌 1973 年 たり、 本当に忙しいシーズンでした。 一
のことでした。
生懸命考えた皆さんの志望理由書を読
1978 年5月、 初めて沖縄を訪問したの ませてもらったり、 面接の練習を一緒に
は復帰から6年後、 私が大学4年のとき したりするたびに、 本当に内面の成長を
です。 ちょうど車が右側通行から左側通 感じ喜ばしく思いました。 大学入試はも
行へと一斉に変更される7月 30 日 (「ナ ちろん結果がすべてです。 合格しなけ
ナサンマル」 と呼ばれた日) を迎える れば大学生になれないのですから。 しか
直前でした。 あちこちに立てられたばか し、 この基礎学力向上の努力も含めたす
りのまだカバーで覆われている真新しい べての努力はみなさんの人間力を大幅
道路標識は、 当時しか見られなかったと に向上させていることは間違いありませ
いうこともあって、 沖縄を象徴する自然 ・ ん。 結果が出なくてもそれまでした努力
戦跡 ・ 米軍基地等よりはるかに印象に は決して無駄ではないことを忘れないで
残った光景でした。
ください。
2004 年3月、 SIS の高等部学年旅行の 卒業式に関しては、代表の松本唯さん、
付添いで再び沖縄を訪れた際に最も心 副代表の三浦森くんを中心とした卒業委
に残ったのは、 沖縄戦時に防空壕として 員が出来上がりました。 早速HPを立ち
利用された鍾乳洞 「壕 (ガマ)」 の追体 上げ、 自由登校に入ってもそこに自由に
験でした。 「地上戦の末期、 日本兵は泣 意見が出来るというものを立ち上げてくれ
き声で敵に発見されるという理由で幼児 ました。 今年は例年以上に卒業生が多
を虐殺した」 などの話は、 子を持つ親と い中、 いかにスピーディにかつオリジナ
してとても聞くに耐えられないものでした。 ルに富んだ卒業式を、 ということを考え、
1960 年代、 私がまだ小学生の頃、 父
に 連 れ ら れ て 行 っ た メ ー デ ー (May
Day) で最も印象に残っているのが 「沖
縄を返せ」 という歌でした。 サビの部分
戦争の悲惨さをこれほどまでに身近に強
烈に体験したのは初めてでした。
2007 年、 現 11 年生の沖縄旅行の日
が近づいてきました。沖縄そば、ゴーヤー
●高等部2年生 (11 年生)
沖縄と私
馬場博史
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企画してくれています。 気がつけば高校
生卒業はもうすぐですね。
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英検1級、 仏語 DALF C1 に
各1名合格
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翻訳コンクール
奨励賞受賞
水口 香
英語科
2006 年度第2回英語検定試験
2006 年 12 月 16 日の時点で、次の方々から合格の報告がありました。
今回は1級に 10 年生のパーマー怜主君が合格しました。 また、 準1
級合格者の中で 11 年生のリース恵実さんが優秀賞を授与されました。
合格者の皆さん、おめでとうございました。引き続きがんばってください。
【英検合格者数】
1 級 1名
準 1 級
4名
2 級
11 名
準 2 級
3名
3 級
2名
フランス文部省認定フランス語資格試験
12 年生の畑まりあさんが DALF( フランス文部省認定フランス語資格
試験 ) C1 を取得されました。 この試験では、 高度なレベルの聞き取
り、 読解、 文書作成、 口頭表現の能力が試されます。 また、 このディ
プロマを取得すると、 フランスの大学を受験する際、 フランス語能力評
価試験が免除されるほか、 日本では、 フランス政府給費留学生試験
の一部が免除されます。 畑まりあさん、 おめでとうございました。 今後
もフランスと日本の架け橋として、 健闘を続けてください。
第4回しずおかジュニア翻訳コン
クール
Mark Avery
英語科
高等部3年生の田原靖子さんが 「第4回しずお
かジュニア翻訳コンクール」 にて、 日本国内は
もとより、 アメリカ、 カナダ、 英国、 中国の高校
生からの合計2, 139件がよせられた中から奨励
賞 (5名) に選ばれました。
翻訳の内容は、 立原えりか著 「雪の日のオル
ゴール」 の一部を英訳するというものでした。 田
原さんはこの作品の持つやわらかい雰囲気を出
来るだけ残すように訳すよう頑張りました。 しず
おかジュニア翻訳コンクールとは、 日本や外国
の文学作品を翻訳する体験を通して、 翻訳の楽
しさを知り、 異文化への理解を深めてもらうため、
伊豆文学フェスティバル実行委員会、 静岡県教
育委員会、 静岡県の主催で開催されているもの
です。
風邪、 インフルエンザはどこから来るの?
弥永千穂
スクールナース
風邪やインフルエンザにかかっている人と同じ部屋にい
るから同じ病気になるわけではありません。 風邪やインフ
ルエンザにかかっている人が①せきやくしゃみのしぶきが
とどく範囲 (1 メートル位 ) にいて知らないうちにそのしぶ
きを吸い込んでしまった。 (飛沫感染) またはその人が②
鼻水をぬぐった手や咳を押さえた手で例えばドアノブを触
り、 他の人がそれを触ったあとその手で鼻を触った。 (接
触感染) この①、 ②が主に感染をおこす経路になります。
手洗いの大切さ分かりますよね?顔をさわる癖がある子は
ちょっと気をつけたほうがよいですよ。 ウィルスが①、 ②で
身体に入ってもすべての人に同じ症状がでるわけではあ
りません。 睡眠不足、 体が疲れている、 部屋の乾燥、 栄
養がとれていない時など他の要素によって症状の程度は
変わってきます。 風邪をひいたと感じたら無理をせず、 栄
養をとり、休養をし、自分の体が治してくれるのを待ちましょ
う。 もちろん症状がひどい場合は医療機関へ受診しましょ
う。 風邪をひいた場合のマナーとしてくしゃみや咳が出る
時には、 人から距離をおく、 人のいる反対側を向く、 マス
クを着用、 ハンカチなどで口と鼻を押さえるなどの思いや
りをもってもらえると周りへ病気が広がるのを防げます。 ぜ
ひご協力くださいね。 風邪で辛い場合は学校を欠席して
休養をとるのが一番ですが、 授業でのプレゼン、 テストな
どできるだけはずしたくないこともあると思います。 困った
時は保健室でしばらく休んで出られる授業をでることもでき
ます。 そういう場合は遠慮なく相談してください。 ただしイ
ンフルエンザの場合は感染力が強いので学校への登校は
できません。 あと冬も残りわずか、 元気に乗り越えたいで
すね!
保護者の方へのお願い
冬に流行する病気 (インフルエンザ、 急性胃腸炎) は
感染力が強いので集団感染が懸念されます。 お子様が
感染症の疑いがある場合は医師の診断をお受けになり、
学校への欠席連絡の際に病名をお知らせいただけますよ
うお願いいたします。
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フランス語暗唱大会優勝と準優勝
大阪日仏センター ・ アリアンス ・ フランセーズ、 関西学院大学文学部フランス文学フランス語学専修主催 ・ 財団法人フランス語
教育振興協会 (APEF) 協賛 関西高校生スケッチフランス語暗唱大会
Laurence Levy
French
The contest of French sketches 2006
The 4th of November took place the 4th contest of
French sketches for highschool students. The contest was
organised by the Centre Franco-Japonais Alliance Francaise d’Osaka and the French Department of the Kwansei Gakuin University. It was although organised by the
French Ambassy and the Japanese society of French didactic.
The Centre Franco-Japonais Alliance Francaise d’
Osaka and the French Department of the Kwansei Gakuin
University organize every year that event. The contest
consist of recite with intelligence a texte learnt by heart.
Candidates have the choice between 5 textes proposed by
the Organisation comity.
The conditions for the inscriptions are strict. This contest is for students who are learning French as a second or
third foreign language and who didn’t spend more than 3
monthes in a French-speaking country. Only 2 teams can
apply for each Highschool (2 students per team).
When I proposed to my students, (actually those who
are learning French since september 2005), I suddenly
remarked a strong interest from 4 of them.. I already had
two teams very quickly. The students interested where Mai
Fukui, Akiko Mtasumoto (one team) and Kayoko Hirota,
Chi Son Hong (for an other team). I gave them the textes
and asked them choose one of them as soon as possible. All
the textes (from one page to one page of half) were translated in japanese. In that way, it was easier for them to understand what they were talking about. They got a tape too,
one which the textes where reading by a French professor.
Then I let them studied without any particular helping.
Only one week before the deadline, I asked them to play
in front of the class to be sure they didn’t make any important mistakes of pronounciation or intonation. At that time,
I gave them few advices but I was astomished about the
way there were already able to play !
The 4th of November, both of the group made a really
good presentation and won the first and one of the second
place (there were three) of the contest.
The most important is that they had really good time in
playing that day .
For that contest, they learnt a lot of new vocabulary,
new grammar, new expressions and it is really usefull for
the class now. I didn’t expect that much from a simple con16
test. That was a good experience with an important feedback. I will for sure renew the experience the next year.
Some students of the level one class already asked me to do
the contest next year.
I have although decided to motivate all of my students
in getting them involved in the French official examinations proposed by the French and Japanese Ministries of
Education. That is why, in november, ten of them tried the
Futstuken examination (from the 5kyu to the 1kyu), many
of them passed and for those who missed, they are already
ready to try again the next year..
An other examination is really important for students
who want to study abroad and particulay in Europe. It
is the DELF/DALF examination « Diplom of French
Language » (from beginner to really advanced level). If
someone gets the DALF C1 or C2 examination, he is able
to study in a French University as a French student. It is
a passport for the French University. It is not easy to get
but this november, 2 students tried the C1 and next year
a student will try the C2 level. I want to encourage all the
students to try it because it is an official diplom recognized
in all the world. Even for the resume, it is a remarquable.
Learning French three years in a high school, is a good
chance to get a good level in a foreign language. It is although very important to apply for some examinations to
evaluate his own level. With that differents kinds of exams,
the students know exactly where they are in their learning,
what they are able to do and on what they have to focus
to improve. It is still although good a exercise to prepare
for an exam and a personal satisfaction when we pass the
exam.
本校は、 1998 年度より、 それまでの4学期制から各
学期同授業日数の3学期制 (60 日×3) へと移行しま
した。 4月~6月を春学期、 9月~ 11 月を秋学期、 12
月~3月を冬学期と呼んでいます。
また 1999 年度には、 大阪国際文化中学校・高等学
校 (OIA) から千里国際学園中等部・高等部 (SIS) へ校
名変更。 同時に、 中3以上の授業は一部を除いて 「学
期完結制」 となり、 高等部では学期ごとに単位が認定
されるようになりました。 このため、 各学期で履修科目、
時間割が変わります。
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2 0 0 7
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Sabers Men's Basketball Report
Peter Heimer
Basketball Coach, English
The Sabers men’s basketball team
has completed the first half of its season with the usual combination of
setbacks and success. The team has
experienced some wins and some
losses and has dealt with a challenging
practice and game schedule. Through
it all, the team has maintained a positive attitude and is looking forward to
the second half of the season after the
winter holiday.
Practices have been difficult. The
season began in late October with
30 players on the squad. Early season practices contained challenging
physical training, testing the players’
endurance and commitment. The extra running sessions on Tuesdays and
Thursdays didn’t scare anybody away,
though, and players became stronger.
With over 50 players on the girls’
team, the gym is quite crowded. So,
the first hour of the men’s practices
is on the tennis court; it’s cold there.
At 5:00, the team enters the gym –
it’s cold there, too – and works hard
to make the most of its limited court
time.
Despite these difficulties, the team
is 27 members strong, nearly evenly
divided between OIS and SIS students.
With 11 freshmen, the team is young.
The coaching staff is old.
The game schedule has been challenging, too, with multiple trips to
Kobe against quality opponents. The
Sabers have lost to Canadian Academy (three times), Kita Senri High
School, and EJ King High School. The
team has soundly defeated Nagoya
International School, Kyoto International University Academy, and Marist
Brothers International School.
The junior varsity team is quite
strong and has easily defeated CA
twice.
The varsity team is led by its two
senior captions, Sean Neill and Ryo
Nishikimi. Neill has been the top scorer followed by sophomore Matthew
Kellett. Kay Aoki, Hayato Takami,
and Satoki Nakamura round out the
starting line-up. Other varsity players
include Shu Woei Nien, Akira Moriguchi, Rico Chow, Kei Watanabe, Jun
Sakaguchi, Kei Suzuki, Shun Kanezaki and Naoto Takahashi.
Kokoro Ikkai, Wakako Tameoka
and Yui Bessho have been outstanding team managers. Peter Heimer and
Rodney coach
the team.
In January
the JV team
will travel to
Yokohama International School for
its season-ending tournament. The
varsity will play in two tournaments at
CA, including the APAC tournament
in early February.
The team thanks Mr. Simon Parker,
Activities Director, for his tireless efforts in helping the team. It thanks the
girls’ coaches, Mr. Don Gagner and
Mr. Jim Schell, for their cooperation in
sharing the gym and the girls’ managers, Sachi Yoshida and Eriko Mori, for
running the scorers’ table. The team
also thanks the teacher-referees: Mr.
Munetaka Sagara, Mr. Gwyn Underwood, and Mr. Simon Mills. And it
thanks for the administration for its
continuing strong support of the basketball program.
Good luck, Sabers!
クロカン ・ 駅伝 ・ マラソンで活躍
馬場博史
トライアスロンクラブ顧問、 数学科
■ 12/23 万博クロスカントリー大会
5km 高校男子 15 位小澤悠、 50 位春名暢 (SIS10)
■ 1/8 吹田市駅伝競走大会 (4km × 5 名 )
中学男子 20 位 [ 高橋直人 (SIS9) 池田憲治、 藤井資也、 阪上孟史
( 以上 SIS8)、 Kento Baba (OIS8)]、 高校男子1位 [Raymond Terhune
(OIS11)、 井藤航太 (SIS11), 小澤悠、 春名暢、 亀井潤 ( 以上 SIS10)]
■ 1/14 茨木市民マラソン
3km 中 学 女 子 : 粘 家 甄、 阪 上 夏 希 ( 以 上 SIS9)、 吉 積 悠 (SIS8)、
5km 中学男子 :Kento Baba (OIS8)、 高校男子 : 春名暢 (SIS10)、 高
校女子 : 小林朋世、 仲谷実理 ( 以上 SIS10)、 10km 男子 50 歳以上 :
1位馬場博史 ( 教員 )
1/8 吹田駅伝
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図書館より
青山比呂乃
図書館
* 開館時間延長の近況
図書館の開館時間の延長は、 中高生の勉強のために始まりま
した。 2002 年度から週2回、 2003 年9月から 2004 年6月までの
一年は毎日の試行期間を経て、 2004 年9月から正式にその間
の監督スタッフ 1 名も確保して、 現在毎日行っています。
いつも皆さんにサインしてもらっている利用状況の統計を見る
と、 最初の年は、 1 日あたりの平均利用者数も 20 名前後だった
のが、 この 1 年は、 平均 40 名近くになっています。 中高の生
徒数も 2004 年の 500 名前後から約 60 名増加しているとはいえ、
ずいぶん利用度が上がりました。 ピーク時には、 実際 1 名の司
書または司書教諭だけでは、 手が回りきらないような状況です。
特に先学期は、 今までで最高の利用度でした。 ちなみに、 先
学期の延べ利用者数合計は、 2,353 名ですが、 その 48%が
SIS 高等部、 35%が SIS 中等部、 14%が OIS の生徒で、 その
他の利用者 (教員、 職員、 卒業生など) も 3%います。
毎日開館延長したことで、 安定した人数が利用するようになっ
ているようです。 毎年春は少なめで秋が一番多いのですが、ピー
ク時の利用人数は、秋学期には 78 名 (11/14) に達しています。
中高生は全部で 560 名ほどですから、 この日は全体の 7 分の 1
の生徒が利用したことになります。 特に寮に住む生徒で、 夕食
まで図書館で過ごすのが常になっている人もいるようですね。
開館延長利用者数
人/日
2003 秋
2003/4 冬 2004 春
2005/6 冬 2006 春
1 日あたりの平均人数
25.9
23.4
38.4
19.5
36.8
ピーク日の利用人数 53 51 49 63 68 2006 秋
42.8
78
開館延長は、 SIS/OIS の主として高校生の勉強のために延長
するものです。 残る人には、 英語の貸出デスク横にあるサイン
アップシートに SIS/OIS の別、学年、名前、勉強する予定のこと、
来た時刻、帰った時刻を書いてもらいます。 この他に、中学生 (6
- 8年生) は、 備え付けの許可証に担任の先生のサインをもらっ
て、 持ってこなければなりません。
これは、 通常の下校時刻である4時半以降に図書館に居残る
生徒をきちんと把握して、 事故のないようにするためと、 どの学
年の生徒がどのくらい何のために利用しているかというこうした利
用統計を取るためです。 実際の人数をきちんと把握することで、
学園として状況を分析し、 さらに人手を確保してより使いやすい
環境整備をしていくこともあるでしょう。 しかし、 実際スタッフに言
われないとサインアップをしない人もいるようなので、 実利用数は
もっと多い可能性があります。 図書館の利用状況を正確に把握
するためにも、 皆さん、 サインアップにきちんと協力してください。
* モバイル PC の個人利用統計
モバイル PC 個人利用台数
2005 秋 2005/6 冬 2006 春
2006 秋
学期総利用台数
1,995
2,974
3,542
3,470
1 日あたりの平均利用台数
33.3
49.6
59.0
57.8
1.4
2.1
2.5
2.4
1 台・1 日当たりの利用者数
図書館で、 モバイル PC を個人貸出するようになってからの統
計を発表します。
18
最初は教室貸出用も兼ねていたのが、 生徒個人貸出専用に
24 台を置くようになったのですが、 常にかなりの数の PC が貸し
出されています。 春学期には、 たびたび全部貸出されて残って
いない、 という状態にもなりました。 これは平均の数なので、 ピー
ク時にはその倍近く貸出件数が 100 を超える日もあるからです。
貸出手続きにも慣れてスムーズに使っている人がほとんどです
が、 PC を借りて席に置いたままどこかへ行ってしまう、 他の人
に又貸しするなどの問題も時々起きています。 限られた機材な
ので皆が有効に使えるように、 利用の責任の所在を明確にする
ように気を配りましょう。
* 図書館でのコンピュータ利用
現在、 図書館では、 9 台のデスクトップ PC と 24 台のモバイ
ル PC を生徒が自由に使えるようにしています。 モバイル PC は、
中高生のみに、 必ず生徒証と引き換えに図書館内貸出をして
います。 特に最近3F ラボは、 教員が予約した授業用にのみし
か使えなくなったため、 個人で PC を使う必要のある人は、 皆、
図書館で使うようになっています。 何名かの生徒のラボの使い
方が悪く、 空き時間に利用した際、 ごみを放置するなどの状況
が続いたためです。
・ OPAC 優先 PC の機能と使い方
図書館資料検索用のコンピュータ OPAC は6台ありますが、 そ
のすべてで、 日英両方の資料検索とインターネット検索ができます。
画面下の最小表示の部分に、この3種類が出ているはずなので、
クリックして必要な機能を使いましょう。この PC は自分のユーザー
ネームで立ち上げ直すことはトラブルの元になるので、 特別許
可が出ない限り、 絶対しないでください。
・ すべての PC とプリンタの使い方
また、 階段下のコンピュータ9台は、 自分のユーザーネームで
立ち上げて利用し、 最後は必ずログアウトかシャットダウンしてく
ださい。 コンピュータラボのPCと同じように使えます。 自分の名
前で立ち上げたままにしてほうっておくと、 そのつもりがなくても、
別の人にそのまま使われるトラブルの可能性もあります。 何か不
都合が起こらないように、 きちんと使いましょう。
また、 印刷は自由にできますが、 プリントを命令したのに出て
こない場合、何度も命令を繰り返す人がいます。 プリント命令は、
その時に出なくても、 後殻命令した回数だけ印刷されてしまいま
す。 そのせいで、 後になって、 誰もいないのにたくさん同じ物
がプリントされて紙の無駄を作っていることがよくあるのです。
プリントをしたい場合は、
1. うまくプリントできないからといって、 何度もプリントの命令をし
ないで、 「うまくいかない」 と図書館スタッフに助けを求める。
2. 時間が無くなったからといってほったらかしにせず、 必ずスタッ
フにプリント中か、 もういらないのに出てきてしまうのかを断って
から行く。
3. プリントする時には、 命令を出す前に必ずプリンタの名前を確
認する。 (やり方はスタッフに聞いてください)
ということをお願いします。
それぞれがスムーズに必要なものを手に入れられるように、 気
遣い care を忘れずに!
I N T E R C U L T U R E F E B R U A R Y
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数学関連高大連携講座に多数参加
馬場博史
数学科
数学科では、 平常授業に影響のない週末や長期休業中に1
日から数日間開催される一回完結のプログラムを主に紹介して
います。ほとんどのプログラムは無料で受講することができます。
数学 (または数学と理科) が好きな人、 理数系への進学を考
えている人は積極的に参加してください。 主にメーリングリスト
登録者への E メールと SIS 数学科 (W214) 前の掲示で連絡しま
すので、 興味のある人は登録だけでもしておいてください。 登
録希望者は [email protected] まで。 以下に最近の講座に参
加した人の感想を一部紹介します。
11/26 数学史講座 「よみがえる天才アルキメデス」 6名参加 主催日本数学史学会/斎藤憲(大阪府立大)
宮地美玲 (中3)
私は今までアルキメデス=冠のイメージで脳内が埋め尽くされ
ていたので、今回の講座はとても興味深いものでした。 私が知っ
ていたアルキメデスは、 エンジニアであるアルキメデスだったと
思います。 今回の講座において、 アルキメデスの3つの顔―す
なわちエンジニア、幾何学者、計算家―を知ることができました。
その中で特に興味深かったものが計算家としてのアルキメデス
です。
ギリシャ数学は当時では画期的であった論証数学でした。 勿
論アルキメデスも計算をしていくにあたり様々なことを証明して
いったんだそうです。 今回紹介された数学家としてのアルキメ
デスが残した功績…準正多面体、 牛の問題 (8つの未知数と7
つの方程式 ・ 平方数と三角数の条件を用いて8つの数を確定
する。)、 円の計測、 砂粒を数える、 ストマキオン (当時のパズ
ルのようなもの) …これらはどれも興味深く、 着眼点も面白いと
思いました。 私なら、 宇宙空間に砂粒を敷き詰めるなど思いも
よらないと思います。 個人的に一番興味深かったものがストマ
キオンです。 これでパズルができるのなら、 一度挑戦してみた
いと思いました。
全体として、 少し難しくて高度な内容だったけれど改めて数
学の面白さをわかることができました。 と同時に、 アルキメデス
についての知識の幅も広がったと思います。 今回の講座に参
加できて良かったと思います。
1/4-6 第 1 回数理の翼冬季セミナー1名参加
主催 NPO 法人数理の翼/「私の数理科学―脳と情報を中心に」
甘利俊一(理化学研究所)他/東京大学本郷キャンパス
井藤航太 (高2)
「数理の翼」 というのは、 フィールズ賞受賞数学者の広中平
祐さんによって 1980 年に第 1 回夏季セミナーが開催されて以
来毎年各地で開催されている合宿形式のセミナーです。 セミ
ナーの内容は主に数学と理科です。
昼間は東京大学で数学や理科の研究者の講義を受けます。
全部で3人の講義を受けましたが、 その中でも甘利さんという東
京大学にある脳科学総合研究センターのセンター長をされてい
る方の講義が一番印象に残っています。 講義の内容は、主に、
ニューロンがどのように行動するかというものでした。 ニューロン
は他のニューロンから合計して一定量以上の情報伝達物質を
受け取って初めてインパルスを起こすのですが、 甘利さんはそ
の 「他のニューロン」 が放出する情報伝達物質の量をそれぞ
れ変数にして、 不等式を解く要領でニューロンの1か0の反応を
説明しました。 その不等式の次元はどんどん増え、 ついには n
次元になり、 曲面の幾何まで登場しました。 わけがわかりませ
んでした。
夜になると旅館の大広間で 「夜ゼミ」 というのがありました。
ここでは、 何人かのグループごとに自分たちの決めたテーマで
自由に話をしました。 僕は医学部生 Teacing Assistant の ES
細胞や高血圧についてのちょっとしたレクチャーを聞いていまし
た。 その隣のグループではみんなで円になってずっと数学の証
明問題に挑戦していました。 また別のグループではやかましく
「シュレディンガー音頭」 を踊っていました。 この 「夜ゼミ」 は
特にいい刺激になったと思います。 先の数学の証明問題に挑
戦していた人たちのきらきらと輝く目を見ていると、 なんだか見
ているこっちまで気持ちが良くなり、 自分も数学が好きになった
気がしました。 ちなみに、 彼らは朝の4時半までずっとやってい
ました。 2泊3日というとても短い間でしたが、 いい経験ができ
たなと思います。
1/6-7 新春特別講義 「数の不思議 ・ ふしぎな数」 9名参加
主催日本数学協会近畿支部/「整数から無理数へ」上野健爾(京
都大)他/京都大学理学研究科
池尻 文 (高3)
今回は、 前回のアルキメデスの講義に続いて、 私にとっては
2回目の公開講座であると同時に、 授業中や図書館で、 上野
先生の本や彼自身の話を馬場先生から聞いていたため、 少し
気楽に講義に参加することができました。 私の苦手な数学の、
そして有名な京都大学の教授である上野先生の4時間にもわた
る講義ということで、 最初は私にきちんと理解できるのか、 集中
力がもつのかと不安に思いましたが、 講義は全体的にとても興
味深いものでした。 最初の方は基本的な数の話や足し算引き
算の話から始まり、 小学校の頃疑問に感じつつも当たり前だと
無理矢理思い込んでいたことが、 きちんと式や説明で証明され
た時は、 頭がとてもすっきりした気分になりました。 中でも、 3
分の1を小数にして3倍しても、 1という形の数にならないことな
ど、単純なことなのに考えたこともなかったのでとても驚きました。
講義の途中、 全く話についていけず、 意識を失った時間もあり
ましたが、 休憩の時間に友人に説明をうけると、 意外におもし
ろいことが分かり、 難しい記号を見ただけですぐに拒否してい
るだけではいけないなと思いました。 講義の中では、 上野先生
自身の経験や本の話、 数学用語が英語から日本語に訳される
時の意味の違いなど、 いわゆる “数学” 以外のところでも楽し
めました。 また、 講義の途中のどんな質問にも、 ひとつひとつ
丁寧に答えていた上野先生の親切な姿がとても印象に残りまし
た。
今回の講義をきっかけに、 機会があれば是非上野先生の書
かれた本も読んでみたいと思います。
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. 1 0だ0
保護者会だより
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り
PARENTS
● 「 保護者会だより」文責 : 保護者会 Public Relations Committee
ホームページアドレス http://www.sispa.jp
保護者会活動報告 ・ 予定
参加をお待ちしています。
保護者会の活動を次の通り報告いたし ■ International Fair Committee ます。
△ 11 月 18 日、インターナショナルフェ
■Board
ア開催。収益金は約 140 万円、エコ全
◎第五回定例会
体の支出は 27,620 円でした。当日の
12 月 14 日 ( 木 )10:30 ~3階会議室
来場者数は 700 名から 800 名でした。
学校から大迫校長先生とルイス事務長 12 月 16 日にはポットラックのお疲れ
のお話と各委員会からの活動報告。イ 様会、またそのほかに反省会も開催し
ンターナショナルフェア委員会から ました。
フェアの報告がありました。
■ Hospitality Committee ◎第六回定例会
△冬学期のホスピタリティの活動予定
1月 18 日 ( 木 )10:30 ~3階会議室
は、1 月 26、27 日招待試合のランチサー
学校から大迫校長先生とルイス事務 ビス 、APAC 女子バスケット試合が2
長のお話と各委員会からの活動報告。 月1、2日、ランチサービス、3日バ
Board からは SIS 保護者会費の中の『後 ン ケ ッ ト、 2 月 15 ~ 17 日 オ ー ル ス
援費 設備予備費』について、話し合 クール プロジェクトのティーサービ
いがなされました。このことについて ス、3月1~3日 APAC ドラマのラン
の定例会の内容をまとめ、アンケート チサービスとバンケットを予定してい
の形で保護者会員の皆様に広く意見を ます。 バンケットの日は 100 人分近
求めることになりました。ご協力のほ くの用意をしますので ボランティア
どよろしくお願いします。また次回定 のお手伝いやお菓子などのドネーショ
例会に引き続き検討いたしますので ンがあれば助かります。募集お願いの
是非定例会にご出席ください。
時は どうぞよろしくお願いがします。
◎次回第七回定例会
■ Network Committee 2月 15 日 ( 木 )10:30 ~3階会議室 今年度の委員会活動のまとめとして、
予定
新旧地域リーダー親睦会を2月 20 日
*定例会は保護者の方のどなたでも出 (火)に開きます。個人情報の関係で
席していただけます。たくさんの方の 今年度より、参加希望方式で作成した
地域名簿の問題点を洗い出し、来年度
の地域ネットワークのあり方を検討し
たいと思います。現リーダーさん、新
リーダーさんお誘いあわせの上、ぜひ
ご参加くださいますようお願いしま
す。
また、保護者の皆様の中で、地域ネッ
トワークに現在不参加でも、来年度か
ら参加してみようと思われる方や、地
域ネットワークのことが良くわからな
い方など、希望や質問などはいつでも
受け付けています。学園ホームページ
の保護者会ページの問い合わせメール
をご利用いただくか、学園玄関付近に
ある保護者会 BOX にご連絡ください。
■ Public Relations Committee 12 月はインターカルチュア 109 号の
特集記事作成のための取材、ホーム
ページへの記事掲載などを行いまし
た。 1 月 は 109 号 の 編 集、 お よ び、
110 号の記事作成、ホームページへの
記事掲載を行いました。随時記事集め
をしていますので、学校関係のイベン
トに参加された感想など、いつでも
[email protected] 宛にメールにて投稿し
てください。インターカルチュアある
いはホームページに掲載いたしますの
でよろしくお願いします。
~ 2006 年度 SIS/OIS インターナショナルフェア~
みなさまのご協力ありがとうございました! 去る11月18日(土)SIS/OIS合同のインターナショナルフェアが開催されました。
護者の皆様及び各関係者の皆様の暖かいご協力を頂いて無事に終えることができ、
フェア委員一同、心より感謝いたしております。ありがとうございました!
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護
者
会
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2006 年度 PR コミッティ特集記事
SISの親として、 ここが知りたい! Vol. 3
~ 「社会人になってから、 SIS での経験が役に立ったこと」 ~
SIS、2007 年春、今 14 期生が卒業
の準備を進めています。今までに一
体何人の先輩達が、このユニークな
学校を巣立っていかれたのでしょ
う・・。
もうすぐ卒業する 12 年生の親である
私達は、我が子の未来を思い、先輩
方の体験談をお聞きする事で、何か
参考にさせていただきたいと考えま
した。
そこで、109 号、110 号連続して、
“社
会人になってから、SIS での経験が役
に立ったこと”というテーマで何人
かの卒業生の方に語っていただきま
した。また、110 号では、在校生の身
近に興味のあるところで、大学入学
にあたって、先輩方はどのような方
法を選ばれたのかという体験談も合
わせてお知らせしたいと思います。
お忙しい中、卒業生と連絡をとって
く だ さ っ た 馬 場 先 生・ 小 野 寺 先 生、
快く寄稿してくださった卒業生の皆
さん、そして現在 12 年生の皆さん、
本当にありがとうございました。
PR 委員 田丸・山添
『千里国際学園で学んだ事
で社会人になってから役に
立っている事』
1995 年卒業 2 期生
内坂香織
私は大学という、中学高校の延長線
とも言える教育機関に務めていて学
生と接する事が多いので、千里国際
学園で学んだことが役に立つ割合が
必然的に多い。また、アメリカで働
いているけれども、仕事に役に立っ
ていることは、制度や文化の相違に
関係無いと思うほど普遍的だ。SIS で
はいろいろなことをある意味手当た
り次第、マイペースに経験する事が
できた。OIA(SIS) 時代の想い出はだ
いぶ美化されていて良い事ばかり思
い出しがちだが、失敗も含めて千里
国際学園で学んだ事を、仕事をする
ようになってから思い起こしている。
真っ先に思いつくのはプレゼンテー
ション経験の重要さだ。「比較文化」
や「地球社会と個人」の授業で発表し
た時は、準備の段階からプロセスを楽
しもうということが指導されていたの
で、発表はやりがいがあって楽しいも
の!という貴重で愉快な感覚を覚え
た。社会人だとなかなか失敗が許され
ない状況でのプレゼンテーションとな
る。必要以上に緊張することもある。
その場合、あのときの楽しかった感覚
や自信を掘り起こし、頼りにする。仕
事でレポートを書いている時や発表の
準備に詰まっている際、
「このプロジェ
クトを楽しいものに変えてしまおう」
と方向転換できるのは、千里国際学園
で身につけたスキルだと思う。大学生
や社会人になる前に SIS で早い時点で
プレゼンテーションという表現方法に
慣れてしまえば、あとは場所と聴衆が
変わるだけの、お手のもの。楽しいと
いう感覚がつかめるまで練習する機会
が与えられる環境、は貴重だ。
SIS で求められる、自分から能動的
に学んでいくという姿勢やテクニック
は、職場に置き換えると自発性とか問
題解決能力、何をどうやって学び解
決すればいいのか分析する力につな
がる。ついでに、SIS でリーダーとし
て活躍できる機会があれば、その経験
は絶対後で役に立つ。それはグループ
ワークでも、スポーツチームのマネー
ジャーでも、ひとこと発言する機会、
でも何でもいい。仕事で人と接する環
境にいる場合、自分がリーダーの場合
はもちろん、リーダーを見守る立場で
も、率先力を理解し発揮する機会が必
ずある。私は SIS でリーダーシップを
発揮するより観察することで学んだ方
が多かったが、職場でワークユニット
がどのように率先力に影響されるかに
今とても興味がある。
私が学んでいた当時の SIS は創立初
期で、試行錯誤が繰り返される中、学
園の理想と職員、教員、生徒の現実の
間にギャップもあった。学校の理想に
追いつけないというプレッシャーを感
じていた人もいると思う。その中で
経験した苦い失敗が実は一番役に立っ
ているような気がする。例えば私は高
校生の時、自分と他人をリスペクトす
る、ということを、理屈でわかってい
るだけの頭でっかちな部分があった。
とても困っている事があって、カウン
セリング室という恵まれたシステムが
あったにも関わらず誰にも相談しな
かったり、特定の友人以外と交流しな
かったり、努力を怠った分成績が落ち
たり、遅刻を繰り返したり。失敗をあ
げればきりがない。じゃあそれが社会
人になってどういう影響があるのかと
いうと、あのとき失敗したことは、で
きればもう繰り返さないように意識す
るようになる。失敗を認める事ができ
る、安全な環境が SIS にあり、守られ
ていたことに今気がつく。同じく、他
人の失敗が受け入れられるようになり
たい。
保健体育の授業でエイズについて学
んでいた際、「エイズに感染している
人に差別感なく接する事が出来る自信
のある人は?」と聞かれて颯爽と手を
挙げ、「本当に?」と2回聞かれてま
で躊躇無くもちろん、と答えていたこ
とを思い出す。その数ヶ月後、大学の
寮でクラスメートがゲイ(同性愛者)
だと紹介された時、また社会人になっ
てから出会った人が HIV ウイルスに感
染したことを知らされた時、まともに
衝撃を受けている自分がいた。理屈で
わかっていることと、実際に人を目の
前にして思うことに格差があり、差別
感なく自然に受け止められるんだと信
じ込んでいた自分とは全く違う心の反
応に、愕然とした。なんだ、あのとき
は全然理解していなかったんだ、と
やっと気がつく。通算、卒業 10 年後。
千里国際学園でいっぱい失敗して成
功もして、後から気がつくことがたく
さんあります。皆様がこのかけがえの
ない時間を精一杯生きていくこと、心
から応援しています。
自己紹介:内坂香織 Kaori Uchisaka
大阪府生まれ。千里国際学園(当時
の OIA)に4年間在学、95年卒業。
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I N T E R C U L T U R E J U N E
1999年ニューヨークのパーソンズ
スクールオブデザイン、BFA ファイン
アート科卒。現在スクールオブビジュ
アルアーツ留学生事務局長を務める。
ニューヨーク市立大学バルークカレッ
ジ大学院にて高等教育マネージメント
専攻、2007年 MSEd 取得予定。
What I learned from my experiences
at SIS and how I’ve applied it to
my job
Kaori Uchisaka (Class of 1995)
December 3, 2006
As an administrator in the field of
higher education, I work closely
with college students and it’s
imperative that I make good use of
the lessons learned from my days as
a student at Senri International
School. Presently I am working in
the U.S., but I can say for sure
that the lessons I’ve learned can
be applied to workplaces anywhere
regardless of differences in
culture or educational systems. My
experiences at SIS (then OIA) were
rich and diverse, and I was able
to take strides at my own pace.
Although the memories from those
days have been somewhat filtered by
now and are mostly positive, I do
recall them frequently, including
the mistakes I made, since becoming
a working adult.
What comes to mind immediately is
the importance of presentation
experiences. The presentation
assignments as part of the
social-studies such as the
Comparative Culture course and
th e S o c i e t i e s a n d I n d i v i d u a l s
course taught me the important
no t i o n t h a t p r e s e n t a t i o n s a r e
fun to do and rewarding, because
we were instructed to enjoy the
process from the preparation
stage. Once we become working
adults, presentations are done in
environments where mistakes are
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less permissible. Occasionally I
become more nervous than necessary.
It’s during those moments that
I recall the confidence rooted in
joy, and rely on it. The skill to
switch gears to turn projects such
as work, reports and presentations
into “something fun” is what I
learned at SIS. Once you learn how
to handle presentations at an early
stage as a student at SIS, the rest
is its continuation at college and
situations beyond with only the
change in places and audiences.
The opportunities to practice this
skill until you can fully enjoy the
experience is precious.
time taught me the most valuable
lessons. For instance, as a high
school student, I cannot say that
I fully understood what it meant
to “respect myself and others”
– other than in theory. (And of
course I thought I had it all
right back then.) Even though
there were plenty of instances in
which I could have made good use
of a valuable resource called the
counseling center, I refused to. I
didn’t get to know people beyond a
small circle of friends. My grades
fluctuated to reflect my changing
interests and lack of efforts, and,
I was always late. The list could
go on. So, what have I learned
through these mistakes and how do
I apply it to my workplace now? I
always reflect back on them, and try
not to repeat those same mistakes
if possible. I realize now that
SIS was a very safe environment
where mistakes and failures were
allowed, even encouraged, as long
as you could admit to them. I wish
to become someone who can owe up to
my own and handle the mistakes and
failures of others.
I believe that self-motivation
towards learning that students
are expected to cultivate at SIS
leads to the ability to problemsolve and analyze what to learn
and how to learn it at a workplace.
Along those lines, the opportunity
to serve as a leader is definitely
beneficial later. It can be through
group work, being a manager for a
sports team, or just the chance to
speak up in class. When you have
to work with others, there are
always circumstances that call for I recall another incident during
leadership and an understanding PE class in which we were learning
of how it works, regardless of about HIV/AIDS. The instructor
whether you are the leader or in a asked,“Who can say confidently that
supportive role. While a student they won’t discriminate against
a t S I S , I h a d m o r e c h a n c e s t o those who are HIV positive?” I
observe leaders rather than be didn’t have any doubts in raising
one, but these days I continue to my hand, even when second-guessed,
be interested in how leadership “Yes? Really?” A few months
affects work units.
later as a freshman in a college
residence hall being introduced to
SIS was at its founding stages at a classmate who is gay, and later
the time I was attending. Through after I started working while being
numerous trial and errors, there told that an acquaintance is HIV
were gaps between the school’s positive, I found myself in total
idealism and its staff, faculty, shock, far from the way I thought
a n d s t u d e n t s . L o o k i n g b a c k , I would be while answering the
I p r e s u m e t h e r e w e r e s o m e w h o question earlier. The things I
felt the pressure to live up to knew by the books and what I felt in
certain ideals. The mistakes and a real-life situation were far from
failures I experienced during that consistent, and my inconsistent
保
response to facing the situation
left me aghast. Oh right, I hadn’
t really understood it back then: I
finally realize. That was ten years
after graduating from SIS.
護
者
会
だ
Iよ
N T り
E R P
C AUR LE T
N TU SR E J U N E
そんな僕が大学に入学した主な動機
は、大学とは中学や高校のように『普
通』の人が中流階級の豊かな社会生活
を手に入れる為に、取り合えずは行か
ねばならない所だから、という程度
もので、入学当初は、得意な数学を
I think there are many things to 活かして電気工学を専攻にしようと考
be learned later, based on the えていました。電気工学者は給料や社
successes and failures experienced 会的地位が高そうなイメージがあった
at SIS. It’s my hope that every からです。しかし、入学二年後には社
student lives these precious times 会問題に関心を持つようになり、いつ
at SIS to the fullest extent, and I しか活動的になっていました。サンタ
offer my best wishes.
クルーズ自体とてもリベラルな町です
が、University of California Santa
Kaori Uchisaka - Profile
Cruz(UCSC: カリフォルニア州立大学
I am originally from Osaka and サンタクルーズ ) も 60 年代から学生
attended SIS (then OIA) for four 運動が盛んで、(元ブラックパンサー
years and graduated in 1995. I で FBI にブラックリストされていた教
s t u d i e d F i n e A r t s a t P a r s o n s 授や 60 年代のバークレーの学生運動
School of Design in New York City を計画と実行していた共産主義者な
(BFA 1999). I am currently the ど)様々な活動で活躍していた背景を
Director of International Student 持つ教授も沢山います。ゲイへの人
Office at the School of Visual Arts, 権、人種差別、麻薬戦争、フェミニズ
while pursuing a MSEd degree in ム、教育差別/改正、反戦、核兵器廃
higher education administration at 止、国の民主化、現代資本・消費主義
Baruch College’s School of Public の問題、有機・自然農法、サステイナ
Affairs, City University of New ビリティなど、様々な課題に対する研
York.
究や活動が大学構内でも地域でも盛ん
に行われており、その様はまるで 60
『サンタクルーズ ・ ヒッピー生 年代の UCB(バークレー)を連想させ
ます。このような環境で生活していく
活』
うちに、いつしか僕はプロテストの常
2001 年卒業 8 期生 連になっていました。
ソーヤー海
一番初めに関わる事になったのは差
別的な麻薬戦争の改正を推進する団体
"Hippy!"
でした。それから日本政府の部落民や
走り去っていく車の窓から、そんな棄 日系ブラジル人などに対する教育面で
て言葉を叫ばれる事があります。自然 の差別についての研究や、反戦活動な
に出来たドレッドと何年も着込んだ服 どを通して、世界を見る目を研ぎまし
装が、そんな印象を与えるのでしょう た。このような世俗の実態は、僕が生
か。スマイルを返すようにしています。 まれ育ってきた日本の常識の枠から全
振り返ってみると、高校時代の僕は く外れていて、僕の世界観に新たな次
4年間変る事もなかった短い髪、視線 元を与えることとなったのです。又、
が合うなりガン飛ばす目つきをしてい 新しい経験という面では、例えば反戦
ました。米軍に憧れていて入隊する気 活動の場合、僕たちの団体が米軍当局
も満々でしたし、戦略としての核兵器 (ペンタゴン)に『国家保全に対する
の使い分け方というレポートも書きま 確実な危険』とみなされ、秘密裏に監
した。人間関係や健康を大切にする 視されていたというものがあります。
反面、『やってはいけないこと』や人 (某メディアが事故的に洩らした為に
がいやがる事になぜか惹かれていまし 明らかにされた)まさに歴史で読んだ
た。あまり社会への関心がありません 戦争中の米国の状況ですが、実際その
でした。
対象になるとやはり恐ろしいものがあ
2 0 0 5
N o . 1 0 0
ります。その後、この反戦団体を通し
て非核関係の会議に参加し、世界大戦
以来、ずっとカルフォルニア州立大学
が米国生産の核兵器(広島と長崎に落
とされたものも含め)の全設計を担っ
てきていた事を知りました(今日に至
るまで続いています)。この情報は、
それまで原爆の歴史に興味がなかった
僕を非核運動に導きました。 即、他
の学生と組んで「UC と原爆」という
核兵器廃止を目的にした授業をデザイ
ンし、半年後に実施しました。三回目
になる今年の春学期は、政治学科の教
授とともに大規模な授業にしてみる予
定です。
もう卒業してから一年半が経過しま
したが、 今でも活動三昧の毎日を楽
しんでいます。 生活費は、私が卒業
した UCSC の教育学部と心理学部で教
授のアシスタントとして学部生の授業
を教えて稼いでいます。普通は、大学
院生が教えるのですが、仲良くさせて
いただいていた有名な文化心理学の教
授に、授業を担当しないかという誘い
を貰い受け、その後もなんとか運が続
き、学生時代には受けた事も無かった
教育学と心理学の授業を教えるように
なりました。昔は教育を受けるために
高額を出していたのに、今は逆にお金
を貰っているという恵まれた立場にと
ても感謝しています。
空き時間は、クラスの編成に費やし
て い ま す。 今 手 掛 け て い る も の は、
ひとつは先に述べた原子爆弾につい
て、もうひとつは Education for Sustainable Living Program(持続
可能な生活の教育学)という、サステ
イナビリティ(社会や文化・環境・経
済が持続可能な文明造り)についての
授業です。どちらも学生や教授ととも
に、学生中心型、かつ実践型の授業を
デザインしています。Education for
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保2
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者N
o会
. 1 0だ0
よ
り
PARENTS
Sustainable Living Program (持続
可能な生活の教育学)では、世界的に
有名な活動家や地域の活動家などによ
る週一回の講演と、学生が自分の興味
のある課題に積極的に取り組む場とな
る Action Research Team (「実践型
研究チーム」)の2つのコンポーネン
トから成ります。
サステイナビリティとは、他の人間
や生き物と地球上でこれからも末永く
共存していく責任について考えさせら
れる概念です。希望のある幸せな現代
と未来を築いていくための基礎だと思
います。ですから、サステイナビリティ
にはまった僕は、人間のニーズ(水、
食料、エネルギー、人間関係、平和な
ど)をどう満たすかについて日夜解決
案を練っています。何か浮かべば、そ
れを吟味し、最終的には実践し、世界
ビリティ関連の課題を取り入れた授業
を学生に提供することです。
プライベートでも中高時代とは随分
と違う生き方をしています。世の中の
あらゆる事を配慮し、身も心も健康に
気を使う生活は幸せいっぱいです。基
本的には、高い家賃、光熱費、食べ物
以外にはお金を消費する事がありませ
ん。無駄買いをしないので無駄なゴミ
も出ず、
随分と家庭廃物が減りました。
他にも、肌と環境にやさしい重曹を洗
剤がわりにするなど、生活の細やかな
面まで気をつけるようになりました。
人の生き方に大きな影響を及ぼす、食
生活、また食べ物に対する認識も随分
と変わってきました。昔は(朝食以外
は)毎食鶏肉か魚を食べていたのに、
米国の肉の製造法を知ってしまってか
ら、(水銀汚染度の低い)魚以外の肉
を変える事がゴールです。ですから僕
にとってこのプロジェクトは、周りの
人(学生、教授、地域の人、活動家)
と協力しながら、より理想的な社会を
形成する実験/練習場になっているの
です。
この授業でポイントとなってくるの
は、他の人と協力し合いながら、長い
目での問題解決を臨み、実施可能な解
決法を研究し、実施する事です。この
際、導き出された解決法に影響される
全ての要素を考慮しなければなりませ
ん。この過程を通して多くの学生は、
人間、社会、文化、経済、政治、自然
などの相互関係が理解でき、地球を、
全ての要素が複雑に絡み合った一体の
システムだと見る事ができる目を養わ
れます。仕事の量は半端では無く、週
七日会議詰め、常にいろんな人と連絡
を取りながら、プログラムのニーズを
探し当て積極的に満たしていくように
していかなければなりません。大変な
仕事ですが、ESLP こそが今の僕の生
き甲斐といえます(『サステナ』とい
う雑誌の第一号に ESLP の記事がある
ので是非読んでみて下さい)。
僕は、このプロジェクトを通して人
間に希望を持てるようになりました。
今の僕の役目は、カリキュラム設計、
教授とのコラボレーション、学生への
サポートなどです。個人的なビジョン
は、サステイナビリティこそを UCSC
のテーマにして、各学部にサステイナ
は食べなくなりました。地域の有機野 PEACE!
カリフォルニア州立大学サンタク
菜を中心に、日本の健康で伝統的な料
理をするようにしています。食材も店 ルーズ校卒業(2005) で購入するだけでなく、自分で育てた 同大学教育学部・心理学部教授のアシ
り(芝生一面だった裏庭を耕し有機畑 スタントとして教鞭をとる傍ら、学生
に変え、自分の生ゴミ(コンポスト) 主導によるクラスを設け、その企画に
を肥料にしています)、友達や大学の 関わる学生のアドバイスを行ってい
(「サステイナビリティ教育学」、
「カ
畑から野菜を貰ったり、ときには近く る。
のパン工場のゴミ箱からその日に売れ リフォルニア州立大学と原爆」等)
なかったパンを沢山頂いたりしていま 平和・非戦活動家。
す。 今、裏庭では大根、ケール、ブロッ
コリーなどの冬野菜が、冷蔵庫の中で 『5つのリスペクトは社会人に
は榎が美味しそうに育っています。僕 なっても大切だった』
のパートナーは、最近イーストを育て
ていて、自家製ビールやアップルサイ 2001 年卒業 8期生
ダーなどを造っています。お金のない 上田永久子
豊かな生活をしていると思います。
僕のこれからの課題は、自分の人間 みなさんこんにちは。2001 年に卒
としての価値やミッションをより明確 業して、今、社会人になって半年の上
にしていく事です。何のために生きて 田永久子です。私が思う、社会人になっ
いるのか、どういう生き方をしたいの てから SIS での経験で役に立ったこと
か、全人類が幸せに生きていける国際 は、とてもたくさんあるけれど、その
社会とはどのようなものかなどを、大 全てが行き着くところは、「5つのリ
自然や人々と触れ合いながら、見いだ スペクト」だと感じています。
「他の人を大切に」
「学
していきたいです。夢は、いずれ日本 「自分を大切に」
「環境を大切に」
「リーダー
に戻って、自然農法の畑を中心とし、 習を大切に」
日本の伝統文化を取り入れたサステイ シップを大切に」この5つのリスペク
ナビリティ研究の教育機関/コミュニ トは、卒業した後でも大切にしなけれ
ティーを建設したいと考えています。 ばならないものだと、社会人になって
自分、他人、日本と世界のニーズを満 からは毎日のように感じています。
たしていけるような百姓兼教育学者に まず「他の人を大切に」についてです
なりたいものです。兵隊や電気工学者 が、社会人として何かの職業に就くと
から、百姓や教育者へと憧れるように 必ず他の人の力が必要です。どんな職
24
なりました。
今、改めて千里国際学園が重視して
いる方針(五つのリスペクト、世界人
権宣言、自由など)を振り返ってみる
と、それが今の僕の価値観や生活観の
種だったのかもしれないと思えてきま
す。中学時代からリスペクト、人権、
自由などの概念や価値観を育む環境で
成長してきた事に対し、その素晴らし
さと恩恵への感謝は、己の成熟と共に
深まっていくばかりです。学校関係者
のビジョン、親の経済力と教育への関
心、六年間ともに過ごした同級生達に
よって、僕はバブル時代の賜物を経験
することができたのだと、今この年に
なってやっと謙虚に受け止める姿勢が
取れるようになりました。
ご意見/質問などありましたら、是
非ご連絡下さい。[email protected]
保
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者
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C AUR LE T
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業でも、決して一人でできる仕事はな
く、必ず他の人と協力し合わなければ
やり遂げられないのだと思っていま
す。他の人を大切にすることは、良い
人間関係を作り、良いチームワークに
よって良い仕事をして、良い結果を出
すことにもつながる大切なことなのだ
と、今の私は身に染みて感じています。
次に「学習を大切に」について。「学
習」と聞くと、大学生までで終わると
思いませんか?私もそう思っていまし
た。しかし、社会人は毎日が学習です。
私は今、勤務している会社で、社員の
社会保険(健康保険などの会社で働く
人が入る国が運営している保険)加入
の手続きや税金を納める手続きなどの
仕事をしていますが、毎日毎日、保険
制度や税金制度などについて学習して
います。本を読んだり、先輩に聞いた
思います。自分の意志と個性を大切に
育てることができることは、大人に
なっていく時にとても大切なことなの
ではないかと思います。
これら5つのリスペクトは社会人に
なってからも必要な力を鍛えてくれる
とても素晴らしいものだと思います。
5つのリスペクトで挙げられている尊
重しなければならないことは、社会人
にとっては「できて当たり前、当たり
前にできなければならないこと」とし
て見なされます。そんなとても大切な
ことを、5つのリスペクトは教えてく
れていると、毎日の生活の中で、私自
身がとても感じています。SIS 在学中
に学園の理念としてしっかりと私の体
に、そして心に染み込んでいたので、
社会人になって初めて出会った人達の
中で慣れない仕事をしていくことも、
間の環境は人間形成の大部分を占める
のでは無いかと思うと、SIS で過ごし
た日々は現在のあらゆる部分で自分の
基盤になっているのではないかと思い
ます。私は卒業して間もなく日本を離
れ渡仏し、現在に至るまでフランスで
学んでいます。まず、この渡仏の決断
も、またそのための準備も、SIS にい
なければ無かった事ではないかと思い
ます。
みなさんもご存知のように、SIS に
は1人1人に考える機会と環境があり
ます。つまり失敗をしてしまう事もあ
ると思います。これも私は SIS が生徒
に与えてくれる貴重なものだと考えま
す。判断を間違えることのない人はい
ません。また間違ったことの無い人は、
学ぶ事もできません。自分が正しいと
思った判断が誤りであったと理解する
り、時には講義を聞きに行ったり。中
学生・高校生の間に学んだことをきち
んと覚えていなければならないことも
一つですが、学生の間に「学習する」
という「くせ」と「方法」を身に着け
ておくことは本当に大切だと思いま
す。
「環境を大切に」は社会人になる時
に、まず1番初めに気をつけなければ
ならないことだと思います。社会人は、
服がきちんと着れているか、持ち物は
清潔か、カバンの中は整理整頓できて
いるか、机の上はきれいかどうか、会
社はきちんと掃除されているかどうか
ということを、まず評価されることが
多いと思います。その「第一印象」が
良くなければ仕事を与えてもらえない
こともあるのです。「環境を大切に」
は社会人になる第一歩として、とても
重要なものだと思います。
「リーダーシップを大切に」は、ど
んな職業に就いたとしても必要な
「チームワーク」を作り上げていく中
で、チームの一人一人が持っていなけ
ればならない精神だと思います。チー
ムが一つの目標に向かっていくために
は、「他の人を大切に」しながらリー
ダーシップを取ってチームを引っ張っ
ていく力もまた大切な力だと感じてい
ます。
最後に「自分を大切に」についてで
すが、社会人とは自分のことを大切に
できる人をこそ社会人と呼べるのだと
苦ではなく、楽しみながらやりがいを
持って過ごせているのだと思っていま
す。5つのリスペクトは、一人の人間
としてとても大切なことを私に教えて
くれました。それを中学・高校生の頃
から身につけることができるというこ
とは、とても幸せで貴重なことだと思
います。「5つのリスペクト」は SIS
のとても大切な個性の一つだと思いま
す。在学生のみなさんも、ぜひこの5
つのリスペクトをいつまでも大切にし
て、在学中にしっかりとその意味を学
んで身に付けてください。 卒業してもう早4年が経とうとして
います。そんな中、母校 SIS の記憶を
蘇らせる機会をいただき、SIS での 6
年間がどのような形で生活の糧になっ
ているのかを考えてみたいと思いま
す。
SIS で 6 年間、特に特別な意識を持
たずに送った日々は、今から思えばと
ても貴重なものであったのだと、時が
事からほど学ぶ事はないと考えます。
SIS は、生徒に「選択」させてくれます。
つまり、「考える」事が求められます。
この、当たり前の様に聞こえる事が、
実は本当に貴重なことであり、その自
由が中学、高校時代に与えられるとい
うのはとてもみなさんにとっては試練
でもありますが本当の意味での「学ぶ」
機会です。
フランスに来て、様々な人といろん
な事について話す事があります。それ
らの議題は最近のニュースの事、政治
の事、文化の事、芸術の事など様々で
す。数人集まるとすぐに討論が始まり
ます。これはフランス人の特質とも言
えますが、私にとってはある意味初め
ての経験でした。なぜ討論になるかと
いうともちろんそれぞれ意見が違うか
らです。しかし、それだけではありま
せん。それぞれの意見がみな正当性を
持ち、また皆がその意見を主張できる
から討論になるのです。世界の中で起
きていることに興味を持ち、考え、自
分の意見を持つ。それには 深い教養
と思考が必要です。SIS で行う様々な
「ディベート」は、単なる授業ではあ
りません。社会に出ればそれがあらゆ
る場面で実践となります。自分の意見
を持ち、それを他人のものとぶつけ合
経つほど強く実感します。自分にとっ
て SIS はどのような場所であったのか
という問いに、未だ具体的に答えるこ
とは出来ません。しかし思春期の 6 年
う事、SIS にいるみなさんはこの機会
を本当に大切にして欲しいと思いま
す。それが世界の中で、自らの居場所
をつくるという事です。とある日本の
『SISでの経験が社会に出て
役に立っていること』
2003 年卒業 10 期生
畑 明広
25
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保2
理学博士が、日本の教育には人格陶冶
がないと著書の中に書いていました。
SIS はこの事実の例外であると思いま
す。フランスで今まで過ごした 3 年と
少しの間、葛藤や選択の無かった日は
無かったような気がします。家族と離
れ、 友人たちと離れ、今まで過ごし
た国から離れると、自分が使わなけれ
ばいけないのは自分の頭と体です。そ
の頭の中に出来るだけの知識と思考
力、その体に出来るだけの経験をしみ
込ませていかなければ新たな地、新た
な環境で生き抜くことは出来ないと思
います。もちろんこれは海外にいく場
合の事だけではありません。どこに行
こうと、SIS という小さな世界から旅
立つ時に、それは必要です。その準備
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PARENTS
が整っていないと、みなさんが卒業し
て、自らの夢や目標に向かって行く時
に SIS が単なる「楽しかった場所」に
なってしまうのではないかと思いま
す。
これからの時代をつくっていくのは
私たちです。勝手に時代はつくられま
せん。自らが行動しなければなりませ
ん、夢を追いかけ信じ続けなければい
けません。SIS は私にこのような事を
垣間見させてくれた場所でした。
ルボンヌ大学芸術学部映画学科入学 2006 年4月、同大学映画学士号取得
9月フランス国立高等映画専門学校
La Femis 監督科入学
最後に、寄稿に当たって私の経歴を簡
単にまとめておきます。2003 年3月、
千里国際学園高等部卒業 4月、上智
大学外国語学部フランス語学科入学 中退後9月、パリ第一パンテオン・ソ
講演会に参加して
~ 「第1回、 第2回 SIS保護者会主催生徒対象講演会」 ~
ジャーナリスト坂本卓さんの講
演を聴いて
10 月 18 日、高校生を対象に行われ
た坂本卓さんの講演会を取材しました
ので報告します。坂本さんはアジア
プレスに所属し、クルド民族問題を
中心に活動されているフリーのビデオ
ジャーナリストです。これまで、クル
ド・レバノン・コソボ・アフガニスタン・
イラクなどの紛争地を取材し、NHK を
はじめ、民放各局、英国の放送局にも
配信してこられました。NHK と英国テ
レビ局の依頼による取材をまとめた
「ザルミーナ、公開処刑されたアフガ
ニスタン女性」が、世界に大きな衝撃
を与えたことでも知られています。
講演の冒頭で、高校時代に世界の動
きに関心を持ち、充分な知識を持って
世界観を創り上げ、外国の人々との連
帯感を持って欲しいと話されました。
SIS での講演を引き受けられたのも、
きっとその思いがあってのことなので
しょう。
終始穏やかな口調で話されるので、
命がけの取材をされている方のように
は最初感じられませんでした。大変な
お仕事をされていることが実感出来た
のは、現場で着用するズッシリと重い
防弾チョッキにじかに触れた後、その
命を託す堅牢さも自動小銃で撃たれれ
26
ば何の役にも立たないことを聞いてか
らのことです。
用意していただいたビデオフィルム
の中に、白昼公然と誘拐が起き、銃や
爆発物によって人が傷つき殺されてい
く場面が出てきます。映画のようなは
でなアクションも激しい音楽もなく、
「 淡々 」 と悲惨な状況が映し出される
のを見て、初めは命の「あっけなさ」
を強く感じましたが、それはすぐに
ゾッとするような暗い恐怖に変わって
いきました。
しかし、身の危険を感じながら取材
したそのような出来事を語る時も、誇
張した表現を使うこと無く、事実を正
確に伝えるジャーナリストの基本姿勢
を最後まで崩さずにお話を続けられま
した。
ザルミーナというアフガニスタン女
性の話が一番印象に残っていますので
紹介します。彼女は夫殺しの罪で公開
銃殺処刑されたのですが、その時の衝
撃的な映像が、アメリカで繰り返し流
されました。当時のアメリカ国民は、
9.11貿易センタービルへのテロ攻
撃によって特別な心理状態にあり、テ
ロの首謀者ビンラディンが潜伏するア
フガニスタンを実効支配するタリバン
に対して敵意を持っていました。それ
ゆえ、彼女の犯した犯罪の背景にある
複雑な事情や文化、習慣の違いを考慮
することなく、タリバンの残虐性の象
徴として、ザルミーナ事件を受け止め
てしまったのです。その結果、タリバ
ンに対する不正確な認識と敵意がアメ
リカ国内に根付くことを加速させ、ア
フガニスタン攻撃の一因になったとい
うお話でした。
ブッシュ大統領がテキサス州知事時
代に152人の死刑囚に対して刑の執
行許可を与えたことや、アメリカにお
いても被害者家族と報道陣に限定する
ことはあっても公開処刑が行われた事
実をアメリカ国民は知っていたので
しょうか。もし、彼らがそのような事
実まで考慮していれば、タリバンにた
いしての認識を変化させた可能性も捨
て切れません。
認識の違いが戦争に踏み切るかどう
かに大きく影響することを考えれば、
情報の量のみならずその正確さも非常
に大切な要素になることは言うまでも
無いことです。
ある意図を持ってなされた報道が、
大きな誤解を生み、判断を誤らせ、人々
を間違った方向へ誘導してしまう危険
性を坂本さんはザルミーナ事件の取材
を通して伝えたのです。
講演の中で、次の4つの思いを強調
されました。
1. 距離は離れていても、我々は同
保
時代に生きる同じ人間なのであるか
ら、近い人に対するのと同様に、外国
に住む人々の苦しみにも思いをはせて
もらいたい。
2. 情報は操作される可能性を持っ
たものであるから、批判的な見方も必
要である。
3. 多様な価値観の尊重がなければ
協調は生まれない。
4. 民主主義における多数決の持つ
危険性を認識しておいて欲しい。少数
意見も尊重しなければ多数派だけに都
合の良い結果になる。
これは、学生達だけでなく、私たち
もしっかり心に留めておくべき言葉だ
と思います。
講演終了後、ご好意により質疑応答
の時間をいただき、多くの学生が参加
しました。坂本さんのお話を直接聞く
ことが、彼らにとって貴重な体験で
あったことがこれによってもお分かり
いただけると思います。
静かに坂本さんの話を聞く学生達の
マナーの良さも、後に残って質問をす
る程の意欲の高さも、保護者としては
非常に嬉しい発見であったことを最後
に付け加えておきます。
講演会から2ヶ月ほど過ぎようとし
ていますが、テレビで紛争地の映像を
目にするたびに、命をかけて事実を伝
えようとしている人たちの存在を改め
て思わずにはいられません。
坂本さんを始め、危険な状況で報道
にたずさわる方々の安全をお祈りしま
す。
(PR 委員、山村 )
第2回 講演会に参加して
護
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N TU SR E J U N E
後藤さんは東京にお生まれで、高校
からソフトボール部に入られ、大学在
学中に東京都内の大会が審判できる資
格を取られたのを皮切りに、関東ブ
ロックの大会の審判、全国大会の審判、
と一つずつ上のクラスを取得されまし
た。その間東京都の公立小学校の教員
として8年間勤められた後アメリカ、
カリフォルニア州のサクラメントにあ
るシュタイナー教育教員養成大学に3
年間通われ、途中から現地のシュタイ
ナー学校で2年間子供たちを教えられ
ました。その4年間のアメリカ滞在中
にアメリカのソフトボール全国統括組
織、ASA の公認審判員として登録され、
ローカルから全国大会までの審判員と
して経験を積まれました。
帰国後は東京都三鷹市にある(現在
は神奈川県藤野町に移転)シュタイ
ナー学校の教員となられ、2002 年に
は国際ソフトボール連盟公認国際審判
員資格を取得され、アテネオリンピッ
クのアジア人枠2名の中に中国人とと
もに選ばれました。この輝かしい経験
をお聞きしていて、ひとつずつ目標を
上げてチャレンジしていかれた姿勢に
感銘を受けました。 後藤さんによると、ソフトボールは
野球より球が大きく、細いバットで打
つためあまり飛ばないので、投球距離
もコートも野球の3分の2だそうで
す。それだけボールの来るタイミング
が速いので松井選手でも空振りするこ
とになります。
審判員は自分でどの大会をやりたい
などと希望を出すことは出来ず、呼ば
れるのを待っているそうです。後藤さ
んが国際大会を担当する時に心がけて
いることは、担当する国の言葉を必ず
ひとつ覚えておくことです。これは、
10 月 25 日(水)、SIS 保護者会が生 相手国の文化の尊重ということに加え
徒向けに主催した講演会に参加しまし て、non-English speaking の選手が
た。講師は日本でわずか2名のソフト 抱えているフラストレーションを少し
ボールの女性国際審判員の1人、後藤 でも緩和できるようにとの配慮からで
春日(はるひ)さん。当日は新幹線の す。
事故で急遽 空の便に変更され、何と 実際に多くの国際舞台を見てこられ
か講演会に間に合われるという大変な た後藤さんならではの数々の体験談の
一日でしたが、さすが世界中を仕事場 中で特に印象深いのは、2003 年南京
として活躍されてきた方だけに全くお で審判をされた折の衝撃的な出来事で
疲れの様子も見せず、貴重なお話をわ す。南京滞在中、試合が夜1回だけで
かりやすく聞かせてくださいました。 日中時間があったので歴史記念館に行
かれた後藤さん。最終日の中国対オー
2 0 0 5
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ストラリアの試合で、勝てば3位の中
国は開催国ということもあり熱が入っ
ていたのですが、正当な後藤さんの
ジャッジで負けたため地元住民が激し
いバッシングを仕掛けてきて帰りのバ
スを揺さぶるなどしました。その時中
国側の監督が、「この審判は尊敬すべ
き人物である。」とそれを制止したそ
うです。これはおそらく歴史記念館に
行って過去の不幸なあやまちに思いを
馳せたことを評価してくれたのだろう
と後藤さんは感じたそうです。
後半、後藤さんの手による珍しいス
ライドを見せて頂き、アテネオリン
ピックの舞台裏を垣間見ることが出来
ました。審判用の宿舎は軍のものを改
装したもので、バス、トイレ、ベッド
だけのシンプルな部屋です。食事は質
素で、スタンドでホットドッグやピ
ザを自分で買われたそうです。あま
りよいとは言えない扱いですが、大
変な数のボランティアの方々などは自
分の国からの往復の運賃、滞在費など
全て自腹であるにもかかわらず、オリ
ンピックを支えているという誇りで一
生懸命お仕事をされていたそうです。
9.11 の事件以来、テロ対策のため
に莫大な予算がかかるため、これらの
ボランティアなくしてはオリンピック
が成り立たないそうです。また開会式
の時にはボランティアの方たちが、選
手たちを中にしてみんなで手をつない
で human chain を作り、テロから選手
たちを守るということを表す感動的な
シーンも見られました。後藤さんたち
審判員の仕事はチームがいかにフェ
アーな状態で試合に臨めるか、その環
境を整えることで、終わると審判員も
審判メダルを授与されます。次々と移
り変わるスライドでは、後藤さんが分
け隔てなく世界中の方とお友達になら
れ、しっかりと友好の架け橋となられ
ている姿が見られました。自分にはと
ても真似は出来ませんが、このように
世界の人々と堂々と付き合える日本人
がいるのだということに感動し、日本
人のひとりとして感謝しました。これ
からもさまざまな大会での活躍が期待
される後藤さんにエールを送り、講演
会の報告とさせていただきます。 (PR 委員、山添 )
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2~3月行事予定
2/6
2/9
2/14
2/15-17
2/21-23
2/28-3/4
3/3
3/7
3/14
3/14
3/15
3/15-19
土曜学校 Student Staff 募集中 !
SIS 授業参観日
SIS 高等部入学選考 午後休校
SIS/OIS 高等部生徒会選挙
オールスクールプロダクション
模擬国連 ( マリスト )
APAC 音楽祭
バンドの部 ( マニラ )/ 演劇の部 (SIS/OIS)
SIS 高等部卒業式
SIS/OIS 高等部生徒会主催大掃除
SIS 中等部卒業式
SIS 冬学期終了 (HR のみ)
SIS 春季休暇開始
SIS 11 年生学年旅行(沖縄)
岩見 馨
スペシャルプログラム事務局
土曜学校では、 ①英語と日本語両方ができ、 英語で
のコミュニケーションに問題がない人②子供に接すること
が好きな人③1年間を通して8割出勤ができる人を募集
しています!年間 32 回の土曜日に午前 8:30 ~午後 4:
00 まで勤務して頂きます。 詳しくは1F スペシャルプログ
ラム事務局 072-727-5060 まで。
★ 2007 年4月から SIS の新 10 年生に該当する人から
応募することが可能です。
(スクールカレンダーと1日ずれていますのでご注意ください)
編集後記
公文国際奨学生入選の村上さくらさんの作文 (P.5) に小学校からの英語教育について肯定的な意見が述べられてい
ますが、つい最近読んだ数学者藤原正彦氏のベストセラー 「国家の品格」 には否定的な意見が述べられています。 真っ
向から対立する意見のようですが、 どちらも共通して 「国際人を育む方法」 を真剣に考えています。 目指す目標は同じ
なのにその実現のための考え方は全く違うわけですが、 無関心で何も考えないよりずっと素晴らしいことだと思いました。
パスカルは 「人間は考える葦である」 といいましたが、 やはり考えることは大事ですよね。 (馬場博史)
11月中旬に配役が決定し、 練習が始まった All School Production の Annie は、 いよいよ2月15日に初日を迎えます。
実は私の居る情報科の部屋は、 シアターの舞台の真上にあり、 舞台での音がとてもよく聴こえます。 練習が始まってから
毎日放課後、 歌声とピアノ伴奏を聴きながら部屋で仕事をしています。 最初の頃は聴こえるのはピアノ伴奏の音だけ。 そ
のうちに歌声や台詞の声が聴こえ、 何度も難しいところを繰り返し練習していたのが通し練習となり、 毎年のすばらしい舞
台での歌や演技はこのような練習を経てこそ創り上げられているのだと実感しています。 実際に一度も Annie の練習風景
を見たことはありませんが、 このメロディーと歌はこの場面だろうかと勝手に想像しながら聴いています。 練習の歌やピアノ
を聴けるのもあと少しですが、 いよいよ今度は実際に舞台で観ることをとても楽しみにしています。 (合志智子)
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編集:SIS 広報センター 保護者会だより編集:保護者会広報委員 カット:イラストレーションクラブ生徒
Senri International School Foundation (SISF)
Senri International School (SIS)
Osaka International School (OIS)
4-4-16, Onohara-Nishi, Minoh-shi, Osaka 562-0032, JAPAN
TEL 072-727-5050 FAX 072-727-5055
学校法人千里国際学園 (SISF)
年間発行予定と主な内容 ( )
は発行時期
春学期 5月号 ( 上旬 ) 卒業式、 入学式、 大学等合格状況
6月号 ( 中旬 ) 学園祭、 教育実習
秋学期 10 月号 ( 上旬 ) 夏の宿泊行事、 夏の諸活動報告
11 月号 ( 中旬 ) 運動会、 玄関コンサート
千里国際学園中等部・高等部 (SIS)
大阪インターナショナルスクール (OIS)
冬学期 2月号 ( 上旬 ) オールスクールプロダクション
〒 562-0032 大阪府箕面市小野原西 4 丁目 4 番 16 号
他に留学報告、 スポーツ結果、 各種表彰、 授業紹介、 生徒会 ・ クラブ活動等
3月号 ( 中旬 ) 入試結果、 卒業生へ贈る言葉
電話 072-727-5050 FAX 072-727-5055
千里国際学園は、 帰国生徒を中心に一般日本人生徒や日本の教育を希望する外国人生徒も受け入れて日本の普通教育を行う千里国際学
園中等部・高等部 Senri International School (SIS) と、 4 歳から 18 歳までの主に外国人児童生徒を対象とする大阪インターナショナルスクール
Osaka International School (OIS) とを、 同一敷地 ・ 校舎内に併設しています。
両校は一部の授業や学校行事・クラブ活動・生徒会活動等を合同で行っています。 チームスポーツはこの2校で1チームを編成しており、
APAC(Asia Pacific Activities Conference) の公式試合や、 近隣のインターナショナルスクール、 日本の中学・高校との交流試合等に参加していま
す。 このため、 校内ではインターナショナルスクールの学校系統に合わせて、 6年生~8年生 ( 日本の小学6年生~中学3年生春学期 ) をミドル
スクール (MS)、 9年生~ 12 年生 ( 日本の中学3年生秋学期~高校3年生 ) をハイスクール (HS) と呼んでいます。
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