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乗用型トラクターの安全対策のポイント
過湿、床土の通気不足等で、高 温と低温を繰り返す育苗管理に発 生しやすくなります。 ◎もみ枯細菌病 出芽後まもなく苗が細くわん曲 して褐変枯死しますが、腐敗枯死 しない苗は葉鞘のなかの新葉の伸 びが悪く、ねじれながら出葉しや がて枯死します。生育の進んだ苗 に感染すると、葉鞘は褐変し、次 に出る新葉は白色~淡褐色になり、 新葉を引っ張ると容易に抜け、そ の基部に褐色帯が見られます。 【耕 種】 水 稲 今月は育苗中に発生する病害に ついて記載します。 ◎苗立枯病 育苗中は、育苗シート等被覆資 材内の高温多湿により、苗立枯病 が発生しやすくなります。さらに、 適正な水管理や温度管理がされな いと、ストレスが原因となって発病 が促進されることが多くなります。 苗 立 枯 病 の 病 菌 は 種 類 が 多 く、 効果がある農薬も異なることがあ ります。正確な種類の判定は顕微 鏡で行いますが、発病状況である 程度の判断ができますので参考に してください。 主に発生する苗立枯菌の特徴を 記載します。 フザリウム菌 典型的な被害として、地際部に 白いカビが見られ、床上の断面を みると籾を中心に白色~淡紅色の カビがまん延します。さらに、地 でください。また、育苗期の高温 多湿が発生を助長するので注意し ましょう。 発生後は適切な防除薬剤があり ませんので、種子消毒は怠らない ようにしましょう。 ◎防除対策 苗立枯病は、発生させない準備 と 管 理 は も ち ろ ん で す が、 播 種 時・苗箱を並べる日時など微妙な 気象条件の差によって発生しやす くなることも考えられます。 使用農薬は、発生する病原菌の 種類により異なります。表 ・ を参考に農薬を選定してください。 茎基部や根が水浸状に 淡褐変し、新葉が萎凋し て枯死 苗立枯病 ピシウム菌 苗の地際部から葉鞘へ 褐色条斑 褐条病 葉齢が進んで感染した場 合、 葉鞘が褐変し腐敗枯 死 苗の中心部を手で引くと、 基部あるいは腐敗部から 容易に引き抜ける もみ枯 細菌病 苗の地際部が褐変、葉 の基部は白変し萎凋し赤 焼けた状態で枯死 苗立枯 細菌病 感 染 籾 に よ っ て 伝 染 す る の で、 多発生した圃場からは採種しない 苗立枯病 リゾクトニア菌 NO 移植前になって、 萎凋、 黄 化した苗が見られ、 かき分 けてみると下葉や葉鞘が 灰緑色になっている 菌叢はな いが、 顕微 鏡でカビが 見える YES 葉身が 容易に 引き抜ける 苗立枯病 リゾープス菌 葉 鞘と葉 身に暗褐 色の条斑 がある 床全面に白色ないし灰白 色のカビが発生 箱の一部 に円形等 の萎凋が 見られる 苗立枯病 トリコデルマ菌 硬化期以降 に発生する 場合が多い 種もみの周りや表面に灰 緑色のカビが密生 菌叢の色 6 JA岡山東 2015年5月号 JA岡山東 2015年5月号 7 岡山県農業機械作業安全運動推進協議会 苗立枯病 フザリウム菌 播種直後の 高温時に発 生する場合 が多い 地際部に白色または淡紅 色のカビ 茎基部や根が褐変し、 葉 はやや黄化 灰緑色 ごま葉枯病 白色~ 淡紅色 葉身に黒ごま状の斑点や 暗褐色の病斑 2 家の近くであっても、携帯電話を携帯しましょう。 その日の作業計画(内容・場所)を家族に伝えておきましょう。 道案内ができるようにほ場までの経路上の目印を確認して おきましょう。 いもち病 葉身に 灰緑色 の病斑 葉に褐色の 斑点があり、 地際が暗褐 変 白 色 危険が潜む場所は草刈りで 見通しをよくしましょう。 作業機を下げて、傾斜に対して直角の向きで 入退出しましょう。 表1 水稲苗箱で発生する主な病害の簡易検索 安全キャブ・フレームのあるトラクターでもシートベルトを着用しなければ、安全域の中に身体が固定され ないため、転倒した際に身体を守ることはできません。 ②作業環境を確認し、危険性に配慮しましょう! 2 3 リゾクトニア菌 被害は移植前に急に発生し、箱 のほぼ中央部にしおれて黄化した 苗が見られます。かきわけてみる と下葉や葉鞘が灰緑色になり、い わゆる“ 葉腐れ ”症状となります。 この部分には紋枯病のように菌糸 がくもの巣状に絡み合っており、や がて白~淡褐色の菌核を生じます。 育苗期間中の急激な温度変化の 繰り返しや乾湿の繰り返しは発生 を助長させます。 ピシウム菌 フザリウム菌の症状とよく似て いますが、地際部の褐変はやや淡 く、また水浸状に腐敗し、急にし お れ て 枯 死 す る 点 が 異 な り ま す。 また“ 坪枯れ ”症状を呈し、地際 部にカビが見られないのが特徴で す。移植前 週間頃に発生すると、 苗がひどくしおれてしまいます。 ・ムレ苗( ピシウム菌 ) 温 度や床土の条件など外部環境 条件に起因する生理的な生育障害で、 主に苗齢 ~ 葉期に発生します。 典型的な症状は、低温( 特に夜 間 )が続いた後、急に晴天高温に なったときなどに上位葉が急速に 萎凋し水不足を起こしたときと同 じような状態になります。 蒸 散の比較的少ない夜間から朝 方には通常に戻りますが、 ~ 日 このような状態を繰り返した後、萎 凋部が次第に退色して枯死します。 (顕微鏡等による検査を必要としますが現場での即応性が必要な時に使用してください) 1 事故対策に完全はありません。事故を起こしたとしても、すぐに救助が行われれば、助かる命もあります。 次のことを日頃から心掛けましょう。 苗の地際部が暗褐変し、 葉身に楕円形、 後に褐色 紡錘形の斑点 苗が立枯れ あるいは、腐 敗症状が見 られ、 菌叢が 表面に発生 ③農作業事故の重大化を防ぐために! ばか苗病 苗の数本が 長く飛び 出 て、葉は細く 緑が薄い 1 3 安全フレーム 際部の葉鞘 や 根 が 褐 変 し 、 生 育 不 良となって 枯 死 し ま す 。 育苗期間 中 の 急 激 な 温 度 変 化 の 繰り返しや 乾 湿 の 繰 り 返 し は 立 枯 症を多発さ せ る の で 育 苗 管 理 を 十 分に行いま し ょ う 。 リゾープス 菌 出芽時に 箱 全 面 が 白 い カ ビ で 厚 く覆われ、 や が て 胞 子 が で き る と 灰白色にな り ま す 。 被 害 の ひ ど い ときには、 出 芽 前 立 枯 れ 、 出 芽 不 良などをお こ し ま す 。 出 芽 し て も 苗 の 生 育 は 悪 く、 黄 緑 色 に な り、 根を見ると 短 く 根 数 も か な り 少 な くなります 。 育苗期間 中 の 管 理 不 良 、 特 に 出 芽時の高温( ℃以上 )多湿が発 病を助長す る の で 、 出 芽 処 理 時 の 温度に注意 し ま し ょ う 。 ま た 、 種 子、土壌、 育 苗 資 材 な ど に よ っ て も伝染しま す 。 トリコデル マ 菌 リゾープスについで発育の早い 菌で、地際 部 の 葉 鞘 や 不 完 全 葉 が 褐変して根 が 短 く な り ま す 。 ま た 、 床土表面や 籾 に 白 色 の 菌 糸 塊 が 見 られ、緑化 期 以 降 は 青 緑 色 の 胞 子 塊ができま す 。 床土の乾燥や厚播きなどが原因 と な っ て 発 病 し や す く、 さ ら に、 育苗期間中 の 管 理 不 良 、 特 に 出 芽 時の高温( ℃以上 )多湿が発病 を助長しま す 。 種 子 、 土 壌 、 育 苗 資材などに よ っ て も 伝 染 し ま す 。 32 転倒が発生している場所としては、ほ場から出入りする際の傾斜やほ場の端から法面に転落するケースが数 多く報告されています。以下の点に注意し、事故を起こさない環境作りを心がけることが重要です。 1 ①安全キャブ・フレームのあるトラクターを使用し、 シートベルト着用を徹底しましょう! 32 乗用型トラクターの安全対策のポイント も も 【果 樹】 ( 瀬戸支店 佐藤 繁治 ) ※△は適用病害の対象外ですが、効果が期待されます。 ※1箱当たりのかん注量は500㎖です。 月です ! 今 年 は も も の 花 が 咲 くのが早か っ た で す ね 。 収 穫 時 期 が早くなる か 遅 く な る か わ か り ま せんが、が ん ば っ て 作 業 を 進 め て いきましょ う ! .摘果対象の果実 ①大きくて丸 残す果実 い 果 実( 双 胚果 、図) 。 ②色が黄味が かっている もの、縫合 線や果頂部 にしわが出 ている果実。 落す果実 ③病害虫被害、 スレ跡がある果実。 ④表面 が 赤 く 着 色 し て い る 果 実 ( おかやま夢白桃 ) 。 .予備摘果 満開日 ~ 日頃に行い、最終 着果量の約 倍まで摘果します。 摘蕾を実施していない園地では、 早めに取り掛かりましょう。 .仕上げ摘果 満開日 ~ 日頃に行い、生理 落果が多い品種は最終着果量の ~ 倍程度、少ない品種は最終着 果量まで摘果します。 硬核期( 満開 ~ 日頃 )の直 前や期間中の摘果は絶対にしない ようにしましょう。 .修正摘果 生理落果が多い品種は、仕上げ 摘果時にやや多めに果実を残して おいて生理落果が終わる満開日 ~ 日頃に摘果します。 最終的に 果あたり ~100 枚の葉を確保しましょう。 .主な品種別摘果方法 表のとおりです。 .袋掛け 仕上げ摘果、修正摘果が終わり しだい実施しましょう。 生理落果する品種では早く掛け ると落果して掛け袋のロスが増え てしまいます。 .新梢管理 去年の秋季せん定で 芽ほど残 して切った徒長枝から伸びてくる 新梢については、 ~ 月にかけ て成長点の摘心を繰り返し行いま しょう。これを徹底することで日 陰用の枝が上手く作れますのでが んばってください! .かん水 週間に 回を目安にかん水を 行い土壌水分を安定させましょう。 硬核期に急激な変化があると核 割れを助長しますが、かん水設備 がないところでは敷きわらなどで 乾燥防止に努めましょう。 また、抑草シートだけ設置して いてシートの下に敷きわらや草が ないところは乾燥時に非常に乾燥 しやすくなりますので気をつけて ください。 .病害虫防除 月の重点防除はカイガラムシ です。 ①ウメシロカイガラムシ( 白いカ イガラムシ ) 幼虫発生時期: 月上旬 : 月上旬にアプロードフ 対策 ロアブル1000倍を散布 ②ナシマルカイガラムシ( 黒いカ イガラムシ ) 発生時期: 月下旬~ 月 幼虫 上旬 対策: 月下旬~ 月上旬にア プロードフロアブル1000倍を 散布 が早い場合は着色は良いが小粒に、 遅い場合は大粒で着色が劣りやす いので、必ず適期に処理しましょ う( 図 ) 。また着粒が多く房が 伸びにくいため、花穂をしっかり 切り込み、間引を早く終えましょう。 ⑸かん水 開花前の乾燥は花振いの原因に なります。また、開花時のかん水 は灰色かび病の発生を助長するこ とがありますので、開花前にしっ かりかん水をしましょう。 .無加温栽培 ⑴温度管理 日中が ℃以上の高温にならな いように早朝からの換気を、内張 りを張っている場合は高温の回避 と光線の確保のために、開花期を 目安に除去するか束ねて開放しま す( 表 ) 。 自分の圃場で①と②どちらが発 生しているのか見極めて防除に努 6 ( 岡山県果樹栽培指針 ) 8 JA岡山東 2015年5月号 JA岡山東 2015年5月号 9 1 5 8 9 正常果 双胚果 5 5 5 6 満開日40~45日 仕上げ摘果 (最終着果量) (県果樹栽培指針) 6 ・側面フィルム除 去 果 粒 ・25〜30℃ 肥大期 3~ 3.5㎝ 5 2 30 開 花 期 ・25〜30℃ 同 上 ・固定内張りフィ 5月上旬 ルムの除去は遅 〜中旬 れないようにす る。 ・灰色かび病を防 ぐため、早朝換 気に努める。 1 時期の目安 管理の要点 1 2 1 夜 温 予備摘果 (最終着果量の2倍) 満開日25~30日 ※不受精果が樹に残りやすいので、肥大劣りが見え始める左記の時期より始める。 図1 花穂の整形方法 図2 満開期1回処理の適期 (目印) 3 2回目処理不要 着色不良 有核果混入 満開期1回 処理適期 果粒肥大不足 昼 温 ③おかやま夢白桃 3 1 満開3日後 満 開 10 表2 病原菌と効果の期待できる農薬 めましょう 。 その他の防除についてはJAの 防除暦を参 考 に し て く だ さ い 。 .葉っぱ に で る 赤 い 点 々 皆さんは葉っぱにでる赤い点々 を若樹で見 た こ と が あ り ま す か ? 「 窒 素 不 足 」で す! 窒 素 不 足 は 葉っぱの赤 い 点 々 以 外 に も 、 葉 裏 の葉脈が赤 く な っ た り 、 新 梢 が 赤 くなります 。 対策方法、時期は次のとおりです。 ①対策方法 、 時 期 時期: 月~ 月上旬 方法:窒素成分 ㎏を上限に肥 料を施 肥 注意点: 月上旬をすぎると効 果が出 に く く 、 果 実 品 質 に 影 響して き ま す の で 、 適 期 を 逃 した場 合 は 礼 肥 、 基 肥 の 増 量 で対応 し ま し ょ う 。 ②葉面散布 時期: 月 上 旬 以 降 方 法:メリット青、尿素どちら かを5 0 0 倍 で 散 布 以上のこ と を ふ ま え 、 窒 素 不 足 の症状が出 て い る と こ ろ で は 対 応 していきま し ょ う 。 ま た 、 肥 料 や 葉面散布だ け で な く 月 の 土 壌 改 良で根を元 気 に し て あ げ る こ と も 対策になり ま す の で 参 考 に し て く ださい。 ( 山陽支店 河本 直也 ) 2 2 4 1 2 1 2 25 25 5 生育期 方 法 摘果時期 仕上げ摘果 (最終着果量) 満開日75~80日 修正摘果 (落果状況を見て修正) 満開日20~45日 仕上げ摘果(最終着果量の1.2 ~1.5倍) 方 法 摘果時期 方 法 摘果時期 2 10 2 表1 無加温ハウスの温度管理の目安 満開日20~30日 予備摘果 (最終着果量の2倍) 予備摘果 満開日20~30日 (最終着果量の1.5~2倍) 満開日20~45日 ②白鳳、千種白鳳 ①清水白桃 30 花穂の切り こみが長い ピオーネ と結実が多 くなり、後 .トンネル栽培 に粒間引き 月に入ると新梢や花穂の生長 作業に追れ が盛んになり、下旬には開花期を ることにな 迎える園地もありますので、管理 りますので が遅れないようにしましょう。 注意してください( 図 ) 。 ⑴誘引 ⑷ジベレリン処理 風等による新梢の欠損を防ぐた め、新梢全体の 〜 割が誘引で 満開時から満開 日後に花冠を 払い落として、日中の高温時は避 き る よ う に な っ て か ら 始 め ま す。 けて処理を行います。 新梢勢力を揃えるために勢いが強 ※ 回処理( 従来の方法 ) く生育の早いものから順次行いま しょう。受光体勢が良くなるよう 一回目処理の薬液はジベレリン ppm( 水 ℓに 袋 )で、花振 に、片側 ㎝程度の間隔で配置し、 るいが心配される場合は結実確保 欠損部位がある場合は近くの新梢 のため、フルメットを 〜5ppm を返し枝で緩やかに曲げて誘引を ( 水 ℓ に 〜 ㎖)加 用 し て く 行ってください。 ださい。 ⑵摘芯 ※満開期 回処理 勢いが良く生育の早い新梢は開 花 〜 日前に未展葉部を摘み 大粒が見込める強い樹勢があれ ば、 満 開 期 回 処 理 が 可 能 で 取って揃いを良くし、通常の新梢 す。ジベレリン では開花始め頃に房先 〜 葉で ppmに フ ル 摘芯して結実を促します。ただし、 メット ppm 開 花 前 か ら 生 育 が 旺 盛 な 樹 で は、 ( 水 ℓに 本 ) 結実不良となりやすいため、強め を加用して浸漬 に摘芯を行います。 処理します。 ⑶花穂整形 回処理と比較し 開花期までに一新梢一花穂に揃 て、着色や房締 え、開花直前から開花始めに花穂 まりが良い傾向 がばらけてきたら花穂の先端の にあります。た 〜 ㎝( 車程度 )を残すように だし、処理時期 切 り こ み 整 形 を 行 っ て く だ さ い。 7 1000 500~1000 5 表 主な品種別摘果方法 6 7 2 図 1.2 75 3 胚 (1つ) 胚 (2つ) 8 60 80 4 20 40 1 2 3 1.5 2 45 50 3 △ 10 4 ○ △ 3 5 1 20 10 8 5 80 ○ △ ○ ○ 白絹病菌 △ ピシウム菌 △ ○ △ △ △ リゾクトニア菌 ○ ○ リゾープス菌 ○ ○ トリコデルマ菌 ○ △ ○ ○ 400~600 500~1000 500~1000 500~1000 500~1000 希釈倍率 ○ フザリウム菌 3 5 1 5 7 3.5 農薬名 タチガレン タチガレ タチガレ ダコニール ダコレート ベンレート バリダシン 液剤 エース液剤 エースM液剤 1000 水和剤 水和剤 液剤5 病害名 5 10 す。早期加温は出荷始めには酸抜 けが問題になりやすいため、果粒 軟化後から 週間くらいの温度が 低いと酸抜けが悪いため、夜温 〜 ℃で管理しましょう。収穫期 まで加温を行い、果粒肥大と酸抜 けを促進します。 ⑵新梢管理 副梢の生長は果粒軟化期にはほ ぼ停止するのが望ましいです。過 繁茂な部分があれば軟化始めに副 梢を整理して日当たりを良くしま しょう。 ⑶かん水 乾燥させすぎないように注意し、 急 激 な 水 分 変 化 を し な い よ う に、 少量でこまめにかん水するように しましょう。 ⑷果房管理および着房制限 積が急速に進みますので、着果過 多 の 場 合、 糖 度 不 足、 着 色 不 足、 果粒肥大不足、成熟の遅延、房枯 症の発生などにつながります。果 粒軟化始めから糖度が順調に上昇 して着色が進むようにします。そ のために樹勢、葉面積等によって 着果量の見直しが必要です。 ( 瀬戸支店 阿部 昭正 ) 5 ときはそれをおすすめします。 トマト 支柱は先に立てておきます。花 房 を 外 に 向 け て 植 え て く だ さ い。 植え付けが終わったらすぐ誘引し ましょう。 段花房はトマトトー ン100倍で着果させてください。 花房に つ花が咲いた日の午後、 回のスプレーで十分な効果が期 待できます。 キュウリ 支柱は先に立てておきます。本 葉 〜 枚の若苗を定植すること が多いので、ネットを使う場合は 仮支柱に誘引してください。高さ 約 ㎝、 節までの側枝は小さい うちにかぎ取ります。 節から上 の側枝、つまり子づるは 節で摘 心し、それから出る孫づるは放任 します。混み合ってきたら適宜先 を摘みます。上は手のとどく高さ で摘心してください。 ナス 植え付けたら仮支柱を立てて誘 引してください。主枝は伸び方の バランスの良い 本仕立てをおす すめします。 番花のところで 本に分かれた枝を更に 本ずつに 分けて伸ばし主枝にします。主枝 から出る枝はすべてつぼみの上 枚残して摘心し、収穫のとき切り 戻せば繁りすぎの心配は少なくな ります。 ( 本店 営農部 難波 宏之 ) 3 3 7 【野 菜】 40 1 1 2.5 30 5月の野菜管理 50 夏野菜苗の植え付け 月末から 月始めにかけては 夏野菜苗の植え付け時期です。石 灰類とたい肥を入れた土づくりは すでに終わっていることでしょう。 肥料は品目に合わせて調節してく ださい。生育期間が長く基肥だけ で作るには無理があるので、追肥 を予定しておいてください。 家庭菜園では密植になりがちで す。植える場所、必要な本数を決 めて苗を用意しましょう。株間は トマト ㎝、キュウリ ㎝、ナス ㎝です。 場所が限られることが多く、連 作かそれに近い状態になりやすく、 土に原因のある病害にかかるおそ れがあるので、トマト、キュウリ、 ナス、スイカなど接ぎ木苗がある 2 1 4 60 8 2 2 3 18 軟化期になると果粒内で糖の蓄 ( 岡山県果樹栽培指針 ) ⑵新梢管理 無加温栽 培 で は 遅 伸 び が 問 題 に なります。 摘 芯 を 繰 り 返 す と 遅 伸 びを助長しますので、開花 週間以 降は強い副 梢 を 軽 く 摘 芯 す る 程 度 に、とくに着房節周辺に発生した強 い副梢は早 め に 摘 芯 し て 遅 伸 び を 防ぎます。しかし、数枚程度で伸び が止まるよ う な 副 梢 は 放 任 し ま す 。 ⑶着果管理 結実後は 早 め に 、 〜 果 / 亜 主枝 m 程 度 に 摘 房 し ま す 。 さ ら に、開花 週 間 頃 に 果 軸 長 〜 ㎝を目安に し て 大 房 化 を 避 け ま す 。 .加温栽 培 ⑴温度管理( 表 ・ ) ℃以上 の 高 温 下 で は 、 葉 が 機 能 低 下( 元 葉 の 老 化 が 早 く な る ) し品質不良 に な り や す い た め 、 早 朝からの換 気 に よ り 高 温 を 避 け ま 成熟期 ・30℃以下 ・18〜20℃ ・収穫後、土壌を 乾燥させない。 収 穫 1 4 1 時期の目安 管理の要点 夜 温 昼 温 生育期 20 果 粒 ・25〜28℃ ・18〜20℃ ・換気に努める。 満 開 肥大期 ・かん水は十分に 行う。 40〜45日 果 粒 ・30℃以下 ・16〜17℃ ・この時期は土壌 軟化期 水分の変動を少 果粒軟化 なくする。 軟化後 ・18〜20℃ ・こ の 時 期 が6月 3週目 となる作型では 加温を終了する。35〜40日 6 表3 普通加温(1月中旬〜2月中旬加温)温度管理の目安 2 17 5 ( 岡山県果樹栽培指針 ) 16 3 ・土壌乾燥を防ぐ。 収 穫 成熟期 ・30℃以下 ・18℃ 2 2 果 粒 ・25〜28℃ ・17〜18℃ ・土壌水分の変動 果粒軟化 軟化期 を少なくする。 軟化後 ・20℃ ・着色後は夜温を 3週目 やや上げて成熟 35〜40日 を促進する。 3 時期の目安 管理の要点 夜 温 昼 温 生育期 3 30 表2 早期加温(12〜1月上旬加温)の温度管理の目安 JA岡山東 2015年5月号 10