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平成25年2月27日 文 化 審 議 会 答 申 国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定 について 文化審議会(宮田 亮平 会長)は、2月27日に開催された同審議会において、3件の 美術工芸品を国宝に、50件の美術工芸品を重要文化財に指定することについて文部科学大 臣に答申しましたので、お知らせします。 詳しくは、別添の資料「答申内容」、「解説」、「参考」をご覧下さい。 <担当> 文化庁文化財部美術学芸課 課 長 江﨑 典宏 主任調査官(絵画の部) 朝賀 浩 主任調査官(彫刻の部) 奥 健夫 主任調査官(工芸品の部) 齊藤 孝正 主任調査官(書跡・典籍、古文書の部)池田 寿 主任調査官(考古資料の部)原田 昌幸 主任調査官(歴史資料の部)岡部 幹彦 電話:03-5253-4111(代表) 03-6734-2887(直通) (内線 2884) (内線 2890) (内線 2891) (内線 2889) (内線 2888) (内線 2892) (内線 2893) Ⅰ.答申内容 1.国宝(美術工芸品)の指定 <彫刻の部> (重要文化財を国宝に 2件) かいけいさ く もくぞうきしもんじゅぼさつおよびきょうじぞう ① 木造騎獅文殊菩薩及脇侍像 けんにん 快慶作 な く む あ み だ ぶつ 四軀 文殊菩薩像内に建仁三年十月、南無阿弥陀仏、 こうしょう あ ん な み だ ぶ つ 巧 匠安阿弥陀仏等の銘がある うんけいさく 運慶作 もく ぞう あみ だに ょらい ざぞう 木造阿弥陀如来坐像 ② 一軀 うんけいさく もくぞうふど うみょうおうおよびにどう じりゅうぞう 運慶作 木造不動明王及二童子立像 う んけいさく もくぞうびし ゃもんてんりゅうぞう 運慶作 木造毘沙門天立像 ごだいしゅじ ぼ ん じ ほうきょういんだらに 三軀 ぶんち 一軀 各に五大種子、梵字宝篋印陀羅尼及文治二年五月、 こ う し こうとう だんおつたいらのときまさ 巧師勾当運慶、檀越平 時 政、執筆南無観音等の記 がある <書跡・典籍の部> (重要文化財を国宝に 1件) だいごじもんじょしょうぎ ょう ① 醍醐寺文書聖教 六万九千三百七十八点 2.重要文化財(美術工芸品)の指定 <絵画の部> (重要美術品を重要文化財に 1件) かのうたんゆうひつ しほんきんじちゃくしょくしきまつず ① 紙本金地著色四季松図 (文化財を重要文化財に 狩野探幽筆 一双 六曲屏風 9件) と さ み つ よ し しほんきんじちゃくしょくげんじものがたりず ① 紙本金地著色源氏物語図 ちょうじ ろうひつ 土佐光吉、長次郎筆 四帖 けんぽんちゃくしょ くあみだしょうじゅうらい ごうず ② 絹本著色阿弥陀聖衆来迎図 一幅 けんぽんちゃくしょ くあみだしょうじゅうらい ごうず ③ 絹本著色阿弥陀聖衆来迎図 一幅 -1- かのうたかのぶひつ 狩野孝信筆 けんぽんちゃくしょくごようぜいいんぞう ④ 絹本著色後陽成院像 一幅 はせがわとうはくひつ 長谷川等伯筆 紙本墨画老松図 襖貼付 はせがわとうはくひつ し ほ ん ぼ く が え ん こ う そ く げ つ ず 長谷川等伯筆 紙本墨画猿猴捉月図 襖貼付 しほんぼくがろうしょうず ⑤ 六面 四面 けんぽんちゃくしょくしんらんしょうにんえでん 六幅 ⑥ 絹本著色親鸞聖人絵伝 とさみつよしひつ 土佐光吉筆 ひかるげんじてかが み ⑦ 紙本金地著色源氏物語図 (光源氏手鑑) しほんきんじちゃくしょくげんじものがたりず 八十枚 けんぽんちゃくしょくしょうとくたいししょうまんぎょうこうさんず ⑧ 絹本著色聖徳太子勝鬘経講讃図 一面 もっけいひつ しほんぼくがろうしぞう 牧谿筆 ⑨ 紙本墨画老子像 どうゆう かんぞういん 一幅 「道有」の鑑蔵印がある <彫刻の部> (文化財を重要文化財に 9件) いんよさく もくぞうじぞうぼさつざぞう ① 木造地蔵菩薩坐像 げんこう 院誉作 じせん 一軀 ぶっし 像内に元亨四年二月、慈仙、仏子院誉等の 銘がある もくぞうかんのんぼ さつりゅうぞう ② 木造観音菩薩立像 一軀 もくぞうせんげんし んぞう ③ 木造浅間神像 一基 もくぞうてんのうりゅうぞう ④ 木造天王立像 一軀 もくぞうちゅうがん えんげつざぞう ⑤ 木造中巌円月坐像 一軀 もくぞうあみだにょらいりゅうぞう ⑥ 木造阿弥陀如来立像 一軀 どうぞうしゃかたほうにょらいざぞう ⑦ 銅造釈迦多宝如来坐像 二軀 もくぞうのうきょうげんめん ⑧ 木造能狂言面 三十面 かくせい さく も く ぞ う ま た ら し ん ざ ぞ う ⑨ 木造摩多羅神坐像 覚清作 一軀 -2- かりゃく うんしゅうせいすいじじょうぎょうどう 像内に嘉暦四年、雲 州 清 水 寺 常 行 堂摩多羅 だいみょうじん ぶっしなんとかたほっきょう 大 明 神、仏師南都方法橋覚清等の銘がある <工芸品の部> (重要美術品を重要文化財に 1件) おがわはりつさく かしわみみずくまきえりょうしばこおよびかすがのまきえすずりばこ ① 柏木菟蒔絵料紙箱及春日野蒔絵硯箱 (文化財を重要文化財に 小川破笠作 一具 6件) しがらき ひがきもんつぼ 信楽 ① 檜垣文壺 一口 ちょうじ ろうさく 長次郎作 ② 黒楽茶碗(ムキ栗) くろらくちゃわん くり 一口 くろりんずじわかまつもみじしかこばなもんようしぼりぬいこそで 一領 ③ 黒綸子地若松紅葉鹿小花文様絞繡小袖 かつらがわみょうおういんみしょうたい ④ 葛川明王院御正体 六面 でんそうきやまみちもんあや 田相黄山道文綾 ⑤ 九条袈裟 じ ょ う よ う こ ん し ゅ す じ し ょ そ ん か ち ょ う も ん し し ゅ う 条葉紺繻子地諸尊花鳥文刺繡 く じ ょ う け さ 一領 な べしま 鍋島 いろえさんすいたけとりもんりんかおおざら ⑥ 色絵山水竹鳥文輪花大皿 <書跡・典籍の部> (重要美術品を重要文化財に 一枚 2件) つちみかどいんぎょ しゅう ① 土御門院御集 一帖 こうやぎれ (高野切) かんぴょう (寛 平の) こきんわかしゅうまきだいいちだんかん ② 古今和歌集巻第一断簡 (文化財を重要文化財に 一幅 4件) まつのおしゃほうらくわか ① 松尾社法楽和歌 一巻 かんおう あしかがたかうじほかさんぴつ 観応二年九月十一日足利尊氏外三筆 しんしゅうじょうどおうじょうでんまきじょう げ ② 新修浄土往生伝巻 上、下 だいじ 二帖 おくがき 大治三、五年書写奥書 -3- ほけきょう 八巻 ③ 法華経 けんじ そうしょうがんもん 建治二年八月四日宗 性 願 文 しんしゅうじょうどおうじょうでんまきげ ④ 新修浄土往生伝巻下 一帖 ほうげん べんしょう 保元三年六月十七日弁 昭書写奥書 <古文書の部> (文化財を重要文化財に 5件) か げ ん き 一冊 ① 嘉元記 てんぴょう ほうじ まこのしまぬしげ ② 万昆嶋主解 にじゅう 天平宝字二年七月 廿 八日 一通 しはいしゃせんかんきょうしょじきもつようちょう 紙背写千巻経所食物用帳 あんしょうじしざい ちょう ③ 安祥寺資財帳 しとく 一巻 けんぽう 至徳二年七月日賢宝書写奥書 ほそかわけもんじょ にひゃくろくじゅうろくつう ④ 細川家文書(二百六十六通) 十一巻、二十三幅、二冊、百八十通 ぶ ぜ ん の く に う さ ぐ う え ず ⑤ 豊前国宇佐宮絵図 一幅 <考古資料の部> (文化財を重要文化財に 9件) ほっかいどうふなど まりいせきしゅつどひん 一括 ① 北海道船泊遺跡出土品 にいがたけんむらじりいせきしゅつどひん ② 新潟県村尻遺跡出土品 一括 やまなしけんさけのみばいせきしゅつどひん ③ 山梨県酒呑場遺跡出土品 一括 しずおかけんみょうがじまこふんぐんしゅつどどせいひん ④ 静岡県明ヶ島古墳群出土土製品 千六十四点 ぎふけんもとやしきとうきかまあとしゅつどとうき ⑤ 岐阜県元屋敷陶器窯跡出土陶器 三百九十点 ぎふけんもとやしきとうきかまあとしゅつどひん ⑥ 岐阜県元屋敷陶器窯跡出土品 一括 -4- し び こ ⑦ 鴟尾 四箇 ひょうごけんちゃすりやまこふんしゅつどひん 一括 ⑧ 兵庫県茶すり山古墳出土品 ながさきけんはるのつじいせきしゅつどひん ⑨ 長崎県原の辻遺跡出土品 一括 <歴史資料の部> (文化財を重要文化財に 4件) とうきょうだいがく しかんけいしりょう ① 東京大学史関係資料 千九十三点 にらやまだいかんえがわけかんけいしりょう ② 韮山代官江川家関係資料 三万八千五百八十一点 えがわけかんけいしゃしん ③ 江川家関係写真 四百六十一点 いわくらともみかんけいしりょう ④ 岩倉具視関係資料 千七百七点 -5- Ⅱ.解説 【国宝(美術工芸品)の指定】 <彫刻の部> (重要文化財を国宝に 2件) かい け い さく もくぞうきしもんじゅぼさつおよびきょうじぞう ① 木造騎獅文殊菩薩及脇侍像 けんにん 快慶作 な む く あ み だ ぶつ 四軀 文殊菩薩像内に建仁三年十月、南無阿弥陀仏、 こうしょう あ ん な み だ ぶ つ 巧 匠安阿弥陀仏等の銘がある 【大きさ】 像高 もんじゅぼさつ 文殊菩薩 198.0cm ぜんざいどうじ 善財童子 134.7cm うてんのう 優塡王 268.7cm ぶ つ だ ば り さ ん ぞ う 仏陀波利三蔵 187.2cm 【所有者】 宗教法人文殊院 (奈良県桜井市大字阿部645) けんにん じょうきゅう 建仁3年(1203)から承 久2年(1220)にかけて快慶が製作した群像。 ごだいさん 中国五台山を舞台とした文殊説話を主題とする図像になる。 しゆんじようぼうちようげん 東大寺大仏の再興事業に関連し、俊 乗 坊 重 源の構想になる記念碑的造像であり、 また運慶と並ぶ鎌倉時代の名匠、快慶の代表作の一つである。 (鎌倉時代) うん け いさ く も く ぞ う あ み だ に ょ ら い ざ ぞ う 木造阿弥陀如来坐像 運慶作 一軀 う ん け いさ く 運慶作 木造不動明王及二童子立像 うん け いさ く も くぞ う び し ゃも ん て ん りゅ う ぞ う 運慶作 木造毘沙門天立像 おのおの ごだいしゅじ ぼ ん じ ほうきょういんだらに も く ぞ う ふど う み ょ うお う お よ びに ど う じ りゅ う ぞ う ② 三軀 ぶんち 一軀 各 に五大種子、梵字宝篋印陀羅尼及文治二年五月、 だんおつたいらのときまさ 巧師勾当運慶、檀越平 時 政、執筆南無観音等の記 がある こ う し こうとう 【大きさ】 像高 阿弥陀如来 142.0cm 不動明王 137.2cm こ ん が ら 矜羯羅童子 74.4cm せ い た か 制吒迦童子 毘沙門天 83.5cm 148.2cm 【所有者】 -6- がんじょうじゅいん 宗教法人願成就院 じ け (静岡県伊豆の国市寺家83-1) ほうじょうときまさ 文治2年(1186)に運慶が北条時政を施主として造った群像。その写実を踏ま えた力強い作風には運慶ひいては鎌倉彫刻の進む方向が示されており、また卓抜な彫 技に運慶その人の技量が存分にうかがえる点で、運慶の代表作として評価される。ま た鎌倉幕府関係の造像の最も重要な遺品としての意義も大きい。 (鎌倉時代) <書跡・典籍の部> (重要文化財を国宝に 1件) だ い ごじ も ん じ ょし ょ う ぎょ う ① 醍醐寺文書聖教 六万九千三百七十八点 【所有者】 宗教法人醍醐寺 が ら ん (京都府京都市伏見区醍醐伽藍町1) 醍醐寺にまとまって伝来する聖教類と文書の内容は、醍醐寺の歴史を反映して多岐 にわたっている。質量ともに、我が国の寺院に伝来する聖教類、文書中屈指のもので あり、宗教史上のみならず、国文学、歴史学上にも学術的価値の高いものである。 (平安時代~明治時代) -7- 【重要文化財(美術工芸品)の指定】 <絵画の部> (重要美術品を重要文化財に 1件) かのうたんゆうひつ しほんきんじちゃくしょくしきまつず ① 紙本金地著色四季松図 狩野探幽筆 一双 六曲屏風 【大きさ】各縦 156.3cm 横 365.0cm だいとくじ むらさきの 【所有者】宗教法人大本山大徳寺(京都府京都市北区紫 野大徳寺町53) 京都国立博物館寄託 春夏秋冬の四様を見せる四本の松樹を金地の画面に、向かって右から配置する作品。 こ う げつ そ う が ん 狩野探幽(1602~1674)は大徳寺の江月宗玩と交流があり、寛永12年(1 635)に探幽斎の雅号を与えられている。 ほ う げん さい も りの ぶ ら っか ん 本図は画面に「狩野法眼探幽斎守信筆」の落款があり、狩野探幽円熟期に描かれたや きん ぺき まと絵金碧屏風の遺品として評価できる。 (江戸時代) (文化財を重要文化財に 9件) と さ み つ よ し しほんきんじちゃくしょくげんじものがたりず ① 紙本金地著色源氏物語図 ちょ う じ ろ うひ つ 土佐光吉、長次郎筆 四帖 【大きさ】各縦25.7cm 横22.5cm 【所有者】独立行政法人国立文化財機構 (東京都台東区上野公園13-9) 京都国立博物館保管 きゅうよく 色紙の裏面に「土佐久 翌」の墨印及び「長次郎」の墨書を伴う54面の源氏絵。源 氏物語54帖のうち、六段を欠き、別に六段が重複する。 近世初期に堺で活躍した土佐派の絵師・光吉の基準作であり、弟子と考えられる長次 ことばがき ごようぜいいん 郎との合作。詞 書筆者には、後陽成院をはじめ当時の皇族、貴族が名を連ねる。 (桃山時代) け ん ぽ ん ち ゃく し ょ く あみ だ し ょ うじ ゅ う らい ご う ず ② 絹本著色阿弥陀聖衆来迎図 一幅 【大きさ】縦 176.7cm 横 115.0cm じょうこういん 【所有者】宗教法人常 光 院 -8- かみちゅうじょう (埼玉県熊谷市上 中 条1160) 埼玉県立歴史と民俗の博物館寄託 じょ うど 浄土図と来迎図を組み合わせた特殊な構成を示す作品。画面上部に浄土図、中段に正 面向きの阿弥陀如来と聖衆の来迎図を表し、最下段左右に常光院開基の中条氏一族と伝 えられる二組の男女の姿が描き込まれている。 鎌倉時代にさかのぼる特殊な形式の浄土教絵画として貴重なものである。 (鎌倉時代) け ん ぽ ん ち ゃく し ょ く あみ だ し ょ うじ ゅ う らい ご う ず ③ 絹本著色阿弥陀聖衆来迎図 一幅 【大きさ】縦 173.6cm 横 107.2cm ぜんこうじ 【所有者】大本山善光寺大本願 もとよしちよう (長野県長野市元 善 町500) か んの ん せ い し 中央に正面向きの阿弥陀如来立像を表し、その手前の左右に観音・勢至両菩薩、さら にその周囲に25体の聖衆を描く。 画面上部には山の端に日輪が、画面手前では蓮池などが描かれ、各所に草花や水鳥が 配されており、やまと絵景物画としても見所がある。 正面向きの聖衆来迎図は珍しく、鎌倉時代後期にさかのぼる本格的な来迎図の遺例と して貴重である。 (鎌倉時代) かのうたかのぶひつ けんぽんちゃくしょくごようぜいいんぞう ④ 絹本著色後陽成院像 狩野孝信筆 一幅 【大きさ】縦 106.9cm 横 60.1cm せん に ゅう じ 【所有者】宗教法人泉涌寺 やまのうちちょう (京都府京都市東山区泉涌寺山 内 町27) えい と く 狩野永徳の次男である孝信(1557~1618)は、主に宮廷の御用を勤めて活躍 え ぼ し かぶ の う し した。本図は烏帽子を被り直衣を着けた後陽成院(1571~1617)の姿を描く。 顔の表現には微妙な陰影を駆使して適切な立体感を表出しており、近世初期の肖像画 を代表する遺例である。 (桃山時代) はせがわとうはくひつ しほんぼくがろうしょうず 紙本墨画老松図 ⑤ 長谷川等伯筆 六面 襖貼付 はせがわとうはくひつ しほんぼくがえんこうそくげつず 紙本墨画猿猴捉月図 長谷川等伯筆 四面 襖貼付 -9- 【大きさ】老松図 縦 170.6cm 横 88.9cm 猿猴捉月図 縦 170.0cm 横 91.5cm こんちいん なんぜんじふくちちょう 【所有者】宗教法人金地院(京都府京都市左京区南禅寺福地町) たっちゅう 南禅寺の塔 頭、金地院の書院を飾る襖絵で、画風から長谷川等伯(1539~161 も っ けい 0)の筆と認められ、中国南宋時代の画僧牧谿の柔らかい水墨様式を学んだ代表作。 画題・表現様式・構図など、等伯が独自様式を完成させるためにどのようなものを学 んだかを伺う上で重要な作品である。 (桃山時代) けんぽんちゃくしょくしんらんしょうにんえでん ⑥ 絹本著色親鸞聖人絵伝 六幅 【大きさ】各縦 155.0cm 横 87.3cm 【所有者】宗教法人本願寺 (京都府京都市下京区堀川通花屋町下る本願寺門前町) しょうとくたいし ほうねんしょうにん か い まんぷくじ 本図は、聖徳太子や法然上人の絵伝を所持していた甲斐万福寺に伝来した親鸞聖人絵 伝で、江戸時代中頃に本願寺に納められた。本図は親鸞絵伝としては類例のない六幅構 成の作品。 制作は南北朝時代とみられ、あくの強い独特な表現を示し、この他の真宗系各絵伝と そ し え で ん も作風が著しく異なることから、初期真宗における祖師絵伝の展開を考える上で極めて 重要な作品である。 (南北朝時代) とさみつよしひつ しほんきんじちゃくしょくげんじものがたりず ⑦ 紙本金地著色源氏物語図 土佐光吉筆 ひ か るげ ん じ て かが み (光源氏手鑑) 八十枚 【大きさ】各縦 20.0cm 横 26.0cm 【所有者】和泉市(大阪府和泉市府中町2-7-5) 和泉市久保惣記念美術館保管 「土佐久翌」墨印を伴う源氏絵で、近世初期に堺で活躍した土佐派の絵師・光吉の作 ことばがき なかのいんみちむら からすまるみつひろ 品。絵と詞が一対の全80面からなる。詞 書は中院通村、烏丸光広等18人の公家に よりあいが ときおきょうき いしかわただふさ よる寄合書き。『言緒卿記』の記載等から慶長17年(1612)に石川忠総の要請に より製作されたことがわかる基準作である。 (桃山時代) - 10 - けんぽんちゃくしょくしょうとくたいししょうまんぎょうこうさんず ⑧ 絹本著色聖徳太子勝鬘経講讃図 一面 【大きさ】縦 210.5cm 横 177.4cm ほう り ゅう じ 【所有者】宗教法人法隆寺 い こ ま ぐ ん いかるがちょうほ う りゅ う じ さ んな い (奈良県生駒郡斑 鳩 町法隆寺山内1-1) 奈良国立博物館寄託 す い こ こう せつ 聖徳太子が35歳の折に推古天皇のために勝鬘経を講説したとされる場面を描く。 全体に傷みが甚だしいが、部分的に確認できる彩色文様などの描写からは平安絵画の そんちひつ 余風をうかがうことができ、鎌倉時代初期に活躍した南都絵仏師の尊智筆と伝承されて いる。 現存する勝鬘経講讃図のうちでは最大規模、最古本の作例で、後世の作品に与えた影 響も大きい。 (鎌倉時代) も っ け いひ つ し ほ んぼ く がろ うし ぞう ⑨ 紙本墨画老子像 どうゆう 牧谿筆 一幅 かんぞういん 「道有」の鑑蔵印がある 【大きさ】縦 88.9cm 横 33.5cm うちさんげ 【所有者】岡山県(岡山県岡山市北区内山下2-4-6) 岡山県立美術館保管 水墨で半身の老子の姿を描く。上部に「牧谿」印、下部に室町幕府三代将軍である足 お ひがしやま ご も つ 利義満が用いた「道有」印が捺され、古来牧谿筆の東 山御物として珍重されてきた作 品である。 なら 形式は禅宗における半身の祖師像に倣っており、晩年の筆者の自画像とする意見もあ あし か が よし み つ と く が わい え や す たど る。足利義満、徳川家康、紀州徳川家という伝来を辿ることのできる作品である。 (南宋時代) - 11 - <彫刻の部> (文化財を重要文化財に 9件) いんよさく もくぞうじぞうぼさつざぞう ① 木造地蔵菩薩坐像 げんこう 院誉作 じせん 一軀 ぶっし 像内に元亨四年二月、慈仙、仏子院誉等の銘がある 【大きさ】像高 69cm ち ょう ふく じ 【所有者】宗教法人長福寺 お が わ ま ち し も お が わ う え の だ い (福島県いわき市小川町下小川字上ノ台120) お が わ よし つな ま つ じ の う え 当地の領主、小河義綱により鎌倉極楽寺の末寺として創建された長福寺の本尊。衲衣 ど も ん の裾が蓮華座に掛かる形式や着衣の土紋などに関東地方の鎌倉彫刻の特色を示す。 いんぶつ ほけきょう し ん ご ん だ ら に るい 東日本大震災で破損、修理中に銘記と納入品(印仏、法華経、真言陀羅尼類、髪・爪 がん しゅ ほか)が確認され、製作年と作者院誉、願主尼慈仙ほかの名が判明した。 いん ぱ 京都の主流仏師の一派である院派の、東国における土着化した活動を示す遺品として 注目され、また在地領主による鎌倉文化の受容形態をうかがわせる例としても重要であ る。 (鎌倉時代) も く ぞ うか ん の ん ぼさ つ り ゅう ぞ う ② 木造観音菩薩立像 一軀 【大きさ】像高 53.5cm し ょう れん じ 【所有者】宗教法人青蓮寺 みかたぐんみはまちようさがき (福井県三方郡美浜町佐柿26-5) わ か さ 福井県立若狭歴史民俗資料館寄託 け ぶ つ 化仏を配した花形冠を戴く観音菩薩像で、針葉樹材の一木造、漆箔仕上(ほとんど 剥 落 す る ) に な る 。 大 振 り の 目 鼻 立 ち 、 胸 腹 の 充 実 し た 肉 取 りや 切 れ 味 の よ い ほんぱしきえもん 翻波式衣文に平安初期風をとどめながら、彫り口が整理され、穏やかさが漂う点に次 代様式の萌芽がうかがえ、九世紀末から十世紀初めの製作とみられる。 小像ながら出来栄えにおいてこの時期を代表する水準を示す作例として評価され る。 (平安時代) も く ぞ うせ ん げ ん しん ぞ う ③ 木造浅間神像 一基 【大きさ】像高 40.5cm せん げん 【所有者】宗教法人浅間神社 え ば ら (山梨県南アルプス市江原1302) 背中合わせに三方を向く俗体の女性像と、その上方の如来の半身像を一材より彫出 とう ほう した像で、目鼻や衣の縁をくっきりと刻み出す刀法や、胸の厚い体型などの特徴より1 - 12 - 1世紀の製作とみられる。 特異な像形式をみせる平安時代の神像として注目され、古代の富士山信仰に関連する 唯一の伝世彫刻遺品としても極めて価値が高い。 (平安時代) もくぞうてんのうりゅうぞう ④ 木造天王立像 一軀 【大きさ】像高 155.9cm て んま ん じ んじ ゃ 【所有者】宗教法人天満神社 き た ひ ら (滋賀県大津市北比良381) 北野天満宮の創建に関連する由緒をもつ当社に伝わる神将形像で、表面にノミ痕を付 ぞう よう き じ けて像容を彫り出し素地仕上とする。面部いっぱいに目鼻を配する忿怒相や手足の大き な構えなど、迫力のある造形に平安前期風をとどめながら、側面観が薄く、前後の動き に欠ける点などより10世紀半ばないし後半の製作と推定される。いわゆる鉈彫像の発 しんぶつしゅうごう 生を考えるうえで注目され、また神仏習合に関わる像としても重要である。 (平安時代) も く ぞ うち ゅ う が んえ ん げ つざ ぞ う ⑤ 木造中巌円月坐像 一軀 【大きさ】像高 81.0cm れい げ んい ん 【所有者】宗教法人霊源院 (京都府京都市東山区大和大路通四条下る四丁目小松町594) 京都国立博物館寄託 ご ざ ん 詩文で知られる五山僧、中巌円月(1300~75)の肖像彫刻。同人が建立し、遺 み よ うき せ か い み よ うき あ ん 命により埋葬された妙喜世界(没後妙喜庵と改称。明治5年退転)に伝わり、晩年ない しちじょう ぶ っ し こ う し ゅ ん し没後間もない時期の製作とみられる。作風や構造技法から作者は七 条仏師康俊もし くはその周辺仏師に当てられる。 この時代の著名な禅僧の肖像であり、頭部に迫真の写実をみせるなど優れた出来映え からも、南北朝時代肖像彫刻の代表的作品と評価される。 (南北朝時代) も く ぞう あ み だ にょ らいりゅうぞう ⑥ 木造阿弥陀如来 立 像 一軀 【大きさ】像高 96.0cm だいつうじ 【所有者】宗教法人大通寺 て ん の う じ く じ ょ う な ん て ら ま ち (大阪府大阪市天王寺区城南寺町3-19) じようちようよう いわゆる定 朝 様が繊細化した院政期様式による、穏やかで優美な像容をみせる阿弥 はちじょういん きんしん ふじわらのちかゆき 陀像。近年の保存修理で八 条 院の近臣、藤原親行(建仁3年=1203、没)に関わ - 13 - し は い つ いぜ ん る文書の紙背を用いた阿弥陀印仏が像内より取出された。文書は同人没後に追善のため その発給文書を収集して印仏の料紙としたかと推定される。 当代の追善造像のありようをうかがわせる保存良好な遺品として重要である。 (鎌倉時代) どうぞうしゃかたほうにょらいざぞう ⑦ 銅造釈迦多宝如来坐像 二軀 【大きさ】像高 釈迦如来 25.0cm 多宝如来 24.2cmぞ う しち ょう 【所有者】宗教法人東大寺(奈良県奈良市雑司町406-1) ほけきよう け ん ほ う とう ぼん に ぶ つびょう ざ ぞう か い だ んい ん 『法華経』見宝塔品所説の釈迦如来・多宝如来の二仏 併 坐像で、授戒会に際し戒壇院 だんじよう たほうとう の壇 上の多宝塔内に据えられる。柔和な顔貌が東大寺大仏開眼をさほど経ない頃の作 お ん じょう とみられる誕生釈迦仏像や八角燈籠火袋の浮彫音 声 菩薩像(共に国宝)と似ることな が ん じん どより、鑑真来朝に伴う東大寺戒壇設立(天平勝宝7年=755)当初の製作と考えら れる。 釈迦多宝如来の独立像として最古の遺品であり、古代彫刻史ならびに仏教史上の重要 作例である。 (奈良時代) もくぞうのうきょうげんめん ⑧ 木造能狂言面 三十面 【大きさ】縦16.8~21.4cm て んか わ じ んじ ゃ 【所有者】宗教法人天河神社 てんかわむらおおあざつぼのうち (奈良県吉野郡天川村大字坪内107) べんざいてん れ い ち てんかわしゃ え ん のう 中世以来弁才天の霊地として信仰を集めた天河社における演能に関係した能狂言面。 えいきょう かんぜじゅうろう 半数近くが室町時代以前に遡る古面で、永 享2年(1430)観世十郎奉納の銘のあ じょうめん えんとく じゅ うに ざだ ゆう さんばそう る尉 面や延徳2年(1490)十二座大夫銘のある尉(三番叟)面などの重要作例を 含む。 能面の定型成立を考えるうえで欠かせない一括資料である。 (鎌倉~江戸時代) か く せい さく も く ぞ う ま た ら し ん ざ ぞ う ⑨ 木造摩多羅神坐像 かりゃく 覚清作 うんしゅうせいすいじじょうぎょうどう だいみょうじん 一軀 像内に嘉暦四年、雲 州 清 水 寺 常 行 堂摩多羅大 明 神、 ぶ っしな んとか たほっきょう 仏師南都方法橋覚清等の銘がある 【大きさ】像高 53.0cm き よみ ずで ら 【所有者】宗教法人清水寺 やすぎしきよみずちよう (島根県安来市清水町528) 像内銘により嘉暦4年(1329)に仏師南都方法橋覚清が清水寺常行堂摩多羅大明 ひのきざい いちぼくづくり き じ 神像として造ったことが知られる。近年の調査で発見された。檜 材の一 木 造、素地仕 - 14 - 上げになる。 天台常行堂に祀られ、宗教史ならびに芸能史上注目を集めながら実体が不明なところ の多い摩多羅神の最古の作例として注目される。 (鎌倉時代) - 15 - <工芸品の部> (重要美術品を重要文化財に 1件) おがわはりつさく かしわみみずくまきえりょうしばこおよびかすがのまきえすずりばこ ① 柏木菟蒔絵料紙箱及春日野蒔絵硯箱 小川破笠作 一具 【大きさ】(料紙箱) 縦37.3cm 横28.2cm (硯箱) 縦27.2cm 横17.5cm 【所有者】公益財団法人出光美術館 (東京都千代田区丸の内3-1-1) 高14.1cm 高 5.6cm あ き の 蓋表に窓枠を設け、料紙箱には柏に木菟図、硯箱には春日野(秋野に鹿)図の異な る画題を表した一具である。 ぞうがん なまりいた ら で ん 蒔絵と陶器の象嵌を組み合わせた破笠独特の技法に、一部に鉛 板や螺鈿を加えて、 りつおうせい 多彩に表されている。料紙箱の底に「笠翁製」の陶板銘がある、小川破笠(1663 ~1747)を代表する優品である。 (江戸時代) (文化財を重要文化財に 6件) しが らき ひがきもんつぼ 信楽 ① 檜垣文壺 一口 【大きさ】高 42.0cm 胴径 40.3cm 【所有者】国(文化庁保管) 口径 12.5cm 底径 15.0cm こ よ う て い ぶ 中世を代表する古窯の一つである信楽の壺。強く張った肩や胴部に比較して底部が こうえんぶ いちじょう とつ たい 小さい形など、 室町時代初期の特徴をよく示している。 口縁部は上端近くに一 条の凸帯 めぐ を廻らせた信楽に特徴的に見られる二重口縁とする。肩には、南北朝時代の 14 世紀後 半に出現し、室町時代の 15 世紀には盛んに用いられ信楽を代表する文様となった檜垣 文を廻らす。 かんぞん 信楽では遺例が比較的少ない室町時代初期に遡る完存に近い大作で、現存する檜垣 文壺の中では初期に属する作品の一つで、信楽を代表する優品である。 (室町時代) ち ょ うじ ろ う さく 長次郎作 ② 黒楽茶碗(ムキ栗) く ろ ら くち ゃ わん くり 一口 【大きさ】高 8.5cm 口径 10.3~10.4cm 【所有者】国(文化庁保管) - 16 - 高台径 4.9cm はんつつがた 長次郎作の黒楽茶碗であるが、胴部は半筒形から変化ある四方形を作り出したもの で、長次郎を含め桃山時代の茶碗としては他に例を見ない作品である。 本茶碗は長次郎初期の作になる黒楽茶碗を代表する優品の一つであり、また他に類 よ ほ う が た ちゃわん 例が見られない四方形茶碗として、桃山時代の茶道具の在り方を示す茶道文化史上極 めて貴重な作品である。 (桃山時代) くろりんずじわかまつもみじしかこばなもんようしぼりぬいこそで ③ 黒綸子地若松紅葉鹿小花文様絞繡小袖 み た け 一領 ゆき 【大きさ】身丈 152.1cm 裄 63.6cm 【所有者】独立行政法人国立文化財機構 (東京都台東区上野公園13-9) 東京国立博物館保管 ししゅう あわせ か の こ 黒綸子地に絞りと刺繡で文様を表した 袷 仕立ての小袖。鹿子絞り部分は黒地と藍地 けいちょうこそで の二種ある。黒地刺繡部分は、若松、紅葉に鹿、小花の文様を交互に表す。慶長小袖 かんぶんこそで から寛文小袖にいたる文様構成の流れを汲み、江戸時代前期の特徴をよく示した小袖 である。 当時の服飾や染織技法を知る上でも欠くことのできない貴重な作品である。 (江戸時代) かつらがわみょうおういんみしょうたい ④ 葛川明王院御正体 六面 【大きさ】径 75.8~108.5cm みょうおういん 【所有者】宗教法人明 王 院 ぼうむらちょう (滋賀県大津市葛川坊 村 町155) 本堂に安置される大型の6面は、不動明王像及び二童子像、宝塔などを鏡面の中心 め いと く ぶ んあ ん に据えたものである。明徳3年(1392)から文安4年(1447)の年紀のほか、 せにゅうめい 施主、大工を始めとする施入銘が、裏面には墨書、または表に線刻にて表される。ま ご ま ど う じしゅみょうじん た、現在護摩堂に安置される御正体群には、隣接する地主明神への施入を墨書した1 ひえいさんろく 面も含まれており、中世を通じて比叡山麓における天台系寺院の歴史、ならびに神仏 習合としての信仰の一形態を知る上で貴重な一群である。 (室町時代 明徳3年(1392)~文安4年(1447)) でんそうきやまみちもんあや 田相黄山道文綾 ⑤ 九条袈裟 じ ょ う よ う こ ん し ゅ す じ し ょ そ ん か ち ょ う も ん し し ゅ う 条葉紺繻子地諸尊花鳥文刺繡 く じ ょ う け さ 一領 【大きさ】長 136.7cm 幅 336.2cm て んじ ゅあ ん ふく ち ちょ う 【所有者】宗教法人天授庵(京都府京都市左京区南禅寺福地町) 京都国立博物館寄託 - 17 - て ん ぶ 黄山道文綾の上に、紺繻子を縫い合わせた九条袈裟。条葉には如来や天部などの しょそんぞう あみしゅう 諸尊像、花鳥や唐草、雲などの文様を編 繡を主とした刺繡で表す。縁には、編繡によ る雲文を切付ける。編繡は、国内外共に遺例が極めて少なく、その中でも古い遺例と して非常に貴重である。 (南宋末~明時代) な べし ま いろえさんすいたけとりもんりんかおおざら ⑥ 色絵山水竹鳥文輪花大皿 鍋島 一枚 【大きさ】高 7.0cmほ うこ 口径 34.5cm う 【所有者】財団法人鍋島報效会 (佐賀県佐賀市松原2-5-22) はんよう 高台径 22.5cm けいあん 磁器を生産した鍋島藩窯を運営した鍋島家に伝来した磁器である。慶安4年(165 さ い か 1)に将軍家光に内覧し裁可を得て磁器の献上が開始されたが、その内覧には本作品の ような色絵磁器が供されたと推測されている。 鍋島藩窯創出に関わる最初期の遺例であり、手本となる中国色絵磁器とともに伝来す る唯一の作品である。鍋島藩窯成立の状況を伝来作品により知ることができ、日本陶磁 史上における学術的価値は極めて高い。 (江戸時代) - 18 - <書跡・典籍の部> (重要美術品を重要文化財に 2件) つ ち み かど い ん ぎ ょし ゅ う ① 土御門院御集 一帖 せんち せんち 【大きさ】縦 20.6 糎 横 13.3 糎 【所有者】学校法人日本大学 (東京都千代田区九段南4-8-24) 日本大学総合学術情報センター保管 『土御門院御集』は、歌人として優れた土御門院(1195~1231)の私家集で じょうきゅう は い る ある。承 久の乱による配流後の作品であり、配流の境遇を嘆き、望郷の思いを綴った 歌が多い。 本書は、書写の時期が鎌倉時代中期になり、成立時期に近い最善本で、かつ現存最古 写本として貴重なものである。 (鎌倉時代) こうやぎれ (高野切) ② 古今和歌集巻第一断簡 かんぴょう (寛 平の) こきんわかしゅうまきだいいちだんかん 一幅 【大きさ】縦 25.8糎 横 41.0糎 【所有者】公益財団法人出光美術館 (東京都千代田区丸の内3-1-1) か な 『古今和歌集』を書写した現存最古の写本の断簡である。本文は仮名の美を表現する こうやさん 名品である。高野切の名称は高野山に伝来したことに由来する。 れ ん め ん たい 本幅は、完成された仮名の流麗な連綿体の美を見せ、国文学上の価値と共に、仮名の 最高峰の名跡として書道史上にも著名なものである。 (平安時代) (文化財を重要文化財に 4件) まつのおしゃほうらくわか ① 松尾社法楽和歌 かんおう 一巻 あしかがたかうじほかさんぴつ 観応二年九月十一日足利尊氏外三筆 【大きさ】縦 31.4糎 全長 241.4糎 【所有者】国(文化庁保管) 和歌を神仏にたむける法楽和歌は平安時代から行われ、最古のものは『相模集』にみ える箱根権現に捧げた百首和歌である。本巻は、足利尊氏(1305~1358)が観 - 19 - た だよ し か っせ ん お う み れ い む 応2年(1351)に弟直義との合戦中、近江の陣中にて霊夢をみて、和歌を詠み、そ の後松尾社に奉納した原本である。 中世和歌史上、書道史上に貴重なものである。 (南北朝時代) しんしゅうじょうどおうじょうでんまきじょう げ ② 新修浄土往生伝巻 上、下 だいじ 二帖 おくがき 大治三、五年書写奥書 【大きさ】縦 28.4糎 横 16.2糎 【所有者】国(国立国会図書館保管) げ んぽ う お う こ かい じゅ 『新修浄土往生伝』は元豊7年(1087)、北宋の王古撰になる往生伝である。戒珠 りゃくでん き ず い 撰『浄土往生伝』を増補する。内容は浄土に往生した人々の略 伝と往生時の奇瑞を記 す。 こうざんじ 本巻は、大治年間(1126~1130)の書写になる現存最古写本で、高山寺旧 蔵本である。成立後、あまり時を経ずに将来されており、仏典受容史上に注目される。 (平安時代) ほけきょう ③ 法華経 けんじ 八巻 そうしょうがんもん 建治二年八月四日宗 性 願 文 【大きさ】縦 26.3糎 全長 985.4糎 【所有者】独立行政法人国立文化財機構 (東京都台東区上野公園13-9) 奈良国立博物館保管 そうしょう ほ つが ん 本巻は、鎌倉時代を代表する東大寺学僧である宗 性(1202~1278)の発願に ち ご なる法華経で、建治2年(1276)書写になる。奥書から、年来同宿していた稚児の 殺害事件が写経の動機であること、宗性とその周辺の19人の僧侶らによって書写され よりあいきょう た寄 合 経で、一周忌にあたる日に供養したことが知られる。 中世寺院社会の実態を知る上で貴重である。 (鎌倉時代) しんしゅうじょうどおうじょうでんまきげ ④ 新修浄土往生伝巻下 ほうげん 一帖 べんしょう 保元三年六月十七日弁 昭書写奥書 【大きさ】縦 28.4糎 横 16.0糎 【所有者】宗教法人東大寺 (奈良県奈良市雑司町406-1) 本書は、保元3年(1158)、東大寺弁昭書写になる古写本で当初の姿・内容を伝 - 20 - える。 ま っ ぽう 末法思想による極楽浄土の希求を反映した往生伝受容の南都における広がりが注目さ ね ん き お りほ ん れる。また、年紀の判明する折本の古い事例としても貴重である。 (平安時代) - 21 - <古文書の部> (文化財を重要文化財に 5件) か げ ん き ① 嘉元記 一冊 【大きさ】縦 26.5糎 横 18.2糎 【所有者】独立行政法人国立文化財機構 (東京都台東区上野公園13-9) 東京国立博物館保管 鎌倉末・南北朝時代における法隆寺の行事・経営や周辺の様子などを寺僧が記した寺 院記録である。 か げ ん じょ う じ 記載時期は嘉元3年(1305)から貞治3年(1364)までの60年間に及ぶ。 お 長短370余の記事を年次を逐って記している。内容は、南北朝時代の様相をはじめと して、法隆寺及びその周辺で起こった殺傷・盗難事件から大風・地震などの自然災害に まで及んでいる。 中世社会の実相を具体的に伝える史料として貴重である。 (鎌倉時代) て んぴ ょ う ほう じ まこのしまぬしげ ② 万昆嶋主解 にじゅう 天平宝字二年七月 廿 八日 一通 しはいしゃせんかんきょうしょじきもつようちょう 紙背写千巻経所食物用帳 【大きさ】縦 28.9糎 横 24.7糎 【所有者】独立行政法人国立文化財機構 (東京都台東区上野公園13-9) 奈良国立博物館保管 しゃきょうしょ きょうじ まこのしまぬし ふ さ ん げ 写 経 所の経師であった万昆嶋主が、天平宝字2年(758)に出した不参解(欠勤 届)である。 欠勤の理由は姑の看病であり、当時の生活の有様や生の声を伝える貴重な史料であ る。 し は い 紙背には「写千巻経所食物用帳」があり、写経生に支給する食物の詳細が知られる 史料としても重要なものである。 (奈良時代) あ ん し ょう じ し ざ いち ょ う ③ 安祥寺資財帳 しとく 一巻 けんぽう 至徳二年七月日賢宝書写奥書 【大きさ】縦 27.6糎 横 1263.7糎 【所有者】国立大学法人京都大学 (京都府京都市左京区吉田本町) - 22 - に っと う え う ん 安祥寺は、入唐僧恵運(798~869)が開いた真言系の密教寺院である。 じょうがん かんろく こんりゅう 資財帳は、恵運が貞 観9年(867)に自ら勘録したもので、寺の建 立の経緯、寺 の規模、資財などを詳細に記す。 ほうえん か ん し ゅ うじ ほ う む ご じ 本巻は、保延2年(1136)の写本である「勧修寺法務御持本」を、至徳2年(1 と う じ かんちいん 385)に東寺観智院賢宝が書写させた南北朝時代の古写本で、現存諸本の親本にあた る。 (南北朝時代) ほそかわけもんじょ にひゃくろくじゅうろくつう ④ 細川家文書(二百六十六通) 十一巻、二十三幅、二冊、百八十通 えいせいぶんこ 【所有者】公益財団法人永青文庫 (東京都文京区目白台1-1-1) 熊本・細川家に伝来した文書群で、 室町時代の武家文書の典型的な文書様式のものや、 お だ の ぶ な が と よ と みひ で よ し 安土桃山時代の織田信長、豊臣秀吉らの書状が多数含まれている。とくに、信長文書は 質量ともに圧巻といえる。 あづちじょうふしん ほんのうじ 歴史的な出来事である長篠の戦い、安土城普請、本能寺の変、関ヶ原の合戦直後の状 況を伝えるものも含まれており、当時の緊迫した状況が窺われる史料として貴重である。 (鎌倉時代~江戸時代) ぶ ぜ ん の く に う さ ぐ う え ず ⑤ 豊前国宇佐宮絵図 一幅 【大きさ】縦 135.0糎 横 139.0糎 う さ じ ん ぐ う 【所有者】宗教法人宇佐神宮 (大分県宇佐市大字南宇佐2859) う さ づかい すうけい はちまんぐう 宇佐宮は奈良時代以降、朝廷の崇敬が厚く、宇佐 使 が派遣された。宇佐八幡宮とも ぶぜんのくにいちのみや いわれる豊前国一宮である。 おうえい み ろ く じ が ら ん ふ か ん 本図は、応永の造営時の宇佐八幡宮と、神宮寺である弥勒寺伽藍の様子を俯瞰的に描 いた絵図である。 中世の神仏習合の状況を具体的に知ることができる貴重な史料である。 (室町時代) - 23 - <考古資料の部> (文化財を重要文化財に 9件) ほ っ か い どう ふ な ど まり い せ き しゅ つ ど ひん ① 北海道船泊遺跡出土品 一括 れ ぶ んち ょう 【所有者】礼文町 かふかむら (北海道礼文郡礼文町大字香深村字トンナイ558-5) 礼文町町民活動総合センター保管 礼文島に所在する縄文時代後期中葉の集落跡と集団墓地、及び作業場跡等から出土し た副葬品の一括。 とりわけ貝製品には、地元産のビノス貝で作られた多量の平玉に加え、房総半島以南 に生息するタカラ貝など、遠隔地から搬入された貝類を素材とした装身具が多数含まれ る。これらは、当時の広域な物資交易の実態をよく示す、貴重な資料である。 (縄文時代) にいがたけんむらじりいせきしゅつどひん ② 新潟県村尻遺跡出土品 し ば 一括 た 【所有者】新発田市(新潟県新発田市中央町4-10-4) 弥生時代前期~中期に形成された集団墓地から出土した、土偶形容器と、壺形・鉢形 さいそうぼ 土器等からなる一括である。これらは、再葬墓からの出土品として典型的な資料で、な かでも大形で特異なつくりの土偶形容器は特徴的である。 こつぞうき 弥生時代に東日本で発達した土器を骨蔵器として利用する墓制を示す良好な資料であ ど ぐ う り、またそれらに土偶形容器が組み合う事例として、学術的価値が高い。 (弥生時代) やまなしけんさけのみばいせきしゅつどひん ③ 山梨県酒呑場遺跡出土品 一括 【所有者】山梨県 (山梨県甲府市丸の内1-6-1) 山梨県立考古博物館保管 縄文時代前期に始まり、中期に最盛期を迎える集落跡から出土した、多量の土器・土 製品、石器・石製品の一括。特に土器は、中部~関東地方に広く分布する勝坂式土器の 優品が数多く含まれる。 これらは縄文時代の土器造形における、ひとつの到達点を示す資料で、土偶や石器・ 石製品も多彩で、中部地方周辺における縄文時代の集落遺跡の実態を良く示す貴重な資 料である。 (縄文時代) しずおかけんみようがじまこふんぐんしゆつどどせいひん ④ 静岡県明ヶ島古墳群出土土製品 千六十四点 - 24 - い わ た し こ う の だ い 【所有者】磐田市(静岡県磐田市国府台3-1) 磐田市埋蔵文化財センター保管 5世紀前半の祭祀に供された、土製品の一括資料である。土製品の種類は極めて多彩 で、人形を主体として、動物形や武具形・武器形・鏡形といった器財形を含み、装身具 形・農工具形・容器形さらには紡織具形・楽器形などにまで及ぶ。 これらは、当時の祭祀に使われた土製供献品の組み合わせを良く示しており、わが国 における古墳時代の祭祀の実態を把握するうえで極めて貴重な資料である。 (古墳時代) ぎふけんもとやしきとうきかまあとしゅつどとうき ⑤ 岐阜県元屋敷陶器窯跡出土陶器 三百九十点 や ぶ たみ なみ 【所有者】岐阜県(岐阜県岐阜市藪田南2-1-1) た じ み 岐阜県立多治見工業高等学校保管 のぼりがま 16 世紀後半から 17 世紀初頭操業の大窯3基と、17 世紀初頭操業の登 窯1基の4基の も の ばら み の や き 窯跡と、物原から出土した、安土桃山時代から江戸時代初期までの美濃焼の陶器一括。 てん もく し の お り べ と う そ かとうかげのぶ か ら つ 天目、志野、織部など各種陶器を含む。特に登窯は、陶祖と讃えられる加藤景延が唐津 から初めて美濃に導入した記念碑的遺構で、出土品からは高級茶器の専業的生産に移行 していく経過がよくわかる。 本件出土資料は、県立多治見工業学校(当時)の発掘調査分である。 (安土桃山~江戸時代) ぎふけんもとやしきとうきかまあとしゅつどひん ⑥ 岐阜県元屋敷陶器窯跡出土品 と 一括 き 【所有者】土岐市(岐阜県土岐市土岐津町土岐口2101) 土岐市美濃陶磁歴史館保管 16 世紀後半から 17 世紀初頭操業の大窯3基と、17 世紀初頭操業の登窯1基の4基 ものばら の窯跡内・物原から出土した、安土桃山時代から江戸時代初頭までの美濃焼の陶器、 各種窯道具の一括。 と う そ ほ う さ ん か い 本件は、地元の美濃陶祖奉賛会(陶磁器業者の連合体)による発掘調査と、土岐市教 育委員会の発掘調査分である。 わが国の陶磁史を考える上で、極めて貴重な一括である。 (安土桃山~江戸時代) し び こ ⑦ 鴟尾 四箇 【所有者】大津市 ごりょうちょう (滋賀県大津市御 陵 町3-1) 大津市歴史博物館保管 おおつのみや やま かみ 天智天皇が大津宮に遷都した頃に近い、7世紀後半に操業していた山ノ神四号窯跡か - 25 - らの出土品一括。 寺院などの建物の屋根に乗せられる鴟尾4基が、窯で焼かれたままの状態で出土した。 これは鴟尾の一括出土例としては最多である。鴟尾の内面には同心円文など、須恵器整 形の技法が応用され、製作工人の性格等を考察するうえでも貴重である。 (飛鳥時代) ひょうごけんちゃすりやまこふんしゅつどひん ⑧ 兵庫県茶すり山古墳出土品 一括 あ さ ご 【所有者】朝来市(兵庫県朝来市和田山町東谷213-1) 朝来市埋蔵文化財センター保管 5世紀前半の墳長 90 メートルの円墳の墳頂部に設けられた2基の埋葬施設からの副 ばんりゅうきょう どうきょう 葬品と、 墳丘から出土した埴輪の一括。 内容は極めて多彩で、 盤 龍 鏡などの銅 鏡4面、 たんこう しょうかくつきかぶと かっちゅう てつほこ 短甲・衝 角付 冑各2領を含む甲 冑に、鉄剣・鉄鉾など多量の鉄製武器と、玉類などが た じ ま 組み合う。特に複数種の銅鏡や、鉄製品が極めて充実しており、但馬地方を代表する古 墳の出土品として、質・量ともに重要な位置づけを持つ資料である。 (古墳時代) ながさきけんはるのつじいせきしゅつどひん ⑨ 長崎県原の辻遺跡出土品 い 一括 き 【所有者】壱岐市 ご う の うら ち ょう ほ ん むら ふれ (長崎県壱岐市郷ノ浦町本村触562) い き こ く 壱岐市立一支国博物館保管 はたほこ か ん ごう 壱岐島の南東部、幡鉾平野に所在する大規模な弥生時代の環濠集落跡からの出土品。 ら く ろう さんかん けん 出土品は極めて多彩で、大陸から将来された楽浪・三韓系の土器、銅鏡や権(銅製の重 り)などの外来系の遺物が目立つ。 これらは、朝鮮半島と九州を結ぶ当時の交易及び対外交流の拠点的な集落の出土品と いう性格を如実に示すもので、その学術的価値は高い。 (弥生時代) - 26 - <歴史資料の部> (文化財を重要文化財に 4件) と う き ょう だ い が くし か ん けい し り ょ う ① 東京大学史関係資料 千九十三点 【所有者】国立大学法人東京大学 (東京都文京区本郷7-3-1) 東京大学史史料室・総合図書館保管 東京大学創設(明治10年)の前史を含み、東京大学期、帝国大学期、東京帝国大学 期を経て、新制の東京大学に至るまでの資料が含まれる。 これらは、東京大学の歴史に関する根本資料であるのみならず、近代日本の大学教育 おや と い が いこ く じん 制度の成立・発展の過程を具体的に記す貴重なものであり、また、御雇外国人や我が国 の海外留学生の動向をつぶさに伝える点でも他に類例がなく、近代日本の草創期の教育 ・研究、学術の受容の実態を伝える資料として、学術的価値が高い。 (江戸時代~昭和) にらやまだいかんえがわけかんけいしりょう ② 韮山代官江川家関係資料 三万八千五百八十一点 【所有者】公益財団法人江川文庫 (静岡県伊豆の国市韮山韮山1) 江戸時代をほぼ通じて幕府韮山代官を世襲した江川家に伝えられた文書・記録類、著 述稿本類、和書・漢籍類、洋書・訳書類、書画・器物類、武器・武具類など38,58 1点。 本資料群は、中世後期以来一貫して韮山に住した江川家の歴史を伝えるとともに、幕 府代官所の機構、職務、支配の実態など近世の代官研究の基礎資料として政治史研究上 に価値が高い。 さらには江戸時代後期から幕末維新期における資料群は、当該期の政治、軍事、外交、 文化史等の研究上特筆される。 (室町時代~昭和) えがわけかんけいしゃしん ③ 江川家関係写真 四百六十一点 【所有者】公益財団法人江川文庫 (静岡県伊豆の国市韮山韮山1) 江川文庫には、幕末から昭和初年頃までに撮影された多数の写真が所蔵される。 アンブロタイプやフェロタイプなど、写真技術史上に貴重な資料を多く含む点で重 けいらんし 要であるのみならず、鶏卵紙写真など、すべて当初から江川家に直接伝存するものであ る。その多くが撮影もしくは入手の経緯が付属する記録等により明らかであり、歴史資 - 27 - 料として貴重性が高く、我が国の写真史上重要なものである。 (江戸時代~明治時代) いわくらともみかんけいしりょう ④ 岩倉具視関係資料 千七百七点 びょうどうだいえいかい 【所有者】宗教法人平等大慧会 (広島県広島市東区牛田東1-4-17) もり 海の見える杜美術館保管 しょかん 岩倉具視(1825~1883)宛ての書翰や意見書・報告書類、および岩倉の書翰 草稿からなり、1,707通を数える。 さんじょうさねとみ おおくぼとしみち き ど た か よ し いとうひろぶみ 本資料群は、岩倉宛の三条実美、大久保利通、木戸孝允や伊藤博文書翰類が量的に充 実し、幕末の政局、明治新政府の樹立、東京遷都、廃藩置県、岩倉遣欧使節、西南戦争 など激動する当該期の政治の動向を伝える重要な一次資料群である。 既指定の岩倉具視関係資料と相俟って、岩倉具視の事績を知るうえのみならず、幕末 維新期の政治史研究上に学術的価値が高い。 (江戸時代~明治時代) - 28 - Ⅲ.参考 ○国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定件数 事 項 新規指定件数 種 別 国 宝 合 重要文化財 計 絵 画 0 10 1,987(159) 彫 刻 2 9 2,676(128) 工 芸 品 0 7 2,439(252) 書跡・典籍 1 6 1,893(224) 古 文 書 0 5 749( 60) 考古資料 0 9 603( 45) 歴史資料 0 4 177( 合 3 50 計 3) 10,524(871) (注)合計欄括弧内の数字は国宝の件数で、内数である。 - 29 -