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3 包括的支援体制の充実 【施策の方向】
3 包括的支援体制の充実 より一層の地域移行を進めるため、障がいのある人が地域で自立した生活をするためには、地域の 福祉・保健・医療・教育・就労等の専門的な知識のある関係機関の連携による、包括的な支援体制を 充実させる必要があります。 アンケート調査において、障がい福祉サービスをより利用しやすくするための希望は、「どんなサ ービスがあるのか、もっと情報がほしい」が全ての障がい種別で最も多くなっており、障がいのある 人が適切に福祉サービスを選択し、利用できるよう制度の周知を図る必要があります。また、他にも 「費用負担を軽くしてほしい」が共通して多くなっており、障がいのある人の経済的な安定を図るた め、各種年金・手当制度や医療費助成制度等を充実させ、利用を促進するための普及・啓発を行うこ とが重要です。 【施策の方向】 3 (1)生活習慣病予防と早期医療の充実 包括的支援体制の充実 三大生活習慣病である脳血管障がい等を中心に、健康診査の受診率の向上を図り、生活 習慣病予防や早期発見に努めるとともに、早期治療により生活習慣病等による障がいの 予防、軽減化を図ります。また、生活習慣病の発症予防のための健康教育の充実を図り ます。 (2)精神保健対策の充実 心の健康への意識高揚を図り、過度の精神的ストレス状態や精神疾患の初期症状に早期 に対応することにより、心の健康の維持回復を図ります。 (3)障がいのある人の健康管理、健康増進策の充実 ①障がいのある人の健康診断の受診機会を確保するとともに、受診しやすい環境を整備 し、健康の増進を図ります。 ②健康教育、健康相談、訪問指導の充実に努めます。 (4)生活機能訓練の拡充 ①障がいのある人が治療的リハビリテーション*後、生活設計をいかに組み立て、社会参 加を実現していくかについて総合的な支援を行います。 ②在宅障がい者の身体機能維持、生活の質(QOL)の向上や社会参加の促進を図ります。 ③家庭における介護方法を習得し、介護者の負担軽減を図ることを目的に、療育、看護、 治療等の様々な面について、家族、市民、ボランティアグループなどを対象に実技を伴 った指導、講演会の開催を検討します。 ④在宅の重度障がい者に対する訪問支援体制を充実します。 (5)診断・治療体制の充実 障がいのある人の様々な疾病に対する診断、治療体制に加え、医療機関との連携を図り、 障がいの早期発見、早期治療の体制づくりに努めます。 35 (6)利用しやすい医療施設の環境づくりの推進 町内の医療機関において障がいのある人が安心して適切な医療が受けられるよう、受診 しやすい環境の整備促進に努めます。 (7)障がいのある人の歯科診療の充実 歯科診療を受けることが難しい障がいのある人に対して、受診機会の確保を図るととも に、身近な地域において受診できるように努めます。 (8)医療費の公費負担及び助成制度の実施 障がいのある人が健康を保持し、障がいの軽減を図ることができるよう、必要な医療費 の負担、助成に努めます。 (9)介護保険制度*との連携強化 介護保険制度*の保険給付に加え、さらにサービスを必要とする障がいのある高齢者に 対し、引き続き障がい者施策においても適切なサービスの提供に努めます。 (10)福祉事業従事者の育成・確保 ①福祉サービスの需要に応じた人材の養成と確保を推進します。 ②福祉事業に携わる職員・介護員(ヘルパー)等の技術の向上に努めます。 ③福祉事業従事者等の人材確保を図ります。 ④住民全体で介護の問題を考え、地域リーダーの発掘・育成に努めます。 (11) 権利擁護*の推進 ①障がいなどにより判断能力が不十分な人が、財産の管理や、福祉サービスの利用・施設 入所に関する契約などをするときに、法律面や生活面で支援する成年後見制度の周知に 努め、利用を促進します。 ②障がいなどにより日常生活を営むことに支障がある人に対し、福祉サービスの利用に関 する相談、助言、利用手続きの支援や日常的な金銭管理を行う日常生活自立支援事業の 周知に努め、利用を促進します。 ③障がいに対する差別や偏見の解消を図るため、正しい知識の普及・啓発に努め、更に相 談窓口等の充実を図ります。また、障がいのある人に対する差別がなくなるように具体 的施策の検討を国・県に要望していきます。 (12) 障がい予防の推進 ①障がい予防知識や健康管理に関する情報の普及を促進するため、広報誌等による継続的 な情報提供を行います。 ②それぞれのライフステージに対応した保健指導の体制を充実し、医療機関、事業者及び 施設など、相談・支援に関わる関係機関との連携を図り、総合的な相談体制の強化に努 めます。 ③中途障がいの要因のひとつである交通事故について、関係機関に働きかけるとともに、 交通安全運動などの展開により、その防止に努めます。 36 《 事業の展開 》 事業の名称及び内容 ●健康教育・健康相談 各種健康診査の後に生活習慣改善を目指し、健康教育を行います。また、健康相談は保健師、栄 養士等が保健指導・助言を行い、住民の健康維持、増進を図ります。 ●健康診査 住民の健康維持、増進のために各種健康診査を実施し、疾病・異常の発見、早期治療を目指しま す。 ●自立支援医療(更生医療)給付事業 身体障がい者が障がいを軽減し、日常生活を容易にするためなどに、医療を給付します。 ●重度障害者(児)医療費助成事業 重度障がい者に係る医療費の助成を行い、医療費の軽減等を図ります。また、対象者の範囲を拡 大し、更なる福祉の増進を図ります。 ●精神障害者医療費助成事業 通院している精神障がい者や3ヵ月以上入院している精神障がい者の医療費を助成して、医療費 の軽減等を図ります。 ●自立生活支援に関わる相談事業 障がいのある人の自立生活における不安を解消するため、相談支援事業所や各障害者相談員等を 窓口として生活上の問題に取り組むとともに、心のケアを図ります。 ●自立生活支援に関わる支援事業 身体機能の維持や社会参加の促進など、障がいのある人の身体的・精神的な自立生活を支援する ため、支援体制の充実を図ります。 ●家庭訪問 障がいのある人等の在宅療養状況により、保健師や看護師、地域包括支援センター*等が連携を とって家庭に訪問し、本人や家族に対し、看護、口腔、栄養指導等を行い療養生活が円滑にいく よう支援します。 ●特別児童扶養手当 重度の障がいがあり、日常生活において常時の介護を必要とする在宅の 20 歳未満の児童を養育 している保護者に給付します。 ●特別障害者手当 心身に重度の障がいがあり、日常生活において常時の介護を必要とする在宅障がい者に支給され ます。 ●心身障害者扶養共済掛金助成事業 障がいのある人の生活の安定を図るため、扶養共済掛金の一部を助成します。 37