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債権放棄の経済的機能 - 日本経済研究センター

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債権放棄の経済的機能 - 日本経済研究センター
債権放棄の経済的機能
ーイベント・スタディによる実証分析内田交謹
内田交謹北九州市立大学
後藤尚久
北九州市立大学
90年代後半には、メインパン クを中心とした融資銀行団が経営危機に陥った企業に
対して、従来の金利減免や救済融資とは異なる債権放棄とし、う金融支援を行うことが
多くなった。本稿では、メインパンクが債権放棄を行う動機は何か、債権放棄がどの
ような経済的機能を持っかという問題をイ ベント ・スタデ‘ィに より検証した。主な結
論は、メインパンクが債権放棄を行う動機として保険提供仮説は支持されず、効率的
な経営破綻処理を低コストで行う再交渉の調停役として、あるいはモニターとしての
名声を維持するために債権放棄を行っているというものであった。したがって、メイ
ンパンクが今なお債権放棄を通じて、ある一定の経済的機能を果たしているとは言え
る。ただし同時に、債権放棄による企業価値の増加は企業に属し、メイ ンパンク には
属さないという結果も提示された。この結果は、 90年代後半にはメインパンクの交渉
力が低下してきたことを示唆している。
.1
はじめに
日 本 州 金 融 シ ス テ ム に お け る l つ の 特 徴 と し て 、 多 く の 大 企 業 が メ イ ン パ ンクと
4
金融学 中部部会(中京大学)やセミナー(名古屋市立大学)
において、棲川昌哉先生 名
( 古屋市立
大学)、細野薫先生(名古屋市立大学)、水谷研治先生(中京大学)、村瀬英彰先生(名古屋市立大学)、
家森信善先生(名古屋大学)、ならびに本誌レフェリーから受けた多くの御助言は本稿の改訂に際し非
常に有益でありました。記して感謝いたします。また、本研究を行うにあたり、全国銀行学術振興財団
1年度)を受けました。併せて感誘すいたします。
より研究助成(平成 1
・干 8
ゆ2
8
5
7
7北九州市小倉南区北方 4
2
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128 日本経済研究 .N
o4
5.
2
0
0
2
.6
呼ばれる特定の銀行と長期的取引関係、を維持してきたことが指摘される。しかしな
がらオイルショック以降、大企業は銀行借入から証券市場を通じた資金調達にシフ
トし、企業とメインパンクの取引関係は大きく変化してきている。さらにパブ、ル崩
壊後には不良債権問題が深刻化したことなどを背景に、メインバンクの機能に対し
て疑問が提起されている。
他方近年では、経営危機に陥った企業に対してメインパンクが債権放棄を行うこ
とが報道されている。このことは、経営危機に陥った企業に金融支援を行い、再建
を支援するメインパンクの役割が、今なお企業にとって重要であることを示唆して
いる 1。また、従来メインパンクが金融支援を行う場合には金利減免や救済融資とい
ったタイプの金融支援が一般的であったことを考慮すると 2 、最近では債権放棄とい
う「相対的に強い」金融支援が行われていることになる。ただし新聞報道等では、
債権放棄に関して企業のモラル・ハザードを誘発するといった、否定的な見解が提
示されることが一般的である。
本稿の目的は、メインパンクの債権放棄がどのような動機で行われているか、ま
たメインパンクの債権放棄がどのような経済的機能を持っかという問題を実証的に
明らかにすることである。具体的には、メインパンクの金融支援に関する先行研究
をレビューした上で株式市場におけるイベント・スタディを行い、債権放棄のアナ
ヴンスメントに対するメインパンクと企業の株価反応を検証することになる。この
ような分析を行うことによって、不良債権問題が深刻化したバブル崩壊後に、メイ
ンパンクが企業の経営危機時に何らかの経済的機能を果たしているかという問題に
ついて、一定のインプリケーションを導くことができる。
なお、メインパンクの金融支援一般について株式市場を対象としたイベント・ス
タディを行った先行研究としては、福田・広田(1 9
9
5
)があり、そこでは 1
9
9
0年代前
9
9
5年以降の債権放棄を対象
半までの金融支援が分析対象となっている。本稿では 1
1
9
9
5
)の結果と比較する。これによ
としたイベント・スタディを行い、福田・広田 (
って、不良債権問題が深刻化し、北海道拓殖銀行等大手の金融機関が破綻するなど、
銀行の健全性が低下したと指摘される状況で債権放棄という「相対的に強い j 金融
l
富士総合研究所のアンケート調査によれば、 「メインパンクは経営危機に際して緊急支援等の支援を
してくれるとお考えで、すかJ という質問に対して、一部上場企業の 63.0%が f当然応えてくれる」、
30.1%が「企業の状況によっては応えてくれなし、かもしれないが、期待はしている」と回答している。
富士総合研究所 r W メインパンク・システムおよび株式持ち合し、』についての調査j 、1
9
9
3年
。
2S
heard (1994) の上場企業のリストラにおけるメインパンク関与の事例 42 件(1 960 年代半ば~1990
年代初頭)において、融資の償却が行われたケースは 1件あったものの、債権放棄が行われたと明示的
に示されているケースは存在しなかった。
債権放棄の経済的機能
129
支援を行っているメインパンクの動機や経済的機能についで考察することができる。
本稿の構成は以下の通りである。 2 節では、メインパンクの金融支援についての
先行研究をレビューする。 3節では分析方法を説明す?る。 4節では、債権放棄につい
てのイベント・スタディの実証結果を提示し、解釈を行う。 5節では結論が提示さ
れる。
2
. 先行研究
2
.
1 メ イ ン パ ン ク の 金 融 支 援 に つ い て の 理 論 仮 説3
)1(
保険提供仮説
メインパンクの金融支援についての 1つの仮説として、金融支援をメインパンク
による保険提供と考える議論がある(中谷(1
9
8
3
)、Sheard
1( 9
8
6
)等)。この議論で
は、企業は通常の状態にある際には、メインパンクから安定的な借入を行うと同時
に、預金、外為取引、支払手形の決済等の金融サービスをメインパンクに集中する
という形でメインパンクに保険料を支払っておき、企業が経営危機に陥った際には
金利減免、救済融資などの金融支援という形で保険金を受け取ると考えるのである。
この保険提供の議論では、金融支援は事前に受け取った保険料の見返りとして行
われるため、金融支援の実行自体はメインパンクにとって有利な行動ではないとい
ヨことになる。したがってメインパンクの金融支援が保険提供として行われていれ
ば、金融支援のアナウンスメントによってメインパンクの株価は下落し、企業の株
価は上昇することになる。
(
2
) 名声の維持
近年のメインパンク理論の l つに、メインパンクを企業についての委託されたモ
ニター(情報生産者)とじて捉える議論がある。この議論では、融資銀行田が企業
に対するモニタリングをメインパンクに委託しており、メインパンクが企業に対す
るモニタリングを専属的に行っていると考えられている。そしてメインパンク以外
の貸し手彦、メインパンクがモニタリングを行うことを前提に資金を貸し出すとさ
れている(堀内(1
9
9
0
)、Aoki、P
a
t
r
i
c
kandSheard
1( 9
9
4
)等)。
この議論にしたがえば、企業が経営危機に陥った場合、メインパンクはモニター
3
ここでの仮説は主に福田・広田(1 9
9
5
)にしたがっている。
130 日本経演研究 N
.o4
5,2
0
0
2
.
.6
としての名声を維持するために、金融支援を実行すると考えることができる。 この
点について、堀内 (
1
9
9
0
)は以下のように述べている。
「銀行が特定の借り手企業のメインパンクとして、その貸し手にかんする情報を
他の銀行・金融機関へ伝達するとしづ仮説から、借り手企業が経営危機に陥った場
合のメインパンクの行動も説明できる。 この場合ぜメインバンクは情報生産の専門
家としで、他の債権者たち(つまり暗黙的にその情報を購入した銀行・金融機関)
の利益を重視しなければならない。情報生産者としての質についての他者からの信
頼を維持するためには、可能なかぎり経営破綻に瀕した企業に援助の手を差しのべ
J。
る4
メインパンクが名声を維持するために金融支援を実行した場合に、メインパンク
の株価が下落するかどうかについては、いくつかの考え方が可能で、あろう。
第一の考え方は、 メインパンクにとって金融支援はモニターとしての名声を維持
するためのコストであり、金融支援自体はメインパンクにとって有利な投資でない
という点に焦点を当てるものである 。 この考え方に基づけば、金融支援によってメ
インパンクの株価は下落すると考えられる(福田・広田(1
9
9
5
)。
)
第二の考え方は、金融支援自体はメインパンクにとって有利な行動ではないとし
ても、金融支援を行うことによってメインパンクとしての名声の下落を防止できる
効果まで考慮すれば、金融支援はメインパンクにとってトータルで、は有利な行動で、
あるというものである。 このように考えると、金融支援の実行によってメインパン
クの株価は下落しない、あるいは上昇すると考えることもできる。
(
3
) 低コストで効率的な経営破綻処理としての金融支援
メインパ ジクの金融支援についての第三の議論は、金融支援が経営危機に陥った
企業に対する低コストで効率的な経営破綻処理として行われていると考えるもので
1
9
9
8
)等)。
ある (池尾・瀬下 (
一般に企業が支払不能状態あるいは経営破綻に陥った場合には、何らかの形で経
営破綻処理を行う必要がある。その際清算価値が継続価値を上回る場合には企業を
清算させ、継続価値が清算価値を上回る場合には、債権者と経営者の再交渉を通じ
て負債返済額の減免などを行い、企業を継続させるのが効率的な経営破綻処理であ
る
。
じかしながら一般には、情報の非対称性の問題によって、多くの債権者にとって
4
堀内 )091(
、36頁
。
債権放棄の経済的機能
131
経営破綻企業の継続価値と清算価値を適切に評価するのは困難であろう。また各債
権者が企業の継続価値が清算価値を上回っていると予想しているとしても、各債権
者の貸出シェアが低ければ、他の債権者が金利減免や救済融資を実行してくれるこ
とを期待して自らは債権の回収に努める結果、企業は清算に追い込まれる可能性が
高くなってしまう。このように経営危機に陥った企業の経営破綻処理は、情報の非
対称性等の問題によって非効率なものになってしまう可能性がある。
このような問題に対して、一般には会社更生などの法的な倒産処理が効率的な経
営破綻処理を行う役割を担うことになる。しかしながら法的な倒産処理は債権者間
の協調によって成立する私的な処理に比べて、倒産コストが高いと言われている 50
これに対して、日本企業の経営破綻処理においては、メインパンクが経営破綻企
業との再交渉を調停する機能を果たしていると考えることができる。すなわちメイ
ンパンクは、経営危機に陥った企業の継続価値と清算価値についてモニタリングを
行い、継続価値の方が高いと判断した場合には再交渉の調停役として金融支援の条
件を策定し、他の融資銀行団に協力を呼びかけるのである。このような私的な再交
渉としての金融支援が行われれば、法的な倒産処理に比べて低コストで効率的な経
営破綻処理を行うことが可能になる。特に日本では、メインパンクが金融支援を行
った場合には、同じ銀行をメインパンクとする企業との取引が継続される可能性が
高いと言われており、その意味でもメインパンクによる金融支援は、法的な経営破
綻処理に比べて低コストであると考えられる。
この議論にしたがえば、メインパンクの金融支援が実行されれば、低コストで効
率的な経営破綻処理が行われることになるので、経営破綻企業の株価や債権者全体
にとっての債権価値が上昇ナる。このとき、金融支援にあたって貸出シェア以上の
負担をするメインパンクの株価は上昇するか、少なくとも下落はしないと考えられ
る
。
2.
メインバンクの金融支援についてのイベント・スタディ
前項で説明したように、メインパンクの金融支援については、いくつかの仮説が
5G
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n,JohnandL
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n
g
(
1
9
9
0
)は財務危機に陥ったアメリカ企業を対象に、リストラクチャリング期間
における異常収益率を計測した。結果は負債の私的なリストラクチャリングが成功した企業の異常収益
h
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p
t
e
r
l
l に登録された企業の異常収益率よりも有意に高かった。この結果は、私的な再
率は正で、 C
交渉による経営破綻処理が法的な倒産処理に比べて低コストであることを示している。なお一般に、企
業の倒産時にかかるコストとしては、1)裁判手続き費用や管財人、弁護士への支払いなどの直接的倒産
コスト、 )2 仕入にあたって現金取引を要求されることによる企業活動の制限、製品需要の低下による売
上減少などの間接的倒産コストがある。
132
日本経済研究 .
No4
5
.
2
0
0
2
.
6
1
存在するが、 このうちどの仮説が現実に妥当しているかという問題について実証分
析を行った先行研究として福田・広田(1 995)がある。
、 1990年 12月から 1993年 7月までに公表されたメインパン
福田・広田(1 995)は
クの金融支援 46件について、メインパンクと企業の株式の超過収益率を分析してい
る
。
結果は、全 46サンプノレでみた場合には、公表日とその前日におけるメインパンク
の累積超過収益率は有意にゼロと異ならなかったが、サンプルを上場企業 15件に限
定した場合には、 メインパンクの累積超過収益率は有意に正となっていた。他方、
金融支援を受けた上場企業の累積超過収益率は有意にゼロと異ならなかった。
、
福田・広田(1 995)は
「サンプル数が少ないこと、イベント日周りの超過収益率
に関する有意度が限界的であることを考慮すると、以下の結論はいずれも暫定的な
ものである J とした上で、
「メインパンクによる金融支援が保険金の支払や評判を
維持するためのコストであるとする仮説よりも、積極的に企業価値を高める負債再
構成ないし企業再構成のための投資であるという仮説とより整合的である 6
Jという
解釈を提示している。
金融支援のアナウンスメントに対してメインパンクの株価が有意に上昇し、企業
の株価が有意に反応しないという福田・広田(1 995)の上場企業についての結果は、
メインパンクによる金融支援が低コストで効率的な経営破綻処理として行われてい
るという仮説と整合的である。ただしメインパンクの交渉力が強いために、金融支
援による企業価値の上昇は、企業ではなくメインパンクに配分されていると解釈す
ることができる。
3
. 分析方法
1.3
サンプルとイベント日の特定
本稿では、企業に対する債権放棄についてのニュースが新聞報道された時点にお
ける企業とメインパンクの株価反応を検証する。
サンプルの抽出にあたっては、まず日本経済新聞社『日本経済新聞 CD-ROM~ 、
1
9
9
5
"
"
"
"
1
9
9
9年版において、
6 福田・広田
「債権放棄J あるいは「債務免除 j を主要なキーワード
(
1
9
9
5
)、 3
0
0頁。
債権放棄の経済的機能
133
とする新聞記事を抽出したにただし同一企業に対する債権放棄の新聞記事が複数抽
出された場合には、掲載日時の最も早い記事のみを抽出した。また非金融機関によ
る債権放棄、国家プロジェクトに対する債権放棄、 会社更生、清算手続きにおける
債権放棄、住専、外国企業に対する債権放棄、整理回収機構による債権放棄、貸し
手の破綻に伴う債権放棄等はサンフ。ルから除外した。 また本稿では、各新聞記事に
おいて見出しゃ最初に名前が挙げられている銀行をその企業のメインパンクと考え
ることにする。
以上の手続きの結果、 31件の債権放棄が抽出された(表 1参照)
0
31件の債権放
棄のうちイベント・スタディの対象となるのは、必要な株価データが東洋経済新報
社『株価 CD-ROM~ から入手できる企業、メインパンクである。企業については、
株価データが入手できる上場企業・庖頭公開企業が 19社あり、このうちイベント日
前後で値付かずの日が多かったチノン(1 997年 8月 27 日)を除いた 18社をサシプ
表1 イベント一覧
新聞報道日
1
9
9
5
年 2月9日
1
9
9
5
年4月25日
1
9
9
5
年 7月 日
1
9
9
5年 1
1月1
4日
1
9
9
6
年 3月2日
1
9
9
6
年4月26日
1
9
9
6
年9月24日
1
9
9
7
年1
月17日
1
9
9
7
年 3月1日
1
9
9
7
年 8月27日
1
9
9
8
年 2月1
0日
1
9
9
8
年 9月26日
1
9
9
8
年1
0
月1日
1
9
9
8
年1
1月1
4日
1
9
9
8
年1
1月1
9日
1
9
9
8
年1
1月27日
1
9
9
8
年1
2月5日
1
9
9
8
年1
2月 1
8日
1
9
9
8
年1
2
月25日
1
9
9
9年 1
月1
2日
1
9
9
9年 1
月23日
1
9
9
9年2月1
3日
1999
年 2月22日
1999
年2月27日
1
9
9
9
年 3月3
0日
1
9
9
9
年4月27日
1
9
9
9
年4月2
9日
1
9
9
9
年 5月2
1
8日
1
9
9
9
年6月 9日
1
9
9
9
年9月29日
d
7
上場先
企業
石原建設
東証二部
東証一部
日貿信
東証一部
赤井電機
第一コーポ
非上場
非上場
興和不動産
東証一部
{主商リース
旭ホームズ
庖頭公開
オールコーポレーション非上場
蛇の目ミシン
非上場
チノン
東証二部
セッツ
非上場
ダイヤモンド信用保証他非上場
昭和海運
非上場
東証一部
藤和不動産
フジタ
東証一部
東証一部
青木建設
東証一部
第一電工
コスモ証券
東証一部
長谷工
東証一部
佐々木硝子
非上場
アーバンライフ
非上場
東証一部
殖産住宅
東証一部
西友
佐藤工業
東証一部
ノ号スコ
東証一部
函館どっく
非上場
タテホ化学
大証一部
東証一部
中央板紙
兼松
東
非
証
上
一
場部
地崎工業
洋伸不動産他
非上場
地経面に掲載された新聞記事は除外した。
134
日本経済硫究
N
.o 4
5.
2
0
0
2
.6
債権放棄額備考
(百万円)
30000
主取引銀行
ニ菱信託銀
第一勧銀
三菱銀行
三井信託
興銀
住友信壬
東京三菱銀
東海
9500
1
8
4
0
0
200000
40000
4200
30500
1
4
0
0
0
あさひ
4250イベント日周りで株式値付かずの日が多い 八十二
住友
80000
東京三菱銀
20000
富士
70000
東海
1
2
0
0
0
0
東海
200000事業撤退・経営責任明確化 ・人員削減
あさひ
1
2
6
0
0第三者割当増資
東京三菱銀
30000事業撤退
大和
390000事業撤退・経営責任明確化・人員削減
大和
1
2
0
0
0
さくら
8000
住友信託
65000
三和銀
200000
第一勧銀
1
0
0
0
0
0
第一勧銀
36000
東京三菱銀
95000
富士
1420
さくら
1
1
4
0
0
十六銀
170000
東京三菱銀
37700
北洋銀
71700
東洋信託銀
ルとして採用した。またメインパンクについては、同一の銀行が同時に 2社に対し
1月 1
4日、企
て債権放棄を行うことが報道されたケースが 1件あるため(1 998年 1
業:藤和不動産・フジ夕、メインパンク:東海銀行)、
30件がサンプルとして採用
された。
なお各サンプルについて、原則として新聞報道日をイベシト日とする。ただし新
聞報道日に休日などの理由で株式取引が行われなかった場合には、新聞報道日以降
最初に株式取引が行われた日をイベント日とする。
2.3
分析方法
債権放棄の新聞報道に対する企業と銀行の株価反応を分析するにあたって、本稿
では標準的なイベント・スタディの方法を採用する。
まず各サンフ。ルの株価データを用いて、マーケット・モデノレの推定を行う。具体
的には、イベント日の 1
3
0取引日前から 1
1取引目前までの 1
2
0日間を推定期間とし、
推定期間の各自における株式投資収益率 R
"(=
;P( t一凡)1 ;P t-l)を用いて 8、以下の(1)
式の α、 β を最小二乗法で推定することになる 90
Rtr=α+β:
,
RMt+U"
ただし、
RMt
)1(
t日におけるマーケット・ポートフォリオの収益率
凡:第 i 銘柄の t 日における終値
U ri
:誤差項
なお推定に必要なマーケット・ポートフォリオの収益率については、 )1 全てのサ
ンプルについて
TOPIX収益率を用いる、 2
)それぞれのサンプルが上場している市
場の株価指数・平均株価の収益率を用いる 10という 2通りの方法を採用したが、い
ずれの方法でも結果は同様であったので、以下では全てのサンプルについて
TOPIX
収益率を用いた場合の結果を示すことにする。
マーケット・モデ、ルの推定を行った後、推定値ム点を用いで、イベント期間(イ
ベント日の 1
0日前から 1
0日後まで)の各日における異常収益率 (
A
R
)を以下の (
2
)
式にしたがって計算する。
『株価 CD-ROMJIに掲載されている調整係数を用いて、資本
異動に伴う修正を行った。ただし配当落ち修正は行っていない。この点は福田・広田(1 9
9
5
)と同様であ
る
。
8 株式投資収益率の計算にあたっては、
マーケット・モデ、ノレの推定期間において当該企業の株式取引が成立しなかった日がある場合には、そ
の日を取り除いて推定を行った。
1
0 東証一部上場企業は T
OPIX、東証二部上場企業は東証二部指数、大証一部上場企業は大証一部 3
0
0
種平均、庖頭公開企業については日経活頭平均の収益率をそれぞ、れ用いた。
9
債権放棄の経済的機能
135
A
"R ,
R=,
-
(
2
)
ai一点RM ,
土
す
(
3
)
AR=
AR
N 竺f
a
ただし、 N はサンプル数。
株価反応を検証するにあたっては、イベント期間の各日について、帰無仮説
4
)式で定義さ
rARi=OJ について統計的に検証する。帰無仮説の下では、以下の (
れる検定統計量は t 分布にしたがう。
AR
)4(
σ(A ,
R)
J主
ただし、 σ(
夜)寸
(R ,, -a
i一
,
片山
本稿では標準的なイベント・スタディにしたがい、異常収益率 (AR)だけでなく、
累積異常収益率 (CAR)についても分析を行う。
(
5
)
CAR
=IAR"
i(んt2)
a 玉 川 寸α
ZR,(t t
N
l'
帰無仮説
2)
ω
rCAR(んι)= 0Jの下では、以下の検定統計量が t 分布にしたがう。
C4R(t t
2)
l'
;五
t,
J.)
一 σ(
ゴ立
(
7
)
4
. 実証結果と解釈
4
.
1 全サンプルを対象とした実証結果
全サンプルを対象とした実証結果は表 2、3および図 1、2に示されている。まず
メインパンクについての実証結果をみると、いずれの時点でみても、 AR、 CARが
有意にゼロと異なるとし、う仮説は支持されなかった。
本稿はまた、推定期間に他の債権放棄のイベント日が含まれることによる問題を
避けるために、同じメインパンクがそれ以前の比較的近い時期に債権放棄を行うと
公表されたサンプル 4件を除去してメインパンクの株価反応を分析した 11。結果は
1
1
この点についてはレフェリーからご指摘をいただきました。記して感謝いたします。また、除外した
136 日本経済研究 .N
o4
5,
2
0
0
2
.6
同様で、
、いずれの時点でみても、 AR、 C
ARが有意にゼロと異なるという仮説は支
持されないというものであった 120
このように、債権放棄によってメインパンクの株価が下落するという仮説が支持
されないという結果は、債権放棄においてメインパンクが自らを犠牲して企業を救
済しているという見方が妥当しないことを示している。したがって近年の債権放棄
に関して、保険提供仮説は支持されないことになる。
また名声の下落を防止できる効果まで考慮した場合には、金融支援はメインパン
クにとって必ずしも不利な行動ではないという考え方にしたがえば、本稿の結果は
メインパンクがモニターとしての名声を維持するために債権放棄を行うという仮説
と整合的であると言えよう。
他方企業についての実証結果をみると、イベント日の前日とイベント日において
ARが有意に正となっており、イベント日周りの CARも有意に正となっている。し
たがって債権放棄のアナウンスメントに対して、企業の株価が有意に上昇している
ことになる。この結果は、債権放棄が低コストで効率的な経営破綻処理として行わ
れているという仮説を支持するものである。すなわち、近年のメインパンクの債権
放棄は、企業の経営破綻処理を低コストで行うとしづ機能を果たしていることにな
る
。
.
.
.
.
.
.
.
4 日後において ARが有意に負となっており、
なお、イベント日の 2 日後 .
C
A
R
(
+
2
,
+
1
0
)も有意に負になっている。この結果は、債権放棄が公表された数日後
に、企業の株価が下落することを示している。しかしながら、 C
A
R
(
l
O
,
t
)をみると、
イベント日の 1日前から 1
0日後に至るまで、一貫して有意に正となっている。した
がって債権放棄が公表された際、企業の株価は一旦過剰に上昇し、その後適正な水
準にまで低下していく傾向にあるといえよう。
企業の株価が有意に上昇する一方、メインパンクの株価は有意な反応を示さない
という以上の結果は、企業とメインパンクの関係をトータノレで、みた場合には債権放
棄が正の価値を生み出していることを意味しており、この点で福田・広田 (1995)と
整合的である。しかしながら債権放棄についての本稿の結果は、金融支援によって
増大した企業価値の分配の面で、福田・広田(1 995)と異なる結果になっている。
のは、東京三菱銀行 2件 (
1
9
9
8年 1
1月 2
7日
、 1
9
9
9年 5月 1
8日)、大和銀行 (
1
9
9
8年 1
2月 1
8日
、
)
第一勧銀 (
1
9
9
9年 2月 2
2日)の計 4件である。
1
2 同ーのメインパ ンクが比較的近い時期に債権放棄を行うと公表されたサンプル計 8件を除外して分析
を行っても、結果は同様で、あった。
債権放棄の経済的機能
137
表
2-A
~10
1
,
449
~9
.1 3
4
8
~8
2.618
~7
0,
5
4
2
~6
o
.101
t値
CA.R(~lO , )t
t値
AR
日
~1. 514
.1 409
449
~1. 514
o
.101
~0.074
~1.
ー
2.517
.1 519
.1 975
.1 032
O
.1
0
5
2.076
0.970
0.240
1
0
3
0
.
2
5
1
0
.1
0
8
2.316
0.988
2.213
0.874
~3
0.927
0.969
3
.1
4
0
.1 1
6
0
一2
0.570
0.596
3
.710
.1 2
9
3
2.895
6.481*
2
.1
4
2
.1 899
1
17.866**
5.630
1
8.
415**
963
O.574
-2.052
5.556
4
.7
6
9
994
-2.568
-2.084
1
4.
4
58**
4.039
-2.
683
.1 891**
1
3.209
-0.963
10.969**
2.866
-0.856
-5
'
4
~O.
-1
2
.770**
1
.1 385**
O
+
1
O
.5
4
9
+2
.1-
+3
.1-
+4
+5
2
.7
3
6
~0 .566
+6
:
0
.
9
2
2
-0.819
+7
.1-
+8
+9
0.413
-0.417
+10
0.082
0.085
3
7
5
林
:
16.452**
1
0
.150**
2.573
437
8
.775*
2
.1
6
2
-0.
4
31
8.363*
2.005
一0
.436
7.
946*
.1 8
5
7
8.027*
.1 8
3
1
.1-
1
8
サンプル数
注)単位:%
企業の株価反応
1
8
I%水 準 で 有 意 *:5%水 準 で 有 意
図 1 企業の株価反応
企業の異常収益率
(
%
)
企業の累積異常収益率
1
5
2
0
1
0
1
5
5
。
出
()
1
0
5
。
5
一
5
一1
0
一1
0
ー
JP
戸《介/'"
。x'" x"" ふ
日
138
日本経済研究
N
.o4
5•2
0
0
2
.6
Jbx
や
JP
戸
f
o <>)
/'"も
x
'
"x
" ふ ふ ,t
p
日
表 2-8 メインパンクの株価反応
AR
日
t値
CAR(
一1
0,
)t
t値
0.063
o
.102
0.063
o
.102
-0.204
-0.333
-0
.1
4
2
0
.1
6
3
8
0.428
0.697
0.286
0.269
0.508
0.827
o
.794
0.647
o
.015
o
.025
0.809
0.590
-0.
304
-0.495
0.505
0.336
0
.1
5
7
-0.256
-0.529
-0.862
0.348
-0.181
0.214
0
.1
0
4
0
.1
8
5
-0.895
-0
.1
0
1
-0.461
d
弓
-10
9
pnvFhυ
一
一
内
4
s Jη4 官
、(
F 1 n4nJ
一
一- 一
+++
-0.004
-0.007
-0.710
.1-
.1-
330
-0.038
-0.062
.1-
368
-0.653
-0.643
0.329
0.
266
-0.537
.1-
6
9
7
0
.7
6
7
0.433
.1-
432
-0.623
+4
0.
497
-0.393
-0.1
1
9
0.810
0
.1
9
3
-0.
935
+5
.1-
053
-0.429
ゐ
-0.434
1
5
8
0
.7
0
7
+6
0.328
0.535
0
.7
2
5
-0.286
+
7
-0.047
-0.077
0
.7
7
2
-0.297
+8
o
.777
o
.787
o
.372
.1 2
66
0.005
0.002
.1 2
8
3
o
.
7
9
2
0.289
0.606
.1 1
6
4
0.414
+9
+10
サンプル数
注)単位:%
30
3
0
材 :
1%
水準で有意
*:5%
水準で有意
図 2 メインパンクの株価反応
メインパンクの異常収益率
メインパンクの累積異常収益率
1
5
(
%
)
2
0
1
0
1
5
5
1
0
。
三=
e
5
。
。,
、
も
も
,
.~
J
,
¥'/
。
,¥x
'
日
ー1
0
t民
x
x
も
o'_
.~
X.
f
,~
=
一
r3
R
J
W
1
0
〆
百
()
も
"
〆
も
t拠 ,
¥'/
ノ
。
,¥x
'
h拠
x
も
〉
‘
_'oふX
日
債権放棄の経済的機能
139
司
表 2ー C メ イ ン バ ン ク の 株 価 反 応 :
)
他の債権放棄イベントが推定期間に入るサンプルを除去 a
CAR(-10
,
)t
宣
i1t
AR
0.003
t値
-10
0.005
0.003
0.005
日
-9
0
.1
8
1
一0
.290
-0.178
0
.2
0
1
-8
0.507
0.813
0.329
0.305
一7
0.439
O
.704
O
.7
6
8
0.616
-6
O
.1
0
0
-0.398
O
.1
6
0
一0
.
.
6
3
9
0.867
0.622
0.469
0.307
-5
-4
-0.222
-0.357
一O
.7
2
1
0.247
-0.203
O
.1
5
0
0
.1
1
5
-2
-0.450
一O
.{
)
6
5
一O
.1
0
4
-0.268
0
.1
4
3
-1
-0.858
.1-
1
2
6
-0.571
-0.422
3
7
7
-0.678
.1-
O
.1-
5
4
8
0
.7
4
9
-0.641
-3
+
1
O
.1
6
5
0.265
.1-
3
8
3
+2
0
.1
8
7
-0.300
.1-
570
-0.699
.1-
1
7
5
一0
.504
+4
0.394
O
.7
0
2
0.633
.1 1
2
7
-0.473
0
.1
9
6
+5
-0.179
-0.287
-0.652
+3
+6
0.350
O
.5
6
1
一0
.303
-0.262
-0.118
+7
-0.010
一0
.017
-0.313
-0.118
+8
0.682
.1 0
94
0.369
O
.1
3
6
+9
0
.
8
3
1
.1 3
3
3
.1 2
0
0
0
.
4
3
1
+10
0.458
O
.7
3
5
.1 6
5
8
0.581
サンプル数
26
26
注)単位:%
林 : 1%
水準で有意 *
:5%水準で有意
a
)推定期間に他の債権放棄イベントが入るサンプル 4件を除去している。除去
1に示されている。
したサンプルは注 1
表 3 イ ベ ン ト 期 間 に お け る CAR
メインパンク
企業
ift 直
CAR
CAR(
CAR(-l
CAR(-l
CAR(+2
一1
0,
2
)
,
)O
,
)1+
,
)01+
ift 直
CAR
.1 2
93
0
.1
8
5
1
0
.
4
6
1
.1-
1
4
.705**
8.873
.1-
-10.388**
-3.619
3
.7
1
0
1
4
.156**
サンプル数
1
8
注)単位:%
林 : 1%
水準で有意 *
:5%水準で有意
1
4
5
0
.1
0
1
1
8
3
319
-1.113
2.532
.1 3
75
.1-
30
福田・広田 (1995)は 、 上 場 企 業 に 対 す る 金 融 支 援 の ア ナ ウ ン ス メ ン ト に よ っ て メ
インパンクの株価が上昇する一方企業の株価はほとんど反応しないという実証結果
140
日本経済研究 N
.o4
5.
2
0
0
2
.6
を提示しており、
「金融支援に伴う企業価値の増加がもっぱらメインパンクに帰属
することを示唆している 13J と解釈している。これに対して本稿では、債権放棄の
アナウンスメントによって企業の株価が上昇する一方メインパンクの株価は反応し
ておらず、金融支援による企業価値の増加はメインパンクではなく企業に帰属する
結果となっている。
この点については、福田・広田(1 9
9
5
)は、まだメインパンクが強い交渉力を持っ
ていたと考えられる 1
9
9
0年代前半までの金融支援を分析対象としているのに対し、
本稿では銀行の健全性が低下したと指摘される 1
9
9
0年代後半における債権放棄と
いう「相対的に強い J 金融支援を分析対象としているため、金融支援による企業価
値の増大がメインパンクにとっての債権価値の増大にはつながらず、企業に帰属し
たと解釈できる。言いかえれば、 1
9
9
0年代後半においては、銀行の健全性の低下等
を背景に金融支援を行う際のメインパンクの交渉力が低下しており、債権放棄によ
る企業価値の増大を自らに帰属させることが不可能になったと言えよう。
4.
2 再建策、上場・非上場向け債権放棄、債権放棄規模と株価反応
)1(
債権放棄以外の再建策と企業の株価反応
前項では、債権放棄のアナウンスメントに対して企業の株価が有意に上昇し、メ
インパンクの株価は有意な反応を示さないという結果を提示した。しかしながら、
企業の株価は債権放棄自体に反応したのではなく、不採算事業からの撤退や人員削
減などの債権放棄のアナウンスに伴うさまざまな再建案に反応した可能性もある。
表 4 は、各企業の AR.CARと債権放棄額、債権放棄に伴って発表された債権計画
を示している。これをみると、サンプル抽出に利用した新聞記事において債権放棄
以外の再建案が報道されたのケースは 4社あった。このうち、事業撤退や人員削減
が報道された青木建設、コスモ証券、長谷工の 3社については、いずれも
A 凡,
AR+
I' C
AR(-l,
+
l
)がサンプル平均より低くなっている。したがって、本稿のサン
プノレ企業における株価上昇は、事業撤退などの再建案によるものではないと考えら
れる。
(
2
) 上場・非上場向け債権放棄とメインパンクの株価反応
メインパンクの株価反応は、相手企業が上場企業であるか非上場企業であるかに
よって異なる可能性がある。一般に上場企業は企業規模や負債額、債権者数が大き
1
3 福田・広田(1
9
9
5
)、300頁
。
債権放棄の経済的機能
141
一一一一 一一一… … 百一 一一←"".'-"''C_-.:一一一一
一一一一一 一
一一一
一一一 ""~,"'= 一 一一一 τ
一 一←
ー
.1 4
6
9
.1 8
9
5
CAR(-I
,
)O
ωR(
.1 8
5
1
1
4
.
4
4
5
1
4
.1
0
2
1
7
.
7
3
3
28.367
37.189
3
.1 1
9
5
.1 972
仙
畠
R(+2
企伊
本
守
也 AT
ψや
也 -T
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...
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1
2
.
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4
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9
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0
1
3
.
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5
4
5
6
.
3
4
7
0.804
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.
4
0
9
1
7
.
9
8
0
7
.
7
4
4
53.954
一銭斗製
1
4.1
5
6
*
*
0.
0
3
7
0
.
2
1
3
0.1
8
1
0.
2
61
,
+1)α
ー1
96
24
20
54
02
29
65
37
24
03
50
18
93
80
43
36
40
6-0
55
08
47
27
9
8
9
4
3
9
0
6
3
9
6
4
9
3
1
8
9
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1
1
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9白 保 u a u n v a v n v A宅 qdvnvnυnvQuququ 民UQUQU
-s宅 ハ υ o v o v o v
13322-2181
5 A寸tl 自す
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4
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1
4
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28.884
2
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5
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1
2
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2
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0
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0.
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,
85.546
7
4,480
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2
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0
1
3
4
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2
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6
5
3
,
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2
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2
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8
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3
8
2,4
1
9
1
9
3
6
5,0
4
7,3
0
7
1
4
3,1
6
2
5
8
4,8
1
1
。
内
1
4,6
53
2
0,3
5
9
56.1
9
1
1
5.
9
5
3
白
7
0
0
0
0
1
20000
200000
1
2
6
0
0
3
0
0
0
0
3
9
0
0
0
0
6
5
0
0
0
2
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
3
6
0
0
Q
1
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2
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1
1
4
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1
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ゐ
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8 1 2-4
91
3
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200
-
7
4
0
.
0
8
3
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AR(+I)
656286452365399619-5129
90
0
1
4
2
5
1
7
4
3
8
6
0
0
2
3
2
9
4
9
8
5
9
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三菱銀行
住友信託
東京三菱銀
東海
東海
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東京三菱銀
大和
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三和銀
第一勧銀
第一勧銀
東京三菱銀
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快勝誠割減
反応
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4
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3
0
1
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2
7
5
.
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1
3
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1
5
.
3
8
2
8
.
6
0
6
1
5
.
2
4
8
-9.082 事業撤退・経営責任明確化・人員削減
1
.1 4
5
2 第三者割当地資
ー5
.
5
6
0 事業撤退
3.
9
6
2 事業撤退・経営責任明確化・人員削減
ー1
4
.
8
8
6
78
9
2
7
.
7
9
5
3
6
.
5
8
5
9
.
8
2
8
1
7
.
2
5
8
8
.
8
6
7
-10.388**
0.
3
1
8
0
.
3
2
7
0
.
3
8
2
0.
4
6
1
白
表 5 上場
新聞報道日
銀行
E
非上場向け債権放棄、債権放棄額とメインパンクの株価反応
相手企業
1
9
9
5
0
2
0
9三菱信託銀 石原建設
1
9
9
5
0
4
2
5第一働銀
日貿信
赤井電機
1
9
9
5
07
01三菱銀行
第一 コーポ
1
9
9
5
1
1
1
4三井信託
興和不動産
1
99
6
0
3
02興銀
住商り ース
1
9
9
6
0
4
2
6住友信託
1
99
6
0
9
2
4東京三菱銀 旭ホームズ
オールコ ーポレーション
1
9
9
7
0
1
1
7東海
蛇の目ミ シン
1
9
9
7
0
3
01あさひ
1
9
9
7
0
8
2
7八十二
チ ノン
1
9
9
8
0
2
10住友
セ ッツ
1
9
9
8
回 2
6東京三菱銀 ダイヤモ ンド信用保証他
1
9
9
8
1
001富士
昭和海運
藤和不動産
1
9
9
81
1
1
4東 海
青木建設
1
9
9
8
11
19あさひ
1
9
9
81
12
7東京三菱銀 第一電工
コスモ証券
1
9
9
8
12
05大和
長谷工
1
9
9
8
1
21
8大和
佐々木硝干
1
9
9
8
12
2
5さくら
アーバンライ 7
1
9
9
9
0
1
1
2住友信託
1
9
9
9
01
2
3三和銀
殖産住宅
1
9
9
9
0
2
13第一勧銀
西友
佐藤工業
1
9
9
9
02
2
2第 勧 銀
1
9
9
9
0
22
7東京三菱銀 パス コ
函館どっ く
1
9
9
9
03
3
0富士
1
9
9
9
0
42
7さくら
タテホ化学
1
9
9
9
0
4
2
9十六銀
中央板紙
明0
5
18東京三菱銀 兼松
1
9
1
9
9
9
0
6
2
9北洋銀
地幡工業
1
9
9
9
曲 2
9東洋信託銀 洋伸不動産他
(
N=3
0
)
全 サ ン プノ
レ平 均
(
N=1
7)
上場企業向け平均
(
N=1
3)
非上場向け平均
債 権 放 棄 規 模 と の 積 率 相 関 係 数a
)
債 権 放 棄 規 模 と の 順 位 相 関 係 数 b)
債権放棄額
(百万円)
ARH)
AR( )O
3
7
30000.1- 40
5 0.7
O
.1
8
3 0:
062
9500 .1 95
0 0
.894
1
8
4
0
0 .1 025 -0.400
200000 0.089 O.1
5
1
40000 .1 835 -0.
3
4
4
4200 2
.42
4 -0.
25
1
3
0
5
0
0 O
.598 .1 61
1
1
4000 O
.723 ~ 2. 5
4
4
4250 .1 214 0.
8
94
0
.7
8
8 0
.2
7
1
80000 .1 5
7
1 4
.3
6
0
2
0
0
0
09
.484 -0.0
8
7
70000 -3
.
5
0
2 2
.1
3
5
200000 2
.073 0.
690
1
2
6
0
0 .1 675 0.035
30000 .1 082 0.
656
390000 -0
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1
2
0
0
0 -5
.
4
5
2 3
.
4
3
9
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65000 ・O
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5
2
200000 .1 3
0
2 2.184
1
0
0
0
0
0 0.454 0.1
8
3
36000 O
.3
6
6 -0
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95000 ・3
.
9
1
9 .1- 8
3
1
1
4
2
0 4
.
6
6
1 5.315
1
1
4
00 -0.530 .1- 4
1
2
1
7
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)
.
1
7
1 -1
. 578
37700 ・0.506 .1- 2
5
2
7
1
7
0
0 -2
.
0
9
9 .1- 1
0
6
0.
71
0 -0.434
-0.064 {
)
.1
8
3
-.1 55
5 0.7
6
2
{
)
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.399*
-0
.248 0
.283
∞
A R +( )l
CAR
.1 1
1
4
.1 855
-0.591
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3
0.091
0.0
8
1
.1 7
40
{
)
.
6
6
4
-.1 326
{
)
.
7
1
9
-0.608
-0.569
6.927
0.276
-2.621
0.326
0.547
2.937
-2.703
3.055
ー2.602
-0.908
.1 958
0.866
.1 7
44
4.217
0
.
166
0.880
-3.023
-2.282
0.038
0.286
0.
286
-0
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帥
-0.457
本$
Ho.
D!R(
ー
・)2
8.033
-8.498
-5.1
4
1
4.277
-3.355
ー2.013
ー0.432
ー1
.1 665
9.385
2.354
-.1 956
2.664
ー7
.
5
0
4
.1 516
5.
427
7
.205
-1
2
.
2
6
5
-6.6
7
1
-4.533
{
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27
20.886
3.730
6.243
2.434
0.3
9
2
.1 419
2.992
-5.370
-6.
524
7.468
-0.185
0.386
0.932
0.068
0.1
0
0
ー1.0
)
D!R(
-0.
668
0.1
21
-2.844
0.626
0.240
.1 491
2.174
ー
.1 013
ー
.1 821
2.1
0
8
ー
.1 059
-2.789
-9.5
70
-5
.637
ー2
.
7
6
4
.1 640
0.426.
ー
.1 203
-2.013
4.
18
5
~4. 2
3
1
0.882
0.
2
7
1
-0
.088
5.750
9
.976
ー
.1 942
.1 7
4
9
-.1 758
3.2
0
4
.1- 1
4
5
-0.248
ネ
-2.317
0.385
*
{
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.
2
2
4
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.D!R )01+.2(
0
..
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7
6
-3.434
2.1
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8
0.148
.1 572
3.91
4
ー
.1 677
-3.148
.1 389
-.1 667
3.358
2.643
.1 966
5
.
3
6
1
-5.3
85
0.12
0
4
.1
39
4.71
6
-1
. 1
30
-6.
834
0.0
26
.1- 687
0
.7
7
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1
4
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ー2
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4.7
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0.534
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-0.5
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場事
{
)
.
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.J 7
78
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.042
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2.
864
-5.259
1
9
.970
3
8.
322
-0
.1
3
4
-5.7
9
1
9
.983
-1
.1 048
4
.6
37
7
.
7
5
7
753
.1 51
5
3
.852
-4.162
-8
.523
-2.
665
3.247
ー
.1 072
-3
.450
0.707
1
0
.357
2.532
0
.292
6.224
本
-0
.098
-0.217
。
注)単位:%
特 : 1
%水準で有意 *:5%水準で有意
a
)債権放棄額の自然対数との積率相関係数
b
)債権放棄額の 自然対数との順位相関係数(ス ヒ。
アマンの ρ)
く、経営破綻処理に要するコストが大きくなると考えられる。 また非上場企業の 中
に l土
、 メインパンクの系列 ノンバンク、不動産会社などが含まれており 、 これらに
対する債権放棄には上場企業に対する債権放棄と異なる動機、機能があるかもしれ
ない。
表 5には、 上場企業向け債権放棄と非上場企業向け債権放棄を分けた場合 のメイ
ンパンクの株価反応が示されている。 これをみると、 上場企業向け債権放棄 におけ
CARはいずれも 有意にゼ ロと異ならなかっ た。 したがって全
るメインパンクの AR,
サンプノ
レにおけ る結果と 同様に、 上場企業向け債権放棄のア ナ ウンスメン トに対 し
て
、 メインバンクの株価 は有意 に反応していないことになる。
O
)が有意 に負となっており、
一方非上場企業 向け債権放棄においては、 CAR(-l,
イベント 日周りでメインパンクの株価 が有意に下落しているこ とが示されている。
しかしながら CAR(+2,
+1
O ) は有意に正 となっており 、債権放棄 のア ナ ウンスメン ト
債権放棄の経済的機能
143
l1
から数日後に株価が有意に上昇していることが示されている。以上より、非上場企
業向け債権放棄のアナウンスメントに対しても、メインパンクの株価が下落してい
ると結論づけることはできないことになる。
(
3
) 債権放棄規模と株価反応
最後に、債権放棄の規模が企業・メインパンクの株価反応に与える影響を分析す
る。表 4 には、企業の有利子負債に占める債権放棄額の割合(債権放棄率)、企業
の l 株当たり債権放棄額が示されている。これをみると、債権放棄率、 l 株当たり
債権放棄額と AR ,
CAR
の相関係数は有意にゼロと異ならなかった 14。したがって、
債権放棄の規模そのものは企業の株価上昇に影響を与えないと言えよう。
一方表 5には、メインパンクの AR.CAR
これをみると、債権放棄の規模と AR(O)
と債権放棄額の相関係数が示されている。
,
AR( +)1 ,
CAR(
-1 ,
+)1 の相関係数が有意に負で
あることが示されている。したがって債権放棄の規模が大きくなるほど、低コスト
で効率的な経営破綻処理を行う上でメインパンクが負担するコストが大きくなって
いると言えよう。
5
. おわりに
本稿では、近年経営破綻処理として行われている債権放棄を取り上げ、なぜメイ
ンパンクは債権放棄を行うのか、債権放棄はどのような経済的機能を有しているの
かという点について、イベント・スタディを用いて実証的に分析した。
分析結果は以下のように要約される。
①メインパンクが債権放棄を行う動機として、保険提供仮説は支持されない。メ
インパンクは経営破綻処理を(法的な破綻処理と比較して)低コストで行う再
交渉の調停役として、あるいはモニターと L ての名声を維持するために債権放
棄を行っている。
②メインパンクが債権放棄を行うことによって、取引当事者全体としてプラスの
効果が生じていることは、メインバンクが経営破綻に陥った企業に対して低コ
ストな経営破綻処理を行う機能を果たしていることを示している 150
1株あたり債権放棄額と異常収益率の相関係数が有意にゼロと異ならないという結果は、 「債権放棄
によって 1株当たり純資産額が増大するために企業の株価が上昇する」という解釈が強し、説明カを持た
ないことを意味している。
1
6 本稿のこの結論はメインパンクが従前どおりの機能を果たしていることを意味するものではなし、。法
的処理に比べて低コストな経営破綻処理を私的に行うという一般に銀行に期待される機能をメイ ンパ
1
4
144 日本経済研究 N
a
4
5.
2
0
0
2
.6
壇:
③債権放棄による企業価値の増加は企業に属し、 メインパンクには属さない。
h
」
の点で 1990年代後半においてはメインパンクの交渉力が低下しており、 メイ
ンパンクは金融支援(債権放棄)による企業価値の増大を自らに帰属させるこ
とができなくなっている。
以上の結果から、 メインパンクが今なお債権放棄を通じて、企業の経営破綻処理
において一定の経済的機能を果しているとは言える。ただし同時に、 メインノ〈ンク
としての交渉力がバブル崩壊直後と比較して低下していること、また債権放棄規模
が大きい場合には、 メインパンクのコスト負担が大きくなっていることが明らかに
なった。
参考文献
池尾和人・瀬下博之(1 9
9
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9
4
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“MonitoringC
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so
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h
eMainBankSystem:An An a
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" Aoki
,M.andH.P
a
t
r
i
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k(
e
d
s
.
},Th eみ !
Bank砂s- tem,OxfordUniversityPress,pp.l09-14
.1 (白鳥正喜監訳『日本のメイン
パンク・システム』、東洋経済新報社、 1
9
9
6
年
、 1
2
9
1
6
6頁)
Aoki,M.
,H. P
a
t
r
i
c
kandP
. Sheard1( 9
9
4
),
“The JapaneseMainBankSystem:An
I
n
t
r
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d
u
c
t
o
r
yOverview,
" Aoki,M.andH.P
a
t
r
i
c
k(
e
d
s
.
),Theみ !
p
a
n
e
s
eMainBank
ンクが果たしているということである。
債権放棄の経済的機能
145
a砂"Stem~ O
xfordU
n
i
v
e
r
s
i
t
yPress,p
p
.
3
5
0
..
(
白鳥正喜監訳『日本のメインパンク・シ
ステム』東洋経済新報社、 1
9
9
5年
、 1
5
6
5頁)
Brown,
S .J
.andJ.
.B WarIIer(
1
9
8
0
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MeasuringS
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l.1 4,N
o.1,pp.205~258
S
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日本経済研究
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