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2013 年国内 BtoC スマートフォン・コマース市場は 1
2013 年 10 月 22 日 スマートフォン・コマース市場に関する調査結果 2013 -2013 年国内 BtoC スマートフォン・コマース市場は 1 兆円規模を予測- 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にてスマートフォン端末を利用した国内 e-commerce(電子商取引)市場の調 査を実施した。 1.調査期間:2013 年 7 月~8 月 2.調査対象:国内のスマートフォン向け EC サービス(物販系・サービス系・デジタル系)を展開する関連企業等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング・文献調査・web アンケート調査を併用 <スマートフォン・コマースとは> 本調査におけるスマートフォン・コマースとは、スマートフォンをチャネルとして展開される e-commerce(電子商取引) を範囲とする。対象は物販系、サービス系、デジタルコンテンツ系、アプリ系などの BtoC 向け(消費者向け)市場とす る。 【調査結果サマリー】 国内 BtoC スマートフォン・コマース市場規模は 2013 年に 1 兆 3,469 億円、2015 年には 2 兆円を超える規模に成長すると予測 国内 BtoC スマートフォン・コマース市場規模は、2012 年で 8,450 億円、2013 年には前年比 159.4%の 1 兆 3,469 億円に成長すると予測する。国内 EC 市場、ならびにオフライン小売市場(EC を除く小売市場) においてもスマートフォン経由による EC(電子商取引)化が進み、今後の国内 BtoC スマートフォン・コマ ース市場規模は 2014 年で 2 兆 413 億円、2015 年で 2 兆 6,677 億円と、2 兆円を超える規模の成長を予 測する。 国内 EC 市場、オフライン市場(EC を除く小売市場)におけるスマートフォンによる 購買比率が上昇、一方フィーチャーフォン系市場においては消滅する分野も 国内 EC 市場におけるスマートフォンチャネル比率が上昇している。さらにスマートフォンの普及は、現 状のオフライン小売市場における EC 化も促進しつつある。一方、フィーチャーフォン系市場は、音楽配 信分野など従来のフィーチャーフォンの端末特性への依存度が高いサービス分野に関し、スマートフォン その他のプラットフォームへ移行せず縮小している分野もある。 スマートフォン経由 EC 利用は 20 代女性が顕著に積極的、特に物品系は有望分野 スマートフォン経由での EC 利用経験の比率が最も高かったのは「女性 20 代」74.0%、次いで「女性 10 代」55.0%、「男性 30 代」「女性 30 代」ともに 50.0%であった。「女性 20 代」はスマートフォン経由での EC 利用について顕著に利用傾向が示され、特に物品系 EC は非常に有望な分野であることが窺える。 ◆ 資料体裁 資料名:「急成長するスマートフォン・コマースの現状とビジネス展望」 発刊日:2013 年 9 月 9 日 体 裁:A4 判 219 頁 定 価:157,500 円(本体価格 150,000 円 消費税等 7,500 円) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 営業本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2013 Yano Research Institute Ltd. 2013 年 10 月 22 日 【調査結果の概要】 1. 市場環境 インターネット接続が可能な端末は PC が主流であったが、現在はスマートフォンやタブレット端末によ るインターネット接続が増加している。中でも、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)に置き換わりつつあ るスマートフォンは、消費者が最も日常的に接触する端末のひとつである。今後も個人が所有、利用する 端末は「固定型から移動(モバイル)型へ」の移行がさらに進むと考えられる。 2.国内 BtoC スマートフォン・コマースの主な動向 スマートフォンの普及により、アプリ分野や CtoC 系サービスなど新規市場が立ち上がっている。加えて、 既存の EC 市場におけるインパクトも大きくなっている。 2-1. PC チャネルからスマートフォンチャネルへの移行が増加 経済産業省のデータなどをもとに試算すると、現在、PC 経由の国内 EC(電子商取引)市場は 7 兆円規 模とみられる。また物販系 EC サービスを提供する各事業者のデータ等などから分析すると、EC のうち、 モバイル端末経由の購買比率は、分野によるものの平均 20%前後であり、スマートフォンの普及に比例 して伸びている。たとえばアパレル系 EC ではスマートフォンによる購買比率が、すでに 30%を超える事 業者も存在する。国内 EC 市場は今後も PC 経由からスマートフォン経由へと堅調に移行するものと考え る。 2-2. スマートフォン普及によりオフライン市場における EC 化を促進 スマートフォンの普及は国内 EC 市場のみならず、オフライン小売市場(EC を除く小売市場)における EC 化も促進しつつある。スマートフォン普及によるインパクトのひとつは、これまであまりインターネットを 積極的に使ってこなかったユーザ層が、その環境を手に入れることである。サービス事業者は EC サイトを 構築するにあたって、まずは PC 向けとすることが多かったが、昨今では PC 向けではなく、スマートフォン 向けを優先して開発するケースも増加している。今後、ユーザ数が急増することが見込まれるスマートフォ ン向けのサービスが充実するようになれば、小売分野における EC 化が一層促進される可能性がある。 2-3. フィーチャーフォン系サービスはスマートフォン普及により縮小するジャンルも ゲームなどのデジタル系、航空チケットなどのサービス系市場などは、フィーチャーフォン(従来型携帯 電話)も主要プラットフォームであった。しかしフィーチャーフォン向けで成長したサービスの中には、スマ ートフォンプラットフォームに移行せずに縮小しているジャンルもある。たとえば、音楽配信サービス、着メ ロ・着うたなどのサービスは、フィーチャーフォンからスマートフォンへの流れとともに、クローズドからオー プンへとネットワーク環境が変化する中において、無料コンテンツや web 系サービスとの競合環境が厳し くなるなど、ビジネスそのものが成り立たなくなっている事例もある。 3. 国内 BtoC スマートフォン・コマース市場規模予測 国内 BtoC スマートフォン・コマース市場規模は、2012 年で 8,450 億円、2013 年には前年比 159.4%の 1 兆 3,469 億円に成長すると予測する。 既存の国内 EC 市場、ならびにオフライン市場(EC を除く小売市場)におけるスマートフォン経由の EC 普及が堅調に進む。また、フリーマーケット・オークションなど CtoC 系 EC サービスなど、スマートフォン発 の新規市場も次々に創出されている。 国内 BtoC スマートフォン・コマース市場は今後も堅調に成長し、2014 年は前年比 151.6%の 2 兆 413 億円、2015 年は同 130.7%の 2 兆 6,677 億円と、2 兆円を超える規模に成長すると予測する。 Copyright © 2013 Yano Research Institute Ltd. 2013 年 10 月 22 日 図 1. 国内スマートフォン・コマース市場規模予測 (億円) 30,000 26,677 25,000 20,413 20,000 15,000 10,000 13,469 8,450 5,000 0 2012年 2013年 (見込) 2014年 (予測) 2015年 (予測) 矢野経済研究所推計 注 1: 事業者売上高ベース 注 2: 市場規模は一部 CtoC 市場を含む、BtoC 市場を対象とし、BtoB 市場は対象外。また物販系、サービス系、デジタルコ ンテンツ系、アプリ系などの市場の合計にて算出し、広告サービスや無料サービスを除く。 注 3: (見込)は見込値、(予測)は予測値 Copyright © 2013 Yano Research Institute Ltd. 2013 年 10 月 22 日 4.消費者アンケート結果~スマートフォン・コマース利用経験について スマートフォン経由における EC 利用経験については、性別・年代別で大きく傾向が分かれている。 スマートフォン経由での EC 利用経験の比率が最も高かったのは「女性 20 代」74.0%、次いで「女性 10 代」55.0%、「男性 30 代」「女性 30 代」ともに 50.0%であった。「女性 20 代」は同年代の「男性 20 代」と比 較しても、29 ポイントも上回っている。男性より女性の方がスマートフォンでの EC 利用には積極的であり、 特に 20 代女性に顕著にその傾向が示されている。 「女性 20 代」の利用経験を分野別に見ると(複数回答)、「物品系」60.0%、次いで「サービス(非デジタ ル系)」30.0%、「サービス(デジタル系)」28.0%と、物品系 EC における利用が多い。 本調査結果から 20 代女性向けの物品系小売 EC においては、スマートフォンチャネルが非常に有望で あることがわかる。また、男性は 30 代を除き「サービス(デジタル)系」、「物品系」との差が比較的小さいが、 女性はどの年代も「物品系」EC がその他分野と比較して利用率が高い傾向にあった。 図 2. スマートフォン・コマースの利用経験 分野別ECの利用経験(スマートフォン)【MA】 物品系 サービス(デジタル)系 インターネットでの注文・購入経験は全くない サービス(非デジタル)系 オークション系 (%) 31 12.4 男性(n=500) 23.8 11 性別 57.8 13.6 女性(n=500) 14.0 56.0 33.0 26.0 13.0 55.0 44.0 16.0 24.0 12.0 50.0 32.0 17.0 男性/40-49歳(n=100) 30.0 13.0 5.0 4.0 53.0 16.0 11.0 75.0 14.0 女性/15-19歳(n=100) 12.0 女性/20-29歳(n=100) 42.0 19.0 45.0 14.0 11.0 10.0 6.0 26.0 37.0 24.0 50.0 37.0 6.0 4.0 60.0 30.0 28.0 16.0 女性/30-39歳(n=100) 女性/50-69歳(n=100) 28.0 10.0 男性/30-39歳(n=100) 性別×年代 49.2 30.0 13.0 男性/20-29歳(n=100) 女性/40-49歳(n=100) 19.6 11 男性/15-19歳(n=100) 男性/50-69歳(n=100) 39.6 15.0 55.0 22.0 12.0 70.0 矢野経済研究所作成 注 4: 調査期間:2013 年 7 月、集計対象:全国の 10 代から 60 代のスマートフォンユーザ男女 1,000 名、 調査方法:インターネット調査、複数回答 Copyright © 2013 Yano Research Institute Ltd.